JP2010000001A - バリカン式刈刃装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】刈刃体のメンテナンス性を十分に確保しつつ、その往復運動の円滑化を図る。
【解決手段】本発明のバリカン式刈刃装置1は、逆方向に往復駆動される第1および第2の駆動体15,16と、これら第1および第2の駆動体15,16と着脱自在に係合して一体に往復駆動される第1および第2の刈刃体13,14と、これらの部材を摺動自在に挟持する着脱自在な一対のガイド板11,12とを備える。そして、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部31,33間に形成される第1境界線Q1と、上記第2刈刃体14および第2駆動体16の各係合部32,34間に形成される第2境界線Q2とが平面視で点でのみ交差するとともに、その状態が往復運動の全ストロークに亘って維持されるように、上記刈刃体13,14および駆動体15,16の各係合部31〜34が形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、厚み方向に重ね合わせられ、所定の駆動機構により逆方向に往復駆動される一対の板状体からなる第1および第2の駆動体と、これら第1および第2の駆動体の反駆動側の端部と着脱自在に係合して一体に往復駆動されるとともに、所定形状の刈刃を側辺部に有した一対の板状体からなる第1および第2の刈刃体と、上記刈刃体および駆動体の厚み方向両側に配置されて両者を摺動自在に挟持する着脱自在な一対のガイド板とを備えたバリカン式刈刃装置に関する。
従来から、草刈機や剪枝機に用いられるバリカン式刈刃装置として、例えば下記特許文献1に開示されたものが知られている。その一例を図21に示す。本図に示されるバリカン式刈刃装置200は、図外のミッションケースに基端部(図中右側の端部)が連結された上部ガイド板201およびその下面側に着脱自在に連結された下部ガイド板202と、これら両ガイド板201,202の間に長手方向に往復摺動可能な状態で挟持された上部刈刃体203および下部刈刃体204と、上記ミッションケース内に設けられた図外の駆動機構により相互に逆方向に往復駆動される上部駆動部材207および下部駆動部材208とを備える。そして、上記各刈刃体203,204の基端部に、上記各駆動部材207,208の先端部(反駆動側の端部)がそれぞれ同一平面での嵌込み鍵手結合により着脱自在に係合することにより、上記刈刃体203,204が駆動部材207,208と一体に長手方向に往復駆動されるように構成されている。
具体的に、図21の例では、上部刈刃体203および下部刈刃体204の各基端部に、それぞれ幅方向に一段の凹凸をなす鍵手状の連結部203a,204aが形成されるとともに、上部駆動部材207および下部駆動部材208の先端部に、幅方向に一段の凹凸をなして上記連結部203a,204aに上下方向から嵌め込み結合される鍵手状の連結部207a,208aが形成され、これら各連結部203a,204a,207a,208aを介して、上記刈刃体203,204および駆動部材207,208が着脱自在に係合して一体に往復駆動されるようになっている。
この特許文献1に開示された構成において、上部刈刃体203および下部刈刃体204を取り外すには、まず上部ガイド板201および下部ガイド板202を相互に連結しているボルト等の締結を解除し、図外のミッションケースに連結支持された上記上部ガイド板201から下部ガイド板202を分離する。そして、この状態で上部刈刃体203および下部刈刃体204を駆動部材207,208に対し上下方向に相対移動させれば、上記各刈刃体203,204を駆動部材207,208から容易に取り外すことができる。したがって、上記特許文献1の構成によれば、刈刃体203,204の着脱性を向上させることができ、その歯部203b,204bを再研磨する等のメンテナンス作業を容易に行えるという利点がある。
特開平8−172838号公報
ところで、上記特許文献1において、上部刈刃体203の連結部203a(または上部駆動部材207の連結部207a)と、下部刈刃体204の連結部204a(または下部駆動部材208の連結部208a)とは、特に形状が異なるといった記載はなく、互いに同一形状であると考えられる。このため、上部刈刃体203および上部駆動部材207の各連結部203a,207aの間に形成される境界線をQ201、下部刈刃体204および下部駆動部材208の各連結部204a,208aの間に形成される境界線をQ202とすると、これら両境界線Q201,Q202は、平面視で見たときに、図22(a)〜(c)に示すように、上記刈刃体203,204が1ストローク分動く間に必ず一度は一致する(図22(b))。なお、図22では、上部刈刃体203および上部駆動部材207を太い一点鎖線で、下部刈刃体204および下部駆動部材208を細い破線で示している。そして、図22(b)に示すように上記両境界線Q201,Q202が平面視で一致すると、これら境界線Q201,Q202の部分に存在する段差により引っ掛かりが生じ、上記刈刃体203,204の往復運動がスムーズに行われなくなるおそれがある。
すなわち、刈刃体203,204の厚み寸法と、駆動部材207,208の厚み寸法との間には、通常、製作時の寸法公差等に起因した誤差が存在するため、上記境界線Q201,Q202を境にして、それぞれ、上記寸法誤差による段差が生じる。そして、このような段差が生じると、上記境界線Q201,Q202が平面視で一致したときに、上記各段差どうしが線接触することにより、当該部に引っ掛かりが生じて上記刈刃体203,204の往復運動が阻害されるおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、刈刃体のメンテナンス性を十分に確保しつつ、その往復運動の円滑化を効果的に図ることが可能なバリカン式刈刃装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、厚み方向に重ね合わせられ、所定の駆動機構により逆方向に往復駆動される一対の板状体からなる第1および第2の駆動体と、これら第1および第2の駆動体の反駆動側の端部と着脱自在に係合して一体に往復駆動されるとともに、所定形状の刈刃を側辺部に有した一対の板状体からなる第1および第2の刈刃体と、上記刈刃体および駆動体の厚み方向両側に配置されて両者を摺動自在に挟持する着脱自在な一対のガイド板とを備えたバリカン式刈刃装置であって、上記第1刈刃体および第1駆動体の各係合部間に形成される第1境界線と、上記第2刈刃体および第2駆動体の各係合部間に形成される第2境界線とが平面視で点でのみ交差するとともに、その状態が往復運動の全ストロークに亘って維持されるように、上記刈刃体および駆動体の各係合部が形成されたことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、駆動機構により往復駆動される第1および第2の駆動体に対し第1および第2の刈刃体が着脱自在に係合しており、これらの部材が着脱自在な一対のガイド板の間に摺動自在に挟持されているため、作業者は、上記一対のガイド板どうしを分離すれば、上記駆動体から刈刃体を容易に取り外すことができ、これら各刈刃体の刈刃を再研磨する等のメンテナンス作業を、上記のように刈刃体を取り外した状態で容易に行うことができる。
