JP2009289941A - 電子材料の洗浄方法及び保管方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子材料の洗浄方法及び保管方法を提供する。
【解決手段】本発明の洗浄方法は、ヒドロキシ酸を含む溶液中で、マイクロバブルの存在下で洗浄することを特徴とする。
【効果】本発明の洗浄方法により、シリコンウエハ表面のパーティクル成分、油分汚染等を効率的に洗浄除去し、再汚染を防止することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子材料、特にシリコンウエハ用の洗浄方法、さらには洗浄前の保管方法に関する。
最近電子材料、特にシリコンウエハを用いた半導体LSIの製造技術においては、より大口径のウエハの使用やより微細な加工技術が必要となってきている。さらに工程の複雑化に伴う製品の品質の維持向上、生産コストの低減等の問題の解決もまた必要となってきている。
シリコンウエハを用いた半導体LSIの製造技術の多くの分野において、種々の溶液による処理を含むいわゆるウェット処理工程が必須の工程となっている。かかるウェット処理工程のうち特に重要な工程は洗浄工程である。従来の洗浄工程においては主に洗浄液の成分組成、又はそれらの濃度、洗浄温度、洗浄時間等の選択の点において改良が重ねられてきている(例えば、非特許文献1)。
かかる観点からこれらの問題を解決する方法として、いわゆるマイクロバブルの優れた洗浄性に関心が集められている(例えば、特許文献1、2、3 非特許文献2)。しかしながら近年のさらなる微細な加工技術の必要性、工程の複雑化、高清浄化、低コスト化に伴う要求を満たすにはいまだ十分ではない。
そこで、マイクロバブルを用いたより優れた洗浄力を示す技術の開発が望まれている。
特願2007−277936号 特開2006−206896号 特開2004−283683号 服部毅編著「新版シリコンウエハ表面のクリーン化技術」リアライズ社(2000) 「マイクロバブル・ナノバブルの最新技術」監修、柘植秀樹 株式会社シーエムシー出版 2007年 57−61頁。
本発明は、電子材料、シリコンウエハの洗浄方法、保管方法全般に適用可能な全く新規な方法を提供する。
マイクロバブルはアルカリ性溶液中で大きいマイナスのゼータ電位を有する性質があるため、アルカリ溶液中では個々の気泡同士が反発しあい、合一しにくくなるため微細な気泡の状態を安定に保つことができる。一方、マイクロバブルは酸性溶液中でゼータ電位がほぼ中性となるので、酸性溶液中では個々の気泡同士が反発しにくく、合一しやすくなるため微細な気泡の状態、すなわちマイクロバブルを安定に保つことができなくなる。(たとえば、非特許文献2)このような理由により、酸性溶液ではマイクロバブルが発生しにくく、液中で微小なまま存在させることが難しいため、酸性溶液でのマイクロバブルの研究、応用についての例はない。このため、酸性溶液にマイクロバブルを添加して洗浄能力を向上させた例は見られない。しかしながら、世の中には酸性の洗浄溶液は多く利用されており、マイクロバブルが発生しやすく、マイクロバブルによる洗浄能力を高めることができる酸性溶液の開発が望まれている。
本発明者らは、前記要望に満たす、マイクロバブルを用いる新たな洗浄方法を鋭意研究開発した結果、意外なことに、酸性条件下でもマイクロバブルが発生しやすく、極めて優れた洗浄効果を奏する現象、特に特定のヒドロキシ酸を溶解して酸性条件とした溶液中でマイクロバブルが発生しやすく、極めて優れた洗浄効果を奏することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明に係る電子材料の洗浄方法は、ヒドロキシ酸を含む溶液中で、マイクロバブルの存在下で洗浄することを特徴とする。
また本発明に係る電子材料の洗浄方法は、前記ヒドロキシ酸が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸のいずれか、又はそれらの混合物であることを特徴とする。
