JP2010003587A - 直接メタノール形燃料電池システム及びこれを用いた携帯用電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料放出量の制御が可能で発電効率が良好であり、簡単な構造で小型化の可能なメタノール形燃料電池システムを提供することを目的とする。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料カートリッジ1と、燃料電池セルユニット2とからなる。燃料カートリッジ1は略矩形の扁平な箱形である。燃料電池セルユニット2は、扁平箱型で、上蓋部材3とセルユニット本体部4とからなる。上蓋部材3は、ヒンジ機構5を介してセルユニット本体部4に接続されるとともにセルユニット本体部4の一側において枢軸3Aにより軸支されることで、セルユニット本体部4に対して回動自在となっている。上蓋部材3の内面側にはガイド枠7と、板バネ8とが付設されていて、上蓋部材3は常時には上方(開成方向)に付勢されている。また、セルユニット本体部4の一側には、ガイド枠7内に向けて突出するように加熱手段たる棒状ヒータHが設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、固体状メタノールを燃料とする直接メタノール形燃料電池システムに関する。また、本発明は、この燃料電池システムを用いた携帯用電子機器に関する。
固体高分子電解質型燃料電池は、パーフルオロスルホン酸膜等の固体電解質膜を電解質とし、この膜の両面に燃料極及び酸化剤極を接合して構成され、アノードに水素やメタノール、カソードに酸素を供給して電気化学反応により発電する装置である。このうち、メタノールを燃料とする固体高分子電解質型燃料電池は、「直接(ダイレクト)メタノール形燃料電池(DMFC)」と呼ばれ、下記の反応式により発電が行われる。
アノード:CHOH + HO → 6H + CO + 6e …[1]
カソード:3/2O + 6H + 6e → 3HO …[2]
この反応を起こすために、両電極は触媒物質が担持された炭素微粒子と固体高分子電解質との混合体より構成されている。
このような直接メタノール形燃料電池において、アノードに供給されたメタノールは、電極中の細孔を通過して触媒に達し、この触媒によりメタノールが分解されて、上記反応式[1]の反応で電子と水素イオンとを生成する。水素イオンは、アノード中の電解質及び両電極間の固体電解質膜を通ってカソードに達し、カソードに供給された酸素及び外部回路より流れ込む電子と反応して、上記反応式[2]のように水を生じる。一方、メタノールより放出された電子はアノード中の触媒担体を通って外部回路へ導き出され、外部回路よりカソードに流れ込む。この結果、外部回路ではアノードからカソードへ向かって電子が流れ電力が取り出される。
このメタノールを燃料とする直接メタノール形燃料電池は、作動温度が低く、大掛りな補機が必要ないこと等から携帯用電子機器用の小型電源として有用であり、近年、携帯用コンピューターや携帯電話等の次世代電源として開発が活発化してきている。
その一方で、燃料に使用するメタノールは液体であるために漏れやすく、またメタノール自体の可燃性及び毒性が懸念されており、安全に使用するための対策が課題となっている。さらに、液体燃料を使用することによる短所として、液体燃料中に溶解した不純物が燃料電池セルに供給されることによる燃料電池の性能劣化、液体燃料成分であるメタノールが燃料電池セルの電解質膜を浸透して空気極に達してしまうクロスオーバー現象等が挙げられる。特にクロスオーバーが発生すると燃料の単位容積あたりの発電効率が低下するばかりでなく、空気極での酸化過程で発生するホルムアルデヒドやギ酸、ギ酸メチル等の有害物質の生成が生じるため、これを解決することがDMFCの実用化の大きな課題となっている。
近年開発が進められているDMFCシステムとしては、燃料の体積密度を向上させるために、より高濃度のメタノールを適用する方法が主流であるが、燃料濃度が高くなるほどクロスオーバーの問題はより深刻になる。そこで、セルに使用される電解質膜等の素材の改良を進めることでクロスオーバーの低減を図ることが検討されているが、いまだ十分なレベルに達しておらず、このことがDMFCの商品化への大きな障壁となっている。
このようなメタノールの安全性等の課題に対し、分子状化合物を形成することによりメタノールを固形化し、漏れにくくするとともに可燃性を大きく低減した「固体状メタノール燃料」について本出願人は種々提案した(特許文献1〜3参照)。この固体状メタノールは水と接触することで固体中のメタノールを水側に放出する。こうして生成したメタノール水溶液を直接メタノール形燃料電池の燃料として使用することができるものである。
