JP2010082646A - 厚板圧延方法、及び圧延装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】仕上圧延工程後における仕上温度及び仕上板厚のバラツキを低減することができる厚板圧延方法、及び圧延装置を提供する。
【解決手段】粗圧延工程直後の被圧延材の実績温度に基づき算出された予測仕上温度が、仕上圧延工程における仕上圧延スケジュールとして予め計画された目標仕上温度よりも高い場合には、前記予測仕上温度と前記目標仕上温度との差に基づいて前記仕上圧延スケジュールを再計算し、その再計算された仕上圧延スケジュールに基づき被圧延材の温度を低下させる温度低下処理を行いながら前記仕上圧延工程を行い、前記予測仕上温度が、前記目標仕上温度よりも低い場合には、前記予測仕上温度と前記目標仕上温度との差に基づき前記仕上圧延スケジュールを再計算し、その再計算された仕上圧延スケジュールに基づき被圧延材の温度を維持する温度維持処理を行いながら、前記仕上圧延工程を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、鋼板などの被圧延材を、仕上圧延機を用いて仕上圧延する厚板圧延方法、及び圧延装置に関し、特に、粗圧延後に特定の温度域に被圧延材の温度を調整して圧延を行う制御圧延に好適な技術に関する。
従来より、鋼板の熱間圧延においては、強度や靭性の優れた鋼板の製造が求められており、その一例として、圧延材に制御圧延(Controlled Rolling)を施すことにより、優れた材質の厚鋼板を造り込んでいる。すなわち、1000℃以上に加熱したスラブなどの圧延素材を一旦所定の板厚まで圧延し、その後、圧延材の温度が未再結晶温度域やその温度域に近い温度域にある状態で仕上板厚まで圧延を行うものである。例えば、厚さ200〜300mmのスラブなどの圧延素材を1100〜1200℃程度まで加熱後、仕上板厚の1.5〜2倍程度まで圧延する。その後、温度が未再結晶域である850℃以下になった時点で仕上圧延を開始し、仕上板厚(例えば15mm)まで圧延するというものである。
その際に、仕上圧延を行う温度(制御圧延開始温度)が低く、かつ仕上圧延を行う板厚(制御圧延開始板厚)が厚い場合には、圧延材が制御圧延開始温度になるまでにかなりの時間を要する。そのため、粗圧延工程と仕上圧延工程との間の圧延ライン上で制御圧延開始温度になるまで、圧延材を放冷状態で待機させていた。この作業は温度調整工程と呼ばれる。
粗圧延工程後に行われる被圧延材の制御圧延では、製品の材質仕様を満足するように、制御圧延開始温度、目標仕上温度、制御圧延開始板厚、及び目標仕上板厚、並びにこれらの上限値及び下限値が設定されている。
そして、適正な圧下パターン(圧下量及び圧延速度)と仕上温度とを実現するために、目標仕上温度及び目標仕上板厚に基づいて、圧延スケジュールを繰り返し計算する方法がよく知られている。
また、従来の被圧延材の制御圧延では、粗圧延における温度調整後の温度が、圧延スケジュールの計算において算出された値から外れていても、その後の仕上圧延において、その外れてしまった被圧延材の温度を再び調整する機能がなかった。そのために、そのまま予定された圧延スケジュールが実行されてしまい、目標仕上温度からも外れてしまう問題があった。
そこで、このような問題を解消するために、制御圧延時において被圧延材を冷却する冷却装置や、圧下パターンを制御することによって目標仕上温度及び目標仕上板厚を実現する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)この特許文献1には、目標仕上温度及び目標仕上板厚を実現するために、圧延速度、及び圧延パス間の時間を変更可能とした構成が開示されている。
特許2528048号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、粗圧延工程における温度調整後の被圧延材の温度が高い場合のみ適用された構成であるため、温度調整後の被圧延材の温度が低い場合には適用できなかった。
