JP2009280500A - リン酸カルシウム結合性リポソーム - Google Patents

リン酸カルシウム結合性リポソーム Download PDF

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治 鈴木
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Abstract

【課題】骨をはじめとしたリン酸カルシウムを豊富に含む生体部位に、その部位の疾患の予防薬や治療薬などの生理活性成分を、従来のリポソームよりもより選択的にデリバリーすることができる手段を提供すること、および生体内で酵素などにより容易に分解されてしまう生理活性成分をその分解から守り、有効量を標的部位に選択的にデリバリーすることができる手段を提供すること。
【解決手段】脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体および脂質を構成成分とするリポソームであって、少なくとも一部の前記脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体の、両末端のうち、リポソームの内相および表面からより離れた末端に、リン酸カルシウム結合部位を有する化合物が結合していることを特徴とするリン酸カルシウム結合性リポソーム。
【選択図】なし

Description

本発明は、リン酸カルシウム結合性リポソームに関する。より詳しくは本発明は、骨などのリン酸カルシウムに富んだ部位に選択的に結合するリポソームに関する。
ある種の癌(たとえば肺癌、乳癌)細胞は高頻度に骨転移を起こすことが知られており、癌の骨転移は重度の疾病負荷と苦痛を引き起こすため、患者のQOLを著しく低下させる。
また、社会の高齢化に伴い骨粗鬆症、関節リウマチなどの骨疾患に罹患した患者数は増加の一途をたどっており、これらの疾患を有効に予防、治療することができる医薬品が求められている。
ここで、抗がん剤は重篤な副作用を起こすことが知られており、またその他のあらゆる化合物も副作用を起こすことがあり、副作用を低減するため、薬物を標的部位に選択的に送達(デリバリー)する手段(ドラッグターゲティング)が広く研究されている。
また、薬物の中には生体内で酵素などにより容易に分解されてしまい、標的となる細胞などに有効量が到達できないものもある。そのため、生体内で容易に分解される薬物を酵素分解から保護する手段も広く研究されている。
その手段の一つとして、リポソームが挙げられる。リポソームは脂質分子の自己組織化により形成される微小球体であり、遺伝子のデリバリーなど様々な薬剤の生体へのデリバリーに利用されている。抗がん剤をリポソーム内に封入したもので既に市販されているものもある(非特許文献1参照)。
骨疾患の治療などを目的としたリポソームとして特許文献1に開示されたリポソームが挙げられる。このリポソームは骨に親和性を有するシリル基を有するリン脂質を含有するとされているが、シリル基では骨への親和性が低く、またこの文献では前記リポソームの骨への選択性について何ら評価がなされていない。
さらに、特許文献2には、脂肪酸にビスホスホン酸を結合させた化合物をリポソームと組み合わせるか、もしくはそれの成分とし、活性成分運搬の補助として用いる方法が開示されている。しかしながら、この文献では上記の脂肪酸にビスホスホン酸を結合させた化合物を製造するにとどまり、それを実際にリポソームの成分とした場合の効果については何ら検討がなされていない。
また、非特許文献2には、脂質と、脂質に結合したポリエチレングリコールと、コレステリル−トリスオキシエチレン−ビスホスホン酸(下記式で示される)とを原料としてリポソームを製造し、そのリポソームの、骨の構成成分であるヒドロキシアパタイトへの結合能力を測定したことが記載されている。
Figure 2009280500
しかしながら、その測定結果をみると、ヒドロキシアパタイトの濃度が200mg/mlであってもリポソームの結合率が80%に満たず、リポソームの結合能力は不十分である。
特開2004−203862号公報 特表2007−518746号公報 Advanced Drug Delivery Reviews, 1998, Vol 32, No. 99 V. Hengst et al. / International Jounal of Pharmaceutics 331 (2007) 224-227
本発明は、骨をはじめとしたリン酸カルシウムを豊富に含む生体部位に、その部位の疾患の予防薬や治療薬などの生理活性成分を、上記の文献に開示されたリポソームよりもより選択的にデリバリーすることができる手段を提供することを目的とする。
