JP2010095507A - ゲル状栄養剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミパウチのような容器に封入された状態のゲル状栄養剤を製造するゲル状栄養剤の製造方法であって、[1]粉末状の寒天と、アルギン酸および/またはその塩類と、各種栄養素を含む液状栄養剤とを、寒天の溶解温度より低い温度で混合し混合物を得る原料混合工程と、[2]前記混合物を容器に入れ密封する容器封入工程と、[3]内容物の殺菌処理を兼ねて、容器ごと、寒天の溶解温度以上の温度の熱処理を施すことにより、寒天を液状栄養剤に溶解させる熱処理工程と、[4]その後の冷却により混合物をゲル化させ、容器内に封入された状態のゲル状栄養剤を得る冷却工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
・混合物の粘度上昇に伴って混合物の均質性が低下し、最終的に容器内または容器ごとでゲル状栄養剤の品質(粘度等)がばらつく。
(1) 容器に封入された状態のゲル状栄養剤を製造するゲル状栄養剤の製造方法であって、
粉末状の寒天と、アルギン酸および/またはその塩類と、液状栄養剤とを、前記寒天の溶解温度より低い温度で混合し混合物を得る原料混合工程と、
前記混合物を前記容器に入れて密封する容器封入工程と、
前記混合物を前記容器ごと前記寒天の溶解温度以上の温度で加熱する熱処理を施す熱処理工程と、
前記混合物を前記容器ごと冷却し、前記混合物をゲル化させる冷却工程とを有することを特徴とするゲル状栄養剤の製造方法。
前記熱処理において前記混合物に付与される熱量は、前記液状栄養剤中の成分が変質する熱量未満である上記(1)に記載のゲル状栄養剤の製造方法。
前記容器封入工程における前記混合物の粘度は、200〜3000mPa・sである上記(1)または(2)に記載のゲル状栄養剤の製造方法。
(8) 前記容器は、レトルトパウチまたはソフトバッグである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のゲル状栄養剤の製造方法。
図1は、本発明のゲル状栄養剤の製造方法の実施形態を示す工程図である。
[1]まず、原材料として、粉末状の寒天と、アルギン酸および/またはその塩類と、液状栄養剤とを、寒天の溶解温度より低い温度で混合する。この場合、好ましくは、アルギン酸および/またはその塩類を液状栄養剤に溶解した後、これに前記温度下で粉末状の寒天を混合する。これにより、アルギン酸および/またはその塩類が溶解した液状栄養剤中に粉末状の寒天が分散してなる混合物を得る(原料混合工程)。
具体的には、脂溶性ビタミンの一例として、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
寒天としては、特に限定されず、日本薬局方収載のカンテンやカンテン末、食品素材としての寒天末、棒寒天、即溶性寒天等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
混合物を封入する容器は、ゲル状栄養剤を輸送、保存するのに適した容器が用いられ、具体的には、レトルトパウチ(アルミパウチ)、ソフトバッグ等が好ましく用いられる。また、これらの容器には、防湿性、酸素遮断性に優れているものが好ましく用いられる。
なお、混合物中には、デンプンを実質的に含まないことが好ましい。デンプンを水中に懸濁するとともにデンプン懸濁液を加熱すると、デンプンの粒子がα化し、デンプンの結晶構造の隙間に水分が浸入することにより結晶構造が緩む。その結果、デンプン懸濁液の粘度が急速に増大(糊化)し、混合物の流動性の著しい低下を招いてしまう。また、α化が生じる温度は、デンプンの種類によって著しく異なるため、上述したように温度制御によって混合物の流動性を制御することが困難になり、容器封入工程に支障を来すおそれがある。
さらには、α化したデンプンは、混合物に「付着性」を付与することとなる。このため、容器封入工程において、例えばチューブ等を介して混合物を移送する際、チューブ内壁に混合物が付着し易く、移送を困難にするおそれがある。また、最終的に得られるゲル状栄養剤にも付着性を付与することになるため、容器内壁にゲル状栄養剤が付着してしまい、容器からゲル状栄養剤を取り出す作業や、経管チューブ等を介して患者の胃内または腸内に直接栄養剤の投与する作業に支障を来すおそれがある。
なお、前述したように混合物中には、デンプンをできるだけ含まないことが好ましいが、本発明がその効果を奏するにあたって混合液中への添加が許容されるデンプンの量(含有率)としては、0.5wt%未満であるのが好ましく、0.3wt%未満であるのがより好ましく、0.1wt%未満であるのがさらに好ましい。
