JP2009299920A - 蓄熱装置、蓄熱システム及び空調装置 - Google Patents

蓄熱装置、蓄熱システム及び空調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】温暖化対策及び枯渇する資源の消費の削減のために、冬の冷熱を夏まで保存し、夏その冷熱で冷房し、夏の温熱を冬まで保存し、冬その温熱を暖房に利用する季節間空調装置及びそれに好適な蓄熱装置の実用化が求められている。
【解決手段】
蓄熱装置31を円筒形の蓄熱槽32の中に球形の蓄熱体34と熱媒体33を充填した構造にする。空調装置30を外気熱交換器43と、熱媒体33を第一流出入口35から流出させ外気熱交換器43経由で第二流出入口36に戻す外気循環手段と、建物熱交換器46と、熱媒体33を第二流出入口36から流出させ建物熱交換器46経由で第一流出入口35に戻す建物循環手段と制御部50で構成する。そして、潜熱蓄熱材として、その融解温度と凝固温度が建物付近の1月の平均気温より6度以上高く、且つ冷房設定温度より4.5度以上低いものを使えば冷房のCOPを従来のヒートポンプを使うものより大きくできる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、潜熱蓄熱材の高い充填率を有する蓄熱装置と蓄熱量を検知可能な蓄熱システムと外気の熱を季節を越えて保存しその熱で建物を空調する空調装置に関するものである。
空気は1立方メートルあたり0.3Kcal/度の熱を含んでいる。外気には、冬に冷たい熱(以下、冷熱と呼ぶ)が、夏に暖かい熱(以下、温熱と呼ぶ)が大量に存在する。従って、その冷熱と温熱を潜熱蓄熱材に潜熱として蓄え、季節を越えて保存し、冷房と暖房またはそれらの補助に利用すれば、冷房を冬の冷熱で行い、暖房の補助を夏の温熱で行うことができ、冷暖房費を大幅に削減できる。夏の温熱と冬の冷熱により空調を行う装置を季節間空調装置と呼ぶ。季節間空調装置に利用できる技術、例えば蓄熱槽に充填された熱媒体の流れを均一にする技術(特許文献1)、蓄熱装置の潜熱の蓄熱量を検出する技術(特許文献2)、季節間空調装置の構成(特許文献3、4、5)、酢酸を主要成分とした蓄熱材を使った空調装置(特許文献6)等が公開されている。
特許文献1は、蓄熱槽本体内部の天板側と底板側に熱媒分配管をそれぞれ配設し、熱媒分配管に熱媒入出流出入口を設けている。これにより蓄熱槽を簡素な構造にでき、また、蓄熱体と熱媒とが温度成層流によって均等に熱交換されるため、蓄熱効率を向上させることができ、更に、熱媒分配管からの均一な分配流により、蓄熱に寄与しない無駄なスペースを排除できるとしている。特許文献2では、蓄熱槽に連通する膨張タンクに液面レベルセンサを設け、蓄熱材の相変化による容積変動に伴う液面レベルの変動を検出して蓄熱量を検出している。特許文献3では、冬季に冷熱を蓄熱体に蓄え、夏まで保存し、夏その冷熱で建物を冷房することにより冷房に使用するエネルギーを大幅に削減している。特許文献4では、融解温度が地中温度より高く、凝固温度が地中温度より低い潜熱蓄熱材を地中温度の環境に設置することにより、長期間の潜熱の保存をしている。そしてその潜熱蓄熱材と外気及び建物の中の空気の熱交換を制御することにより、冬、冷熱を蓄えて夏まで保存し、夏その冷熱で冷房でき、また夏の温熱を冬まで保存し、冬その温熱で換気による熱損失を削減し暖房費を削減できるとしている。特許文献5では、換気による熱損失を下げるために外気を蓄熱装置内に備えられた熱交換器に通し、潜熱蓄熱材と熱交換し、冬暖め、夏冷やして建物の中に取り入れている。特許文献6では、夜間、ヒートポンプで酢酸を主要成分とした蓄熱材を凝固させ、日中その融解熱により住宅を冷房している。
特開平8―303976号公報 特開平9―145107号公報 特開平11―211159号公報 特開2007−32913号公報 特許第4052351 特開2001―107035号公報
蓄熱装置の利用可能な蓄熱量は潜熱蓄熱材の量と潜熱蓄熱材が有効に利用される割合と潜熱容量から算出され、潜熱蓄熱材の量は蓄熱体と蓄熱槽の形状と、蓄熱体を蓄熱槽に充填する構造により決まる。特許文献1は、蓄熱に寄与しない無駄なスペースを排除できる(有効に利用する割合を大きくできる)としているが潜熱蓄熱材の量を最大にする蓄熱体の充填構造に関しての記載はない。
季節間空調装置では、例えば現在蓄えられている冷熱量は冷房の制御のための重要な情報であるので蓄熱量を知ることは有用である。特許文献2は、蓄熱量を検出するために液面レベルセンサが必要で、且つ液面を検出するために蓄熱槽を大気開放型にする必要があり、システム構成が複雑で且つ高価である。
季節間空調装置では、例えば冬季に冷熱を蓄え夏季にその冷熱で冷房し、ヒートポンプを使わないので冷房に使用するエネルギーを大幅に削減できる。特許文献3は、季節間空調装置に必要な構成を記載しているが、季節間空調装置が消費するエネルギー(冷熱を蓄えるために使用するエネルギーと冷熱を冷房として使うときのエネルギー)に関する記載がなく、従来のヒートポンプを使う技術より熱効率が良いかどうか分からない。更に、蓄えた熱量から冷熱を数ヶ月保存する期間に放熱する熱量に関する記載がない。放熱量が大きければ利用できる熱量が少なくなり、冷房に利用できる単位熱量あたりの季節間空調装置が消費するエネルギーが大きくなる。
特許文献4は、融解温度が地中温度より高く、凝固温度が地中温度より低い潜熱蓄熱材を使うので純粋な酢酸のように融解温度と凝固温度が同じ温度(16.7度)の潜熱蓄熱材は使用できない。更に、地中温度の測定は困難であり、気象の変化等によりその温度は変わるので好適な潜熱蓄熱材を探すまたは開発するのが困難である。更に、不凍液を熱媒体とした空調装置(図6)では蓄熱装置の中の熱交換器が熱媒体と潜熱蓄熱材の熱交換をする構造であるので熱効率が悪く、且つ蓄熱装置を最適な構造(例えば温度成層を形成する構造)にできない。
特許文献5は、外気が蓄熱装置内の同じ熱交換器を通るため換気による熱損失をあまり減少できない。例えば特許文献5の図6の空調装置において、冬の中ごろ、潜熱蓄熱材の下半分が凝固したとすると熱交換器20Bを通る外気は殆ど暖められずに室内に入るので換気による熱損失が大きい(外気は液相の潜熱蓄熱材を凝固して、その凝固熱で暖められるがすでに固相であるので暖められない)。更に、外気は熱交換器を通って建物に入るため、大きな建物では換気のダクトが長くなり、高価になる。
特許文献6は、ヒートポンプを使用した蓄熱式の冷房装置であり、冷房装置のCOP(Coefficient Of Performance、エネルギー消費効率または成績係数)は比較的小さい。特許文献6にはCOPの記述はないが、例えば、三菱重工業株式会社のISUP5602HLXは冷房能力が35.5KWであり、COP(日量蓄熱利用冷房効率)は3.47である。更に、冷媒が固定した流路を流れるので潜熱蓄熱材の有効に利用する割合を大きくするためには多数の流路を設ける必要があり困難である。
ヒートポンプを使用した非蓄熱式の殆どの冷房装置のCOPは6以下である。例えば、東芝キャリア株式会社のRAS−221BDRとRAS−712BDRはそれぞれ冷房能力が2.2KWと7.1KWであり、COPは5.24と2.45である。また、従来のヒートポンプを使わず、排出空気と導入空気の間で顕熱および潜熱の熱交換を行う換気の技術は換気の熱損失を削減するが夏、導入空気の温度は排出空気の温度(約室内温度)以上であり、室内を冷やさない。また従来の地熱を利用した換気の技術は、夏、導入空気を地中で熱交換をするので室内を冷やすことができるが、その設置及びメンテナンス費用が高価である。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、季節間空調装置に好適な、大容量の熱を蓄える蓄熱装置と、容易に蓄熱量を検出できる蓄熱システムと、潜熱蓄熱材の利用可能な条件を緩和し、冷房能力が大きく且つ冷房のCOPが極めて大きい空調装置を提供することにあり、更に、冬季に換気による熱損失が小さく、夏季に換気により室内を冷やす空調装置を提供することである。
請求項1に記載の本発明によれば、本発明の蓄熱装置は、
蓄熱槽と、前記蓄熱槽の中に配置され、直径Dの球形の複数の蓄熱体を備えた蓄熱装置であって、
前記蓄熱槽は液体の熱媒体で充填され、
前記蓄熱体は潜熱蓄熱材を含み、
前記蓄熱槽の外部の第一流路に接続され、前記蓄熱槽の上部付近に配置された複数の第一分散流路と、
前記蓄熱槽の外部の第二流路に接続され、前記蓄熱槽の底部付近に配置された複数の第二分散流路を有し、
前記第一分散流路と前記第二分散流路は前記熱媒体が流出入する複数の分散口を有し、
前記複数の第二分散流路は互いに平行に設置され、
隣接した前記第二分散流路の中心から中心までの距離は、Nを正の整数として、略0.866DNであることを特徴とする。
このような構成であれば、Nが2以上の場合は、第二分散流路から0.866Dの距離に第二分散流路と同じサイズのガイドを配置することにより、隣接する第二分散流路またはガイドの中心から中心までの距離を0.866Dにできる。第二分散流路またはガイドの間に蓄熱体を配置すれば、蓄熱体を最密充填構造に配置できる。その場合、蓄熱体は均一に配置され、また第二分散流路の複数の分散口から熱媒体が流出入するので蓄熱槽内で熱媒体を略均一に流すことができる。従って、蓄熱槽内に温度成層ができ、略全ての蓄熱体の潜熱を有効に利用できる。
請求項2に記載の本発明によれば、本発明の蓄熱装置は、
円筒形の蓄熱槽と、前記蓄熱槽の中に配置され、直径Dの球形の複数の蓄熱体を備えた蓄熱装置であって、
前記蓄熱槽は液体の熱媒体で充填され、
前記蓄熱体は潜熱蓄熱材を含み、
前記蓄熱槽の内径のサイズは、Mを正の奇数として、略DMであり、
前記複数の蓄熱体は前記蓄熱槽内に最密充填構造で配置されていることを特徴とする。
このような構成であれば、円筒形の蓄熱槽の中に最密充填構造で球形の蓄熱体を配置した場合に、蓄熱槽と最密充填構造で配置された蓄熱体との間の空間が少なくなるので大容量で且つ単位体積あたり最大の蓄熱容量を得られる。更に、蓄熱槽内で熱媒体を略均一に流すことができるので略全ての蓄熱体の潜熱を有効に利用できる。蓄熱槽と最密充填構造で配置された蓄熱体との間には無駄な空間ができるがそこにはその蓄熱体より小さい蓄熱体を充填することにより、熱媒体の流れをより均一にできる。
請求項3に記載の本発明によれば、本発明の蓄熱システムは、
液体の熱媒体を介して熱を蓄える蓄熱装置と、情報を処理するまたは前記熱媒体の流量を制御する制御演算装置を備えた蓄熱システムであって、
前記蓄熱装置は、蓄熱槽と、前記蓄熱槽の中に略均一に配置され、潜熱蓄熱材を含む複数の蓄熱体と、前記蓄熱槽の外部の第一流路に接続された第一分散流路と、前記蓄熱槽の外部の第二流路に接続された第二分散流路と、複数の温度検出器を備え、
前記蓄熱槽は前記熱媒体で充填され、
前記第一分散流路と前記第二分散流路はそれぞれ前記蓄熱槽の上部と底部付近に配置され、前記熱媒体を前記蓄熱槽内に略均一に流す構造を有し、
前記複数の温度検出器は前記蓄熱槽の垂直方向に異なる所定の位置に配置され、
前記制御演算装置は、前記温度検出器により検出された温度に基づいて、貯蔵可能な冷熱量または利用可能な冷熱量または貯蔵可能な温熱量または利用可能な温熱量の近似値を算出する、または前記第一流路と前記第二流路に流れる熱媒体の流量を制御することを特徴とする。
このような構成であれば、熱媒体に温度成層が形成されるので垂直方向に異なる位置の温度を測定し、その温度分布から潜熱蓄熱材が殆ど全て固相の領域と殆ど全て液相の領域と固相と液相が共存している領域が分かる。更に、その温度分布から貯蔵可能な冷熱量または利用可能な冷熱量または貯蔵可能な温熱量または利用可能な温熱量の近似値を算出できる。それによりユーザは的確に対応できる。更に、例えば冷熱を蓄えている時に蓄熱槽の最上部の熱媒体の温度が外気温度より低い時に第一流路と第二流路に流れる熱媒体の流量を停止させ、無駄なエネルギーを消費させないようにできる。
請求項4に記載の本発明によれば、本発明の空調装置は、
少なくとも一つの蓄熱槽と、前記蓄熱槽の中に配置され、所定の特性を有する潜熱蓄熱材を含む複数の蓄熱体を有する蓄熱装置を備え、
前記蓄熱槽は液体の熱媒体で充填され、更に第一流出入口と第二流出入口を有し、
外気と前記熱媒体との間で熱交換を行う外気熱交換器と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第一流出入口から流出させ前記外気熱交換器経由で前記第二流出入口から前記蓄熱槽に戻す外気循環手段と、空気と前記熱媒体との間で熱交換を行う建物熱交換器と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第二流出入口から流出させ前記建物熱交換器経由で前記第一流出入口から前記蓄熱槽に戻す建物循環手段と、建物の中の空気を前記建物熱交換器経由で前記建物の中に戻す空気循環手段と、外気の温度を検出する外気温度検出器と、前記建物の中の空気の温度を検出する室内温度検出器と、制御部を備え、
