JP2009507219A - 酸化ジルコニウム発光酸素センサー - Google Patents
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Abstract
高温のエンジンの排ガスなどの気体中の酸素分圧を測定する方法であって、較正発光センサーを使用すること、および、前記センサー内でナノ結晶性酸化ジルコニウムZrO2(2)を測定する気体と接触させる工程、前記酸化ジルコニウムに光源(3)から放射される、酸化ジルコニウムの発光を誘起するのに適したUV-VIS光パルスを照射する工程、光検出器(4)および記録計(5)を使用して前記ZrO2の発光強度の時間依存性を記録する工程、特定の強度、例えば前記の記録された発光パルスの最大強度を測定する工程、および、測定時間におけるセンサーの温度に対する酸素分圧の関数としての、発光強度の較正データと前記測定された強度を比較する工程を含むことを特徴とする方法。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
本発明は、センサーの励起発光を測定することによって、気体中の酸素の分圧を測定する方法に関し、特に、技術プロセスのコントロール、ガラス温室、講義室、会議室、飲食店における酸素濃度のコントロールにおいてだけでなく、車のエンジンの排ガスにおける酸素量の測定において、および冶金においてだけでなく燃焼プロセスの最適化においても適用できる方法に関する。
ポーランド特許第142779号は、酸素と水素の触媒反応の熱を使用する方法に基づく、高温気体における酸素量のコンスタントな測定のための装置を開示している。一方、米国特許第3849539号からは、水素に関して不活性なガス流から、検出し、酸素を除去するための方法が知られている。
米国特許第3849539号による測定方法は、分析されるガスの初期の厳密な乾燥の必要性の観点から、高温気体において直接酸素濃度を測定するために使用されることはできない。さらに、分析されるガス中の酸素濃度は、重量測定で1%未満でなければならない。発光および酸化ジルコニウム(λ=1)に基づく線形ラムダコントロールを有する電流測定センサーだけでなく、酸化ジルコニウムに基づく電位差測定酸素センサーを使用する三元触媒コンバータ(TWC)からなる燃料制御装置の使用も既知である[E. Ivers-Tiffee, K.H. Hardtl, W. Menesklou, J. Riegel, Principles of solid state oxygen sensors for lean combustion gas control, Electrochimica Acta 47 (2001) 807-814]。上述のセンサーの動作の原理は、電気的な電流伝導に関連し、特定の解決策のために不利である。
発明の対象に最も密接に関連する解決策は、米国特許第6815211号および米国公開公報2001−031224号に開示されている。これらの解決策において、発光の消光からのシグナルに基づいて、分析ガス中の酸素濃度に関する情報を提供するシステムからなる装置が記載されている。それらのシステムの要素には、以下のものが含まれる:(a)測定ガスを送達する装置、センサー試料室(そこで発光が励起されており、その消失時間がガス中の酸素濃度を反映する);(b)前記センサー中の発光能力のある化合物を刺激するための光源を備えたコンバータ、および発光減衰の間に発光化合物由来の放射エネルギーを処理する高感度光検出器(ここで、モニターされる気体中の酸素濃度を示す電気信号に処理されている)、および(c)前記センサーを一定温度に保ち、且つ、前記高感度光検出器によって生成された信号を処理するためのサブシステム。前述の解決策の不利な点は、複雑な構造である。
米国特許第6815211号に開示されている酸素濃度をモニターする方法は、以下のステップからなる;(a)有機溶媒中で発光を示す溶液組成物を形成する;(b)大量の開口微少孔を有する疎水性ポリマーフィルムからなるマトリクスを膨化させる;(c)膨化したフィルムの内側に浸透させることによって、フィルムに発光を示す溶液組成物を導入する;(d)収縮中に、微少孔性の疎水性ポリマーが、前記発光を示す組成物の少なくとも半分をトラップするようにし、前記有機溶媒を除去する。
