JP2010087023A - Tmr素子評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】TMR素子について、本来の耐電圧を有するTMR素子を判別する判別手法を提供する。
【解決手段】ストレス電圧をTMR素子に印加した直後にTMR素子の抵抗値R1を測定する(S1)。ストレス電圧の所定の印加時間が経過すると、ストレス電圧印加により低下したTMR素子の抵抗値が元の抵抗値近くに戻ることができる時間、TMR素子を放置する(S3)。その後、ストレス電圧をTMR素子に再度印加した直後にTMR素子の抵抗値R2を測定する(S4)。抵抗値R1、R2に基づいて、TMR素子の抵抗値の戻り率を算出する(S5)。戻り率が100%に近いと、良品と判定する(S6)。
【選択図】図7

Description

本発明は、MTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子を用いた再生磁気ヘッドを評価する装置に関する。
磁気ディスク用再生ヘッドとしてTMR(Tunneling Magnetic Resistance)膜を用いた再生磁気ヘッドが実用化している。
TMR素子は、外部磁場の影響により磁化の方向が変化するフリー層と、外部磁場の影響を受けても磁化の方向が変化しないピン層と、フリー層とピン層とを隔てる非磁性絶縁層であるバリア層とが積層して形成される磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)構造を利用する。ピン層とフリー層の磁化方向が同一であれば、トンネル接合抵抗は低い。これに対して、ピン層とフリー層の磁化方向が逆向きであれば、トンネル接合抵抗は高い。
例えばTMR素子を用いたTMRヘッドは、フリー層とバリア層とピン層に直交するようにセンス電流を流し、磁気ディスクからの漏洩磁場によりフリー層の磁化方向が変化することによる抵抗変化を検出する。
TMR素子の主要な膜構造は、下地層と、ピン層の磁化方向を固定する反強磁性層と、ピン層と、絶縁体で形成されるバリア層と、フリー層と、キャップ層とで形成される。高面記録密度の磁気ディスクを再生するためには、高速すなわち高周波数のデータ転送に対応する必要がある。したがって、今よりもTMR素子の抵抗率を低くする必要がある。
抵抗率を低くするためには、バリア層の抵抗を小さくすることと、電流が流れる素子の面積(=コア幅×MRハイト)を小さくすることが考えられる。しかし、素子面積を小さくすれば、抵抗が高くなるので、素子面積と抵抗の積である抵抗率を下げることにはならない。したがって、TMR素子の低抵抗率化するためには、絶縁体であるバリア層の厚さを薄くしなければならない。
しかし、バリア層の厚さが薄くなると耐電圧が低下すると同時にバリア層中にピンホールが存在する確率が増え、本来の耐電圧に達する前に絶縁破壊を起こす素子すなわち低電圧破壊素子の割合が増える。
図8は、抵抗率が高いTMR素子の本来の耐電圧(High state)と低下した耐電圧(Low state)を示す図である。
図8に示すように、抵抗率が4〜5Ωμmである、抵抗率の高い複数のTMR素子の耐電圧評価を行うと、約0.8V〜1.0Vの耐電圧(High state)を示すものと、約0.4Vの耐電圧(Low state)を示すものに分かれる。高耐電圧は、本質的な耐電圧すなわち本来の耐電圧であり、低耐電圧は、本質的でない耐電圧すなわち本来のものではない耐電圧である。本来のものではない耐電圧は、絶縁体であるバリア層の金属不純物からなるピンホールに起因して低下した耐電圧である。図8では、本来の高耐電圧と本来のものではない低耐電圧とに明確な差が見られる。したがって、本来の耐電圧ではない低耐電圧を有する素子を特定することが容易にできる。したがって、低い耐電圧をもつ素子の割合を減らすように開発あるいは製造することができる。
しかし、データ転送の高速化に見合ったTMR素子の低抵抗率化に伴い本来の高耐電圧とピンホール起因の低耐電圧とに明確な差が見られなくなってきている。図9は、抵抗率の低い、例えば2.5Ωμm2以下のTMR素子について、本来の耐電圧(High state)と本来の耐電圧より低下した耐電圧(Low state)を示す図である。図9では、本来の耐電圧は0.6V前後にあり、低下した耐電圧は0.5V程度である。図8と比較すると、本来の耐電圧と低下した耐電圧との差が小さくなっているのが分る。
つまり、低抵抗率のTMR素子の耐電圧の分布は、本来の耐電圧とピンホール起因の耐電圧とが明確に区別できない形で混在しているといえる。したがって、ピンホール起因の耐電圧を有する素子を明確に選別することが困難である。また、素子の稼働中のピンホールの状態によっては、ピンホール起因の耐電圧が稼働中に印加される電圧より高い場合でも寿命に影響することが判明している。さらに、現状では実際に高電圧を印加してTMR素子を破壊してみないと、当該TMR素子が本来の耐電圧を持つ素子であるのか否かがわからない。
なお、これまでに非破壊で素子の良品、不良品を判別する手法がいくつか提案されている。提案された手法の1つでは、酸化アルミニウムをバリア層として用いたTMR素子に対して、数分間の定電圧印加の前後の抵抗R1、R2を比較する。そして、R2/R1<100%であれば良品とし、そうでなければ不良品とする。
また、他の判別手法では、まずTMR素子に低電圧を印加して抵抗値R1を測定し、次に高電圧を印加して抵抗値R2を測定する。そして[(R2−R1)/R1]×100の値が所定値より小さければ不良品とし、大きければ良品とする。この所定値には、−0.9%、あるいは−0.7%という値が示されている。(特許文献1、2、非特許文献1参照)。
特開2005−31167号公報 特開2006−269907号公報 IEEE. Trans. Magn., vol.42, No.2, 232(2006).
