JP2010001459A - 高発泡倍率の発泡体 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡倍率を上げることで、十分な機械的強度を持ち、軽量で、切削性に優れる等の特徴を持つ環状オレフィン系樹脂を用いた発泡体を提供する。
【解決手段】環状オレフィン成分を共重合成分として含むガラス転移点が80℃以下の環状オレフィン系樹脂を含有する樹脂組成物を、発泡体密度が、0.016g/cmから0.009g/cmになるように発泡成形する。発泡させる樹脂組成物に含まれる環状オレフィン系樹脂は環状オレフィン成分を50質量%から70質量%含むことが好ましい。また、発泡倍率は60倍から115倍になるように発泡させることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス転移点の低い環状オレフィン系樹脂を用いた高発泡倍率の発泡体に関する。
発泡体の製造に用いる樹脂材料としては、従来から、ポリエチレンやポリスチレン等が知られている。しかし、このような樹脂材料を用いて得られる発泡体は、用途上、耐熱性や耐薬品性等が十分ではない場合があり、改善が求められていた。
そこで、環状オレフィン系樹脂を用いた発泡体が開示されている(特許文献1)。環状オレフィン系樹脂は、主鎖に環状オレフィンの骨格を有する樹脂であり、高透明性、低複屈折性、高熱変形温度、軽量性、寸法安定性、低吸水性、耐加水分解性、耐薬品性、低誘電率、低誘電損失、環境負荷物質を含まない等、多くの特徴をもつ樹脂である。このような多くの特徴を持つ環状オレフィン系樹脂は、これらの特徴が必要とされる多種多様な分野に用いる。また、環状オレフィン系樹脂は上記特徴に加えて、発泡成形性が良好であるとともに、高剛性に由来する耐側圧性にも優れる。このため、環状オレフィン系樹脂は発泡体の製造に用いる樹脂材料として好適である。
特開平2−289632号公報 特開2007−145987号公報
ところで、発泡体は高発泡倍率であることが求められている。発泡倍率が高ければ、より軽量で、発泡体の製造に用いる樹脂材料の使用量も削減できるからである。また、発泡倍率を上げるためには十分な機械的強度をもつ環状オレフィン系樹脂であることが必要であり、十分な機械的強度により切削性の改善もできる。しかし、通常発泡倍率を上げると、発泡セルの膨張により通常は耐側圧性が悪化する。さらに膨張によって発泡セルが破断するという問題もある。このため、発泡倍率を上げても発泡セルの独立が一定程度は保たれ、十分な機械的強度を有する発泡体が求められている。
現在では、発泡密度が0.02g/cmから0.05g/cmの環状オレフィン系樹脂を用いた軽量な発泡体が開示されているが(特許文献2)、環状オレフィン系樹脂を用いた発泡体には、さらなる軽量化等の改善が求められている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、発泡倍率を上げることで、十分な機械的強度を持ち、軽量で、切削性に優れる等の特徴を持つ環状オレフィン系樹脂を用いた発泡体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、環状オレフィン成分を共重合成分として含むガラス転移点が80℃以下の環状オレフィン系樹脂を含有する樹脂組成物の発泡体であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂を含有する樹脂組成物の発泡体であって、前記環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が80℃以下であり、発泡体密度が0.016g/cmから0.009g/cmである発泡体。
(1)の発明によれば、環状オレフィン成分を共重合成分として含むガラス転移点が80℃以下の環状オレフィン系樹脂を含有する樹脂組成物を用いて発泡体を製造することで、発泡体の発泡体密度を0.016g/cmから0.009g/cmに低下させ、発泡体の軽量化や樹脂原料の使用量の削減を達成することができる。
発泡成形後の冷却中も発泡セル内の内圧と発泡セルの外側の外圧とを比べると成形直後は、内圧の方が大きい。環状オレフィン系樹脂は非晶質であるため、結晶化してこの内圧による膨張の抑制をすることや結晶化することによる収縮は無いので、発泡成形後にも発泡体は膨張し、発泡体密度が低下する。特に、本発明の発泡体の製造に用いる環状オレフィン系樹脂は、ガラス転移点が80℃以下であるため、低い温度まで柔軟である。したがって、本発明の発泡体は発泡成形後も大きく膨張するため、高発泡倍率、軽量化等を実現できる。
本発明の発泡体は環状オレフィン系樹脂を用いている。環状オレフィン系樹脂は室温で高い剛性を持つ。したがって、本発明の発泡体は切削性が良好なので、加工がしやすく、容易に所望の形状の発泡体を得ることができる。
本発明で使用する環状オレフィン樹脂のガラス転移点(Tg)は、JIS K7121記載の方法によって昇温速度10℃/分の条件で測定した値を採用する。
(2) 前記環状オレフィン系樹脂が環状オレフィン成分を50質量%から70質量%含む(1)に記載の発泡体。
(2)の発明によれば、環状オレフィン系樹脂内の環状オレフィン成分が上記範囲にあることで、環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が高くなることを防ぎ、発泡成形後の膨張を促進できる。したがって、環状オレフィン系樹脂の持つ良好な発泡成形性、高い機械的強度を維持しつつ、ガラス転移点が低いのでより低密度な発泡体が得やすくなる。