また、仕上圧延工程を行う前に温度調整を実施しても、多少の板温度のズレを含んだまま仕上圧延工程を実施することが多く、その結果、仕上温度が圧延スケジュールから外れた数値を示し、仕上板厚にバラツキを生じることがあった。
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、仕上圧延工程後における仕上温度及び仕上板厚のバラツキを低減することができる厚板圧延方法、及び圧延装置を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、仕上圧延直前の温度のズレが仕上温度に影響しないように、そのときの被圧延材の温度に基づいて仕上パスを制御した仕上圧延工程を行うことが有効であることを知見した。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、上記課題を解決するための請求項1記載の発明に係る厚板圧延方法は、被圧延材を粗圧延する粗圧延工程と、粗圧延された前記被圧延材を仕上圧延する仕上圧延工程とにより得られる厚板が目標板厚となるように、前記仕上圧延工程における各パスでの圧下率を仕上圧延スケジュールとして予め計画し、その計画に沿って各パスで圧延を行う厚板圧延方法において、
粗圧延工程直後の前記被圧延材の実績温度を測定し、
該実績温度に基づいて算出された予測仕上温度が、前記仕上圧延スケジュールとして予め計画された目標仕上温度よりも高い場合には、前記予測仕上温度と前記目標仕上温度との差に基づいて前記仕上圧延スケジュールを再計算し、その再計算された仕上圧延スケジュールに基づいて被圧延材の温度を低下させる温度低下処理を行いながら前記仕上圧延工程を行い、
前記予測仕上温度が、前記目標仕上温度よりも低い場合には、前記予測仕上温度と前記目標仕上温度との差に基づいて前記仕上圧延スケジュールを再計算し、その再計算された仕上圧延スケジュールに基づいて被圧延材の温度を維持する温度維持処理を行いながら、前記仕上圧延工程を行うことを特徴としている。
また、上記問題を解決するため、本発明のうち請求項2に係る圧延装置は、被圧延材に対して粗圧延を行う粗圧延機と、粗圧延された前記被圧延材を仕上圧延する仕上圧延機と、前記粗圧延工程後に前記被圧延材を所定の温度まで低下させる温度調整工程を行う被圧延材温度低下手段と、前記仕上圧延機によって得られる厚板が目標板厚となるように、前記仕上圧延工程における各パスでの圧下率を仕上圧延スケジュールとして予め計画し、その計画に沿って各パスでの圧延を制御する仕上圧延スケジュール制御手段と、を備えた圧延装置において、
前記温度調整工程直後の前記被圧延材の実績温度を測定する温度測定手段を備え、
前記仕上圧延スケジュール制御手段は、前記実績温度に基づいて算出された予測仕上温度が、前記仕上圧延スケジュールとして予め計画された目標仕上温度よりも高い場合には、前記予測仕上温度と前記目標仕上温度との差に基づいて前記仕上圧延スケジュールを再計算し、その再計算された仕上圧延スケジュールに基づいて被圧延材の温度を低下させる温度低下処理を行いながら前記仕上圧延工程を制御し、
前記予測仕上温度が、前記目標仕上温度よりも低い場合には、前記予測仕上温度と前記目標仕上温度との差に基づいて前記仕上圧延スケジュールを再計算し、その再計算された仕上圧延スケジュールに基づいて被圧延材の温度を維持する温度維持処理を行いながら、前記仕上圧延工程を制御することを特徴としている。
本発明のうち請求項1に係る厚板圧延方法によれば、粗圧延工程後に測定した実績温度に基づいて仕上パスを制御しているので、仕上圧延工程の直前における温度のズレがそのまま仕上温度に影響せず、仕上温度を目標仕上温度に近づけられる。その結果、仕上圧延後の実際の板厚である予定仕上板厚を予め設定された目標仕上板厚に近づけることができる。
