JP2010002026A - オイル供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】各部位の温度上昇や焼き付きの発生を抑制できるオイル供給装置を提供する。
【解決手段】オイル供給装置は、内部にオイル溜めA1が形成されたハウジング10を備える。また、ハウジング10の内部において回転可能に設けられ、一部がオイル溜めA1内のオイルに浸漬された第一回転部材80を備える。また、第一回転部材80の回転運動により掻き上げられたオイルを受けるオイル受け部21を備える。また、第一回転部材80に隣接し、第一回転部材80の回転方向であるR1方向と反対のR2方向へ回転可能に設けられた第二回転部材70を備える。また、第一回転部材80により掻き上げられたオイルがオイル受け部21に到達するまでのオイル飛散経路と第二回転部材70とを仕切る遮蔽部材30を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、オイル供給装置に関し、特に、回転部材により掻き上げられたオイルをオイル受け部に供給するオイル供給装置に関する。
車両に搭載されるトランスアクスルでは、冷却および焼き付き防止のため、各部位にオイルを供給する必要がある。特に内燃機関および回転電機の双方を駆動源とするハイブリッド車両では、回転電機の冷却および潤滑を必要とすることから、オイルの供給量が多くなっている。
従来のオイル供給方法の一つとして、掻き上げ方式が知られている。掻き上げ方式とは、ディファレンシャル装置のリングギヤなどの回転部材の回転によりオイルを掻き上げ、トランスアクスル上部に設けられたキャッチタンクに掻き上げられたオイルを溜め、キャッチタンクから各部位に落とすことによって各部位にオイルを供給する方式である。従来の掻き上げ方式のオイル供給装置は、たとえば特許文献1で提案されている。
特開2003−336729号公報
ディファレンシャル装置のリングギヤと噛み合う出力ギヤの回転方向は、リングギヤの回転方向に対し逆方向である。そのため、出力ギヤの回転によって、リングギヤにより掻き上げられキャッチタンクへ向かうオイル流れに対する逆流が発生する。この逆流がリングギヤにより掻き上げられたオイルの流れを妨げるので、オイルがキャッチタンクへ到達しにくくなり、キャッチタンクへ到達するオイルの量が減少する。
掻き上げ方式のオイル供給装置では特に、リングギヤの回転数が低下した場合に、リングギヤによるオイル掻き上げ能力が低下するのでオイル掻き上げ量が減少する。そのため、キャッチタンクへ十分な量のオイルが供給されず、トランスアクスル各部の冷却および潤滑のために必要なオイルが不足するという問題があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、より多くのオイルをオイル受け部に供給することができ、リングギヤの回転数が低下したときにも各部位の温度上昇や焼き付きの発生を抑制できる、オイル供給装置を提供することである。
本発明に係るオイル供給装置は、ハウジング部と、第一回転部材と、オイル受け部と、第二回転部材と、遮蔽部材とを備える。ハウジング部の内部には、オイル貯留部が形成されている。第一回転部材は、ハウジング部の内部において回転可能に設けられている。第一回転部材の一部は、オイル貯留部内のオイルに浸漬されている。オイル受け部は、第一回転部材の回転運動により掻き上げられたオイルを受ける。第二回転部材は、第一回転部材に隣接し、第一回転部材の回転方向と反対方向へ回転可能に設けられている。遮蔽部材は、第一回転部材により掻き上げられたオイルがオイル受け部に到達するまでのオイル飛散経路と第二回転部材とを仕切る。
好ましくは、第一回転部材は、第一回転シャフトと、第一回転シャフトに固定されて一体として回転する第一歯車とを含む。第二回転部材は、第一回転シャフトと平行に設けられた第二回転シャフトと、第二回転シャフトに固定されて一体として回転する第二歯車とを含む。第一歯車の一部がオイル貯留部内のオイルに浸漬されている。第二歯車は第一歯車と噛合している。遮蔽部材は、第二歯車の歯面を覆う。
好ましくは、第二回転部材は、第二歯車の径よりも大径に形成された第三歯車をさらに含む。遮蔽部材は、第三歯車の側面を覆う。