特開2006−040629号公報 特開2005−325254号公報 国際公開第2005/062410号パンフレット
このような固体状メタノールから燃料となるメタノールを取り出すには、固体状メタノールに水を供給してメタノール溶液を燃料として放出する(水供給方式)か、固体状メタノールからメタノールを揮発させる(気化方式)かすることが考えられる。
これらのメタノール取出手段のうち気化方式は、水供給方式のように水タンク、ポンプ等の水供給機構が必要でないため、シンプルな装置構造とすることができ、また、メタノールの排出量の制御が容易であるという利点を有する。
しかしながら、気化方式においては、燃料の放出量はそのままでは外気温に依存するため、一定の燃料放出量が得られないばかりか、単位表面積当りの放出量自体も少なくなる。そこで、固体状メタノールを加熱してやることが考えられる。
例えば、固体状メタノールを充填した燃料カートリッジ内にヒータを付設することが考えられるが、この場合には、燃料カートリッジを交換するごとにヒータも交換することになり、燃料カートリッジが割高になるという問題点がある。
また、燃料カートリッジを外側から加熱してやることが考えられるが、燃料カートリッジは頑丈で密閉性を備えているため、熱効率が悪く、燃料カートリッジ内に収納されている固体状メタノールに対して大幅に過剰な量が必要になるという問題点がある。
さらに、電磁誘導により燃料カートリッジ内に収納されている固体状メタノール自体の温度を上昇させることも考えられるが、マグネトロン等の大掛かりなシステムが必要となり実用的でない、という問題点がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、燃料放出量の制御が可能で発電効率が良好であり、簡単な構造で小型化の可能なメタノール形燃料電池システムを提供することを目的とする。また、本発明は、上記メタノール形燃料電池システムを備えた携帯用電子機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第一に本発明は、中空平板状で内部に固体状メタノールが収納された燃料カートリッジと、前記燃料カートリッジの平坦面側と対峙するようにして設けられた燃料電池セルと、前記燃料カートリッジ内の固体状メタノールを加熱する加熱手段とを備え、前記燃料カートリッジに、前記加熱手段が挿入され得る挿入部が形成されていることを特徴とする直接メタノール形燃料電池システムを提供する(請求項1)。
上記発明(請求項1)によれば、中空平板状の燃料カートリッジに挿入部が形成され、この挿入部に加熱手段を挿入することで、外気温の影響が少ない状態で燃料カートリッジ内の固体状メタノールを内側から加熱して、短時間で所定の温度に制御することが可能となるため、燃料カートリッジからの燃料の放出量をほぼ一定として、燃料電池システムの出力を安定化させることができる。
上記発明(請求項1)においては、前記燃料電池セルが、前記燃料カートリッジを挿脱可能な扁平箱型の燃料電池セルユニットの一対の平坦壁部を構成するように、当該燃料電池セルの燃料極を当該燃料電池セルユニットの内側に向けて配置されているのが好ましい(請求項2)。
上記発明(請求項2)によれば、燃料電池セルユニットに燃料カートリッジを収容するだけで発電を行うことができる。また、前記燃料電池セルユニット内から燃料カートリッジを取り出すだけで燃料カートリッジの取り替えが可能となる。
上記発明(請求項2)においては、前記燃料電池セルユニット内に前記加熱手段が設けられているのが好ましい(請求項3)。
上記発明(請求項3)によれば、燃料電池セルユニットに燃料カートリッジを挿入すると、燃料カートリッジの挿入部に加熱手段が挿入されるようにすることで、燃料電池セルユニットに燃料カートリッジを挿入するだけで、燃料カートリッジ内の固体状メタノールを加熱することができる。
上記発明(請求項2,3)においては、前記扁平箱型の燃料電池セルユニットが、上側面部材とセルユニット本体部とからなり、前記上側面部材が、前記セルユニット本体部に開閉可能に取り付けられており、前記燃料カートリッジが、前記上側面部材を開いた状態で挿脱可能な構造とすることができる(請求項4)。
上記発明(請求項4)によれば、燃料電池セルユニットの上側面を開成した状態で燃料カートリッジを収容することで発電を行うことができる。また、前記燃料電池セルユニットの上側面を開成して燃料カートリッジを取り出すだけで燃料カートリッジの取り替えが可能となる。
また、上記発明(請求項4)においては、前記扁平箱型の燃料電池セルユニットの上側面部材が、前記燃料電池セルユニットの一側を基端として回動することで開閉可能となっており、前記加熱手段が、棒状であり、前記燃料電池セルユニット内で一側から突出して設けられているのが好ましい(請求項5)。