また、上記範囲内で環状オレフィン系樹脂に含まれる環状オレフィン成分の量を変化させることで、発泡倍率を調整することができる。発泡倍率を調整することで、やや機械的強度に劣るが極めて軽い発泡体から、強い機械的強度を持つが従来よりもやや軽い発泡体まで、所望の発泡体を得ることができる。
(3) 前記樹脂組成物が環状オレフィン系樹脂70質量%から100質量%、ポリエチレンを0質量%から30質量%含む(1)又は(2)に記載の発泡体。
(3)の発明によれば、環状オレフィン系樹脂組成物が上記範囲内で環状オレフィン系樹脂とポリエチレンとを含むことで、ポリエチレンの性質を併せ持つ発泡体を得ることができる。より具体的には、低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンの場合は、可撓性に優れた発泡体を得ることができる。発泡体に可撓性を付与することで切削性は悪化するが、上記範囲内であれば切削性にほとんど影響を与えない。高密度ポリエチレンを含む場合には、引っ張り強さや耐衝撃性等の機械的強度がより強くなる。高密度ポリエチレンは発泡成形性が悪く、結晶性も高いため高発泡の妨げになるが、上記範囲内であれば問題が無い。
上記範囲内で、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンの含有量を調整することで、発泡体の可撓性、機械的強度等を調整することができる。したがって、所望の性質を持つ高発泡倍率の発泡体を容易に得ることができる。
(4) 前記発泡体の発泡倍率が60%から115%である(1)から(3)いずれかに記載の発泡体。
(4)発泡体の発泡倍率を上記範囲にすることで、比重を下げることができる。比重を下げることで発泡体を軽量化し、発泡体の製造に必要な樹脂の使用量を削減することができる。
発泡倍率とは、発泡体に含まれる気泡の程度を示すものである。気泡が多ければ発泡体内は、ガスが占める割合が多くなる。このため、発泡倍率は高いほうが発泡体の比重は小さくなる。本発明の発泡体は、従来のものよりも高い発泡倍率を実現することができる。これは、非晶性で且つガラス転移点の低い環状オレフィン系樹脂を用いることで、成形後も発泡体は気泡の内圧と外圧の差により膨張を続けることと、環状オレフィン系樹脂の良好な耐側圧性と、良好な発泡成形性と、によるためである。発泡成形性が良好であれば、発泡倍率を上げても発泡セルはある程度独立して存在できる。なお、本明細書中の発泡倍率とは、下記式(1)により求めた発泡倍率をいう。
Figure 2010001459
(5) 前記発泡体の圧縮降伏応力が0.03MPaから0.10MPaである(1)から(4)いずれかに記載の発泡体。
(5)の発明によれば、一定の機械的強度を持つ高発泡倍率の発泡体を得ることができる。通常、発泡倍率を上げると、発泡体内は気泡の量が多くなり機械的強度が著しく低下する。しかし、ガラス転移点が80℃以下の環状オレフィン系樹脂を用いることで樹脂組成物の剛性が向上し、特に圧縮弾性率の著しい低下を防ぐことができる。
(6) 前記発泡体の圧縮降伏応力と発泡体密度との比率が3.9以上である(1)から(5)いずれかに記載の発泡体。
(6)の発明によれば、圧縮降伏応力と発泡体密度との比率が3.9以上なので、本発明の発泡体は高発泡にもかかわらず、機械的強度も十分にある。したがって、軽くて丈夫な高発泡倍率の発泡体を得ることができる。
圧縮降伏応力と発泡体密度との比率とは、圧縮降伏応力/発泡体密度により得られる値を採用する。
本発明によれば、環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂を含有するガラス転移点が80℃以下の樹脂組成物を発泡体にすることで、軽量、切削性に優れ、高い発泡倍率にもかかわらず十分な機械的強度を備えた環状オレフィン系樹脂を用いた発泡体を得ることができる。
環状オレフィン系樹脂を用いているので繰り返し加重を受けても割れにくく、発泡体としての性能が低下しにくい。また、環状オレフィン系樹脂は非芳香族であるため燃焼時に有害ガスを発生しないので、廃棄して燃焼させても環境負荷が小さい。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
<環状オレフィン系樹脂>
以下、本発明の発泡体の必須成分となる環状オレフィン系樹脂について説明する。環状オレフィン系樹脂は、良好な発泡成形性、耐側圧性等の性質を有するため、高発泡倍率の発泡体の製造に用いる材料として好ましい。本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン成分を共重合成分として含むものであり、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン系樹脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、
(a1)環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、
(a2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物、
