JP2010096204A - 輸送管 - Google Patents

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達三 川村
Masahiro Kondo
正博 近藤
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Abstract

【課題】固体を含む混相流を輸送する輸送管であって、耐摩耗性に優れ、かつ、軽くて安価に製造できる輸送管を提供する。
【解決手段】 輸送管1は、輸送管本体2と、中間部材4を介して輸送管本体2の内壁21を覆う内装部材5と、を備えている。内装部材5は、輸送管本体2の内壁21に沿う空間を当該内壁21に沿って網目状に区画する区画用立壁51を備えている。区画用立壁51は、略同一形状の亀甲形を輸送管本体2の内壁21に沿って全方向に連続的に配置してなる網目状に形成されている。立設された区画用立壁51のうち先端側部分54に硬化処理が施されている。
【選択図】図2

Description

この発明は輸送管に関し、とくに固体を含む混相流を輸送する輸送管に関する。
固体を含む混相流、たとえば、固体粒子と気体との混相流(固気二相流)や、固体粒子と液体との混相流(スラリー)を輸送する輸送管として、金属管の内側にセラミックチップを内張りした輸送管が知られている(たとえば特許文献1の図3参照)。
金属管の内側にセラミックチップを内張りすることで、金属管のみで構成された輸送管に比べ、混相流による輸送管内壁の磨耗を低減することができ、輸送管の寿命を延ばすことができる。そして、このセラミックチップの硬度をより高くするとともに、その厚さをより厚くすることで、輸送管の寿命をより延ばすことが可能となる。
しかしながら、セラミックチップの硬度を高くすればするほどセラミックチップの製作は困難なものとなり、製造コストも上昇する。また、セラミックチップの厚さを厚くすればするほど材料が多く必要になるから、セラミックチップの製造コストが上昇するうえ、輸送管全体の重量が増加する。
一方、らせん状の溝が形成されたライフル管を輸送管として用いる方法が提案されている(たとえば特許文献2の図4参照)。
ライフル管を輸送管として用いることで、らせん状の溝を、砂溜まりとして利用することができる。すなわち、混相流を構成する固体粒子がらせん状の溝に溜まることで輸送管の内壁が固体粒子で覆われ、後続の固体粒子が輸送管の内壁に直接衝突することを防止することができる。この結果、輸送管内壁の磨耗を低減することができる。
しかしながら、混相流は、時々刻々、流れの状態が変化する場合が多く、らせん状の溝に平行な速度成分が極めて大となる場合も少なからず生ずる。このような場合、溝に溜まった固体粒子が溝に沿って比較的高速度で移動することで、移動する固体粒子によって溝の内壁が磨耗したり、溝の内壁が露出して砂溜まりの効果がなくなったりするおそれがある。また、ライフル管は製造コストが高いうえ、砂溜まりの効果をあげるためにらせんを密にすればするほど、その重量が増加する。
また、砂溜まりを設ける他の方法も提案されている(たとえば特許文献3の図1参照)。この方法は、ベンド管の曲がり部内壁の一部に凹部を設けるものである。
しかしながら、この方法も、時々刻々、流れの状態が変化する場合には、凹部内での固体粒子の高速移動を避けることが困難であり、移動する固体粒子によって凹部が磨耗したり、凹部の内壁が露出して砂溜まりの効果がなくなったりするおそれがある。また、ベンド管自体に加工を施さなければならないから、汎用性に欠け、製造コストも高くなる。
特開2007−292136号公報 特開2001−50474号公報 特開2007−112568号公報
この発明は、従来のこのような問題点を解決し、固体を含む混相流を輸送する輸送管であって、耐摩耗性に優れ、かつ、軽くて安価に製造できる輸送管を提供することを目的とする。
この発明による輸送管は、固体を含む混相流を輸送する輸送管であって、輸送管本体と、輸送管本体の内壁を覆う内装部材と、を備え、内装部材は、輸送管本体の内壁に沿う空間を当該内壁に沿って網目状に区画する区画用立壁を備えたこと、を特徴とする。