また本発明は、生体内で酵素などにより容易に分解されてしまう生理活性成分をその分解から守り、有効量を標的部位に選択的にデリバリーすることができる手段を提供することをも目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体とリン酸カルシウム結合部位を有する化合物とを接触させることによって得られる化合物を原料として調製することなどにより得られるリポソーム、すなわち前記リン酸カルシウム結合部位を有する化合物が、前記脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体の両末端のうち、リポソームの内相および表面からより離れた末端に結合しているリポソームが、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるにいたった。
すなわち本発明の要旨は、以下のとおりである。
脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体および脂質を構成成分とするリポソームであって、少なくとも一部の前記脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体の、両末端のうち、リポソームの内相および表面からより離れた末端に、リン酸カルシウム結合部位を有する化合物が結合していることを特徴とするリン酸カルシウム結合性リポソーム。
前記リン酸カルシウム結合部位を有する化合物は、ビスホスホネート系化合物、テトラサイクリン、4−カルボキシ−3−ヒドロキシ−1,2−ピラゾール、ポリマロン酸および(L-アスパラギン酸)6ペプチドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であ
ることが好ましい。
前記リン酸カルシウム結合性リポソームは、その表面、疎水部または内部の水相のいずれか1つ以上において、生理活性成分を保持することができる。
前記生理活性成分として、骨疾患の予防薬、治療薬、診断薬および骨再生剤などが挙げられる。
本発明のリン酸カルシウム結合性リポソームはたとえば、リン酸カルシウム結合部位を有する化合物と、脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体とを接触させて得られた化合物と、脂質とを混合する工程を含むリポソームの調製方法により製造することができる。
前記リン酸カルシウム結合部位を有する化合物は、ビスホスホネート系化合物、テトラサイクリン、4−カルボキシ−3−ヒドロキシ−1,2−ピラゾール、ポリマロン酸および(L-アスパラギン酸)6ペプチドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であ
ることが好ましい。
このようにして得られたリン酸カルシウム結合性リポソームには、生理活性成分を保持させることができる。
生理活性成分を保持させた本発明のリン酸カルシウム結合性リポソームは、適当な剤形を付与することにより医薬とすることができる。
本発明によれば、骨をはじめとしたリン酸カルシウムを豊富に含む生体部位に、その部位の疾患の予防薬や治療薬などの生理活性成分を特に選択的にデリバリーすることができる手段、および生体内で酵素などにより容易に分解されてしまう生理活性成分をその分解から守り、有効量を標的部位に選択的にデリバリーすることができる手段が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
[リン酸カルシウム結合性リポソーム]
本発明のリン酸カルシウム結合性リポソームは、脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体および脂質を構成成分とし、少なくとも一部の前記脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体の、両末端のうち、リポソームの内相および表面からより離れた末端に、リン酸カルシウム結合部位を有する化合物が結合していることを特徴としている。以下、本発明のリン酸カルシウム結合性リポソームの製造方法を説明することにより、これら各構成要素について説明する。
<リン酸カルシウム結合性リポソームの製造方法>
本発明のリン酸カルシウム結合性リポソーム(以下単に本発明のリポソームとも言う)は、通常のリポソームの調製方法に準じて製造することができ、その製造に用いる原料に特徴がある。
すなわち、本発明のリン酸カルシウム結合性リポソームの製造方法は、リン酸カルシウム結合部位を有する化合物と、脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体とを接触させて得られた化合物(以下単に化合物Aとも言う)を原料として用いることを特徴として
いる。
(リン酸カルシウム結合部位を有する化合物)
前記リン酸カルシウム結合部位を有する化合物として具体的には、ビスホスホネート系化合物、テトラサイクリン、4−カルボキシ−3−ヒドロキシ−1,2−ピラゾール、ポリマロン酸および(L-アスパラギン酸)6ペプチドが挙げられる。これらの化合物がリン