上述のように、TMR素子の良不良を非破壊選別する判別手法が提案されているが、酸化マグネシウムをバリア層として用いたTMR素子について、非破壊選別する判別手法はしられていない。本発明は、酸化マグネシウムをバリア層として用いたTMR素子について本来の耐電圧を有する素子を非破壊で判別するための評価方法を提供することを目的とする。
本評価方法は、酸化マグネシウムで形成されたバリア層を有するTMR素子を非破壊で評価するTMR素子評価方法であって、ストレス電圧を前記TMR素子に印加した直後に前記TMR素子の第1の抵抗値を測定するステップと、
予め定められた前記ストレス電圧の印加時間が経過後、前記TMR素子が良品であれば前記ストレス電圧印加により低下した前記TMR素子の抵抗値が元の抵抗値近くに戻ることができる時間以上の時間前記TMR素子を放置するステップと、前記放置ステップ終了後、前記ストレス電圧を前記TMR素子に再度印加した直後に前記TMR素子の第2の抵抗値を測定するステップと、前記TMR素子の第1の抵抗値と第2の抵抗値に基づいて前記TMR素子の抵抗値の戻り率を算出して、前記TMR素子の抵抗値が元の抵抗値近くまで戻っているか否かを判定するステップと、を有する。
酸化マグネシウムで形成されたバリア層を有するTMR素子を非破壊で評価することができ、TMR素子の良品不良品を選別することができる。
図1は、本実施形態による評価対象である酸化マグネシウムをバリア層に用いたTMR素子の積層膜を概略的に示す図である。本実施形態のTMR素子は、反強磁性層L1、フェリピン層L2、バリア層L3、フリー層L4、キャップ層L5を備える。具体的には、反強磁性層L1は、厚さ7nmのIrMnで形成されている。フェリピン層L2は、厚さ1.7nmのCoFeと、厚さ0.68nmのRuと、厚さ2nmのCoFeBとで形成されている。バリア層L3は、厚さ0.96nmのMgOで形成される。フリー層L4は、厚さ2nmのCoFeBと、厚さ0.25nmのTaと、厚さ4nmのNiFeとで形成されている。キャップ層L5は、厚さ5nmのTaで形成されている。これらの膜は通常のマグネトロンスパッタリング法により製膜される。抵抗率RAの値は、3.9Ωμm2である。
図2は、図1に示すTMR素子の耐電圧を評価した結果の一例である。図2に示すように、700mV程度で絶縁破壊される素子と、400mV付近で絶縁破壊される素子があることを示している。耐電圧が約700mVの素子は、本来の耐電圧を有する素子であり、耐電圧が400mV付近まで低下している素子は、本来の耐電圧を有さない素子である。本来の耐電圧を有さず、低下した耐電圧を有する素子の寿命は、ストレス電圧を加える加速測定を行った結果、本来の耐電圧を有する素子に比較して短くなることが分っている。
本実施形態による評価方法は、以下に詳しく説明するように、TMR素子に低いストレス電圧を印加して、所定時間の経過後の抵抗値の可逆、非可逆性を指標として採用する。そして、この指標に基づき、本来の耐電圧を有する良品の素子と、本来の耐電圧より低い耐電圧を有する不良品の素子を選別しようとするものである。
図3は、本実施形態のTMR素子の1つについて、本来のものではない耐電圧である400mVよりも低い350mVのストレス電圧をこの素子に加え、抵抗の時間変化を調べた結果を示す図である。
図3の実線で示したグラフは1回目に測定した結果で、ストレス電圧印加直後から1分間の抵抗変化が示されている。ストレス電圧印加初期、具体的には0.2分程度を過ぎると約2%以内の抵抗低下が見られた後、一定の値を維持している。
その後10分以内の時間だけストレス電圧を印加した後にストレス電圧の印加を止めて、約30分以上放置する。30分以上の放置の後、再び同じ350mVのストレス電圧を加えて2回目の抵抗変化を測定する。図4の破線で示したグラフは、2回目の測定結果である。
2回目のストレス電圧の印加直後の抵抗の値R2を見ると、素子の抵抗値はほぼ100%元の値まで戻っている。なお、注意することは、1回目のストレス電圧を印加した後放置することなくすぐに2回目の測定を行うと、素子の抵抗値は元の値には戻っていないことである。
