以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1は、本実施例のパチンコ機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1の周囲には、打球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶(LCD)ディスプレイ3が設けられている。このLCDディスプレイ3の表示画面は横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
LCDディスプレイ3内の右下部には、表示用制御基板Dが不適正な制御用コマンドを受信した場合に、その状況に応じたエラーコード82を表示するためのエラー表示エリア3eが設けられている。このエラー表示エリア3eは、エラーの発生時(表示用制御基板Dが不適正な制御用コマンドを受信した時)に、そのエラーに応じたエラーコード82を表示するためのエリアであり、エラーの発生していない通常時には、このエラー表示エリア3eの部分をも使用して図柄の変動表示等が行われる。なお、エラーコード82及びエラーの詳細については後述する。
LCDディスプレイ3の下方には、図柄作動口(第1種始動口)4が設けられ、打球がこの図柄作動口4を通過することにより、前記したLCDディスプレイ3の変動表示が開始される。図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCDディスプレイ3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、打球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、打球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、打球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に打球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
図2は、かかるパチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機Pの主制御基板Cには、演算装置であるMPU11と、そのMPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM12と、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM13とが搭載されている。図9及び図10に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM12内に記憶されている。
RAM13は、送信バッファ13aと、コマンドカウンタ13bとを備えている。送信バッファ13aは、LCDディスプレイ3の変動表示の制御のために、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される制御用コマンドを記憶するためのバッファである。制御用コマンドは2バイトで構成されるので、この送信バッファ13aも2バイトで構成される。送信バッファ13aへセット(書き込み)された制御用コマンドは、タイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
図3は、LCDディスプレイ3の表示画面を9つの表示領域に分割した様子を示した図である。前記した通り、本実施例の変動表示は、横方向に3分割された3つの表示領域3a,3b,3cにおいて、それぞれ矢印A方向へ横方向にスクロールしながら行われる。この横方向に3分割された3つの表示領域3a,3b,3cを、縦方向に更に3分割して9つの表示領域3a1,・・・,3c3とし、その9つの表示領域3a1,・・・,3c3に対して、図3に示すように、それぞれ表示される「図柄1〜図柄9」の9つの図柄番号32aが付されている。
図2に示すコマンドカウンタ13bは、制御用コマンドの一種である停止図柄指定コマンド32(図5参照)が指定するLCDディスプレイ3の表示領域3a1〜3c3を示すためのカウンタであり、「1〜10」の範囲で「1」ずつ更新される。コマンドカウンタ13bの値が「1〜9」の範囲内にある場合には、そのコマンドカウンタ13bの値に対応する図柄番号32a(図5参照)の表示領域3a1〜3c3が指定される。また、コマンドカウンタ13bの値が「10」である場合には、いずれの表示領域も指定されない。
図2に示すように、これらMPU11、ROM12、RAM13は、バスライン14を介して互いに接続されており、バスライン14は、また、入出力ポート15にも接続されている。この入出力ポート15は表示用制御基板Dや他の入出力装置16と接続されている。主制御基板Cは、入出力ポート15を介して、表示用制御基板Dや他の入出力装置16へ各種コマンドを送り、それら各装置を制御する。なお、主制御基板Cと表示用制御基板Dとの接続は、入力および出力が固定的な2つのバッファ(インバータゲート)17,28を介して行われている。よって、主制御基板Cと表示用制御基板Dとの間における制御用コマンドの送受信は、主制御基板Cから表示用制御基板Dへの一方向にのみ行われ、表示用制御基板Dから主制御基板Cへ制御用コマンド等を送信することはできない。
表示用制御基板Dは、MPU21と、プログラムROM22と、ワークRAM23と、ビデオRAM24と、キャラクタROM25と、画像コントローラ26と、入力ポート29と、出力ポート27とを備えている。入力ポート29の入力にはインバータゲート28の出力が接続され、その入力ポート29の出力は、MPU21、プログラムROM22、ワークRAM23を接続するバスラインと接続されている。また、出力ポート27の入力には画像コントローラ26が接続され、その出力ポート27の出力にはLCDディスプレイ3が接続されている。
表示用制御基板DのMPU21は、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、LCDディスプレイ3の(変動)表示を制御するためのものであり、プログラムROM22には、このMPU21により実行される各種の制御プログラムが記憶されている。図11から図17に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてプログラムROM22内に記憶されている。
ワークRAM23は、MPU21による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグが記憶されるメモリであり、受信バッファ23aと、コマンド受信フラグ23bと、9つの停止図柄1〜9メモリ23c〜23kと、エラーコードメモリ23lと、エラーフラグ23mと、エラー表示タイマ23nとを備えている。
受信バッファ23aは、主制御基板Cから送信される制御用コマンドを受信するためのバッファである。制御用コマンドは2バイトで構成されるので、受信バッファ23aも同様に2バイトで構成される。コマンド受信フラグ23bは、新たな制御用コマンドが受信バッファ23aへ記憶された場合にオンされるフラグである。コマンド受信フラグ23bがオンされていると、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドが読み出され、その読み出された制御用コマンドに基づいて、LCDディスプレイ3の変動表示の制御が行われる。一旦オンされたコマンド受信フラグ23bは、受信バッファ23aから制御用コマンドを読み出す際にオフされる。
停止図柄1〜9メモリ23c〜23kは、制御用コマンドの一種である停止図柄指定コマンド32によって送信される停止図柄の図柄コード32b(図5参照)を記憶するためのメモリであり、LCDディスプレイ3の9つの表示領域3a1〜3c3(図3参照)に対応してそれぞれ1つ、合計9つの停止図柄1〜9メモリ23c〜23kが設けられている。なお、停止図柄1〜9メモリ23c〜23kの詳細については後述する。
エラーコードメモリ23lは、主制御基板Cから表示用制御基板Dへの制御用コマンドの送受信時に何らかのエラーが発生して、表示用制御基板Dが不適正な制御用コマンドを受信した場合に、そのエラーに応じたエラーコード82を記憶するためのメモリである。図8に示すように、エラーコード82は、「E01,E02,E10〜E12,E20〜E22,E31,E41」の10種類のコードが用意されている。エラーコードメモリ23lに記憶されたエラーコード82は、図17のエラー表示処理(S66)によって、LCDディスプレイ3のエラー表示エリア3eへ1秒間表示される。なお、複数のエラーが同時に発生した場合には、最初に検出されたエラーのエラーコード82がエラーコードメモリ23lに記憶される。