上記発明(請求項5)によれば、燃料電池セルユニットに燃料カートリッジを挿入するだけで、棒状の加熱手段が燃料カートリッジの挿入部に挿入され、燃料カートリッジ内の固体状メタノールを内側から加熱することができる。
上記発明(請求項2,3)においては、前記扁平箱型の燃料電池セルユニットの側面に開口部が形成されており、前記燃料カートリッジが、前記開口部に挿脱可能な構造とすることができる(請求項6)。
上記発明(請求項6)によれば、燃料電池セルユニットの側面から燃料カートリッジを収容するだけで発電を行うことができる。また、前記燃料電池セルユニットの側面から燃料カートリッジを取り出すだけで燃料カートリッジの取り替えが可能となる。
上記発明(請求項1〜6)においては、前記燃料カートリッジが、カートリッジ本体と開閉バルブとからなり、前記カートリッジ本体は、一対の平板部と周側部とからなり、前記平板部の少なくとも一方に臨んで前記開閉バルブが設けられているのが好ましい(請求項7)。特に前記燃料電池セルユニットの平坦壁部に、前記開閉バルブに対応する開閉部材が設けられているのが好ましい(請求項8)。
上記発明(請求項7)によれば、燃料カートリッジを燃料電池セルユニットに収容する前は開閉バルブが燃料カートリッジを閉鎖した状態で保持することにより、燃料カートリッジからの燃料の漏洩を防止することができる。また、燃料カートリッジを燃料電池セルユニットに収容すると開閉バルブが開成することにより燃料カートリッジから燃料が放出され発電を行うことができる。そして、燃料電池セルユニット内から燃料カートリッジを取り出すと、再度開閉バルブが燃料カートリッジを閉鎖した状態で保持することにより、発電が停止し、燃料の浪費を防止することができる。
また、第二に本発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の直接メタノール形燃料電池システムを備えることを特徴とする携帯用電子機器を提供する(請求項9)。
上記発明(請求項9)によれば、燃料カートリッジからの燃料の放出量をほぼ一定として、出力を安定化させた直接メタノール形燃料電池システムを電源とする携帯用電子機器とすることができる。
さらに、第三に本発明は、中空平板状で内部に固体状メタノールが収納された燃料カートリッジであって、前記燃料カートリッジには、前記固体状メタノールを加熱する加熱手段が挿入され得る挿入部が形成されていることを特徴とする燃料カートリッジを提供する(請求項10)。
さらにまた、第四に本発明は、内部に固体状メタノールを収納する中空平板状の燃料カートリッジを収容し得る直接メタノール形燃料電池セルユニットであって、前記燃料カートリッジの平坦面側と対峙するようにして設けられた燃料電池セルと、前記燃料カートリッジ内の固体状メタノールを加熱する加熱手段とを備え、前記加熱手段が、前記燃料カートリッジに形成されている挿入部に挿入されることを特徴とする直接メタノール形燃料電池セルユニットを提供する(請求項11)。
本発明の燃料電池システムは、燃料カートリッジ内の固体状メタノールを外気温の影響を少なく、燃料カートリッジの内側から加熱して、短時間で所定の温度に制御することが可能となり、燃料カートリッジからの燃料の放出量をほぼ一定として、燃料電池システムの出力を安定化させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図6は、それぞれ本発明の第一の実施形態における燃料電池システムを示しており、図1は平面図、図2は正面図、図3は上側蓋部材を開成した状態を示す側面図、図4は燃料カートリッジを示す分解斜視図、図5は上側蓋部材を開成した状態を示す縦断面図であり、そして、図6は燃料カートリッジへのヒータの挿入状態を示す概略図である。
図1〜図5において、燃料電池システムは、中空平板状で内部に固体状メタノールが収納された燃料カートリッジ1と、燃料電池セルユニット2とからなる。
燃料カートリッジ1は、図4に示すように平板部たる一対の平坦面11Aと周側部たる側壁面11Bとからなる略矩形の扁平な箱形であり、一対の平坦面11Aには、放出部としての複数の孔12,12・・・が形成されていて、この孔12,12・・・に臨んで開閉バルブ13,13・・・が設けられている。この開閉バルブ13,13は、一方の平坦面11Aの内側面に立設された位置決めロッド14,14・・・により孔12,12・・・に対応した位置に位置決めされている。また、側壁面11Bの一方の面には、後述する加熱手段としての棒状ヒータHを収納する挿入部としての開孔部18が形成されていて、燃料カートリッジ1内に配置された筒状の挿入部材19に連通している。
