JP2009294745A - モデル検証プログラム及びモデル検証装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するにあたって、ユーザによる設計ルールの追加を容易にする。
【解決手段】制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するために用いられるモデル検証プログラムであって、前記制御モデルを構成するモデル構成要素の中から検証対象のプロパティを有するモデル構成要素を抽出するためのプロパティ抽出条件と、前記検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定するための適合判定式とを含むユーザ定義可能なルールデータに基づいて、前記制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するモデル検証機能をコンピュータに実現させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、モデル検証プログラム及びモデル検証装置に関する。
近年、車両制御用ECU(Electric Control Unit)の開発において、制御プログラムの複雑さが増加し、開発効率の向上が求められている。そこで、ブロック図や状態遷移図などの制御モデルを用いて制御仕様の検討を行い、その制御モデルを基にECUに実装する制御プログラムを自動生成して効率化を図るモデルベース開発が進められている。
モデルベース開発の設計に用いる商用のシミュレーションツールは汎用性が高く、例えば制御仕様を記述した制御モデルによって、ECUに実装する制御プログラムの自動生成を行う用途では、効率的で品質の高いソースコードを生成する必要があり、制御モデルの機能に制限を設け、制御モデルの品質を高める必要がある。この手法として、制御モデルの設計ガイドラインを定め、その制御モデルが設計ルールに適合するか否かをチェックする方法がある。制御モデルの設計ガイドラインとしては、MAAB Style GuideやMISRA ACG Guideline等、自動車メーカおよび、サプライヤ間で協議の上合意された基本的な制御仕様モデル作成に関する設計ルール集があり、一般公開されている。また、これら設計ガイドラインに適合するか否かを自動的にチェックするため、モデルチェックツールが使用されている。
図15は、制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証(チェック)するために、従来から一般的に使用されているモデルチェックツールの機能ブロック図である。この図15において、符号500は、ユーザが事前に制御モデリングツール(例えばThe Mathworks社のMatlab/Simulink(登録商標))を使用して作成した制御モデルに関するデータ(制御モデルを構成するモデル構成要素や各モデル構成要素が有するプロパティ等)が格納されているモデルデータ格納部である。このモデルデータ格納部500は、例えばPC(Personal Computer)に備えられている記憶装置(ハードディスク等)内の一記憶領域に形成されているものである。
符号600は、モデルデータ格納部500からチェック対象となる制御モデルのプロパティを読み出し、その制御モデルが設計ルールに適合するか否かをチェックするルールチェック処理部である。なお、各設計ルール毎に、制御モデル(プロパティ)がその設計ルールに適合する否かをチェックするための判定プログラムが予め作成されており、ルールチェック処理部600は、各設計ルールの判定プログラムを順次実行することにより制御モデルのチェックを行う。符号700は、ルールチェック処理部600による制御モデルのチェック結果を、表示装置などの出力装置によって外部に出力する一方、チェック結果が「NG」となったプロパティ(つまり設計ルールに適合しないプロパティ)に対して自動修正を行うチェック結果出力部である。これらルールチェック処理部600及びチェック結果出力部700は、PCのCPU(Central Processing Unit)がモデルチェックツールプログラムを実行することで実現される一機能要素である。
なお、現在商用化されているモデルチェックツールの詳細は下記非特許文献1に開示されており、また、制御モデル及び当該制御モデルから生成した制御プログラムの動的な検査技術に関しては下記特許文献1に開示されている。
The Mathworks社 Model Advisor http://www.cybernet.co.jp/matlab/products/product_listing/simverification/ 特開2005−202925号公報
上述したように、従来のモデルチェックツールでは、各設計ルール毎に、制御モデルがその設計ルールに適合する否かをチェックするための判定プログラムが予め作成されており、これら各設計ルールの判定プログラムが順次実行されることによって制御モデルのチェックが行われる。この場合、ユーザ側で新たな設計ルールを追加するには、新たな設計ルールに従って制御モデルを解析しチェックする判定プログラムをユーザ自身が作成する必要がある。このような判定プログラムのカスタマイズを行うことは、ユーザにとって大きな負担となる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するにあたって、ユーザによる設計ルールの追加を容易にすることが可能なモデル検証プログラム及びモデル検証装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、モデル検証プログラムに係る第1の解決手段として、制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するために用いられるモデル検証プログラムであって、前記制御モデルを構成するモデル構成要素の中から検証対象のプロパティを有するモデル構成要素を抽出するためのプロパティ抽出条件と、前記検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定するための適合判定式とを含むユーザ定義可能なルールデータに基づいて、前記制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するモデル検証機能をコンピュータに実現させることを特徴とする。
また、モデル検証プログラムに係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記モデル検証機能として、前記制御モデルに関するデータが格納されたモデルデータ格納手段から、制御モデルを構成するモデル構成要素と、各モデル構成要素が有するプロパティとの対応関係を表すモデルデータを読み出すモデルデータ読出機能と、前記ルールデータが格納されたルールデータ格納手段から、検証に使用するルールデータを読み出すルールデータ読出機能と、前記ルールデータ読出機能によって読み出されたルールデータに含まれるプロパティ抽出条件に基づき、前記モデルデータ読出機能によって読み出されたモデルデータから検証対象のプロパティを有するモデル構成要素を抽出するプロパティ抽出機能と、前記ルールデータ読出機能によって読み出されたルールデータに含まれる適合判定式に基づいて、前記プロパティ抽出機能によって抽出されたモデル構成要素毎に、検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定する適合判定機能とを含むことを特徴とする。
