JP2009276832A - ガス警報器 - Google Patents

Abstract

【課題】ガスセンサの点検において、必要以上の被検知ガスが供給されることを防止できるガス警報器を提供する。
【解決手段】ガス警報器は、ケース５１と、ケース５１の表面に設けられ且つ被検知ガスをケース５１内に流入させるためのガス流入孔６２、ケース５１に収容され且つ前記ガス流入孔６２からケース５１内に流入した被検知ガスを検知するガスセンサと、を有し、被検知ガスを供給する点検器１００をガス流入孔６２取り付けて、点検器１００によって供給される被検知ガスをガス流入孔６２からケース５１内部に流入させることによりガスセンサの点検が行われる。そして、ガス警報器は、ガス流入孔６２の周囲に設けられた平面部６１と、ガス流入孔６２の周囲に設けられ且つ平面部６１と高さが異なる段差部６３と、を有している。
【選択図】図７

Description

本発明は、ガスセンサを備えるとともに、被検知ガスを供給する点検器を用いて該ガスセンサの点検が行われるガス警報器に関するものである。

上述したガス警報器として、例えば、特許文献１に記載されたガス警報器が提案されている。このガス警報器は、図１１に示すように、警報器ボックス５１１内に、センサ室５１２と機器室５１４とを備えている。センサ室５１２は、ガスセンサ５０１が配設されるとともに、ガスが流通可能なガス流通窓５１６と、点検時に点検ガス（即ち、被検知ガス）をセンサ室５１２内へ供給するための点検ガス供給窓５１７と、を備えている。ガスセンサ５０１は、気密性ハウジング５０２内にガス検知素子５０３を備え、そして、気密性ハウジング５０２は、吸着層５０７を備えた通気口５０５と、気密性ハウジング５０２内に点検ガスを流入させるための点検ガス流通孔５０９と、が設けられている。

このガス警報器によれば、気密性ハウジング５０２に点検ガス流通孔５０９が設けられているので、ガスセンサ５０１の点検を行うために点検ガス供給窓５１７からセンサ室５１２内に供給された点検ガスが、点検ガス流通孔５０９から気密性ハウジング５０２内に流入してガス検知素子５０３に直接到達し、そのため、少量且つ低濃度の点検ガスでガス警報器の点検を行うことができる。また、少量且つ低濃度の点検ガスでガス警報器の点検を行うことにより、吸着層５０７に吸着される点検ガス量を低く抑えることができるので、吸着層５０７に吸着された点検ガスの放出時間を短縮することができ、通常の検知状態への復帰を早めることができた。
特開平７−６５２７６号公報

上述のガス警報器の点検には、該点検に応じてガス警報器に点検ガスを供給する点検器が用いられる。そして、この点検器を用いたガス警報器の点検は、点検器が備える供給ノズルを上述したガス警報器の点検ガス供給窓１１７を覆うように取り付け、点検器から供給される点検ガスを外部に漏らすことなくセンサ室１１２内に流入させて行うものであった。

しかしながら、通常、この点検器は、複数種類のガス警報器間で共通して用いられるものであり、そして、この点検器から供給される点検ガスの量は一定であるので、この点検器を用いて点検ガスを供給したとき、ガス警報器の種類によっては必要以上の点検ガスが供給されてしまうことがあり、そのため、点検終了後においてもガス警報器内に点検ガスが残留してしまって、通常の検知状態への復帰が遅くなってしまうという問題があった。また、この問題を回避するため、点検器による点検ガスの供給量を調整することも考えられるが、ガス警報器の種類毎に点検ガスの供給量を調整する作業が必要となるので、点検器の構成が複雑になるとともに、点検作業が繁雑になるという別の問題があった。

本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、ガスセンサの点検において、必要以上の被検知ガスが供給されることを防止できるガス警報器を提供することを目的としている。

上記目的を達成するために、請求項１に記載された発明は、ケースと、前記ケースの表面に設けられ且つ被検知ガスを前記ケース内に流入させるためのガス流入孔と、前記ケースに収容され且つ前記ガス流入孔から前記ケース内に流入した前記被検知ガスを検知するガスセンサと、を有し、前記被検知ガスを供給する点検器を前記ガス流入孔に取り付けて、前記点検器によって供給される前記被検知ガスを前記ガス流入孔から前記ケース内部に流入させることにより前記ガスセンサの点検が行われるガス警報器において、前記ガス流入孔の周囲に設けられた平面部と、前記ガス流入孔の周囲に設けられ且つ前記平面部と高さが異なる段差部と、を有していることを特徴とするガス警報器である。