ここで、図8を参照して、エラーコード82について説明する。図8は、エラー区分81と、エラーコード82と、エラー内容83との対応関係を表した図である。エラーコード82は、「E」の英字と2桁の数字とにより構成されている。2桁の数字のうち上の桁の数字は、エラー区分81を示しており、下の桁の数字は、エラーの対象となった制御用コマンドの種類を示している。
エラー区分81は「0〜4」の5つに区分されている。エラー区分81の「0」はタイムエラー、「1」はコマンド順番エラー、「2」は範囲外コマンドエラー、「3」は停止図柄指定コマンド順番エラー、「4」は停止図柄指定コマンド組合せエラー、とされている。エラーの発生時には、このエラー区分81の番号がエラーコード82の上の桁の数字として標記される。
制御用コマンドの種類としては、変動パターン指定コマンド31と、停止図柄指定コマンド32と、図柄停止コマンド33との3種類があり、それぞれ変動パターン指定コマンド31は「0」、停止図柄指定コマンド32は「1」、図柄停止コマンド33は「2」として示される。よって、表示用制御基板Dで受信した変動パターン指定コマンド31が不適正であれば、「0」がエラーコード82の下の桁に標記される。また、停止図柄指定コマンド32が不適正であれば「1」が、図柄停止コマンド33が不適正であれば「2」が、それぞれエラーコード82の下の桁に標記される。
このようにエラーコード82には、「E」の英字に続いて、エラーの区分とエラーの原因となった制御用コマンドの種類を示す2桁の数字で標記されるので、そのエラーコード82によってエラーの発生状況等を認識することができるのである。
図2に示すエラーフラグ23mは、主制御基板Cから表示用制御基板Dへの制御用コマンドの送受信時に何らかのエラーが発生して、表示用制御基板Dが不適正な制御用コマンドを受信した場合に、オンされるフラグであり、図13から図16に示す各エラーチェック処理(S54,S58,S62,S65)によってオンされる。エラーフラグ23mがオンされた場合には、その際に受信した制御用コマンドは不適正なコマンドであるので、その制御用コマンドによる処理はスキップされる(不実行とされる)(図12のS55:Yes,S59:Yes,S63:Yes)。また、エラーフラグ23mがオンされた場合には、図17に示すエラー表示処理(S66)によって、エラーコードメモリ23lに記憶されるエラーコード82がLCDディスプレイ3のエラー表示エリア3eへ1秒間表示される。なお、エラーフラグ23mは、図12の変動表示処理を実行する毎に、エラー表示処理(S66)によってオフされる(S125)。
エラー表示タイマ23nは、LCDディスプレイ3のエラー表示エリア3eへ表示されるエラーコード82の表示時間を計時するためのタイマである。エラー表示タイマ23nには、図17に示すエラー表示処理(S66)において、1秒間に相当する値がセットされる(書き込まれる)(S124)。エラー表示タイマ23nへ書き込まれた値は、一定間隔で実行されるインターバル割込処理により、1カウントずつ「0」になるまで減算される。エラー表示タイマ23nの値が「0」になると、エラー表示エリア3eに表示されているエラー表示が消去される(S126)。なお、エラー表示タイマ23nの詳細については後述する。
ビデオRAM24は、LCDディスプレイ3に表示される表示データが記憶されるメモリであり、このビデオRAM24の内容を書き換えることにより、LCDディスプレイ3の表示内容が変更される。即ち、各表示領域3a1〜3c3における図柄の変動表示は、ビデオRAM24の内容が書き換えられることにより行われる。キャラクタROM25は、LCDディスプレイ3に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ26は、MPU21、ビデオRAM24、出力ポート27のそれぞれのタイミングを調整して、データの読み書きを介在するとともに、ビデオRAM24に記憶される表示データをキャラクタROM25を参照して所定のタイミングでLCDディスプレイ3に表示させるものである。
次に、図4から図7を参照して、変動表示の制御のために主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される制御用コマンドについて説明する。制御用コマンドは、変動パターン指定コマンド31と、停止図柄指定コマンド32と、図柄停止コマンド33との3種類のコマンドによって構成される。なお、制御用コマンドは2バイトで構成されるので、その1バイト目と2バイト目のコマンドコードを区別するために、1バイト目のコマンドコードは最上位ビットがセットされ、2バイト目のコマンドコードは最上位ビットがリセットされている。
図4は、変動パターン指定コマンド31のコマンドコードと、そのコマンド内容とを示した図である。変動パターン指定コマンド31は、変動表示を開始させると共に、変動表示の開始から終了までの一連の変動パターンを指定するためのコマンドである。1バイト目のコマンドコードは「C0H」または「C1H」とされており、合計56種類の変動パターンが用意されている。
なお、変動パターン指定コマンド31によって指定される変動表示の制御は、その変動パターン指定コマンド31を受信した表示用制御基板Dによって行われるので、表示用制御基板Dの制御プログラムの内容を変更することにより、同一コードの変動パターン指定コマンド31に対する変動表示の内容を変更することができる。即ち、主制御基板Cの制御プログラムを変更することなく、表示用制御基板Dの制御プログラムを変更するだけで、変動表示の内容を変更することができるのである。
図5(a)は、停止図柄指定コマンド32のコマンドコードと、そのコマンドコードによって指定される図柄番号32aとの対応関係を示した図である。前記した通り、各図柄番号32aには、図3に示す各表示領域3a1〜3c3がそれぞれ対応付けされている。また、図5(b)は、20種類の図柄コード32bと図柄名32cとの対応関係を示した図である。
停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31で指定された変動パターンの変動表示の終了時に、LCDディスプレイ3の各表示領域3a1〜3c3にそれぞれ停止表示される図柄を指定するためのコマンドである。停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31が送信され変動表示が開始された後に、LCDディスプレイ3の9つの表示領域3a1〜3c3のそれぞれに対して、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される。
この停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31と同様に2バイトで構成されている。停止図柄指定コマンド32の1バイト目には、図柄1〜9の表示領域3a1〜3c3を指定するコマンドコードがセットされる。図5(a)に示すように、停止図柄指定コマンド32の1バイト目のコマンドコードが「90H」であれば図柄1の表示領域3a1が、「A0H」であれば図柄2の表示領域3b1が、・・・、「B2H」であれば図柄9の表示領域3c3が、それぞれ指定される。停止図柄指定コマンド32の2バイト目には、1バイト目のコマンドコードで指定した図柄1〜9の表示領域3a1〜3c3に停止表示される図柄の図柄コード32bがセットされる。即ち、図5(b)に示すように、停止表示される図柄が「タコ」である場合には「10H」が、「ハリセンボン」である場合には「11H」が、・・・、「サメ(2)」である場合には「23H」が、それぞれ停止図柄指定コマンド32の2バイト目のコードとしてセットされる。
表示用制御基板Dは、停止図柄指定コマンド32を受信すると、実行中の変動パターンを考慮した上で、停止図柄指定コマンド32で指定された図柄コード32bの図柄で変動表示が終了するように、変動中の図柄を差し替える。この図柄の差し替えは、変動表示が高速変動されている場合に限って行われるので、遊技者に図柄の差し替えが行われたことを気づかれることがない。
図5(b)に示すように、各図柄にはすべて異なった図柄コード32bが付与されている。特に、図柄名32c「サメ(1)」と「サメ(2)」とは、LCDディスプレイ3に全く同じ図柄として表示されるが、図5(b)に示すように、両図柄には「13H」と「23H」との異なった図柄コード32bが付与されている。同様に、図柄名32c「貝(1)」〜「貝(10)」も、LCDディスプレイ3に全く同じ図柄として表示されるが、図5(b)に示すように、「19H」〜「22H」の異なった図柄コード32bが付与されている。