また、本発明のうち請求項2に係る圧延装置によれば、粗圧延工程後に測定した実績温度に基づいて仕上パスを制御しているので、仕上圧延工程の直前における温度のズレがそのまま仕上温度に影響せず、仕上温度を目標仕上温度に近づけられる。その結果、仕上圧延後の実際の板厚である予定仕上板厚を予め設定された目標仕上板厚に近づけることができる。
以下、本発明に係る厚板圧延方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る圧延装置の一実施形態における構成を示す概略図である。
図1に示すように、圧延装置1は、加熱炉10と、粗圧延機40と、仕上圧延機20と、電動機制御手段30と、粗圧延制御手段(図示せず)と、温度調整用被圧延材温度低下手段(図示せず)と、温度調整制御手段50と、仕上圧延スケジュール制御手段60と、被圧延材温度測定手段70と、被圧延材温度低下手段80とを備える。
粗圧延機40は、加熱炉10が設置された上流側(図1の左側)から搬送されたスラブ(被圧延材)を圧延(粗圧延)する可逆式圧延機である。
仕上圧延機20は、粗圧延機によって粗圧延された被圧延材100を、目標板厚となるまで圧延(仕上圧延)して厚板101を得る圧延機である。仕上圧延が終了すると、仕上圧延後の厚板101は、下流(図1の右側)に搬送されることで後工程に送られる。
仕上圧延機20としては、可逆式圧延機が用いられる。仕上圧延機20は、1対のワークロール21a,21bと、1対のバックアップロール22a,22bとを有する。具体的には、被圧延材100を上下方向から圧延する上ワークロール21a、及び下ワークロール21bと、上ワークロール21aを支持する上バックアップロール22a、及び下ワークロール21bを支持する下バックアップロール22bとが設けられる。
ここで、仕上圧延機20による圧延は、粗圧延機40によって粗圧延して得られた被圧延材100を、仕上圧延機20が、左側から右側へ、右側から左側へと、決められたパス数だけ圧延して行われる。
また、仕上圧延機20には、ロードセル23が設けられている。このロードセル23は、被圧延材100に対するワークロール21aの圧延荷重を、バックアップロール22aを介して間接的に検出し、得られた検出値を後述する仕上圧延スケジュール制御手段60に出力する。
ここで、本実施形態においては、仕上圧延機20において被圧延材100を圧延する際に、加熱炉10から抽出されたスラブを粗圧延してさらに温度調整工程に移行するまでの圧延工程を粗圧延工程と呼ぶ。また、温度調整工程後から仕上板厚(仕上圧延後の板厚)の厚板101が得られるまで被圧延材100を圧延する工程を仕上圧延工程と呼ぶ。
また、本実施形態においては、被圧延材100が、圧延機に進入してから該圧延機を抜けるまでの1回の圧延工程を1パスと呼ぶ。また、圧延機によって被圧延材100に圧下をかけて圧延を実施するパスのことを圧延パスと呼ぶ。特に、仕上圧延工程において被圧延材100に圧下をかけて圧延を実施するパスのことを仕上パスと呼ぶ。また、圧下をかけずにワークロール21a,21bを開放したまま、被圧延材100を仕上圧延機20に通すパスを空パスと呼ぶ。
また、本実施形態においては、被圧延材の温度を低下させる処理として、前述の温度調整工程における温度低下処理と、仕上圧延工程における温度低下処理とが挙げられる。温度調整工程における温度低下処理は、粗圧延工程の後、仕上圧延工程が開始されるまでの間に行われる被圧延材の冷却処理であり、仕上圧延工程における温度低下処理は、仕上圧延工程において各パスで被圧延材を冷却する処理である(後述)。温度調整工程における温度低下処理では、温度調整用被圧延材温度低下手段(図示せず)が用いられる。この調整用被圧延材温度低下手段の具体例としては、ライン上に設けられた専用の水冷シャワーのような装置が挙げられる。仕上圧延工程における温度低下処理では、圧延機の直近(上流側及び下流側)に備えられた被圧延材温度低下手段80が用いられる。この被圧延材温度低下手段80の具体例としては、高圧水噴射式のデスケーリング装置などが挙げられる。