本発明のオイル供給装置によると、オイル飛散経路と第二回転部材とは遮蔽部材によって仕切られている。そのため、第二回転部材の回転によって発生するオイル流れに対する逆流が、オイル飛散経路内をオイル受け部に向かって流れるオイル流れの妨げとなることを抑制できる。つまり、第二回転部材が発生させる逆流によりオイル受け部へ到達するオイルの量が減少することを回避でき、従来と比較してオイル受け部へのオイル供給量を増加させることができる。したがって、オイルを掻き上げる第一回転部材の回転数が低下した場合でも、ハウジング部内の各部位へオイルが供給されるので、各部位の異常温度上昇や焼き付きの発生を抑制することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
なお、以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
(実施の形態1)
図1は、ハイブリッド車両の動力伝達装置を示した断面図である。図1に示すように、内燃機関および回転電機の双方を駆動源とするハイブリッド車両の動力伝達装置であるトランスアクスル1は、回転電機100,200と、回転シャフト300と、動力分配用のプラネタリギヤ400と、回転電機200の減速用のプラネタリギヤ500とを備える。またトランスアクスル1は、回転シャフト300に組み付けられたカウンタドライブギヤ600と、回転シャフト300と平行に設けられた回転シャフト710と、回転シャフト710に組み付けられたカウンタドリブンギヤ700およびファイナルドライブギヤ701と、ディファレンシャル機構800とを備える。上記のトランスアクスル1の各要素は、カバー11とケース12とを含むハウジング内に設けられている。複数の回転電機100,200は、一体のケース12内に収納されている。
回転電機100は、ハウジングに対して回転可能に設けられた回転シャフト110と、回転シャフト110に取付けられたロータ120と、ロータ120の外周上に配置されたステータ130とを有する。ステータ130は電磁鋼板を積層して形成されたステータコア131を有し、ステータコア131にはステータコイル132が巻回されている。ステータコイル132の端子は、外部電源からの給電ケーブルと接続される。これにより、外部電源とステータコイル132とが電気的に接続される。回転電機100の回転シャフト110はストレート形状を有し、回転シャフト110とロータ120とはスプライン嵌合されている。
回転電機200は、ハウジングに対して回転可能に設けられた回転シャフト210と、回転シャフト210に取付けられたロータ220と、ロータ220の外周上に配置されたステータ230とを有する。ステータ230は電磁鋼板を積層して形成されたステータコア231を有し、ステータコア231にはステータコイル232が巻回されている。ステータコイル232の端子は、外部電源からの給電ケーブルと接続される。これにより、外部電源とステータコイル232とが電気的に接続される。回転電機200の回転シャフト210はストレート形状を有し、回転シャフト210とロータ220とはスプライン嵌合されている。
回転シャフト300は、図示しないエンジンからの出力をトランスアクスル1に入力する入力シャフト310(入力軸)と、プラネタリギヤ400,500からの出力が伝達される出力シャフト320(出力軸)とを含む。入力シャフト310は、回転電機100,200の回転シャフト110,210および出力シャフト320の内周側に設けられる。出力シャフト320は、回転電機200の回転シャフト210の内周側に設けられる。
回転シャフト110,210および入力/出力シャフト310,320は、同軸に配置され、プラネタリギヤ400,500を介在させて互いに接続されている。これにより、エンジンから入力シャフト310を経由して入力された動力が変換されて、出力シャフト320に伝達される。