しかも、第1刈刃体および第1駆動体の各係合部間に形成される第1境界線と、第2刈刃体および第2駆動体の各係合部間に形成される第2境界線とが、往復運動の全ストロークに亘って点でのみ交差するようになっているため、例えば上記刈刃体や駆動体の厚み寸法の誤差に起因した段差が上記各境界線の部分に生じている場合でも、これら各段差どうしが線接触することがなく、それによって生じる引っ掛かりにより上記各刈刃体の往復運動が阻害されるのを有効に回避することができる。この結果、上記各刈刃体のメンテナンス性を十分に確保しつつ、その往復運動の円滑化を効果的に図ることができ、バリカン式刈刃装置の性能をより高めてその作業性を効果的に向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記第1および第2の境界線が曲線のみからなり、かつその形状が平面視で互いに異なるように、上記刈刃体および駆動体の各係合部が形成される(請求項2)。
この構成によれば、上記のように両境界線が点でのみ交差する状態を適正につくり出すことができ、上記各刈刃体の往復運動を確実に円滑化できるという利点がある。
さらにこの場合、上記第1および第2の刈刃体と、上記第1および第2の駆動体とが、それぞれ、軸線に対し非対称な係合部を有した同一の部品からなり、このうちの一方の刈刃体および駆動体が、他方の刈刃体および駆動体に対し表裏逆向きの姿勢で取り付けられるように構成されることが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、上記一対の刈刃体および駆動体として同一の部品を使用しつつ、これらを表裏逆向きの姿勢で取り付けることにより、その係合部の平面形状を互いに異ならせて上記第1および第2の境界線を点でのみ交差させることができ、より簡単かつ低コストな構成で上記各刈刃体の往復運動を円滑化できるという利点がある。
上記刈刃体および駆動体の各係合部のうちいずれか一方が、長手方向に突設された所定形状の突片から構成され、かつ他方の係合部が、上記一方の係合部に対応するように切り欠かれた凹部を有する場合、往復運動時に上記他方の係合部に加わる力が、その凹部の開口幅を狭める方向に作用するように、上記刈刃体および駆動体の各係合部が形成されることが好ましい(請求項4)。
この構成によれば、他方の係合部に設けられた凹部が相手側の係合部に対し常に密着するように締め付けられるため、両者の間にガタつきが生じるのを効果的に防止できるという利点がある。
また、本発明において、好ましくは、上記刈刃体および駆動体における各係合部の設置部の幅寸法が、上記駆動体の基端側の幅寸法、および上記刈刃体のうち刈刃が設けられる部分の幅寸法に対し所定量大きい値に設定される(請求項5)。
この構成によれば、上記刈刃体および駆動体の各係合部が応力集中により変形するのを効果的に防止することができ、上記係合部での適正な係合状態を長期間に亘って確実に維持できるという利点がある。
また、本発明においては、上記一対のガイド板のうち少なくとも1つに、これを長手方向に延長するように延びる延長板が着脱自在に取り付けられるように構成することが好ましい(請求項6)。
この構成によれば、延長板をガイド板に対し着脱することにより、長さの異なる複数種類の刈刃体を用途に応じて適正に使い分けることができ、バリカン式刈刃装置の使い勝手をさらに向上させることができるという利点がある。
また、本発明において、上記一対のガイド板が、両者を厚み方向に貫通するボルトおよびその先端部に螺着されるナットを介して互いに連結されている場合、上記ボルトの軸部のうちガイド板の壁面から離間した位置に、上記ナットの締め込み時にその底部が突き当てられる段差部が設けられ、上記ナットの底部とガイド板との間に、両者を離間させる方向に付勢する付勢手段が設けられることが好ましい(請求項7)。
この構成によれば、一対のガイド板をボルト・ナットを用いて締結する際に、作業者は、上記ボルトの段差部にナットを突き当てるまで締め付ければ、このナットとガイド板との間に設けられた付勢手段の反発力により、上記一対のガイド板の間に一定の締め付け力を生じさせることができる。このため、上記段差部に突き当てるまで目いっぱいナットを締め付けるだけの簡単な作業により、一対のガイド板を常に適正な締付力で締結することができ、両者の間に挟持される刈刃体を適正な組付状態(ガタつきなくかつスムーズに往復摺動し得る状態)に安定的に保持できるという利点がある。
以上説明したように、本発明のバリカン式刈刃装置によれば、刈刃体のメンテナンス性を十分に確保しつつ、その往復運動の円滑化を効果的に図ることができる。
<実施形態1>
図1〜図3は、本発明の第1実施形態にかかるバリカン式刈刃装置1の全体構成を示している。これらの図に示されるバリカン式刈刃装置1は、図外のエンジンの出力軸による回転運動を往復運動に変換するクランク機構等からなる駆動機構6が内蔵されたミッションケース5と、このミッションケース5に一端部が連結された第1ガイド板11およびこれに対向配置された第2ガイド板12と、これら両ガイド板11,12の間に長手方向に往復摺動可能な状態で挟持された第1および第2の刈刃体13,14と、上記ミッションケース5内の駆動機構6に一端部が連結された第1および第2の駆動体15,16とを備えている。なお、以下では、これらガイド板11,12、刈刃体13,14、駆動体15,16の各部材のうち、ミッションケース5側の端部を基端部、その反対側の端部を先端部と称する。
上記第1および第2の刈刃体13,14は、上記第1および第2の駆動体15,16と後述する係合部(31,33および32,34)を介して長手方向に連結されており、上記駆動機構6から上記各駆動体15,16に伝達される長手方向の駆動力に応じて、上記刈刃体13,14および駆動体15,16がそれぞれ一体に往復駆動されるようになっている。
なお、上記のようなバリカン式刈刃装置1は、例えば草刈機や剪枝機等の主要部を構成する装置として用いられる。すなわち、上記ミッションケース5には、その内部の駆動機構6を駆動する駆動源としてのエンジンがクラッチ装置等を介して連結されるとともに、手動操作用の操作ハンドルが設けられており(いずれも図示省略)、上記操作ハンドルを保持した作業者が上記エンジンを始動させてバリカン式刈刃装置1の刈刃体13,14を往復運動させることにより、草刈や剪枝等の各種作業を行い得るように構成されている。
上記第1および第2のガイド板11,12は、それぞれ一方向に長尺な板状体からなり、その長手方向の複数個所がボルト・ナット17a,17bを介して互いに連結されることにより、上記各ガイド板11,12が厚み方向に所定間隔を空けて対向配置された状態で固定されている。このうち、第1ガイド板11の基端部には前後一対の雄ネジ部材19aが立設されており、この雄ネジ部材19aおよびこれに螺着されるナット19bを介してあらかじめミッションケース5に固定されている。なお、図3において符号21,22は、上記ボルト17aを挿通するために各ガイド板11,12に設けられた挿通孔である。