(a3)環状オレフィンの開環(共)重合体又はその水素添加物、を挙げることができる。
また、本発明に用いられる環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂としては、
(a4)上記(a1)〜(a3)の樹脂に、極性基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合したもの。
極性基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基等を挙げることができ、極性基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。
本発明においては、上記の環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂(a1)〜(a4)は、1種単独であっても、二種以上を混合使用してもよい。
また、本発明に用いられる環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂としては、市販の樹脂を用いることも可能である。市販されている環状オレフィン系樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(TOPAS ADVANCED POLYMERS社製)、アペル(登録商標)(三井化学社製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン社製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)、アートン(登録商標)(JSR社製)等を挙げることができる。
本発明の組成物に好ましく用いられる(a2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体としては、特に限定されるものではない。特に好ましい例としては、〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、〔2〕下記一般式(I)で示される環状オレフィン成分と、を含む共重合体を挙げることができる。
Figure 2010001459
(式中、R〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、RとR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。また、nは、0又は正の整数を示し、nが2以上の場合には、R〜Rは、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
〔〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分〕
本発明に好ましく用いられる環状オレフィン成分とエチレン等の他の共重合成分との付加重合体の共重合成分となる炭素数2〜20のα−オレフィンは、特に限定されるものではない。例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等を挙げることができる。また、これらのα−オレフィン成分は、1種単独でも2種以上を同時に使用してもよい。これらの中では、エチレンの単独使用が最も好ましい。
〔〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン成分〕
本発明に好ましく用いられる環状オレフィン成分とエチレン等の他の共重合成分との付加重合体において、共重合成分となる一般式(I)で示される環状オレフィン成分について説明する。
一般式(I)におけるR〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものである。
〜Rの具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
また、R〜R12の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ステアリル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等の置換又は無置換の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、その他アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
とR10、又はR11とR12とが一体化して2価の炭化水素基を形成する場合の具体例としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基等を挙げることができる。
又はR10と、R11又はR12とが、互いに環を形成する場合には、形成される環は単環でも多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、二重結合を有する環であってもよく、またこれらの環の組み合わせからなる環であってもよい。また、これらの環はメチル基等の置換基を有していてもよい。
一般式(I)で示される環状オレフィン成分の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の2環の環状オレフィン;
