JP2010002713A - 累進屈折力レンズ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遠用度数の入った遠用部101と、近用度数の入った近用部102と、遠用部101と近用部102との間で加入度に応じて屈折力が累進的に変化する中間部103とを備える累進屈折力レンズ100であって、加入度が装用者の矯正度数に応じて調整されてなる。
【選択図】図1
Description
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される数値等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
また、加入度は、表面屈折力により定義される値を用いることができる。又は、装用者が装用した状態での屈折力により定義される値を用いることができる。
Acc=Ac(1−L・R)2 …(1)
Acc=Ac(1−2L・R) …(2)
[1] 装用者の矯正度数が遠用部101においてプラス(+)となる場合は、実際の調節力よりも見かけ上の調節力が小さくなる(Acc<Ac)ことから、加入度が増す方向に調整する。
[2] 装用者の矯正度数が遠用部においてマイナス(−)となる場合は、実際の調節力よりも見かけ上の調節力が大きくなる(Acc>Ac)ことから、加入度が減じる方向に調整する。
[3] 装用者の矯正度数が近用部においてプラス(+)となる場合は、実際の調節力よりも見かけ上の調節力が小さくなる(Acc<Ac)ことから、加入度が増す方向に調整する。
[4] 装用者の矯正度数が近用部においてマイナス(−)となる場合は、実際の調節力よりも見かけ上の調節力(Acc>Ac)が大きくなることから、加入度が減じる方向に調整する。
実施例1では、装用者が矯正度数S−6.00D、加入度2.00Dの処方を受けた場合の本発明を適用した累進屈折力レンズについて説明する。
実施例1では、先ず、0.25D単位で加入度を異ならせてなるセミフィニッシュレンズの中から、加入度2.00Dのセミフィニッシュレンズを選択した。このセミフィニッシュレンズは、図2(a)に示すように、外面が累進面(非球面)、内面が処方面(球面)とされ、図2(a)中には、各面の遠用部及び近用部における具体的な屈折力(遠用度数及び近用度数)を例示している。
すなわち、近方作業距離を例えば0.25mとすると、必要な調節力は4.00Dであり、処方された加入度は2.00Dであるから、装用者の目の調節力は2.00D(=4.00D−2.00D)である。このように、装用者は、目の調節力2.00Dと、レンズの加入度2.00Dとを合わせて、近方0.25mを見るための調節力4.00Dを得ている。
Acc=2.00(1−0.012×−6.00)2=2.30D
となっている。
以上のようにして、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を有する累進屈折力レンズを得ることが可能である。
実施例2では、装用者が矯正度数S+6.00D、加入度2.00Dの処方を受けた場合の本発明を適用した累進屈折力レンズについて説明する。
実施例2では、先ず、異なる外面ベースカーブを有するセミフィニッシュレンズの中から、矯正度数S+6.00D、加入度2.00Dに適したセミフィニッシュレンズを選択した。このレンズは、図3(a)に示すように、外面が球面、内面が累進面と処方面とが合成された面(非球面)とされ、図3(a)中には、各面の遠用部及び近用部における具体的な屈折力(遠用度数及び近用度数)を例示している。
すなわち、近方作業距離を例えば0.25mとすると、必要な調節力は4.00Dであり、処方された加入度は2.00Dであるから、装用者の目の調節力は2.00D(=4.00D−2.00D)である。このように、装用者は、目の調節力2.00Dと、レンズの加入度2.00Dとを合わせて、近方0.25mを見るための調節力4.00Dを得ている。
Acc=2.00(1−0.012×6.00)2=1.72D
となっている。
以上のようにして、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を有する累進屈折力レンズを得ることが可能である。
実施例3では、実施例1と同様に、装用者が矯正度数S−6.00D、加入度2.00Dの処方を受けた場合であるが、上述した装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力が2.30Dであることを考慮して、図4(a)に示すように、加入度1.75Dのセミフィニッシュレンズを選択した。
この場合、レンズの加入度は1.70Dが適正値であることから、加入度を0.05D(=1.75D−1.70D)だけ減じる方向に調整すればよい。
以上のようにして、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を有する累進屈折力レンズを得ることが可能である。
実施例4では、実施例2と同様に、装用者が矯正度数S+6.00D、加入度2.00Dの処方を受けた場合であるが、上述した装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力が1.72Dであることを考慮して、図5(a)に示すように、加入度2.25Dを内面に与えた。
この場合、レンズの加入度は2.28Dが適正値であることから、外面で加入度を0.03D(=2.28D−2.25D)だけ増す方向に調整すればよい。
以上のようにして、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を有する累進屈折力レンズを得ることが可能である。