米国特許第0031224号の段落20において、酸化ジルコニウムからなる酸素センサーが記載されており、ここでは、酸素の量は、イオン伝導度を利用することによって測定される。当該発明の対象と類似する解決策は、「Rugged D.O.」という名の光学的な、蛍光性の酸素検出器によっても代表されており(http://www.in-situ.com/ln-Situ/Products /MPTROLL9000/TROLL9000_RDO.html)、これは水溶液中に溶解されている酸素濃度の検出を可能にする。このモニタリング法は、検出器の高感度素子(発光団)が青色光源(例えばUV LED)によって活性化され刺激されているという事実に基づいている。この方法において刺激されている検知素子は、水中の流通酸素濃度に反比例する強度の赤色光を放射する。また、最大青色光値と蛍光性赤色光の応答最大値間の減衰の時間も、存在する酸素濃度に反比例する。減衰の時間は、入射する青色光と蛍光性の赤色光の間の位相変位として表現することもできる。
本発明の目的は、センサー物質の励起発光の測定を介して、気体中の酸素の分圧を測定する方法を提供することである。
この目的は、較正センサー(calibrated sensor)中のナノ結晶性酸化ジルコニウムを測定気体と接触させ、且つ、酸化ジルコニウムの発光を生じさせるUV光インパルスで照射する方法によって達成された。その後、発光強度の時間依存性を記録し、パルスの発光強度を測定し、および、得られた結果を所定の時間(測定を行った時間)のセンサー温度に対する酸素分圧の関数における発光強度の較正結果と比較する。この方法において、測定された発光強度は、発光応答パルスの最大値と等しくなりうる。
本発明の一態様において、センサーは、単斜層、ドープ正方相、規則性ドープ相またはそれらの相の混合物からなる3nm〜200nmのナノ結晶性酸化ジルコニウムを含む。
本発明の別の態様では、前記ジルコニアは、前記単斜の、正方晶の、もしくは規則性の相あるいはそれらの混合物を安定させるために既知のイオンを含有し、または、前記ジルコニアは、センサーの感度を向上させ、作動温度を低下させる、希少金属および遷移金属のイオンを含有する。
本発明の別の態様では、前記ジルコニアは、前記単斜の、正方晶の、もしくは規則性の相あるいはそれらの混合物を安定させるために既知のイオンを含有し、または、前記ジルコニアは、センサーの感度を向上させ、作動温度を低下させる、希少金属および遷移金属のイオンを含有する。
本発明の別の態様において、測定気体の温度が100℃未満である場合、センサーは100℃〜900℃の範囲の温度に加熱され、そして、センサー作動温度はナノ結晶性粒子のサイズに比例する。
使用される誘起用の励起光インパルスの波長は、210nm〜620nmの範囲内とすることができる。
本発明の別の態様において、所定の時間におけるセンサー温度の計測は、発光減衰を記述する指数関数の指数に基づいて、且つ、得られた値と、温度とこの指数間の関係を決定する較正結果(キャリブレーション結果;calibration result)とを比較して行われる。
また別の態様において、所定時間におけるセンサー温度の計測は、センサー内で使用される所定の物質の特性である、発光の減衰速度に基づいて行われる。
本発明の目的のために、測定される発光強度は、最大値より小さい発光応答パルスの何らかの固定値と等しくされてもよい。
本発明は、気体中の酸素量とセンサー温度の同時測定を可能にし、これにより、温度を安定させる必要性および温度制御装置の使用が不要となる。センサー作動温度は、ナノ結晶性粒子ZrO2のサイズを選択することによって調節でき、および、小さな酸化ジルコニウム結晶を使用する場合、センサーは100℃を超える温度で稼働できる。本発明は、これらの気体の温度の測定だけでなく、高温気体中の酸素量の測定を可能にする。さらに、本発明に基づく測定の方法は、明確なアルゴリズム、および、比較的簡単な測定データ処理によって特徴付けられる。正方相の発光センサーZrO2の場合、低い電気伝導のため、発熱素子は、薄膜定着(thin film settlement)の方法により、ZrO2上に直接設置されてもよい。この測定法において、気体中の酸素分圧およびセンサー温度を測定するために、一つの刺激サイクルにおいてたった2つの測定の実行が要求される。
本発明の対象は、添付の図面に図式的に表されている。
図1は、ガス雰囲気中の酸素濃度およびセンサー温度の測定のためのシステムの模式図を示す。
図2は、時間関数におけるオペレーションおよび測定の可能性があるオーダーを示す。
図3aおよび図3bは、測定気体中の酸素量を測定できるものの助けを借りて、発光強度(Io)の振幅の正確な値を評価する一タイプを示す。