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエン又はこれらの部分水素添加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン;5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンといった3環の環状オレフィン;
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4,4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンといった4環の環状オレフィン;
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.13,6.01,9.02,7]テトラデカ−4,9,11,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.14,7.01,10.03,8]ペンタデカ−5,10,12,14−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−へキサヒドロアントラセンともいう);ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02,7.13,6.110,13]−4−ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.03,8.14,7.012,17.113,l6]−14−エイコセン;シクロペンタジエンの4量体等の多環の環状オレフィンを挙げることができる。
これらの環状オレフィン成分は、1種単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中では、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、テトラシクロドデセンが好ましく用いられる。
本発明においては環状オレフィン系樹脂が環状オレフィン成分を50質量%から70質量%含むことが好ましい。より好ましくは55質量%から60質量%である。環状オレフィン系樹脂が環状オレフィン成分を上記範囲含むことで、環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が高くなることを防ぎ、発泡成形後の膨張を促進できるので好ましい。
〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と〔2〕一般式(I)で表される環状オレフィン成分との重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って行うことができる。ランダム共重合であっても、ブロック共重合であってもよいが、ランダム共重合であることが好ましい。
また、用いられる重合触媒についても特に限定されるものではなく、チーグラー・ナッタ系、メタセシス系、メタロセン系触媒等の従来周知の触媒を用いて周知の方法により得ることができる。本発明に好ましく用いられる環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物は、メタロセン系触媒やチーグラー・ナッタ系触媒を用いて製造されることが好ましい。
メタセシス触媒としては、シクロオレフィンの開環重合用触媒として公知のモリブデン又はタングステン系メタセシス触媒(例えば、特開昭58−127728号公報、同58−129013号公報等に記載)が挙げられる。また、メタセシス触媒で得られる重合体は無機担体担持遷移金属触媒等を用い、主鎖の二重結合を90%以上、側鎖の芳香環中の炭素−炭素二重結合の98%以上を水素添加することが好ましい。
〔その他共重合成分〕
本発明の組成物に特に好ましく用いられる(a2)環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体は、上記の〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。
任意に共重合されていてもよい不飽和単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体等を挙げることができる。炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体の具体例としては、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、4−メチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボンネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、4,9,5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン;2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン;2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等を挙げることができる。これらのうちでは、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、及び環状非共役ジエン、とりわけ、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエンが好ましい。