電動機制御手段30は、速度制御手段31と、開度変更手段32とを有する。速度制御手段31は、仕上圧延機20のワークロール21a,21bの回転速度を調節する手段である。開度変更手段32は、仕上圧延機20のワークロール21a,21b間の開度量を調節する手段である。速度制御手段31によるワークロール21a,21bの回転速度、及び開度変更手段32によるワークロール21a,21b間の開度量がそれぞれ調節されることで、被圧延材100の圧延速度、及び被圧延材100の圧下量、つまり所定の圧下率に設定される。速度制御手段31は、仕上圧延スケジュール制御手段60からの速度変更命令によって、各パスでのワークロール21a,21bの回転速度を設定変更する。開度変更手段32は、仕上圧延スケジュール制御手段60からの開度変更命令によって、各パスでのワークロール21a,21bの開度を設定変更する。
粗圧延制御手段は、設備情報、及び粗圧延条件に基づき、各パスでの圧下率に係る開度、及び搬送速度の経時的な粗圧延制御情報を作成し、その粗圧延制御情報に沿って動作するように粗圧延機40の電動機制御手段(図示せず)に命令する手段である。ここで、前記設備情報は、仕上圧延機20の最大圧下量などの設備情報が挙げられる。また、前記粗圧延条件とは、粗圧延工程毎に予め設定される情報であり、例えば、被圧延材100の情報(被圧延材100の材質など)、粗圧延前後の被圧延材100の温度、及び粗圧延前後の被圧延材100の厚みが挙げられる。前記粗圧延条件は、図示しない入力手段を用いて個別の粗圧延工程毎に入力され、後述する記憶手段62に一時的に記憶される。
温度調整制御手段50は、温度調整工程における温度調整用被圧延材温度低下手段(図示せず)の経時的な温度調整制御情報を作成する手段である。また、温度調整制御手段50は、その温度調整制御情報と、被圧延材温度測定手段70から得られる被圧延材100の温度とに基づいて温度調整用被圧延材温度低下手段(図示せず)を制御する手段である。
仕上圧延スケジュール制御手段60は、仕上圧延スケジュール作成手段61と、記憶手段62と、判定手段63とを備える。
仕上圧延スケジュール作成手段61は、前記設備情報、仕上圧延条件、及び実績情報に基づいて、仕上圧延スケジュールを作成する手段である。ここで、仕上圧延スケジュールは、仕上圧延工程における各パスでの圧下率に係る開度、空パスの設定、及び搬送速度の経時的な制御情報である。また、仕上圧延スケジュールには、仕上圧延後の予測仕上温度及び予測仕上板厚も含まれる。この予測仕上温度及び予測仕上板厚は、前記制御情報によって仕上圧延工程を実施した場合を想定して算出される仮想的な数値である。粗圧延工程及び仕上圧延工程における各パスでの圧下率に係る開度、空パスの設定、及び搬送速度の算出方法は、公知の算出方法によって行えばよい。
前記仕上圧延条件は、仕上圧延工程毎に予め設定される情報であり、例えば、被圧延材100の情報(被圧延材100の材質など)、仕上圧延前の板厚、及び仕上圧延後の目標仕上板厚が挙げられる。前記圧延条件は、図示しない入力手段を用いて個別の仕上圧延工程毎に入力され、記憶手段63に一時的に記憶される。
前記実績情報は、温度調整工程後(仕上圧延工程前)における被圧延材100の実際の状態を示す情報であり、例えば、仕上圧延工程を行う前の被圧延材100の温度(実績温度)、仕上圧延工程を行う前の被圧延材100の厚みが挙げられる。前記実績情報は、前記実績温度を測定する被圧延材温度測定手段70(後述)や、ロードセル23から仕上圧延スケジュール制御手段60に送信されることによって得られる。
すなわち、仕上圧延スケジュール作成手段61は、第一に、記憶手段63に記憶された前記設備情報を読み出し、第二に、記憶手段63に記憶された前記仕上圧延条件を読み出し、第三に、前記実績情報を読み出し、これらのタイミングを関連づけて仕上圧延スケジュールを作成する。
仕上圧延スケジュール制御手段60は、電動機制御手段30、及び被圧延材温度低下手段80(後述)に対して、仕上圧延スケジュール作成手段61が作成した仕上圧延スケジュールを送信し、その仕上圧延スケジュールに沿って動作するように命令する。