この発明による輸送管の内装部材は、固体を含む混相流を輸送する輸送管を構成する輸送管本体の内壁を覆う内装部材であって、輸送管本体の内壁に沿う空間を当該内壁に沿って網目状に区画する区画用立壁を備えたこと、を特徴とする。
本発明の特徴は、上記のように広く示すことができるが、その構成や内容は、目的および特徴とともに、図面を考慮に入れた上で、以下の開示によりさらに明らかになるであろう。
本願の第1発明による輸送管は、固体を含む混相流を輸送する輸送管であって、輸送管本体と、輸送管本体の内壁を覆う内装部材と、を備えている。内装部材は、輸送管本体の内壁に沿う空間を当該内壁に沿って網目状に区画する区画用立壁を備えたこと、を特徴とする。
また、本願の第5発明による輸送管の内装部材は、固体を含む混相流を輸送する輸送管を構成する輸送管本体の内壁を覆う内装部材であって、輸送管本体の内壁に沿う空間を当該内壁に沿って網目状に区画する区画用立壁を備えたこと、を特徴とする。
輸送管内を流れる混相流のうち気体や液体よりも比重の大きい固体粒子には、重力や遠心力がより強く作用するため、気体や液体に比べ輸送管本体の内壁に向かうより大きい力が生じる。したがって、混相流に含まれる固体粒子は、輸送管本体の内壁に沿って設けられた区画用立壁によって仕切られた多数の穴に堆積してゆき、やがて、輸送管本体の内壁は固体粒子によって覆われる。このため、後続の固体粒子が直接、輸送管本体の内壁に衝突することを防止することができる。しかも、これらの穴を仕切る区画用立壁は輸送管本体の内壁に沿って網目状に縦横に設けられているから、流れの方向がどのように変化したとしても、それぞれの穴に堆積した固体粒子が区画用立壁を越えて他の穴に高速移動する確率は低い。このため、移動する固体粒子によって輸送管本体の内壁が磨耗したり、輸送管本体の内壁が露出して砂溜まりの効果がなくなったりする可能性は低い。つまり、時々刻々、流れの状態が変化する混相流に対しても、輸送管の耐摩耗性を維持することが可能となる。
また、耐磨耗機構としていわゆる砂溜まりの効果を採用したから、引用文献1の場合のように耐摩耗性を向上させるためにセラミックチップの厚さや硬度を増す必要はない。また、砂溜まりの効果を上げるには区画用立壁の網目を細かくすれば済むため、引用文献2の場合のようにライフル管自体のらせんを密にする必要はない。したがって、耐摩耗性を向上させるために軽量化を犠牲にすることもない。
また、上述の引用文献1の場合のように、耐摩耗性を向上させるためにセラミックチップの厚さや硬度を増す必要はないから、内装部材の材料費が安くて済む。また、輸送管本体とは別に内装部材を設けたから、引用文献2や引用文献3の場合のように、輸送管本体自体に特別な形状のものを用いたり、輸送管本体自体に加工を施したりする必要がない。このため、汎用の輸送管本体を用いることができる。したがって、耐摩耗性を向上させるために、輸送管全体の製造コストを犠牲にすることもない。
すなわち、本発明によれば、固体を含む混相流を輸送する輸送管であって、耐摩耗性に優れ、かつ、軽くて安価に製造できる輸送管を実現することが可能となる。
本願の第2発明による輸送管は、上記第1発明による輸送管において、区画用立壁が、略同一形状の亀甲形を輸送管本体の内壁に沿って全方向に連続的に配置してなる網目状に形成されたこと、を特徴とする。
つまり、区画用立壁によって、いわゆるハニカム構造が構築されることになる。このため、最小限の材料で内装部材を構成することができる。この結果、より軽くて安価な輸送管を実現することが可能となる。また、輸送管本体の内壁を覆う内装部材にハニカム構造を採用することで、輸送管全体の強度や剛性を高めることができる。このため、輸送管本体自体の管の厚さを低減したり、強度や剛性の低い材料で輸送管本体を形成したりすることができる。この結果、いっそう軽くて安価な輸送管を実現することが可能となる。すなわち、この発明によれば、耐摩耗性を維持しつつ、さらに軽くて安価な輸送管を実現することが可能となる。