さらに本発明には、マイクロバブルの存在下で、ヒドロキシ酸を含む溶液中に保持することを特徴とする、シリコンウエハの保管方法を含む。
本発明の洗浄方法により、シリコンウエハ表面のパーティクル成分、油分汚染、金属汚染等を効率的に洗浄除去し、再汚染を防止することが可能となる。特に本発明の洗浄方法は、単結晶シリコンインゴッドからスライス処理して得られるシリコンウエハの洗浄に効果的である。さらに本発明の保管方法は、マイクロバブルの存在下で、ヒドロキシ酸を含む溶液中に保持することを特徴とする。
以下本発明に係る洗浄方法、及び保管方法を、実施をするための最良の形態に基づいて説明する。
電子材料
本発明の洗浄方法で洗浄可能な電子材料は、材料、形状等において特に制限はない。従来の半導体製造で使用される種々の材料が含まれる。具体的にはSi、Ge,As、又はそれらの複合材料が挙げられる。本発明の方法は特にシリコンウエハの洗浄に好ましく使用できる。
また本発明においては電子材料の形状としても従来公知の種々の形状であって種々の製造工程中で形成される形状が含まれる。本発明においては特にウエハの形状が好ましく使用可能である。ウエハのサイズについても特に制限はない。通常公知のサイズのウエハに好ましく使用可能である。
本発明は、特にシリコンインゴッドのスライス処理で得られるシリコンウエハの洗浄工程に好ましく使用可能である。
洗浄液
本発明の洗浄液は、種々のガスによるマイクロバブルを含むヒドロキシ酸水溶液である。ここで使用される溶媒としての水は、対象となる洗浄工程に対して十分な清浄度を有するものであれば良く、特に限定するものではない。
ヒドロキシ酸とは、カルボキシル基(−COOH基)とアルコール性水酸基(−OH基)を同時に有することを特徴とする有機酸である。カルボキシル基はカルボン酸の基本構造であり、ヒドロキシ酸が酸性を示すのはカルボキシル基を有するからである。マイクロバブルは酸性溶液中でゼータ電位がほぼ中性となるので、酸性溶液中では個々の気泡同士が反発しにくく、合一しやすくなるため微細な気泡の状態、すなわちマイクロバブルを安定に保つことができなくなるという、理論的に説明できる常識がある。それにもかかわらず、本発明者の研究により、ヒドロキシ酸溶液ではマイクロバブルが発生しやすく、洗浄能力も向上する現象が明らかとなった。ヒドロキシ酸が、酸としての性質のみならず、アルコール性水酸基を合わせ持つという特異な構造を有するためであると考えられる。詳細なメカニズムは不明であるが、アルコール性水酸基を有することがマイクロバブルを安定に存在させるのに有効であると考えられる。
代表的なヒドロキシ酸には、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、サリチル酸、クレオソート酸、バニリン酸、シリング酸、ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸、没食子酸、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸などがあり、使用可能である。またこれらの混合物も好ましく使用可能である。
比較的安価で入手しやすいヒドロキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸があり、好ましく使用可能である。
さらに、毒性もなく安価で入手しやすいヒドロキシ酸であるクエン酸が特に好ましい。
本発明で使用可能なヒドロキシ酸とは、以下説明する所定の温度で超純水中に以下説明する所定の濃度で溶解するものであればよい。また分子量についても特に限定されるものではない。さらに本発明で使用可能なヒドロキシ酸水溶液のpHはヒドロキシ酸の種類によって異なり限定されるものではないが、たとえばクエン酸の場合、1.5〜3.0の範囲であるものが好ましく、さらに好ましくはpHが1.75〜2.5の範囲である。
これらのヒドロキシ酸は、通常公知の市販品をそのまま、若しくは必要ならば精製して使用することができる。精製は通常公知の再結晶方法が好ましく使用可能である。