記憶手段62は、前記設備情報、前記粗圧延条件、前記仕上圧延条件、及び、仕上圧延前において仕上圧延スケジュール制御手段60が受信した実績情報を記憶する手段である。
また、記憶手段62は、仕上圧延後において得られた仕上圧延後の実際の厚板101の温度、及び仕上圧延後の実際の厚板101の厚みと、仕上圧延スケジュール作成手段61によって作成された仕上圧延スケジュールを、設備情報、圧延条件、及び実績情報とを関連づけて記憶してもよい。仕上圧延工程後の実際の厚板101の温度、及び仕上圧延工程後の実際の厚板101の厚みは、図示しない所定の入力手段によって得られてもよいし、仕上圧延が終了したことを契機に仕上圧延スケジュール制御手段60に送信されるようにしてもよい。設備情報、粗圧延条件、仕上圧延条件、及び実績情報と、仕上圧延工程後の実際の厚板101の温度及び厚みとを関連づけた仕上圧延スケジュールをフィードバックさせることにより、高精度な仕上圧延スケジュールを作成できる。
判定手段63は、後述する被圧延材温度測定手段70から得られた実績情報としての実績温度に基づき、仕上圧延スケジュール作成手段61に仕上圧延スケジュールを再作成させるか否かを判断する手段である。また、判定手段63は、ロードセル23から得られた実績情報としての板厚に基づいて仕上圧延スケジュール作成手段61に仕上圧延スケジュールを再作成させるか否かを判断する手段としてもよい。
被圧延材温度測定手段70は、粗圧延工程後の被圧延材100の実績温度を測定する手段である。被圧延材温度測定手段70は、被圧延材100の表面温度を非接触で高精度に測定できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、放射温度計が挙げられる。被圧延材温度測定手段70は、仕上圧延スケジュール制御手段60に接続されており、被圧延材温度測定手段70によって測定された被圧延材100の表面温度に関する情報は、所定間隔毎に仕上圧延スケジュール制御手段60に送信される。
被圧延材温度低下手段80は、高温の被圧延材を所定の温度まで冷却する手段である。被圧延材温度低下手段80は、仕上圧延機20の上流側及び/又は下流側に設けられる。図1には、仕上圧延機20の1パス目の入側に設けられた例を示す。被圧延材温度低下手段80の例としては、シャワーノズルを備え、該シャワーノズルから被圧延材100の表面に向けて水流を噴出する水冷装置が好ましい。被圧延材温度低下手段80は、仕上圧延スケジュール制御手段60からの命令によって、被圧延材100を冷却して被圧延材100の温度を低下させる。
<厚板圧延方法>
次に、本発明に係る厚板圧延方法の一実施形態における具体的な動作について、図1及び図2を参照して説明する。
本発明に係る厚板圧延方法は、粗圧延工程と、温度調整工程と、仕上圧延工程とを有する。また、温度調整工程においては、被圧延材温度低下処理が行われ、仕上圧延工程においては、被圧延材温度低下処理、及び被圧延材温度維持処理の少なくともいずれかが行われる。
〔粗圧延工程〕
まず、加熱炉10から抽出されたスラブは、搬送テーブル200上を搬送され、粗圧延機40によって所定の厚さまで圧延される(S1)。この圧延は、前述したように、粗圧延制御手段(図示せず)によって作成された粗圧延制御情報に沿って粗圧延機40の各パスを電動機制御手段(図示せず)が動作させることによって行われる。
〔温度調整工程〕
その後、粗圧延工程によって所定の厚さまで圧延された被圧延材100は、仕上圧延工程に移行する前に、未再結晶域の温度(例えば、850℃以下)まで被圧延材100の表面の温度を低下させる(S2)。この工程では、被圧延材温度測定手段70が検出する被圧延材100の表面の温度の低下率に基づき、温度調整制御手段50が温度制御情報を作成し、この温度制御情報に沿って温度調整用被圧延材温度低下手段(図示せず)が動作することによって被圧延材100の表面の温度が所定の温度まで低下する。
〔仕上圧延工程〕
その後、温度調整工程によって、表面の温度を低下させた被圧延材100の表面の温度(実績温度)を被圧延材温度測定手段70によって測定する(S3)。