請求項２に記載された発明は、請求項１に記載された発明において、前記段差部が、前記平面部より突出して形成された突部であることを特徴とするものである。

請求項３に記載された発明は、請求項１に記載された発明において、前記段差部が、前記平面部より窪んで形成された溝部であることを特徴とするものである。

請求項４に記載された発明は、請求項１〜３のいずれか一項に記載された発明において、前記ケース内に流入した前記被検知ガスが衝突して前記被検知ガスの流動抵抗を増加するように形成された衝突壁を有していることを特徴とするものである。

請求項１に記載された発明によれば、ガス流入孔の周囲に設けられた平面部と、前記ガス流入孔の周囲に設けられ且つ前記平面部と高さが異なる段差部と、を有しているので、この段差部によって、点検器の供給ノズルを、ガス流入孔を覆うように取り付けたときでも、ガス流入孔と供給ノズルとを密着させることなく、それら間に隙間を設けることができ、そのため、点検器から供給される被検知ガスのうちガスセンサの点検に必要な量を超える分について、この隙間から雰囲気中に放出することができる。したがって、ガスセンサの点検に必要な量を超えて被検知ガスが供給されることを防止でき、点検終了後のガス警報器内への被検知ガスの残留を防ぐことができ、短時間で通常の検知状態に復帰することができる。

請求項２に記載された発明によれば、段差部が、平面部より突出して形成された突部であるので、段差部が簡易な形状で容易に形成することができ、そのため、必要以上の被検知ガスが供給されることを防止できるガス警報器を安価に提供できる。

請求項３に記載された発明によれば、段差部が、平面部より窪んで形成された溝部であるので、段差部が簡易な形状で容易に形成することができ、そのため、必要以上の被検知ガスが供給されることを防止できるガス警報器を安価に提供できる。

請求項４に記載された発明によれば、ケース内に流入した被検知ガスが衝突して被検知ガスの流動抵抗を増加するように形成された衝突壁を有しているので、ガス流入孔の開口を小さくすることなくガス流入孔に流入される被検知ガスの量を制限でき、そのため、ガス流入孔が異物等で塞がれる危険性を低下させることができ、また、ガス流入孔を成形するための金型を小さくする必要がなくなって金型の寿命を延ばすことができる。したがって、点検結果の信頼性を向上させることができるとともに、製造コストを低減することができる。

以下、本発明の一実施形態を示すガス火災一体型警報器を図１〜図７を参照して説明する。なお、本発明の一実施形態としてガス火災一体型警報器を示しているが、これに限定するものではなく、被検知ガスを検知して警報動作を行うガス警報機能を有しているものであれば、ガス警報機単体、又は、火災警報機能など他の機能との複合機など、その構成は任意である。

図１〜図７において、ガス火災一体型警報器（以下、一体型警報器ともいう）１は、中空箱状のケース本体２と、ガスセンサ３と、煙センサ４と、パネル５と、点検部６と、係合固定手段７と、導入手段１０と、を有している。この一体型警報器１は、ガスセンサ３又は煙センサ４の少なくとも一方が出力したセンサ出力が予め定められた警報レベルに達したときに、警報音、警報表示等によって警報を行う。

ケース本体２は、図１等に示すように、上ケース２１と、下ケース２２とを有し、合成樹脂等によって形成されている。そして、ケース本体２は、上ケース２１と下ケース２２とが組み付けられることで、中空箱状に形成される。

上ケース２１は、ケース本体２の上側に位置する正面部２１１と、当該正面部２１１に対し略直交する方向に沿って正面部２１１の周縁から延設された周壁２１２と、を有して一体に形成されている。