本願の第3発明による輸送管は、上記第1発明による輸送管において、区画用立壁が、略同一形状の矩形を輸送管本体の内壁に沿って全方向に連続的に、かつ、輸送管本体の内壁の周方向に千鳥状に配置してなる網目状に形成されたこと、を特徴とする。
区画用立壁をこのような形状に形成することで、輸送管本体の内壁の周方向に曲げ変形しやすく、これと直行する方向(すなわち、輸送管本体の内壁の母線方向)に曲げ変形しにくい内装部材を実現することができる。したがって、少ない種類の内装部材で種々の内径の輸送管本体に対応することができ、かつ、輸送管全体の母線方向の曲げ強度や曲げ剛性を高めることが可能な内装部材を実現することができる。すなわち、この発明によれば、耐摩耗性を維持しつつ、さらに軽くて安価な輸送管を実現することが可能となる。
本願の第4発明による輸送管は、上記第1ないし第3のいずれかの発明による輸送管において、立設された区画用立壁のうち先端側部分に硬化処理を施したこと、を特徴とする。
区画用立壁のうち輸送管本体の中心に最も近い先端側部分は、高速移動する固体粒子と接触する確率が高いが、この先端側部分に硬化処理を施すことで、区画用立壁の耐摩耗性を効率的に向上させることができる。このため、区画用立壁の材料自体の硬度が低くても、先端側部分のみ硬化処理を施せば、より安価、軽量な内装部材を実現することができる。すなわち、この発明によれば、耐摩耗性を維持しつつ、さらに軽くて安価な輸送管を実現することが可能となる。
図1は、この発明の一実施形態による輸送管1の外観構成を示す斜視図、図2は、図1の部分拡大図である。図3は、輸送管1の適部の横断面図、図4は、部分縦断面図である。図5は、輸送管1を構成する内装部材5の一部を輸送管1の中心から見た模式的平面図(展開図)である。図6は、輸送管1の母線に沿った断面の一部を表す図面であって、輸送管1内を混相流が通過している状態を説明するための模式図である。
図7は、この発明の他の実施形態による輸送管を構成する内装部材105の一部を輸送管の中心から見た模式的平面図(展開図)である。
図1に示すように、輸送管1は、固体を含む混相流を輸送する輸送管であって、輸送管本体2と、輸送管本体2の内壁を覆う内装部材5と、を備えている。輸送対象となる固体を含む混相流は、とくに限定されるものではないが、固体粒子と気体との混相流(固気二相流)として、たとえば、石炭灰と空気との混相流がある。この場合、固体粒子の平均粒径はとくに限定されるものではないが、たとえば、1.5〜25μm程度である。固気二相流として、この他に、石炭粉と空気の混相流、穀物と空気の混相流などが例示できる。
固体を含む混相流として、固気二相流以外に、固体粒子と液体との混相流(スラリー)や、固体粒子と液体と気体からなる、固液気三相流がある。
図3に示すように、輸送管本体2は、略円筒状に形成された鋼管であり、その両端に略円板状のフランジ3を備えている。フランジ3には、複数のボルト貫通孔31が設けられている。
もちろん、輸送管本体の形状、材料はこれに限定されるものではない。たとえば、輸送管本体として、フランジのない鋼管や、ベンド管(曲がり管)を用いることもできる。また、輸送管本体の断面形状も、とくに限定されるものではなく、この例のように円形断面のほか、楕円形断面や、四角形・六角形などの多角形断面でもよい。
輸送管本体の材料も、鋼管等の鉄材料が一般的であるが、これに限定されるものではなく、たとえば、非鉄金属、合成樹脂、繊維硬化樹脂、セラミックス、あるいはこれらの材料を複合的に用いることもできる。
輸送管本体2の寸法はとくに制限されるものではないが、たとえばこの例では、内径が150mm程度、長さ(図1のX方向の寸法)が5.5m程度のものを用いている。
内装部材5は、中間部材4を介して、輸送管本体2の内壁21に結合されている。中間部材4の材料はとくに限定されるものではないが、たとえば、略円筒状のゴム状弾性部材により構成される。