そして、被圧延材温度測定手段70によって測定された実績温度を仕上圧延スケジュール制御手段60に送信する。
実績温度を受信した仕上圧延スケジュール制御手段60は、仕上圧延スケジュール作成手段61に仕上圧延スケジュールを作成させる(S3)。この仕上圧延スケジュールには、電動機制御手段30、被圧延材温度測定手段70、及び被圧延材温度低下手段80を制御するための制御情報だけでなく、予測仕上温度及び予測仕上板厚も含まれる。
そして、判定手段63は、前記仕上圧延スケジュールに含まれる前記予測仕上温度と、予め設定された目標仕上温度とを比較する(S5)。前記予測仕上温度と前記目標仕上温度との差が許容できる所定の範囲内であった場合、S4で計算された仕上圧延スケジュールに沿って、仕上圧延スケジュール制御手段60が被圧延材温度低下処理を行いながら仕上圧延を行い(S6)、次工程(精整工程)に移る(S11)。
一方、判定手段63が、目標仕上温度と予測仕上温度とを比較した結果、予測仕上温度が目標仕上温度よりも高い場合、仕上圧延スケジュール制御手段60が仕上圧延スケジュール作成手段61に仕上圧延スケジュールを再作成するように命令する(S7)。この仕上圧延スケジュールの再作成は、予測仕上温度と目標仕上温度との差に基づいて仕上圧延スケジュール作成手段61が作成するものであり、被圧延材温度低下処理を含む仕上圧延スケジュールである。
その後、再計算された仕上圧延スケジュールに沿って、仕上圧延スケジュール制御手段60が被圧延材温度低下処理を行いながら仕上圧延工程が行われ(S8)、次工程(精整工程)に移る(S11)。
なお、被圧延材温度低下処理(S8)において、仕上圧延スケジュール作成手段61によって速度調整ロジックが計算された結果、水冷パスを追加しなくても、圧延速度を低下させるだけで、目標温度まで鋼板の温度を低下させることができる場合がある。この場合には、再び冷却することなく、微調整が行われる。この微調整は、圧延速度を低下させる処理をした後、予測仕上温度を計算して、なお高い場合には、水冷装置を使用するように処理される。
〔被圧延材温度低下処理〕
ここで、被圧延材温度低下処理は、仕上圧延工程において、被圧延材温度低下手段80を用いて被圧延材100の温度を低下させる処理である。特に、仕上圧延工程においては、被圧延材100の温度を低下させる必要がある(予測仕上温度>目標仕上温度)と判定手段63によって判断された場合に、被圧延材温度低下手段80を用いて被圧延材100の温度を低下させる処理である。
他方、判定手段63が、目標仕上温度と予測仕上温度とを比較した結果、予測仕上温度が目標仕上温度よりも低い場合、仕上圧延スケジュール制御手段60が仕上圧延スケジュール作成手段61に仕上圧延スケジュールを再作成するように命令する(S9)。この仕上圧延スケジュールの再作成は、予測仕上温度と目標仕上温度との差に基づいて仕上圧延スケジュール作成手段61が作成するものであり、被圧延材温度維持処理を含む仕上圧延スケジュールである。
その後、再計算された仕上圧延スケジュールに沿って仕上圧延機20が被圧延材温度維持処理を行いながら仕上圧延工程が行われ(S10)、次工程(精整工程)に移る(S11)。
また、被圧延材温度低下処理(S9)において、仕上圧延スケジュール作成手段61によって速度調整ロジックが再計算された後、速度調整代を限界まで使っても調整不能である場合がある。この場合には、さらに仕上温度が低く外れることが見込まれるので、水冷装置が使用される予定であったパスを使用しないことで仕上温度が外れることを抑止する。なお、水冷装置が使用される予定のパスにおいて水冷装置の使用を取りやめるか否かは、速度調整ロジック後の予測仕上温度計算時に、目標仕上温度と比較することによって判定される。
〔被圧延材温度維持処理〕
ここで、被圧延材温度維持処理は、仕上圧延工程において、被圧延材100の温度を低下させずに維持する必要がある(予測仕上温度<目標仕上温度)と判定手段63によって判断された場合に被圧延材100の温度を維持する処理である。具体的には、仕上圧延機20のワークロール21a,21bの回転速度を高くするように速度制御手段31に命令して圧延しつつ可及的速やかに次工程(精整工程)に移行させる処理である。