また、モデル検証プログラムに係る第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記プロパティ抽出条件は、抽出対象のプロパティの名称と、抽出比較データと、両者の関係を規定する関係演算子とによって定義されており、前記プロパティ抽出機能は、前記モデルデータ読出機能によって読み出されたモデルデータに含まれるモデル構成要素の内、前記プロパティ抽出条件における抽出対象のプロパティの名称に対応するプロパティの内容と、前記抽出比較データとの関係が前記関係演算子によって規定される関係を満足するモデル構成要素を抽出することを特徴とする。
また、モデル検証プログラムに係る第4の解決手段として、上記第2または第3の解決手段において、前記適合判定式は、検証対象のプロパティの名称と、検証比較データと、両者の関係を規定する関係演算子とによって定義されており、前記適合判定機能は、前記プロパティ抽出機能によって抽出されたモデル構成要素が有するプロパティの内、前記適合判定式における検証対象のプロパティの名称に対応するプロパティの内容と、前記検証比較データとの関係が前記関係演算子によって規定される関係を満足するか否かを判定することにより、検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定することを特徴とする。
また、モデル検証プログラムに係る第5の解決手段として、上記第2〜第4のいずれかの解決手段において、前記ルールデータには、前記プロパティ抽出条件及び適合判定式の他、前記適合判定機能によって設計ルールに適合しないと判定された検証対象のプロパティを自動修正するための自動修正方法が定義されており、前記モデル検証機能として、前記ルールデータに含まれる自動修正方法に従って、前記適合判定機能によって設計ルールに適合しないと判定された検証対象のプロパティを自動修正するプロパティ修正機能をさらに含むことを特徴とする。
また、モデル検証プログラムに係る第6の解決手段として、上記第5の解決手段において、前記自動修正方法は、検証対象のプロパティの名称及び指定修正データによって定義されており、前記プロパティ修正機能は、前記適合判定機能によって設計ルールに適合しないと判定された検証対象のプロパティの内容を前記指定修正データに自動修正することを特徴とする。
また、モデル検証プログラムに係る第7の解決手段として、上記第2〜第6のいずれかの解決手段において、前記モデル構成要素が有するプロパティには、自己のモデル構成要素に直接関連する標準プロパティの他、自己のモデル構成要素の前段または後段に存在するモデル構成要素のプロパティが拡張プロパティとして含まれており、前記モデルデータ読出機能は、前記モデルデータ格納手段から、制御モデルを構成するモデル構成要素と、各モデル構成要素が有する標準プロパティ及び拡張プロパティを読み出すことを特徴とする。
また、モデル検証プログラムに係る第8の解決手段として、上記第2〜第7のいずれかの解決手段において、前記モデル検証機能として、前記ルールデータの新規入力画面を表示手段に表示させ、前記新規入力画面を介して入力された情報に基づいて、新規のルールデータを作成して前記ルールデータ格納手段に格納するルールデータ作成機能をさらに含むことを特徴とする。
また、モデル検証プログラムに係る第9の解決手段として、上記第2〜第8のいずれかの解決手段において、前記モデル検証機能として、前記ルールデータ格納手段に格納済みのルールデータの内、編集対象のルールデータの編集画面を表示手段に表示させ、前記編集画面を介して入力された編集内容に従って、前記編集対象のルールデータを編集するルールデータ編集機能をさらに含むことを特徴とする。
また、モデル検証プログラムに係る第10の解決手段として、上記第2〜第9のいずれかの解決手段において、前記モデル検証機能として、出力手段を介し、前記適合判定機能による適合判定結果を、前記プロパティ抽出機能によって抽出したモデル構成要素及び当該モデル構成要素が有するプロパティと対応付けて出力する検証結果出力機能をさらに含むことを特徴とする。
また、モデル検証プログラムに係る第11の解決手段として、上記第2〜第10のいずれかの解決手段において、前記モデル検証機能として、出力手段を介して、前記ルールデータ読出機能によって読み出されたルールデータを可視化して出力するルールデータ出力機能をさらに含むことを特徴とする。
また、モデル検証プログラムに係る第12の解決手段として、上記第2〜第11のいずれかの解決手段において、前記モデル検証機能として、出力手段を介して、前記モデルデータ読出機能によって読み出されたモデルデータを基に各モデル構成要素のプロパティを可視化して出力するモデルデータ出力機能をさらに含むことを特徴とする。
さらに、本発明では、モデル検証装置に係る解決手段として、制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するモデル検証装置であって、前記制御モデルを構成するモデル構成要素の中から検証対象のプロパティを有するモデル構成要素を抽出するためのプロパティ抽出条件と、前記検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定するための適合判定式とを含むルールデータに基づいて、前記制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するモデル検証手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するにあたって、新たな設計ルールを追加する場合、ユーザは従来のような複雑な判定プログラムを作成する必要はなく、少なくともプロパティ抽出条件及び適合判定式を含むルールデータを定義するだけで良いため、設計ルールの追加を容易にすることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るモデル検証装置1の機能ブロック図である。本実施形態に係るモデル検証装置1は、例えばPC(Personal Computer)であり、入力装置10、記憶装置20、CPU(Central Processing Unit)30、表示装置50から概略構成されている。なお、本実施形態に係るモデル検証装置1として、車両制御用ECU(Electric Control Unit)に実装する制御プログラムのモデルベース開発において、その制御プログラムの基となる制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するものを例示して説明する。
入力装置10は、例えばキーボードやマウス等から構成されており、ユーザによる操作入力に応じた信号(以下、操作入力信号と称す)をCPU30に出力する。記憶装置20は、例えばハードディスクであり、モデル検証プログラム20aを記憶していると共に、制御モデルに関するデータの格納領域であるモデルデータ格納部20bと、制御モデルの検証に用いられるルールデータの格納領域であるルールデータ格納部20cを有している。
表示装置50は、例えば液晶ディスプレイ等であり、入力画面や適合判定結果を出力する。