輸送管本体2の内壁21と中間部材4、中間部材4と内装部材5の底面52とは、それぞれ、結合されている。結合の手段はとくに限定されるものではないが、たとえば、機械的結合、圧接、熱・高周波による融着、接着剤による接着などの手段が用いられる。接着剤による接着の場合、接着剤の種類はとくに限定されるものではないが、たとえば、エポキシ系、シリコン系、樹脂モルタル系の接着剤を用いることができる。
輸送管本体2の内壁21に、中間部材4を介して内装部材5を結合する方法や手順は、とくに限定されるものではないが、たとえば、以下のようにして行うことができる。
まず、内装部材5を適当な大きさに分割した分割片であるピース59を複数用意する。
なお、図5は、輸送管1を構成する内装部材5の一部(ピース59)を輸送管1の中心から見た模式的平面図(展開図)であり、図中Y方向は、図2のR方向に対応する。
つぎに、図6に示すように、上記のいずれかの手段、たとえば接着剤を用いて、ピース59の底面52を、中間部材4の内周面41に接着する。隣接するピース59のX方向およびY方向の凹凸(図5参照)が相互にかみ合うように、複数のピース59を中間部材4の内周面41に接着してゆく。
内周面41全体にピース59が接着された中間部材4を輸送管本体2の内部に挿入し、上記のいずれかの手段、たとえば接着剤を用いて、中間部材4の外周面42と、輸送管本体2の内壁21とを接着する。このようにして、輸送管1を製造することができる。
なお、中間部材4は、当初から略円筒状に形成されたものを用いても良いが、シート状に形成された中間部材4を用意し、これにピース59を接着等したのち略円筒状にまるめて輸送管本体2の内部に挿入し、まるめた中間部材4の外周面42と、輸送管本体2の内壁21とを接着等するようにしてもよい。
また、輸送管本体2の内壁21の母線方向(X方向)に対するピース59の配置方向は図5に示す方向に限定されるものではない。たとえば、図5に示す方向から90度回転させて(X方向とY方向とを入れ替えて)用いることもできる。さらに、図5に示す方向から任意の角度回転させて用いることもできる。
また、内周面41の1周あたりの内装部材5の分割数(内周面41の1周あたりのピース59の個数)はとくに制限されるものではないが、好ましくは3〜40、より好ましくは8〜30、さらに好ましくは16〜20である。分割数が少なすぎると、1種類のピース59で対応できる内周面41の内径寸法の制限がより厳しくなり、分割数が多すぎると、内周面41全体にピース59を接着する作業がより煩雑になるためである。
もっとも、内装部材5を複数のピース59に分割することなく、一体のものとすることもできる。
図2に示すように、内装部材5は、輸送管本体2の内壁21に沿って当該内装部材5が配置されている空間80(図6参照)を、当該内壁21に沿う方向、すなわち、輸送管本体2の母線方向(図中X方向)および円周方向(図中R方向)、に網目状に区画する区画用立壁51を備えている。区画用立壁51は、略同一形状の亀甲形を輸送管本体2の内壁21に沿う全方向(X方向およびR方向)に連続的に配置してなる網目状(ハニカム状)に形成されている。
図4に示すように、区画用立壁51は、内壁21に対して略直交する方向に立設されている。
図5に示すように、区画用立壁51により区画された各空間を区画空間81という。すなわち、各区画空間81は、区画用立壁51によって区画され、輸送管本体2の略中心に向かって開口する独立した穴を構成している。
区画用立壁51の寸法はとくに限定されるものではないが、たとえば、区画用立壁51の高さH(図6参照)は、少なくとも、混相流に含まれる固体粒子92の平均粒径の1/2以上であることが好ましい。これ以下だと、固体粒子が区画空間81に留まることが困難だからである。
このように、区画用立壁51の高さHの好ましい値は、固体粒子92の平均粒径に依存する面もあるが、混相流の他の性質(たとえば、流速、密度、粘性係数)に依存する面もあるため一概には言えないが、一般的には1〜20mm程度である。1mm程度より低いと、輸送管1を用いて輸送される混相流に含まれる固体粒子92が、区画空間81内に溜まりにくくなるため、中間部材4の内周面41が露出する可能性が高くなる一方、20mm程度より高いと、固体粒子92が、区画用立壁51の頂面53を覆うことが困難となり、いずれの場合も、砂溜まり91による、耐磨耗効果が現れにくくなるからである。区画用立壁51の高さHは、より好ましくは5〜20mmである。