ヒドロキシ酸の濃度についても特に制限はなく、洗浄液の温度条件、マイクロバブルの種類と濃度、界面活性剤等の添加剤の種類と量に応じて適宜最適化することができる。具体的には、ヒドロキシ酸の濃度はその種類によって異なるが、たとえばクエン酸の場合、0.1〜3wt%の範囲で使用可能であり、好ましくは0.25〜2wt%の範囲である。この範囲よりも低濃度では十分な酸性pHが得られず、マイクロバブルの発生量も十分でなく、洗浄効果が低下する。またこの範囲より高濃度では、マイクロバブルによる洗浄効果がそれ以上は改善されない。
マイクロバブル
マイクロバブルとは一般的に、直径がマイクロメータのオーダーである微細な泡を意味し、公知である(例えば上山智嗣、宮本誠著、「マイクロバブルの世界」、工業調査会出版(2006)参照)。特に直径のサイズで10〜数百μmの範囲である。特に、直径60μm以下の気泡は液中での浮上速度が遅く長時間存在するが、徐々に収縮し液中に溶解してしまうものもある。また、本発明は泡のサイズの分布の程度には特に限定されない。ほぼ単一の分布を有する微細な泡、種々のサイズの複数の分布を有する微細な泡をも含む。また処理工程の間に泡のサイズが変動する場合も含む。
本発明の洗浄方法において使用するマイクロバブルの調製方法については特に制限はなく、公知のマイクロバブル発生方法、又は発生装置を用いて所定のガスを導入し、洗浄液中にマイクロバブルを発生させることができる。公知のマイクロバブル発生方法は、文献に記載された各種方法を適用することができる(たとえば、上山智嗣、宮本誠著、「マイクロバブルの世界」工業調査会(2006))。また公知のマイクロバブル発生装置については高速せん断流式マイクロバブル発生装置が挙げられる。
本発明の洗浄方法において使用するマイクロバブルの発生条件及び発生するマイクロバブルの量についても特に制限は無い。使用する洗浄装置の容積、形状、電子材料の量や数、設置方法、ヒドロキシ酸の種類と濃度、洗浄液温度、洗浄時間、洗浄液の他の添加剤、以下説明する同時に使用する超音波照射条件に基づいて適宜好ましい範囲のマイクロバブル発生量を選択することができる。
また本発明のマイクロバブルのガスの種類については、特に限定されないが具体的には、空気、ヘリウム、窒素、酸素、アルゴン、水素が挙げられる。またこれらの混合ガスも使用可能である。本発明においては特に空気が好ましく使用可能である。
またマイクロバブルを発生させる位置についても特に制限はなく、マイクロバブルのノズル部を洗浄容器のいかなる位置にも設けることができる。使用する洗浄装置の容積、形状、電子材料のサイズや量や数、設置方法、洗浄液温度、洗浄時間、洗浄液の他の添加剤、以下説明する同時に使用する超音波照射条件に基づいて適宜好ましい位置を選択することができる。具体的に洗浄容器の底部、側面部、上部、またはそれらの複数の部分が挙げられる。
また、洗浄容器とは別の容器内でマイクロバブルを発生させてから送水ポンプを使って洗浄容器に導入する方法も可能である。また、洗浄容器とマイクロバブル水製造用容器を循環配管でつなぎ、送水ポンプで循環し続ける方法も可能である。また、送水配管途中にマイクロバブル発生装置を設置し、マイクロバブル水を洗浄容器に導入する方法も可能である。
超音波照射
本発明の超音波振動を付与するための超音波照射方法及び装置については特に制限はなく、公知の超音波照射方法、又は超音波照射装置を用いて洗浄液中に超音波を照射することができる。
本発明の洗浄方法において使用する超音波の発生条件、例えば、周波数や発生するパワーについても特に制限は無い。使用する洗浄装置の容積、形状、シリコンウエハの枚数、対象とする洗浄工程、設置方法、洗浄液温度、洗浄時間、洗浄液の他の添加剤に基づいて適宜好ましい範囲に選択することができる。