2回目の測定結果から、図3のストレス電圧印加後の約2%以内の抵抗値の低下は、回復不能の素子の劣化を示す現象ではないことが分る。図3で示された抵抗値の低下の減少の理由はいまだ解明されていないが、磁性膜中のボロン等の不純物元素に関連した現象であると考えられている。
図4は、本実施形態のTMR素子である3つの素子について、図3と同様の条件で、同様の測定を行った結果を示す図である。
図4の実線で示したグラフp1、q1、r1は1回目に測定した結果で、350mVのストレス電圧印加直後から1分間の抵抗変化が示されている。3つの素子の抵抗値は、測定された1分間の間低下し続けている。グラフr1では、ストレス電圧の印加から約0.3分に達するまでに、正規化抵抗が0.97以下に低下している。
その後10分以内の時間だけストレス電圧を印加した後にストレス電圧の印加を止めて、約30分以上放置する。30分以上の放置の後、再び同じ350mVのストレス電圧を加えて2回目の抵抗変化を測定する。図4の破線で示したグラフp2とq2は、グラフp1とq1に対応する2回目の測定結果である。グラフp2、q2から分るように、2回目のストレス電圧を印加直後の抵抗値R2は、正規化抵抗で0.99を下回っており、元の抵抗値に復帰していない。なお、1回目の測定結果のグラフr1に対応する2回目の測定結果は、2回目のストレス電圧印加直後の抵抗値は、正規化抵抗で0.97を下回っており、図4には現れていない。
図4の結果は、バリア層中に存在する金属成分からなるピンホール等にストレス電圧が影響し、ピンホール等が拡張した結果、バリア層の抵抗が下がったためであると考えられる。したがって、図4の抵抗値の低下は不可逆のものである。
このような評価を多くのTMR素子に対して行った結果、抵抗値が100%近く復帰するものとそうでないものとがあることがわかった。そして、その後素子の耐電圧を求める非破壊試験を行ったところ、抵抗値がほぼ100%まで戻る素子は、本来の耐電圧を有する素子であり、抵抗値が回復しない素子は、本来の耐電圧より低い耐電圧を有する素子であることが判明した。
すなわち、MgOをバリア層とするTMR素子に対して、絶縁破壊を起こさない程度の低いストレス電圧を印加して測定される抵抗値の可逆性、非可逆性を指標として、素子の良不良を判定することができる。
抵抗値が元に戻る割合である戻り率Pは、1回目の測定値R1、2回目の測定値R2を用いて、P=(R2/R1)×100と表すことができる。戻り率P>99.5であれば、本来の耐電圧を有する素子と判定することができる。また、戻り率P≦99.5であれば、本来の耐電圧を有さない素子と判定することができる。
図3、4におけるMgOをバリア層とするTMR素子の実験は、本来の耐電圧(High state)を有する素子と本来の耐電圧より低下した耐電圧(Low state)を有する素子を明確に選別するために、抵抗率3.9Ωμm2のTMR素子で行った。しかし、MgO膜厚を0.82nm〜0.92nmにした抵抗率RA=1.5〜2.0Ωμm2の素子に対しても、戻り率Pが99.5%で、本来の耐電圧を有する素子と本来の耐電圧を有さない素子を判別することができた。
また、ストレス電圧印加時間は、図3に見られるように、1分以内程度でも2%の抵抗変化が明確に見られる。したがって、通常は、ストレス電圧印加時間は1分以内でよい。さらには、図3の抵抗値の変化率の飽和特性を考慮すると、ストレス電圧印加時間を1分未満の10秒〜30秒程度にすることもできる。ストレス電圧印加時間が短ければ、良判定のTMR素子に対して必要以上のダメージを与えることを回避させることが出来る。
ストレス電圧の印加方向は、フリー層側からピン層側でもその逆でもどちらでもよい。
図5は、12個のTMR素子について、戻り率のヒストグラムを示す図である。TMR素子5の戻り率Pは、98.4であり、TMR素子7の戻り率Pは、99であり、TMR素子10の戻り率Pは、98.7である。TMR素子5、7、10は、戻り率Pが99.5%以下であるから、本来の耐電圧を有さない素子であると判定することができる。TMR素子5、7、10を除くと、その他のTMR素子は、戻り率Pが99.5以上であり、本来の耐電圧を有する素子と判定することができる。なお、戻り率Pが100%を超えている素子がある。戻り率Pが100%を超える理由は明らかではないが、本来の耐電圧を有する素子であると判定するのに問題はない。
