JP2010023840A - ノンアルミ蓋およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
端部に開封用のタブ部分を備える容器の密封用の蓋であって、少なくとも紙層、樹脂層、イージーピール層がこの順で積層されており、金属層を有さず、かつ前記紙層にはスリット状に紙層が存在していないスリット部分を有するノンアルミ蓋とする。
【選択図】図1
Description
このような容器には、蓋を開封した際に、開封状態の蓋の状態の保持性(デッドホールド性)が必要な商品がある。また、製造方法においては、蓋を枚葉供給して、容器本体とシールして製造することが好ましく、そのため、蓋のカールをフラットにすることが望ましい。
このような要望に対して、アルミ箔を用いると、デッドホールド性が蓋に付与されるので、これらの要望が満たされているのである。
しかしながら、アルミ構成の蓋は、内容物充填後、異物等の検査のための金属探知機での検査に支障が生ずる恐れがある。
また、アルミ構成の箔は、電子レンジ調理をする際に、容器と共に電子レンジ加熱をすると、蓋の端面から露出しているアルミ部分でスパークしてしまい、包材のこげや、電子レンジの故障の原因となることがある。
しかし、アルミ構成を有しない蓋では、デッドホールド性がなく、カップ入り即席麺のように、開封状態の保持や、蒸らし調理時の再封性を要求される場合は、満足な特性を得られなかった。
このような問題を解決するために、蓋にミシン目加工や、ハーフカット等を施し、折れ曲がり易くした蓋が提案されている(特許文献1、2)。
しかし、これらの提案では、その効果は充分ではない。特に、効果が期待される内面層としてのシーラントのハーフカットに関しては、内容物の蓋への染み出しが問題となっていた。
また、剥離ニスやキズ加工を用いて蓋を作製し、製造時または消費者に渡った後に消費者が、蓋を帯状に剥離する方法が提案されている。
しかしながら、この方法では、帯状に剥がすという行為を付加することになり、製造者や消費者にとって除去する行為が増えることになってしまい、受け入れられない。
さらに、ストライプ状にラミネートする技術が、押出しラミネート、ワックスラミネート等で実現されているが、後に詳述する本発明のように、ストライプ状に紙層のない蓋を作製した例は全く存在しない。
この場合、前記紙層が存在していない部分としての前記スリット部分は、前記蓋を横断するように存在し、前記蓋の全長に対し1/4長以上前記タブ部分から離間した位置にあることが好ましい。
そして、前記スリット部分は、前記タブ部分の中心を通る直径方向と垂直な方向に形成されていることが好ましい。
さらに、前記紙層と前記イージーピール層との間に、中間層が配置されることが好ましい。
そして、紙層を細い状態のロールとして、これを下地層上にラミネートして、その後、蓋形状に抜く製造方法も好ましい。
この場合、部分的に存在しない領域とは、図1(b)に示されるように、紙層11をノンアルミ蓋1の厚み方向に亘って、紙層11が存在しない部分(スリット部分)を蓋1の一部に設ければよいが、図1(b)に示されるように、スリット部分18は、蓋1の長さ方向の全長に対し、その径方向に直角に、蓋1の方向を一端から多端に亘って両断して、カットするように、分断して設けることが好ましい。スリット部分18の幅は、0.5mm以上が好ましい。この幅は、蓋の外形近くまで大きくしてもよいが、あまり大きいと、蓋の印刷面積が少なくなるため、例えば、10mm程度とすればよい。
即ち、本発明のノンアルミ蓋1は、容器にヒートシール可能な蓋である。この場合、密閉する容器は、即席麺等の各種インスタント食品等の容器、即ちカップである。
図1および図2には、本発明の実施するための最良の形態が示される。図2に示されるように、容器は、好ましくは、紙製の紙カップ2であり、即席麺等の食品内容物(図示せず)を収納後、本発明のノンアルミ蓋1を被せて、好ましくは、紙カップ2等の容器とヒートシールして、密封するものである。そして、流通工程を経て、最終的に消費者に消費されるという長期保存可能な容器として使われるものである。
従って、蓋は、好ましくは、紙カップ2等の容器から容易に剥離可能であるとともに、容器に密封性をもっている。紙カップを構成する紙は、公知の種々の紙カップを構成する紙材質のいずれであってもよいが、好ましくは、秤量40〜200g/m2程度の純白ロール紙、片アート紙、コート紙等が好ましくは用いることができる。