なお、この孔12,12・・・は、略円形であるのが望ましく、また、一対の平坦面11Aの両方に形成されていてもよいし、一方のみに形成されていてもよいが、本実施形態においては両面に形成されている。両面に形成されることにより、片面にのみ形成された場合に比して1.5〜2.0倍、特に約1.8倍の燃料放出量となる。また、孔12,12の個数は多い方が燃料放出量を多くすることができる一方、この孔12,12には、開閉バルブ13が設けられるため、同一カートリッジでは固体状メタノールの有効内容量が少なくなる。したがって、固体状メタノールの内容量約10ccに対して2個程度の開閉バルブ13となるように設計するのが好ましい。上述したような孔12,12・・・の径は、安全性及びメタノールの放出効率を考慮すると、5〜8.6mmφ、特に約8mmφであるのが好ましい。
この開閉バルブ13,13・・・は、孔12より径大な閉鎖部16と軸部17とを有するバルブ本体15を、圧縮コイルバネSを介在させることにより常時閉鎖部16が孔12を押圧状態で閉鎖するように構成されている。なお、この孔12及び開閉バルブ13は、下面側にも形成されている。そして、この燃料カートリッジ1には内部に固体状メタノールが充填されているが、孔12,12・・・に開閉バルブ13,13・・・が設けられていることにより、こぼれ落ちないようなっている。なお、固体状メタノールについては便宜上図示を省略する。
また、燃料電池セルユニット2は、扁平箱型で、上側面部材たる上蓋部材3とセルユニット本体部4とからなり、これらがそれぞれ一対の平坦壁部を構成している。上蓋部材3は、ヒンジ機構5を介してセルユニット本体部4に接続されるとともにセルユニット本体部4の一側において枢軸3Aにより軸支されることで、セルユニット本体部4に対して回動自在となっている。なお、6は上蓋部材3のストッパ機構(図示せず)を備えた開閉スイッチであり、Eは電力供給部である。そして、図5に示すように、上蓋部材3の内面側にはガイド枠7と、板バネ8とが付設されていて、上蓋部材3は常時には上方(開成方向)に付勢されている。また、セルユニット本体部4の内部には、一側からガイド枠7内に向けて突出するように加熱手段たる棒状ヒータHが設けられている。また、上蓋部材3及びセルユニット本体部4は、それぞれ燃料極を内側としてMEAを内蔵した燃料電池セルスタック9A,9Bを備えているとともに、開閉部材たる開成ロッド10,10・・・が立設されている。この開成ロッド10,10・・・は、前述した燃料カートリッジ1の孔12,12・・・に対応している。
次に、上述したような構成を有する本実施形態のメタノール形燃料電池システムについて、その作用を説明する。
まず、燃料カートリッジ1は、保管時には図4及び図6に示すように圧縮コイルバネSの弾発力により、バルブ本体15の閉鎖部16が孔12,12・・・を閉鎖することにより固体状メタノールからの燃料の漏洩が防止されている。
一方、燃料電池セルユニット2の開閉スイッチ6を操作すると、ストッパ機構(図示せず)により上蓋部材3が解除されて、板バネ8の付勢力により上蓋部材3が開成し、これに伴いガイド枠7が開成部Aから臨む。そして、開成部Aから燃料カートリッジ1をガイド枠7内に収納すると、図6に概略的に示すように棒状ヒータHが燃料カートリッジ1の開孔部18から筒状の挿入部材19内に進入する。続いて、上蓋部材3を板バネ8の付勢力に抗して開成部Aを閉鎖する方向に回動させてセルユニット本体部4と合致させることで、ストッパ機構(図示せず)により上蓋部材3を係止させる。これにより燃料電池セルユニット2内が密封される。
このとき、図5において燃料カートリッジ1は、ガイド枠7の終端部に位置することになり、この状態で上蓋部材3を閉鎖すると開成ロッド10,10・・・が孔12,12・・・を貫通して、圧縮コイルバネSの弾発力に抗してバルブ本体15を押圧し、孔12,12・・・が開成する。これにより、燃料カートリッジ1内では、棒状ヒータHにより所定の条件で加熱された固体状メタノールから直接的に気体状のメタノールが発生し、燃料電池セルスタック9A,9BのMEAの燃料極に供給され発電が行われるため、これを電力供給部Eから携帯用機器等の電源や回路等に供給すればよい。
なお、発電の停止時には、燃料電池セルユニット2の開閉スイッチ6を操作して、ストッパ機構(図示せず)による上蓋部材3の係止を解除して上蓋部材3を再度開成する。これにより、開成ロッド10,10・・・が孔12,12・・・から引き抜かれ、圧縮コイルバネSの弾発力により、バルブ本体15の閉鎖部16で孔12,12・・・を閉鎖することができ、メタノールの流出を停止することができる。さらに、燃料電池セルユニット2から燃料カートリッジ1を取り出すだけで、燃料カートリッジ1の取り替えが可能となっている。