使用する超音波の周波数は、使用する洗浄工程、除去対象のパーティクルサイズなどにより適宜好ましい範囲のものを選択すればよい。具体的には超音波周波数は20〜2000kHzの範囲であることが好ましい。かかる範囲よりも周波数が低い場合はいわゆる超音波の領域を外れてしまいその効果が低下する恐れがある。またかかる範囲よりも高い場合は十分な洗浄効果が得られない。なお上記周波数範囲であっても超音波周波数が低い場合は、超音波照射により洗浄対象物に傷が発生する恐れがある。超音波照射による傷発生が問題となる工程、たとえば研磨処理以降のシリコンウエハの洗浄工程では、700kHz以上の周波数であることが好ましい。出力は、100〜1000Wのものが挙げられるが特に制限されるものではなく、設置する振動素子の数量も洗浄装置の大きさやデザインごと、洗浄処理の目的ごとに選択されれば良い。
また超音波を照射する位置についても特に制限はなく、超音波の発生方向を洗浄容器のいかなる位置にも設けることができる。使用する洗浄装置の容積、形状、シリコンウエハのサイズ、枚数、設置方法、洗浄液温度、洗浄時間、洗浄液の他の添加剤に基づいて適宜好ましい位置を選択することができる。具体的に洗浄容器の底部、側面部、上部、またはそれらの複数の部分から照射する方法が挙げられる。
加温
本発明の洗浄方法はその洗浄液の温度については特に制限はないが、室温での実施の他に、加温することにより洗浄能力を高めることも可能である。加温することができる温度範囲はヒドロキシ酸の種類により異なるので特に限定することはないが、たとえばクエン酸の場合、加温装置により60〜100℃の範囲の温度で使用すると洗浄能力を高めることができる。加温装置は、洗浄液の中に設ける方法と、洗浄装置の外に設ける方法を使用可能である。加温装置は当該分野で通常使用されている装置をそのまま使用することが可能である。具体的には投げ込み式の石英被覆電熱線や循環ライン途中でハロゲンランプなどで加熱するいわゆるインラインヒーターなどが挙げられる。
界面活性剤
本発明の洗浄方法で使用する洗浄液はさらに界面活性剤を含むことができる。界面活性剤の種類、添加量については特に制限は無く、当該分野において通常公知の界面活性剤を、電子材料の量や数、設置方法、洗浄液温度、洗浄時間、マイクロバブルのガス種や量、ヒドロキシ酸の種類と濃度、超音波照射等に基づいて適宜選択することができる。具体的には半導体洗浄の分野でよく使用されるアニオン系やノニオン系の界面活性剤が挙げられる。
洗浄方法
洗浄方法については、洗浄槽に洗浄対象のシリコンウエハを浸漬する方法だけでなく、マイクロバブルを含む処理液をスプレーやシャワーにより吹き付けて枚葉処理する方法も可能である。
電子材料の保管
本発明の保管方法は、上で説明したクエン酸などのヒドロキシ酸水溶液中に、電子材料を漬けることで、汚れの固着や再汚染を防止する方法である。たとえば、シリコンウエハの製造工程では、ラップ後やポリッシュ後にウエハ表面に残った研磨剤は、ウエハ表面が乾燥してしまうと固着して除去が困難になるので、それを防ぐために水中保管して表面が濡れた状態を保つが、その液にクエン酸などのヒドロキシ酸を添加するとさらに固着しにくくなり、その後の洗浄工程での洗浄効果を高めることができる。さらにこのクエン酸などのヒドロキシ酸水溶液にマイクロバブルを導入することによって、さらに汚れが固着しにくくなり、その後の洗浄工程での洗浄効果を高めることができる。
また、ポリッシュ後のウエハに関しては、ウエハ表面に残留しやすいAlやCuなどの金属汚染物が除去しにくく問題となることがあるが、本発明の保管方法によれば、これらの汚染物の固着も抑制され、その後の洗浄工程での洗浄効果を高めることができる。
保管液の濃度についても特に制限はなく、適用する工程、汚染の種類、除去の目的によって、適宜選択できる。たとえば、クエン酸水溶液の場合、比較的汚れの激しいラップ後のウエハの保管液には0.1〜2wt%の比較的高濃度の保管液を使用することが好ましいし、ポリッシュ後で主に金属汚染物の固着防止の目的で使用する保管液には0.0001〜0.01wt%の比較的低濃度の保管液を使用することが好ましい。
保管液の温度については、通常は20℃前後の室温で使用するが、加温しても良い。