区画用立壁51の厚さd(図5参照)は、とくに限定されるものではなく、また、固体粒子92の平均粒径や混相流の他の性質に依存する面があるため一概には言えないが、一般的には、40μm〜3mm程度が好ましい。40μm程度より薄いと、区画用立壁51自体が破損する可能性が高くなり、3mm程度より厚いと、費用対効果が低く、重量も重くなりすぎるからである。区画用立壁51の厚さdは、より好ましくは、1〜2mm程度である。
また、区画空間81の内接円寸法Dはとくに限定されるものではないが、少なくとも、混相流に含まれる固体粒子92の平均粒径以上であることが好ましい。これ以下だと、固体粒子が区画空間81に留まることが困難だからである。
このように、区画用立壁51の内接円寸法Dの好ましい値は、固体粒子92の平均粒径に依存する面もあるが、混相流の他の性質に依存する面もあるため一概には言えないが、一般的には、3〜20mm程度である。3mm程度より小さいと、費用対効果が低く、重量も重くなりすぎる一方、20mm程度より大きいと、混相流に含まれる固体粒子92が、区画空間81内に溜まりにくくなるため、中間部材の内周面41が露出する可能性が高くなり耐磨耗効果が現れにくくなるからである。区画用立壁51の内接円寸法Dは、より好ましくは、6〜10mm程度である。
ハニカム状の内装部材5は、アラミド紙に樹脂を含浸した材料により形成され、アラミッドハニカムと呼ばれる。図6に示すように、この例においては、立設された区画用立壁51のうち先端側部分54にのみ硬化処理を施している。先端側部分54とは、区画用立壁51のうち頂面53を含む頂面53側の一部分をいう。
先端側部分54の高さ方向寸法(図6のZ方向寸法)はとくに限定されるものではなく、また、固体粒子92の硬度や混相流の他の性質に依存する面があるため一概には言えないが、一般的には、頂面53から見て区画用立壁51の高さHの1/200〜1/2程度が好ましい。より好ましくは、頂面53から見て区画用立壁51の高さHの1/100〜1/4程度である。さらに好ましくは、頂面53から見て区画用立壁51の高さHの1/50〜1/8程度である。この先端側部分54の高さ方向寸法の具体的数値としては、区画用立壁51の高さH等によっても異なるが、0.1mm〜1mm程度が好ましい。この寸法が大きすぎると、耐摩耗性向上の費用対効果が低下し、小さすぎると、耐摩耗性の向上に寄与しにくいからである。
先端側部分54の硬化処理の方法はとくに限定されるものではないが、たとえば、区画用立壁51のうち先端側部分54に、ジルコニア、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン炭化物等の高硬度材料をコーティングすることにより行う。
区画用立壁51の先端側部分54の硬度はとくに限定されるものではないが、輸送管1を用いて輸送される混相流に含まれる固体粒子92の硬度と同程度またはこれより高い硬度であることが好ましい。先端側部分54の硬度が混相流に含まれる固体粒子92の硬度より低いと、区画用立壁51の磨耗が急激に進むおそれがあるからである。
このように、区画用立壁51の先端側部分54の硬度の好ましい値は、固体粒子92の硬度に依存する面もあるが、混相流の他の性質に依存する面もあるため一概には言えないものの、一般的には、たとえばビッカース硬度(Hv)600〜1500程度が好ましい。
つぎに、図6に基づいて、輸送管1内を、固体粒子92と気体との混相流が通過している状態を説明する。混相流は図中X1方向に流れている。図中Z1方向が重力の働く方向である。
輸送管1内を混相流が通過する際、混相流に含まれる固体粒子92は、空気より比重が大きいため、重力がより強く作用する。このため、固体粒子92は、区画空間81に堆積してゆき、やがて、輸送管本体2内に露出していた中間部材4の内周面41および内装部材5の区画用立壁51は、固体粒子92によって覆われる。このように区画空間81に堆積した固体粒子92の集合体を砂溜まり91という。