図6は、かかる上段・中段・下段の各段の仮想図柄リール41〜43の構成を模式的に示した図である。図6(a)には、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3aで変動表示される上段の仮想図柄リール41の構成が模式的に図示されている。図6(a)に示すように、上段の仮想図柄リール41には、18種類の図柄が「貝(9)」,「カニ」,「貝(8)」,・・・,「タコ」の順に配列されており、最終の「タコ」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「貝(9)」,「カニ」,「貝(8)」,・・・の各図柄が配列される。上段の仮想図柄リール41は、かかる図柄の配列順に、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3aで変動表示される。
同様に、図6(c)には、LCDディスプレイ3の下段の表示領域3cで変動表示される下段の仮想図柄リール43の構成が模式的に図示されている。図6(c)に示すように、下段の仮想図柄リール43には、上段の仮想図柄リール41の配列と全く逆の配列で、18種類の図柄が「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・,「貝(9)」の順に配列されている。最終の「貝(9)」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・の各図柄が配列される。下段の仮想図柄リール43は、かかる図柄の配列順に、LCDディスプレイ3の下段の表示領域3cで変動表示される。
図6(b)には、LCDディスプレイ3の中段の表示領域3bで変動表示される中段の仮想図柄リール42の構成が模式的に図示されている。図6(b)に示すように、中段の仮想図柄リール42には、下段の仮想図柄リール43の配列の最後尾に「サメ(2)」,「貝(10)」の2種類の図柄を加えた合計20種類の図柄が順に配列されている。上段および下段の仮想図柄リール41,43の場合と同様に、最終の「貝(10)」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・の各図柄が配列される。中段の仮想図柄リール42は、かかる図柄の配列順に、LCDディスプレイ3の中段の表示領域3bで変動表示される。
図7は、図柄停止コマンド33のコマンドコードと、そのコマンド内容とを示した図である。図柄停止コマンド33は、指定した図柄番号32aの表示領域3a1〜3c3で変動表示されている図柄を停止表示(確定)させるためのコマンドである。表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信すると、その図柄停止コマンド33によって指定される表示領域3a1〜3c3に停止図柄指定コマンド32によって既に指定されている停止図柄が停止表示され、その表示領域3a1〜3c3の図柄が確定する。即ち、図柄停止コマンド33で指定された表示領域3a1〜3c3の変動表示が終了する。図柄停止コマンド33によって、9つすべての表示領域3a1〜3c3の図柄が確定すると、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。
表示用制御基板Dは、変動パターン指定コマンド31と停止図柄指定コマンド32との内容を考慮しつつ、変動表示終了のタイミングで停止図柄指定コマンド32によって指定された図柄が該当する表示領域3a1〜3c3に表示されるように、変動表示の高速変動中に予め図柄の差し替えを行っている。しかも、主制御基板Cは、変動パターン指定コマンド31で指定した変動表示の変動パターンが終了するタイミングを見計らって、図柄停止コマンド33を表示用制御基板Dへ送信するように制御している。よって、図柄停止コマンド33による図柄の停止表示(確定)は、遊技者に違和感を与えることなく、スムースに行われる。
なお、主制御基板Cからの図柄停止コマンド33の送信タイミングが速まった結果、変動パターン指定コマンド31で指定した変動パターンの終了前であるにも拘わらず、表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信した場合には、表示用制御基板Dは、変動パターンの終了前であっても、既に停止図柄指定コマンド32で指定されている停止図柄を該当する表示領域3a1〜3c3の中央に停止表示し、その表示領域3a1〜3c3の図柄を確定する。
図柄停止コマンド33には、9つの表示領域3a1〜3c3の図柄を個別に確定させる9種類のコマンドと、9つの表示領域3a1〜3c3の図柄をすべて一度に確定させる1種類のコマンドと、上段・中段・下段の3段に分かれた3つの表示領域3a,3b,3cの図柄を各段毎に個別に確定させる3種類のコマンドとがあり、合計13種類のコマンドが用意されている。このうち、スクロールの単位となる上段・中段・下段の各段毎に、3つずつの図柄を一度に確定させる図柄停止コマンド33((1)「80H,0BH」,(2)「80H,0CH」,(3)「80H,0DH」)を用いれば、制御によってLCDディスプレイ3の表示上に表される仮想図柄リール41〜43のスクロールを、実際の図柄リールのスクロールと同じように行わせるができ、遊技者の興趣を一層向上させることができる。
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理を、図9から図17のフローチャートを参照して説明する。図9は、パチンコ機Pの主制御基板Cにおいて、4ms毎に実行されるリセット割込処理のフローチャートである。パチンコ機Pの主な制御は、このリセット割込処理によって実行される。
リセット割込処理では、まず、スタックポインタを設定し(S1)、RAM13の所定エリアに書き込まれているパターンのチェックを行う(S2)。チェックの結果、所定エリアに所定のパターンが書き込まれていれば、RAM13に異常はなく正常であるので(S2:正常)、処理をS3へ移行する。一方、S2のチェックの結果、所定エリアに所定のパターンが書き込まれていなければ、電源投入後最初に実行されたリセット割込処理であるか、或いは、RAM13に異常があるので(S2:異常)、この場合には処理をS21へ移行して、一旦、RAM13の内容をクリアした後、RAM13内へ初期値を書き込んで(S21)、次のリセット割込処理の発生を待機する。なお、このS21の処理でRAM13に書き込まれる初期値の中には、S2の処理でチェックされる所定のパターンが含まれている。
S3の処理ではタイマ割込の設定を行う(S3)。ここで設定されるタイマ割込としては、LCDディスプレイ3の変動表示を制御する制御用コマンドを表示用制御基板Dへ送信するためのストローブ信号を発生させるタイマ割込などがある。タイマ割込の設定後は、各割込を許可状態とする(S4)。割込の許可後は、特別図柄変動処理(S15)や、表示データ作成処理(S17)、ランプ・情報処理(S18)などにより、前回のリセット割込処理において更新された出力データを一度に各ポートへ出力するポート出力処理を実行する(S5)。
更に、大当たりを決定するための乱数カウンタの値を「+1」更新する乱数更新処理(S6)を実行し、記憶タイマ減算処理を実行する(S7)。記憶タイマ減算処理は、大当たり判定の保留球が所定数以上あり、且つ、LCDディスプレイ3において図柄の変動表示中である場合に、図柄の変動表示の時間短縮を行うものである。
スイッチ読込処理(S8)は、各スイッチの値を読み込んで、遊技領域1へ打ち込まれた打球の入賞口2や大入賞口5(Vゾーン5aを含む)への入賞、図柄作動口4の通過、更には賞球や貸球を検出するための処理である。カウント異常監視処理(S9)は、S8のスイッチ読込処理によって読み込まれたスイッチデータに異常があるか否かを監視するための処理である。例えば、大入賞口5が開放され、打球のVゾーン5aの通過を検出するVカウントスイッチで打球が検出されたにも拘わらず、Vゾーン5a以外の大入賞口5への入賞を検出する10カウントスイッチで1球の打球も検出できない場合には、10カウントスイッチが抜き取られるなどして、10カウントスイッチに何らかの異常が発生している。また、賞球を払い出すモータを駆動したにも拘わらず、1球の賞球も払い出されない場合には、賞球の払出装置に何らかの異常が発生している。このようにカウント異常監視処理(S9)では、スイッチ読込処理(S8)によって読み込まれたスイッチデータに基づいて、上記のような異常の有無を監視している。
図柄カウンタ更新処理(S10)では、LCDディスプレイ3で行われる変動表示の結果、停止表示される図柄を決定するためのカウンタの更新処理が行われる。また、図柄チェック処理(S11)では、図柄カウンタ更新処理(S10)で更新されたカウンタの値に基づいて、特別図柄変動処理(S15)で使用される大当たり図柄や、はずれ図柄、更にはリーチ図柄などが決定される。