上記第1および第2の刈刃体13,14は、一定ピッチで並ぶ所定形状の(図例では台形の)刈刃13a,14aが左右両側辺部に複数設けられた一対の板状体からなり、厚み方向に重ね合わせられて上記第1および第2のガイド板11,12の間に往復摺動可能に挟持されている。図3に示すように、これら各刈刃体13,14には、その長手方向に沿って延びる複数の長孔状のガイド孔25,26がそれぞれ設けられており、これら各ガイド孔25,26に挿通された状態で上記複数のボルト17aが取り付けられている。そして、各刈刃体13,14が往復駆動される際には、上記ボルト17aにガイド孔25,26の周縁部が摺接することにより、上記各刈刃体13,14の長手方向の移動が案内されるようになっている。
上記第1および第2の駆動体15,16は、厚み方向に重ね合わせられて上記第1および第2の刈刃体13,14の基端部と係合する一対の板状体からなり、その先端側の一部が上記各ガイド板11,12の間に配置されるとともに、基端側の一部が上記ミッションケース5内に挿入されて上記駆動機構6に連結されている。図3に示すように、これら第1および第2の駆動体15,16には、その長手方向に沿って延びる長孔状のガイド孔27,28がそれぞれ設けられており、最も基端側のボルト17aがこれらガイド孔27,28に挿通された状態で取り付けられている。そして、各駆動体15,16は、上記ボルト17aおよびガイド孔27,28からなる案内機構により長手方向に案内されつつ、上記駆動機構6によって相互に逆方向に往復駆動されることにより、上記第1および第2の刈刃体13,14を自身と一体に往復運動させるように構成されている。
次に、上記第1および第2の駆動体15,16と第1および第2の刈刃体13,14とを互いに係合させるための構造について図3〜図5を用いて説明する。なお、図4は上記駆動体15,16および刈刃体13,14の分解状態の平面図であり、図5はその組立状態の平面図である。
まず、第1刈刃体13および第1駆動体15の接続構造について説明すると、これら第1刈刃体13および第1駆動体15は、それぞれの対向する端部に設けられた係合部31および係合部33を介して着脱自在に連結されるようになっている。このうち第1駆動体15の係合部33は、第1駆動体15の先端部において長手方向に突設された所定形状の突片によって構成されている。具体的に、上記係合部33は、上記第1駆動体15の最先端部に位置する略円形状の頂部33aと、そこから基端側に向けて徐々に拡幅しつつ延びる裾部33bとからなり、その外周輪郭線が全て曲線となるように形成されている。
一方、上記第1刈刃体13の基端部には、図5(a)に示すように、上記係合部33(頂部33aおよび裾部33b)の形状に対応した凹部31aを有する係合部31が設けられている。この係合部31の内周輪郭線は、上記係合部33と同じく全て曲線となる。
図4(a)および図5(a)に示すように、上記係合部31の設置部としての第1刈刃体13の基端部、および上記係合部33の設置部としての第1駆動体15の先端部は、他の部分に比べて相対的に幅広に形成されている。具体的に、上記係合部31が設けられる第1刈刃体13の基端部の幅寸法、および上記係合部33が設けられる第1駆動体15の先端部の幅寸法をともにD1とすると、この幅寸法D1は、上記第1駆動体15の基端側の幅寸法Db、および、上記第1刈刃体13のうち左右両側辺部に刈刃13aが設けられる部分(つまり第1刈刃体13の先端側領域のうち刈刃13aを除いた部分)の幅寸法Daに対し所定量大きい値に設定されている。
また、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部31,33は、その中心線C1が、第1刈刃体13および第1駆動体15の軸線L1に対し幅方向一側に所定距離S1だけオフセットするように形成されている。なお、ここでいう係合部31,33の中心線C1とは、裾部33bの先端部(頂部33aとの接続部)およびこれに対応する凹部31aの狭小部の幅方向中心を通る線のことをいうものとする。これにより、上記係合部31,33は、それぞれ、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の軸線L1に対し非対称な形状を有するように形成されている。
一方、上記第2刈刃体14および第2駆動体16の接続構造についても、基本的には上記と同様である。すなわち、上記第2駆動体16の先端部に、頂部34aおよび裾部34bを有した突片からなる係合部34が設けられるとともに、上記第2刈刃体14の基端部に、上記係合部34の形状に対応した凹部32aを有する係合部32が設けられており、これら各係合部32,34を介して、上記第2刈刃体14および第2駆動体16が着脱自在に連結されるようになっている。上記各係合部32,34は、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部31,33の場合と同様に、その内周輪郭線または外周輪郭線が全て曲線とされる。
上記第2刈刃体14および第2駆動体16の各部の幅寸法についても、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の場合と同一である。すなわち、第2刈刃体14および第2駆動体16における各係合部32,34の設置部(つまり第2刈刃体14の基端部および第2駆動体16の先端部)の幅寸法、上記第2駆動体16の基端側の幅寸法、および上記第2刈刃体14のうち刈刃14aが設けられる部分の幅寸法は、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の場合と同じく、順にD,Da,Dbであり、その大小関係はD>Da,Dbである。
また、上記第2刈刃体14および第2駆動体16の各係合部32,34は、図4(b)および図5(b)に示すように、その中心線C2が、第2刈刃体14および第1駆動体16の軸線L2に対し幅方向一側に所定距離S2だけオフセットするように形成されている。ただし、このオフセット量S2の向きは、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部31,33のオフセット量S1(図4(a)および図5(a)参照)の向きとは逆方向に設定されている。すなわち、このように中心線のオフセット量S1,S2の向きが互いに逆方向に設定されることで、上記第1駆動体15の係合部33(または第1刈刃体13の係合部31)と、上記第2駆動体16の係合部34(または第2刈刃体14の係合部32)とは、厚み方向一方側から見たときの平面形状が互いに異なっている。
ここで、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部31,33のオフセット量S1と、上記第2刈刃体14および第2駆動体16の各係合部32,34のオフセット量S2とを比べると、これら両オフセット量S1,S2は、その向きが異なるだけで、寸法の絶対値としては同一である。また、上記第1および第2の刈刃体13,14の左右両側辺部にそれぞれ設けられた刈刃13a,14aは、上記各刈刃体13,14を図5(a)(b)のように並べて配置した状態で、互いに線対称となるように配置されている。なお、この他の部分の形状については全て同一である。すなわち、上記第1および第2の刈刃体13,14と、上記第1および第2の駆動体15,16とは、それぞれ、表裏逆向きの関係にあるだけで、部品としては同一である。