このような易剥離性(イージーピール性)を必要とするためには、図1(a)、(b)に示されるように、紙層の下側には、シーラントとして、公知の押出により形成された樹脂層またはフィルムで形成されたイージーピール層15を有しているものである。
このようなイージーピール層15上には、紙層11が設けられる。紙層11としては、紙カップとして用いることのできる公知の紙材質から構成される。例えば、秤量40〜200g/m2程度の純白ロール紙、片アート紙、コート紙等が好ましくは用いることができる。この場合、用いる紙層11の材質としては、紙カップ2の材質と同一材質を用いることが好ましい。
また、紙層の上(容器の外側)には、必要に応じて、商品内容等を印刷した印刷表示層(図示せず)が設けられる。
また、前記紙層11が存在していない部分、即ちスリット部分18は、前記蓋1の径方向に亘って存在し、蓋1の全長Lに対し所定長だけ、タブ部分19から離間した位置L1において、全長に対して直角方向に、一端から他端に亘って幅方向に存在させて、蓋1の容器側に存在させる下地側の層を蓋1の外側に露出させることが好ましい。この距離L1は、全長Lに対して、1/4長以上の距離であることが好ましい。タブ部分から、めくった部分の自重による折れ曲がりが期待できないので、図1(b)に示されるように、紙層の存在しない領域、即ちスリット部分18を所定距離離れた位置に設けるのである。このように配置することによって、タブ部分19から、全長方向(開封方向)と垂直(直角)に開封(図1(b)矢印A方向)するに際して、スリット部分がヒンジ効果を発現し、デッドホールド性を備えることになり、蓋が良好に開封状態を保つことができる。この場合、タブ部分19からの離間距離L1は、全長Lの1/4〜8/10程度とすることが使用者の取り扱い上好適である。
このような場合、前述したように、イージーピール層15は、紙カップ本体2とヒートシール可能とする層であって、紙カップ2を開封する際に、紙カップから蓋1を破壊させることなく容易に剥離させるための層であって、このシーラントの材質としては、公知のシーラント材質のいずれもが使用可能である。この場合、本発明の製造方法の好ましい態様に好適なものは、押出加工シーラントであり、例えば、ポリプロピレ(PP)、ポリエチレン(PE)等に、ヒートシールでき、イージーピール性を示すプラスティックはいずれも使用可能であり、例えば、エチレン・メタアクリル酸共重合体(EMAA)樹脂系低融点樹脂等が好ましく使用できる。
一方、本発明の第1の態様に従い、好ましくは、このイージーピール層15と紙層の間に積層される樹脂層12の下、即ち、樹脂層12とイージーピール層15との間には、さらに中間層14設けられることが好ましい。この中間層14は、蓋材の破壊防止のために、必要に応じ、設けられるものであり、蓋材破壊防止の必要がない場合は、不要であるが、プラスティック全般であってよい。例えば、ポリエステル、特に、ポリエチレンテレフタレート等が使用可能である。
このような場合、本発明の第2の態様に従い、図3に示されるように、中間層14とイージーピール層15との間には、さらに、接着剤層13が、必要に応じ設けられていてもよい。この場合に、中間層14として、ポリエステルを用いる場合の接着剤層13としては、ポリエステルポリウレタン系2液硬化型接着剤が挙げられる。
なお、前述の図示例では、紙カップは、底部に向かって先細る円筒状の形状のものを示したが、その他、外形形状が四角形等の公知のカップ形状のいずれであってもよいことは、いうまでもない。
紙層11 秤量40〜200g/m2
イージーピール層15 PP、PEに対してヒートシールできるイージーピール性をもつプラスティックで厚み20〜200μm
樹脂層12 PE層を押出加工した層 厚み5〜50μm 密度0.90〜0.95g/cm3
中間層14 プラスティック全般。蓋材破壊防止のための層であって、蓋材破壊が無い場合は不要。
また、さらに好ましい第2の態様では、
紙層11 前記と同じ
イージーピール層15 前記と同じ
樹脂層12 前記と同じ
中間層14 PETフィルム 12μm
接着剤層13 ポリエステルポリウレタン系2液接着剤
先ず、図4(a)に示されるように、スリット機で原反ロールの紙をスリットして、給紙する。或いは、図4(b)に示されるように、予め所定幅に加工した原反ロールの紙を多軸給紙する。
上記の紙を、図4(c)に示されるように、スリット部分のスリット加工を行いながら給紙する。なお、図4(c)は、上記工程で所定幅に加工された一つの紙ロ−ルを示している。図4(c)は、この一つの紙ロールの幅方向に、2つの蓋材を加工する場合の例を示している。