保管のための容器については特に制限はなく、十分な容積があり、保管する電子材料が十分浸かり、かつマイクロバブルが電子材料の表面に存在する構成であればよい。保管中は、マイクロバブルを導入し続けることが好ましいが、中断することも可能である。
以下本発明の洗浄方法を、具体的な実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明がこれらの例に限定されるものではない。
次の条件で洗浄試験を行い評価した。
試料: CZ法により引き上げた単結晶シリコンインゴッドを円筒研削して直径200mmにしたものをマルチワイヤーソーを用いてスライスして、直径200mm、厚さ800μmのシリコンウエハを得た。本実施例においては、ここで得られたシリコンウエハをそのまま使用した。このシリコンウエハの表面には不純物として、シリコンの切り屑(粉)、グリコール、研磨剤(SiC粉末)の混合物がスラリー状で付着していた。
洗浄液: クエン酸水溶液。
洗浄装置: 5Lの石英製洗浄槽内に、洗浄液を4L導入した。
マイクロバブル: マイクロバブル発生装置(ナノプラネット研究所製M2−MS/PTFE型)のノズル部を洗浄槽の底の位置に1個設け、1L/minのマイクロバブルを連続して発生させ導入した。バブル用気体には空気を用いた。5分間マイクロバブルを導入した後、マイクロバブルの発生を停止し、シリコンウエハを縦方向に洗浄槽に導入した。シリコンウエハを導入している間はマイクロバブルを新たに発生させていないので、水流により洗浄能力が高められていることはない。シリコンウエハを導入している間にもマイクロバブルを発生し続けることは洗浄能力向上のために有効であると考えられるが、水流による洗浄能力向上の効果との切り分けができなくなるので、本実施例では敢えてシリコンウエハ導入中はマイクロバブルの発生を停止した。
加熱装置: 洗浄槽の底に投げ込み式の石英被覆電熱線を設置し、温度制御装置により洗浄液の温度を所定の温度に保持した。
評価: 所定の条件の洗浄液で所定の時間シリコンウエハを洗浄した後、試料シリコンウエハを取り出し、リンス後自然乾燥した後、表面の清浄度を目視で評価した。
(実施例1)クエン酸/マイクロバブルあり
0.25wt%、0.5wt%、1wt%、1.5wt%、2wt%の各濃度のクエン酸水溶液を調製した。液温は80℃とした。シリコンウエハ導入前に液中で5分間マイクロバブルを発生させ、発生を停止させてからシリコンウエハを導入した。
洗浄時間は10秒、20秒、30秒・・・と、10秒ずつ延長していき、各濃度の洗浄液で洗浄後のウエハの表面汚れが目視で完全に除去されているのが確認できるまでの時間を調べた。
(比較例1)クエン酸/マイクロバブルなし
シリコンウエハ導入前にマイクロバブルを発生させないこと以外は、実施例1と同様にして洗浄試験を行い、洗浄後のウエハの表面汚れが目視で完全に除去されているのが確認できるまでの時間を調べた。
実施例1と比較例1の結果を図1に示した。図1からわかるように、どのクエン酸濃度においても、マイクロバブルありの実施例1の方がマイクロバブルなしの比較例よりも、汚れが完全に除去されるまでにかかる時間が大幅に短縮されており、マイクロバブルの導入により洗浄能力が格段に向上したことがわかる。
(実施例2)クエン酸/マイクロバブル/超音波
1wt%のクエン酸水溶液を調製した。液温は80℃とした。シリコンウエハ導入前に液中で5分間マイクロバブルを発生させ、発生を停止させてからシリコンウエハを導入した。
洗浄時間は10秒、20秒、30秒・・・と、10秒ずつ延長していき、各濃度の洗浄液で洗浄後のウエハの表面汚れが目視で完全に除去されているのが確認できるまでの時間を調べた。以下の条件で超音波を照射するかしないかを選択する以外は実施例1、比較例1と同様にして行った。
比較例2−1:1wt%クエン酸/超音波なし/マイクロバブルなし
実施例2−1:1wt%クエン酸/超音波なし/マイクロバブルあり
比較例2−2:1wt%クエン酸/超音波あり/マイクロバブルなし