モデル検証プログラム20aは、CPU30によって読み出されて実行され、制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するモデル検証機能をモデル検証装置1に実現させるためのプログラムである。モデルデータ格納部20bには、ユーザが事前に制御モデリングツール(例えばThe Mathworks社のMatlab/Simulink(登録商標))を使用して作成した制御モデルに関するデータ、具体的には制御モデルを構成するモデル構成要素や各モデル構成要素が有するプロパティ等が格納されている。
ここで、制御モデルとは、ブロック図や状態遷移図等を用いて制御仕様を記述したものである。また、モデル構成要素とは、上記ブロック図や状態遷移図を構成するブロック、サブシステム、ライン、ジャンクション、ステート等の要素であり、プロパティとは、それらモデル構成要素の性質を表すデータである。また、本実施形態では、モデル構成要素が有するプロパティとして、自己のモデル構成要素に直接関連するプロパティ(標準プロパティ)と、自己のモデル構成要素の前段または後段に存在するモデル構成要素のプロパティ(拡張プロパティ)とが含まれている。図2(a)に標準プロパティの一例を示し、図2(b)に拡張プロパティの一例を示す。
ルールデータ格納部20cには、ルールタイトル、プロパティ抽出条件、適合判定式及び自動修正方法を1組とするルールデータが格納されている。図3(a)に、ルールデータのフォーマット例を示す。図3(a)に示すように、ルールタイトルは、そのルールデータを使用して検証する設計ルールを記述した任意のテキストデータによって定義されている。
プロパティ抽出条件は、制御モデルを構成するモデル構成要素の中から検証対象のプロパティを有するモデル構成要素を抽出するための条件を記述したデータであり、抽出対象のプロパティの名称と、抽出比較データと、これら両者の関係を規定する関係演算子とによって定義されている。ここで、抽出比較データとしては、プロパティの名称や具体的な数値、記号等が使用され、また、関係演算子としては、図3(b)に示すような記号やテキストデータが使用される。
適合判定式は、検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定するための判定式を記述したデータであり、検証対象のプロパティの名称と、検証比較データと、これら両者の関係を規定する関係演算子とによって定義されている。ここで、プロパティ抽出条件と同様に、検証比較データとしては、プロパティの名称や具体的な数値、記号等が使用され、また、関係演算子としては、図3(b)に示す記号やテキストデータが使用される。
自動修正方法は、設計ルールに適合しないと判定された検証対象のプロパティを自動修正するための修正方法を記述したデータであり、検証対象のプロパティの名称及び指定修正データによって定義されている。ここで、指定修正データとしては、プロパティの名称や具体的な数値、記号等が使用される。また、検証対象のプロパティが自動修正不可能な種類であれば、この自動修正方法の定義データを空欄、または「修正無し」等のテキストデータを用いることにより、自動修正が実行されないようにすることができる。
上記のようなルールタイトル、プロパティ抽出条件、適合判定式及び自動修正方法を含むルールデータが、検証すべき設計ルールの数に応じて複数作成されており、予めルールデータ格納部20cに格納されている。また、ユーザは本モデル検証装置1のルールデータ作成機能(CPU30におけるルールデータ作成部45)を用いて、任意に新規のルールデータを作成・追加することができる。
なお、図3(a)では、1組のルールデータにおいて、プロパティ抽出条件と適合判定式がそれぞれ1つだけ定義されている場合を例示しているが、異なるプロパティ抽出条件を複数定義して各プロパティ抽出条件のANDまたはORを取ったり、異なる適合判定式を複数定義して各適合判定式のANDまたはORを取るようにルールデータのフォーマットを変更しても良い。また、自動修正方法についても、1つだけでなく複数定義可能なフォーマットとしても良い。
CPU30は、記憶装置20に記憶されているモデル検証プログラム20a及び入力装置10から入力される操作入力信号に従って、モデル検証装置1の全体動作を統括的に制御する。なお、記憶装置20には不図示のOS(Operation System)プログラムやアプリケーションプログラムが記憶されており、CPU30はこのOSプログラムを実行することにより、モデル検証プログラム20aを実行可能としている。
より具体的には、CPU30が記憶装置20に記憶されているモデル検証プログラム20aを読み出して実行することにより、制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するモデル検証機能を有するモデル検証部40が実現される。このモデル検証部40には、その機能要素として、モデルデータ読出部41、ルールチェック処理部42、チェック結果出力部43、自動修正部44及びルールデータ作成部45が含まれる。さらに、ルールチェック処理部42には、その機能要素として、ルールデータ読出部42a、プロパティ抽出部42b及び適合判定部42cが含まれる。
モデルデータ読出部41は、記憶装置20のモデルデータ格納部20bから、検証対象の制御モデルを構成するモデル構成要素と、各モデル構成要素が有するプロパティ(汎用プロパティ及び拡張プロパティを含む)との対応関係を表すモデルデータを読み出し、その読み出したモデルデータを基に、図5(b)の例のような行方向にモデル構成要素、列方向にプロパティを2次元配列したプロパティ表を作成する。
ルールチェック処理部42のルールデータ読出部42aは、記憶装置20のルールデータ格納部20cから、検証に使用するルールデータを読み出す。プロパティ抽出部42bは、ルールデータ読出部42aによって読み出されたルールデータに含まれるプロパティ抽出条件に基づいて、モデルデータ読出部41によって作成されたプロパティ表から検証対象のプロパティを有するモデル構成要素を抽出する。適合判定部42cは、ルールデータ読出部42aによって読み出されたルールデータに含まれる適合判定式に基づいて、プロパティ抽出部42cによって抽出されたモデル構成要素毎に、検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定する。
チェック結果出力部43は、プロパティ抽出部42bによって抽出したモデル構成要素及び当該モデル構成要素が有するプロパティと対応付けて、図6(c)の例のような適合判定結果(つまり制御モデルの検証結果)を表示させる。自動修正部44は、ルールデータに含まれる自動修正方法に従って、適合判定部42cによって設計ルールに適合しないと判定された検証対象のプロパティを自動修正する。
ルールデータ作成部44は、ルールデータ作成を行う為のGUI(グラフィカルユーザインタフェース)等であり、表示装置50にルールデータの新規入力画面を表示させ、新規入力画面を介して入力された情報に基づいて、新規のルールデータを作成してルールデータ格納部20cに追加する。この他、ルールデータ格納部20cに格納済みのルールデータの内、編集対象のルールデータの編集画面を表示装置50に表示させ、その編集画面を介して入力された編集内容に従って、編集対象のルールデータを編集するルールデータ編集機能を設けるようにしても良い。