酸カルシウムに対して親和性を有することは、たとえばD. Wang et al. / advanced Drug
Delivery Reviews 57 (2005) 1049-1076に記載されている。
本明細書においてビスホスホネート系化合物とは、一つの炭素に二つのリン酸基が結合した化合物を指す。ビスホスホネート系化合物としては、エチドロネート、アレンドロネート、クロドロネート、EB-1053、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネー
ト、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、ゾレドロネートなどが挙げられ、前記脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体との反応性の観点から、アレンドロネート、ネリドロネート、パミドロネートが好ましい。
本明細書においてポリマロン酸とは、広くマロン酸構造(下記式で表される)を分子中に複数有する化合物を指し、分子中にマロン酸以外の構造が存在してもよい。
Figure 2009280500
本発明においては、リン酸カルシウムへの結合能力が高いことから、ビスホスホネート系化合物が前記リン酸カルシウム結合部位を有する化合物として好ましい。
(脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体)
前記脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体において、脂質に特に制限はなく、たとえば脂肪酸、中性脂質、リン脂質、コレステロールが本発明において使用可能である。
前記脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体において、ポリエチレングリコール誘導体は、ポリエチレングリコールの両末端に、脂質と反応することができる構造と、リン酸カルシウム結合部位を有する化合物と反応することができる構造とを有する化合物である。
脂質と反応することができる構造としては、たとえばヒドロキシル基およびアミノ基、チオール基などの求核性基を有する有機基、カルボニル基、マレイミド基、ビニルスルホン基などの求電子性基を有する有機基が挙げられる。リン酸カルシウム結合部位を有する化合物と反応することができる構造としては、たとえばヒドロキシル基およびアミノ基、チオール基などの求核性基を有する有機基、カルボニル基、マレイミド基、ビニルスルホン基などの求電子性基を有する有機基が挙げられる。有機基は、置換されていてもよく、エステル結合、エーテル結合やアミド結合などを有していてもよい炭化水素基である。
ポリエチレングリコール誘導体の分子量は本発明の効果を奏する限り特に限定されない
が、通常500〜50000、好ましくは1000〜10000、より好ましくは1000〜5000である。
前記脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体は、脂質とポリエチレングリコール誘導体を公知の方法により反応させることで得ることができ、また市販されている。
(化合物A)
化合物Aは、前述のようにリン酸カルシウム結合部位を有する化合物と、脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体とを接触させて得られる。この際の反応条件に特に制限はなく、反応は室温で実施することができる。緩衝液などの溶媒を使用することが好ましい。化合物Aをリポソーム調製の原料として用いることで、得られるリポソームにおいては、少なくとも一部の化合物Aの、両末端のうち、リポソームの内相および表面から離れた位置にリン酸カルシウム結合部位が存在する。このことによって、後述の実施例で述べるが、生理活性成分をリポソームに保持させた場合の、生理活性成分の内包率が高まる。
(脂質)
本発明のリポソームは、上記化合物Aおよび脂質をその構成成分としている。前記脂質に特に制限はなく、脂肪酸、中性脂質、リン脂質、コレステロールなどの様々な脂質が使用可能である。
前記脂肪酸は、広くRCOOHで表される化合物を意味する。前記Rは特に限定されないが、通常、置換されていてもよく、芳香環を有してもよく、エーテル結合を有してもよい炭素数5〜30の炭化水素基である。
前記中性脂質はモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロールおよびトリアシルグリセロールを指し、本発明の効果が奏される限りアシル基の構造に特に制限はない。
前記リン脂質は分子中にリン原子を有する脂質であり、たとえばグリセロリン脂質やスフィンゴリン脂質が挙げられる。
前記コレステロールは下記式で表される化合物である。
Figure 2009280500
(本発明のリポソームの製造方法)