図3cおよび図3dは、測定方法を表し、その方法において、発光強度(I01)の指定振幅値は、発光強度(It2)に対応する時間(t2)においてより速く発生した別のパルスに起因して過大に評価される。
図4は、気体中の酸素分圧とセンサー温度の同時測定の方法を表す。
図1は、ガス雰囲気中の酸素濃度およびセンサー温度の測定のためのシステムの模式図を示す。
図2は、時間関数におけるオペレーションおよび測定の可能性があるオーダーを示す。
図3aおよび図3bは、測定気体中の酸素量を測定できるものの助けを借りて、発光強度(Io)の振幅の正確な値を評価する一タイプを示す。
図3cおよび図3dは、測定方法を表し、その方法において、発光強度(I01)の指定振幅値は、発光強度(It2)に対応する時間(t2)においてより速く発生した別のパルスに起因して過大に評価される。
図4は、気体中の酸素分圧とセンサー温度の同時測定の方法を表す。
本発明は、以下に記載されるその具体化された実施例に基づき詳細に説明されるだろう。気体雰囲気中の酸素分圧およびセンサー温度を測定するためのシステムの典型的なスキーム(図1)は、チャンバー1内に配置されたセンサー物質2を加熱する発熱素子6を備えており、前記センサー物質が、単斜相、ドープ正方相、規則的ドープ相またはそれらの相の混合物のZrO2を含有することを特徴とする。センサー物質は、ナノ結晶性粒子ZrO2のサイズの選択次第で様々な温度範囲において作動できる。センサーは、励起光源3、光検出器4および記録計5も備えている。本発明によれば、パルス源3からの光は、ZrO2(2)内にそれ自身の発光を励起させる。発光は、光検出器4によって検出され、その後、強度と発光減衰の時間5が記録される。
発光強度とその減衰時間は、酸素分圧(需要温度のZrO2における)について、および温度自体についての情報を提供する。ここから、その発光の全測定期間中、前記温度は測定されることができ、これにより、温度の安定および制御のための更なる装置を使用する必要性が解消される。
時間関数におけるオペレーションおよび測定の可能性のあるオーダーが、図2に表されている。この図は、発熱素子6のスイッチング後の状況およびナノ結晶ZrO2のサイズに応じて適切に選択された一定値の流れを示す。均等な時間t1後、その抵抗加熱された酸化ジルコニウムはナノ結晶性ZrO2の使用サイズにとって適切な一定温度に到達し、励起光源3によって送られた励起パルスが活性化されている。前記励起パルスの持続時間はt2−t1である。発光は、光検出器4によって検出され、発光減衰時間だけでなくその強度も記録計5によって記録される。図2に表された発光応答振幅Ioは、ZrO2における酸素量に依存する。図2によれば、発光応答は、励起パルスの終わりt2にその最大値に到達する。t3−t2に等しい発光減衰時間は、その後、発光強度がファクター1/e;(Io/I=e、ここでlogee=1)によって減少する時間として定義される。図2によれば、励起時間は(一定の)発光減衰時間(t3−t2)より短くなければならず、その量は、励起の最大繰り返し周波数によっても決定されている。
発光ZrO2の強度は、酸素量測定の精度が主にその測定の精度によって決まるため、酸素量を決定するパラメータである。しかしながら、検出の欠陥を増加しうる余分な光がある。この光は、(a)装置内で散乱される光;(b)前の発光に由来するバックグラウンド;および(c)散乱励起光、からなる。ZrO2発光測定のための平均的な散乱測定は、1〜5%の範囲内である。それゆえ、フォトダイオードによって検出される散乱光は、5%未満のはずである。散乱励起光は、例えば、適切なフィルターの使用によるスペクトル選択によって除去でき、装置内の散乱光(検出器の環境に由来する光)は、検出器の適切な構成によって減少しうるので、主要な問題は、前の発光後のバックグラウンドがもたらす光である。もし、励起パルス(図3b)が、お互いに十分長い時間間隔で続くなら、発光バックグラウンド(図3a)の減衰は非常に良好となり得る。時間間隔Δt=t1−t0(図3b)において、発光減衰時間は実際にフォトダイオードの境界値より短く、そのため、測定値I0は、酸素濃度測定にとって良好なパラメータである。
極めて重要な問題は、励起の最大頻度である。もし次の励起パルスがt1−t0範囲内であれば(図3cおよび3d)、フォトダイオードはI0および前の励起が引き起こす発光に由来するバックグラウンドIt2からなる値I01を記録するだろう(図3c)。それゆえ、測定値I01=I0+It2は酸素濃度の測定のために適切ではない。以下の計算が作られる。