以上説明したように、本実施形態によれば、温度調整工程後の実績温度に基づいて、仕上圧延工程中に被圧延材の温度を低下又は維持させて調節するので、仕上圧延工程後の仕上温度及び仕上板厚のバラツキを低減することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。例えば、本実施形態においては、2機の圧延機を備え、それぞれに粗圧延及び仕上圧延の役割を持たせた例について説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、1機のみの圧延機によって粗圧延及び仕上圧延の両方の役割をこなす場合についても適用可能である。
本発明に係る圧延装置の一実施形態における構成を示す概略図である。 本発明に係る厚板圧延方法の一実施形態における設定変更手段の処理を説明する図である。
符号の説明
1 圧延装置
20 仕上圧延機
30 電動制御手段
50 温度調整制御手段
60 仕上圧延スケジュール制御手段
61 仕上圧延スケジュール作成手段
63 判定手段
70 被圧延材温度測定手段
80 被圧延材温度低下手段
100 被圧延材
101 厚板

Claims (2)

  1. 被圧延材を粗圧延する粗圧延工程と、粗圧延された前記被圧延材を仕上圧延する仕上圧延工程とにより得られる厚板が目標板厚となるように、前記仕上圧延工程における各パスでの圧下率を仕上圧延スケジュールとして予め計画し、その計画に沿って各パスで圧延を行う厚板圧延方法において、
    粗圧延工程直後の前記被圧延材の実績温度を測定し、
    該実績温度に基づいて算出された予測仕上温度が、前記仕上圧延スケジュールとして予め計画された目標仕上温度よりも高い場合には、前記予測仕上温度と前記目標仕上温度との差に基づいて前記仕上圧延スケジュールを再計算し、その再計算された仕上圧延スケジュールに基づいて被圧延材の温度を低下させる温度低下処理を行いながら前記仕上圧延工程を行い、
    前記予測仕上温度が、前記目標仕上温度よりも低い場合には、前記予測仕上温度と前記目標仕上温度との差に基づいて前記仕上圧延スケジュールを再計算し、その再計算された仕上圧延スケジュールに基づいて被圧延材の温度を維持する温度維持処理を行いながら、前記仕上圧延工程を行うことを特徴とする厚板圧延方法。
  2. 被圧延材に対して粗圧延を行う粗圧延機と、粗圧延された前記被圧延材を仕上圧延する仕上圧延機と、前記粗圧延工程後に前記被圧延材を所定の温度まで低下させる温度調整工程を行う被圧延材温度低下手段と、前記仕上圧延機によって得られる厚板が目標板厚となるように、前記仕上圧延工程における各パスでの圧下率を仕上圧延スケジュールとして予め計画し、その計画に沿って各パスでの圧延を制御する仕上圧延スケジュール制御手段と、を備えた圧延装置において、
    前記温度調整工程直後の前記被圧延材の実績温度を測定する温度測定手段を備え、
    前記仕上圧延スケジュール制御手段は、前記実績温度に基づいて算出された予測仕上温度が、前記仕上圧延スケジュールとして予め計画された目標仕上温度よりも高い場合には、前記予測仕上温度と前記目標仕上温度との差に基づいて前記仕上圧延スケジュールを再計算し、その再計算された仕上圧延スケジュールに基づいて被圧延材の温度を低下させる温度低下処理を行いながら前記仕上圧延工程を制御し、
    前記予測仕上温度が、前記目標仕上温度よりも低い場合には、前記予測仕上温度と前記目標仕上温度との差に基づいて前記仕上圧延スケジュールを再計算し、その再計算された仕上圧延スケジュールに基づいて被圧延材の温度を維持する温度維持処理を行いながら、前記仕上圧延工程を制御することを特徴とする圧延装置。
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