前記制御部は前記外気温度検出器で検出された外気温度と前記室内温度検出器で検出された室内温度に基づいて、前記外気熱交換器と前記建物熱交換器に流す熱媒体の流量と、前記建物熱交換器に流す空気の流量を制御し、
前記所定の特性は前記潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度が前記建物付近の1月の平均気温より6度以上高く、且つ冷房の制御のための設定温度より4.5度以上低いという特性であることを特徴とする。
このような構成であれば、冷熱を1月に蓄える時に、蓄熱装置で凝固温度付近まで温められた熱媒体が外気と外気熱交換器で熱交換する時に温度差が大きいので熱効率良く冷熱を蓄えることができる。また冷房する時に蓄熱装置で融解温度付近まで冷やされた熱媒体が建物の中の空気と建物熱交換器で熱交換する時に温度差が大きいので熱効率良く冷房できる。但し、建物の中の空気の温度は略冷房の制御のための設定温度(冷房時に室内の温度を制御するために設定する温度であり、以下冷房設定温度と呼ぶ)であるとした。従って、本発明の空調装置は大きいCOPを得ることができる。但し、冷熱の長期保存のため蓄熱装置は適切な場所に設置され、蓄熱槽は適切に断熱されているとする。更に、使用できる潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度の範囲は広く、特許文献4のような融解温度と凝固温度に関する条件もないので、主要成分を酢酸とした潜熱蓄熱材を使用できる。その場合、潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度は16.7度またはそれより少し低い温度であり、大きいCOPを得ることができる。
請求項5に記載の本発明によれば、本発明の空調装置は、
少なくとも一つの蓄熱槽と、前記蓄熱槽の中に配置され、所定の特性を有する潜熱蓄熱材を含む複数の蓄熱体を有する蓄熱装置を備え、
前記蓄熱槽は液体の熱媒体で充填され、更に第一流出入口と第二流出入口を有し、
空気と前記熱媒体との間で熱交換を行う換気熱交換器と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第一流出入口から流出させ前記換気熱交換器経由で前記第二流出入口から前記蓄熱槽に戻す冬季循環手段と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第二流出入口から流出させ前記換気熱交換器経由で前記第一流出入口から前記蓄熱槽に戻す夏季循環手段と、外気を前記換気熱交換器経由で建物の中に入れる熱交換手段と、外気を前記建物の中に直接入れる直通手段と、外気の温度を検出するが外気温度検出器と、制御部を備え、
前記制御部は前記外気温度検出器で検出された外気温度に基づいて前記換気熱交換器に流す熱媒体と空気の流量を制御し、
前記所定の特性は前記潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度が前記建物付近の1月の平均気温より高く、且つ冷房の制御のための設定温度より低いという特性であることを特徴とする。
このような構成であれば、冬季に、換気のために建物の中に取り入れる外気の冷熱を蓄熱装置に蓄えると共に外気を1月の平均気温より高い潜熱蓄熱材の凝固温度付近まで温めて室内に入れることができるので換気による熱損失を削減でき、暖房費を削減できる。夏季に、換気のために建物の中に取り入れる外気の温熱を蓄熱装置に蓄えると共に外気を冷房設定温度より低い潜熱蓄熱材の融解温度付近まで冷やして室内に入れることができるので換気により室内を冷やすことができる。例えば、潜熱蓄熱材として主要成分が酢酸であるものを使うことができる。その場合、潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度は16.7度またはそれより少し低い温度であるので冬季に、外気を16.7度付近まで温めて室内に入れることができ、夏季に、外気を16.7度付近まで冷やして室内に入れることができる。また過冷却を防止する方法と融解温度と凝固温度を下げる方法がある(特許文献6参照)ので酢酸は本発明の空調装置に好適な蓄熱材である。そして従来の地熱を利用した換気装置に使われているような地中に設置された熱交換器が無いので設置及びメンテナンス費用が安価である。
請求項6に記載の本発明によれば、本発明の空調装置は、
外気と前記熱媒体との間で熱交換を行う外気熱交換器と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第一流出入口から流出させ前記外気熱交換器経由で前記第二流出入口から前記蓄熱槽に戻す外気循環手段と、空気と前記熱媒体との間で熱交換を行う建物熱交換器と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第二流出入口から流出させ前記建物熱交換器経由で前記第一流出入口から前記蓄熱槽に戻す建物循環手段と、前記建物の中の空気を前記建物熱交換器経由で前記建物の中に戻す空気循環手段と、前記建物の中の空気の温度を検出する室内温度検出器を更に備え、
前記制御部は前記外気温度と前記室内温度検出器で検出された室内温度に基づいて、前記外気熱交換器と前記建物熱交換器に流す熱媒体の流量と、前記建物熱交換器に流す空気の流量を制御し、
前記所定の特性は前記潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度が前記建物付近の1月の平均気温より6度以上高く、且つ冷房の制御のための設定温度より4.5度以上低いという特性であることを特徴とする請求項5に記載の空調装置である。
このような構成であれば、換気による熱損失を削減できると共に、冬季に冷熱を蓄え、夏季にその冷熱で建物を冷房できる。更に、冬季に換気により蓄えた冷熱の熱量が夏季に換気により蓄える温熱の熱量より多い場合、その差の熱量を夏季に冷房に使用することにより、冷房の熱効率は更に向上する。
請求項7に記載の本発明によれば、本発明の空調装置は、
少なくとも一つの第一蓄熱槽と、前記第一蓄熱槽の中に配置され、所定の特性を有する第一潜熱蓄熱材を含む複数の第一蓄熱体を有する第一蓄熱装置及び、
少なくとも一つの第二蓄熱槽と、前記第二蓄熱槽の中に配置され、所定の特性を有する第二潜熱蓄熱材を含む複数の第二蓄熱体を有する第二蓄熱装置を備え、
前記第一蓄熱槽と前記第二蓄熱槽は液体の熱媒体で充填され、
前記第一蓄熱槽は第一流出入口と第三流出入口を有し、
前記第二蓄熱槽は第四流出入口と第二流出入口を有し、
前記第三流出入口は前記第四流出入口に接続され、
外気と前記熱媒体との間で熱交換を行う換気熱交換器と、前記第一蓄熱槽の熱媒体を前記第一流出入口から流出させ前記換気熱交換器経由で前記第二流出入口から前記第二蓄熱槽に流入させる冬季循環手段と、前記第二蓄熱槽の熱媒体を前記第二流出入口から流出させ前記換気熱交換器経由で前記第一流出入口から前記第一蓄熱槽に流入させる夏季循環手段と、外気を前記換気熱交換器経由で建物の中に入れる熱交換手段と、外気を前記建物の中に直接入れる直通手段と、外気の温度を検出するが外気温度検出器と、制御部を備え、
前記制御部は前記外気温度検出器で検出された外気温度に基づいて前記換気熱交換器に流す熱媒体と空気の流量を制御し、
前記所定の特性は前記第二潜熱蓄熱材の凝固温度が前記建物付近の1月の平均気温より高く、前記第一潜熱蓄熱材の融解温度が前記建物付近の7月の平均気温より低く、前記第一潜熱蓄熱材の凝固温度は前記第二潜熱蓄熱材の融解温度より高いという特性であることを特徴とする。
このような構成であれば、冬季に、換気のために建物の中に取り入れる外気の冷熱を蓄熱装置に蓄えると共に外気を第一の潜熱蓄熱材の凝固温度付近まで温めて室内に入れることができるので換気による熱損失を削減でき、暖房費を削減できる。夏季に、換気のために建物の中に取り入れる外気の温熱を蓄熱装置に蓄えると共に外気を第二の潜熱蓄熱材の融解温度付近まで冷やして室内に入れることができるので換気により室内を冷やし、冷房費を削減できる。例えば、第一の潜熱蓄熱材として凝固温度が21度の潜熱蓄熱材を使用し、第二の潜熱蓄熱材として融解温度が14度の潜熱蓄熱材を使用すれば、冬季に換気の空気は21度付近まで温められるので換気による熱損失は殆ど無く、夏季に換気の空気は14度付近まで冷やされて室内に入るので室内を冷やすことができる。
請求項8に記載の本発明によれば、本発明の空調装置は、
外気と前記熱媒体との間で熱交換を行う外気熱交換器と、前記第一蓄熱槽の熱媒体を前記第一流出入口から流出させ前記外気熱交換器経由で前記第二流出入口から前記第二蓄熱槽に流入させる外気循環手段と、空気と前記熱媒体との間で熱交換を行う建物熱交換器と、前記第二蓄熱槽の熱媒体を前記第二流出入口から流出させ前記建物熱交換器経由で前記第一流出入口から前記第一蓄熱槽に流入させる建物循環手段と、前記建物の中の空気を前記建物熱交換器経由で前記建物の中に戻す空気循環手段と、前記建物の中の空気の温度を検出する室内温度検出器と、を更に備え、
前記制御部は前記外気温度と前記室内温度検出器で検出された室内温度に基づいて、前記外気熱交換器と前記建物熱交換器に流す熱媒体の流量と、前記建物熱交換器に流す空気の流量を制御することを特徴とする請求項7に記載の空調装置である。
このような構成であれば、換気による熱損失を削減できると共に、冬季に冷熱を蓄え、夏季にその冷熱で建物を冷房できる。更に、冬季に換気により蓄えた冷熱の熱量が夏季に換気により蓄える温熱の熱量より多い場合、その差の熱量を夏季に冷房に使用することにより、冷房の熱効率は更に向上する。
以上述べたように、本発明の蓄熱装置は大容量で、単位体積あたり最大の蓄熱容量を得られ、略全ての蓄熱体の潜熱を有効に利用できる。また本発明の蓄熱システムは蓄熱槽の温度分布の測定により必要な熱量の近似値を算出できる。また本発明の冷房用の空調装置は、冬季に外気の冷熱を蓄える時に外気と熱媒体の温度差が大きく、夏季にその冷熱で冷房する時に室内の空気と熱媒体の温度差が大きいので極めて大きいCOPを達成できる。更に使用できる潜熱蓄熱材の条件は厳しくない。更に本発明の換気用の空調装置は冬季の換気による熱損失が少なく、夏季には換気により室内を冷やすことができる。更に本発明の換気と冷房用の熱交換器を備えた空調装置は換気による熱損失を削減すると共に冬季に蓄えた冷熱により夏季にその冷熱で冷房できる。更に本発明の2種類の潜熱蓄熱材を使用した空調装置は冬季に外気を暖める凝固温度と夏季に外気と室内の空気を冷やす融解温度を独立に選定できるので冬季の換気による熱損失が更に小さくでき、且つ夏季の冷房能力を更に高くできる。更に潜熱蓄熱材の主成分として酢酸を使うことにより、熱効率が高く、蓄熱量が大きく、安価な空調装置を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を次の項目に沿って詳細に説明する。
(A)蓄熱装置
(B)蓄熱システム
(C)冷房専用の空調装置
(D)換気と冷房用の空調装置
(E)2種類の潜熱蓄熱材を使用した空調装置
(A)蓄熱装置
図1に本発明の蓄熱装置に係わる第1実施形態を示す。図1(A)は概観図であり、図1(B)は図1(A)のA−Aの断面図であり、図1(C)は図1(B)のB−Bの断面図であり、図1(D)は第一分散流路16を示し、図1(E)は第二分散流路15を示す。図1(A)に示すように蓄熱装置10の外観は円筒形の蓄熱槽11に第一流路13と第二流路12が接続されたものであり、蓄熱槽11は放熱を減少させるために不図示の断熱材で覆われている。蓄熱槽11はその中に液体の熱媒体14が充填されているので強度が高く製造が容易である円筒型の構造としている。第一流路13と第二流路12は蓄熱槽11の外部に設置された熱交換器等の外部機器との間で熱媒体14を循環させるための流路である。蓄熱槽11の上部には第一分散流路16が、底部には第二分散流路15が設置されている。蓄熱槽11は多数の球形の蓄熱体20と液体の熱媒体14が充填されている。蓄熱体20は球形のカプセル21の中に潜熱蓄熱材22が封入された構造である。図1(B)と(C)に示すように蓄熱体20は最密充填構造に配置されるのが好ましい。蓄熱槽11の材料は強度のある金属等が好ましく、熱媒体14は使用される環境の温度範囲で液体を保つ不凍液等が好ましい。カプセル21は潜熱蓄熱材22と化学反応しないプラスチック等が好ましい。熱媒体14は熱容量を大きくするために潜熱蓄熱材を含んだマイクロカプセル等を含んでいても良い。