次に、上記のように構成されたモデル検証装置1において、CPU30がモデル検証プログラム20aを実行することで実現されるモデル検証部40の動作について図4〜図14を参照して説明する。
図4は、モデル検証部40の動作を表すフローチャートである。図4に示すように、まず、モデルデータ読出部41は、ユーザから入力装置10を介して指定された検証対象の制御モデルのモデルデータを、記憶装置20のモデルデータ格納部20aから読み出し、
その読み出したモデルデータを基に、図5(b)のような行方向にモデル構成要素、列方向にプロパティを2次元配列したプロパティ表を作成する(ステップS1)。
図5(a)は検証対象の制御モデルの一例であり、図5(b)は図5(a)に示す制御モデルより抽出したプロパティ表の一例である。図5(a)に示すように、検証対象の制御モデルは、モデル構成要素として、ブロック「In1」、「Out1」、「Constant」、「Constant1」、「Sum」、「Switch1」、「UnitDelay」から構成されるブロック図によって記述されているものとする。このような制御モデルについて作成されたプロパティ表では、図5(b)に示すように、行方向にモデル構成要素(制御モデルの階層とブロック名)が配列され、列方向に各モデル構成要素が有するプロパティ「blocktype(ブロックのタイプ)」、「Output.type(ブロック出力の演算型)」、「initial(初期値)」が配列される。
つまり、図5(b)のプロパティ表から、ブロック名「In1」は、プロパティ「blocktype=Inport(入力端子)」、「Output.type=“−”(プロパティ無し)」、「initial=“−”」のブロックであることがわかる(記号“−”は プロパティが存在しないことを表し、設定値無し“ ”と区別するために用いている)。また、ブロック名「Out1」は、プロパティ「blocktype=Outport(出力端子)」、「Output.type=“−”」、「initial=“−”」のブロックであることがわかる。また、ブロック名「Constant」及び「Constant1」は、プロパティ「blocktype=Constant(定数)」、「Output.type=“−”(プロパティ無し)」、「initial=“−”」のブロックであることがわかる。
また、ブロック名「Sum」は、プロパティ「blocktype=Sum(加算)」、「Output.type=UInt16」、「initial=“−”」のブロックであることがわかる。また、ブロック名「Switch」は、プロパティ「blocktype=Switch(スイッチ)」、「Output.type=UInt16」、「initial=“−”」のブロックであることがわかる。また、ブロック名「UnitDelay」は、プロパティ「blocktype=UnitDelay(遅延)」、「Output.type=UInt16」、「initial=“0”」のブロックであることがわかる。
なお、上記のようなモデル構成要素が有するプロパティを可視化したプロパティ表を、表示装置50に表示させるモデルデータ出力機能をモデル検証部40の一機能要素として設けても良い。このようなモデルデータ出力機能を設けることにより、ユーザは現在検証中の制御モデルの構成や各モデル構成要素が有するプロパティを視覚的に容易に把握することができる。
続いて、ルールチェック処理部42のルールデータ読出部42aは、記憶装置20のルールデータ格納部20cに格納されているルールデータの内、予め設定されている使用順序がi番目(iの初期値は「1」)のルールデータを読み出す(ステップS2)。そして、プロパティ抽出部42bは、ルールデータ読出部42aにて読み出されたルールデータに含まれるプロパティ抽出条件に基づいて、モデルデータ読出部41にて作成されたプロパティ表から検証対象のプロパティを有するモデル構成要素を抽出する(ステップS3)。
そして、適合判定部42cは、ルールデータ読出部42aにて読み出されたルールデータに含まれる適合判定式に基づいて、プロパティ抽出部42bにて抽出されたモデル構成要素毎に、検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定する(ステップS4)。チェック結果出力部43は、適合判定部42cによる適合判定結果を、プロパティ抽出部42bによって抽出したモデル構成要素及び当該モデル構成要素が有するプロパティと対応付けて表示するための画像データを生成し、この画像データを表示装置50に出力することにより、表示装置50を介して適合判定結果(つまり制御モデルの検証結果)を表示させる(ステップS5)。さらに、自動修正部44は、ルールデータに含まれる自動修正方法に従って、適合判定部42cによって設計ルールに適合しないと判定された検証対象のプロパティを自動修正する(ステップS6)。
そして、ルールチェック処理部42は、現在使用しているi番目のルールデータが最終番目である否か(i=Nか否か)を判定し(ステップS7)、i=Nではない場合(「No」)、ステップS2の処理に戻り、次番目(i+1番目)のルールデータを使用して、制御モデルが別の設計ルールに適合するか否かを検証する一方、i=Nの場合(「Yes」)、モデル検証動作を終了する。
以下、上記のステップS3〜S6の処理について具体例を挙げて詳細に説明する。
<具体例1>
図6(a)は、本具体例1において検証対象として選択した制御モデル(ブロック図で記述したモデル)であり、図6(b)は、本具体例1において検証に使用するルールデータであり、図6(c)は、本具体例1における適合判定結果の表示例を示すものである。図6(a)に示すように、本具体例1における制御モデルとして、プロパティ「type(モデル構成要素の種別)」が「“block”(ブロック)」であり、その他のプロパティ「fontname(フォント名)」、「fontsize(フォントサイズ)」を有する「in」、「out」、「定数」、「Sum」という4つのブロックから構成されたモデルを想定する。また、図6(b)に示すように、本具体例1において使用するルールデータは、「ルールタイトル」に記述されているように「ブロックのフォントは“Arial”10ptである」という設計ルールに適合するか否かを検証するためのものである。
ルールデータのプロパティ抽出条件は、抽出対象のプロパティの名称として「type」、抽出比較データとして「“block”」、これら両者の関係を規定する関係演算子として「と等しい(=)」が設定されているものとする。この場合、上記ステップS3では、制御モデルからプロパティ「type」が「“block”」と等しいモデル構成要素が抽出されることになる。つまり、図6(c)に示すように、制御モデルを構成する全てのブロック「in」、「out」、「定数」、「Sum」が抽出される。
一方、適合判定式は、検証対象のプロパティの名称として「fontname」、検証比較データとして「“Arial”」、これら両者の関係を規定する関係演算子として「と等しい(=)」が設定されている第1判定式と、検証対象のプロパティの名称として「fontsize」、検証比較データとして「10」、これら両者の関係を規定する関係演算子として「と等しい(=)」が設定されている第2判定式との2つの判定式のAND(「且つ」)を取るように定義されているものとする。