上記本実施形態の燃料電池システムは、十分な気密性を有し、単位体積あたりの発電効率が良好であるので、携帯用電子機器の電源として好適である。
上述したような実施形態において、固体状メタノールとしては、メタノールの分子化合物、メタノールをポリマーとともに固体化又はゲル化したもの、及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機材に吸着等によりメタノールを保持させることで固体状としたもの等を用いることができる。特に、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機材に吸着等によりメタノールを保持させることで固体状としたものは、メタノールのガス化量の温度依存性が大きく、経時的な変動が少ないので、加熱手段の温度を制御することで、ガス化メタノールの発生量をある程度調整できるため、メタノール溶液の濃度のコントロール性に優れていて好ましい。
前記分子化合物とは、単独で安定に存在することのできる化合物の2種類以上の化合物が水素結合やファンデルワールス力等に代表される、共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物であり、水化物、溶媒化物、付加化合物、包接化合物等が含まれる。このような分子化合物は、分子化合物を形成する化合物と燃料電池用燃料との接触反応により形成することができ、燃料電池用燃料を固体状の化合物に変化させることができ、比較的軽量で安定に燃料電池用燃料を貯蔵することができる。
分子化合物としては、ホスト化合物とメタノールとの接触反応によりメタノールを包接した包接化合物が挙げられる。
また、ポリマーとともに固体化したもの、又はジベンジリデン−D−ソルビトール等によりゲル化したものにおいては、その表面にコーティングを施すことで、メタノールの気化温度を調節したものも用いることができる。
このような固体状メタノールは、種々の形態で用いることができ、好ましい形態としては微粉状、粒子状、シート状等の形態を挙げることができる。
以上、本発明について前記実施形態に基づき説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態において、図7に示すように、燃料カートリッジ1の容積を増やして、これに伴い孔12の数を増やして平面視略長方形状の燃料カートリッジ1としてもよく、これに伴い燃料電池セルユニット2の形状を変更し、例えば棒状ヒータHを2本にするなどすればよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1,比較例1〕
<燃料カートリッジの作製例1>
図6に示す形状の燃料カートリッジ1のケーシングを製造した。
この燃料カートリッジ1の諸元は以下のとおりであった。
・寸法:57×57×1.5(mm)
・開閉バルブ13の径:6mmφ
・孔12の数:両面にそれぞれ4個
・固体状メタノールの充填量:10g
なお、固体状メタノールとしては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムにメタノールを加えて造粒したものにPVAをコーティングした粒状物(平均粒径:3.5mm,メタノール含有率:約52%,メタノールの気化開始温度:約40℃)を使用した。
上記燃料カートリッジ1内にK型熱伝対をセットし、燃料カートリッジ1の開孔部18から棒状ヒータHを筒状の挿入部材19に挿入して加熱した。その結果、約15分で固体状メタノールからのメタノールの気化温度以上である40℃に到達し、これに要する消費電力は0.375Whであった。
また、比較のために、この燃料カートリッジ1の上面にシート状ヒータを貼り付けて加熱したところ(比較例1)、燃料カートリッジ1内が固体状メタノールからのメタノールの気化温度以上である40℃に到達するまで約40分かかり、これに要する消費電力は1.000Whと大きかった。
本発明の第一の実施形態に係る直接メタノール形燃料電池システムを示す平面図である。 本発明の第一の実施形態に係る直接メタノール形燃料電池システムを示す正面図である。 本発明の第一の実施形態に係る直接メタノール形燃料電池システムの上側蓋部材を開成した状態を示す側面図である。 本発明の第一の実施形態に係る直接メタノール形燃料電池システムの燃料カートリッジを示す分解斜視図である。 本発明の第一の実施形態に係る直接メタノール形燃料電池システムの上側蓋部材を開成した状態を示す縦断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る直接メタノール形燃料電池システムの燃料カートリッジへのヒータの挿入状態を示す概略図である。 本発明の第二の実施形態に係る直接メタノール形燃料電池システムの燃料カートリッジを示す斜視図である。