なお、寒天の溶解を促進するため、容器に振動を加えるようにしてもよい。
1.ゲル状栄養剤の製造
(実施例)
まず、水に大豆たん白質を添加後、70℃まで加温しながらTKホモジナイザー(特殊機化工業社製)を用いて分散させて分散液を得た。
まず、実施例と同様にして液状栄養剤を得た。
以上のようにした以外は、前記実施例と同様にしてゲル状栄養剤を得た。
アルギン酸水溶液の添加を省略した以外は、前記実施例と同様にしてゲル状栄養剤を得た。
(比較例3)
アルギン酸に代えて、アルギン酸と同量のデンプン(コーンスターチ0.25g/混合液100mL中)を添加するようにした以外は、前記実施例と同様にして栄養剤を得た。
(比較例4)
アルギン酸に代えて、混合液の粘度が、前記アルギン酸水溶液と同程度の粘度になるよう、デンプン(コーンスターチ2.5g/混合液100mL中)を添加するようにした以外は、前記実施例と同様にして栄養剤を得た。
2.1 ゲル状栄養剤の均一性の比較
まず、実施例で得られたゲル状栄養剤と、比較例で得られたゲル状栄養剤とを、それぞれアルミパウチを開いて取り出した。
その結果、実施例のゲル状栄養剤は、アルミパウチの全体で硬度がほぼ均一であり、形状保持性も備わっていた。一方、比較例1、2のゲル状栄養剤では硬度および形状保持性のバラツキが認められた。比較例3については、デンプン量が少ないため、十分なゲル状特性を有するゲル状栄養剤を得ることができなかった。また、比較例4については、栄養剤が糊状になっていたため、アルミパウチを押しても栄養剤を円滑に取り出すことができなかった。
さらに、比較例4においても、デンプンでは、寒天粉末の凝集や沈殿を抑制するといったアルギン酸特有の作用が得られないため、寒天を均一に分散させることができなかったと推察される。
また、上記原因に加え、比較例4における上記問題は、デンプンによって栄養剤に付着性が付与されたため、アルミパウチ内での栄養剤の流動性が著しく低下したことと、デンプンによる糊化現象(比較例4)によって生成された栄養剤は、寒天とアルギン酸によるハイブリッドの網目構造生成を伴うゲル化現象(実施例)によって生成されたゲル状栄養剤に比べて、栄養剤としての安定性が劣ること等に起因すると推察される。
まず、実施例で得られたゲル状栄養剤50gと、比較例1〜4で得られたゲル状栄養剤50gとを、それぞれ50メッシュのふるいに載せ、20℃で30分間放置した際にふるいを通過した液体量(離水量)を測定し、試料に対する離水量の重量比率(離水率)を求めた。
Claims (8)
- 容器に封入された状態のゲル状栄養剤を製造するゲル状栄養剤の製造方法であって、
粉末状の寒天と、アルギン酸および/またはその塩類と、液状栄養剤とを、前記寒天の溶解温度より低い温度で混合し混合物を得る原料混合工程と、
前記混合物を前記容器に入れて密封する容器封入工程と、
前記混合物を前記容器ごと前記寒天の溶解温度以上の温度で加熱する熱処理を施す熱処理工程と、
前記混合物を前記容器ごと冷却し、前記混合物をゲル化させる冷却工程とを有することを特徴とするゲル状栄養剤の製造方法。 - 前記熱処理は、レトルト殺菌装置を用いて、温度110〜140℃×5〜20分間で、F値として5〜30の加熱殺菌を行うものであり、
前記熱処理において前記混合物に付与される熱量は、前記液状栄養剤中の成分が変質する熱量未満である請求項1に記載のゲル状栄養剤の製造方法。 - 前記容器封入工程において、前記粉末状の寒天は、前記混合物中に均一に分散しており、
前記容器封入工程における前記混合物の粘度は、200〜3000mPa・sである請求項1または2に記載のゲル状栄養剤の製造方法。 - 前記原料混合工程において、前記混合物中の前記寒天の含有量は、0.1〜0.5wt%である請求項1ないし3のいずれかに記載のゲル状栄養剤の製造方法。
- 前記粉末状の寒天の平均粒径は、200μm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載のゲル状栄養剤の製造方法。
- 前記原料混合工程において、前記混合物中の前記アルギン酸および/またはその塩類の合計の含有量は、0.1〜0.5wt%である請求項1ないし5のいずれかに記載のゲル状栄養剤の製造方法。
- 前記混合物は、デンプンを含まない請求項1ないし6のいずれかに記載のゲル状栄養剤の製造方法。
- 前記容器は、レトルトパウチまたはソフトバッグである請求項1ないし7のいずれかに記載のゲル状栄養剤の製造方法。
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