それゆえ、パルス間の時間間隔がΔt〜4τの場合、光強度の測定の値の精度は十分高くなり、発光のバックグラウンドに由来する傷害は約1%である。
それゆえ、図2によれば、次のパルスは励起パルス終了時間(t2)と発光時間減衰(t3−t2)の4倍の合計に等しい値より短くない時間後に導入されるべきである。
その減衰時間だけでなく、励起発光(ZrO2自身の)の強度の測定によって、酸素分圧および検出器温度が測定される。もちろん両方のパラメータは較正を必要とする。
それゆえ、図2によれば、次のパルスは励起パルス終了時間(t2)と発光時間減衰(t3−t2)の4倍の合計に等しい値より短くない時間後に導入されるべきである。
その減衰時間だけでなく、励起発光(ZrO2自身の)の強度の測定によって、酸素分圧および検出器温度が測定される。もちろん両方のパラメータは較正を必要とする。
本発明にかかる方法を、図4の図表に基づいて記載する。図4によれば、発光強度測定は2つ(少なくとも)の時点(ta,tb)で行われた。その減衰の時間と発光強度の依存関係は、以下の規則によって表される。
ここで、I0は初期発光強度(t=0における)であり、Iはtごとの発光強度である。
式(A)を変換すると、次の方程式となる:
その図形は直線である(図4)。
方程式(B)を変換すると、発光減衰時間は以下の通りである;
方程式(A)の結果から、t=0の場合、I=I0であり、t=0における軸ln(I)に平行な線と、方程式(B)を表す線の交点は、正確なレベルI0を決定するので、発光減衰の最大値の正確な測定は必要ない。I0値は、ZrO2における初期酸素量に依存している。
発光活性減衰の熱エネルギー(Ea)の測定は、以下の式によって表される温度と発光減衰時間の依存関係に基づいて決定される:
式中、τは発光減衰の時定数であり、1/τ0は頻度因子であり、Eaは発光消光の熱活性エネルギーであり、kはボルツマン定数であり、Tは温度(ケルビン)である。
発光減衰の時定数(τ)が、少なくとも2つの異なる温度(T1,T2)において測定される場合、Eaおよび1/τ0を算出できる。方程式(D)の適切な変換により、発光活性減衰の熱エネルギーは、以下の方程式から計算できる。
パラメータEaは検出器ごとに最初の使用前に決定されなければならず、且つ、検出器の作動中に変化しない。
方程式(D)を変換した後、以下の式を使用することによって温度を決定してもよい
方程式(B)を変換すると、発光減衰時間は以下の通りである;
発光活性減衰の熱エネルギー(Ea)の測定は、以下の式によって表される温度と発光減衰時間の依存関係に基づいて決定される:
発光減衰の時定数(τ)が、少なくとも2つの異なる温度(T1,T2)において測定される場合、Eaおよび1/τ0を算出できる。方程式(D)の適切な変換により、発光活性減衰の熱エネルギーは、以下の方程式から計算できる。
方程式(D)を変換した後、以下の式を使用することによって温度を決定してもよい
物質周囲の気体混合物中の酸素分圧の関数において、ZrO2(単斜相および正方相の混合物からなる)の発光強度測定(エネルギー2.65eVで測定された)は、周囲の気体混合物中の酸素量と酸化ジルコニウムの発光強度の量の依存関係を明らかにした。酸素分圧におけるわずかな相違(0.1%)さえ、発光強度の変化によって明らかになった。得られた結果をまとめた表1は、周囲の気体混合物(酸素および窒素)由来の様々な酸素分圧に対する発光強度ZrO2のシグナルの値を示す。平均粒子サイズ24nmの単斜相、および平均粒子サイズ19nmの正方相からなるZrO2の作動温度は340℃であった。
本発明によれば、得られる対象は高精度の温度安定化を必要としないので、温度安定化エレメントおよびさらなる温度センサーは必要ない。全ての測定が、正確に規定された温度のためのデータを含むという事実による結果として、特別の温度センサーはもはや必要ない(もちろん、適切な温度作業範囲を決定するために、特定サイズの粒子からなるセンサー物質の事前の較正は、必要である)。
発光性の酸素センサーの利点は、分析気体中の酸素量と検出器の温度との同時測定の実現性だけでなく、明確なアルゴリズムおよび比較的シンプルな測定データ処理でもある。
正方相のZrO2発光検出器の場合、低い電気伝導の理由から、発熱素子は薄膜定着の方法にてZrO2上に直接配置されてもよい。