図6は、第1刈刃体13および第1駆動体15と、第2刈刃体14および第2駆動体16とをそれぞれ組み合わせて厚み方向に重ね合わせた状態を示している。本図に示される重ね合わせ状態では、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部31,33間に形成される第1境界線Q1と、上記第2刈刃体14および第2駆動体16の各係合部32,34間に形成される第2境界線Q2とが、平面視で点でのみ公差している。すなわち、上述したような形状の係合部31,33および係合部32,34の間に形成される上記第1および第2の境界線Q1,Q2は、全て曲線のみによって構成され、しかも互いに異なる形状を有しているため、図6のような重ね合わせ状態では、上記両境界線Q1,Q2の間に平面視で線状に一致する部分が一切生じず、両者が点でのみ交差するようになっている。なお、図6では両境界線Q1,Q2どうしの交差点を黒塗りの点で表記している。
図7および図8は、上記第1および第2の刈刃体13,14が、上記第1および第2の駆動体15,16とともにそれぞれ長手方向に逆向きに往復駆動されることにより、上記両境界線Q1,Q2が長手方向に最大限ずれた状態を示している。具体的に、図7は、第1刈刃体13がそのストローク範囲の最も基端側に位置し、かつ第2刈刃体14がそのストローク範囲の最も先端側に位置した状態を示しており、図8は、それぞれがストローク範囲の反対側の端部まで移動した状態を示している。これらの図に示すように、上記第1および第2の刈刃体13,14がそれぞれのストローク範囲の両端部まで逆方向に移動した状態においても、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の間の境界線Q1と、上記第2刈刃体14および第2駆動体16の間の境界線Q2とは、完全に分離せずに部分的に重複している。そしてこの状態においても、上記両境界線Q1,Q2の間に線状に一致する部分が生じることはなく、両者は点でのみ公差している。すなわち、上記構成によれば、上記両境界線Q1,Q2が点でのみ交差する状態が、往復運動の全ストロークに亘って常に維持されるように、上記刈刃体13,14および駆動体15,16の各係合部31〜34の形状やサイズが設定されていることが分かる。
ここで、以上のように構成されたバリカン式刈刃装置1を用いて草刈作業等を行った場合、上記第1および第2の刈刃体13,14の各刈刃13a,14aが草木等と繰り返し摺動することにより、上記各刈刃体13,14の切れ味が悪化することがある。このような切れ味の悪化が進行すると、草刈作業等の効率が低下するため、上記各刈刃体13,14の刈刃13a,14aについては、定期的に再研磨することが必要である。このような再研磨作業は、バリカン式刈刃装置1を分解して上記各刈刃体13,14を取り外した状態で行われる。
次に、上記第1および第2の刈刃体13,14を取り外す手順について説明する。これら各刈刃体13,14を取り外すには、まず、第1および第2のガイド板11,12(図1〜図3参照)どうしを相互に連結しているボルト・ナット17a,17bの締結を解除し、ミッションケース5に基端部が連結された上記第1ガイド板11から第2ガイド板12を分離する。そして、これによって外部に露出した第2刈刃体14を、厚み方向(図中では下方)に相対移動させて第2駆動体16から取り外すとともに、続いて第1刈刃体13を同様の手順で第1駆動体15から取り外す。このとき、第1および第2の駆動体15,16の長手方向の位置を前後にずらしておけば(より具体的には第1駆動体15を第2駆動体16よりも先端側にずらしておけば)、後から取り外される第1刈刃体13を容易に取り外すことができる。
このように、当実施形態のバリカン式刈刃装置1の構造によれば、刈刃体13,14を容易に取り外すことができ、作業者は、取り外されて単品にされた上記各刈刃体13,14に対し、その刈刃13a,14aの再研磨作業を容易に行うことができる。
なお、取り外された上記各刈刃体13,14を再度取り付けてバリカン式刈刃装置1を組立状態に復帰させるには、上述した手順と反対の手順を辿ればよい。すなわち、上記各刈刃体13,14を駆動体15,16に対し厚み方向に接近させて両者を係合させ、その状態で上記第2ガイド板12をボルト・ナット17a,17bを介して第1ガイド板11に締結すれば、バリカン式刈刃装置1の組み立てが完了する。
ここで、バリカン式刈刃装置1を組み立てる際には、上記第1および第2のガイド板11,12を連結するボルト・ナット17a,17bを、適正な締付トルクで締め付ける必要がある。すなわち、ボルト・ナット17a,17bの締付トルクが大き過ぎると、上記両ガイド板11,12の間に挟持される上記第1および第2の刈刃体13,14の摺動抵抗が増大してその往復運動がスムーズに行われなくなり、締付トルクが小さすぎると、上記各刈刃体13,14の厚み方向のガタつきが増大してやはり往復運動がスムーズでなくなる。
そこで、上記のような事態を回避して常に一定のトルクでボルト・ナット17a,17bを締め付けるために、例えば図9に示すようなスプリングワッシャー17cを利用することが考えられる。すなわち、図9では、ボルト17aの頭部と第2ガイド板12との間に、皿状のスプリングワッシャー17cが設けられている。また、第1ガイド板11の挿通孔21には、その内周面に雌ネジが形成されており、この雌ネジと上記ボルト17aの軸部が螺合するようになっている。
図9(a)は、ボルト17aの頭部がスプリングワッシャー17cに当接するまでボルト17aを締め付けた状態が示されており、この状態から所定の締付トルクでボルト17aをさらに締め付けると、図9(b)に示すように、上記スプリングワッシャー17cがボルト17aの頭部によって所定量つぶされる。このスプリングワッシャー17cのつぶれ代は、ボルト17aの締付トルクに比例して変化するため、作業者は、上記スプリングワッシャー17cのつぶれ具合を確認することにより、常に一定の締付トルクでボルト17aを締め付けることができる。そして、図9(c)に示すように、ボルト17aの軸部に第1ガイド板11の側からナット17bを螺着すれば、上記ボルト17aの緩み止めが図られ、その結果、上記第1および第2の刈刃体13,14が常に適正な力で挟持されてスムーズに往復摺動し得る状態に維持される。
なお、図9に示したような構造に代えて、異なる反発力を有する2種類のスプリングワッシャー(またはリング状のバネ材)を組み合わせて使用してもよい。この構成によれば、ボルト17aの締付時に、まず弱い方の反発力に抗してボルト17aが締め付けられ、その後、強い方の反発力に移行する。そして、作業者は、この反発力の変化を感知することにより、常に一定の締付トルクでボルト17aを締め付けることができる。