図1(D)と(E)に示すように第二分散流路15は多数の分散口17を有すると共に第二流路12に接続され、第一分散流路16は多数の分散口18を有すると共に第一流路13に接続されている。熱媒体14が第二流路12から蓄熱槽11に流入し第一流路13から流出する場合、熱媒体14は第二分散流路15の多数の分散口17から蓄熱槽11の多数の場所に分散して流出し、蓄熱体20の間を縫って上昇し、多数の分散口18から第一分散流路16に流入し、第一流路13から流出する。従って、蓄熱槽11の水平面の多数の蓄熱体20を含む単位面積あたりの熱媒体14の流量は略均一である。垂直方向の熱媒体14の流量をより均一にするために分散口17は水平方向に熱媒体14を流出するように配置するのが好ましい。更に第二分散流路15内の圧力は熱媒体14が流れているため場所により異なるので各分散口17から流出する熱媒体14の単位面積あたりの流量が略等しくなるように各分散口17の間隔またはサイズを設定するのが好ましい。
円筒型の蓄熱槽11には球形の蓄熱体20を最密充填構造に配置することができる。図1(C)はその一例であり、蓄熱槽11の内径は直径上に7個の蓄熱体20を配置するサイズである。一般的には蓄熱槽11の内径を蓄熱体20の奇数倍にすれば、最密充填構造に配置された蓄熱体20と蓄熱槽11との間にできる無駄な空間を最小限にでき、蓄熱槽11の中に蓄熱体20を最高の密度で配置できる。最密充填構造には立方最密充填構造と六方最密充填構造があるがどちらでも良い。蓄熱槽11の内径のサイズは蓄熱体20の製造のバラツキを考慮して決めるのが好ましい。
次に図1(E)を参照して第二分散流路15とガイド19の配置を具体的に説明する。図1(E)では第二分散流路15とガイド19が交互に配置されているが他の配置形態でも良いし、全て第二分散流路15でも良い。蓄熱槽11の直径上に奇数個の蓄熱体20を並ばせた最密充填構造において、直径上の蓄熱体20の列とそれに隣接した蓄熱体20の列の距離は蓄熱体20の直径の3の平方根倍であるので、蓄熱槽11の中心Cから略0.433Dの位置に互いに平行に第二分散流路15またはガイド19を配置する。図1(E)の例では第二分散流路15Aとガイド19Aがそれらに相当する。他の第二分散流路15とガイド19を既に配置された第二分散流路15またはガイド19に平行に略0.866Dの中心から中心までの距離を有して配置する。従って、隣接した第二分散流路15またはガイド19の中心から中心までの距離は略0.866Dである。そして隣接した第二分散流路15またはガイド19の間に蓄熱体20を配置すれば図1(C)で示したような一段目の最密充填構造に配置される。2段目は一段目の蓄熱体20の間に配置することにより構築できる。最密充填構造には立方最密充填構造と六方最密充填構造があるがどちらでも良い。
図1(B)と(C)から分かるように蓄熱槽11と最密充填構造に配置された蓄熱体20との間には大きな空間ができる。その空間に熱媒体14が多く流れるため蓄熱槽11内の熱媒体14の流れが不均一になる。本発明の蓄熱装置に係わる第2実施形態を図2に示す。蓄熱装置10Aは熱媒体14の流れをより均一にするためにその空間に部材23を配置している。また部材23としては、蓄熱の熱容量を増加させるために、蓄熱体20より直径が小さいカプセル24の中に潜熱蓄熱材22が封入された蓄熱体が好ましい。部材23は球形でなくても良いし潜熱蓄熱材を使わなくても良い。
蓄熱槽11内に多数の蓄熱体20が最密充填構造で均一に配置され、第二分散流路15と第一分散流路16により熱媒体14が均一に流れると温度成層が形成される。そして熱媒体14と蓄熱体20との熱交換量は、蓄熱の初期と最後(蓄熱体20が略全て液相または固相)の時以外は、略一定であり、蓄熱した熱量を最大限有効利用できる。
[効果]
本発明の蓄熱装置10は蓄熱槽11が円筒形なので大型の蓄熱槽11を容易に構築でき、第二分散流路15とガイド19の間隔が略0.866Dであり、蓄熱槽11の内径がDの奇数倍であるので、直径Dの球形の蓄熱体20を容易に最密充填構造に配置できる。更に、第一分散流路16と第二分散流路15の複数の分散口18と17から熱媒体14が流出入するので蓄熱槽11内で熱媒体14を略均一に流すことができる。つまり、潜熱蓄熱材の充填率が大きく、蓄熱した熱量の有効利用率が大きい大容量の蓄熱装置を構築できる。
(B)蓄熱システム
図3(A)に本発明の蓄熱装置に係わる第3実施形態を示す。第3実施形態は温度検出器S1〜S12を備えた蓄熱装置10Bである。図3(A)は蓄熱装置10Bの断面図の一部を示す。蓄熱体20は蓄熱槽11内に略均一に配置され、熱媒体14は蓄熱体20の間を上向き、または下向きに略均一流れているとすると熱媒体14の温度は水平面で略均一になり、垂直方向の熱媒体14の温度は蓄熱体20との熱伝達により変わるので温度成層が形成される。温度検出器S1〜S12は垂直方向に異なる所定の位置に配置されているので蓄熱槽11内の温度分布を測定できる。蓄熱槽11と最密充填構造に配置された蓄熱体20との間の空間は、最密充填構造の配置された蓄熱体20の中の空間と異なる。従って、水平面の熱媒体14の温度が蓄熱槽11付近で異なるので温度検出器S1〜S12は蓄熱槽11から離れた位置に設置するのが好ましい。蓄熱槽11と蓄熱体20との空間には図2で説明したように部材23を配置するのが好ましい。
本発明の蓄熱システムの第一実施形態は蓄熱装置10Bと不図示の制御演算装置で構成されている。制御演算装置はCPU、RAM、不揮発性記憶デバイス等で構成された情報処理装置を含み、温度検出器S1〜S12から検出した温度を取得できるように構成されている。制御演算装置は温度検出器S1〜S12が検出した温度を取得し、その温度に基づいて所定の熱量を算出する。所定の熱量の例として貯蔵可能な冷熱量、利用可能な冷熱量、貯蔵可能な温熱量、利用可能な温熱量がある。更に、制御演算装置は温度検出器S1〜S12が検出した温度に基づいて熱媒体14の流量を制御する。次のそれらの説明をする。
[貯蔵可能な冷熱量]
初期状態において蓄熱槽11内の全ての蓄熱体20は全て液相であって、第二流路12から蓄熱槽11内に流入する熱媒体14の温度が一定の温度T1(T1は蓄熱体20に封入された潜熱蓄熱材22の凝固温度Tsより低い)に保たれ、冷熱を蓄えるために一定の期間熱媒体14を流した後に温度検出器S1〜S12が検出した温度をグラフにして図3(B)が得られたとする。ここで温度検出器S1〜S12の蓄熱槽11の底からの高さをH1〜H12とした。蓄熱体20の凝固温度Tsと温度T1との平均温度T2を算出し、平均温度T2に対応する高さHaを算出する。そして蓄熱槽11内の高さHaより上の蓄熱体20の体積を算出する。その体積は略蓄熱槽11内の全ての液相の潜熱蓄熱材の体積に等しいと仮定し、その体積と潜熱蓄熱材の凝固熱から蓄熱槽11内の液相の潜熱蓄熱材を全て凝固させる熱量、つまり貯蔵可能な冷熱量を算出することができる。
[利用可能な冷熱量]
初期状態において蓄熱槽11内の全ての蓄熱体20は全て固相であって、第一流路13から蓄熱槽11内に流入する熱媒体14の温度が一定の温度T4(T4は蓄熱体20に封入された潜熱蓄熱材22の融解温度Tmより高い)に保たれ、冷房するために一定の期間熱媒体14を流した後に温度検出器S1〜S12が検出した温度をグラフにして図3(C)が得られたとする。また蓄熱槽11から流出する熱媒体14の温度が融解温度Tmより高い許容温度T3まで冷房が可能とする。許容温度T3に対応する高さHbを算出する。そして蓄熱槽11内の高さHbより下の蓄熱体20の体積を算出する。その体積と潜熱蓄熱材の融解熱(凝固熱と等しい)から蓄熱槽11内の固相の潜熱蓄熱材を全て融解させる熱量、つまり利用可能な冷熱量を算出できる。これは温度分布が次第に下降し高さHbが蓄熱槽11の底の位置になるまで冷房が可能であるからである。ただし、許容温度T3は融解温度Tm付近であるとした。
[貯蔵可能な温熱量]
初期状態において蓄熱槽11内の全ての蓄熱体20は全て固相であって、第一流路13から蓄熱槽11内に流入する熱媒体14の温度が一定の温度T6(T6は融解温度Tmより高い)に保たれ、温熱を蓄えるために一定の期間熱媒体14を流した後に温度検出器S1〜S12が検出した温度をグラフにして図3(D)が得られたとする。蓄熱体20の融解温度Tmと温度T6との平均温度T5を算出し、平均温度T5に対応する高さHcを算出する。そして蓄熱槽11内の高さHcより下の蓄熱体20の体積を算出する。その体積は略蓄熱槽11内の全ての液相の潜熱蓄熱材の体積に等しいと仮定しその体積と潜熱蓄熱材の凝固熱から蓄熱槽11内の固相の潜熱蓄熱材を全て融解させる熱量、つまり貯蔵可能な温熱量を算出することができる。
[利用可能な温熱量]
初期状態において蓄熱槽11内の全ての蓄熱体20は全て液相であって、第二流路12から蓄熱槽11内に流入する熱媒体14の温度が一定の温度T7(T7は凝固温度Tsより低い)に保たれ、暖房するために一定の期間熱媒体14を流した後に温度検出器S1〜S12が検出した温度をグラフにして図3(E)が得られたとする。また蓄熱槽11から流出する熱媒体14の温度が凝固温度Tsより低い許容温度T8まで暖房が可能とする。許容温度T8に対応する高さHdを算出する。そして蓄熱槽11内の高さHdより上の蓄熱体20の体積を算出する。その体積と潜熱蓄熱材の凝固熱から蓄熱槽11内の液相の潜熱蓄熱材を全て凝固させる熱量、つまり利用可能な温熱量を算出できる。これは温度分布が次第に上昇し高さHdが蓄熱槽11の最上部の位置になるまで暖房が可能であるからである。ただし、許容温度T8は凝固温度Tm付近であるとした。
蓄熱槽11の熱媒体14の温度分布から潜熱蓄熱材の状態を仮定し、それから上記のように種々の熱量を算出するのは、誤差が大きい場合がある。誤差の原因の一つは潜熱蓄熱材の熱伝導率が比較的小さく、熱媒体14から潜熱蓄熱材の液相と固相の境界まで熱が伝達するために時間がかかるので、熱媒体14が蓄熱槽11内を垂直に流れる速度が大きいほど、また蓄熱体20が大きいほど誤差は大きくなる。蓄熱槽11の熱媒体14の流れが停止している時、その誤差は小さくなり、停止の時間が長いほど誤差は小さくなるので、例えば朝冷房を開始する直前に温度分布を検出し、利用可能な冷熱量を算出するのが好ましい。従って、算出した熱量は近似値であり、その誤差を認識して利用するのが好ましい。また、温度分布と熱媒体14の流量と温度と貯蔵可能な冷熱量と利用可能な冷熱量と貯蔵可能な温熱量と利用可能な温熱量の履歴を記録し分析することにより、より正確な熱量の算出が可能である。
[制御]
次に、制御演算装置が温度検出器S1〜S12が検出した温度に基づいて第二流路12と第一流路13に流れる熱媒体の流量を制御する実施例を説明する。例えば、冷熱を蓄熱している時に(図3(B)参照)温度検出器S12が検出した温度が凝固温度Tsより所定の温度(例えば5度)以上下がった時に略全ての潜熱蓄熱材が固相になったとして熱媒体の流れを停止する。また、建物を冷房している時に(図3(C)参照)温度検出器S1が検出した温度が許容温度T3より上がった時に冷房を続けるのは熱効率が悪いので熱媒体の流れを停止する。つまり、蓄熱槽11内の全体の温度分布を検出しなくても特定の位置の温度検出器が検出した温度により特定の制御をすることができる。
季節間空調装置では、例えば冬季に冷熱を蓄え夏季にその冷熱で冷房するので大量の熱を蓄える必要があり、大容量の蓄熱装置の体積は大きい。ビルの地下のように高さ制限のある場所に大容量の蓄熱装置を設置する場合は図4(A)に示すように複数の蓄熱装置を直列に接続するのが好ましい。蓄熱装置10Cと10Dと10Eは水平に配置されているが、熱的には、熱媒体14の温度は水平面で略均一になり温度成層が形成されるので、垂直に配置されているものと殆ど等しく、例えば、冷房時の蓄熱槽内の熱媒体の温度は図4(B)のようになる。つまり、熱的に、蓄熱装置10Cと10Dと10Eは垂直に積層された一つの蓄熱装置と見做すことができ、図4(C)のように一つの等価な蓄熱装置10Vで表すことができる。蓄熱装置10Vの蓄熱槽11Vは蓄熱槽11Cと11Dと11Eを垂直に積層した形状に略等しい。蓄熱槽11V内に蓄熱槽11Cと11Dと11E内に含まれた全ての蓄熱体20を含む。ここで蓄熱装置10Cと10Dと10Eは蓄熱装置10の第一分散流路16と第二分散流路15のような熱媒体を蓄熱槽内に均一に流す機構を有しているとした。
[効果]
本発明の蓄熱システムは温度成層が形成された蓄熱槽内の熱媒体の温度分布から必要な熱量の近似値を算出するので蓄熱槽内の熱媒体の液面レベルを検出する高価な装置は不要である。更に、特定の温度検出器からの温度により熱媒体の流れを制御するので、蓄熱量の算出をせずに簡単に熱媒体の流量の制御をすることも可能である。また、本発明の蓄熱装置は高さ制限等がある場所には蓄熱装置を複数に分割し直列に接続できるので設置場所の制限が少ない。
(C)冷房専用の空調装置
