内視鏡は、様々な処置に、代表的には腹部の処置に広く用いられてきた。内視鏡検査法は、内視鏡による身体の臓器、関節、又は体腔の内部の診察及び検査である。内視鏡検査法を使えば、医者は、身体内の通路を熟視することができる。内視鏡処置は、内臓及び身体構造の精密検査によって様々な状態を診断するのに用いることができ、更に、関節の支承面から裂けた軟骨を取り除く様な治療及び修復を案内することもできる。病理学的試験を行うための組織採取を伴う処置である生検も、内視鏡案内の下で実行することができる。例えば、内視鏡処置には、以下の既知の処置、即ち、胃鏡検査法、S状結腸鏡検査法と結腸鏡検査法、食道胃十二指腸鏡検査法(EGD)、内視鏡的逆行性胆道膵管造影法(ERCP)、及び気管支鏡検査法が含まれる。
最近では、胃腸管系又は膵臓胆管系に発生する疾病に内視鏡治療を使用することが増えてきた。内視鏡システムは、胆管又は膵管の造影剤撮像を含め、診断処置に頻繁に用いられている。内視鏡は、総胆管その他の場所に存在する胆石を回収するための処置にも用いられる。
通常、これらの治療は、内視鏡の遠位端を十二指腸乳頭の近傍に位置決めすることによって、膵管、胆管、及び肝管内で実行される。内視鏡が適所に配置されると、ワイヤーガイドが、内視鏡の作業チャネルを介して目標の解剖学的構造に送り込まれる。内視鏡の作業チャネルから出たワイヤーガイド(又は他の医療器具)を案内するために、通常、剛性のある起上台を用いて、ワイヤーガイドの遠位端を方向決めし又は偏向させる。ワイヤーガイドの遠位端が適切に方向決めされると、ワイヤーガイドは、目標の解剖学的構造に挿入される。
処置のこの時点で、カテーテル又は同様の治療器具は、ワイヤーガイドに外挿して、従来のワイヤー外挿方式又は迅速交換型方式の何れかで、目標の解剖学的構造に送り込むことができる。目標の解剖学的構造に対するワイヤーガイドの動きを制限するために、ガイドワイヤーの遠位又は近位端を内視鏡に対して係止することができる。
多くの現在の内視鏡システムは、カテーテル又はワイヤーガイドの遠位端を方向決め及び/又は係止するのに用いられる起上台を有する内視鏡を含んでいる。その様な内視鏡の多くで、起上台はV字型の溝を含んでいる。V字型の溝は、通常、カテーテル又はワイヤーガイドを内視鏡に対し中心位置に案内するのに用いられる。V字型の溝を有する起上台は、更に、カテーテル又はガイドワイヤーの遠位端を係止するのに用いられる。
しかしながら、剛性のある起上台係止及び/又はV字型溝の機構を使っている内視鏡は、改良することができる。例えば、多くの状況で、起上台は、共に使用されるワイヤーガイド又は他の器具を引き裂き、引っ掻き、又は悪影響を与える恐れがある。これは、柔らかいテフロン(商標)被覆ワイヤーガイドで特に問題である。その様なワイヤーガイドが起上台のV字型の溝の中に配置されると、ワイヤーガイドの軸方向運動は、僅かであっても、ワイヤーガイドを引き裂き、引っ掻き、又は剥ぐ恐れがある。その様にワイヤーガイドが損傷すると、望ましくないことに、処置中にワイヤーガイドを取り替えなければならくなる恐れがある。これは、望ましくないことに、全体処置時間を長引かせ、コストを増大させることになる恐れがある。
多くの他の内視鏡には、剛性のある縁部が平坦な起上台が設けられている。問題は、縁部が平坦な起上台では、ワイヤーガイドの方向決めを制御するのが難しいということである。具体的には、ワイヤーガイドは、起上台に対し端から端まで動く傾向があるため、医者がワイヤーガイドを目標の解剖学的構造に挿入するのを難しくしている。更に、器具の遠位端を係止するのに縁部が平坦な起上台が用いられている場合は、器具の引き裂き、引っ掻き、剥離、又は他の望ましくない影響が起こるかもしれない。
もう1つの問題は、使用中に、起上台が、カテーテルの様な細長い機器を圧縮して、流体の通過を妨げ、又はカテーテル機器の操作を妨害するかもしれないことである。
従って、細長い医療機器を比較的しっかりと把持し、身体脈管内で展開中に機器(例えば、ワイヤーガイド又はカテーテル)を引き裂き、引っ掻き、又は剥ぐ危険性を減らし、使用中に流体が通過できるようにする起上台設計が必要とされている。
米国特許第6,827,683号