以上説明したように、上記第1実施形態のバリカン式刈刃装置1は、厚み方向に重ね合わせられて所定の駆動機構6により逆方向に往復駆動される一対の板状体からなる第1および第2の駆動体15,16と、これら第1および第2の駆動体15,16の反駆動側の端部(先端部)と着脱自在に係合して一体に往復駆動されるとともに、所定形状の刈刃13a,14aを側辺部に有した一対の板状体からなる第1および第2の刈刃体13,14と、上記刈刃体13,14および駆動体15,16の厚み方向両側に配置されて両者を摺動自在に挟持する着脱自在な一対のガイド板11,12とを備えている。そして、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部31,33間に形成される第1境界線Q1と、上記第2刈刃体14および第2駆動体16の各係合部32,34間に形成される第2境界線Q2とが平面視で点でのみ交差するとともに、その状態が往復運動の全ストロークに亘って維持されるように、上記刈刃体13,14および駆動体15,16の各係合部31〜34が形成されている。このような構成によれば、刈刃体13,14のメンテナンス性を十分に確保しつつ、その往復運動の円滑化を効果的に図ることができるという利点がある。
すなわち、上記第1実施形態では、駆動機構6により往復駆動される第1および第2の駆動体15,16に対し第1および第2の刈刃体13,14が着脱自在に係合しており、これらの部材が着脱自在な一対のガイド板11,12の間に摺動自在に挟持されているため、作業者は、上記一対のガイド板11,12どうしを分離すれば、上記駆動体15,16から刈刃体13,14を容易に取り外すことができ、これら各刈刃体13,14の刈刃13a,14aを再研磨する等のメンテナンス作業を、上記のように刈刃体13,14を取り外した状態で容易に行うことができる。
しかも、第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部31,33間に形成される第1境界線Q1と、第2刈刃体14および第2駆動体16の各係合部32,34間に形成される第2境界線Q2とが、往復運動の全ストロークに亘って点でのみ交差するようになっているため、例えば上記刈刃体13,14や駆動体15,16の厚み寸法の誤差に起因した段差が上記各境界線Q1,Q2の部分に生じている場合でも、これら各段差どうしが線接触することがなく、それによって生じる引っ掛かりにより上記各刈刃体13,14の往復運動が阻害されるのを有効に回避することができる。この結果、上記各刈刃体13,14のメンテナンス性を十分に確保しつつ、その往復運動の円滑化を効果的に図ることができ、バリカン式刈刃装置1の性能をより高めてその作業性を効果的に向上させることができる。
具体的に、上記第1実施形態では、上記第1および第2の境界線Q1,Q2が曲線のみからなり、かつその形状が平面視で互いに異なるように、上記刈刃体13,14および駆動体15,16の各係合部31〜34が形成されている。このような構成によれば、上記のように両境界線Q1,Q2が点でのみ交差する状態を適正につくり出すことができ、上記各刈刃体13,14の往復運動を確実に円滑化できるという利点がある。
特に、上記第1実施形態では、第1および第2の刈刃体13,14と、第1および第2の駆動体15,16とが、それぞれ、軸線L1,L2に対し非対称な係合部31〜34を有した同一の部品からなり、このうちの一方の刈刃体および駆動体(13,15または14,16)が、他方の刈刃体および駆動体(14,16または13,15)に対し表裏逆向きの姿勢で取り付けられるようになっているため、上記一対の刈刃体13,14および駆動体15,16として同一の部品を使用しつつ、これらを表裏逆向きの姿勢で取り付けることにより、その係合部31〜34の平面形状を互いに異ならせて上記第1および第2の境界線Q1,Q2を点でのみ交差させることができ、より簡単かつ低コストな構成で上記各刈刃体13,14の往復運動を円滑化できるという利点がある。
また、上記第1実施形態では、上記刈刃体13,14および駆動体15,16における各係合部31〜34の設置部(つまり刈刃体13,14の基端部および駆動体15,16の先端部)の幅寸法Dが、上記駆動体15,16の基端側の幅寸法Db、および上記刈刃体13,14のうち刈刃13a,14aが設けられる部分の幅寸法Daに対し所定量大きい値に設定されているため、上記刈刃体13,14および駆動体15,16の各係合部31〜34が応力集中により変形するのを効果的に防止することができ、上記係合部31〜34での適正な係合状態を長期間に亘って確実に維持できるという利点がある。
すなわち、上記構成のように、刈刃体13,14および駆動体15,16における各係合部31〜34の設置部の幅寸法Dを他の部分の幅寸法Da,Dbよりも大きくした場合には、上記係合部31〜34を介して互いに係合する上記刈刃体13,14および駆動体15,16の間により大きな接触面積を確保できるため、上記刈刃体13,14および駆動体15,16の往復運動時に、両者の係合部31〜34に過大な応力が集中的に作用して当該部が変形するのを効果的に防止することができ、上記係合部31〜34での適正な係合状態(ガタつきが少ない状態)を長期間に亘って確実に維持できるという利点がある。
なお、上記第1実施形態では、第1および第2の刈刃体13,14として、その左右両側の側辺部に刈刃13a,14aが設けられた両刃タイプの刈刃体を用いたが、本発明の構成は、上記刈刃体13,14が、その左右一方側にのみ刈刃13a,14aが設けられた片刃タイプの刈刃体である場合にも同様に適用可能である。
また、上記第1実施形態では、駆動体15,16の先端部に、頂部33a,34aおよび裾部33b,34bを有した突片からなる係合部33,34を設ける一方、これに対応する凹部31a,32aを有した係合部31,32を、上記刈刃体13,14の基端部に設けたが、これとは逆に、刈刃体13,14の基端部に、所定形状の突片からなる係合部を設け、これに対応する凹部を有した係合部を上記駆動体15,16の先端部に設けてもよい。このことは、以下に説明する第2実施形態でも同様である。
<実施形態2>
図10(a)(b)は、本発明の第2実施形態を説明するための図である。このうち図10(a)に示すように、第1駆動体15の先端部には、上記第1実施形態と同様に、頂部53aと裾部53bとを有した突片からなる係合部53が設けられている。ただし、上記第1実施形態と異なる点として、上記係合部53の頂部53aは、いわゆる矢じり型に形成されており、上記裾部53bの先端部から基端側に向かって斜め方向に延びる傾斜辺部53a1を有している。また、図示のように、この傾斜辺部53a1を含む係合部53の外周輪郭線は、全て曲線とされている。一方、上記第1刈刃体13の基端部には、上記係合部53に対応した凹部51aを有する係合部51が設けられており、その内周輪郭線は全て曲線とされる。このような各係合部51,53の中心線C11は、上記刈刃体13および駆動体15の軸線L1に対し幅方向一側に所定距離S11だけオフセットしており、上記係合部51,53の形状が上記軸線L1に対し非対称とされている。
図10(b)に示すように、上記第2駆動体16の先端部にも、傾斜辺部54a1を有した矢じり型の頂部54aと、そこから基端側に延びる裾部54bとを有した突片からなる係合部54が設けられるとともに、上記第2刈刃体14の基端部には、上記係合部54の形状に対応した凹部52aを有する係合部52が設けられている。ただし、上記係合部52,54の中心線C12のオフセット量(第2刈刃体14および第2駆動体16の軸線L2に対する中心線C12のオフセット量)S12の向きは、上記第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部51,53のオフセット量S11とは逆向きとされている。このような構成を簡単に実現するには、例えば上記第1実施形態と同様に、第1および第2の刈刃体13,14と、第1および第2の駆動体15,16とを、それぞれ同一部品によって構成し、一方を他方に対し表裏逆向きにすればよい。