この場合、ステップS4では、ステップS3で抽出されたモデル構成要素「in」、「out」、「定数」、「Sum」の内、プロパティ「fontname」が「“Arial”」と等しく、且つ「fontsize」が「10」と等しいものは「OK(設計ルールに適合する)」と判定され、そうでないものは「NG(設計ルールに適合しない)」と判定される。つまり、図6(c)に示すように、プロパティ「fontname」が「“MSゴシック”」であるブロック「定数」が「NG」と判定されることになる。
ステップS5では、図6(c)に示すように、適合判定結果がプロパティ抽出部42bによって抽出したモデル構成要素及び当該モデル構成要素が有するプロパティと対応付けられて表示される。なお、ステップS2で読み出したルールデータを、図6(b)に示すように可視化して表示装置50に表示させるルールデータ出力機能をモデル検証部40の一機能要素として設けても良い。このように適合判定結果と共に、検証に使用したルールデータを表示することにより、ユーザに対して設計ルールの自動チェック方法を明示することができ、ユーザはチェック過程の仕組みを容易に理解することができるようになる。
さらに、図6(b)に示すように、ルールデータの自動修正方法は、検証対象のプロパティの名称として「fontname」、指定修正データとして「“Arial”」が設定されている第1修正方法と、検証対象のプロパティの名称として「fontsize」、指定修正データとして「10」が設定されている第2修正方法との2つの修正方法によって定義されている。すなわち、ステップS6では、「NG」と判定されたブロック「定数」のプロパティ「fontname」が「“MSゴシック”」から「“Arial”」に自動修正されることになる。
<具体例2>
図7(a)は、本具体例2において検証対象として選択した制御モデル(ブロック図で記述したモデル)であり、図7(b)は、本具体例2において検証に使用するルールデータであり、図7(c)は、本具体例2における適合判定結果の表示例を示すものである。図7(a)に示すように、本具体例2における制御モデルは、プロパティ「blocktype(ブロックの種類)=“Switch”」、及びプロパティ「Output.type(出力演算型)=Int16」を有するブロック「Switch1」と「Switch2」をモデル構成要素として含んでいる。
なお、ブロック「Switch1」の前段には、「Output.type=Int16」のブロック「Gain」と、「Output.type=UInt16」のブロック「Gain1」とが存在するため、ブロック「Switch1」は、拡張プロパティとして「preoperator.output.type(前段の演算ブロックの出力演算型)={Int16 UInt16}」を有している。また、ブロック「Switch2」の前段には、「Output.type=Int16」のブロック「Gain」と、ブロック「Subsystem(サブシステム)」内における「Output.type=Int16」のブロック「Gain」とが存在するため、ブロック「Switch2」は、拡張プロパティとして「preoperator.output.type={Int16 Int16}」を有している。
図7(b)に示すように、本具体例2において使用するルールデータは、「ルールタイトル」に記述されているように「Switchブロックの出力演算型は、入力される演算型と一致する」という設計ルールに適合するか否かを検証するためのものである。ルールデータのプロパティ抽出条件は、抽出対象のプロパティの名称として「blocktype」、抽出比較データとして「“Switch”」、これら両者の関係を規定する関係演算子として「と等しい(=)」が設定されているものとする。この場合、上記ステップS3では、制御モデルからプロパティ「blocktype」が「“Switch”」と等しいモデル構成要素が抽出されることになる。つまり、図7(c)に示すように、制御モデルを構成するモデル構成要素の内、ブロック「Switch1」及び「Switch2」が抽出される。
一方、適合判定式は、検証対象のプロパティの名称として「preoperator.output.type」、検証比較データとして「output.type」、これら両者の関係を規定する関係演算子として「と等しい(=)」が設定されているものとする。この場合、ステップS4では、抽出されたモデル構成要素の内、プロパティ「preoperator.output.type」が「output.type」と等しいものは「OK」と判定され、そうでないものは「NG」と判定される。つまり、図7(c)に示すように、拡張プロパティ「preoperator.output.type={Int16 UInt16}」であるブロック「Switch1」が「NG」と判定されることになる。
ステップS5では、図7(c)に示すように、適合判定結果がプロパティ抽出部42bによって抽出したモデル構成要素及び当該モデル構成要素が有するプロパティと対応付けられて表示される。また、図7(b)に示すように、本具体例2における自動修正方法は、「修正無し」と定義されている。つまり、本具体例2の場合では、ステップS6における「NG」プロパティの自動修正は実施されない。
<具体例3>
図8(a)は、本具体例3において検証対象として選択した制御モデル(状態遷移図で記述したモデル)であり、図8(b)は、本具体例3において検証に使用するルールデータであり、図8(c)は、本具体例3における適合判定結果の表示例を示すものである。図8(a)に示すように、本具体例3における制御モデルは、プロパティ「sfclass(状態遷移図の要素の種類)=“junction”」を有する6個のジャンクションをモデル構成要素として備えている。また、図8(b)に示すように、本具体例3において使用されるルールデータは、「ルールタイトル」に記述されているように「状態遷移図のジャンクションは、条件のない遷移が必ず1つだけ存在する」という設計ルールに適合するか否かを検証するためのものである。
ルールデータのプロパティ抽出条件は、抽出対象のプロパティの名称として「sfclass」、抽出比較データとして「“junction”」、これら両者の関係を規定する関係演算子として「と等しい(=)」が設定されている。この場合、上記ステップS3では、制御モデルからプロパティ「sfclass」が「“junction”」と等しいモデル構成要素が抽出されることになる。つまり、図8(c)に示すように、制御モデルを構成する全てのジャンクションが抽出される。
一方、適合判定式は、検証対象のプロパティの名称として「sfout.condition(遷移条件:矢印に記述された条件)」、検証比較データとして「“”(条件無し)」、これら両者の関係を規定する関係演算子として「を1つだけ含む」が設定されている。この場合、ステップS4では、抽出されたモデル構成要素の内、プロパティ「sfout.condition」が「“”」を1つだけ含むものが「OK」と判定され、そうでないものは「NG」と判定される。つまり、図8(c)に示すように、プロパティ「sfout.condition={“〔in==1〕” “〔in==0〕”}」であるジャンクションが「NG」と判定されることになる。