入力シャフト310の一端はベアリング310Bにより支持されている。入力シャフト310とその外周側に配設された出力シャフト320および回転シャフト110との間、ならびに、出力シャフト320とその外周側に配設された回転シャフト210との間には、図示しないベアリングが設けられている。出力シャフト320は一方端においてカウンタドライブギヤ600とスプライン嵌合されており、カウンタドライブギヤ600はベアリング600Bによりハウジングに回転可能に支持されている。上記構成により、回転シャフト110,210および入力/出力シャフト310,320が回転可能に支持されて同軸上に保たれる。
プラネタリギヤ400は、サンギヤ410と、プラネタリキャリヤ420と、リングギヤ430とを有する。サンギヤ410は、回転電機100の回転シャフト110に連結されている。サンギヤ410は、回転シャフト110と一体に形成されている。プラネタリキャリヤ420は、入力シャフト310に連結されている。リングギヤ430は、出力シャフト320と連結されている。これにより、入力シャフト310を経由して伝達されるエンジン動力を、回転電機100と出力シャフト320とに分割して伝達することができる。
プラネタリギヤ500は、サンギヤ510と、プラネタリキャリヤ520と、リングギヤ530とを有する。サンギヤ510は、回転電機200の回転シャフト210に連結されている。サンギヤ510は、回転シャフト210と一体に形成されている。プラネタリキャリヤ520は、出力シャフト320に連結されている。リングギヤ530は、ハウジングに固定されている。これにより、回転電機200の出力を減速しながら出力シャフト320に伝達することができる。
カウンタドライブギヤ600は、ベアリング600Bによってハウジングに対して回転可能に支持されている。カウンタドリブンギヤ700が取り付けられた回転シャフト710は、ベアリング700Bによってハウジングに対して回転可能に支持されている。カウンタドライブギヤ600とカウンタドリブンギヤ700とは、互いに噛み合っている。
ディファレンシャル機構800は、ファイナルドリブンギヤ801と、図示しないピニオンギヤおよびサイドギヤとを含む。ファイナルドリブンギヤ801は、回転シャフト710に取り付けられたファイナルドライブギヤ701と噛み合っている。ドライブシャフト受け部が上記サイドギヤと一体成形されており、ドライブシャフト900がこのドライブシャフト受け部にスプライン嵌合されている。ドライブシャフト900は、ベアリング800Bによりハウジングに対して回転可能に支持されている。
車両の定常走行時には、車両は主としてエンジンからの駆動力によって走行する。エンジンから入力シャフト310を経由して入力された動力は、プラネタリギヤ400によって、回転電機100の回転シャフト110と出力シャフト320とに分配される。
出力シャフト320に伝達された動力は、カウンタドライブギヤ600、カウンタドリブンギヤ700およびディファレンシャル機構800を経由して、ドライブシャフト900に伝達される。ドライブシャフト900に伝達された駆動力は、図示しない車輪に回転力として伝達され、車両を走行させる。
他方、回転シャフト110に伝達された動力によって回転電機100が駆動される。このとき、回転電機100は発電機として作動する。回転電機100が発電した電力によって回転電機200が駆動される。回転電機200からの動力は、プラネタリギヤ500を経由して出力シャフト320に伝達され、エンジン動力を補助する。なお、車両の加速時には、エンジンの回転数を上げるとともに、回転電機100によって発電した電力によって回転電機200を駆動させ、さらなる駆動力を得ることができる。
また、車両の発進時/軽負荷走行時には、車両は回転電機200からの駆動力によって走行する。このとき、エンジンが停止している場合と、エンジンにより回転電機100を駆動して発電を行なう場合とがある。
また、車両の回生制動時には、車輪からの回転力によりドライブシャフト900、ディファレンシャル機構800、カウンタドリブンギヤ700およびカウンタドライブギヤ600を経由して、回転電機200が駆動される。このとき、回転電機200は発電機として作動する。回転電機200によって発電された電力は、図示しないバッテリに蓄えられる。