本発明のリポソームは、通常のリポソームの調製方法に準じて製造することができる。より詳細に説明すると、本発明のリポソームは、前記化合物Aと、脂質とを混合し、得られた原料および水相を使用して、薄膜法、逆相蒸発法、エタノール注入法、エーテル注入法、脱水―再水和法、超音波照射法、エクストルージョン法、フレンチプレス法、ホモジナイゼーション法などによりリポソームを調製することで、製造することができる。
化合物Aと脂質とにより形成されるリポソームにおいて、化合物Aの、リン酸カルシウム結合部位を有する化合物が結合している末端がリポソームの内側を向くか外側を向くか
は確率の問題であり、制御することは一般に困難であるが、上記のような通常のリポソームの調製方法に準じた製造方法によれば、前記末端が本発明の効果を奏するに十分な数だけリポソームの外側を向いたリポソームが得られる。
なお、あらかじめ脂質のみでリポソームを調製しておき、そこに化合物Aを加えて化合物Aをリポソームに取り込ませることで、前記末端がより多くリポソームの外側を向いたリポソームを得ることができると考えられる。
また、これらの2成分の使用割合は、2成分の合計(100モル%)に対して、前記化合物Aが通常0.1〜30モル%、好ましくは0.5〜20モル%となる割合である。
このようにして得られる本発明のリポソームは、その光散乱法により測定した平均粒子径が通常20〜1000nm、好ましくは50〜500nmである。
[リン酸カルシウム結合性リポソームの用途]
本発明のリポソームは、少なくとも一部の脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体の、両末端のうち、リポソームの内相および表面からより離れた末端にリン酸カルシウム結合部位を有する化合物が結合しているため、リン酸カルシウムに対して高い親和性を有する。そのため本発明のリポソームを生体内に投与すると、リン酸カルシウムに富んだ部位に集積する。そして、リポソームには様々な物質を保持させることができる。したがって本発明のリポソームは、リン酸カルシウムに富んだ部位に様々な化合物、たとえば生理活性成分を選択的にデリバリーすることができる。本明細書において生理活性成分とは、疾患の診断から治療までのいずれかの段階において有用な成分を指し、疾患の診断薬なども生理活性成分に含まれる。
本明細書においてリポソームとは、広く脂質二重層と、それにより包まれた水相とを有する閉鎖小胞を意味し、多重層リポソームであっても単層リポソームであってもよい。
リポソームの外側および内側表面は脂質の頭部から形成されており、この頭部は親水性である。したがってリポソームの表面には親水性の化合物を保持させることができる。
リポソームの脂質二重層の疎水部は脂質の尾部から形成されており、この尾部は疎水性である。したがってリポソームの脂質二重層の疎水部には疎水性の化合物を保持させることができる。
そしてリポソームの内部の水相(内相)には親水性の化合物を保持させることができる。
リポソームに化合物を保持させる方法は公知であり、たとえばpH勾配法、リポソームの調製の際に、使用する水相に化合物を溶解させておく方法、凍結融解法、界面活性剤除去法が挙げられる。
このようにリポソームは親水性、疎水性のいずれの化合物をも保持することができるため、非常に優れた運搬体であり、また様々な薬剤などの生理活性成分のデリバリーに利用されていることは[背景技術]で述べた通りである。しかも本発明のリポソームは、リポソームの内相および表面から離れた位置にリン酸カルシウム結合部位が存在するため、非常にリン酸カルシウムに対して親和性が高いだけでなく、特許文献2や非特許文献2に開示されたリポソームよりも生理活性成分の内包率が高い。さらに、本発明のリポソームはポリエチレングリコール構造を有する化合物Aをその構成成分としているため、本発明のリポソームはいわゆるステルスリポソームとしての特性も有している。それゆえ、本発明のリポソームに生理活性成分を保持させれば、生理活性成分が生体内酵素などにより容易に分解されてしまうのを防ぐこともできる。
リン酸カルシウムに富んだ部位の例として、骨や歯が挙げられる。したがって、本発明のリポソームはこれらの部位に生理活性成分などの化合物を選択的にデリバリーするのに好適である。選択的なデリバリーが可能であることにより、化合物の用量の低減、作用の増大、副作用の低減などが期待できる。
<骨を対象とした本発明のリポソームの用途>
[背景技術]でも述べたように、ある種の癌(たとえば肺癌、乳癌)細胞の骨転移や、社会の高齢化に伴い増加の一途をたどる骨粗鬆症、関節リウマチなどの骨疾患などが問題となっており、これらの疾患を有効に予防、治療することができる医薬品が求められている。
骨転移の予防、治療薬としてはアドリアマイシン、シスプラチン、核酸(DNA, RNAやその類似体)などが挙げられ、これらはすべて本発明のリポソームに保持させることができる。