図6は、本実施形態の評価方法が実施される評価装置の一例を示す図である。
評価装置10は、TMR素子に直流電源を供給し、TMR素子の電圧、電流を測定するソースメータ1と、ソースメータ1を制御する例えばパーソナルコンピュータでもよい制御部2とを備える。ソースメータ1は、測定対象であるTMR素子の端子パッド31に電気的に接続可能なプローブ13を備えている。ソースメータ1は、端子部31に接続されたプローブ13を介して、TMR素子3に所定の電圧を与えることができ、かつTMR素子に印加される電圧および流れる電流を測定するこができる。電圧印加および電圧・電流の測定は、制御部2の制御により行われる。TMR素子3の測定された電圧値および電流値は、例えば制御部の記憶装置(図示せず)に保存され、保存された電圧値および電流値に基づいて、抵抗値が算出され保存される。
図7は、本実施形態による評価方法のフローを示す図である。
測定対象のTMR素子を評価装置に接続し、測定を開始する。ステップS1では、本来の耐電圧より低下した耐電圧よりさらに低い所定の直流電圧をストレス電圧として、評価装置からTMR素子に印加する。ストレス電圧を印加した直後から評価装置によってTMR素子の抵抗を計測する。具体的には、TMR素子に印加された電圧と、TMR素子に流れる電流を測定して、抵抗を求める。そして、印加直後の抵抗値を抵抗値R1として保存する。
ステップS2では、TMR素子に対してストレス電圧を所定時間たとえば2〜3分の間印加する。なお、ストレス電圧の印加方向は限定されない。
ステップS3では、ストレス電圧の印加終了後、評価対象のTMR素子が本来の耐電圧を有する場合、ストレス電圧の印加により低下した抵抗値が元の値近くまで戻るのに要する時間以上の時間放置する。本フローでは30分以上放置する。放置時間を少なくとも30分としたのは経験によるものである。したがって、必ずしも30分以上待たねばならないというものではない。
また、放置時間の間、TMR素子を測定装置上に置いておく必要はない。他の加工、検査工程を進めた後再び本装置で測定すればよい。したがって、本フローのステップS3が終了するまでに要する実質的な時間は、ごく短いものである。
放置時間が過ぎると、再び計測装置に測定対象のTMR素子を接続し、ステップS4で、2回目の抵抗値の測定を行う。2回目の測定は、ステップS1で印加した電圧と同じ電圧を印加して、その直後すなわち数秒以内にTMR素子に印加される電圧と流れる電流を検出する。検出された電圧と電流から算出された抵抗値をR2として保存する。
ステップS5では、保存した抵抗値R1と抵抗値R2を読み出して、抵抗の戻り率P=(R2/R1)×100を算出する。
戻り率P>99.5%であれば、ステップS6で、TMR素子は良品と判断される。戻り率P≦99.5%であれば、ステップS7で、TMR素子は不良品と判断される。以上のように、本実施形態による判別方法により、TMR素子を良品と不良品とに選別することができる。
なお、30分以上の放置時間の間に他の加工、検査工程を経る処理を行うと、ステップS4の後の2回目の測定により、放置時間に行われた他の処理によってダメージを与えられたTMR素子を見つけ出すメリットもある。
本実施形態では、低抵抗率のMgOバリア層を有するTMR素子に対して、ストレス電圧を印加後時間を置いて抵抗値を測定し、抵抗値の戻り率を指標にしてTMR素子を評価する。抵抗値の戻り率を指標にすることにより、本来の耐電圧を有する素子を非破壊で見つけ出すことができる。したがって、本実施形態によれば、素子の寿命を短くする可能性のある低い耐電圧を有するTMR素子を市場に出さないようにすることができる。また、本実施形態では、判別のために高低2つの印加電圧を使用することがないという利点も備えている。
以上説明した実施形態に関し、以下の付記を記載する。
(付記1)
TMR素子を非破壊で評価するTMR素子評価方法であって、
ストレス電圧を前記TMR素子に印加した直後に前記TMR素子の第1の抵抗値を測定するステップと、