図2は、実施の形態1のオイル供給装置を、車両用の動力伝達装置、具体的には図1に示すトランスアクスル1に適用した場合を示す側面図である。図2に示すように、トランスアクスルはハウジング部としてのハウジング10を有し、このハウジング10はアルミニウム合金、鋳鉄などの金属材料により形成されている。ハウジング10の内部には、第一回転部材80、第二回転部材70および第三回転部材60が設けられている。トランスアクスル1は、三軸構造の歯車装置を備えている。
第一回転部材80は、第一回転シャフトとしてのドライブシャフト900と、第一歯車としてのファイナルドリブンギヤ801とを含む。ドライブシャフト900(ディファレンシャル軸)は、ディファレンシャル機構800にスプライン嵌合されている。ファイナルドリブンギヤ801(リングギヤ)は、図示しないピニオンギヤ、サイドギヤおよびドライブシャフト受け部を介在させて、ドライブシャフト900と一体に固定されている。ファイナルドリブンギヤ801は、ドライブシャフト900と軸線を共有して、一体として回転する。第一回転部材80は、矢印R1方向へ回転可能に設けられている。
第二回転部材70は、第二回転シャフトとしての回転シャフト710と、第二歯車としてのファイナルドライブギヤ701と、第三歯車としてのカウンタドリブンギヤ700とを含む。カウンタドリブンギヤ700およびファイナルドライブギヤ701は、回転シャフト710(カウンタ軸)に固定されている。カウンタドリブンギヤ700およびファイナルドライブギヤ701は、回転シャフト710と軸線を共有して、一体として回転する。第二回転部材70は第一回転部材80に隣接して設けられており、ファイナルドライブギヤ701はファイナルドリブンギヤ801と噛合している。カウンタドリブンギヤ700は、ファイナルドライブギヤ701の径よりも大径に形成されている。つまり、カウンタドリブンギヤ700の歯先円は、ファイナルドライブギヤ701の歯先円に対して大きな直径を有している。第二回転部材70は、第一回転部材80の回転方向である矢印R1方向と反対方向である矢印R2方向へ回転可能に設けられている。
第三回転部材60は、回転シャフト300と、カウンタドライブギヤ600とを含む。カウンタドライブギヤ600は、回転シャフト300(主軸)と軸線を共有して、一体として回転する。第三回転部材60は第二回転部材70に隣接して設けられており、カウンタドライブギヤ600はカウンタドリブンギヤ700と噛合している。第三回転部材60は、第一回転部材80の回転方向である矢印R1方向と同方向であり、第二回転部材70の回転方向である矢印R2方向に対し反対方向である、矢印R3方向へ回転可能に設けられている。
矢印R1,R2,R3で示す回転方向は、車両の前進時における回転方向であるものとする。車両の後進時には、回転方向が逆方向となる。つまり、車両の後進時には、第一回転部材80は図2に示す矢印R1方向と反対方向の反時計回り方向に回転し、第二回転部材70は矢印R2方向と反対方向の時計回り方向に回転し、第三回転部材60は矢印R3方向と反対方向の反時計回り方向に回転する。第一回転部材80、第二回転部材70および第三回転部材60は、軸線回りの両方向に回転可能(回動可能)に設けられている。
ドライブシャフト900、回転シャフト710および回転シャフト300の軸線は、相互に平行に、かつ、略水平に配置されている。車両の高さ方向において、回転シャフト710の軸線よりも回転シャフト300の軸線の方が低い位置に配置され、回転シャフト300の軸線よりもドライブシャフト900の軸線の方が低い位置に配置されている。
ハウジング10の内部、具体的にはハウジング10の底部には、オイル貯留部としてのオイル溜めA1が形成されている。ファイナルドリブンギヤ801の一部がオイル溜めA1内に溜められたオイルに浸漬されている。なお、他のギヤおよびシャフトは、オイルには浸漬されていない。すなわち、単数または単一のファイナルドリブンギヤ801がオイル溜めA1内部に配置されて、ファイナルドリブンギヤ801の一部がオイルに浸漬されている。