図11(a)(b)は、第1刈刃体13および第1駆動体15と、第2刈刃体14および第2駆動体16とを、それぞれ係合部51,53および係合部52,54を介して長手方向に連結した状態を示している。これらの図において、符号Q11は、上記係合部51,53の間に形成される第1境界線であり、符号Q12は、上記係合部52,54の間に形成される第2境界線である。これら第1および第2の境界線Q11,Q12の平面形状は、先にも述べたように、曲線のみによって構成された非同一形状である。このため、上記両境界線Q11,Q12は、図12に示すような重ね合わせ状態において、平面視で点でのみ交差することになる。
また、上記構成において、各刈刃体13,14の往復運動時に、駆動体15,16が駆動機構6(図1等参照)によって基端側に引き寄せられると、図11に示すように、上記刈刃体13,14の各係合部51,52には、上記駆動体15,16の各係合部53,54(より具体的には頂部53a,54aの傾斜辺部53a1,54a1)から加わる力として、幅方向内側を指向する力Fが作用する。そして、このような方向の力Fは、上記刈刃体13,14の各係合部51,52に対し、その凹部51a,52aの開口幅を狭める方向に作用するため、上記凹部51a,52aが相手側の係合部53,54に対し常に密着するように締め付けられ、両者の間にガタつきが生じることが効果的に防止される。なお、駆動体15,16が図示とは反対側(つまり先端側)に押動される場合には、その係合部53,54が上記凹部51a,52aに押し付けられて両者が密着するため、上記のようなガタつきはそもそも問題にならない。
なお、以上説明した第1および第2の実施形態において、刈刃体13,14の係合部(31,32または51,52)、および駆動体15,16の係合部(33,34または53,54)は、その境界線(Q1,Q2またはQ11,Q12)が平面視で点でのみ交差するという本発明の構成を実現するための一例に過ぎず、その具体的形状は種々変更可能である。
例えば、図13に示すように、第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部61,63間の境界線Q21と、第2刈刃体14および第2駆動体16の各係合部62,64間の境界線Q22とが、それぞれ平面視非同一(図例では線対称)の渦巻状の曲線を描くように、上記各係合部を形成してもよい。
また、上記第1および第2の実施形態や図13の例では、境界線が全て曲線となるように各係合部の形状を決定したが、図14に示される境界線Q31,Q32のように、その少なくとも一部に直線が含まれていてもよい。ただしこの場合には、両境界線Q31,Q32中の直線が互いに非平行となるようにすることで、往復運動時に両者が線状に重ならないようにする必要がある。
<実施形態3>
以上説明した第1および第2の実施形態やその変形例では、刈刃体13,14および駆動体15,16の各係合部間の境界線(例えばQ1,Q2)が、平面視で点でのみ交差するように構成することで、上記刈刃体13,14の往復運動の円滑化を図るようにしたが、このような目的を達成するための手段は他にも種々考えられる。ここでは、その一例を第3実施形態として説明する。
図15に示すように、当第3実施形態では、第1刈刃体13および第1駆動体15が係合部81,83を介して長手方向に連結されるとともに、第2刈刃体14および第2駆動体16が係合部82,84を介して長手方向に連結されている。ただし、当実施形態では、先の第1実施形態等と異なり、第1および第2の刈刃体13,14の各係合部81,82と、これに対応する第1および第2の駆動体の各係合部83,84とが、それぞれ平面視で同一形状とされている。したがって、このような構成によれば、第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部81,83間に形成される第1境界線Q41と、第2刈刃体14および第2駆動体16の各係合部82,84間に形成される第2境界線Q42とが、往復運動中に平面視で完全一致するときがあり、これら各境界線Q41,Q42に存在する段差が引っ掛かってしまうおそれがある。
そこで、当実施形態では、第1刈刃体13および第1駆動体15の接続部分(係合部81,83どうしが係合している部分)と、第2刈刃体14および第2駆動体16の接続部分(係合部82,84どうしが係合している部分)との間に、平面視長方形の1枚の薄板85が配置されている。この薄板85は、その長手方向の寸法が、上記刈刃体13,14および駆動体15,16の往復運動時のストロークよりも長く設定されており、その往復運動の全ストロークに亘って、上記2つの接続部分どうしが直接接触することがないように構成されている。これにより、上記第1および第2の境界線Q41,Q42どうしが線状に重なって引っ掛かりが生じることが回避されるため、上記刈刃体13,14は、間に薄板85を挟んだ状態でスムーズに往復運動することができる。なお、図中の符号86は、第1および第2のガイド板11,12を互いに連結するボルト17aを挿通するための挿通孔である。
<実施形態4>
図16に示される第4実施形態では、第1刈刃体13および第1駆動体15の各係合部91,93と、第2刈刃体14および第2駆動体16の各係合部92,94とが、長手方向に大きく離間した位置に設けられており、これら係合部91,93および係合部92,94間の各境界線Q51,Q52が、往復運動の全ストロークに亘って一切重複しないように構成されている。このような構成でも、上記両境界線Q51,Q52どうしが線状に重なって引っ掛かりが生じることが回避されるため、上記刈刃体13,14をスムーズに往復運動させることができる。
<実施形態5>
図17は、本発明の第5実施形態にかかるバリカン式刈刃装置101を示す側面図である。本図に示されるバリカン式刈刃装置101では、その第1および第2のガイド板11,12に、これらを長手方向に延長するように延びる第1および第2の延長板111,112が着脱自在に取り付けられている。
上記第1および第2の延長板111,112は、上記第1および第2のガイド板11,12と幅寸法が同一な板状体からなり、その基端側には、上記各ガイド板11,12の厚み分の段差を有した段差部111a,112aが設けられている。そして、これら各段差部111a,112aが、上記各ガイド板11,12の先端部を厚み方向両側から挟み込むように締結固定されることにより、上記ガイド板11,12と延長板111,112とが長手方向に略面一状に連結されるようになっている。
上記第1ガイド板11および第1延長板111と、上記第2ガイド板12および第2延長板112との間には、先の第1実施形態等における刈刃体13,14よりも前後長が長い第1および第2の刈刃体113,114が、往復摺動可能な状態で挟持されている。これら第1および第2の刈刃体113,114と、その基端側に位置する第1および第2の駆動体15,16とは、例えば先の第1実施形態の場合と同様の係合部(つまり図3〜図8等に示した係合部31〜34と同様の形状を有する係合部)を介して互いに連結されている。