本発明は、概括的には、医療機器を把持する強化された特徴を有し、且つ医療機器を引っ掻きにくくした内視鏡起上台及び内視鏡アッセンブリを提供する。本発明の実施形態は、医療機器(例えば、カテーテル、ワイヤーガイド)を引っ掻き、引き裂き、又は剥ぐ危険性を減らしながら、医者が、医療機器を内視鏡内で比較的しっかりと把持できるようにしている。1つの実施形態では、ポリマー製の内視鏡起上台は、概括的には、スロットを画定する内側を備えており、そのスロットの中に医療機器(例えば、カテーテル、ワイヤーガイド)が配置される。各内側には、把持リッジ又はリブが形成されている。別の実施形態では、起上台は、概括的には、起上台を覆って配置されるポリマー製の把持カバーを含んでいる。把持カバーは、開口部を画定する開口リップを有する本体を含んでおり、その開口部を通して起上台が受けられる。把持カバーには、把持性を強化し、引っ掻くことを少なくするために、少なくとも1つの表面突起が配置されている。
図1−3は、遠位先端を備えた起上台を有する内視鏡を備えている内視鏡システムを示している。1つの例では、このシステムは、オリンパスV−スコープ(商標)を修正した物である。ここに論じている内視鏡システムに関連する更なる詳細は、2004年12月7日Takashi Otawaraへ発行された米国特許第6,827,683号「内視鏡システムと医療法」に記載されており、全体を参考文献としてここに援用する。
図1aは、本発明の1つの実施形態による内視鏡11を備えている内視鏡システム10を示している。この実施形態では、内視鏡11は、胃鏡検査法、S状結腸鏡検査法と結腸鏡検査法、食道胃十二指腸鏡検査法(EGD)、内視鏡的逆行性胆道膵管造影法(ERCP)、及び気管支鏡検査法を含む様々な内視鏡処置で体腔に挿入される挿入管12を備えている。挿入管12は、チャネルポートを有しており、そこを通して内視鏡ユニットを配置することができる。1つの実施形態では、ポートの1つに配置される内視鏡ユニットは、遠位先端を有する改良された起上台の1つの実施形態を含んでいてもよい。
図1aと図1bに示す様に、内視鏡11は、更に、挿入管12と機械的及び流体的に連通している制御システム14を含んでいる。制御システム14は、挿入管12と、その中に配置されている内視鏡の部品を制御するために作られている。図示のように、制御システム14は、第1及び第2制御ノブ16、18を含んでいる。制御ノブ16、18は、挿入管12と機械的に連通するように作られている。制御ノブ16、18は、医者が、既知の手段によって、患者の脈管及び体腔を通して挿入管12を制御及び案内できるようにしている。制御システム14は、更に、弁スイッチ(例えば、吸引弁20、空気/水弁21、カメラ弁22)を含んでおり、それぞれが、挿入管12のチャネルポート13の内の1つと連通している。例えば、吸引弁スイッチ20は、起動されると、望ましくないプラークや残屑を患者から吸引するために、吸引チャネルポートを通して吸引源から真空を導入することができる。1つの例では、挿入管12の遠位端は、直腸又は口を経由して、患者体内の所定の内視鏡の場所に挿入される。挿入管12の挿入は、内視鏡処置に依っては、直腸又は口を経由して行われる。内視鏡は、遠位先端を有する起上台と組み合わせると、ワイヤーガイドによる裂傷又は引っ掻き傷の危険が減る。
この実施形態では、挿入管12は、制御システム14に接続されている、挿入部保護部材26まで伸張している操作部25を備えている。制御システム14は、操作部25に接続されており、挿入管12を制御するように作られている。この実施形態では、挿入管12は、可撓管28、可撓管28に接続されている湾曲部29、及び湾曲部29に接続されている内視鏡先端30を含む構成要素で構成されている。ユニバーサルコード31は、その一方の端部が制御システム14に接続され、これと連通している。ユニバーサルコード31の他方の端部には、コネクタ18が取り付けられている。コネクタ18は、光導管及び電気接点と連通しており、光源装置32及び画像処理装置33(外部機器)に接続されている。これらの外部機器には、モニター34、入力キーボード35、吸引ポンプ装置36、灌水瓶37、及びローラー38が装備された棚39に搭載されている他の適した装置が含まれている。