ステップS5では、図8(c)に示すように、適合判定結果がプロパティ抽出部42bによって抽出したモデル構成要素及び当該モデル構成要素が有するプロパティと対応付けられて表示される。また、図8(b)に示すように、本具体例3における自動修正方法は、「修正無し」と定義されている。つまり、本具体例3の場合では、ステップS6における「NG」プロパティの自動修正は実施されない。
続いて、車両制御用ECUのモデルベース開発への適用例について説明する。一般的に、車両制御システムの開発では、ECUを含めた制御システム全体のシミュレーションモデルをブロック図や状態遷移図を用いて記述し、このシミュレーションモデルをシミュレータに組み込むことにより、制御システムの動作について検証している。シミュレーションモデルは、プラントモデル、センサモデル、アクチュエータモデル等の制御対象モデルと、制御ロジックやフィードバック制御を行う制御仕様モデル(ECUに相当するモデル)とに分類され、本実施形態のモデル検証装置1における検証対象の制御モデルとは、この制御仕様モデルを指す。
<適用例1>
図9は、エアバッグ点火用の衝突判定を行うエアバッグ制御システムのオープンループシミュレーションモデルである。この図9に示すように、エアバッグ制御システムのシミュレーションモデルは、制御対象モデルであるセンサモデル部100と、制御仕様モデルである衝突判定アルゴリズム部200とから構成されている。
センサモデル部100は、車両に作用する加速度を検出するサテライト加速度センサ101及びメイン加速度センサ102から構成されている。衝突判定アルゴリズム部200は、LPF201、LPF202、セーフィング判定部203、中高速衝突判定部204、低速衝突判定部205、OR処理部206及びAND処理部207から構成されている。
LPF201は、サテライト加速度センサ101から出力される加速度信号に含まれる高周波ノイズ成分を除去する。LPF202は、メイン加速度センサ102から出力される加速度信号に含まれる高周波ノイズ成分を除去する。セーフィング判定部203は、LPF201から出力される加速度信号の区間積分処理を行うと共に、区間積分値とセーフィング判定閾値とを比較することでセーフィング判定を行う。
中高速衝突判定部204は、LPF202から出力される加速度信号の区間積分処理を行うと共に、区間積分値と中高速衝突判定閾値とを比較することで衝突判定を行う。低速衝突判定部205は、LPF202から出力される加速度信号の累積積分処理を行うと共に、累積積分値と低速衝突判定閾値とを比較することで衝突判定を行う。OR処理部206は、中高速衝突判定部204及び低速衝突判定部205の衝突判定結果の論理和処理を行う。AND処理部207は、セーフィング判定部203のセーフィング判定結果とOR処理部206の論理和処理結果との論理積処理を行い、論理積処理結果をエアバッグ点火信号として出力する。
図10は、上記のように構成された衝突判定アルゴリズム部200を、制御モデリングツールを使用して記述した制御モデルである。図10の制御モデルにおいて、ブロック「Satelite LPF」はLPF201に相当し、ブロック「Main LPF」はLPF202に相当し、ブロック「Safing Detection」はセーフィング判定部203に相当し、ブロック「MidSpeed Detection」は中高速衝突判定部204に相当し、ブロック「LowSpeed Detection」は低速衝突判定部205に相当し、ブロック「Logical Operator」はOR処理部206に相当し、ブロック「Logical Operator1」はAND処理部207に相当する。
また、図10において、ブロック「Sat_G」は、サテライト加速度センサ101の加速度信号を入力とする入力ポート(プロパティ「blocktype=Inport」)である。ブロック「Main_G」は、メイン加速度センサ102の加速度信号を入力とする入力ポートである。ブロック「FireFlag」は、ブロック「Logical Operator1」の論理積処理結果(FireFlag)を出力する出力ポート(プロパティ「blocktype=Outport」)である。
ブロック「Safing Detection」、「MidSpeed Detection」及び「LowSpeed Detection」は、積分処理と閾値比較判定処理を行うサブシステムブロックであり、図10では、「LowSpeed Detection」の内部ブロック構成を代表的に図示している。すなわち、「LowSpeed Detection」は、「MainLPF_G」、「Constant」、「Sum1」、「積分」、「Unit Delay」、「Saturation」、「Constant1」、「Relational Operator」、「LowFlag」のブロックから構成されている。
図11(a)は、本適用例1において検証に使用するルールデータであり、図11(b)は、本適用例1における適合判定結果の表示例を示すものである。図11(a)に示すように、本適用例1において使用するルールデータは、図6(b)に示すルールデータと同じものである。従って、ステップS3では、図10に示す制御モデルからプロパティ「type」が「“block”」と等しいモデル構成要素が抽出されることになる。この場合、図10に示す制御モデルを構成する全てのモデル構成要素が抽出されるが、説明の都合上、図11(b)では、「LowSpeed Detection」と、その内部のモデル構成要素「MainLPF_G」、「Constant」、「Sum1」、「積分」、「Unit Delay」、「Saturation」、「Constant1」、「Relational Operator」、「LowFlag」のみを抽出結果として図示している。
また、ステップS4では、ステップS3で抽出されたモデル構成要素の内、プロパティ「fontname」が「“Arial”」と等しく、且つ「fontsize」が「10」と等しいものは「OK」と判定され、そうでないものは「NG」と判定される。つまり、図11(b)に示すように、プロパティ「fontname」が「“MSゴシック”」であるブロック「積分」が「NG」と判定されることになる。
<適用例2>
図12は、エンジン燃料噴射の空燃比フィードバック制御を行うエンジン制御システムのクローズドループシミュレーションモデルである。この図12に示すように、エンジン制御システムのシミュレーションモデルは、制御対象モデルであるエンジンモデル部300と、制御仕様モデルである燃料噴射制御部400とから構成されている。
エンジンモデル部300は、エンジン301と、エンジン301の回転数を検出する回転センサ302と、エンジン1の吸入空気量を検出するエアフローメータ303と、エンジン1の排気ガスを清浄化するための触媒304と、触媒304を通過した排気ガスから空燃比を検出するA/Fセンサ305とから構成されている。
燃料噴射制御部400は、基本燃料噴射量演算部401、空燃比フィードバック制御部402及び加算処理部403から構成されている。基本燃料噴射量演算部401は、回転センサ302にて検出された回転数及びエアフローメータ303にて検出された吸入空気量に基づいて基本燃料噴射量を算出する。空燃比フィードバック制御部402は、A/Fセンサ305にて検出された空燃比が目標空燃比と一致するようにフィードバック制御(例えばPID制御)を行う。加算処理部403は、基本燃料噴射量演算部401にて算出された基本燃料噴射量と、空燃比フィードバック制御部402におけるPID演算によって算出された燃料噴射量とを加算し、その加算値を燃料噴射量の最終的な制御量としてエンジン1に出力する。