上記各延長板111,112は、長手方向に並設された複数のボルト・ナット117a,117bを介して互いに連結されている。このうち、基端側の2組のボルト・ナット117a,117bは、上記各延長板111,112の段差部111a,112aどうしを、その間にガイド板11,12および刈刃体13,14を挟み込んだ状態で締結しており、当該2組のボルト・ナットを介して、上記ガイド板11,12と延長板111,112とが厚み方向に圧接されて固定されている。なお、詳細な図示は省略するが、上記延長板111,112およびガイド板11,12には、上記各ボルト117aが挿通される挿通孔が設けられており、また、上記刈刃体113,114には、上記各ボルト117aが挿通される長手方向に長尺な長孔が形成されている。
以上説明したように、一対のガイド板11,12に対し、これらを長手方向に延長するように延びる延長板111,112が着脱自在に取り付けられるように構成された上記第5実施形態によれば、上記延長板111,112を着脱することにより、長さの異なる複数種類の刈刃体、つまり、当実施形態のような比較的長めの刈刃体113,114や、これより短い刈刃体(例えば先の第1実施形態等で用いた刈刃体13,14)を用途に応じて適正に使い分けることができ、バリカン式刈刃装置101の使い勝手をさらに向上させることができるという利点がある。
例えば、上記ガイド板11,12の長さを延長する手段が存在しなければ、これら各ガイド板11,12の間には、略同一の長さの刈刃体しか取り付けることができないため、刈刃体の長さを大きく変更しようとすると、ガイド板11,12と刈刃体とをセットで交換する必要が生じる。これに対し、上記第5実施形態のように、一対のガイド板11,12に対し延長板111,112が着脱自在に取り付けられるように構成されている場合には、延長板111,112を着脱するだけで、長さの異なる刈刃体を適正に摺動保持することができ、例えば刈られる樹木や垣根の高さ等に応じて、長さの異なる刈刃体を容易に使い分けることができる。このため、より簡単かつ低コストな構成で、バリカン式刈刃装置101の使い勝手を向上させることができる。
なお、上記第5実施形態では、第1および第2のガイド板11,12の両方に延長板111,112を取り付けたが、例えば図18に示すバリカン式刈刃装置101’ように、相対的に上側に位置してミッションケース5に固定される第1ガイド板11にのみ延長板111を取り付けて、その下側の第2ガイド板12に取り付けられる延長板112(図17参照)については省略してもよい。この場合、図18に示すように、延長板111を締結するためのボルト117aの頭部と、その座面が圧接される第2刈刃体114との間に、バネワッシャー等からなるワッシャー117cを設けることが好ましい。これにより、ワッシャー117cを設けない場合よりも圧接部の面積を広く確保できるため、刈刃体113,114を適正な力で厚み方向に挟持しつつ、これらを比較的スムーズに往復摺動させることができる。また、第2ガイド板12に取り付けられる延長板112(図17参照)を省略することにより、バリカン式刈刃装置101’全体の重量を効果的に低減することができる。
ところで、図18に示したような構造、すなわち、刈刃体113,114を厚み方向両側から挟持する部材(11,111,12)の長さが上下で異なるという構造は、先に説明した第1実施形態等でも同様に採用することができる。例えば、図1〜図3等に示した上記第1実施形態の構成において、第1ガイド板11よりも第2ガイド板12を短くし、第2ガイド板12が存在しない先端部分については、上記の例と同様に、刈刃体13,14をボルト・ナット等で直接第1ガイド板11に締結するようにしてもよい。ただしこの場合、少なくとも刈刃体11,13と駆動体15,16との接続部(係合部31〜34の設置部)については、安定した接続構造を構築するために、第1ガイド板11および第2ガイド板12の両方で上下から挟持すべきである。
<実施形態6>
図19は、本発明の第6実施形態にかかるバリカン式刈刃装置151を示す側面図である。本図に示されるバリカン式刈刃装置151では、先の第1実施形態等と同様に、第1および第2のガイド板11,12が、両者を厚み方向に貫通するボルト157aおよびその先端部に螺着されるナット157bを介して互いにに連結されている。ただし、ナット157bと、このナットが取り付けられる側のガイド板(図例では第1ガイド板11)との間には、両者を離間させる方向に付勢するための付勢手段として、コイルバネからなるバネ部材157cが圧縮状態で取り付けられている。なお、その他の部材(例えば刈刃体13,14等)の構成は、上記第1実施形態と同様である。
図20(a)は、上記ボルト157aからナット157bおよびバネ部材157cを取り外した状態を示す図である。この図20(a)に示すように、上記ボルト157aは、頭部157a1と、この頭部157a1から突設された主軸部157a2と、この主軸部157a2の先端部に設けられ、上記ナット157bが螺着される雄ネジ面を外周に有したネジ部157a3とを有している。上記ボルト157aの軸部、つまり主軸部157a2およびネジ部157a3からなる部分には、段差部157a4が形成されている。すなわち、上記ボルト157aのネジ部157a3が、主軸部157a2よりも小径状に形成されており、これらネジ部157a3と主軸部157a2との間に、上記段差部157a4が形成されている。
上記段差部157a4は、ボルト157aを完全に挿通した状態で、ナット157b側のガイド板(つまり上側の第1ガイド板11)の壁面よりも所定距離離間した高さに位置している。このため、図20(b)(c)に示すように、上記ナット157bをネジ部157a3に螺着すると、その底部157b1が上記段差部157a4に突き当たることにより、この段差部157a4の位置よりも締め付け方向(つまりガイド板11の壁面に接近する方向)にナット157bが移動できないようになっている。なお、図中のナット157bはいわゆる座付きナットからなり、その底部157b1が座金状に形成されている。
図20(b)に示すように、上記バネ部材157cは、その初期状態における軸方向長さが、上記第1ガイド板11の壁面から段差部157a4までの上下距離よりも長くなるように設定されている。このため、図20(c)に示すように、ボルト157aの段差部157a4に突き当たるまでナット157bが締め付けられると、上記ナット15bの底部157bとガイド板11との間に上記バネ部材157cが挟み込まれて圧縮され、このバネ部材157cによって上記第1ガイド板11およびナット157bが互いに離間する方向に付勢されるようになっている。
以上説明したような上記第6実施形態の構成によれば、例えば刈刃体13,14を交換した後の再組立時等に一対のガイド板11,12をボルト・ナット157a,157bを用いて締結する際に、作業者は、上記ボルト157aの段差部157a4にナット157bを突き当てるまで締め付ければ、このナット157bとガイド板11との間に設けられたバネ部材157cの反発力により、上記一対のガイド板11,12の間に一定の締め付け力を生じさせることができる。このため、上記段差部157a4に突き当てるまで目いっぱいナット157bを締め付けるだけの簡単な作業により、一対のガイド板11,12を常に適正な締付力で締結することができ、両者の間に挟持される刈刃体13,14を適正な組付状態(ガタつきなくかつスムーズに往復摺動し得る状態)に安定的に保持できるという利点がある。