図5に本発明の空調装置に係わる第1実施形態の模式図を示す。空調装置30は冬季に外気の冷熱を蓄熱装置31に潜熱として蓄え、夏季までその冷熱を保存し、夏季に建物空間61を蓄えた冷熱で冷房する季節間空調装置である。空調装置30を、構成、冷熱の蓄熱、冷房、COPの算出、潜熱蓄熱材の選択条件、冷熱の長期保存、COPを増減させる要素、効果の順に説明する。
[構成]
空調装置30は蓄熱装置31と冷熱収集部38と冷房部39と制御部50を備えている。冷熱収集部38は外気空間62の外気と熱媒体33との間で熱交換を行う外気熱交換器43と、蓄熱槽32の中の熱媒体33を外気熱交換器43経由で循環させるための外気循環流路41と、外気循環流路41に配置された開閉器44とポンプ45と、通路57に配置され、外気を外気熱交換器43に送るファン55を備えている。冷房部39は建物63の中の建物空間61の空気と熱媒体33との間で熱交換を行う建物熱交換器46と、蓄熱槽32の中の熱媒体33を建物熱交換器46経由で循環させるための建物循環流路42と、建物循環流路42に配置された開閉器47とポンプ48と、通路58に配置され、建物空間61の空気を建物熱交換器46に送るファン56を備えている。制御部50は外気の温度を検出する外気温度検出器51と建物空間61の空気の温度を検出する室内温度検出器52と蓄熱槽32の上部と底部の熱媒体33の温度を検出する熱媒体温度検出器53と54からの情報に基いてポンプ45と48とファン55と56と開閉器44と47を制御する。蓄熱装置31は蓄熱槽32とその中に配置された蓄熱体34と蓄熱槽32に充填された熱媒体33を有する。そして蓄熱体34は潜熱蓄熱材がカプセルに封入された構造である。更に、蓄熱装置31は蓄熱槽32の上部と底部にそれぞれ第一流出入口35と第二流出入口36があり、外気循環流路41と建物循環流路42に接続され、地階の空間60に設置されている。
本発明に係わる外気循環手段は外気循環流路41と開いた状態の開閉器44とポンプ45で構成され、蓄熱槽32の熱媒体33を第一流出入口35から流出させ外気熱交換器43経由で第二流出入口36から蓄熱槽32に戻す手段である。また建物循環手段は建物循環流路42と開いた状態の開閉器47とポンプ48で構成され、蓄熱槽32の熱媒体33を第二流出入口36から流出させ建物熱交換器46経由で第一流出入口35から蓄熱槽32に戻す手段である。また空気循環手段は通路58とファン56で構成され、建物空間61の空気を建物熱交換器46経由で建物空間61に戻す手段である。冷熱収集部38は複数配置されても良いし、冷房部39も複数配置されても良い。本発明の空調装置は大容量の熱を使うので蓄熱装置31は蓄熱装置10または10Aと同様な構造を有するのが好ましい。一つの蓄熱装置では熱容量が不足の場合、または、高さ制限があり高い蓄熱槽を構築できない場合は、直列に接続した複数の蓄熱装置を使うのが好ましい。
[冷熱の蓄熱]
蓄熱体34に封入されている潜熱蓄熱材としてその融解温度と凝固温度が冬季の冷熱を蓄える時の外気温度より高く、冷房設定温度より低い特性を有する潜熱蓄熱材を使うとする。制御部50は外気温度検出器51で検出した温度が凝固温度より低い時に開閉器44を開きポンプ45とファン55を運転する。蓄熱槽32の上部の熱媒体33は第一流出入口35から流出し、外気循環流路41を通り、外気熱交換器43で外気と熱交換し、外気温度付近まで冷やされて第二流出入口36から蓄熱槽32の底部に流入し、蓄熱槽32内を上昇し、再び第一流出入口35から流出する。外気温度付近まで冷やされた熱媒体33は蓄熱槽32内を上昇する過程で液相の潜熱蓄熱材を凝固させると共に、凝固温度付近まで温められる。従って、熱媒体33の循環により蓄熱槽32内の液相の潜熱蓄熱材を凝固させ、冷熱を潜熱として蓄えることができる。潜熱蓄熱材が殆ど全部個相になると熱媒体33が外気に冷やされて凝固温度以下になり、外気が第一流出入口35付近の熱媒体33の温度より高くなる場合がある。その場合、蓄熱された冷熱は放熱されるのでそれを避けるために、制御部50は外気温度検出器51で検出した外気温度が凝固温度より低く、且つ熱媒体温度検出器53で検出した温度より所定の温度以上低い時に開閉器44を開きポンプ45とファン55を運転するのが好ましい。熱媒体33は外気熱交換器43で外気温度付近まで冷やされると述べたが熱媒体33の温度がどの程度外気温度に近づくかは外気熱交換器43の性能等に依存することは言うまでも無い。以下同様な説明は省く。また熱媒体33は蓄熱槽32内を上昇する過程で凝固温度付近まで温められると述べたが熱媒体33の温度がどの程度凝固温度に近づくかは蓄熱体20の直径や熱媒体33の上昇の速度等に依存することは言うまでも無い。以下同様な説明は省く。
[冷房]
制御部50は室内温度検出器52で検出した室内温度が冷房設定温度より高い時に開閉器47を開きポンプ48とファン56を運転する。蓄熱槽32の下部の熱媒体33は第二流出入口36から建物循環流路42に流出し、建物熱交換器46で建物空間61の空気と熱交換し、建物空間61の空気を冷やすと共に建物空間61の空気の温度付近まで温められて第一流出入口35から蓄熱槽32の上部に流入し、蓄熱槽32内を下降し、再び第二流出入口36から流出する。建物空間61の空気の温度付近まで温められた熱媒体33は蓄熱槽32内を下降する過程で固相の潜熱蓄熱材を融解させると共に融解温度付近まで冷やされる。従って、熱媒体33の循環により建物空間61の空気を冷やすことができる。潜熱蓄熱材が殆ど全部液相になると熱媒体33が建物空間61の空気に暖められて室内温度付近まで上昇する場合がある。その場合冷房の機能を果たさずエネルギーを消費するのでそれを避けるために制御部50は室内温度が冷房設定温度より高く、且つ熱媒体温度検出器54で検出した温度が室内温度より所定の温度以上低い時に開閉器47を開きポンプ48とファン56を運転するのが好ましい。
[COPの算出]
一般的に、冷房のCOPは冷房能力を冷房時に消費した電力で除した値であり、その測定または算出の条件は室内の空気が27度で露点が19.5度(相対湿度約65%)であり、冷媒(冷水)の温度は7度である。空調装置30は冷熱を蓄え、その冷熱で冷房するので、空調装置30のCOPは冷房能力を冷房時と冷熱の蓄熱時に消費した電力の和で除した値である。空調装置30のCOPを定量的に算出するために、外気熱交換器43と建物熱交換器46に木村工機株式会社のファンコイルKCS3―600を使用し、ポンプ45と48に荻原製作所のPF70―100を使用した場合を説明する。但し、ファンコイルKCS3―600はファンを含むのでファンコイルKCS3―600は外気熱交換器43とファン55または建物熱交換器46とファン56に相当する。
上で述べたように、冷房のCOPの冷媒の温度は7度で固定であるが、空調装置30ではその冷媒の温度は建物熱交換器46に入る熱媒体33の温度であり、潜熱蓄熱材によりその温度は異なるので、ここでは建物熱交換器46に入る熱媒体33の温度を温度Tとし、温度Tを変数と考え、COPを融解温度の関数として求める。温度Tは、液相の潜熱蓄熱材と固相の潜熱蓄熱材が共存している場合、冷房時には潜熱蓄熱材の融解温度より少し高い温度であり、冷熱の蓄熱時には潜熱蓄熱材の凝固温度より少し低い温度である。ここでは説明を簡略にするために潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度は等しく、且つ建物熱交換器46に入る熱媒体33の温度と潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度は等しく、温度Tであるとする。COPの測定条件は露点が19.5度であるので、空調装置30の実用的な融解温度の範囲(十数度)では殆ど結露しない。従って、冷房能力としては顕熱の冷房能力を用いるのが妥当であるので、KCS3―600の冷房能力として4.62KWを用いる。この冷房能力を基準冷房能力P1とする。KCS3―600のファン(ファン55または56に相当)の消費電力P2は73W(50Hz)であり、水量は9.7リットル/分である(KCS3―600の仕様)。基準冷房能力P1のために使うポンプ48の消費電力P3は37Wである(PF70―100の仕様)。但し、熱媒体33として不凍液を使うとし、その不凍液の比重0.9を考慮して水量11リットル/分の電力とした。そして室内温度をT1(27度)、基準冷房能力P1を出力する水温をT3(7度)、冷熱を蓄熱する時の外気の平均の温度をT2とする。ここで室内温度T1は空調装置30の冷房設定温度に相当する。
空調装置30の冷房能力Pは室内温度T1(27度)と熱媒体33の温度Tとの差に比例し、冷房能力Pは熱媒体33の温度がT3(7度)の場合に基準冷房能力P1(4.62KW)であるので次の式で表される。
P=P1*(T1−T)/(T1−T3)
冷房するときの消費電力はファン56とポンプ48の合計であるので(P2+P3)である。単位熱量を蓄熱装置から室内に移動するために消費する熱量Q1は、冷房するときの消費電力(P2+P3)を冷房能力Pで除して得られるので、次の式で表される。
Q1=(P2+P3)*(T1−T3)/(P1*(T1−T))
同様に、単位熱量を外気から蓄熱装置に移動するために消費する熱量Q2は
Q2=(P2+P3)*(T1−T2)/(P1*(T−T2))
冷熱の保存期間中の放熱を考慮しないCOP(COP0)は単位熱量を、単位熱量を外気から室内に移動するために消費した熱量(Q1+Q2)で除したものであるので次の式で求められる。
COP0=1/(Q1+Q2)
=K*(T1−T)*(T―T2)/(T1−T2) 式(1)
ここで
K=P1/((P2+P3)*(T1−T3))
冷熱を蓄熱する時の外気の温度T2を1月の平均気温として式(1)をグラフにしたものを図6(A)に示す。ここで東京(東京気象台)と仙台(仙台気象台)と鹿児島(鹿児島気象台)の1月の平均気温T2は2003年から2007年までの5年間の1月の平均気温の平均値である6.1度と1.9度と8.4度を使用した。単位時間に冷熱を蓄熱する熱量は凝固温度Tと冷熱を蓄熱する時の外気の平均の温度T2との温度差に比例するので凝固温度Tが温度T2に近づくほど長い冷熱を蓄熱する時間が必要である。ここでは温度T2が1月の平均気温であれば少なくとも1月の間(744時間)は冷熱を蓄熱する時間であるので十分であるとした。図6(C)に2004年の東京の日ごとの最高気温と最低気温を示す。この図から、1月の平均気温6.1度より低い日が12月の後半から3月の中頃まであり、冷熱を蓄熱する時間は2ヶ月程度あることが分かる。凝固温度が1月の平均気温付近の場合は実用的でないので、冷熱を蓄熱するために非常に長い時間が必要であるが問題にしない。
次に1月に蓄熱し7月から9月までの3ヶ月間の冷房期間に冷房するとして冷熱の保存期間(7ヶ月)の放熱量を算出する。放熱量は蓄熱槽32の体積と形状等により変わるがここでは1例で説明する。蓄熱槽32の体積を決める熱容量はその冷房期間に1日8時間の断続運転(連続運転時間は約3時間とする)するために必要な熱量である約1、000、000Kcalとする。潜熱蓄熱材として氷酢酸(純粋の酢酸、融解熱は45,000Kcal/立方メートル)を使用するとし、蓄熱体を球形とし、最密構造で充填し、充填率を70%とする(最密構造の充填率は74%であるが蓄熱槽32付近での充填率は低いので充填率を70%とした)と、蓄熱槽32は直径4mで高さ2.5mの円筒となる。断熱材として発泡ウレタン(伝導率0.02Kcal/mkh)を使用しその厚さをF(m)とする。放熱量G1は次の式で算出される。
G1=5600*|T4―T|/F (Kcal)
ここでT4は蓄熱槽32の周囲の温度であり、|T4―T|はT4と温度Tの差の絶対値を表す。
従って、蓄熱された単位熱量あたりの放熱量G2は
G2=0.0056*|T4―T|/F
放熱量G2を蓄熱するために消費する熱量Q3は
Q3=G2*Q2
放熱を考慮したCOPは放熱される熱量を蓄熱の時に余分に蓄熱する(蓄熱のための消費熱量を追加する)ことで求めることができる。すなわち、放熱を考慮したCOPは
COP=1/(Q1+Q2+Q3) 式(2)
式(2)をグラフにしたものを図6(B)に示す。図6(B)には伝導率が0.02Kcal/mkhの断熱材の厚さが10cmと20cmの場合と放熱が無い場合(伝導率が0の断熱材を使った場合)のグラフが示されている。但し、蓄熱槽32の周囲の温度T4は蓄熱槽32が設置された場所により異なるがここでは蓄熱槽32が外断熱された家の床下またはビルの地下室に設置されたとし、地中温度とした。東京の2003年から2007年の平均気温(16.6度)と地中温度は平均気温より約2度高い(http://www.37eco.jp/07062437.php参照)という情報に基づいて、蓄熱装置31の周囲温度を18.6度とした。