予め定められた前記ストレス電圧の印加時間が経過後、前記TMR素子が良品であれば前記ストレス電圧印加により低下した前記TMR素子の抵抗値が元の抵抗値近くに戻ることができる時間以上の時間前記TMR素子を放置するステップと、
前記放置ステップ終了後、前記ストレス電圧を前記TMR素子に再度印加した直後に前記TMR素子の第2の抵抗値を測定するステップと、
前記TMR素子の第1の抵抗値と第2の抵抗値に基づいて前記TMR素子の抵抗値の戻り率を算出して、前記TMR素子の抵抗値が元の抵抗値近くまで戻っているか否かを判定するステップと、
を有するTMR素子評価方法。
(付記2)
前記TMR素子の抵抗値が元の抵抗値近くまで戻っているか否かを判定するステップは、前記第1の抵抗値をR1、前記第2の抵抗値をR2として、(R2/R1)×100>99.5であれば、前記TMR素子の抵抗値が元の抵抗値近くまで戻っていると判定する付記1に記載のTMR素子評価方法。
(付記3)
前記ストレス電圧印加時間は1分以内である付記1又は2に記載のTMR素子評価方法。
(付記4)
前記放置ステップにおいて、他の加工工程あるいは検査工程を行う付記1〜3のいずれか1項に記載のTMR素子評価方法。
本実施形態の評価対象である酸化マグネシウムをバリア層に用いたTMR素子の積層膜を概略的に示す図である。 本実施形態の評価対象であるTMR素子の本来の耐電圧と、本来のものではない耐電圧を示す図である。 本実施形態の評価対象であるTMR素子について、ストレス電圧印加終了後所定の時間経過すると、元の抵抗値の近くまで抵抗値が戻る一例を示す図である。 本実施形態の評価対象であるTMR素子について、ストレス電圧印加終了後所定の時間経過しても、元の抵抗値の近くまで抵抗値が戻らない複数の例を示す図である。 本実施形態の評価対象である12個のTMR素子について、ストレス電圧印加終了後所定の時間経過したときの抵抗値の戻り率を示す図である。 本実施形態を実施する評価装置の概要を示す図である。 本実施形態の評価方法のフローを示す図である。 抵抗率が高いTMR素子の本来の耐電圧(High state)と本来のものではない耐電圧(Low state)との関係を示す図である。 抵抗率が低いTMR素子の本来の耐電圧(High state)と本来のものではない耐電圧(Low state)との関係を示す図である。
符号の説明
L1 反強磁性層
L2 フェリピン層
L3 バリア層
L4 フリー層
L5 キャップ層
10 評価装置
1 ソースメータ
11 プローブ
2 制御部
3 TMR素子
31 TMR素子の端子

Claims (4)

  1. TMR素子を非破壊で評価するTMR素子評価方法であって、
    ストレス電圧を前記TMR素子に印加した直後に前記TMR素子の第1の抵抗値を測定するステップと、
    予め定められた前記ストレス電圧の印加時間が経過後、前記TMR素子が良品であれば前記ストレス電圧印加により低下した前記TMR素子の抵抗値が元の抵抗値近くに戻ることができる時間以上の時間前記TMR素子を放置するステップと、
    前記放置ステップ終了後、前記ストレス電圧を前記TMR素子に再度印加した直後に前記TMR素子の第2の抵抗値を測定するステップと、
    前記TMR素子の第1の抵抗値と第2の抵抗値に基づいて前記TMR素子の抵抗値の戻り率を算出して、前記TMR素子の抵抗値が元の抵抗値近くまで戻っているか否かを判定するステップと、
    を有するTMR素子評価方法。
  2. 前記TMR素子の抵抗値が元の抵抗値近くまで戻っているか否かを判定するステップは、前記第1の抵抗値をR1、前記第2の抵抗値をR2として、(R2/R1)×100>99.5であれば、前記TMR素子の抵抗値が元の抵抗値近くまで戻っていると判定する請求項1に記載のTMR素子評価方法。
  3. 前記ストレス電圧印加時間は1分以内である請求項1または2に記載のTMR素子評価方法。
  4. 前記放置ステップにおいて、他の加工工程あるいは検査工程を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のTMR素子評価方法。
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