砂溜まり91が生成されることで、後続の固体粒子92が直接、中間部材4の内周面41や内装部材5の区画用立壁51に衝突することを防止することができる。
しかも、区画空間81を仕切る区画用立壁51は、輸送管本体2内の内装部材5が配置されている空間80を、輸送管本体2の内壁21に沿う方向、すなわち、図2に示すように、輸送管本体2の母線方向(図中X方向)および円周方向(図中R方向)、に網目状に区画するよう構成されている。したがって、混相流の方向がどのように変化したとしても、それぞれの区画空間81に堆積した固体粒子92が区画用立壁51を越えて他の区画空間81に高速移動する確率は低い。
このため、移動する固体粒子92によって中間部材4の内周面41や内装部材5の区画用立壁51が磨耗したり、中間部材4の内周面41や内装部材5の区画用立壁51が露出して砂溜まり91の効果がなくなったりする可能性は低い。つまり、時々刻々、流れの状態が変化する混相流に対しても、輸送管1の耐摩耗性を維持することが可能となる。
なお、この実施形態においては、中間部材4を介して、内装部材5を輸送管本体2の内壁21に結合するようにしているが、中間部材4を省略し、内装部材5と輸送管本体2の内壁21とを直接結合するよう構成することもできる。
また、この実施形態においては、区画用立壁51のうち先端側部分54にのみ硬化処理を施しているが、この発明はこれに限定されるものではない。たとえば、区画用立壁51全体に硬化処理を施すようにしてもよい。
さらに、後述するように、区画用立壁51を、セラミックなど硬度の高い材料(たとえば、混相流に含まれる固体粒子92の硬度より高い硬度の材料)で構成する場合には、区画用立壁51に硬化処理を施さないよう構成することもできる。
また、この実施形態においては、内装部材4の材料として、アラミド紙に樹脂を含浸したものを用いたが、この発明はこれに限定されるものではない。内装部材の材料として、たとえば、紙、アルミニウムなどの金属、合成樹脂、セラミックを用いることができる。
セラミックを用いる場合、その硬度はとくに限定されるものではないが、混相流に含まれる固体粒子92の硬度と同等程度、または、これより高い硬度であることが好ましい。このように、区画用立壁51の硬度の好ましい値は、固体粒子92の硬度に依存する面もあるが、混相流の他の性質に依存する面もあるため一概には言えないが、砂溜まりの効果が期待できることから、従来ほど硬度を高くする必要はなく、一般的には、たとえばビッカース硬度(Hv)600〜1000程度である。上述のように、この場合、先端側部分54の硬化処理は必ずしも必要ない。
この場合のセラミックの原材料はとくに限定されるものではないが、たとえば、米糠、アルミニウム残灰(ドロス)など、安価な材料を用いることができる。
また、この実施形態においては、内装部材4が、輸送管本体2の内壁21全体を覆う場合を例に説明したが、この発明はこれに限定されるものではない。内装部材が、輸送管本体2の内壁21の一部、たとえば、混相流に含まれる固体粒子92が接触または衝突する可能性の高い部分にのみ内装部材を設けるようにしてもよい。
具体的には、たとえば、水平に設置された輸送管の場合、内壁の下部(下半分程度、または下から1/4程度など)のみに内装部材を設けるようにしてもよい。また、ベンド管の場合、カーブの外側(外側半分程度、または外側から1/4程度など)のみに内装部材を設けるようにしてもよい。
また、この実施形態においては、区画用立壁51がハニカム状に形成されている場合を例に説明したが、区画用立壁51の網目状構造はこれに限定されるものではない。たとえば、略同一形状の矩形を輸送管本体2の内壁21に沿って全方向に連続的に形成するようにしてもよい。
図7に、この発明の他の実施形態による輸送管を構成する内装部材105の一部(ピース159)を輸送管の中心から見た模式的平面図(展開図)を示す。内装部材105においては、区画用立壁151が、略同一形状の矩形を輸送管本体2の内壁21に沿って全方向に連続的に、かつ、輸送管本体2の内壁21の周方向R(図7ではY方向)にのみ千鳥状に配置してなる網目状に形成されている。