正面部２１１は、図１及び図２に示すように、警報表示部２１ａと、警報出力部２１ｂと、操作部２１ｃと、を有している。警報表示部２１ａは、ケース本体２内の光源（図示せず）からの透過光によって、火災、ガス漏れ、換気、お知らせ等を選択的に発光表示する。警報出力部２１ｂは、ケース本体２内のスピーカ（図示せず）からの警報音を外部に出力するための複数の孔を有している。操作部２１ｃは、外部からの操作ボタンの押下などの操作が可能な構成となっている。

下ケース２２は、上ケース２１に対応した略器状に形成された下ケース本体２２１と、下ケース本体２２１に固定される基板８を貫通し且つ上ケース２１に向かって下ケース本体２２１から突出する突起２２２と、ガスセンサ３を収容する収容室２２３と、を有している。なお、基板８には、上述した警報表示部２１ａと警報出力部２１ｂと操作部２１ｃとに対応した各種電子機器等が実装されている。

下ケース本体２２１の内側には、基板８を固定する固定部等が形成されている。そして、突起２２２は、図３〜図５に示すように、下ケース本体２２１の仕切板２２４から上ケース２１に向かって起立する柱状で、下ケース本体２２１よりも高く且つその先端部が後述する係合突起７１と係合する高さに形成されている。収容室２２３は、下ケース本体２２１から立設する仕切板２２４によって形成されており、基板８が固定されることで、その内部にガスセンサ３が収容されることになる。

ガスセンサ３は、公知である接触燃焼式ガスセンサ、半導体式ガスセンサ、電気化学式ガスセンサ等が任意に用いられる。ガスセンサ３は、下ケース本体２２１の側壁に形成されたスリット状の流入部２２６等から流入した被検知ガスを検知する。なお、本実施形態では、被検知ガスを一酸化炭素（ＣＯ）ガスとする場合について説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、被検知ガスを、例えば、メタンガス、プロパンガス、水素ガス等とすることもできる。また、ガスセンサ３の点検に用いられる点検ガスは、これらの被検知ガスをその成分として含み、その濃度が点検用に調整されたものである。

煙センサ４は、公知であるように、火災センサ素子を煙センサ側基板に実装し、当該火災センサを煙の流入が可能なカバーで覆った状態でユニットとして形成されている。そして、煙センサ４は、基板８がケース本体２に収容されることで、図１に示す上ケース２１から外部に向かって突出した突出部２１４内に位置付けられる。即ち、煙センサ４の火災センサ素子がケース本体２から外部に向かって突出した状態でケース本体２に設けられ、そのケース本体２の周囲の煙を検出することになる。

パネル５は、ケース本体２から突出した煙センサ４を隠すようにケース本体２に固定される。パネル５は、板状に形成されたパネル本体５１を有している。なお、ケース本体２とパネル５とを互いに組み付けたものが、請求項中に記載したケースに相当する。

パネル本体５１は、図１及び図２に示すように、上ケース２１の正面部２１１における警報表示部２１ａと警報出力部２１ｂと操作部２１ｃを露出させ、それ以外の正面部２１１を覆い隠す矩形の平板状に形成されている。なお、パネル本体５１の形状は、一体型警報器１のデザイン等に応じて変更できるものであり、例えば、煙センサ４部分のみを覆い隠すなどケース本体２から突出した煙センサ４を隠すことができれば、任意の形状及び構成にすることができる。

点検部６は、一体型警報器１のガスセンサ３の点検時に、後述する点検器１００の供給ノズル１１０が取り付けられて、該点検器１００から点検ガスが供給される部位であり、図１〜図３に示すように、平面部６１と、ガス流入孔６２と、一対の突部６３、６３と、を有している。

平面部６１は、パネル本体５１の表面を円筒状に掘り下げた空間の底面に位置する略円形の平面であり、図１に示すように、複数の係合突起７１の中から、ガスセンサ３の検知部等の近くに位置する係合突起７１に相対する箇所に形成されている。

ガス流入孔６２は、その周囲に平面部６１が位置づくように、平面部６１の中央部を貫通して、上述した係合突起７１に連なるように形成されている。また、その係合突起７１には、図４に示すように、点検ガスを導入する導入溝５３が形成されており、該導入溝５３はガス流入孔６２につながっている。