S3からS11までの処理において、エラーが発生していなければ(S12:正常)、普通図柄変動処理(S13)によって、7セグメントLED(図示せず)の変動表示を行うと共に、その変動表示の結果、当たりが発生した場合には普通電動役物(図示せず)を所定時間開放する当たり処理を実行する。その後、状態フラグをチェックし(S14)、LCDディスプレイ3において図柄の変動開始または変動表示中であれば(S14:図柄変動中)、特別図柄変動処理(S15)によって、打球が図柄作動口4を通過するタイミングで読み取った乱数カウンタの値に基づいて、大当たりか否かの判定が行われると共に、LCDディスプレイ3において図柄の変動処理を実行する。一方、状態フラグをチェックした結果、大当たり中であれば(S14:大当り中)、大入賞口5を開放するなどの大当たり処理(S16)を実行する。更に、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動中でも大当たり中でもなければ(S14:その他)、S15及びS16の処理をスキップして、S17の表示データ作成処理へ移行する。なお、S12の処理において、エラーが確認された場合には(S12:エラー)、S13〜S16の各処理をスキップして、S17の表示データ作成処理へ移行する。
表示データ作成処理(S17)では、図柄の変動表示以外にLCDディスプレイ3に表示されるデモデータや、7セグメントLEDの表示データなどが作成され、ランプ・情報処理(S18)では、保留球のランプデータをはじめ、各種のランプデータが作成される。効果音処理(S19)では、遊技の状況に応じた効果音データが作成される。なお、これらの表示データおよび効果音データは、前記したポート出力処理(S5)やタイマ割込処理によって各装置へ出力される。
効果音処理(S19)の終了後は、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間の間、S10と同一の処理である図柄カウンタ更新処理(S20)が繰り返し実行される。S1〜S19の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するので、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用して図柄カウンタ更新処理(S20)を繰り返し実行することにより、停止図柄をランダムに変更することができる。
図10は、図9におけるリセット割込処理の特別図柄変動処理(S15)内で実行されるコマンド設定処理を示したフローチャートである。このコマンド設定処理は、LCDディスプレイ3の変動表示を制御する制御用コマンドである変動パターン指定コマンド31、停止図柄指定コマンド32、図柄停止コマンド33を、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信するために、各コマンド31〜33を送信バッファ13aへ書き込む(セットする)ための処理である。
コマンド設定処理では、まず、変動表示の状態が状態フラグによってチェックされる(S31)。チェックの結果、変動表示の開始であれば(S31:変動開始)、変動パターン指定コマンド31を送信バッファ13aへ書き込み(S32)、コマンドカウンタ13bの値を「1」として(S33)、この処理を終了する。送信バッファ13aへ書き込まれた変動パターン指定コマンド31は、前記した通り、S3の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
S31の処理において、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動表示中であれば(S31:変動表示中)、コマンドカウンタ13bの値が「9」以下であるか否かを調べる(S34)。コマンドカウンタ13bの値が「9」以下であれば(S34:Yes)、そのコマンドカウンタ13bの値に対応する停止図柄指定コマンド32の1バイト目を送信バッファ13aの上位バイトへ書き込む(S35)。図5(a)に示す対応関係に基づいて、例えば、コマンドカウンタ13bの値が「1」であれば「90H」が、コマンドカウンタ13bの値が「2」であれば「A0H」が、・・・、コマンドカウンタ13bの値が「9」であれば「B2H」が、それぞれ送信バッファ13aの上位バイトへ書き込まれる。
更に、コマンドカウンタ13bの値に対応する停止図柄の図柄コード32bを送信バッファ13aの下位バイトへ書き込む(S36)。例えば、コマンドカウンタ13bの値が「1」であれば図柄1(3a1)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、コマンドカウンタ13bの値が「2」であれば図柄2(3b1)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、・・・、コマンドカウンタ13bの値が「9」であれば図柄9(3c3)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、それぞれ図5(b)に示す対応関係に基づいて、送信バッファ13aの下位バイトへ書き込まれる。ここで、停止図柄として「タコ」の図柄が指定される場合には「10H」の図柄コード32bが、「ハリセンボン」の図柄が指定される場合には「11H」の図柄コード32bが、・・・、「サメ(2)」の図柄が指定される場合には「23H」の図柄コード32bが、それぞれ指定される。
S35およびS36の処理によって、2バイトの停止図柄指定コマンド32を送信バッファ13aへ書き込んだ後は、コマンドカウンタ13bの値を「1」加算して(S37)、この処理を終了する。なお、送信バッファ13aへ書き込まれた停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31の場合と同様に、S3の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
一方、コマンドカウンタ13bの値が「10」以上であれば(S34:No)、9つ全ての表示領域3a1〜3c3について停止図柄指定コマンド32を送信したということである。よって、かかる場合には、S35からS37の各処理をスキップして、この処理を終了する。
S31の処理において、状態フラグをチェックした結果、変動表示の終了のタイミングであれば(S31:変動表示終了)、9つの表示領域3a1〜3c3の全図柄を一度に停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33(80H,0AH)を送信バッファ13aへ書き込み(S38)、この処理を終了する。送信バッファ13aへ書き込まれた図柄停止コマンド33は、変動パターン指定コマンド31の場合と同様に、S3の処理で設定されるタイマ割込処理により、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dへ送信されることにより、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。
なお、図柄停止コマンド33による図柄の停止表示(確定)は、必ずしも、9つすべての図柄を一度に確定させる必要はなく、例えば、9つの図柄をそれぞれ別々に確定させたり、或いは、スクロールが行われる単位、即ち、上段の図柄、中段の図柄、下段の図柄の各単位毎に図柄を確定させるようにしても良い。前者の場合には、図7に示すように「80H,01H」〜「80H,09H」の図柄停止コマンド33が使用され、後者の場合には「80H,0BH」〜「80H,0DH」の図柄停止コマンド33が使用される。
図11は、表示用制御基板Dの受信割込処理で実行されるコマンド受信処理のフローチャートである。このコマンド受信処理は、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ制御用コマンドが送信されると実行される。まず、主制御基板Cから送信され表示用制御基板Dで受信した制御用コマンドを受信バッファ23aへ書き込み(S41)、更に、コマンド受信フラグ23bをオンして(S42)、新たな制御用コマンドが受信バッファ23aに記憶されていることを示して、この処理を終了する。
図12は、表示用制御基板Dのメイン処理の中で実行される変動表示処理のフローチャートである。変動表示処理では、主制御基板Cから受信した制御用コマンドに基づいて、変動表示の制御が行われる。
まず、コマンド受信フラグ23bがオンされているか否かを確認する(S51)。コマンド受信フラグ23bがオンされていれば(S51:Yes)、これをオフした後に(S52)、受信バッファ23aの上位バイトに記憶されているデータにより制御用コマンドの種類を確認する(S53)。
受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「C0H」または「C1H」であれば、その制御用コマンドは変動パターン指定コマンド31である。よって、かかる場合には(S53:変動パターン指定コマンド)、変動パターン指定コマンドエラーチェック処理(S54)を実行して、受信した変動パターン指定コマンド31が適正なコマンドであるか否かを判断する。