80nmの結晶平均サイズをもつ安定化された正方相からなるナノ結晶性酸化ジルコニウムを含有する測定センサー2が準備され、その較正が実施され、較正において、温度関数における発光減衰の時間だけでなく、発光減衰の熱エネルギー活性(Ea)、パラメータτ0、その作動温度範囲、この温度範囲における酸素圧の関数における発光強度の依存関係が決定され、そしてその後、それは金属チャンバー1を含むセンサー素子内に配置され、450℃の温度まで加熱され、そして車の排ガスがその中に入れられた。次に、時間t0において、測定気体と接しているセンサーの表面が、LED3(280nm)による誘起UV光パルスによって照射され、そのバンド2.7eVにおいてZrO2中にそれ自身の発光を励起させ、その後シグナル上昇−時間10nsであるフォトダイオード4(FDS 100)によって検出された。フォトダイオード4からのシグナルは、バンド幅440MHzの広帯域増幅器(図に表されていない)によって増幅され、発光減衰時間(t3−t2、図2)だけでなく強度(I)を、高速作動8ビットアナログ・デジタル・コンバータ5によって記録し、その後、その変換をデータ表示モジュールに送った。上記パラメータの測定は、以下のような方法にて行われた;発光による最大値到達後、2つの追加の発光強度の測定が行われた;時間taに対するIaおよび時間tbに対するIb、次に、前記測定時間(tb−ta)の差分係数として発光減衰時間が測定され(T)、および、これらの発光強度時間中における自然対数の差が計算され(lnIa−lnIb)、および、併せて、2つの前記点を通る直線を引くことによって、最大値に対し、両方の励起された発光振幅を計算した;点t0(LED照射点)を通り軸lnIに平行な線と前記直線の交点が、正確なI0レベルを決定し、それはZrO2における初期酸素量、他の固定レベル(例えば、較正表の形成の要求に従って、半分の高さ又は他)に対するいずれかに依存する。この値は、所定の温度における較正表中の値I=f(酸素圧)と比較され、酸素の分圧が得られた。センサー温度は、ボルツマン定数(k)と、較正パラメータτ0の自然アルゴリズムと前に測定された発光減衰時間(τ)の自然アルゴリズムの差の積によって発光活性減衰の熱エネルギー(Ea)の指数として決定された。次の励起パルスは、励起パルス終了時間(t2)と発光時間減衰(t3−t2)の4倍との合計に等しい時間の後で生じさせた。
15nmの結晶平均サイズをもつ安定化された正方相からなるナノ結晶性酸化ジルコニウムを含有する測定センサー2が準備され、その較正が実施され、較正において、温度関数における発光減衰の時間だけでなく、発光減衰の熱エネルギー活性(Ea)、パラメータτ0、その作動温度範囲、この温度範囲における酸素圧の関数における発光強度の依存関係が決定され、そしてその後、それは金属チャンバー1を含むセンサー素子内に配置され、200℃の温度まで加熱され、そして分析気体(酸素と窒素の混合物)がその中に入れられた。次に、時間t0において、測定気体と接しているセンサーの表面が、LED3(280nm)による誘起UV光パルスによって照射され、そのバンド2.7eVにおいてZrO2中にそれ自身の発光を励起させ、その後成長時間20nsであるフォトダイオード4(FDS 100)によって検出された。フォトダイオード4からのシグナルは、バンド幅440MHzの広帯域増幅器(図に表されていない)によって増幅され、発光減衰時間(t3−t2)(図2)だけでなく強度(I)を、高速作動8ビットアナログ・デジタル・コンバータ5によって記録し、その後、その変換をデータ表示モジュールに送った。上記パラメータの測定は、以下のような方法にて行われた;発光による最大値到達後、2つの追加の発光強度の測定が行われた;時間taに対するIaおよび時間tbに対するIb、次に、前記測定時間(tb−ta)の差分係数として発光減衰時間が測定され(T)、および、これらの発光強度時間中における自然対数の差が計算され(lnIa−lnIb)、および、併せて、2つの前記点を通る直線を引くことによって、励起された発光振幅を計算した;点t0(LED照射点)を通り軸lnIに平行な線と前記直線の交点が、正確なI0レベル(あるいは、較正表の形成に従う他の固定値)を決定し、それはZrO2における初期酸素量に依存する。この値は、所定の温度における較正表中の値I=f(酸素圧)と比較され、酸素の分圧が得られた。センサー温度は、ボルツマン定数(k)と、較正パラメータτ0の自然アルゴリズムと前に測定された発光減衰時間(τ)の自然アルゴリズムの差の積によって発光活性減衰の熱エネルギー(Ea)の指数として決定された。次の励起パルスは、励起パルス終了時間(t2)と発光時間減衰(t3−t2)の4倍との合計に等しい時間の後で生じさせた。