一対の突部６３、６３は、ガス流入孔６２を挟んで互いに相対する位置に、平面部６１上から突出して形成されている。なお、平面部６１の直径、ガス流入孔６２の径、及び、一対の突部６３、６３と平面部６１との段差（高さ）等、の点検部６の形状は、一体型警報器１が備えるガスセンサ３や、点検に用いられる点検器１００による被検知ガスの供給量等、に応じて適宜定められる。

係合突起７１は、図４等に示すように、パネル本体５１の裏面における所望の位置からケース本体２に向かって突出して形成されている。係合突起７１は、アーム部７１１と、該アーム部７１１の先端に形成された係合部７１２とを有している。なお、本実施形態では、係合突起７１がパネル本体５１の四隅の各々に設けて、パネル５を４点でケース本体２に係合固定する場合について説明するが、例えば嵌合固定など種々異なる実施形態とすることができる。

支柱７２は、図４に示すように、係合突起７１が挿入される挿入孔７２１を有し、挿入孔７２１に挿入された係合突起７１と所定の挿入位置で係合することにより、パネル５を正面部２１１の前方の所定位置に位置付けて固定している。詳細には、支柱７２において、ケース本体２の端部２１６に係合突起７１の係合部７１２が係合することで、ケース本体２に対してパネル５を固定することになる。なお、挿入孔７２１の断面形状は、係合突起７１の断面形状等に応じて任意に設計することができる。

このように支柱７２によってケース本体２の正面部２１１とパネル５との間に所望の空間Ｅを形成しており、この空間Ｅに火災の発生等による煙が流れ込むことで、その煙の流入特性が向上されて煙センサ４へ流入される。そして、煙は壁に沿って流れるため、このようなパネル５を有する一体型警報器１は壁掛け式に好適である。

導入手段１０は、前記ケース本体２と前記点検部６（即ち、ガス流入孔６２）の間に介在して前記ケース本体２内に連通する第１導入路１１を有し且つ前記点検部６を通過した前記点検ガスを前記第１導入路１１により前記ケース本体２内のガスセンサ３に導入する。そして、第１導入路１１は、点検部６から前記ケース本体２内に前記点検ガスを導入することが可能なように、パネル５の係合突起７１の側面に溝状に形成されている。該第１導入路１１は、支柱７２によって覆っているため、第１導入路１１の断面は溝の断面だけのものより広くなり、点検ガスをケース本体２内にスムーズに導入することができる構造となっている。

なお、本実施形態では、第１導入路１１として係合突起７１に溝を形成する場合について説明したが、例えば係合突起７１を中空筒状に形成して第１導入路１１とするなど種々異なる実施形態とすることができる。

導入手段１０はさらに、前記第１導入路１１につながり且つ前記ガスセンサ３を収容する前記ケース本体２内の収容室２２３に至るように、前記ケース本体２内に形成された第２導入路１２を有している。そして、本実施形態では第２導入路１２を、下ケース２２の突起２２２に、点検ガスを収容室２２３に導入する導入溝として形成している。なお、第２導入路１２としては、突起２２２を設けずに、ケース本体２内に仕切り板等を設けて第２導入路１２を空間として形成するなど種々異なる実施形態とすることができる。

また、第２導入路１２は、基板８を貫通しているため、第１導入路１１と収容室２２３との間に基板８が介在していても、点検ガスを第１導入路１１から収容室２２３に確実に導入することができる構造となっている。

次に、上述した構造の一体型警報器１の組み立て例を以下に説明する。

まず、下ケース２２の突起２２２を基板８に貫通させながら基板８が下ケース２２に固定されることで、下ケース２２の収容室２２３にガスセンサ３が収容される。これと共に、上ケース２１の支柱７２の各々にパネル５の係合突起７１が挿入され、パネル５が上ケース２１に向かって近づけられ、係合突起７１の係合部７１２が支柱７２内の挿入孔７２１の端部２１６に係合することで、上ケース２１に対してパネル５が係合固定される。

それらの上ケース２１と下ケース２２とが組み付けられることで、図３に示すように、下ケース２２の突起２２２の上端部がパネル５の係合突起７１の先端部に当接した状態になり、係合突起７１の先端を上ケース２１に押し付けて、その移動を規制した状態になる。これにより、パネル５の係合突起７１に形成された第１導入路１１及び上ケース２１の支柱７２の挿入孔７２１と、下ケース２２の突起２２２に形成された第２導入路１２によって、パネル５の点検部６（即ち、ガス流入孔６２）からケース本体２の収容室２２３に至る点検ガスの導入路Ｒが形成されることになる。