図1cと図2に示す様に、切欠部40は、先端30の外周面に形成されている。この実施形態では、チャネル開口部42は、切欠部40の一方の側に形成されており、対物レンズ44と光源46は、撮像するために、切欠部40の他方の側に配置されている。対物レンズ44と光源46は、共に、チャネル開口部42に隣接して配置されている。先端30は、更に、切欠部40の後壁面50から伸張しているノズル48を備えている。ノズル48は、水、空気などの流れを、対物レンズ44の外面に向かって噴射し、レンズ面を洗浄できるようにしている。
図1cと図2は、更に、本発明の1つの実施形態による把持スロット91を備えている起上台43を示している。把持スロットは、医療機器を把持するのに適していればどの様な形状又は形態をしていてもよい。この実施形態では、把持スロット91は、起上台43を貫いて形成された把持スロット91を画定する内側92によって狭く形成されている。把持スロット91は、内視鏡を操作する間に、医療機器(例えば、カテーテル又はワイヤーガイド)を受けて機器を把持するために、起上台43を通って中央に形成されているのが望ましい。
図2に示す様に、先端30は、更に、ガイドカテーテル52と、ガイドカテーテル52を貫いて配置されているワイヤーガイド56を含んでいる。先端30は、更に、ガイドカテーテル52又はワイヤーガイド56を持ち上げるために、ガイドカテーテル及び/又はワイヤーガイドを受けるように作られた起上台43を含んでいる。以下に更に詳しく述べる様に、起上台43は、ポリマー材料で構成されており、そこを貫いて把持スロットが把持性を高め引っ掻きを減らすために形成されている。
起上台43は、先端30に対して枢動するように装着され、(例えばカテーテルやワイヤガイドなどの)医療器具を持ち上げるために、医療器具を受け入れるように構成されている。図3に示すように、遠位先端は、チャネル開口部42内に起上台43を収容する。起上台43はカテーテルなどの医療器具を配向するのに使用される。以下に詳述するが、医療器具の配向は、医療器具を係止するとともに遠位先端から枢動しながら離れ、それによって遠位先端から医療器具の遠位端部を側方へ離すことによって、行われる。こうして、起上台43は、医療器具の遠位端を内視鏡に対し固定する。つまり、医療器具が起上台43のスロット91内に受け入れられると、医療器具は、起上台43が先端30から離れるとき、先端30に対し側方に動く。
図3は、内視鏡先端30が、先端30の本体であるカフ60と、カフ60の周囲を覆っているスリーブ又はカバー62を含んでいることを示している。図示のように、カバー62は、例えば高密度ポリエチレン又はポリプロピレンなど、何らかの適したポリマー材料の様な非導電性部材を使って形成されている。この実施形態では、カバー62は、カフ60に、何らかの適した手段、例えば接着剤接着によって取り付けられている。カフ60は、ワイヤーガイド又はカテーテルの様な医療器具を挿入するための通路として働く作業チャネル63に隣接して配置されている。この実施形態では、チャネル67(図1c)は、チャネル開口部42を通して治療器具の先端開口部を配置できるように、先端30を貫通して形成されている。
図3は、更に、起上台43に接続されている起上台ワイヤー90を示している。この実施形態では、起上台ワイヤー90は、操作部25に配置されており、ガイド管92と、ガイド管92に接続されているガイドパイプ93を通って伸張している。起上台ワイヤー90は、制御システム14と機械的に連通していて、制御システム14を操縦すると、起上台ワイヤー90が内視鏡に対して動くようになっている。図3は、起上台ワイヤー90を制御システム14で作動させたときの起上台43の運動を(仮想線で)示しており、起上台ワイヤー90を引くか押すと、起上台43の位置が起上台回転サポート68を中心として動く。
この実施形態では、起上台43は、制御システム14を操縦するか又は作動させて、起上台ワイヤー90を押し引きすると、起上台回転サポート68を中心として動く。その結果、図5に示す様に、ワイヤーガイド56は矢印Pの方向に動き、起上台43はカフ60に押し付けられる。ワイヤーガイド56は、比較的軸方向に剛い材料で形成されているので、カフ60に押し付けられると、真っ直ぐな状態に留まる傾向にあり、図4の矢印Frの方向に反力が生成される。この反力により、ワイヤーガイド56は、スロット91に押し付けられる。更に、起上台43とカフ60は互いに押し付けあうので、ワイヤーガイドは固定される。