ハウジング10の内壁の一部、具体的には図2中左側のファイナルドリブンギヤ801およびファイナルドライブギヤ701と対向する内壁の一部は、ハウジング10の内部に突起するように変形して、ジャンプ台23を形成する。ジャンプ台23とファイナルドリブンギヤ801との間には、整流盤22が設けられている。またハウジング10の内部には、回転シャフト300の上方から図右側側方に亘って、オイル受け部21が設けられている。オイル受け部21は、上部が開口されている。オイル受け部21に溜められたオイルをハウジング10内の各部位に落とすことによって、各部位の冷却および潤滑のためのオイルが供給される。
第二回転部材70は、遮蔽部材30によって覆われている。図3は、遮蔽部材の構成を示す模式図である。図3には、第一回転部材80のファイナルドリブンギヤ801と第二回転部材70のファイナルドライブギヤ701およびカウンタドリブンギヤ700との配置関係、ならびに第二回転部材70を覆う遮蔽部材30が図示されている。図3に示すように、遮蔽部材30は、ファイナルドライブギヤ701の歯面702に沿って設けられた遮蔽板31と、カウンタドリブンギヤ700の側面703に沿って設けられた遮蔽板32とを含む。遮蔽板31と遮蔽板32とは、互いに略直交するように接合されている。つまり、第二回転部材70の径方向に沿う遮蔽部材30の断面視はL字形状を形成する。
なお、カウンタドリブンギヤ700とファイナルドライブギヤ701とはいずれも円筒歯車であり、円筒面の外側に歯が形成されている外歯車である。カウンタドリブンギヤ700およびファイナルドライブギヤ701の歯面とは、円筒形状の円筒面の外側の面であって、第二回転部材70の径方向に面するギヤのラジアル面である。またカウンタドリブンギヤ700およびファイナルドライブギヤ701の側面とは、歯形状が形成されている歯面と異なる面である円筒形状の底面または頂面であって、第二回転部材70の軸線方向と直交するギヤのスラスト面(アキシアル面)をいう。
図2に示すように、第二回転部材70の軸線に直交する平面に遮蔽部材30を投影した場合、遮蔽板31は円弧形状を形成する。遮蔽板32は、カウンタドリブンギヤ700の側面の径方向における最内側の縁部において、遮蔽板31と接合している。遮蔽板32の、カウンタドリブンギヤ700の側面の径方向における最外側の縁部が、カウンタドリブンギヤ700の歯先円直径よりも第二回転部材70の軸線から離れるように、遮蔽板32は形成されている。
ファイナルドリブンギヤ801は、ギヤとしての役割とともに、回転運動によりオイル溜めA1内に溜められたオイルを掻き上げる役割を有している。ファイナルドリブンギヤ801はオイル溜めA1内のオイルに浸漬されているため、オイル溜めA1内のオイルはファイナルドリブンギヤ801の回転運動により掻き上げられ、ファイナルドリブンギヤ801の外周部にはオイルが付着する。歯溝においてオイルが保持された状態でファイナルドリブンギヤ801が矢印R1方向に回転すると、回転により発生する遠心力の作用によって、オイルは矢印OF1方向に沿って飛ばされる。オイルはさらに矢印OF2方向に沿ってオイル受け部21まで飛ばされ、オイル受け部21上部の開口からオイル受け部21内に供給される。オイル受け部21は、矢印OF1,OF2に沿って飛ばされたオイルを受ける。
オイルがファイナルドリブンギヤ801の歯面から離れて飛散する方向に、整流盤22が配置され、またハウジング10にジャンプ台23が形成されている。ジャンプ台23は、ファイナルドリブンギヤ801によって掻き上げられたオイルを、オイル受け部21に向けて飛ばすような形状に形成されている。ハウジング10の内壁に沿って矢印OF1方向に沿って流れるオイルは、ジャンプ台23においてハウジング10の内壁から離れ、オイル受け部21に向けて飛ばされる。整流盤22もまた、ジャンプ台23とともにオイル受け部21へオイルを飛ばす形状に形成されている。
ここで、カウンタドリブンギヤ700の回転方向である矢印R2方向は、ファイナルドリブンギヤ801の回転方向である矢印R1方向に対し逆方向である。そのため、カウンタドリブンギヤ700の回転によって、矢印OF1で示すオイル流れ方向に対する逆流が発生する。整流盤22はこの逆流からオイル受け部21へ向かうオイルを遮蔽する役割も果たすが、整流盤22のみでは逆流の影響を低減するには不十分である。特に、整流盤22のみでは、カウンタドリブンギヤ700の側面が及ぼす逆流の影響を低減する効果は小さい。そこで本実施の形態では、この逆流によってオイル受け部21へ向かうオイルの流れが妨げられることを回避するために、第二回転部材70を覆う遮蔽部材30が設けられている。