次に、一体型警報器１に対する点検作業の動作（作用）の一例を、図６、図７の図面を参照して以下に説明する。

点検時に作業者等は、図６に示すように、ＣＯガス、アルコール等の点検ガス（即ち、被検知ガス）が充填された点検器１００をパネル５の前面側から点検部６に近づけ、その点検器１００の供給ノズル１１０を点検部６に当接させる。このとき、図７に示すように、供給ノズル１１０の先端は、一対の突部６３の上面に当接し、供給ノズル１１０の先端とガス流入孔６２と間に隙間が形成される。

そして、点検器１００から点検ガスを排出させると、図７に示すように、供給ノズル１１０内の流路１１０ａを通った点検ガスＧは、その一部の点検ガスＧａがガス流入孔６２を通過し、導入路Ｒに沿って収容室２２３に流入し、残りの点検ガスＧｂが、上述した隙間から雰囲気中に放出される。このとき、点検器１００から供給される一体型警報器１の点検に必要な量を超える点検ガスが、残りの点検ガスＧｂとして隙間から雰囲気中に放出されるように、点検部６の形状が適宜調整されている。

その結果、ガスセンサ３は収容室２２３に流入した点検ガスを検出して濃度等に応じたセンサ出力を制御部（図示せず）に出力すると、前記制御部はそのセンサ出力と予め定められた警報条件とを比較し、警報条件を満たしていると判定したときに、上述した警報表示部２１ａ、警報出力部２１ｂ等に警報動作を要求することで警報が行われる。また、収容室２２３には適量の点検ガスが流入されているので、点検終了時点で該点検ガスが消失し、一体型警報器１を速やかに通常の検知状態に移行させることができる。

以上より、本発明によれば、ガス流入孔６２の周囲に設けられた平面部６１と、ガス流入孔６２の周囲に設けられ且つ平面部６１と高さが異なる一対の突部６３、６３と、を有しているので、この一対の突部６３、６３によって、点検器１００の供給ノズル１１０を、ガス流入孔６２を覆うように取り付けたときでも、ガス流入孔６２と供給ノズル１１０とを密着させることなく、それら間に隙間を設けることができ、そのため、点検器１００から供給される点検ガス（即ち、被検知ガス）のうちガスセンサ３の点検に必要な量を超える分について、この隙間から雰囲気中に放出することができる。したがって、ガスセンサ３の点検に必要な量を超えて点検ガスが供給されることを防止でき、点検終了後の一体型警報器１内への点検ガスの残留を防ぐことができ、短時間で通常の検知状態に復帰することができる。

また、一対の突部６３、６３が、平面部６１より突出して形成された突部であるので、簡易な形状で容易に形成することができ、そのため、必要以上の点検ガスが供給されることを防止できる一体型警報器１を安価に提供できる。

なお、本実施形態において、一体型警報器１は、一対の突部６３、６３を備えた点検部６を有するものであったが、この点検部６に替えて、図８に示すように、ガス流入孔６２を挟んで互いに相対する一対の溝部６４、６４を備えた点検部６Ａとしてもよい。

点検部６Ａの作用を説明する。図９に示すように、点検器１００の供給ノズル１１０を点検部６Ａに当接させると、供給ノズル１１０の先端は、平面部６１に当接し、一対の溝部６４、６４によって、供給ノズル１１０の先端とガス流入孔６２と間に隙間が形成される。そして、点検器１００から点検ガスを排出させると、供給ノズル１１０内の流路１１０ａを通った点検ガスＧは、その一部の点検ガスＧａがガス流入孔６２を通過し、導入路Ｒに沿って収容室２２３に流入し、残りの点検ガスＧｂが、上述した隙間から雰囲気中に放出される。