別の実施形態で、図4と図5は、横断方向通路102と103が貫通して形成されている起上台43を示しており、各通路には、随意の金属のスリーブ104と105が配置されている。金属のスリーブは、起上台に横方向の剛性を提供するように作られている。起上台43の近位端は、カフ60に設けられている起上台回転サポート68を中心として軸回転するように取り付けられている。
起上台43は、ポリマー材料で構成されているのが望ましい。ポリマー材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ペルフルオロエラストマー、フルオロエラストマー、ニトリル、ネオプレン、ポリウレタン、シリコン、スチレン−ブタジエン、ゴム、又はポリイソブチレン、或いはその混合物を含んでいてもよい。ポリマー材料は、起上台で医療機器を比較的しっかりと把持するのに役立つと同時に、医療機器を引き裂き、引っ掻き、又は剥ぐ危険性を減らす。
図6は、本発明の1つの実施形態による把持スロット130を備えた起上台43を示している。把持スロットは、医療機器を把持するのに適していればどの様な形状又は形態をしていてもよい。この実施形態では、把持スロット130は、起上台43を貫いて把持スロット130を画定する内側132によって狭く形成されている。把持スロット130は、内視鏡を操作する間に、医療機器(例えば、カテーテル、ワイヤーガイド)を受けて機器を把持するために、起上台43を通って中央に形成されているのが望ましい。
図6と図7は、本発明の1つの実施形態による、内側132を有する起上台を示している。図示のように、内側132には、側面突起134が形成されている。この実施形態では、側面突起134は、内側のそれぞれに亘って横方向に相対して形成されているリッジ又はリブである。勿論、側面突起は、内側の何れか一方又は両方に、任意の適した形状で、互い違い構成で形成されていてもよい。例えば、内面突起は、本発明の範囲又は精神を逸脱すること無く、長手方向に、又は様々なパターンで形成することができる。
使用時は、内視鏡の制御システムを操縦して起上台を作動させ、起上台を動かしてカテーテル又はワイヤーガイドの様な医療機器と係合させることができる。医療機器は、強制的に起上台43の把持スロット130を通して動かされて、医療機器は起上台43の内側132と係合する。側面突起134は、機器と係合し、起上台43がポリマー材料で作られているために、部分的に変形し、機器を緩衝して、引っ掻く可能性を少なくする。使用時、側面突起134は、医療機器がスロット内に配置されるとこれを受けて、把持性を高め、引っ掻く危険性を少なくする。
スロットの構成は、引き裂き、引っ掻く危険性を減らすだけでなく、医者が、器具又はワイヤーガイドの遠位端をよりしっかりと把持し、内視鏡の他の部分に対して固定できるようにしている。更に器具又はワイヤーガイドを剥ぐか又は損傷させるのを避けるために、カフ60に、弾性の外面66を設けてもよい(図3参照)。
図8a−8cは、更に、起上台を貫いて形成されている把持スロット140、150、160の様々な構成を示している。先に述べた様に、把持スロットは、内視鏡の医療機器を把持するために、どの様な望ましい又は適した形状を取ってもよい。例えば、図8aに示すように、起上台141の把持スロット140は、半円又は弓状の断面形状を有していてもよい。この実施形態では、把持スロット140は、把持スロット140を画定する弓状面142を有している。図示のように、弓状面142には、医療機器を把持するための表面突起144が形成されている。
図8bは、本発明の別の実施形態による起上台151の把持スロット150を示している。図示のように、把持スロット150は、スロット150を画定する内部及び弓状面152を有している。この実施形態では、側面152には、医療機器を把持するための表面突起154が形成されている。この実施形態では、把持スロット150は、鍵穴形状となっており、比較的狭い平坦面151を有し、弓状面153に広がっている。使用時、カテーテル又はワイヤーガイドの様な医療器具は、平坦面151の間で動かされ、弓状面153によって受けられる。図示のように、弓状面153の直ぐ近くの平坦面上に配置されている表面突起154は、医療器具を把持スロット150内に保持し、又は弓状面153に向け付勢するように作用する。これにより、医療器具の装置内への把持性が向上する。