判断の結果、受信した変動パターン指定コマンド31が適正なコマンドであれば、エラーフラグ23mはオフのままである。よって、その場合には(S55:No)、全ての停止図柄1〜9メモリ23c〜23kの内容を0クリアした後で(S56)、変動パターン指定コマンド31に応じた変動表示をLCDディスプレイ3上で開始する(S57)。
一方、受信した変動パターン指定コマンド31が適正なコマンドでなければ、変動パターン指定コマンドエラーチェック処理(S54)により、エラーフラグ23mがオンされる。よって、その場合には(S55:Yes)、不適正な変動パターン指定コマンド31による変動表示の制御を避けるために、S56及びS57の各処理をスキップする。なお、変動パターン指定コマンドエラーチェック処理(S54)の詳細については、図13を参照して後述する。
S53の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「90H〜92H」,「A0H〜A2H」または「B0H〜B2H」のいずれかであれば、その制御用コマンドは停止図柄指定コマンド32である。よって、かかる場合には(S53:停止図柄指定コマンド)、停止図柄指定コマンドエラーチェック処理(S58)を実行して、受信した停止図柄指定コマンド32が適正なコマンドであるか否かを判断する。
判断の結果、受信した停止図柄指定コマンド32が適正なコマンドであれば、エラーフラグ23mはオフのままである。よって、その場合には(S59:No)、まず、停止図柄指定コマンド32の2バイト目のコマンドである図柄コード32bを対応する停止図柄1〜9メモリ23c〜23kへ書き込む(S60)。図5(a)(b)に示すように、例えば、受信バッファ23aに記憶される停止図柄指定コマンド32が「90H,14H」であれば、「90H」に対応する停止図柄1メモリ23cに、「14H(エビの図柄)」の図柄コード32bが書き込まれる。また、受信バッファ23aに記憶される停止図柄指定コマンド32が「B2H,21H」であれば、「B2H」に対応する停止図柄9メモリ23kに、「21H(貝の図柄)」の図柄コード32bが書き込まれる。
その後は、LCDディスプレイ3上で高速に変動されている変動中の図柄を、変動パターンとその変動パターンの進行状況とを考慮して、停止図柄1〜9メモリ23c〜23kに記憶される図柄コード32bの図柄で変動表示が終了するように、変動中の図柄の差し替えを行う(S61)。例えば、停止図柄1メモリ23cに「14H」が記憶されている場合には、図柄1の表示領域3a1の変動表示が「14H」の図柄コード32bである「エビ」の図柄で終了するように、図柄の差し替えが行われる。また、停止図柄9メモリ23kに「21H」が記憶されている場合には、図柄9の表示領域3c3の変動表示が「21H」の図柄コード32bである「貝」の図柄で終了するように、図柄の差し替えが行われる。
一方、受信した停止図柄指定コマンド32が適正なコマンドでなければ、停止図柄指定コマンドエラーチェック処理(S58)により、エラーフラグ23mがオンされる。よって、その場合には(S59:Yes)、不適正な停止図柄指定コマンド32による変動表示の制御を避けるために、S60及びS61の各処理をスキップする。なお、停止図柄指定コマンドエラーチェック処理(S58)の詳細については、図14を参照して後述する。
S53の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「80H」であれば、その制御用コマンドは図柄停止コマンド33である。よって、かかる場合には(S53:図柄停止コマンド)、図柄停止コマンドエラーチェック処理(S62)を実行して、受信した図柄停止コマンド33が適正なコマンドであるか否かを判断する。
判断の結果、受信した図柄停止コマンド33が適正なコマンドであれば、エラーフラグ23mはオフのままである。よって、その場合には(S63:No)、図柄停止コマンド33で指定された図柄番号32aの表示領域3a1〜3c3の図柄を確定し(S64)、その表示領域3a1〜3c3へ該当する図柄を停止表示する。例えば、「80H,0AH」の図柄停止コマンド33が受信バッファ23aに記憶されていれば、9つすべての表示領域3a1〜3c3の図柄を一度に停止表示して確定する。また、「80H,0CH」の図柄停止コマンド33が受信バッファ23aに記憶されていれば、中段の表示領域3bに表示される3つの図柄2,5,8を一度に停止表示して確定する。なお、変動表示の終了タイミングの到来前であっても、図柄停止コマンド33を受信した場合には、その図柄停止コマンド33により指示された表示領域3a1〜3c3の変動表示を即座に停止(確定)する。よって、図柄停止コマンド33を受信するタイミングで、変動表示を実際に終了させることができる。
一方、受信した図柄停止コマンド33が適正なコマンドでなければ、図柄停止コマンドエラーチェック処理(S62)により、エラーフラグ23mがオンされる。よって、その場合には(S63:Yes)、不適正な図柄停止コマンド33による変動表示の制御を避けるために、S64の処理をスキップする。なお、図柄停止コマンドエラーチェック処理(S62)の詳細については、図15を参照して後述する。
S51の処理においてコマンド受信フラグ23bがオフされていれば(S51:No)、タイムエラーチェック処理(S65)を実行し、タイムエラー(図8参照)が発生しているか否かを判断する。S55:Yes,S57,S59:Yes,S61,S63:Yes,S64,S65の各処理の実行後は、エラー表示処理(S66)、および、変動表示の制御のための他の各処理(S67)を実行して、この変動表示処理を終了する。なお、タイムエラーチェック処理(S65)の詳細については図16を参照して、エラー表示処理(S66)の詳細については図17を参照して、それぞれ後述する。
図13は、変動パターン指定コマンドエラーチェック処理(S54)のフローチャートである。この変動パターン指定コマンドエラーチェック処理は、受信した変動パターン指定コマンド31が適正なコマンドであるか否かを判断するための処理であり、変動パターン指定コマンド31の受信時に、変動表示処理の中で実行される。
まず、前回受信した制御用コマンドも変動パターン指定コマンド31であるか否か、即ち、変動パターン指定コマンド31を連続して受信したか否かを判断する(S71)。連続して受信していれば(S71:Yes)、変動パターン指定コマンド31のコマンド順番エラーに対応する「E10」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S72)、エラーフラグ23mをオンして(S77)、この処理を終了する。
変動パターン指定コマンド31を連続して受信していなければ(S71:No)、停止図柄指定コマンド32を1つでも受信しているか否か、即ち、停止図柄指定コマンド32の受信後に変動パターン指定コマンド31を受信したか否かを判断する(S73)。停止図柄指定コマンド32の受信後に変動パターン指定コマンド31を受信したのであれば(S73:Yes)、変動パターン指定コマンド31のコマンド順番エラーに対応する「E10」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S74)、エラーフラグ23mをオンして(S77)、この処理を終了する。
停止図柄指定コマンド32の受信後に変動パターン指定コマンド31を受信したのでなければ(S73:No)、今回受信した変動パターン指定コマンド31の2バイト目の値が、予め定められた範囲外の値であるか否かを判断する(S75)。即ち、変動パターン指定コマンド31の2バイト目の値が、図4に示す「10H〜2BH」以外の値であれば、その2バイト目の値は予め定められた範囲外の値である。よって、その場合には(S75:Yes)、変動パターン指定コマンド31の範囲外コマンドエラーに対応する「E20」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S76)、エラーフラグ23mをオンして(S77)、この処理を終了する。
一方、変動パターン指定コマンド31の2バイト目の値が「10H〜2BH(図4参照)」の値であれば、その2バイト目の値は予め定められた範囲内の値である。よって、かかる場合には(S71:No,S73:No,S75:No)、変動パターン指定コマンド31は適正なコマンドであり、エラーは発生していないので、エラーフラグ23mをオンすることなく、この処理を終了する。
図14は、停止図柄指定コマンドエラーチェック処理(S58)のフローチャートである。この停止図柄指定コマンドエラーチェック処理は、受信した停止図柄指定コマンド32が適正なコマンドであるか否かを判断するための処理であり、停止図柄指定コマンド32の受信時に、変動表示処理の中で実行される。