ファイナルドリブンギヤ801によって掻き上げられたオイルは、ファイナルドリブンギヤ801と噛み合うファイナルドライブギヤ701の歯面とカウンタドリブンギヤ700の側面とによって囲まれる空間をオイル飛散経路OR(図3参照)として、オイル受け部21へ到達するように飛散する。そこで、ファイナルドライブギヤ701の歯面702を覆って、オイル飛散経路ORとファイナルドライブギヤ701の歯面702とを仕切り隔てるように、遮蔽板31を設ける。また、カウンタドリブンギヤ700の側面703を覆って、オイル飛散経路ORとカウンタドリブンギヤ700の側面703とを仕切り隔てるように、遮蔽板32を設ける。遮蔽板31と遮蔽板32とは、遮蔽部材30を構成する。すなわち、オイル飛散経路ORは、遮蔽部材30によって第二回転部材70と仕切られている。
このようにすれば、オイル飛散経路ORと第二回転部材70とを遮蔽部材30によって仕切ることができる。そのため、第二回転部材70の回転によって発生するオイル流れに対する逆流が、ファイナルドリブンギヤ801によって掻き上げられオイル飛散経路OR内をオイル受け部21に向かって流れるオイル流れの妨げとなることを抑制できる。つまり、第二回転部材70が発生させる逆流によりオイル受け部21へ到達するオイルの量が減少することを回避でき、従来と比較してオイル受け部21へのオイル供給量を増加させることができる。したがって、ファイナルドリブンギヤ801の回転数が小さい場合でも、オイル受け部21内にオイルを溜め、ハウジング10内の各部位へオイルを供給できるので、各部位を十分に冷却および潤滑して、各部位の異常温度上昇や焼き付きの発生を抑制することができる。
オイル飛散経路ORをより広く保ち、矢印OF1,OF2に示すオイル受け部21へのオイルの流れをより容易にするために、遮蔽部材30は第二回転部材70の回転を妨げない範囲で可能な限り第二回転部材70に近接させて配置されるのが好ましい。つまり、遮蔽板31をファイナルドライブギヤ701の歯先円と同心の円筒面の一部である形状に形成し、遮蔽板31とファイナルドライブギヤ701との隙間を可能な限り小さくするのが好ましい。また、遮蔽板32を、カウンタドリブンギヤ700の軸線方向において、可能な限りカウンタドリブンギヤ700の側面703に近接させて配置するのが好ましい。
たとえば、遮蔽板31を円筒面形状に形成し、当該円筒形状の内面の半径をファイナルドライブギヤ701の歯先円の半径の101%以上110%以下となるように形成することができる。このようにすれば、ファイナルドリブンギヤ801によって掻き上げられたオイルを、矢印OF1,OF2に示すオイル流れに沿って、より容易にオイル受け部21へ供給することができ、オイル受け部21へのオイル供給効率を向上できる。
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2の遮蔽部材の構成を示す模式図である。図4に示す遮蔽部材30は、カウンタドリブンギヤ700の歯面704を覆う遮蔽板33をさらに有している。そのため、第二回転部材70の回転により発生するオイル流れに対する逆流の影響を、より低減することができる。
図5は、実施の形態2の遮蔽部材の変形例の構成を示す模式図である。図5に示す遮蔽部材30は、整流盤22と一体化されて形成されている。このように、整流盤22は遮蔽部材30と別体として設けられてもよく、遮蔽部材30と一体として設けられてもよい。
整流盤22を遮蔽部材30と別体とすれば、ハウジング10内における遮蔽部材30および整流盤22の配置の自由度が向上し、遮蔽部材30と整流盤22とをハウジング10内に容易に組み付けることができる。一方、整流盤22を遮蔽部材30と一体とすれば、予め整流盤22と一体として組み立てた状態の遮蔽部材30をハウジング10内に設置することにより、整流盤22と遮蔽部材30とを同時にハウジング10内に組み付けることができる。
