JP2010100601A

JP2010100601A - バナナの皮を有効成分とする５αリダクターゼ阻害剤

Info

Publication number: JP2010100601A
Application number: JP2008297308A
Authority: JP
Inventors: Kazuyoshi Yazawa; 一良矢澤; Tomoyuki Susa; 智之諏佐; Miyuki Ishii; 美深石井
Original assignee: Shonan Inst For Medical & Prev; Shonan Institute for Medical and Preventive Science
Current assignee: Shonan Inst For Medical & Prev; Shonan Institute for Medical and Preventive Science
Priority date: 2008-10-27
Filing date: 2008-10-27
Publication date: 2010-05-06

Abstract

【課題】５αリダクターゼ阻害作用を有する組成物を提供し、ひいては該組成物を含有する飲食品、動物飼料、化粧品又は医薬品を提供することにある。
【解決手段】バナナの皮抽出物を含有することを特徴とする５αリダクターゼ阻害剤、及び該組成物を含有する飲食品、動物飼料、化粧品又は医薬品を提供する。
【選択図】図１

Description

本発明は５αリダクターゼ阻害を目的とした組成物、及び該組成物を含む飲食品、動物飼料、化粧品又は医薬品に関する。

５αリダクターゼとはテストステロンをジヒドロテストステロンに変換する働きをもつ酵素であり、前立腺肥大や男性型脱毛症に関与されていることが示唆されている。

前立腺は男性ホルモン依存的に肥大することが知られている。６０歳を過ぎたころから前立腺が肥大し、半数以上の男性が夜間頻尿、放尿力の低下などの障害を訴えるようになり、高齢の男性にとっては深刻な問題となっている。５αリダクターゼ阻害剤が前立腺肥大症に有効であることは知られている。現在、前立腺肥大の予防改善食品としてノコギリヤシ、カボチャの種子エキス、医薬品としてはα１ブロッカー、抗アンドロゲン剤などが用いられているが、選択肢が少ないため新たな前立腺肥大を抑制する食品や医薬品の開発が望まれている。

男性型脱毛症の成因としては、ホルモンのアンバランス説、遺伝説、血液循環不全説、栄養説などが提唱されているが、男性ホルモンのテストステロンが重要な役割を演じていることが古くから示唆されている。テストステロンは、頭部において毛包、皮脂腺などに存在する５αリダクターゼによりジヒドロテストステロンに転換される。このジヒドロテストステロンが原因となり男性型脱毛症が進行するものと考えられているので５αリダクターゼを阻害する食品や医薬品の開発が望まれている。

バナナの皮はその薬効に関しては知られていない。また、バナナの皮抽出物に前立腺肥大抑制作用があり前立腺肥大の予防、治療に有効であるという報告はあるが（特許文献１）メカニズムについては全く触れられていない。

特許公開２００８−１７４５３１

本発明は、５αリダクターゼ阻害作用を有する組成物を提供し、ひいては該組成物を含有する飲食品、動物飼料、化粧品又は医薬品を提供することにある。

上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、バナナの皮抽出物に顕著な５αリダクターゼ阻害作用があることを見出した。すなわち本発明は、以下の構成を有する。
（１）バナナの皮抽出物を含有することを特徴とする５αリダクターゼ阻害組成物。
（２）上記（１）に記載の組成物を含有する飲食品、動物飼料、化粧品又は医薬品。

本発明により、バナナの皮抽出物を含有することを特徴とする５αリダクターゼ阻害組成物、及び該組成物を含有する飲食品、動物飼料、化粧品又は医薬品を提供することができる。

本発明に関わるバナナは、学名Ｍｕｓａｓｐｐ．をさす。

本発明に関わるバナナの皮は、皮部を生のまま用いても良く、これらを乾燥した乾燥体、もしくは乾燥後粉砕し粉末を用いることもできる。また、これらを水、またはアルコールなどの有機溶媒などで抽出したものを用いることもできる。また通常食用とする身の部分を合わせて処理しても、皮部にみられる活性を減少させることはないため、バナナ全体を同様の処理をしたものを用いることもできる。