まず、同じ図柄番号32aを指定する停止図柄指定コマンド32を連続して受信したか否かを判断する(S81)。連続して受信していれば(S81:Yes)、停止図柄指定コマンド32のコマンド順番エラーに対応する「E11」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S82)、エラーフラグ23mをオンして(S91)、この処理を終了する。
同じ図柄番号32aを指定する停止図柄指定コマンド32を連続して受信していなければ(S81:No)、図柄停止コマンド33を1つでも受信した後に停止図柄指定コマンド32を受信したか否かを判断する(S83)。図柄停止コマンド33の受信後に停止図柄指定コマンド32を受信したのであれば(S83:Yes)、停止図柄指定コマンド32のコマンド順番エラーに対応する「E11」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S84)、エラーフラグ23mをオンして(S91)、この処理を終了する。
図柄停止コマンド33の受信後に停止図柄指定コマンド32を受信したのでなければ(S83:No)、今回受信した停止図柄指定コマンド32の2バイト目の値が、予め定められた範囲外の値であるか否かを判断する(S85)。即ち、上段の図柄1,4,7および下段の図柄3,6,9を指定する停止図柄指定コマンド32である場合、その停止図柄指定コマンド32の2バイト目の値が、図6(a)(c)に示すように「10H〜21H」以外の値であれば、その2バイト目の値は予め定められた範囲外の値である。また、中段の図柄2,5,8を指定する停止図柄指定コマンド32である場合、その停止図柄指定コマンド32の2バイト目の値が、図6(b)に示すように「10H〜23H」以外の値であれば、その2バイト目の値は予め定められた範囲外の値である。よって、かかる場合には(S85:Yes)、停止図柄指定コマンド32の範囲外コマンドエラーに対応する「E21」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S86)、エラーフラグ23mをオンして(S91)、この処理を終了する。
停止図柄指定コマンド32の2バイト目の値が予め定められた範囲内の値であれば(S85:No)、今回受信した停止図柄指定コマンド32が指定する図柄番号32aが、前回受信した停止図柄指定コマンド32が指定する図柄番号32aより小さいか否かを判断する(S87)。前回より小さい図柄番号32aを指定する停止図柄指定コマンド32を受信していれば(S87:Yes)、停止図柄指定コマンド順番エラーに対応する「E31」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S88)、エラーフラグ23mをオンして(S91)、この処理を終了する。
今回受信した停止図柄指定コマンド32が、前回受信した停止図柄指定コマンド32が指定する図柄番号32aより大きい図柄番号32aを指定する場合には(S87:No)、今回受信した停止図柄指定コマンド32により指定される図柄と、既に受信している停止図柄指定コマンド32により指定される図柄との組み合わせが、該当する仮想図柄リール41〜43の配列と異なっているか否かを判断する(S89)。上段の図柄1,4,7を指定する停止図柄指定コマンド32であれば図6(a)に示す仮想図柄リール41の配列に基づいて、中段の図柄2,5,8を指定する停止図柄指定コマンド32であれば図6(b)に示す仮想図柄リール42の配列に基づいて、下段の図柄3,6,9を指定する停止図柄指定コマンド32であれば図6(c)に示す仮想図柄リール43の配列に基づいて、それぞれ判断される。かかる図柄の組み合わせが仮想図柄リール41〜43の配列と異なっていれば(S89:Yes)、停止図柄指定コマンド組合せエラーに対応する「E41」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S90)、エラーフラグ23mをオンして(S91)、この処理を終了する。
一方、停止図柄指定コマンド32の組み合わせが仮想図柄リール41〜43の配列と異なっていなければ(S81:No,S83:No,S85:No,S87:No,S89:No)、今回受信した停止図柄指定コマンド32は適正なコマンドであり、エラーは発生していない。よって、エラーフラグ23mをオンすることなく、この処理を終了する。
図15は、図柄停止コマンドエラーチェック処理(S62)のフローチャートである。この図柄停止コマンドエラーチェック処理は、受信した図柄停止コマンド33が適正なコマンドであるか否か、および、停止図柄指定コマンド32が適正に受信されているか否かを判断するための処理であり、図柄停止コマンド33の受信時に、変動表示処理の中で実行される。
まず、今回受信した図柄停止コマンド33が、既に停止している図柄に対するコマンドであるか否かを判断する(S101)。既に停止している図柄に対する図柄停止コマンド33であれば(S101:Yes)、図柄停止コマンド33のコマンド順番エラーに対応する「E12」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S102)、エラーフラグ23mをオンして(S109)、この処理を終了する。
今回受信した図柄停止コマンド33が既に停止している図柄に対するコマンドでなければ(S101:No)、図柄停止コマンド33の2バイト目の値が、予め定められた範囲外の値であるか否かを判断する(S103)。即ち、図柄停止コマンド33の2バイト目の値が、図7に示す「01H〜0DH」以外の値であれば、その2バイト目の値は予め定められた範囲外の値である。よって、その場合には(S103:Yes)、図柄停止コマンド33の範囲外コマンドエラーに対応する「E22」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S104)、エラーフラグ23mをオンして(S109)、この処理を終了する。
図柄停止コマンド33の2バイト目の値が予め定められた範囲内の値であれば(S103:No)、図柄1(3a1)〜図柄9(3c3)の停止図柄を指定する9つの停止図柄指定コマンド32をすべて受信しているか否かを判断する(S105)。9つの停止図柄指定コマンド32のうち、受信していない停止図柄指定コマンド32が1つでもあれば(S105:Yes)、停止図柄指定コマンド順番エラーに対応する「E31」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S106)、エラーフラグ23mをオンして(S109)、この処理を終了する。
9つすべての停止図柄指定コマンド32を受信していれば(S105:No)、今回受信した図柄停止コマンド33が指定する図柄の変動表示の終了タイミングの到来前70ms以前であるか否かを判断する(S107)。終了タイミングの到来前70ms以前であれば(S107:Yes)、図柄停止コマンド33のタイムエラーに対応する「E02」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S108)、エラーフラグ23mをオンして(S109)、この処理を終了する。
一方、図柄停止コマンド33が指定する図柄の変動表示の終了タイミングの到来前70ms以前でなければ(S101:No,S103:No,S105:No,S107:No)、今回受信した図柄停止コマンド33は適正なコマンドであり、エラーは発生していない。よって、エラーフラグ23mをオンすることなく、この処理を終了する。
図16は、タイムエラーチェック処理(S65)のフローチャートである。このタイムエラーチェック処理は、停止図柄指定コマンド31および図柄停止コマンド33が所定の期間内に受信できているか否かを判断するための処理であり、制御用コマンドの非受信時に、変動表示処理の中で実行される。
まず、変動パターン指定コマンド31の受信から70ms以内に、停止図柄指定コマンド32を受信できているか否かを判断し(S111)、70ms以内に1つの停止図柄指定コマンド32も受信できていなければ(S111:Yes)、停止図柄指定コマンド32のタイムエラーに対応する「E01」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S112)、エラーフラグ23mをオンして(S117)、この処理を終了する。