符号の説明
1…燃料カートリッジ
2…燃料電池セルユニット
3…上蓋部材(上側面部材,平坦壁部)
4…セルユニット本体部(平坦壁部)
10…開成ロッド(開閉部材)
11A…平坦面(平板部)
11B…側壁面(周側部)
12…孔
13…開閉バルブ
15…バルブ本体
16…閉鎖部
18…開孔部(挿入部)
19…挿入部材
H…棒状ヒータ(加熱手段)
S…圧縮コイルバネ

Claims (11)

  1. 中空平板状で内部に固体状メタノールが収納された燃料カートリッジと、
    前記燃料カートリッジの平坦面側と対峙するようにして設けられた燃料電池セルと、
    前記燃料カートリッジ内の固体状メタノールを加熱する加熱手段と
    を備え、
    前記燃料カートリッジに、前記加熱手段が挿入され得る挿入部が形成されていることを特徴とする直接メタノール形燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池セルが、前記燃料カートリッジを挿脱可能な扁平箱型の燃料電池セルユニットの一対の平坦壁部を構成するように、当該燃料電池セルの燃料極を当該燃料電池セルユニットの内側に向けて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の直接メタノール形燃料電池システム。
  3. 前記加熱手段が、前記燃料電池セルユニット内に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の直接メタノール形燃料電池システム。
  4. 前記扁平箱型の燃料電池セルユニットが、上側面部材とセルユニット本体部とからなり、
    前記上側面部材が、前記セルユニット本体部に開閉可能に取り付けられており、
    前記燃料カートリッジが、前記上側面部材を開いた状態で挿脱可能となっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の直接メタノール形燃料電池システム。
  5. 前記扁平箱型の燃料電池セルユニットの上側面部材が、前記燃料電池セルユニットの一側を基端として回動することで開閉可能となっており、
    前記加熱手段が、棒状であり、前記燃料電池セルユニット内で一側から突出して設けられていることを特徴とする請求項4に記載の直接メタノール形燃料電池システム。
  6. 前記扁平箱型の燃料電池セルユニットの側面に開口部が形成されており、
    前記燃料カートリッジが、前記開口部に挿脱可能となっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の直接メタノール形燃料電池システム。
  7. 前記燃料カートリッジが、カートリッジ本体と開閉バルブとからなり、
    前記カートリッジ本体は、一対の平板部と周側部とからなり、前記平板部の少なくとも一方に臨んで前記開閉バルブが設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の直接メタノール形燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池セルユニットには、前記開閉バルブに対応する開閉部材が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の直接メタノール形燃料電池システム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の直接メタノール形燃料電池システムを備えることを特徴とする携帯用電子機器。
  10. 中空平板状で内部に固体状メタノールが収納された燃料カートリッジであって、
    前記燃料カートリッジには、前記固体状メタノールを加熱する加熱手段が挿入され得る挿入部が形成されていることを特徴とする燃料カートリッジ。
  11. 内部に固体状メタノールを収納する中空平板状の燃料カートリッジを収容し得る直接メタノール形燃料電池セルユニットであって、
    前記燃料カートリッジの平坦面側と対峙するようにして設けられた燃料電池セルと、
    前記燃料カートリッジ内の固体状メタノールを加熱する加熱手段と
    を備え、
    前記加熱手段が、前記燃料カートリッジに形成されている挿入部に挿入されることを特徴とする直接メタノール形燃料電池セルユニット。
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