本発明にかかるセンサーの感度は、1%未満であり、その応答時間は100μsである。本発明にかかる方法は、1%〜27%の測定範囲における分析気体中の酸素の分圧をモニターするために使用できる。
上記にて説明し且つ図面に示された本発明の実施形態は、単なる例示であり、それは添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲を限定するものではないことが明確に理解されるであろう。
Claims (14)
- センサーの発光を励起することによって、気体中の酸素の分圧を測定する方法であって、較正センサー中のナノ結晶性酸化ジルコニウムを測定気体と接触させ、および、酸化ジルコニウムの発光を誘起するUV光インパルスによって照射し、その後、その発光強度の時間依存性を記録し、パルスの発光強度を測定し、且つ、得られた結果を、所定時間のセンサー温度に対する酸素分圧の関数における発光強度の較正結果と比較することを特徴とする方法。
- 測定された発光強度が、発光応答パルスの最大値と等しいことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記センサーが、単斜相、ドープ正方相、規則性ドープ相またはこれらの相の混合物からなる3nm〜200nmの結晶子を持つナノ結晶性酸化ジルコニウムを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- 前記ジルコニアが、単斜相、正方相、あるいは規則性相、またはこれらの混合物を安定化するイオンを含有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- 前記ジルコニアが、センサーの感度を向上させ、作動温度を低下させる希少金属および遷移金属のイオンを含有することを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
- 前記測定気体の温度が100℃未満である場合、前記センサーが100℃〜900℃の範囲の温度に加熱され、および、前記センサーの作動温度がナノ結晶性粒子のサイズに比例することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記の誘起のための励起光インパルスの波長が210nm〜620nmの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 所定時間におけるセンサー温度の測定が、発光減衰を表す指数関数の指数に基づいて行われること、および、得られた値と、前記温度とこの指数の間の関連性を決定する較正結果とを比較することによって行われることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 所定時間におけるセンサー温度の測定が、センサー内で使用される所定の物質に特有である発光の減衰速度に基づいて行われることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記の測定された発光強度が、最大値より低い発光応答パルスの固定値と等しいことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記センサーが、ドープ単斜相、正方相、規則性相またはこれらの相の混合物からなる3nm〜200nmの結晶子を持つナノ結晶性酸化ジルコニウムを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
- 前記測定気体の温度が100℃未満である場合、前記センサーが100℃〜900℃の範囲の温度に加熱され、および、前記センサーの作動温度がナノ結晶性粒子のサイズに比例することを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
- 前記の誘起のための励起光インパルスの波長が210nm〜620nmの範囲内であることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 所定時間におけるセンサー温度の測定が、発光減衰を表す指数関数の指数に基づいて行われること、および、得られた値と、前記温度とこの指数の間の関連性を決定する較正結果とを比較することによって行われることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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