図13は、上記のように構成された燃料噴射制御部400を、制御モデリングツールを使用して記述した制御モデルである。図13の制御モデルにおいて、ブロック「Estimate Basic Fuel Vol」は基本燃料噴射量演算部401に相当し、ブロック「AF ratio Control」は空燃比フィードバック制御部402に相当し、ブロック「Sum」は加算処理部403に相当する。
また、図13において、ブロック「Air_Vol」は、エアフローメータ303にて検出された吸入空気量を入力とする入力ポート(プロパティ「blocktype=Inport」)である。ブロック「Ne」は、回転センサ302にて検出された回転数を入力とする入力ポートである。ブロック「AF」は、A/Fセンサ305にて検出された空燃比を入力とする入力ポートである。ブロック「Fuel Vol」は、ブロック「Sum」の加算値を出力する出力ポート(プロパティ「blocktype=Outport」)である。
ブロック「Estimate Basic Fuel Vol」及び「AF ratio Control」はサブシステムブロックであり、図13では、「AF ratio Control」の内部ブロック構成を代表的に図示している。すなわち、「AF ratio Control」は、プロパティ「blocktype=“Unit Delay”」及びプロパティ「Output.type=UInt16」を有するブロック「Unit Delay」と、プロパティ「blocktype=“Unit Delay”」及びプロパティ「Output.type=Int16」を有するブロック「Unit Delay1」とをモデル構成要素として含んでいる。
なお、ブロック「Unit Delay」の前段には、「Output.type=Int16」のブロック「Sum1」が存在するため、ブロック「Unit Delay」は、拡張プロパティとして「preoperator.output.type=Int16」を有している。また、ブロック「Unit Delay1」の前段には、「Output.type=Int16」のブロック「Sum」が存在するため、ブロック「Unit Delay1」は、拡張プロパティとして「preoperator.output.type=Int16」を有している。
図14(a)は、本適用例2において検証に使用するルールデータであり、図14(b)は、本適用例2における適合判定結果の表示例を示すものである。図14(a)に示すように、本適用例2において使用するルールデータは、「ルールタイトル」に記述されているように「Unit Delayブロックの出力演算型は、入力される演算型と一致する」という設計ルールに適合するか否かを検証するためのものである。ルールデータのプロパティ抽出条件は、抽出対象のプロパティの名称として「blocktype」、抽出比較データとして「“Unit Delay”」、これら両者の関係を規定する関係演算子として「と等しい(=)」が設定されているものとする。この場合、図14(b)に示すように、サブシステムブロック「AF ratio Control」からブロック「Unit Delay」及び「Unit Delay1」が抽出されることになる。
一方、適合判定式は、検証対象のプロパティの名称として「preoperator.output.type」、検証比較データとして「output.type」、これら両者の関係を規定する関係演算子として「と等しい(=)」が設定されているものとする。この場合、抽出されたモデル構成要素の内、プロパティ「preoperator.output.type」が「output.type」と等しいものが「OK」と判定され、そうでないものは「NG」と判定される。つまり、図14(b)に示すように、ブロック「Unit Delay1」が「NG」と判定されることになる。
以上のように、本実施形態に係るモデル検証装置1によれば、制御モデルが設計ルール
に適合するか否かを検証するにあたって、新たな設計ルールを追加する場合、ユーザは従来のような複雑な判定プログラムを作成する必要はなく、「ルールタイトル」、「プロパティ抽出条件」、「適合判定式」、「自動修正方法」を含むルールデータを定義するだけで良いため、設計ルールの追加を容易にすることが可能となる。
なお、上記実施形態では、検証対象の制御モデルとして、車両制御用ECUに実装する制御プログラムの基となる制御モデルを例示して説明したが、このような車両制御に関する制御モデルに限らず、他の制御システムにおいて作成された制御モデルを検証対象とすることも勿論可能である。
本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の機能ブロック図である。 制御モデルを構成するモデル構成要素が有するプロパティ(標準プロパティ、拡張プロパティ)の一例である。 本発明の一実施形態に係るルールデータに関する説明図である。 本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の動作フローチャートである。 本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の動作に関する第1説明図(プロパティ表)である。 本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の動作に関する第2説明図(具体例1)である。 本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の動作に関する第3説明図(具体例2)である。 本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の動作に関する第4説明図(具体例3)である。 本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の動作に関する第5説明図(適用例1)である。 本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の動作に関する第6説明図(適用例1)である。 本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の動作に関する第7説明図(適用例1)である。 本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の動作に関する第8説明図(適用例2)である。 本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の動作に関する第9説明図(適用例2)である。 本発明の一実施形態に係るモデル検証装置1の動作に関する第10説明図(適用例2)である。 従来のモデルチェックツールに関する説明図である。
符号の説明
1…モデル検証装置、10…入力装置、20…記憶装置、30…CPU(Central Processing Unit)、50…表示装置、40…モデル検証部、41…モデルデータ読出部、42…ルールチェック処理部、43…チェック結果出力部、44…自動修正部、45…ルールデータ作成部、42a…ルールデータ読出部、42b…プロパティ抽出部、42c…適合判定部、20a…モデル検証プログラム、20b…モデルデータ格納部、20c…ルールデータ格納部