なお、実施の形態1および2の説明においては、遮蔽板31〜33はそれぞれ板状に形成され、隙間なく第二回転部材70を覆える形状とされているが、第二回転部材70による逆流を妨げオイル受け部21へオイルを導く効果が得られる程度であれば、オイル飛散経路ORと第二回転部材70との間に隙間が形成されていても構わない。たとえば、いずれかの遮蔽板に、ハウジング10への固定のための穴あけ加工、溝加工または切欠き加工などが施されていてもよく、また各々の遮蔽板間に隙間が形成されていても構わない。
また、実施の形態1および2の説明においては、ファイナルドリブンギヤ801の回転運動によりオイル溜めA1内のオイルが掻き上げられる例について説明したが、ハウジング10内の各ギヤの配置は任意に変更することができる。各ギヤの配置変更の結果、たとえばカウンタドリブンギヤ700などの他のギヤがオイル溜めA1の内部に配置され、当該他のギヤの回転運動によってオイルが掻き上げられる構成としてもよい。但し、ギヤ群の中で径が最大のギヤをオイル掻き上げに使用する構成とすれば、よりオイルの掻き上げ効率を向上できるので有利である。
また、実施の形態1および2の説明においては、オイル供給装置がハイブリッド車両のトランスアクスル1に用いられる例について説明したが、本発明のオイル供給装置は、冷却または潤滑のためにオイルが使用されるものであれば、どのような機器にも採用することが可能である。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のオイル供給装置は、ハイブリッド車両のトランスアクスルなど、冷却および潤滑のためのオイルを多く必要とする装置に、特に有利に適用され得る。
ハイブリッド車両の動力伝達装置を示した断面図である。 実施の形態1のオイル供給装置を適用した車両のトランスアクスルを示す側面図である。 遮蔽部材の構成を示す模式図である。 実施の形態2の遮蔽部材の構成を示す模式図である。 実施の形態2の遮蔽部材の変形例の構成を示す模式図である。
符号の説明
1 トランスアクスル、10 ハウジング、11 カバー、12 ケース、21 オイル受け部、22 整流盤、23 ジャンプ台、30 遮蔽部材、31,32,33 遮蔽板、60 第三回転部材、70 第二回転部材、80 第一回転部材、100,200 回転電機、110,210,300,710 回転シャフト、310 入力シャフト、320 出力シャフト、400,500 プラネタリギヤ、600 カウンタドライブギヤ、700 カウンタドリブンギヤ、701 ファイナルドライブギヤ、702,703,704 歯面、800 ディファレンシャル機構、801 ファイナルドリブンギヤ、900 ドライブシャフト、A1 オイル溜め、OF1,OF2,R1,R2,R3 矢印、OR オイル飛散経路。

Claims (3)

  1. 内部にオイル貯留部が形成されたハウジング部と、
    前記ハウジング部の内部において回転可能に設けられ、一部が前記オイル貯留部内のオイルに浸漬された第一回転部材と、
    前記第一回転部材の回転運動により掻き上げられたオイルを受けるオイル受け部と、
    前記第一回転部材に隣接し、前記第一回転部材の回転方向と反対方向へ回転可能に設けられた第二回転部材と、
    前記第一回転部材により掻き上げられたオイルが前記オイル受け部に到達するまでのオイル飛散経路と前記第二回転部材とを仕切る遮蔽部材とを備える、オイル供給装置。
  2. 前記第一回転部材は、第一回転シャフトと、前記第一回転シャフトに固定されて一体として回転する第一歯車とを含み、
    前記第二回転部材は、前記第一回転シャフトと平行に設けられた第二回転シャフトと、前記第二回転シャフトに固定されて一体として回転する第二歯車とを含み、
    前記第一歯車の一部が前記オイル貯留部内のオイルに浸漬されており、
    前記第二歯車は前記第一歯車と噛合しており、
    前記遮蔽部材は、前記第二歯車の歯面を覆う、請求項1に記載のオイル供給装置。
  3. 前記第二回転部材は、前記第二歯車の径よりも大径に形成された第三歯車をさらに含み、
    前記遮蔽部材は、前記第三歯車の側面を覆う、請求項2に記載のオイル供給装置。
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