従来のヒートポンプを使う冷房のCOPは殆どが6以下である。東京と同様な気象の地域または東京より平均気温が低い地域において、図6(B)から分かるように、凝固温度と融解温度が12.1度(1月の平均気温より6度高い温度)以上で、且つ22.5度(冷房設定温度より4.5度低い温度)以下である潜熱蓄熱材を使えば7以上のCOPを得ることができる。図6(B)の値は単純化したモデルにより導いた式(2)により算出したものであり、実際の測定結果ではないので図6(B)の値はある程度の誤差を含む。この誤差を考慮して、従来のヒートポンプを使う冷房のCOPより高い潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度の範囲を図6(B)のCOPが7以上とした。更に、蓄熱装置31を適切な場所に設置し、蓄熱槽32を適切に断熱し、適切な凝固温度と融解温度を有する潜熱蓄熱材を使えば、10以上のCOPを得る可能性があると言える。
[潜熱蓄熱材の選択条件]
潜熱蓄熱材の選択条件の最も重要なものが融解温度と凝固温度であり、図6(A)と(B)から分かるように大きいCOPを得るために融解温度と凝固温度が適切な範囲である必要があり、例えば東京では16から19度までが好ましい。更に潜熱蓄熱材の融解熱が大きいほど蓄熱装置の体積が小さくなるので融解熱が大きいほど好ましい。更に安全で、安定した物質で、安価で、大量に入手可能であるのが好ましい。潜熱蓄熱材として氷酢酸(純粋の酢酸)がある。氷酢酸の凝固温度と融解温度は16.7度で適切な温度範囲であり、融解熱は45,000Kcal/立方メートルで大きい。また添加物を添加することにより融解温度と凝固温度を下げることができ、また過冷却を防止する方法もある(特許文献6参照)。上記の説明では融解温度と凝固温度が同じ潜熱蓄熱材を使用した例で説明したが融解温度が凝固温度より高い潜熱蓄熱材を使っても良いことは言うまでも無い。しかし、融解温度と凝固温度の温度差が大きいほどCOPは小さくなるので融解温度と凝固温度が等しい潜熱蓄熱材が好ましい。
[冷熱の長期保存]
冬季に蓄えた冷熱を夏季に冷房に利用するのでその数ヶ月間の放熱をできるだけ少なくする必要がある。そのために、蓄熱装置31をその内部の温度(潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度付近)に近い温度の環境に設置するのが好ましい。蓄熱装置31の適した設置場所の例は外断熱された家の床下またはビルの地下室である。また、蓄熱装置31の放熱量は蓄熱槽32の内部と周囲との熱抵抗に反比例するので蓄熱槽32の表面積をできるだけ小さくし、できるだけ小さい熱伝導率の断熱材を使用し、断熱材の厚さをできるだけ厚くするのが好ましい。
[COPを増減させる条件]
図6(B)からも分かるように、断熱材は厚いほど放熱が少なくなりCOPが大きくなるので断熱材は厚いほど好ましい。また蓄熱装置の周囲温度は放熱量が少なくなる潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度付近が好ましい。更に、自然通風冷却や自然放熱や放射冷却等を利用した外気熱交換器を外気熱交換器43に並列または直列に接続することにより、ファン55の運転を減少して冷熱を蓄熱できるのでCOPを高くすることができる。自然通風冷却や自然放熱や放射冷却等で十分な冷熱を得られれば通路57とファン55は不要であり、COPは更に大きくなる。更に、冷熱を蓄えるときの外気の気温が低いほど冷熱を蓄えるための消費エネルギーが少ないのでCOPを大きくできるので、図6(C)のように1月の平均気温以下の時間が十分あれば、1月の平均気温以下の時にのみ冷熱を蓄熱すれば、冷熱を蓄熱した時の平均の外気の温度は1月の平均気温以下となり、図6(A)のCOPより大きなCOPを得ることができる。熱媒体33が第二流出入口36から建物熱交換器46に移動する間の放熱は、熱媒体33の温度を上昇させるので建物熱交換器46の冷房能力を下げ、COPを小さくするがその間の温度上昇は小さいので無視できるとした。上記において、定量的なCOPを算出するために、木村工機株式会社のファンコイルKCS3―600と荻原製作所のPF70―100を使用したが熱効率がより高い製品を使えばCOPは図6(B)より大きくなることは言うまでも無い。
[効果]
凝固温度と融解温度が1月の平均気温より6度以上高く、且つ冷房設定温度より4.5度以上低い潜熱蓄熱材を使えば従来のヒートポンプを使う殆どの冷房装置より高いCOPを得ることができる。また使用できる潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度の範囲は広く、また特許文献4のような融解温度と凝固温度に関する条件もない。また東京地域では10以上のCOPを得る可能性もある。更に、蓄熱装置31は図1で示した構造であるので、潜熱蓄熱材の充填率が大きく、蓄熱した熱量の有効利用率が大きい。更に、高さ制限があり高い蓄熱槽を構築できない場合は、直列に接続した複数の蓄熱槽を使うこともでき、極めて大容量の蓄熱装置と空調装置を構築できる。
(D)換気と冷房用の空調装置
図7に本発明の空調装置に係わる第2実施形態の模式図を示す。空調装置70が備えられた建物63として換気が必要な高気密高断熱の外断熱の戸建の建物63を1例として説明する。蓄熱装置31は蓄熱槽32と潜熱蓄熱材を有する複数の蓄熱体34と熱媒体33を備え、蓄熱槽32の上部と下部の熱媒体33を流出入させる第一流出入口35と第二流出入口36と、蓄熱槽32の上部と下部の熱媒体33の温度を検出する熱媒体温度検出器53と54を備えている。空調装置70は蓄熱装置31と、熱媒体33と空気との間で熱交換を行う換気熱交換器71と、蓄熱槽32の熱媒体33を第一流出入口35から流出させ換気熱交換器71経由で第二流出入口36から蓄熱槽32に戻すための冬季循環流路83と、蓄熱槽32の熱媒体33を第二流出入口36から流出させ換気熱交換器71経由で第一流出入口35から蓄熱槽32に戻すための夏季循環流路84と、外気を換気熱交換器71で熱媒体33と熱交換した後に建物空間61に入れるための熱交換通路85と、外気を建物空間61に直接入れるための直通通路86と、外気の温度を検出する外気温度検出器51と、制御部50を備えている。冬季循環流路83と夏季循環流路84では蓄熱装置31に流れる熱媒体33の流れが逆である。冬季循環流路83と夏季循環流路84は熱媒体33を流すポンプ73と流れの方向を切り替える開閉器76と77と78と79を備えている。冬季循環流路83は開閉器77と78を閉じ、開閉器76と79を開けることにより、また夏季循環流路84は開閉器77と78を開け、開閉器76と79を閉じることにより、構成される。換気用のファンを一つにするために熱交換通路85と直通通路86の共通の通路にファン72を配置し、共通でない通路に開閉器74と75を配置している。更に、機器を制御する制御部50と外気の温度を検出する外気温度検出器51と建物空間61の空気の温度を検出する室内温度検出器52が配置されている。なお、調整通路88と開閉器87は換気による蓄熱量を調整するためのものであり、後に説明する。なお、開閉器76と77と78と79は四方弁で置換してもよいことは言うまでも無い。
本発明に係わる冬季循環手段は冬季循環流路83とポンプ73と閉じた状態の開閉器77と78と開いた状態の開閉器76と79で構成され、蓄熱槽32の中の熱媒体33を第一流出入口35から流出させ換気熱交換器71経由で第二流出入口36から蓄熱槽32に戻す手段である。また夏季循環手段は夏季循環流路84とポンプ73と開いた状態の開閉器77と78と閉じた状態の開閉器76と79で構成され、蓄熱槽32の中の熱媒体33を第二流出入口36から流出させ換気熱交換器71経由で第一流出入口35から蓄熱槽32に戻す手段である。また熱交換手段は熱交換通路85と開いた状態の開閉器75とファン72で構成され、外気を換気熱交換器71で熱媒体33と熱交換した後に建物空間61に入れる手段である。また直通手段は直通通路86と開いた状態の開閉器74とファン72で構成され、外気を建物空間61に直接入れる手段である。本発明の空調装置70は大容量の熱を使うので蓄熱装置31は蓄熱装置10または10Aと同様な構造を有するのが好ましい。また、蓄熱装置31は一つの蓄熱槽では熱容量が不足の場合、または、高さ制限があり高い蓄熱槽を構築できない場合は、直列に接続した複数の蓄熱槽を使う構造にするのが好ましい。
空調装置70は、冬季運転モード条件が満たされた時に冬季運転モードを運転し、夏季運転モード条件が満たされた時に夏季運転モードを運転し、冬季運転モード条件と夏季運転モード条件のいずれの条件も満たされない時に中間期運転モードを運転する。制御部50が室内温度検出器52で検出された室内温度と外気温度検出器51で検出された外気温度と媒体温度検出器53と54で検出された媒体温度に基づいて、どの運転モード条件を満たすかを判定し、運転モードを決定する。通常換気は常に行われるのでファン72は常に運転するとして説明するが不要の時にファン72を停止しても良いのはいうまでもない。
[冬季運転モード]
冬季運転モード条件が満たされた場合、制御部50は、開閉器77と78を閉じ、開閉器76と79を開け、ポンプ73を運転することにより冬季循環流路83に熱媒体33を循環させると共に、開閉器75を開け、開閉器74を閉じることにより外気を熱交換通路85に通して、換気熱交換器71で熱媒体33と熱交換させて建物空間61に入れる。蓄熱槽32の上部の熱媒体33は第一流出入口35から流出し、冬季循環流路83を通り、換気熱交換器71で外気と熱交換し、外気温度付近まで冷やされて第二流出入口36から蓄熱槽32の底部に流入し、蓄熱槽32内を上昇し、再び第一流出入口35から流出する。外気温度付近まで冷やされた熱媒体33は蓄熱槽32内を上昇する過程で液相の潜熱蓄熱材を凝固させると共に、凝固温度付近まで温められる。外気は熱交換通路85で熱交換通路85に入る熱媒体33の温度(略潜熱蓄熱材の凝固温度)まで暖められて建物空間61に入るので換気による熱損失を削減できる。
[夏季運転モード]
夏季運転モード条件が満たされた場合、制御部50は、開閉器77と78を開け、開閉器76と79を閉じ、ポンプ73を運転することにより夏季循環流路84に熱媒体33を循環させると共に、開閉器75を開け、開閉器74を閉じることにより外気を熱交換通路85に通して換気熱交換器71で熱媒体33と熱交換させて建物空間61に入れる。蓄熱槽32の下部の熱媒体33は第二流出入口36から夏季循環流路84に流出し、換気熱交換器71で外気と熱交換し、外気を冷やすと共に外気の温度付近まで温められて第一流出入口35から蓄熱槽32の上部に流入し、蓄熱槽32内を下降し、再び第二流出入口36から流出する。外気の温度付近まで温められた熱媒体33は蓄熱槽32内を下降する過程で固相の潜熱蓄熱材を融解させると共に融解温度付近まで冷やされる。外気は熱交換通路85で熱交換通路85に入る熱媒体33の温度(略潜熱蓄熱材の融解温度)まで冷やされて建物空間61に入るので建物空間61を冷やす。
[中間期運転モード]
冬季運転モード条件と夏季運転モード条件のいずれの条件を満たさない場合、制御部50は、ポンプ73を停止し、開閉器75を閉じ、開閉器74を開ける。この場合、外気は直通通路86を通って直接建物空間61に入いる。次に、運転モードを判定する基準である冬季運転モード条件と夏季運転モード条件を説明する。
[冬季運転モード条件]
冬季運転モード条件の第一例は外気温度が潜熱蓄熱材の凝固温度以下の所定の設定温度(以下、冬季設定温度と呼ぶ)より低いという条件である。外気が冬季設定温度以下である時に外気は凝固温度付近まで温められて建物空間61に入いり、換気による熱損失が減少する。但し、潜熱蓄熱材の凝固温度は1月の平均気温より高いとし、潜熱蓄熱材の一部が液相であるとした。冬季運転モード条件の第二例は外気温度が冬季設定温度より低く、換気熱交換器71に入る熱媒体の温度より低いという条件である。第一例では外気温度が換気熱交換器71に入る熱媒体の温度より高い場合があり、その場合、外気は換気熱交換器71で冷やされて建物空間61に入り、換気による熱損失が増大し、且つポンプ73がエネルギーを消費する。第二例はこの第一例の問題を解決するので第二例の方が好ましい。冬季設定温度が高いほど換気による熱損失が少なくなるので好ましいが、冬季設定温度が凝固温度と等しい場合、外気の温度は変わらずにエネルギーを消費する場合があるので冬季設定温度は凝固温度より少し低いのが好ましい。
[夏季運転モード条件]
夏季運転モード条件の第一例は外気温度が冷房設定温度(例えば27度)と等しい、またはそれより低い所定の設定温度(例えば25度、以下、夏季設定温度と呼ぶ、)以上であるという条件である。外気温度が夏季設定温度以上の時に外気は潜熱蓄熱材の融解温度付近まで冷やされて建物空間61に入いり、室内温度が融解温度以上の時には建物空間61を冷やす。但し、潜熱蓄熱材の融解温度は夏季設定温度以下とし、潜熱蓄熱材の一部が個相であるとした。夏季運転モード条件の第二例は外気温度が夏季設定温度以上であり、且つ外気が換気熱交換器71に入る熱媒体の温度より高いという条件である。第一例では外気温度が換気熱交換器71に入る熱媒体の温度より低い場合があり、その場合、外気は換気熱交換器71で暖められて建物空間61に入る。これは無駄であり、且つポンプ73がエネルギーを消費する。第二例はこの問題を解決する。夏季設定温度が融解温度と等しい場合、外気の温度は変わらずにエネルギーを消費する場合があるので夏季設定温度は融解温度より少し高いのが好ましい。