図8cは、本発明の更に別の実施形態による起上台161の把持スロット160を示している。図示のように、把持スロット160は、スロット160を画定する先細及び弓状面162を有している。この実施形態では、側面162には、医療機器を把持するための表面突起164が形成されている。この実施形態では、把持スロット160は、これも鍵穴形状を取っているが、平坦面161は、カテーテル又はワイヤーガイドの様な医療機器を受け入れるため外向きに張り出している。図示のように、平坦面161は、次いで弓状面163へと伸張している。使用時、医療器具は、平坦面161の間で動かされ、弓状面163によって受けられる。図示のように、弓状面163の直ぐ近くの平坦面上に配置されている表面突起164は、医療器具を把持スロット160内に保持し、又は弓状面163に向け付勢するように作用する。これにより、医療器具の装置内への把持性が向上する。
図9は、本発明の別の実施形態による、起上台43上に配置されている把持カバー又は先端212を備えている起上台43を示している。この実施形態では、先端212は、起上台43を覆って配置されており、超音波溶着、熱接着、又は接着剤接着の様な何らかの適した手段によって、その上に接着されている。図示のように、先端212は、複数の横方向リッジ又はリブ214が形成されている本体213を備えている。本体213は、開口部216を画定している開口リップ215を有しており、そこを通して起上台43が受けられる。本体213は、起上台43に配置されており、少なくとも1つ、望ましくは複数の表面突起又はリッジ214が、機器を受け、これと接触するように一面に配置されている。表面突起214は、本体213に亘って、任意の適した様式で、例えば、横方向又は長手方向に一面に形成してもよい。
把持カバー又は先端212は、機器と接触すると、機器と協働して緩衝及び変形して、ワイヤーガイドを引き裂くか又は引っ掻く危険性を減らすような、どの様な適した材料で作ってもよい。把持カバー212は、ポリマー材料で作られるのが望ましい。例えば、把持カバー212は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ペルフルオロエラストマー、フルオロエラストマー、ニトリル、ネオプレン、ポリウレタン、シリコン、ポリテトラフルロエチレン、スチレン−ブタジエン、ゴム、及びポリイソブチレンの内の少なくとも1つで作ってもよい。
図9と図10に示すように、横方向リッジ214は、内視鏡内でこれを使用する際に、ワイヤーガイド又はカテーテルの様な機器と接触し係合するように作られている。横方向リッジ214は、ワイヤーガイド56を保持及び案内するのを助けるだけでなく、ワイヤーガイドを引き裂き、又は引っ掻く危険性を減らす働きもする。これは、リッジ213の横方向構造とその組成によって実現される。リッジ214は、機器(例えば、ワイヤーガイド)と接触するのに望ましいか又は適した、どの様な構成を取ってもよい。
引き裂き及び引っ掻きの危険性を減らすのに加えて、先端212は、医者が、剥き出しの剛い起上台を有する内視鏡と比べて、器具又はワイヤーガイドの遠位端を内視鏡に対してよりしっかりと把持し固定できるようにしている。器具又はワイヤーガイドを更に剥ぐか又は損傷させるのを避けるため、カフ60に弾性のある外面66を設けてもよい(図3参照)。
図11a−11cは、更に、起上台に形成されているリッジ又はリブ214、220、224の様々な構成をそれぞれ示している。先に述べた様に、リッジ214は、ワイヤーガイドと接触するのに望ましいか又は適したどの様な形状を取ってよい。例えば図11a−11cに示す様に、リッジ214、220、224は、半円又は弓状(図11a)、三角形(図11b)、又は長方形(図11c)の断面形状を有していてもよい。
以上、本発明を好適な実施形態について説明してきたが、勿論、本発明は、当業者であれば特に以上の教示に照らして修正を施し得るものであることから、それらに限定されるものではないものと理解されたい。