環状オレフィン系樹脂のガラス転移点は80℃以下である。ガラス転移点が80℃以下であれば、発泡成形後に室温付近まで冷却されたとしても、固形ガラス状態として、極めて遅い速度であれば流動性は失われない。したがって、発泡体内部の気泡の内圧は外圧より大きいので、発泡体は発泡成形後も膨張することができる。このため、発泡倍率がより向上し、発泡体は軽量になる。より好ましいガラス転移点は、60℃から80℃である。環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が上記範囲にあることで、発泡体は十分な機械的強度を持ち、且つ発泡倍率が高く軽量になる。
<ポリエチレン>
本発明の発泡体の任意成分となる高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンについて説明する。高密度ポリエチレンは、結晶性が高まり機械的強度が増すので好ましい。低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンは、可撓性を有するため発泡体に柔軟性を付与することができるので好ましい。特に環状オレフィン系樹脂のみでは柔軟性に欠けるため、それを補うために低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等を加えて可撓性を付与することは好ましい。
ポリエチレンはJIS K6922−1で規定されるMFRが1.0〜10.0g/10minであることが好ましく、より好ましくは2.0〜8.0g/10minである。1.0g/10minより低い場合は可撓性を得る事ができるが、流動性が悪くなり良好な成形加工性が得られない可能性があり、10.0g/10minを超えると成形加工性は良好となるが、可撓性が得られない可能性がある。
発泡体におけるポリエチレンの含有量が、30質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、15質量%以下である。高密度ポリエチレンは発泡成形性が悪く高発泡倍率の発泡体になることを抑える可能性があり、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンにより、可撓性を付与すると、切削性が悪くなり発泡体の後加工性が悪化する可能性があるが、上記範囲内であれば、ポリエチレンを含むことによる不利益が現れないので好ましい。
<その他成分>
本発明の発泡体には、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の熱可塑性樹脂、各種配合剤等を添加することができる。他の樹脂としては、例えば、他のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、フッ素樹脂等が例示される。これらの他の樹脂は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。また、配合剤としては、安定剤(酸化防止剤又は抗酸化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等)、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤(染料や顔料等)、潤滑剤、可塑剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、ドリッピング防止剤、架橋剤等が例示される。
<樹脂組成物>
樹脂組成物とは、上記環状オレフィン系樹脂、ポリエチレン等を含む発泡体成形前の樹脂組成物をいう。樹脂組成物の材料密度は0.90g/cm〜1.20g/cmが好ましく、より好ましくは0.90g/cm〜1.10g/cmである。上記範囲であれば、高発泡度の発泡体にしても、独立発泡を保ち十分な機械的強度を持つ発泡体を得ることができる。
<発泡体の製造方法>
本発明の発泡体は、前記樹脂組成物を発泡成形して製造することができる。発泡体を製造する適当な工程において、必要により、発泡剤(又は発泡助剤)、発泡核剤等を用いてもよい。
上記発泡剤としては、物理発泡に用いられる揮発性発泡剤や、化学発泡に用いられる分解性発泡剤等が挙げられる。揮発性発泡剤としては、例えば、不活性又は不燃性ガス(窒素、炭酸ガス、フロン、代替フロン等)、水、有機系物理発泡剤[例えば、脂肪族炭化水素(プロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタン(n−ペンタン、イソペンタン等)、ヘキサン(n−ヘキサン等)等)、芳香族炭化水素(トルエン等)、ハロゲン化炭化水素(三塩化フッ化メタン等)、エーテル類(ジメチルエーテル、石油エーテル等)、ケトン類(アセトン等)等]が挙げられる。また、分解性発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機炭酸塩又はその塩;クエン酸等の有機酸又はその塩(クエン酸ナトリウム等);2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミド等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)等のニトロソ化合物;テレフタルアジド等のアジド化合物等が挙げられる。これらの発泡剤のうち、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、クエン酸等の有機酸又はその塩(クエン酸ナトリウム等)等を用いる場合が多い。これらの発泡剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