Claims (13)

  1. 制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するために用いられるモデル検証プログラムであって、
    前記制御モデルを構成するモデル構成要素の中から検証対象のプロパティを有するモデル構成要素を抽出するためのプロパティ抽出条件と、前記検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定するための適合判定式とを含むルールデータに基づいて、前記制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するモデル検証機能をコンピュータに実現させることを特徴とするモデル検証プログラム。
  2. 前記モデル検証機能として、
    前記制御モデルに関するデータが格納されたモデルデータ格納手段から、制御モデルを構成するモデル構成要素と、各モデル構成要素が有するプロパティとの対応関係を表すモデルデータを読み出すモデルデータ読出機能と、
    前記ルールデータが格納されたルールデータ格納手段から、検証に使用するルールデータを読み出すルールデータ読出機能と、
    前記ルールデータ読出機能によって読み出されたルールデータに含まれるプロパティ抽出条件に基づき、前記モデルデータ読出機能によって読み出されたモデルデータから検証対象のプロパティを有するモデル構成要素を抽出するプロパティ抽出機能と、
    前記ルールデータ読出機能によって読み出されたルールデータに含まれる適合判定式に基づいて、前記プロパティ抽出機能によって抽出されたモデル構成要素毎に、検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定する適合判定機能と、
    を含むことを特徴とする請求項1記載のモデル検証プログラム。
  3. 前記プロパティ抽出条件は、抽出対象のプロパティの名称と、抽出比較データと、両者の関係を規定する関係演算子とによって定義されており、
    前記プロパティ抽出機能は、前記モデルデータ読出機能によって読み出されたモデルデータに含まれるモデル構成要素の内、前記プロパティ抽出条件における抽出対象のプロパティの名称に対応するプロパティの内容と、前記抽出比較データとの関係が前記関係演算子によって規定される関係を満足するモデル構成要素を抽出することを特徴とする請求項2記載のモデル検証プログラム。
  4. 前記適合判定式は、検証対象のプロパティの名称と、検証比較データと、両者の関係を規定する関係演算子とによって定義されており、
    前記適合判定機能は、前記プロパティ抽出機能によって抽出されたモデル構成要素が有するプロパティの内、前記適合判定式における検証対象のプロパティの名称に対応するプロパティの内容と、前記検証比較データとの関係が前記関係演算子によって規定される関係を満足するか否かを判定することにより、検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定することを特徴とする請求項2または3に記載のモデル検証プログラム。
  5. 前記ルールデータには、前記プロパティ抽出条件及び適合判定式の他、前記適合判定機能によって設計ルールに適合しないと判定された検証対象のプロパティを自動修正するための自動修正方法が定義されており、
    前記モデル検証機能として、前記ルールデータに含まれる自動修正方法に従って、前記適合判定機能によって設計ルールに適合しないと判定された検証対象のプロパティを自動修正するプロパティ修正機能をさらに含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のモデル検証プログラム。
  6. 前記自動修正方法は、検証対象のプロパティの名称及び指定修正データによって定義されており、
    前記プロパティ修正機能は、前記適合判定機能によって設計ルールに適合しないと判定された検証対象のプロパティの内容を前記指定修正データに自動修正することを特徴とする請求項5記載のモデル検証プログラム。
  7. 前記モデル構成要素が有するプロパティには、自己のモデル構成要素に直接関連する標準プロパティの他、自己のモデル構成要素の前段または後段に存在するモデル構成要素のプロパティが拡張プロパティとして含まれており、
    前記モデルデータ読出機能は、前記モデルデータ格納手段から、制御モデルを構成するモデル構成要素と、各モデル構成要素が有する標準プロパティ及び拡張プロパティを読み出すことを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載のモデル検証プログラム。
  8. 前記モデル検証機能として、前記ルールデータの新規入力画面を表示手段に表示させ、前記新規入力画面を介して入力された情報に基づいて、新規のルールデータを作成して前記ルールデータ格納手段に格納するルールデータ作成機能をさらに含むことを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載のモデル検証プログラム。
  9. 前記モデル検証機能として、前記ルールデータ格納手段に格納済みのルールデータの内、編集対象のルールデータの編集画面を表示手段に表示させ、前記編集画面を介して入力された編集内容に従って、前記編集対象のルールデータを編集するルールデータ編集機能をさらに含むことを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載のモデル検証プログラム。
  10. 前記モデル検証機能として、出力手段を介し、前記適合判定機能による適合判定結果を、前記プロパティ抽出機能によって抽出したモデル構成要素及び当該モデル構成要素が有するプロパティと対応付けて出力する検証結果出力機能をさらに含むことを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載のモデル検証プログラム。
  11. 前記モデル検証機能として、出力手段を介して、前記ルールデータ読出機能によって読み出されたルールデータを可視化して出力するルールデータ出力機能をさらに含むことを特徴とする請求項2〜10のいずれか一項に記載のモデル検証プログラム。
  12. 前記モデル検証機能として、出力手段を介して、前記モデルデータ読出機能によって読み出されたモデルデータを基に各モデル構成要素が有するプロパティを可視化して出力するモデルデータ出力機能をさらに含むことを特徴とする請求項2〜11のいずれか一項に記載のモデル検証プログラム。
  13. 制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するモデル検証装置であって、
    前記制御モデルを構成するモデル構成要素の中から検証対象のプロパティを有するモデル構成要素を抽出するためのプロパティ抽出条件と、前記検証対象のプロパティが設計ルールに適合するか否かを判定するための適合判定式とを含むルールデータに基づいて、前記制御モデルが設計ルールに適合するか否かを検証するモデル検証手段を備えることを特徴とするモデル検証装置。
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