骨粗鬆症の予防、治療薬としてはイプリフラボン、エストラジオールなどが挙げられ、これらはすべて本発明のリポソームに保持させることができる。
一方、本発明のリポソームを関節リウマチ治療に用いる場合には、該リポソームに関節リウマチの治療薬を保持させる。関節リウマチの治療薬としてはDMARDs(Disease Modifying Antirheumatic Drugs)、ステロイド、インフリキシマブなどの分子標的治療
薬などが挙げられる。インフリキシマブのような抗体医薬は、リポソーム表面に保持させて使用することが可能である。
また、本発明のリポソームには、MRI造影剤や放射性医薬などの診断薬を保持させるこ
ともできる。
更に本発明のリポソームは、骨再生医療にも適用することができる。すなわち、本発明のリポソームに成長因子などの骨再生医療に用いられる物質(骨再生剤)を保持させ、これを骨欠損部にインプラントすることにより、骨芽細胞などへ前記物質が局所的に送達される。したがって、従来よりも迅速で安全な骨再生医療が可能になる。
<金属を対象とした本発明のリポソームの用途>
リン酸系化合物は、金属にも高い親和性を示すことが知られている(S. Pallu et al. / Biomaterials 26 (2005) 6932およびI. Fishbein et al. / Proc Natl Acad Sci USA 103 (2006) 159参照)。したがってリン酸カルシウム結合部位を有する化合物がビスホス
ホネート系化合物である場合の本発明のリポソームは、チタンプレートの移植やあるいはステント治療を受けた患者の、チタンやステントにも選択的に生理活性成分などを送達することができる。
ステント治療において再狭窄率をいかに防ぐかが課題となっているが、現在主流であるステントは薬剤を含有した非生体吸収性ポリマーをステンレス、コバルト合金、ニッケル・チタン合金にコーティングしたもので、毒性が出るなどの報告がいくつかなされている。そこで、本発明のリポソームに再狭窄防止作用のあるsiRNAや遺伝子、低分子薬剤を複
合化して、ステント表面に吸着させ、このステントを冠動脈へ留置することで、ステント近傍局所での薬物徐放が達成される。リポソーム構成脂質は生体適合性が高いため、これまでにない安全な薬剤溶出ステントとなると期待できる。
以上、骨および金属を対象とした本発明のリポソームの用途を説明したが、本発明のリポソームはリン酸カルシウムおよび金属(リン酸カルシウム結合部位を有する化合物がビスホスホネート系化合物である場合)に高い親和性を有している。したがって本発明のリポソームは、上述の部位だけでなく、リン酸カルシウムや金属に富んだあらゆる部位に、
様々な化合物をデリバリーするのに利用することができる。
<生理活性成分を保持した本発明のリポソームの投与方法等>
(投与方法)
生理活性成分を保持した本発明のリポソーム(以下生理活性成分保持リポソームとも言う)を投与する場合の医薬としての剤形および投与方法は特に限定されず、投与方法が経口投与であれば錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤など経口用の任意の剤形を取ることができ、投与方法が非経口投与であれば注射剤(静脈注射、皮下注射、皮内注射など)などの非経口用の任意の剤形を取ることができる。
このような剤形とするための方法は特に限定されず、公知の種々の方法を採用することができる。また、剤形を付与するに当たって、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤、界面活性剤、発泡剤、色素、酸味剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、矯味剤等の製剤添加物を添加してもよいことはもちろんである。
肝初回通過効果を回避し、かつ迅速に生理活性成分などの化合物を標的部位に送達する観点からは、本発明の生理活性成分保持リポソームは静脈注射剤とすることが望ましい。
このようにして投与された本発明の生理活性成分保持リポソームはリン酸カルシウムや金属に富んだ部位、たとえば骨に集積し、リポソームからの薬剤の徐放や細胞による取り込みにより標的細胞に作用するものと考えられる。
(投与量)
本発明の生理活性成分保持リポソームを含有する医薬の投与量は、保持する生理活性成分、投与方法などにより異なり、それぞれの生理活性成分、投与方法ごとに動物実験、臨床試験を経て定めていくことが望ましい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されない。
[合成例]
カルボキシ末端を活性化したポリエチレングリコール(PEG)化リン脂質(DSPE-PEG-NHS(3-(N-succinimidyloxy-glutaryl)aminopropyl, polyethyleneglycol-carbamyl distearoyl phosphtidyl ethanolamine、日本油脂製、PEG分子量2000)30 mmolを3 mlの水に溶