変動パターン指定コマンド31の受信から70ms以内に、少なくとも1の停止図柄指定コマンド32を受信できていれば(S111:No)、停止図柄指定コマンド32のうち、最初に受信される図柄1(3a1)の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンド32を受信してから70ms以内に、残り8つの図柄2(3b1)〜図柄9(3c3)の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンド32を受信できているか否かを判断する(S113)。70ms以内に、残り8つの停止図柄指定コマンド32をすべて受信できていなければ(S113:Yes)、停止図柄指定コマンド32のタイムエラーに対応する「E01」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S114)、エラーフラグ23mをオンして(S117)、この処理を終了する。
図柄1(3a1)の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンド32を受信してから70ms以内に、残り8つすべての停止図柄指定コマンド32を受信できていれば(S113:No)、図柄の変動表示の終了タイミングの到来後70msが経過する前に、その図柄に対する図柄停止コマンド33を受信できているか否かを判断する(S115)。終了タイミングの到来後70msが経過しても、その図柄に対する図柄停止コマンド33を受信できなければ(S115:Yes)、図柄停止コマンド33のタイムエラーに対応する「E02」のエラーコード82をエラーコードメモリ23lへ書き込み(S116)、エラーフラグ23mをオンして(S117)、この処理を終了する。
一方、図柄の変動表示の終了タイミングの到来後70msが経過する前に、その図柄に対する図柄停止コマンド33を受信できていれば(S111:No,S113:No,S115:No)、今回のチェックでは、停止図柄指定コマンド32および図柄停止コマンド33のタイムエラーは発生していない。よって、かかる場合にはエラーフラグ23mをオンすることなく、この処理を終了する。
図17は、エラー表示処理(S66)のフローチャートである。エラー表示処理は、エラーの発生時(エラーフラグ23mのオン時)に、エラーコードメモリ23lに記憶されるエラーコード82を、LCDディスプレイ3のエラー表示エリア3eへ表示するための処理である。
エラー表示処理では、まず、エラーの表示時間を管理するエラー表示タイマ23nの値が「0」であるか否かを調べる(S121)。エラー表示タイマ23nの値が「0」でなければ(S121:No)、前に発生したエラー表示の最中であるので、S122〜S124およびS126の各処理をスキップして、S125へ処理を移行し、エラーフラグ23mをオフして(S125)、この処理を終了する。
S121の処理において、エラー表示タイマ23nの値が「0」であれば(S121:Yes)、エラー表示の時間は既に経過しているので、その場合にはエラーフラグ23mがオンされているか否かを判断する(S122)。エラーフラグ23mがオンされていれば(S122:Yes)、新たなエラーが発生しているので、そのエラーのエラーコード82を記憶するエラーコードメモリ23lの内容をLCDディスプレイ3のエラー表示エリア3eへ表示する(S123)。このエラー表示は、その時に行われているLCDディスプレイ3の表示に重ねて行われるので、変動表示などの最中であっても、エラー表示によってその変動表示を妨げることがない。
エラー表示の後は、エラー表示タイマ23nへエラーの表示時間である1秒分のカウント値をセットし(S124)、エラーフラグ23mをオフして(S125)、この処理を終了する。エラー表示タイマ23nへセットされたカウント値は、表示用制御基板DのMPU21により定期的に実行されるインターバル割込によって、1カウントずつ「0」になるまで減算される。なお、減算の結果、エラー表示タイマ23nの値が「0」となった後は、インターバル割込におけるエラー表示タイマ23nの減算はスキップされ、エラー表示タイマ23nは「0」の値を維持する。
エラー表示タイマ23nの値が「0」で(S121:Yes)、エラーフラグ23mがオフされていれば(S122:No)、エラーの表示時間は既に経過しており、且つ、新たなエラーも発生していないので、この場合にはLCDディスプレイ3のエラー表示を消去し(S126)、エラーフラグ23mをオフして(S125)、この処理を終了する。
このように、主制御基板Cから表示用制御基板Dへの制御用コマンドの送受信時に何らかのエラーが発生して、不適切な制御用コマンドが表示用制御基板Dで受信されると、発生したエラーの状況に応じたエラーコード82がLCDディスプレイ3に表示される。制御用コマンドは変動表示を制御するコマンドであるので、かかる場合には変動表示の制御に支障を来してしまう。しかし、エラーコード82を表示することにより、そのエラーの発生を遊技者に報せることができるので、変動表示の制御に支障を来しても遊技者を不用意に混乱させてしまうことがない。また、表示されるエラーコード82によってエラー区分81とそのエラーの原因となった制御用コマンドの種類とを確認することができるので、そのエラー表示により発生したエラー内容をも確認することができる。エラーコード82を確認した遊技者が、そのエラーコード82をパチンコホールの店員に報せれば、適切な対応が可能となる。
次に、図18及び図19のタイミングチャートを参照して、上述の説明に基づく変動表示のタイミングについて説明する。まず、図18を参照して、9つ全ての図柄を一度に停止表示(確定)させる場合のタイミングについて説明する。主制御基板Cから表示用制御基板Dへ変動パターン指定コマンド31が送信されると、図柄1(3a1)〜図柄9(3c3)の全ての図柄について変動表示が開始される。この変動パターン指定コマンド31に続いて、高速変動の最中に、停止図柄指定コマンド32が9つの表示領域3a1〜3c3に対して順に送信される。停止図柄指定コマンド32が表示用制御基板Dによって受信されると、その停止図柄指定コマンド32により指定される停止図柄に合わせて、高速変動中に図柄の差し替えが行われる。
その後、変動パターン指定コマンド31で指定された変動パターンで、表示用制御基板Dによって変動表示が継続され、変動表示の終了タイミングで、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ、9つの全図柄を一度に停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33(80H,0AH(図7参照))が送信される。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dにより受信されると、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。変動表示の終了後は、所定時間の経過により、各表示領域3a1〜3c3に停止表示されている停止図柄指定コマンド32で指定した停止図柄の表示が別の表示に切り替えられる。
なお、変動表示の終了タイミングが到来する前に、表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信した場合には、変動パターン指定コマンド31で指定された変動表示の終了タイミングが到来していなくても、停止図柄指定コマンド32により指定された停止図柄を、指定された表示領域3a1〜3c3へ、即座に、停止表示する。かかる制御により、図柄停止コマンド33の送信(受信)タイミングに合わせて、変動表示を終了させることができるのである。
次に、図19のタイミングチャートを参照して、上段、下段、中段の順に、9つの図柄を3図柄ずつ停止表示(確定)させる場合のタイミングについて説明する。停止図柄指定コマンド32の送信までは、図18のタイミングと同様に行われ、高速変動中に図柄の差し替えが行われる。
変動表示終了のタイミングで、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ、まず、上段の表示領域3aに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信される(80H,0BH(図7参照))。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dにより受信されると、上段の図柄1,4,7が停止表示(確定)する(図3参照)。次に、下段の表示領域3cに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0DH(図7参照))、下段の図柄3,6,9が停止表示(確定)する(図3参照)。更に、中段の表示領域3bに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0CH(図7参照))、中段の図柄2,5,8が確定する(図3参照)。以上3つの図柄停止コマンド33により、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。