区画用立壁151をこのような形状に形成することで、輸送管本体2の内壁21の周方向R(図7ではY方向)に曲げ変形しやすく、これと直行する方向(図中X方向、すなわち、輸送管本体2の内壁21の母線方向)に曲げ変形しにくい内装部材105を実現することができる。
したがって、少ない種類の内装部材105で種々の内径の輸送管本体2に対応することができ、かつ、輸送管全体の母線方向の曲げ強度や曲げ剛性を高めることが可能な内装部材105を実現することができる。
なお、ピース159は、ピース59をY方向に極限まで伸張したものを、90度回転する(X方向とY方向とを入れ替える)ことによって形成することもできる。
内装部材105、および内装部材105を用いた輸送管に関するその余の構成および各種バリエーションは、前述の内装部材5、および内装部材5を用いた輸送管1の構成および各種バリエーションと同様である。
上記においては、本発明を好ましい実施形態として説明したが、各用語は、限定のために用いたのではなく、説明のために用いたものであって、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、添付の請求項に記載された範囲において、変更することができるものである。また、上記においては、本発明のいくつかの典型的な実施形態についてのみ詳細に記述したが、当業者であれば、本発明の新規な教示および利点を逸脱することなしに上記典型的な実施形態において多くの変更が可能であることを、容易に認識するであろう。したがって、そのような変更はすべて、本発明の範囲に含まれるものである。
この発明の一実施形態による輸送管1の外観構成を示す斜視図である。 図1に示す輸送管1の部分拡大図である。 輸送管1の適部の横断面図である。 輸送管1の適部の部分縦断面図である。 輸送管1を構成する内装部材5の一部(ピース59)を輸送管1の中心から見た模式的平面図(展開図)である。 輸送管1の母線に沿った断面の一部を表す図面であって、輸送管1内を混相流が通過している状態を説明するための模式図である。 この発明の他の実施形態による輸送管を構成する内装部材105の一部(ピース159)を輸送管の中心から見た模式的平面図(展開図)である。
符号の説明
1:輸送管
2:輸送管本体
4:中間部材
5:内装部材
21:内壁
51:区画用立壁
54:先端側部分

特許出願人 森 佐智子
特許出願人 玉川 妙
特許出願人 平岩 弘美
特許出願人 芝 裕一郎

出願人代理人 弁理士 田川 幸一

Claims (5)

  1. 固体を含む混相流を輸送する輸送管であって、
    輸送管本体と、
    輸送管本体の内壁を覆う内装部材と、
    を備え、
    内装部材は、輸送管本体の内壁に沿う空間を当該内壁に沿って網目状に区画する区画用立壁を備えたこと、
    を特徴とする輸送管。
  2. 請求項1の輸送管において、
    前記区画用立壁が、略同一形状の亀甲形を輸送管本体の内壁に沿って全方向に連続的に配置してなる網目状に形成されたこと、
    を特徴とするもの。
  3. 請求項1の輸送管において、
    前記区画用立壁が、略同一形状の矩形を輸送管本体の内壁に沿って全方向に連続的に、かつ、輸送管本体の内壁の周方向に千鳥状に配置してなる網目状に形成されたこと、
    を特徴とするもの。
  4. 請求項1ないし3のいずれかの輸送管において、
    立設された前記区画用立壁のうち先端側部分に硬化処理を施したこと、
    を特徴とするもの。
  5. 固体を含む混相流を輸送する輸送管を構成する輸送管本体の内壁を覆う内装部材であって、
    輸送管本体の内壁に沿う空間を当該内壁に沿って網目状に区画する区画用立壁を備えたこと、
    を特徴とする輸送管の内装部材。
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