かした。この溶液にアレンドロネート45 mmolを溶解した炭酸緩衝液(pH 8.5)4 mlを加
え、一晩室温で撹拌した。その後、反応液を3日間室温で透析し(分画分子量10000)、凍結乾燥することによりDSPE-PEG-BPを得た。以上の反応を下記式に示す。
Figure 2009280500
[実施例1および比較例1]リポソームの調製
DSPC(Distearoyl phosphatidyl choline)とコレステロールをモル比で2:1となるようにし、かつDSPE-PEG-BPを、自身と前記2種類の脂質との合計を100 mol%とした場合に、
自身の濃度が0(DSPE-PEG-BPを使用せず), 1, 2, 5, 10 mol%となるように混合し、真空ポンプを用いて減圧乾燥することで、5種類のリピッドフィルムを調製した。
また比較例として、DSPCとコレステロールをモル比で2:1となるようにし、かつDSPE-PEGを、自身と前記2種類の脂質との合計を100 mol%とした場合に、自身の濃度が5, 10 mol%となるように混合し、前記と同様にして2種類のリピッドフィルムを調製した。
これら7種類のリピッドフィルムに、脂質濃度(DSPC、コレステロールおよびDSPE-PEG-BPもしくはDSPE-PEGの合計濃度)が2 mMとなるように純水を加えて溶液を調製し、15
分間超音波照射バス型し、脂質を分散させた。これをボルテックスミキサーにて数分間角撹拌し、リポソーム溶液を得た。この溶液について、60℃加温下でextruderを用いて(100 nmポアフィルター)整粒した。この溶液を、総脂質濃度が200 mMになるように10 mM NaCl溶液で希釈して、動的光散乱、ゼータ電子測定システムにより平均粒子径及びゼータ電位を測定した。これらの測定はn=3で行った。
平均粒子径及びゼータ電位の測定結果を表1に示す。
Figure 2009280500
DSPE-PEG-BP0%リポソームを除く全てのリポソームにおいて平均粒子径は100-130 nmの
大きさであった。DSPE-PEG-BPを含むリポソームはその含有量が多くなるに伴いゼータ電
位が負に大きくなった。これはDSPE-PEG-BPが分子内にリン酸基を2つ有する構造を反映したものであり、リポソームへDSPE-PEG-BPが取り込まれていることを示していると考えら
れる。また、アレンドロネート部位がリポソームの外側に多く存在していることを示している。アレンドロネートを含まないDSPE-PEGを使用して得られたリポソームも、DSPE-PEG
の割合が多くなると負電荷が大きくなる傾向にあったが、同含量のDSPE-PEG-BPを含むリ
ポソームと比べると負電荷は小さかった。
[実施例2および比較例2]ハイドロキシアパタイト(HA)へのリポソームの吸着
表1に示したそれぞれのリポソームを50 mM Tris-HCl(pH 7.4)中に100 mMになるよう
に溶解して溶液とし、HAを、前記溶液における含有量が0, 1, 2, 3, 5, 10 mg/mlとなる
ように添加した。得られた液を3時間回転混和した後、3000 rpmで2分間遠心分離し、上澄みに含まれるリポソーム由来の散乱強度を光散乱計を用いて測定した。
また、以下のようなリポソームについても同様の測定を行った。下記合成スキーム(反応(1)、(2)および(3))に従って、化合物1(メチル 3,5-ヒドロキシベンゾエート)から化合物5(4-N-(3,5-ditetradecyloxybenzoyl)aminobutane-1-hydroxy-1,1-bisphosphonic Acid Disodium)を合成した。反応(3)において、化合物4と反応させたのは
アレンドロネート((4-アミノ-1-ヒドロキシブチリデン)ビスホスホン酸一ナトリウム塩)
である。
Figure 2009280500
DSPCとコレステロールをモル比で2:1となるようにし、かつ化合物5を、自身と前記2種類の脂質との合計を100mol%とした場合に、自身の濃度が0(化合物5を使用せず), 1, 2,
5, 10 mol%となるように混合し、実施例1と同様にしてリポソームを調製した。
得られたリポソームを50 mM Tris-HCl(pH 7.4)中に100 mMになるように溶解して溶液とし、ハイドロキシアパタイト(HA)を、前記溶液における含有量が0, 1, 2, 3, 5, 10mg/mlとなる量添加した。得られた液を3時間回転混和した後、3000 rpm 2分間遠心分離し
、上澄みに含まれるリポソーム由来の散乱強度を光散乱計を用いて測定した。
結果を図1(A)、(B)ならびに下記表2および3に示す。なお、それぞれのリポソ
ームにおけるHAが0 mg/mlの場合を対照(control)として用いた。なお、上記DSPC、コレステロールおよび化合物5から調製されたリポソームは図1(B)および表3においてはBPL liposomeと表記されている。