本発明に関わる５αリダクターゼ阻害剤を製造するには、上記の方法で製造したバナナの皮またはその抽出物を用い、常法に従って公知の無毒性担体と組み合わせて製剤化すればよい。本発明に関わる前立腺肥大抑制剤は、種々の剤型での投与が可能であり、例えば、経口投与剤としては錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤等の固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤等が挙げられ、非経口投与剤としては、注射剤のほか、坐剤、噴霧剤、経皮吸収剤等が挙げられ、これらの製剤は製剤上の常套手段により調整することができる。上記の無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、アルブミン、水、生理食塩水等が挙げられる。また、必要に応じて、安定化剤、滑剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤等の慣用の添加剤を適宜添加することができる。本発明に関わる５αリダクターゼ阻害剤において、バナナの皮の投与量は、患者の年齢、体重、症状、疾患の程度、投与スケジュール、製剤形態などにより、適宜選択・決定されるが、例えば、一日あたり０．０１−１０ｇ／ｋｇ体重程度とされ、一日数回に分けて投与してもよい。

また、本発明に関わるバナナの皮は一般的には食用に供せられることは少ないが、食経験は有することから安全性があり、５αリダクターゼ阻害を目的として、機能性食品として摂取することもできる。本発明に関わるバナナの皮を含有することを特徴とする機能性食品は、特定保健用食品、栄養機能性食品、又は健康食品として位置づけることができる。機能性食品としては、上記の方法で製造したバナナの皮または抽出物をそのまま用いる他、例えば、適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル剤、ペースト状等に形成したものを用いることができる。この機能性食品は、そのまま食用に供してもよく、また種々の食品（例えばハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、パン、バター、粉乳、菓子など）に添加して使用したり、水、酒類、果汁、牛乳、清涼飲料水等の飲物に添加して使用してもよい。かかる食品の形態における本発明の摂取量は、年齢、体重、症状、摂取スケジュール、製剤形態などにより、適宜選択・決定されるが、例えば、一日あたり０．０１−１０ｇ／ｋｇ体重程度とされる。

以下に本発明をより詳細に説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。

実施例１バナナの皮の５αリダクターゼ阻害作用
９６ｗｅｌｌｐｌａｔｅにテストステロン依存的に増殖するヒト前立腺癌由来細胞ＬＮＣａＰｃｅｌｌをまき、そこへバナナの皮抽出物の濃度が１００，５０，２５，１２．５，６．２５，３．１２５（μｇ／ｍｌ）になるように添加した。同時にテストステロン、またはジヒドロテストステロン（ＤＨＴ）を１．０×１０^−７Ｍの濃度で添加した。またバナナの皮抽出物を添加してないものをＣｏｎｔｒｏｌＴ（＋）とした。Ｔ（−）は添加していないものとした。ポジティブコントロールとして医薬品のフィナステリドとフルタミドを用いた。血清はｃｈａｒｃｏａｌｓｔｒｉｐｐｅｄＦＢＳを用いた。３７℃、５％ＣＯ_２下でインキュベーター内において４日間培養した後に、ＭＴＴＡｓｓａｙを用いてｐｌａｔｅを吸光度５７０ｎｍで処理し、細胞増殖への影響を確認した。有意差検定はＳｔｕｄｅｎｔのｔ−ｔｅｓｔによって行った。＊はコントロールに対しｐ＜０．０５、＊＊はコントロールに対しｐ＜０．０１、＊＊＊はコントロールに対しｐ＜０．００５を示す。［図１］、［図２］においてグレーはバナナの皮抽出物、斜線がフィナステリド、ブラックがフルタミドを示す。

［図１］、［図２］の結果より、コントロールに対してバナナの皮抽出物は男性ホルモン依存性であるＬＮＣａＰ細胞の増殖を抑制することが示された。しかしながらＤＨＴ添加する場合は抑制を示さなかった。これらの結果からバナナの皮抽出物は、５αリダクターゼ阻害作用を有することが示された。

本発明により、バナナの皮抽出物を含有することを特徴とする５αリダクターゼ阻害組成物及び該組成物を含有する飲食品、動物飼料、化粧品又は医薬品を提供することが可能となった。

テストステロンを添加し、それにバナナの皮抽出物、フィナステリド、フルタミドを加えたジヒドロテストステロンを添加し、それにバナナの皮抽出物、フィナステリド、フルタミドを加えた

Claims

バナナの皮抽出物を含有することを特徴とする５αリダクターゼ阻害作用物。
請求項１に記載の組成物を含有する飲食品、動物飼料、化粧品又は医薬品。