実施例2−2:1wt%クエン酸/超音波あり/マイクロバブルあり
結果を表1に示した。比較例2−1と比較例2−2との比較により、超音波を照射することによって洗浄能力が向上したことがわかるが、さらに実施例2−2との比較で、超音波照射に加えてマイクロバブルを添加することにより、いっそう洗浄能力が向上することがわかった。
Figure 2009289941
(実施例3〜6)他の酸/マイクロバブル
クエン酸の代わりに、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸を使用したほかは、実施例1及び比較例1と同様の方法で洗浄試験及び評価を実施した。
Figure 2009289941
結果を表2に示した。グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸のいずれのヒドロキシ酸水溶液においても、マイクロバブルを導入することにより洗浄能力が格段に向上していることがわかった。
(実施例7) 保管実験
実験手順
(1)ラッピング処理(表面に残渣付着)
試料:ラッピング処理したままの直径200mmシリコンウエハを用いた。ラッピング処理直後のウエハの表面には、ラップオイルの成分である防錆剤(シュレックECO#500)、分散剤(シュレック#600A−90)、研磨剤(フジミFO#1200MR)、及びシリコンの削りかすが残渣として付着している。
(2)液中保管
ラッピング処理直後のシリコンウエハの表面を乾燥させることなくすばやく保管液槽に導入する。洗浄工程への導入までの保管時間は30分、液温は20℃とした。
保管液:
比較例7−1:超純水/マイクロバブルなし
比較例7−2:1wt%クエン酸水溶液/マイクロバブルなし
実施例7:1wt%クエン酸水溶液/マイクロバブルあり
(3)洗浄
洗浄薬液:カストロールNo.200(0.1〜1wt%の水酸化カリウム+界面活性剤(2〜5wt%−ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル))を20倍に希釈して使用した。
洗浄方法:洗浄槽内に薬液を50L入れ、液温20℃にて、25kHz、50Wの超音波を照射した。洗浄時間10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒にて行い、その後連続して、超純水リンス槽へ移動する。
(4)リンス
超純水中で30秒間オーバーフローリンス。
(5)自然乾燥
(6)目視評価
各サンプルを目視にて観察し、ウエハ表面の残渣が完全に除去されるまでの時間を調べた。
結果
図2からわかるように、保管液が超純水の場合よりもクエン酸水溶液の場合の方が短時間でウエハ表面の残渣を除去できるが、クエン酸水溶液にマイクロバブルを加えた方がさらに洗浄時間を短縮できる、すなわち、保管液にマイクロバブルを導入することによってウエハ表面の汚染の固着をより抑制できることがわかった。
本発明に係る電子材料の洗浄方法は、これまで行われてきた電子材料、特にシリコンウエハの洗浄方法、保管方法全般に適用することが可能である。
図1は、実施例1及び比較例1の結果を示すグラフである。 図2は、保管液の種類と、汚れが完全に除去されるまでにかかる時間の関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. ヒドロキシ酸を含む溶液中で、マイクロバブルの存在下で洗浄することを特徴とする、電子材料の洗浄方法。
  2. 前記ヒドロキシ酸が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸のいずれか、又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の電子材料の洗浄方法。
  3. ヒドロキシ酸を含む溶液中で、マイクロバブルの存在下で保持することを特徴とする、シリコンウエハの保管方法。
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