Figure 2009280500
Figure 2009280500
アレンドロネート及びPEGを含まないリポソーム(conventional liposome, BP0%)は、HAへの結合がほとんど認められなかった。同様に、DSPE-PEG5%及び10%リポソームもHAへ
の吸着はほとんど見られなかった。
それに対して、DSPE-PEG-BPを含むリポソームの場合には、HAへの結合が確かめられた
。全てのリポソームにおいてHA 3 mg/ml以上の添加量でほぼ100%のリポソームがHAに結合したと考えられる。
また、DSPE-PEG-BPリポソームとBPLリポソームとでHA吸着能を比較すると、図1(B)
に示すように、アレンドロネートが結合している脂質の含有率が少ない場合(1〜5%)に
はDSPE-PEG-BPリポソームの方がBPLリポソームよりもHAへの吸着能が高いことがわかる。
[実施例3および比較例3]HAへの吸着におけるDSPE-PEG-BPとBPLの比較
<実験>生体内へリポソームを導入する場合に血中安定性の向上と細網内皮系からの回避のためにリポソーム表面をPEG修飾した「ステルスリポソーム」が報告されている。ビ
スホスホネート修飾リポソームを生体内で用いることを想定し、リポソームをPEG化した
場合のHAへの吸着をDSPE-PEG-BPリポソームとBPLリポソームとで比較した。
<BPLリポソーム>
DSPC:コレステロール:DSPE-PEG = 10:5:1(モル比)とし、上記化合物5を、自身と上記3種類の脂質との合計を100mol%とした場合に、自身の濃度が1mol%または5mol%となるよ
うに混合して、実施例1と同様にしてリポソームを調製した。
<DSPE-PEG-BPリポソーム>
DSPC:コレステロール:DSPE-PEG:DSPE-PEG-BP = 10:5:(1-x):x(モル比)としてリ
ポソームを調製した(xは0.15(この場合全脂質中のDSPE-PEG-BP量は1mol%)または0.75 (この場合全脂質中のDSPE-PEG-BP量は5mol%))。
上記のようにして得られたBPLリポソームおよびDSPE-PEG-BPリポソームについて、上記実施例1と同様にして平均粒子径及びゼータ電位を測定し、また上記実施例2の実験と同様にして、HAへの結合を評価した。
<結果>結果を図2、下記表4および5に示す。なお、それぞれのリポソームにおけるHAが0 mg/mlの場合を対照(control)として用いた。
Figure 2009280500
Figure 2009280500
DSPE-PEG-BP、BPLリポソームともにアレンドロネートの割合が多くなるとHAへの吸着率が向上した。アレンドロネート含有率が同じDSPE-PEG-BP、BPLリポソームを比較すると、DSPE-PEG-BPリポソームの方が有意にHA吸着能が高いことがわかった。これは、表2に示したように、DSPE-PEG-BPリポソームの方がBPLリポソームよりも大きな負電荷のゼータ電位を有していることから、上記二つのリポソームは図3の模式図に示すようなリポソーム構
造を取っているためではないかと推察される。
すなわち、BPLリポソームではHA結合部位であるBP部分がPEG鎖の立体障害により遮蔽され、HA結合能が低下したものと考えられる。それに対して、DSPE-PEG-BPリポソームでは
アレンドロネート部分がPEG鎖の先端にあるためHA結合能が保持されていると考えられる
なお、これらのデータを実施例2および比較例2の結果と比べると、たとえばDSPE-PEG-BPの濃度が同じであっても実施例2のDSPE-PEG-BPリポソームのほうが実施例3のDSPE-PEG-BPリポソームよりもHAへの吸着能が高い(特にDSPE-PEG-BPの濃度が1mol%の場合)。
これは、実施例3のDSPE-PEG-BPリポソームにおいて、アレンドロネートのついていないPEG鎖がアレンドロネートのHA吸着を妨害したためであると考えられる。
[実施例4および比較例4]抗癌剤のリポソームへの内包
<実験>抗癌剤の一種であるドキソルビシン(下記式参照、別名アドリアマイシン、以下Doxと表記)がリモートローディング法(pH勾配法)によりリポソーム内へ取り込まれ
るかの確認を行った。
Figure 2009280500
pH 4.0, 300 mMクエン酸溶液に、原料である全脂質の濃度が2 mMとなるようにして、実施例2および比較例2と同様にしてDSPE-PEG-BPリポソーム、DSPE-PEGリポソームおよびBPLリポソームを調製し、extruderを用いて100 nmに整粒した。1 M NaOH、1 M Hepes buffer(pH 7.4)でリポソーム溶液をpH7.4にし、ドキソルビシン(Dox):脂質が2 : 1(mol
)になるようにDox水溶液をリポソーム溶液に添加した。その溶液を60℃で10分間加温し