空調装置70の蓄熱装置31を換気だけに使い、夏季と冬季の蓄熱量が異なる場合、蓄熱量の調整が必要となる。例えば、夏季の蓄熱量が蓄熱装置31の最大蓄熱量であり、冬季の蓄熱量が蓄熱装置31の最大蓄熱量の80%である場合、冬季の終わりに潜熱蓄熱材は80%しか凝固されていないので次の夏季の冷熱の蓄熱量は蓄熱装置31の最大蓄熱量の80%である。つまり、夏季に蓄熱装置31の最大蓄熱量を蓄えるためには冬季の終わりまでに潜熱蓄熱材を100%凝固する必要がある。ファン72を制御することにより熱交換通路85に流れる風量を所定の量だけ増加させると共に、開閉器88を調整し、その増加分を調整通路87に流すことにより蓄熱量を調整すれば、換気による熱損失を増加せずに蓄熱量を調整できる。なお、上記の説明では説明を簡単にするために蓄熱装置31の放熱はないとした。
[潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度と熱の長期保存]
潜熱蓄熱材の凝固温度が冬季の最低気温以上であれば換気による熱損失を削減できる。そしてその凝固温度が1月の平均気温以上であれば更に換気による熱損失を削減できる。その凝固温度が1月の平均気温より6度以上であれば換気による熱損失を更に多く削減でき好ましい。夏季に、潜熱蓄熱材の融解温度が冷房設定温度以下であれば室内を冷やすことができ、その融解温度が冷房設定温度より4.5度以上低ければ更に冷房能力が高まり好ましい。冷熱または温熱の長期保存は空調装置30の冷熱の長期保存と同様であるので説明は省く。但し、空調装置70の場合、夏季に蓄えた温熱も冬季まで保存する。
図8は、本発明の空調装置に係わる第3実施形態の模式図である。空調装置70では図7で示したように換気の空気を送るファン72を建物空間61に設置した場合、ファン72は外気と直接接触するので冬季に結露する場合がある。ファン72を外気空間62に設置すれば結露は生じないが、地域により外気の温度の変化の範囲がファン72の動作温度範囲を超える場合がある。第3実施形態の空調装置70Aは上記の問題を解決するために、熱交換通路85と直通通路86の各々にファン72Aとファン72Bを建物空間61に設置し、ファン72Aは換気熱交換器71の下流に設置する。このように構成することにより、冬季に外気は換気熱交換器71により凝固温度付近まで温められるので結露することは殆どない。更に、ファン72Aと72Bは建物空間61に設置されているので動作温度範囲を超えない。空調装置70Aにおいて、本発明に係わる熱交換手段は熱交換通路85と開いた状態の開閉器75とファン72Bで構成され、また直通手段は直通通路86と開いた状態の開閉器74とファン72Bで構成されている。
図9は、本発明の空調装置に係わる第4実施形態の模式図である。第4実施形態の空調装置70Bは冬季循環流路83と夏季循環流路84をポンプ73Aと73Bと開閉器79Aと79Bで形成している。つまり、冬季運転モード時に、開閉器79Aを開け、開閉器79Bを閉じ、ポンプ73Aを運転して冬季循環流路83に熱媒体33を流す。夏季運転モード時に、開閉器79Bを開け、開閉器79Aを閉じ、ポンプ73Bを運転して夏季循環流路84に熱媒体33を流す。他は空調装置70と同様であるので動作等の説明は省く。空調装置70Bにおいて、本発明に係わる冬季循環手段は冬季循環流路83とポンプ73Aと開いた状態の開閉器79Aで構成され、また夏季循環手段は夏季循環流路84とポンプ73Bと開いた状態の開閉器79Bで構成されている。
図10に本発明の空調装置に係わる第5実施形態の模式図を示す。第5実施形態の空調装置100は第2実施形態の空調装置70に冷房機能を追加したものであり、空調装置70と冷房部39で構成される。空調装置100は空調装置70Aまたは空調装置70Bと冷房部39で構成しても良い。冷房部39は空調装置30の冷房部39と同じ構成であるので説明は省く。
冷房部39の冷房のCOPは空調装置30のものと同様に式(1)または式(2)で表される。但し、冷房部39が使う冷熱を蓄熱するために使われるエネルギーは、空調装置70が換気のために冬季に蓄える冷熱量が夏季に蓄える温熱量より大きい場合は、その差分の冷熱を蓄える必要がないので、冷房部39の冷房のCOPは空調装置30のものより大きくなる。従って、融解温度と凝固温度が1月の平均気温より6度以上高く、冷房設定温度より4.5度以上低い潜熱蓄熱材を使用すれば、従来のヒートポンプを使う冷房より大きいCOPを得ることができるので好ましい。
空調装置70が換気のために冬季に蓄える冷熱量と夏季に蓄える温熱量を東京の気象を例に説明する。潜熱蓄熱材として氷酢酸(凝固温度と融解温度は16.7度)を使用し、冬季設定温度を14度とし、夏季設定温度を25度とする。図6(c)から冷熱の蓄熱期間は約6ヶ月間であり、温熱の蓄熱期間は約4ヶ月間であり、凝固温度と融解温度は略平均気温(17.3度)であり、蓄熱量は蓄熱期間とその期間の平均温度差(気温と凝固温度・融解温度の差)の積であるので冷熱の蓄熱量が温熱の蓄熱量よりかなり多い。従って、東京に設置された空調装置100の冷房のCOPは東京に設置された空調装置30のCOPより大きい。空調装置100では換気のために冬季に蓄える冷熱量と、換気のために夏季に蓄える温熱量と冷房部39が蓄える温熱量(使う冷熱量)の合計の温熱量が等しいのが好ましい。それらが等しくない場合、ファン72と開閉器87を制御して冷熱量または温熱量を調整するのが好ましい。
図11は本発明の空調装置に係わる第6実施形態の模式図である。第6実施形態の空調装置110は夏季に強力な冷房機能が必要な建物、例えば商用のビル等に好適な空調装置である。空調装置110は空調装置30に換気機能を追加したものであるので空調装置30と同じ部分の説明は省く。換気機能は換気部98と熱媒体方向切替部97で構成されている。換気部98は換気熱交換器71と熱媒体33を流す流路89と、流路89に設置されたポンプ73と開閉器91と外気を換気熱交換器71で熱媒体33と熱交換した後に建物空間61に入れるための熱交換通路85と、外気を建物空間61に直接入れるための直通通路86と、ファン72と開閉器74と75で構成されている。流路89の一端P1と他端P2は熱媒体方向切替部97に接続されている。熱媒体方向切替部97は開閉器76と77と78と79により流路89の一端P1と他端P2をそれぞれ第一流出入口35と第二流出入口36に接続する、またはその逆に接続するためのものである。この構成により複数の換気部98を熱媒体方向切替部97に接続可能になる。熱媒体方向切替部97は四方弁で置換してもよいことは言うまでも無い。
建物63が大きい場合、冷房部39と換気部98を各階または各部屋に配置しても良い。また冷熱収集部38は複数並列に接続してもよい。また冷熱収集部38には自然通風冷却や自然放熱や放射冷却等を利用した熱交換器を使用しても良い。
[空調装置70と空調装置100と110の効果]
空調装置70は、熱効率良く冬季に換気による熱損失を削減し、夏季に換気により建物空間61を冷やすことができる。更に、使用可能な潜熱蓄熱材に関して特許文献4のような条件がなく、使用可能な融解温度と凝固温度の範囲も広い。更に、蓄熱装置31は蓄熱装置10または10Aと同様な構造であるので、潜熱蓄熱材の充填率が大きく、蓄熱した熱量の有効利用率が大きい。更に、高さ制限があり高い蓄熱槽を構築できない場合は、直列に接続した複数の蓄熱槽を使うこともでき、極めて大容量の蓄熱装置と空調装置を構築できる。換気による蓄熱量が冬季と夏季で異なる場合はそれらの蓄熱量を略等しくなるように調整するのが好ましい。
空調装置100は熱効率良く冬季に換気による熱損失を削減し、夏季に換気により建物空間61を冷やすと共に、冬季に換気により蓄えた冷熱の熱量が夏季に換気により蓄える温熱の熱量より多い場合、その差の熱量を夏季に冷房に使用することができる。冷房に必要な熱量を、冬季に必要とされる換気量だけでは蓄えられない場合、冬季に換気量を増やして冷熱の蓄熱量を増やすことができる。
空調装置110は、熱効率良く冬季に換気による熱損失を削減し、夏季に換気により建物空間61を冷やすと共に夏季に強力な冷房能力を提供できる。冬季に換気による冷熱の蓄熱量が夏季に換気による温熱の蓄熱量より多い場合は、その差の熱量を外気により蓄える必要が無いので、空調装置110の冷房のCOPは空調装置30のそれより大きい。
(E)2種類の潜熱蓄熱材を使用した空調装置
図12は本発明の空調装置に係わる第7実施形態の模式図である。第7実施形態の空調装置200は空調装置70の蓄熱装置31が直列に接続された第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231で置換された形態である。空調装置200は空調装置70Aの蓄熱装置31または空調装置70Bの蓄熱装置31が直列に接続された第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231で置換された形態でも良い。以下、既に説明したものの説明は省く。
本発明の空調装置200は大容量の熱を使うので第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231の各々は蓄熱装置10または10Aと同様な構造を有するのが好ましい。また、第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231の各々は、一つの蓄熱槽では熱容量が不足の場合、または、高さ制限があり高い蓄熱槽を構築できない場合は、直列に接続した複数の蓄熱槽を使う構造にするのが好ましい。
第一蓄熱装置131は、第一蓄熱槽132と第一潜熱蓄熱材を含む複数の第一蓄熱体134と熱媒体33を備え、第一蓄熱槽132の上部と下部の熱媒体を流出入させる第一流出入口135と第三流出入口136と、第一蓄熱槽132の上部の熱媒体33の温度を検出する熱媒体温度検出器153を備えている。第二蓄熱装置231は、第二蓄熱槽232と第二潜熱蓄熱材を含む複数の第二蓄熱体234と熱媒体33を備え、第二蓄熱槽232の上部と下部の熱媒体を流出入させる第四流出入口235と第二流出入口236と、第二蓄熱槽232の下部の熱媒体33の温度を検出する熱媒体温度検出器254を備えている。そして第三流出入口136は第四流出入口235に接続されている。第一蓄熱体134に含まれている第一潜熱蓄熱材は、その凝固温度が第二蓄熱体234に含まれている第二潜熱蓄熱材の融解温度より高いものが使われている。以下の説明では第一潜熱蓄熱材の凝固温度をT1s、融解温度をT1m、第二潜熱蓄熱材の凝固温度をT2s、融解温度をT2mと表す。
[冬季運転モード]
冬季運転モード条件が満たされた場合、制御部50は冬季循環流路83に熱媒体33を循環させる。熱媒体33は換気熱交換器71で冷やされ、第二流出入口236から第二蓄熱槽232に入り、第二蓄熱槽232を上昇する過程で第二蓄熱体234により(第二潜熱蓄熱材の一部は液相とする)凝固温度T2sまで暖められる。更に熱媒体33は第四流出入口235から流出し、第三流出入口136から第一蓄熱槽132に入り、第一蓄熱槽132を上昇する過程で第一蓄熱体134により(第一潜熱蓄熱材の一部は液相とする)凝固温度T1sまで暖められる。従って、第二流出入口135から流出し換気熱交換器71に入る熱媒体33の温度は略凝固温度T1sであるので、外気を凝固温度T1s付近まで暖めて建物空間61に入れることができる。
[夏季運転モード]
夏季運転モード条件が満たされた場合、制御部50は夏季循環流路84に熱媒体33を循環させる。熱媒体33は換気熱交換器71で暖められ、第一流出入口135から第一蓄熱槽132に入り、第一蓄熱槽132を下降する過程で第一蓄熱体134により(第一潜熱蓄熱材の一部は固相とする)略融解温度T1mまで冷やされる。更に熱媒体33は第三流出入口136から流出し、第四流出入口235から第二蓄熱槽232に入り、第二蓄熱槽232を下降する過程で第二蓄熱体234により(第二潜熱蓄熱材の一部は固相とする)略融解温度T2mまで冷やされる。従って、第二流出入口236から流出し換気熱交換器71に入る熱媒体33の温度は略融解温度T2mであるので、外気を融解温度T2m付近まで冷やして建物空間61に入れることができる。
[中間期運転モード]
冬季運転モード条件と夏季運転モード条件のいずれの条件を満たさない中間期運転モードは第2実施形態と同様である。