そして、給紙された紙は、図4(d)に示されるように、中間層として用意されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム14と、中間層の一方の面に、押し出し加工された低密度ポリエチレン樹脂の樹脂層12を介して積層される。また、中間層の他方の面には接着剤層を介して、ヒートシール層15を形成する。
さらに、図4(e)に示されるように、所定の位置で抜き加工が行われる。これにより、紙層にスリット部分18を有し、層構成中に金属層を有しないノンアルミ蓋材1が製造される。なお、一般に、金属層を有する蓋材に用いられる金属層はアルミニウムであるため、その金属層(アルミニウム層)を有しない蓋材、と言う意味で、本発明では、ノンアルミ蓋、或いは、ノンアルミ蓋材という用語を用いている。
中間層としては、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績株式会社製;E2102、両面処理)を用意し、一方の面に、低密度ポリエチレン樹脂を厚さ15μmで、押し出し加工し、上記の紙を積層して、紙層とした。中間層の他方の面には、イージーピール層として、ポリエステルポリウレタン系2液硬化型の接着剤層を介して、厚さ20μmのポリエチレン弱接着樹脂層および厚さ25μmのエチレンーメタアクリル酸共重合体(EMAA)層を、この順に形成した。
さらに、所定の大きさで打ち抜き加工を行い、蓋材を製造した。図4(e)の左側の蓋材を例に、その大きさを説明すると、直径108mmのほぼ円状であり、図の右側に、さらに10mmのタブ部分を付加した形状である。従って、図4(e)の幅方向は、タブ部分を含めて118mmである。また、紙層のスリット部分は幅8mm、その左端から蓋材の左端までは40mm、スリット部分の右端から、タブ部分の先端までは70mmという位置に、スリット部分が存在するように打ち抜き加工を行った。
なお、容器としては、蓋とのシール面にポリエチレン層が形成された紙カップを用い、上記で得られた蓋材をシールし、使用時を想定して、開封した。
又、比較例として、紙層にスリット加工をせず、スリット部分を有しないノンアルミ蓋および一般的なアルミ蓋を用いた。
この結果は、下記の表のとおりである。開封後の蓋材が、開封時に手を離して安定した状態で、容器とシール面となす角度、そして、電子レンジ調理した際に、スパークが発生するか、さらには、開封しない状態で、金属探知機による容器内の異物検査が可能であったか、という3項目の評価を行った。
表
________________________________________
評価項目 紙層にスリット 紙層にスリット アルミ蓋
部分を有する 部分を有しない
ノンアルミ蓋 ノンアルミ蓋
________________________________________
開封後の状態 120° 25° 90°
(シール面から角度)
電子レンジ調理 問題無し 問題無し スパーク
金属探知機 検査可 検査可 検査不可
(上面)
_______________________________________
以上から、本発明の効果が明らかである。
11 紙層
15 イージーピール層
14 中間層
12 樹脂層
13 接着剤層
18 スリット部分
19 タブ部分
2 紙カップ
Claims (5)
- 端部に開封用のタブ部分を備える容器の密封用の蓋であり、少なくとも紙層、樹脂層、イージーピール層が、この順で積層され、金属層を有さず、かつ前記紙層にはスリット状に紙層が存在しないスリット部分を有することを特徴とするノンアルミ蓋。
- 前記紙層が存在していない部分としての前記スリット部分は、前記蓋を横断するように存在し、前記蓋の全長に対し1/4長以上前記タブ部分から離間した位置にある請求項1に記載のノンアルミ蓋。
- 前記スリット部分は、前記タブ部分の中心を通る直径方向と垂直な方向に形成されている請求項1または2に記載のノンアルミ蓋。
- 前記紙層と前記イージーピール層との間に、中間層が配置される請求項1〜3のいずれか1項に記載のノンアルミ蓋。
- 紙層を細い状態のロールとして、これを下地層上にラミネートして、その後、蓋形状に抜く請求項1〜4のいずれか1項に記載のノンアルミ蓋の製造方法。
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