、Doxをリポソーム内へ内包させた。
その後、リポソーム溶液をPD-10カラムに通し、内包されなかったDoxを除去した。カラム後の溶液に、Triton-X100を、その終濃度が5vol %となるように加えて、混合後(リポ
ソームの破壊)、得られた溶液の480 nmにおける吸光度を測定し、内包されていたDoxの
定量を行った。
<結果>結果を表6に示す。
Figure 2009280500
BPLリポソームではアレンドロネート含有量が増加すると著しくDox内包率が低下したが、DSPE-PEG-BPリポソームではアレンドロネート含有量5%と10%とで大きな差が見られなかった。この結果はPEG鎖を介してアレンドロネートなどのリン酸カルシウム結合部位を有
する化合物を導入することで、リポソーム表面近傍からアレンドロネートを遠ざけることができ、それによりアレンドロネートのDox取り込みへの干渉を抑制できたことによるも
のと考えられる。しかしながら、全てのリポソームにおいてConventional liposomeより
内包率は低下した。これはアレンドロネートを含まないDSPE-PEGリポソームにおいても内包率が低下していることから、PEGがリポソーム内水相に入り込み(つまりPEGがリポソームの内側を向いている)、Dox内包率が下がるためであると考えられる。
以上説明したように、本発明のリポソームは、リン酸カルシウムや金属に富んだあらゆる部位に、様々な化合物をデリバリーするのに利用することができる。
また、薬剤は標的以外の細胞へ作用することに因る副作用が常に問題となるが、本発明のリポソームによれば、骨などへのターゲティングにより副作用の低減が可能となり、全身投与においてこれまでは副作用が強く臨床試験でドロップアウトした薬物を本リポソームに保持させることで利用できるようになる可能性もある。
骨関連疾患治療や骨再生治療のニーズと市場は、高齢化社会を迎えた現在非常に大きく、本発明は整形外科・歯科領域などへの貢献が大きいと期待できる。
図1は、実施例2および比較例2の散乱強度の測定結果を示す。 図2は、実施例3および比較例3の散乱強度の測定結果を示す。 図3は、DSPE-PEG-BPリポソームおよびBPLリポソームの構造の模式図を示す。図3において、左のリポソームがBPLリポソームであり、右のリポソームがDSPE-PEG-BPリポソームである。また、波線はPEG鎖を、Pはリン酸を表す。

Claims (8)

  1. 脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体および脂質を構成成分とするリポソームであって、
    少なくとも一部の前記脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体の、両末端のうち、リポソームの内相および表面からより離れた末端に、リン酸カルシウム結合部位を有する化合物が結合していることを特徴とするリン酸カルシウム結合性リポソーム。
  2. 前記リン酸カルシウム結合部位を有する化合物が、ビスホスホネート系化合物、テトラサイクリン、4−カルボキシ−3−ヒドロキシ−1,2−ピラゾール、ポリマロン酸および(L-アスパラギン酸)6ペプチドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のリン酸カルシウム結合性リポソーム。
  3. 前記リン酸カルシウム結合性リポソームが、その表面、疎水部または内部の水相のいずれか1つ以上において、生理活性成分を保持していることを特徴とする請求項1または2に記載のリン酸カルシウム結合性リポソーム。
  4. 前記生理活性成分が、骨疾患の予防薬、治療薬、診断薬または骨再生剤であることを特徴とする請求項3に記載のリン酸カルシウム結合性リポソーム。
  5. リン酸カルシウム結合部位を有する化合物と、脂質に結合したポリエチレングリコール誘導体とを接触させて得られた化合物と、
    脂質と
    を混合する工程を含むことを特徴とするリン酸カルシウム結合性リポソームの製造方法。
  6. 前記リン酸カルシウム結合部位を有する化合物が、ビスホスホネート系化合物、テトラサイクリン、4−カルボキシ−3−ヒドロキシ−1,2−ピラゾール、ポリマロン酸および(L-アスパラギン酸)6ペプチドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であ
    ることを特徴とする請求項5に記載のリン酸カルシウム結合性リポソームの製造方法。
  7. 請求項5または6に記載のリン酸カルシウム結合性リポソームの製造方法により得られたリン酸カルシウム結合性リポソームに、生理活性成分を保持させて得られた生理活性成分保持リポソーム。
  8. 請求項7に記載の生理活性成分保持リポソームを含有する医薬。
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