次に、運転モードを判定する基準である冬季運転モード条件と夏季運転モード条件を説明する。
[冬季運転モード条件]
冬季運転モード条件の第一例は外気温度が第一潜熱蓄熱材の凝固温度T1s以下の所定の冬季設定温度より低いという条件である。外気が冬季設定温度以下である時に外気は凝固温度T1s付近まで温められて建物空間61に入いり、換気による熱損失が少なくなる。但し、凝固温度T1sは1月の平均気温より高いとし、第一潜熱蓄熱材の一部が液相であるとした。冬季運転モード条件の第二例は外気温度が第一潜熱蓄熱材の凝固温度T1s以下の冬季設定温度より低く、且つ換気熱交換器71に入る熱媒体の温度より低いという条件である。第一例では外気温度が換気熱交換器71に入る熱媒体の温度より高い場合があり、その場合、外気は換気熱交換器71で冷やされて建物空間61に入り、換気による熱損失が増大し、且つポンプ73がエネルギーを消費する。第二例はこの第一例の問題を解決するので第二例の方が好ましい。冬季設定温度が高いほど換気による熱損失が少なくなるので好ましいが、冬季設定温度が凝固温度T1sと等しい場合、外気の温度は変わらずにエネルギーを消費するので冬季設定温度は凝固温度T1sより少し低いのが好ましい。
[夏季運転モード条件]
夏季運転モード条件の第一例は外気温度が冷房設定温度(例えば27度)と等しい、または冷房設定温度より低い夏季設定温度(例えば25度)以上であるという条件である。外気温度が夏季設定温度以上の時に外気は第二潜熱蓄熱材の融解温度T2m付近まで冷やされて建物空間61に入いり、室内温度が融解温度T2m以上の時には建物空間61を冷やす。但し、第二潜熱蓄熱材の融解温度T2mは夏季設定温度以下とし、第二潜熱蓄熱材の一部が個相であるとした。夏季運転モード条件の第二例は外気温度が夏季設定温度以上であり、且つ外気が換気熱交換器71に入る熱媒体温度より高いという条件である。第一例では外気温度が換気熱交換器71に入る熱媒体温度より低い場合があり、その場合、外気は換気熱交換器71で暖められて建物空間61に入る。これは無駄であり、且つポンプ73がエネルギーを消費する。第二例はこの問題を解決する。夏季設定温度が融解温度T2mと等しい場合、外気の温度は変わらずにエネルギーを消費するので夏季設定温度は融解温度T2mより少し高いのが好ましい。
空調装置200は二種類の潜熱蓄熱材を使用しているので、冬季に外気を第一潜熱蓄熱材の凝固温度T1s付近まで暖め、夏季に第二潜熱蓄熱材の融解温度T2m付近まで冷やすことができる。いいかえれば、冬季に外気を暖めることができる温度(凝固温度T1s)を、夏季に外気を冷やすことができる温度(融解温度T2m)より高くできる。一方、空調装置70では、一種類の潜熱蓄熱材を使用しているので、冬季に外気を暖めることができる温度(凝固温度)は夏季に外気を冷やすことができる温度(融解温度)より高くできない。
[潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度]
冬季に、換気による熱損失を削減するためには第一潜熱蓄熱材の凝固温度T1sが高いのが好ましいが、第一潜熱蓄熱材を夏季に融解させなければならないので、第一潜熱蓄熱材の融解温度T1mは最高気温より低い温度である必要がある。2004年7月の東京の平均気温は28.5度であり、図6(C)から最高温度が28.5度以上である日は6月後半から9月中旬まであり、第一潜熱蓄熱材を融解させることができると考えられるので、第一潜熱蓄熱材の融解温度T1mを7月の平均気温以下が好ましい。
夏季に、換気により室内を冷房するためには第二潜熱蓄熱材の融解温度T2mが低い方が好ましいが、第二潜熱蓄熱材は冬季に凝固させなければならないので、第二潜熱蓄熱材の凝固温度T2sは最低気温より高い温度である必要がある。2004年1月の東京の平均気温は6.3度であり、図6(C)から最低温度が6.3度以下である日は12月後半から3月中旬まであり、第二潜熱蓄熱材を凝固させることができると考えられるので、第二潜熱蓄熱材の凝固温度T2sを1月の平均気温以上が好ましい。
第一潜熱蓄熱材としては、例えば、融解温度が23度で凝固温度が19度である住化プラステック株式会社のスミターマル(http://www.sumikapla.co.jp/yukadanbo/ideabox/idea_gijutsu.html参照)を使うことができる。また第二潜熱蓄熱材としては、例えば、融解温度と凝固温度が16.7度である氷酢酸を使うことができる。この場合、冬季に、外気を19度付近まで温め、夏季に、外気を16.7度付近まで冷やすことができる。
次に第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231の蓄熱容量について説明する。第二蓄熱体234の第二潜熱蓄熱材の一部は液相とし、第一蓄熱体134の第一潜熱蓄熱材の一部は液相として、冬季運転モードで冬季循環流路83に熱媒体33が循環した場合、第二流出入口236に入る熱媒体33の平均温度をTwinとすると第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231に蓄えられる熱量Q131とQ231の比は次の式で表される。
Q131/Q231=(Ts1−Ts2)/(Ts2−Twin) 式(3)
また、第二蓄熱体234の第二潜熱蓄熱材の一部は固相とし、第一蓄熱体134の第一潜熱蓄熱材の一部は固相として、夏季運転モードで夏季循環流路84に熱媒体33が循環した場合、第一流出入口135に入る熱媒体33の平均温度をTsinとすると第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231に蓄えられる熱量Q131とQ231の比は次の式で表される。
Q131/Q231=(Tsin−Tm1)/(Tm1−Tm2) 式(4)
従って、上記の式(3)と式(4)に基づいて第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231の蓄熱容量を決めることにより、第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231が同じ割合で蓄熱または放熱するので、略同時に第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231が0%または100%の蓄熱量になり、熱の有効利用率が高い空調装置200が得られる。例えば、Tsinが25度でTwinが10度である場合、Ts1とTm1が20度の第一潜熱蓄熱材とTs2とTm2が15度の第一潜熱蓄熱材を選択し、熱量Q131とQ231を等しくすれば熱の有効利用率が高くなる。また、夏季と冬季の蓄熱量が異なる場合は、空調装置70と同様に、ファン72を制御することにより熱交換通路85に流れる風量を所定の量だけ増加させると共に、開閉器88を調整し、その増加分を調整通路87に流すことにより蓄熱量を調整できる。これにより換気による熱損失を増加せずに蓄熱量を調整できる。
第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231に蓄えた冷熱と温熱を数ヶ月間、放熱をできるだけ少なくして保存するためには第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231の内部の温度とその周囲温度の差をできるだけ小さくするのが好ましい。そのために第一潜熱蓄熱材として凝固温度Ts1と融解温度Tm1がその周囲温度より高く、第二潜熱蓄熱材として凝固温度Ts2と融解温度Tm2がその周囲温度より低い潜熱蓄熱材を選択するのが好ましい。但し、周囲温度は一年中殆ど変化しないとした。
第一潜熱蓄熱材と第二潜熱蓄熱材を選択する時に(1)第二潜熱蓄熱材の凝固温度Ts2が建物付近の1月の平均気温より高く、第一潜熱蓄熱材の融解温度Tm1が建物付近の7月の平均気温より低く、(2)第一潜熱蓄熱材の凝固温度Ts1は第二潜熱蓄熱材の融解温度Tm2より高く、(3)第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231の熱の有効利用率が高く、(4)第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231の放熱が少ないということを考慮するのが好ましい。
中間期の熱の保存の間に、第三流出入口136付近の熱媒体33の温度は第四流出入口235付近の熱媒体33の温度より高い場合があり、第三流出入口136の中の熱媒体33は第四流出入口235の方向に上昇し第四流出入口235付近の熱媒体33を暖め、凝固している第二蓄熱体234の第二潜熱蓄熱材を融解させる場合がある。それを避けるために、第三流出入口136と第四流出入口235を接続する流路は図12に示すように凹凸を有するのが好ましい。
図13は本発明の空調装置に係わる第8実施形態の模式図である。空調装置220は空調装置110の蓄熱装置31が直列に接続された第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231で置換された形態である。空調装置220は空調装置110と同様に換気機能と冷房機能を有し、夏季に強力な冷房機能が必要な建物、例えば商用のビル等に好適な空調装置である。換気機能は換気部98と熱媒体方向切替部97と第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231で構成され、空調装置200と同様であるので説明は省く。
冷房機能は空調装置30の蓄熱装置31が直列に接続された第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231で置換された形態であるので空調装置30で説明した内容の説明は省く。
[冷熱の蓄熱]
冬季の初めに第一蓄熱体134の第一潜熱蓄熱材と第二蓄熱体234の第二潜熱蓄熱材の大部分は液相であるとする。制御部50は外気温度検出器51で検出した外気温度が凝固温度T2sより低い時に開閉器44を開きポンプ45とファン55を運転することにより外気循環流路41に熱媒体33を循環させる。熱媒体33は外気循環流路41で外気温度付近まで冷やされて第二流出入口236から第二蓄熱槽232に入り、第二蓄熱槽232を上昇する過程で第二蓄熱体234の第二潜熱蓄熱材を凝固させ、熱媒体33は凝固温度T2sまで暖められる。更に熱媒体33は第四流出入口235から流出し、第三流出入口136から第一蓄熱槽132に入り、第一蓄熱槽132を上昇する過程で第一蓄熱体134の第一潜熱蓄熱材を凝固させ、熱媒体33は凝固温度T1sまで暖められる。従って、熱媒体33を循環させることにより液相の第一潜熱蓄熱材と第二潜熱蓄熱材を凝固させ、冷熱を潜熱として蓄えることができる。
[冷房]
夏季の初めに第一蓄熱体134の第一潜熱蓄熱材と第二蓄熱体234の第二潜熱蓄熱材の大部分は固相であるとする。室内温度検出器52で検出された室内温度が冷房設定温度(例えば27度)以上である場合、制御部50は開閉器47を開けポンプ48を運転することにより建物循環流路42に熱媒体33を循環させる。熱媒体33は建物熱交換器46で暖められ、第一流出入口135から第一蓄熱槽132に入り、第一蓄熱槽132を下降する過程で第一蓄熱体134により融解温度T1m付近まで冷やされる。更に熱媒体33は第三流出入口136から流出し、第四流出入口235から第二蓄熱槽232に入り、第二蓄熱槽232を下降する過程で第二蓄熱体234により融解温度T2m付近まで冷やされる。従って、第二流出入口236から流出し建物熱交換器46に入る熱媒体33の温度は融解温度T2m付近であるので、建物空間61の空気を融解温度T2m付近まで冷やすことができる。冷房部39が使う冷熱を蓄熱するために使われるエネルギーは、空調装置220が換気のために冬季に蓄える冷熱量が夏季に蓄える温熱量より大きい場合は、その差分の冷熱を蓄える必要がないので、空調装置220の冷房のCOPは空調装置30のものより大きくなる。
換気により蓄えた温熱量と冷房部39により蓄えた温熱量の合計が第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231の蓄熱容量の合計に等しくなるようにするのが好ましい。また換気により蓄えた冷熱量と冷熱収集部38により蓄えた冷熱量の合計が第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231の蓄熱容量の合計に等しくなるように冷熱収集部38により蓄える冷熱量を調整するのが好ましい。更に、第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231が共に略同時に0%または100%の蓄熱量になるのが好ましい。
[空調装置200と空調装置220の効果]