発泡剤の割合は、上記環状オレフィン系樹脂100質量部又は上記環状オレフィン系樹脂と上記ポリエチレンとの合計量100質量部に対して、0.1質量部〜40質量部、好ましくは0.3質量部〜35質量部、さらに好ましくは0.5質量部〜30質量部程度であってもよい。
前記発泡核剤としては、前記発泡剤の項で例示の重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機炭酸塩又はその塩;クエン酸等の有機酸又はその塩(クエン酸ナトリウム等)等の他、ケイ酸化合物(タルク、シリカ、ゼオライト等)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム等)、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ等)等が挙げられる。これらの発泡核剤は、単独で又は二種以上組み合わせ使用してもよい。前記発泡核剤のうち、特に、タルク等のケイ酸化合物等を使用すると、気泡構造を均一化できる。
発泡核剤の割合は、特に限定されず、上記環状オレフィン系樹脂100質量部又は上記環状オレフィン系樹脂と上記ポリエチレンとの合計量100質量部に対して、例えば、0.1質量部〜10質量部、好ましくは0.2質量部〜8質量部、さらに好ましくは0.3質量部〜5質量部程度であってもよい。
発泡剤、発泡核剤は、それぞれ、上記樹脂組成物(樹脂ペレット等を含む)に予め含有させてもよく、発泡成形過程で樹脂組成物に添加又は圧入してもよい。なお、前記例示の添加剤等も、必要により、発泡成形の適当な段階で、樹脂組成物に添加してもよい。
前記樹脂組成物は、各成分の混合物であってもよく、ペレット状等の形態であってもよい。
通常、前記樹脂組成物を溶融混練し、発泡成形することにより、発泡体を得ることができる。
溶融混練は、慣用の溶融混練機、例えば、一軸又はベント式二軸押出機等を用いて行うことができる。また、溶融混練に先だって、慣用の方法、例えば、混合機(タンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサー、リボンミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機等)を用いて、ポリエチレン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂と、他の成分(相溶化剤、発泡剤、発泡核剤、添加剤等)等とを予備混合してもよい。
発泡成形法としては、慣用の方法、例えば、押出成形法(例えば、Tダイ法、インフレーション法等)、射出成形法等が使用できる。
なお、発泡成形温度は、例えば、70℃〜300℃、好ましくは80℃〜280℃、さらに好ましくは85℃〜260℃程度であってもよい。
<発泡体>
本発明の発泡体は上記樹脂組成物の発泡体であって、発泡体密度が0.016g/cm〜0.009g/cmであることを特徴とする。発泡体密度が大きすぎると軽量化の効果が得られないので好ましくない。発泡体密度が上記範囲にあることで軽量化と十分な機械的強度の両立を図ることができる。ガラス転移点の低い環状オレフィン系樹脂を用いることで、発泡成形後も発泡体は膨張をつづけるので、低い発泡体密度を実現することができる。ここで、発泡体密度は、樹脂組成物の材料密度を発泡倍率で割ることで得られる値を採用した。
本発明の発泡体は、発泡倍率が60倍〜115倍であることが好ましい。より好ましくは、90倍〜115倍である。安定した品質の発泡体を生産するために、発泡体の発泡倍率は上記範囲であることが好ましい。また、発泡体密度の場合と同様に、発泡倍率が低すぎると軽量化の効果が得られないので好ましくない。
発泡体密度、発泡倍率の調整は、樹脂組成物の成分、発泡剤の種類、発泡剤の添加量、製法等により調整することができる。
発泡体の気泡構造は特に限定されず、独立気泡構造であっても連続気泡構造であってもよく、双方の気泡構造が混在していてもよい。用途に応じて適宜変更することができる。独立気泡構造、連続気泡構造の制御は従来公知の方法で行うことができる。
発泡体の圧縮降伏応力は特に限定されず、発泡体の用途に応じて適宜設定が可能であるが、軽量且つ機械的強度に優れた発泡体を得るためには、発泡体の圧縮降伏応力は0.03MPa以上であることが好ましい。より好ましくは0.04MPa以上である。
発泡体の圧縮弾性率は特に限定されず、発泡体の用途に応じて適宜設定することが可能である。圧縮弾性率は0.6MPa〜4.0MPaであることが好ましく、より好ましくは、1.0MPa〜3.0MPaである。発泡体の圧縮弾性率が上記範囲にあることで、軟らかすぎず硬すぎない発泡体を得ることができる。一定の硬さがあることにより切削性も向上するので好ましい。特に本願発明の発泡体は、圧縮後の残留歪が大きいので、圧力が加わっても変形が小さくなるように圧縮弾性率は高いほうが好ましい。