しかも、ナット157bとガイド板11との間に付勢手段としてのバネ部材157cが設けられているため、例えばバリカン式刈刃装置151の使用時に一対の刈刃体13,14の間に草木や小石等の異物が挟まることにより、一方の刈刃体(ナット157b側に位置する第1刈刃体13)が他方の刈刃体14に対しわずかに浮き上がるような挙動を示した場合でも、その浮き上がりを上記バネ部材157cの弾性によって吸収することができる。このため、上記のような異物の挟み込みが起きても、その異物の存在に起因して刈刃体13,14の往復運動が停止してしまうこと等を効果的に防止することができ、バリカン式刈刃装置151の使い勝手をより効果的に向上させることができるという利点がある。
本発明の第1実施形態にかかるバリカン式刈刃装置の全体構成を示す平面図である。 上記バリカン式刈刃装置の側面図である。 上記バリカン式刈刃装置の分解斜視図である。 刈刃体と駆動体との接続構造を説明するための図であり、同図(a)は第1刈刃体および第1駆動体の分解状態の平面図、同図(b)は第2刈刃体および第2駆動体の分解状態の平面図である。 刈刃体と駆動体との接続構造を説明するための図であり、同図(a)は第1刈刃体および第1駆動体の組立状態の平面図、同図(b)は第2刈刃体および第2駆動体の組立状態の平面図である。 上記第1刈刃体および第1駆動体と、第2刈刃体および第2駆動体とを、厚み方向に重ね合わせた状態を示す平面図である。 上記第1刈刃体がそのストローク範囲の最も基端側に位置し、かつ第2刈刃体がそのストローク範囲の最も先端側に位置した状態を示す平面図である。 上記第1および第2の刈刃体が図7とは逆向きの端部に移動した状態を示す平面図である。 第1および第2のガイド板の好ましい締結構造の一例を説明するための図であり、同図(a)〜(c)はその締結時の手順を順に示している。 本発明の第2実施形態にかかるバリカン式刈刃装置を説明するための図であり、同図(a)(b)は図4(a)(b)相当図である。 上記第2実施形態のバリカン式刈刃装置における図5(a)(b)相当図である。 上記第2実施形態における図6相当図である。 本発明の変形例を説明するための図である。 本発明の別の変形例を説明するための図である。 第3実施形態にかかるバリカン式刈刃装置の分解斜視図である。 第4実施形態にかかるバリカン式刈刃装置の要部の平面図である。 第5実施形態にかかるバリカン式刈刃装置を示す側面図である。 上記第5実施形態の変形例を説明するための図である。 第6実施形態にかかるバリカン式刈刃装置を示す側面図である。 上記バリカン式刈刃装置の第1および第2のガイド板どうしを連結するボルト・ナットの構造を説明するための図であり、同図(a)〜(c)はその締結時の手順を順に示している。 従来例のバリカン式刈刃装置を説明するための分解斜視図である。 従来例のバリカン式刈刃装置の動きを説明するための模式図である。
符号の説明
1 バリカン式刈刃装置
6 駆動機構
11 第1ガイド板
12 第2ガイド板
13 第1刈刃体
13a 刈刃
14 第2刈刃体
14a 刈刃
15 第1駆動体
16 第2駆動体
31 (第1刈刃体の)係合部
32 (第2刈刃体の)係合部
33 (第1駆動体の)係合部
34 (第2駆動体の)係合部
Q1,Q2 境界線
51 (第1刈刃体の)係合部
51a 凹部
52 (第2刈刃体の)係合部
52a 凹部
53 (第1駆動体の)係合部
54 (第2駆動体の)係合部
111,112 延長板
157a ボルト
157a4 段差部
157b ナット
157b1 底部
157c バネ部材(付勢手段)
Q11,Q12 境界線
D,Da,Db 幅寸法

Claims (7)

  1. 厚み方向に重ね合わせられ、所定の駆動機構により逆方向に往復駆動される一対の板状体からなる第1および第2の駆動体と、これら第1および第2の駆動体の反駆動側の端部と着脱自在に係合して一体に往復駆動されるとともに、所定形状の刈刃を側辺部に有した一対の板状体からなる第1および第2の刈刃体と、上記刈刃体および駆動体の厚み方向両側に配置されて両者を摺動自在に挟持する着脱自在な一対のガイド板とを備えたバリカン式刈刃装置であって、
    上記第1刈刃体および第1駆動体の各係合部間に形成される第1境界線と、上記第2刈刃体および第2駆動体の各係合部間に形成される第2境界線とが平面視で点でのみ交差するとともに、その状態が往復運動の全ストロークに亘って維持されるように、上記刈刃体および駆動体の各係合部が形成されたことを特徴とするバリカン式刈刃装置。
  2. 請求項1記載のバリカン式刈刃装置において、
    上記第1および第2の境界線が曲線のみからなり、かつその形状が平面視で互いに異なるように、上記刈刃体および駆動体の各係合部が形成されたことを特徴とするバリカン式刈刃装置。
  3. 請求項2記載のバリカン式刈刃装置において、
    上記第1および第2の刈刃体と、上記第1および第2の駆動体とが、それぞれ、軸線に対し非対称な係合部を有した同一の部品からなり、このうちの一方の刈刃体および駆動体が、他方の刈刃体および駆動体に対し表裏逆向きの姿勢で取り付けられるように構成されたことを特徴とするバリカン式刈刃装置。
  4. 請求項2または3記載のバリカン式刈刃装置において、
    上記刈刃体および駆動体の各係合部のうちいずれか一方が、長手方向に突設された所定形状の突片から構成されるとともに、他方の係合部が、上記一方の係合部に対応するように切り欠かれた凹部を有し、
    往復運動時に上記他方の係合部に加わる力が、その凹部の開口幅を狭める方向に作用するように、上記刈刃体および駆動体の各係合部が形成されたことを特徴とするバリカン式刈刃装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリカン式刈刃装置において、
    上記刈刃体および駆動体における各係合部の設置部の幅寸法が、上記駆動体の基端側の幅寸法、および上記刈刃体のうち刈刃が設けられる部分の幅寸法に対し所定量大きい値に設定されたことを特徴とするバリカン式刈刃装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のバリカン式刈刃装置において、
    上記一対のガイド板のうち少なくとも1つに、これを長手方向に延長するように延びる延長板が着脱自在に取り付けられるように構成されたことを特徴とするバリカン式刈刃装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリカン式刈刃装置において、
    上記一対のガイド板が、両者を厚み方向に貫通するボルトおよびその先端部に螺着されるナットを介して互いに連結されており、
    上記ボルトの軸部のうちガイド板の壁面から離間した位置に、上記ナットの締め込み時にその底部が突き当てられる段差部が設けられ、
    上記ナットの底部とガイド板との間に、両者を離間させる方向に付勢する付勢手段が設けられたことを特徴とするバリカン式刈刃装置。
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