従って、空調装置200は、凝固温度T1sを有する第一潜熱蓄熱材と、凝固温度T1sより低い融解温度T2mを有する第二潜熱蓄熱材を備えることができるので、冬季に外気を凝固温度T1s付近まで温め夏季に凝固温度T1sより低い融解温度T2m付近まで冷やして室内にいれることができる。これにより冬季に換気による熱損失を大幅に削減できると共に、夏季に室内を冷やすことができる。更に、第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231の各々は蓄熱装置10または10Aと同様な構造であるので、潜熱蓄熱材の充填率が大きく、蓄熱した熱量の有効利用率が大きい。更に、第一蓄熱装置131と第二蓄熱装置231の各々は、一つの蓄熱槽では熱容量が不足の場合、または、高さ制限があり高い蓄熱槽を構築できない場合は、直列に接続した複数の蓄熱槽を使うこともでき、極めて大容量の蓄熱装置と空調装置を構築できる。
空調装置220は空調装置200の効果を有すると共に、夏季に強力な冷房能力を提供できる。更に空調装置200の冬季に換気により蓄えた冷熱の熱量が夏季に換気により蓄える温熱の熱量より多い場合、その差の熱量を夏季に冷房に使用して熱効率を更にたかめることができる。
以上、本発明の蓄熱装置、蓄熱システム及び空調装置の実施形態を述べたが本発明はこれらに限られるものではない。
本発明の蓄熱装置に係わる第1実施形態と蓄熱槽内の構造を示す。 本発明の蓄熱装置の第2実施形態と蓄熱槽内の構造を示す。 本発明の蓄熱装置の第3実施形態と蓄熱槽内の温度分布を示す。 直列に接続された蓄熱装置とその等価な蓄熱装置を示す。 本発明の空調装置の第1実施形態(空調装置30)の模式図を示す。 COPと潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度の関係及び東京の年間の気温を示す。 本発明の空調装置の第2実施形態(空調装置70)の模式図を示す。 本発明の空調装置の第3実施形態(空調装置70A)の模式図を示す。 本発明の空調装置の第4実施形態(空調装置70B)の模式図を示す。 本発明の空調装置の第5実施形態(空調装置100)の模式図を示す。 本発明の空調装置の第6実施形態(空調装置110)の模式図を示す。 本発明の空調装置の第7実施形態(空調装置200)の模式図を示す。 本発明の空調装置の第8実施形態(空調装置220)の模式図を示す。
符号の説明
10 蓄熱装置 11 蓄熱槽 12 第二流路 13 第一流路 14 熱媒体
15 第二分散流路 16 第一分散流路 17、18 分散口 19 ガイド
20 蓄熱体 21 カプセル 22 潜熱蓄熱材 23 部材 24 カプセル
30 空調装置 31 蓄熱装置 32 蓄熱槽 33 熱媒体 34 蓄熱体
35 第一流出入口 36 第二流出入口 38 冷熱収集部 39 冷房部
41 外気循環流路 42 建物循環流路 43 外気熱交換器 44 開閉器
45 ポンプ 46 建物熱交換器 47 開閉器 48 ポンプ
50 制御部 51 外気温度検出器 52 室内温度検出器
53、54 熱媒体温度検出器 55、56 ファン 57,58 通路
60 地階の空間 61 建物空間 62 外気空間 63 建物
70 空調装置 71 換気熱交換器 72 ファン 73 ポンプ 74〜79 開閉器
82 外気取り入れ口 83 冬季循環流路 84 夏季循環流路 85 熱交換通路
86 直通通路 87 開閉器 88 調整通路 89 流路
91 開閉器 97 熱媒体方向切替部 98 換気部
100、110、200 220 空調装置
131 第一蓄熱装置 132 第一蓄熱槽 134 第一蓄熱体 135 第一流出入口
136 第三流出入口 153 熱媒体温度検出器
231 第二蓄熱装置 232 第二蓄熱槽 234 第二蓄熱体 235 第四流出入口
236 第二流出入口 254 熱媒体温度検出器
S1〜S12 温度検出器

Claims (8)

  1. 蓄熱槽と、前記蓄熱槽の中に配置され、直径Dの球形の複数の蓄熱体を備えた蓄熱装置であって、
    前記蓄熱槽は液体の熱媒体で充填され、
    前記蓄熱体は潜熱蓄熱材を含み、
    前記蓄熱槽の外部の第一流路に接続され、前記蓄熱槽の上部付近に配置された複数の第一分散流路と、
    前記蓄熱槽の外部の第二流路に接続され、前記蓄熱槽の底部付近に配置された複数の第二分散流路を有し、
    前記第一分散流路と前記第二分散流路は前記熱媒体が流出入する複数の分散口を有し、
    前記複数の第二分散流路は互いに平行に設置され、
    隣接した前記第二分散流路の中心から中心までの距離は、Nを正の整数として、略0.866DNであることを特徴とする蓄熱装置。
  2. 円筒形の蓄熱槽と、前記蓄熱槽の中に配置され、直径Dの球形の複数の蓄熱体を備えた蓄熱装置であって、
    前記蓄熱槽は液体の熱媒体で充填され、
    前記蓄熱体は潜熱蓄熱材を含み、
    前記蓄熱槽の内径のサイズは、Mを正の奇数として、略DMであり、
    前記複数の蓄熱体は前記蓄熱槽内に最密充填構造で配置されていることを特徴とする蓄熱装置。
  3. 液体の熱媒体を介して熱を蓄える蓄熱装置と、情報を処理するまたは前記熱媒体の流量を制御する制御演算装置を備えた蓄熱システムであって、
    前記蓄熱装置は、蓄熱槽と、前記蓄熱槽の中に略均一に配置され、潜熱蓄熱材を含む複数の蓄熱体と、前記蓄熱槽の外部の第一流路に接続された第一分散流路と、前記蓄熱槽の外部の第二流路に接続された第二分散流路と、複数の温度検出器を備え、
    前記蓄熱槽は前記熱媒体で充填され、
    前記第一分散流路と前記第二分散流路はそれぞれ前記蓄熱槽の上部と底部付近に配置され、前記熱媒体を前記蓄熱槽内に略均一に流す構造を有し、
    前記複数の温度検出器は前記蓄熱槽の垂直方向に異なる所定の位置に配置され、
    前記制御演算装置は、前記温度検出器により検出された温度に基づいて、貯蔵可能な冷熱量または利用可能な冷熱量または貯蔵可能な温熱量または利用可能な温熱量の近似値を算出する、または前記第一流路と前記第二流路に流れる熱媒体の流量を制御することを特徴とする蓄熱システム。
  4. 少なくとも一つの蓄熱槽と、前記蓄熱槽の中に配置され、所定の特性を有する潜熱蓄熱材を含む複数の蓄熱体を有する蓄熱装置を備え、
    前記蓄熱槽は液体の熱媒体で充填され、更に第一流出入口と第二流出入口を有し、
    外気と前記熱媒体との間で熱交換を行う外気熱交換器と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第一流出入口から流出させ前記外気熱交換器経由で前記第二流出入口から前記蓄熱槽に戻す外気循環手段と、空気と前記熱媒体との間で熱交換を行う建物熱交換器と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第二流出入口から流出させ前記建物熱交換器経由で前記第一流出入口から前記蓄熱槽に戻す建物循環手段と、建物の中の空気を前記建物熱交換器経由で前記建物の中に戻す空気循環手段と、外気の温度を検出する外気温度検出器と、前記建物の中の空気の温度を検出する室内温度検出器と、制御部を備え、
    前記制御部は前記外気温度検出器で検出された外気温度と前記室内温度検出器で検出された室内温度に基づいて、前記外気熱交換器と前記建物熱交換器に流す熱媒体の流量と、前記建物熱交換器に流す空気の流量を制御し、
    前記所定の特性は前記潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度が前記建物付近の1月の平均気温より6度以上高く、且つ冷房の制御のための設定温度より4.5度以上低いという特性であることを特徴とする空調装置。
  5. 少なくとも一つの蓄熱槽と、前記蓄熱槽の中に配置され、所定の特性を有する潜熱蓄熱材を含む複数の蓄熱体を有する蓄熱装置を備え、
    前記蓄熱槽は液体の熱媒体で充填され、更に第一流出入口と第二流出入口を有し、
    空気と前記熱媒体との間で熱交換を行う換気熱交換器と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第一流出入口から流出させ前記換気熱交換器経由で前記第二流出入口から前記蓄熱槽に戻す冬季循環手段と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第二流出入口から流出させ前記換気熱交換器経由で前記第一流出入口から前記蓄熱槽に戻す夏季循環手段と、外気を前記換気熱交換器経由で建物の中に入れる熱交換手段と、外気を前記建物の中に直接入れる直通手段と、外気の温度を検出する外気温度検出器と、制御部を備え、
    前記制御部は前記外気温度検出器で検出された外気温度に基づいて前記換気熱交換器に流す熱媒体と空気の流量を制御し、
    前記所定の特性は前記潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度が前記建物付近の1月の平均気温より高く、且つ冷房の制御のための設定温度より低いという特性であることを特徴とする空調装置。
  6. 外気と前記熱媒体との間で熱交換を行う外気熱交換器と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第一流出入口から流出させ前記外気熱交換器経由で前記第二流出入口から前記蓄熱槽に戻す外気循環手段と、空気と前記熱媒体との間で熱交換を行う建物熱交換器と、前記蓄熱槽の熱媒体を前記第二流出入口から流出させ前記建物熱交換器経由で前記第一流出入口から前記蓄熱槽に戻す建物循環手段と、前記建物の中の空気を前記建物熱交換器経由で前記建物の中に戻す空気循環手段と、前記建物の中の空気の温度を検出する室内温度検出器を更に備え、
    前記制御部は前記外気温度と前記室内温度検出器で検出された室内温度に基づいて、前記外気熱交換器と前記建物熱交換器に流す熱媒体の流量と、前記建物熱交換器に流す空気の流量を制御し、
    前記所定の特性は前記潜熱蓄熱材の融解温度と凝固温度が前記建物付近の1月の平均気温より6度以上高く、且つ冷房の制御のための設定温度より4.5度以上低いという特性であることを特徴とする請求項5に記載の空調装置。
  7. 少なくとも一つの第一蓄熱槽と、前記第一蓄熱槽の中に配置され、所定の特性を有する第一潜熱蓄熱材を含む複数の第一蓄熱体を有する第一蓄熱装置及び、
    少なくとも一つの第二蓄熱槽と、前記第二蓄熱槽の中に配置され、所定の特性を有する第二潜熱蓄熱材を含む複数の第二蓄熱体を有する第二蓄熱装置を備え、
    前記第一蓄熱槽と前記第二蓄熱槽は液体の熱媒体で充填され、
    前記第一蓄熱槽は第一流出入口と第三流出入口を有し、
    前記第二蓄熱槽は第四流出入口と第二流出入口を有し、
    前記第三流出入口は前記第四流出入口に接続され、
    外気と前記熱媒体との間で熱交換を行う換気熱交換器と、前記第一蓄熱槽の熱媒体を前記第一流出入口から流出させ前記換気熱交換器経由で前記第二流出入口から前記第二蓄熱槽に流入させる冬季循環手段と、前記第二蓄熱槽の熱媒体を前記第二流出入口から流出させ前記換気熱交換器経由で前記第一流出入口から前記第一蓄熱槽に流入させる夏季循環手段と、外気を前記換気熱交換器経由で建物の中に入れる熱交換手段と、外気を前記建物の中に直接入れる直通手段と、外気の温度を検出するが外気温度検出器と、制御部を備え、
    前記制御部は前記外気温度検出器で検出された外気温度に基づいて前記換気熱交換器に流す熱媒体と空気の流量を制御し、
    前記所定の特性は前記第二潜熱蓄熱材の凝固温度が前記建物付近の1月の平均気温より高く、前記第一潜熱蓄熱材の融解温度が前記建物付近の7月の平均気温より低く、前記第一潜熱蓄熱材の凝固温度は前記第二潜熱蓄熱材の融解温度より高いという特性であることを特徴とする空調装置。
  8. 外気と前記熱媒体との間で熱交換を行う外気熱交換器と、前記第一蓄熱槽の熱媒体を前記第一流出入口から流出させ前記外気熱交換器経由で前記第二流出入口から前記第二蓄熱槽に流入させる外気循環手段と、空気と前記熱媒体との間で熱交換を行う建物熱交換器と、前記第二蓄熱槽の熱媒体を前記第二流出入口から流出させ前記建物熱交換器経由で前記第一流出入口から前記第一蓄熱槽に流入させる建物循環手段と、前記建物の中の空気を前記建物熱交換器経由で前記建物の中に戻す空気循環手段と、前記建物の中の空気の温度を検出する室内温度検出器と、を更に備え、
    前記制御部は前記外気温度と前記室内温度検出器で検出された室内温度に基づいて、前記外気熱交換器と前記建物熱交換器に流す熱媒体の流量と、前記建物熱交換器に流す空気の流量を制御することを特徴とする請求項7に記載の空調装置。
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