実施例5では、実施例1と同様に、装用者が矯正度数S−6.00D、加入度2.00Dの処方を受けた場合であるが、両面累進屈折力レンズとして、図4(a)に示すように、外面に付与された縦方向/横方向の屈折力と、内面に付与された縦方向/横方向の屈折力との合成により加入度を与えるレンズとした。このレンズは、図6(a)に示すように、外面及び内面が累進面(非球面)とされ、図6(a)中には、各面の遠用部及び近用部における具体的な屈折力(縦方向成分/横方向成分)を例示している。
以上のようにして、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を有する累進屈折力レンズを得ることが可能である。
Claims (15)
- 遠用度数の入った遠用部と、近用度数の入った近用部と、前記遠用部と前記近用部との間で加入度に応じて屈折力が累進的に変化する中間部とを備える累進屈折力レンズであって、
前記加入度が装用者の矯正度数に応じて調整されてなることを特徴とする累進屈折力レンズ。 - 前記装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に基づいて前記加入度が調整されていることを特徴とする請求項1に記載の累進屈折力レンズ。
- 前記装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力(Acc)[D]は、実際の目の調節力をAc[D]、目とレンズとの距離をL[m]と、装用者の矯正度数をR[D]としたときに、
Acc=Ac(1−L・R)2
又は
Acc=Ac(1−2L・R)
により求まる値であることを特徴とする請求項2に記載の累進屈折力レンズ。 - 当該レンズの何れか一方の面又は両面に、前記装用者の矯正度数に応じて加入度を調整する加工が施されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の累進屈折力レンズ。
- 当該レンズの何れか一方の面又は両面が、前記装用者に処方された加入度を付与する累進面を構成していることを特徴とする請求項4に記載の累進屈折力レンズ。
- 前記装用者の矯正度数に応じて調整される加入度のピッチが、所定のピッチで加入度を異ならせてなるセミフィニッシュレンズの加入度のピッチよりも小さいことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の累進屈折力レンズ。
- 前記加入度は、表面屈折力により定義される値であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の累進屈折力レンズ。
- 前記加入度は、前記装用者が装用した状態での屈折力により定義される値であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の累進屈折力レンズ。
- 遠用度数の入った遠用部と、近用度数の入った近用部と、前記遠用部と前記近用部との間で加入度に応じて屈折力が累進的に変化する中間部とを備える累進屈折力レンズの製造方法であって、
所定のピッチで加入度を異ならせてなるセミフィニッシュレンズの中から一のセミフィニッシュレンズを選択し、当該セミフィニッシュレンズの何れか一方の面又は両面に、装用者の矯正度数に応じて加入度を調整する加工を施すことを特徴とする累進屈折力レンズの製造方法。 - 前記装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に基づいて前記加入度を調整する加工を施すことを特徴とする請求項9に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
- 前記加工を施す際に、
前記装用者の矯正度数が前記遠用部においてプラスとなる場合は、前記加入度が増す方向に調整し、
前記装用者の矯正度数が前記遠用部においてマイナスとなる場合は、前記加入度が減じる方向に調整し、
前記装用者の矯正度数が前記近用部においてプラスとなる場合は、前記加入度が増す方向に調整し、
前記装用者の矯正度数が前記近用部においてマイナスとなる場合は、前記加入度が減じる方向に調整することを特徴とする請求項10又は11に記載の累進屈折力レンズの製造方法。 - 前記加入度の調整する量を、装用時に想定される近方距離又は目とレンズとの距離のうち少なくとも一方の情報に基づいて決定することを特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
- 前記装用者の矯正度数に応じて調整される加入度のピッチを、前記セミフィニッシュレンズの加入度のピッチよりも小さくすることを特徴とする請求項9〜12の何れか一項に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
- 前記一のセミフィニッシュレンズとして、前記装用者に処方された加入度を有するセミフィニッシュレンズを選択することを特徴とする請求項9〜13の何れか一項に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
- 前記一のセミフィニッシュレンズとして、前記装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に基づいた加入度に最も近い加入度を有するセミフィニッシュレンズを選択することを特徴とする請求項10〜13の何れか一項に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
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