本発明の発泡体は、柱状、ボード状、シート状、フィルム状、板状、棒状、箱状、塊状、チューブ状、繊維状、網状、粒子状、複雑な形状を有するもの等各種形状のものとして有用である。特に本発明の発泡体は切削性に優れるため、容易に所望の形状に加工することができる。
本発明の発泡体は、電気・電子部品(各種ハウジング、歯車、ギア等)、建築資材、土木資材、農業資材、自動車部品(内装・外装部品等)、包装資材(各種容器、緩衝材等)、生活資材(日用品、スポーツ用品等)、遊技機用資材等各種用途に利用することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<各種材料>
[環状オレフィン樹脂]
・TOPAS ADVANCED POLYMERS社製、商品名:TOPAS9506F−04、TOPAS8007F−04、TOPAS6013S−04、
[低密度ポリエチレン]
・低密度ポリエチレン; 住友化学株式会社製、商品名:F101−1
[発泡剤]
・ブタン/ペンタン(質量比)=50/50の混合発泡剤
<発泡体の製造方法>
環状オレフィン系樹脂、ポリエチレン、及び発泡剤を表1、表2に示す割合で用いて、押出機(口金6mmΦ)を使用して、柱状に押し出し、発泡体を得た。発泡体の径方向の断面形状は、外径25mmの花形状であった。得られた発泡体を長さ30mmに切断して試験片を作製し以下の評価を行った。
<測定・評価方法>
下記表1、2に示す樹脂配合で得られた実施例及び比較例発泡体の、発泡倍率、発泡体密度、圧縮降伏応力、圧縮弾性率、圧縮降伏応力と発泡体密度との比率、0.5時間後の残留歪、24時間後の残留歪、実施例及び比較例に用いた樹脂組成物の材料密度を測定した。より具体的には以下に説明する。
[発泡倍率の測定]
発泡倍率は比重法で測定した。発泡前の樹脂組成物の材料密度と、発泡体の密度を測定し上記式(1)を用いて測定した。実施例及び比較例の発泡体の発泡倍率の測定結果を表1、表2に示した。
[発泡体密度の測定]
発泡体密度は、その実施例及び比較例の発泡体の重量と水没法により求める体積を用いて、発泡体の重量(g)/発泡体の体積(cm)から求めることができる。実施例、比較例の発泡体密度の値を表1及び表2に示した。
[圧縮試験]
円柱の円の面から垂直方向に荷重をかけて圧縮強度を測定した。測定にはオリエンテック製テンシロン UTA−50KNを用い、試験速度5mm/min、圧縮距離7.3mmの条件で圧縮降伏応力、圧縮弾性率を求めた。測定結果を表1、表2に示した。
外径25mm、高さ30mmの発泡体の試験片を高さ24mmの治具内に圧縮して、24時間固定した。圧縮終了後30分後及び24時間後の寸法を測定し残留歪を測定した。
測定結果を表1、表2に示した。
Figure 2010001459
Figure 2010001459
実施例の発泡倍率は61.9倍〜113.3倍であり、発泡体密度は0.016(g/cm)〜0.009(g/cm)であった。これに対し、比較例の発泡倍率は43.8倍〜48.5倍であり、発泡体密度は0.02(g/cm)〜0.023(g/cm)であった。したがって、本発明の発泡体は従来の発泡体に比べて軽量であることが確認された。
実施例の圧縮降伏応力は0.0422MPa〜0.0867MPaであり、圧縮弾性率は1.25MPa〜2.91MPaであった。これに対し、比較例の圧縮降伏応力は0.048MPa〜0.0658MPaであり、圧縮弾性率は0.28MPa〜2.04MPaであった。本発明の発泡体は発泡倍率が高く内部に気泡が多いにもかかわらず従来の発泡体以上の機械的強度を持つことが確認された。本発明の発泡体が軽量且つ機械的強度に優れた発泡体であることは圧縮降伏応力/発泡体密度の値が3.95以上であることからも確認された。また、本発明は従来品以上の圧縮弾性率を持つことから切削性にも優れることが確認された。
実施例、比較例共に環状オレフィン系樹脂を含む発泡体は、残留歪が大きいが、本発明は機械的強度に優れ十分な硬さを持つため、変形を抑えることができる。

Claims (6)

  1. 環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂を含有する樹脂組成物の発泡体であって、
    前記環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が80℃以下であり、
    発泡体密度が0.016g/cmから0.009g/cmである発泡体。
  2. 前記環状オレフィン系樹脂が環状オレフィン成分を50質量%から70質量%含む請求項1に記載の発泡体。
  3. 前記樹脂組成物が環状オレフィン系樹脂70質量%から100質量%、ポリエチレンを0質量%から30質量%含む請求項1又は2に記載の発泡体。
  4. 前記発泡体の発泡倍率が60倍から115倍である請求項1から3いずれかに記載の発泡体。
  5. 前記発泡体の圧縮降伏応力が0.03MPaから0.10MPaである請求項1から4いずれかに記載の発泡体。
  6. 前記発泡体の圧縮降伏応力と発泡体密度との比率が3.9以上である請求項1から5いずれかに記載の発泡体。
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