このように図柄のスクロール方向に合わせて、上段、下段、中段の順に図柄を停止表示(確定)させることにより、制御によって表示上に表される仮想図柄リール41〜43を、実際の図柄リールのように表現することができる。なお、図柄のスクロール方向が縦方向の場合には、図柄の停止表示(確定)は、例えば、左、右、中の順に行われる。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機Pによれば、変動パターン指定コマンド31によって一連の変動パターンを一度に指定することができるので、変動表示の状態が変化する各ポイント毎に主制御基板Cから制御用コマンドを送信する必要がない。よって、主制御基板Cによる変動表示の制御負担を軽減することができると共に、変動表示の制御のために主制御基板Cに搭載されるプログラム容量やデータ容量を減少させて、主制御基板Cのプログラム開発を容易にすることができる。
また、表示用制御基板D側で、変動パターン指定コマンド31に対応する変動表示の制御を変更すれば、主制御基板Cのプログラムをそのままにして変動パターンを変更することができる。よって、主制御基板Cを共通化しつつ、単に表示用制御基板Dを取り替えるだけで、LCDディスプレイ3上に異なった変動表示を行わせることができる。
上記実施例において、請求項1記載のコマンドチェック手段としては、図13に示す変動パターン指定コマンドエラーチェック処理(S54)、図14に示す停止図柄指定コマンドエラーチェック処理(S58)、図15に示す図柄停止コマンドエラーチェック処理(S62)、図16に示すタイムエラーチェック処理(S65)がそれぞれ該当する。また、エラー表示手段としては、図17に示すエラー表示処理(S66)が該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例では、本発明の制御用コマンドを主制御基板Cから変動表示の制御を行う表示用制御基板Dへ直接送信した。しかし、これに代えて、主制御基板Cから一旦、表示用制御基板D以外の他のサブ基板へ制御用コマンドを送信し、そのサブ基板から表示用制御基板Dへ制御用コマンドを送信して変動表示を制御したり、或いは、そのサブ基板によって制御用コマンドを変動表示が変化するポイント毎に詳細に展開し、その展開されたコマンドをサブ基板から表示用制御基板Dへ送信して、変動表示を制御するようにしても良い。なお、後者の構成にすれば、主制御基板Cおよび表示用制御基板Dでの変動表示の制御負担を軽減することができる。後者のように構成する場合には、表示用制御基板Dおよびサブ基板の全体が請求項1記載の表示用制御基板に該当する。
また、本発明の制御用コマンドは、LCDディスプレイ3の変動表示の制御のために用いられたが、かかる制御用コマンド又はそのコマンド体系を用いて、効果音を発する効果音基板や、各種のランプを点滅させるランプ基板を制御するようにしても良い。
エラー表示は、エラーコード82をLCDディスプレイ3のエラー表示エリア3eに表示することにより行われたが、かかるエラーコード82の表示に代えて、単にエラーのみを表示するようにしても良い。また、エラー表示は、必ずしもLCDディスプレイ3にする必要はなく、他の装置を用いてエラー表示を行うようにしても良い。例えば、パチンコ機Pに設けられたLEDを高速点滅させる等してエラー表示を行ったり、パチンコ機Pを管理する島管理装置やパチンコホールの中央管理装置へエラー表示のデータを送信して、その各管理装置によりエラー表示を行うようにしても良い。中央管理装置でエラー表示を行えば、ホールの係員にエラーの発生状況を的確に報せることができる。更に、エラー表示は1秒間経過した後に消去されたが、1秒以外の時間経過後に消去したり、所定の操作が行われた場合に消去するようにしても良い。所定の操作によりエラー表示を消去する構成を採用すれば、エラー表示の確認を確実に行うことができる。
図13に示す変動パターン指定コマンドエラーチェック処理(S54)、図14に示す停止図柄指定コマンドエラーチェック処理(S58)、図15に示す図柄停止コマンドエラーチェック処理(S62)、図16に示すタイムエラーチェック処理(S65)の各処理については、それぞれ各処理の中で実行されるエラーチェック処理の順番を変更しても良い。例えば、変動パターン指定コマンドエラーチェック処理(S54)において、変動パターン指定コマンド31の2バイト目の値が範囲内の値であるか否かを判断するS75の処理を、S71の処理の前に実行するようにしても良い。即ち、変動パターン指定コマンドエラーチェック処理(S54)において、最初にS75の処理を実行しても良いのである。
以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機の制御装置において、前記エラー表示手段は、前記所定のエラー表示を前記表示装置に対して行うことを特徴とする遊技機の制御装置1。
請求項1記載の遊技機の制御装置において、前記エラー表示手段は、前記遊技機と接続されると共にその遊技機を管理する管理装置に対して、前記所定のエラー表示を行うことを特徴とする遊技機の制御装置2。この場合のエラー表示手段は、管理装置に対してエラー表示のデータを送信する。なお、管理装置としては、ホール等に設けられ複数の遊技機を管理する島管理装置や中央管理装置が例示される。
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1若しくは2において、前記エラー表示手段は、前記所定のエラー表示として、エラーの種別に応じて予め定められたエラーコードを表示することを特徴とする遊技機の制御装置3。表示されたエラーコードにより、遊技者およびホールの従業員が発生したエラーの内容を確認することができ、そのエラーの内容に応じた対策を施すことができる。
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1から3のいずれかにおいて、前記表示用制御基板は、前記エラー表示手段によって表示されたエラー表示を消去するエラー消去手段を備えていることを特徴とする遊技機の制御装置4。エラー表示は、エラー消去手段によって、例えば、所定時間が経過することにより、或いは、所定の操作がなされることにより、消去される。
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1から4のいずれかにおいて、前記エラー表示手段は、1のエラー表示の最中に他のエラーが発生した場合には、前記他のエラーに関するエラー表示を中止することを特徴とする遊技機の制御装置5。1のエラー表示を確実に行って、そのエラーの発生を報せることができる。
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1から5のいずれかにおいて、前記コマンドチェック手段は、前記制御用コマンドの受信の順番に誤りがある場合、又は、前記制御用コマンドの受信の時期(タイミング)に誤りがある場合、又は、前記制御用コマンドの値が予め定められた範囲外の値である場合、又は、前記制御用コマンドに欠落がある場合に、受信した制御用コマンドを適正でないと判断することを特徴とする遊技機の制御装置6。
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1から6のいずれかにおいて、前記表示用制御基板は、前記コマンドチェック手段により、受信した制御用コマンドが適正でないと判断された場合には、その制御用コマンドが指示する処理をスキップして不実行とする不実行手段を備えていることを特徴とする遊技機の制御装置7。
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1から7のいずれかにおいて、前記停止図柄指定コマンドにより指定された停止図柄を前記表示装置へ停止表示(確定表示)させるタイミングを指定するための図柄停止コマンドを前記制御用コマンドの一種として備えていることを特徴とする遊技機の制御装置8。この図柄停止コマンドの送信タイミングによって、表示用制御基板側で変動表示の終了タイミングを知ることができる。
なお、この図柄停止コマンドには、(1)変動表示が行われる表示装置のすべての表示領域に表示される図柄を一度に停止表示(確定)させるもの、(2)変動表示が行われる表示装置の所定の複数の表示領域に表示される複数の図柄を一度に停止表示(確定)させるもの、或いは、(3)変動表示が行われる表示装置の複数の表示領域について各表示領域毎にそれぞれ1図柄ずつ停止表示(確定)させるもの、の3種類がある。
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1から8のいずれかにおいて、前記制御用コマンドを前記主制御基板から一方向にのみ送信する一方向手段を備えていることを特徴とする遊技機の制御装置9。
請求項1記載の遊技機の制御装置、又は、遊技機の制御装置1から9のいずれかにおいて、前記主制御基板から送信される制御用コマンドは、前記表示用制御基板へ直接送信されることを特徴とする遊技機の制御装置10。