このように、一対の突部６３、６３に替えて、ガス流入孔６２の周囲に設けられ且つ平面部６１と高さが異なる一対の溝部６４、６４と、を設けることにより、この一対の溝部６４、６４によって、点検器１００の供給ノズル１１０を、ガス流入孔６２を覆うように取り付けたときでも、ガス流入孔６２と供給ノズル１１０とを密着させることなく、それら間に隙間を設けることができ、そのため、点検器１００から供給される点検ガス（即ち、被検知ガス）のうちガスセンサ３の点検に必要な量を超える分について、この隙間から雰囲気中に放出することができる。したがって、ガスセンサ３の点検に必要な量を超えて点検ガスが供給されることを防止でき、点検終了後の一体型警報器１内への点検ガスの残留を防ぐことができ、短時間で通常の検知状態に復帰することができる。

また、一対の溝部６４、６４が、平面部６１より窪んで形成された溝部であるので、簡易な形状で容易に形成することができ、そのため、必要以上の点検ガスが供給されることを防止できる一体型警報器１を安価に提供できる。

なお、一対の突部６３、６３及び一対の溝部６４、６４は、請求項中に記載した段差部に相当する。

また、一対の突部６３、６３及び一対の溝部６４、６４は上述の実施形態で示した形状に限定されるものではなく、例えば、断面逆Ｖ字の突部、断面Ｖ字の溝部など、ガス流入孔と供給ノズルとの間に隙間を形成し、点検に必要な量を超える点検ガスを雰囲気中に放出することが可能であれば、その形状は任意である。

また、本実施形態において、ガス流入孔６２から流入された被検知ガスは、図３に示すように導入路Ｒに沿ってほぼ直線状に流動されるが、例えば、図１０に示すように、パネル本体５１の裏面側に位置するガス流入孔６２の端部近傍に、該ガス流入孔６２の端部と間隔をあけて重なるように形成された衝突壁６５を備えるものであってもよい。この衝突壁６５は、係合突起７１の基端部分に一体に設けられている。

このような衝突壁６５を備えることにより、ガス流入孔６２から流入された被検知ガスはこの衝突壁６２に衝突するので、被検知ガスは導入路Ｒ１に沿って一部湾曲して流動されて、被検知ガスの流動抵抗が増加する。そのため、ガス流入孔の開口を小さくすることなく、ガス流入孔に流入される被検知ガスの量を制限できるので、ガス流入孔が異物等で塞がれる危険性を低下させることができ、また、ガス流入孔６２を成形するための金型を小さくする必要がなくなって金型の寿命を延ばすことができる。そのため、点検結果の信頼性を向上させることができるとともに、製造コストを低減することができる。また、この衝突壁６５は、ガス流入孔６２に流入された被検知ガスの流動抵抗を増加させるものであれば、ガス流入孔６２の端部と間隔をあけて重ねられなくてもよく、その形状は任意である。また、衝突壁６２は、ガス流入孔６５の近傍に設けられるほど、上述の効果を奏することができる。

また、本実施形態においては、点検部６をパネル５に設けるものであったが、これに限定するものではなく、ケース本体２に設けるものであってもよい。また、本実施形態においては、点検部６が備える平面部６１がパネル本体５１の表面から掘り下げられて形成されているが、これに限らずパネル本体５１（即ち、ケース）の表面と同一平面であってもよい。また、ケースとして、パネル５を備えない、ケース本体２のみの構成であってもよい。

また、本実施形態においては、ガスセンサ点検のための点検部（ガス流入孔）を備えるものであったが、これに限定するものではなく、ガス警報器のケース内に雰囲気を流入させるためのガス漏れ検知用流入部（本実施形態においては、下ケース本体２２１の側壁に形成されたスリット状の流入部２２６）を用いて点検を行うものであってもよい。その場合、このガス漏れ検知用流入部が、請求項中に記載したガス流入孔に相当する。

なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。

本発明の一実施形態を示すガス火災一体型警報器の分解斜視図である。 図１に示すガス火災一体型警報器の正面図である。 図２の直線Ａ−Ａを通る矢印方向の部分断面図である。 図３を拡大した部分拡大斜視図である。 下ケースにおけるガスセンサの収容室を示す部分斜視図である。 ガス火災一体型警報器に対する点検作業の一例を説明するための図である。 図６の直線Ｘ−Ｘを通る矢印方向の部分断面図である。 点検部の他の一例を示す拡大正面図である。 図８に示す点検部の他の一例を、図６に示すガス一体型警報器に適用した場合における直線Ｘ−Ｘを通る矢印方向の部分断面図である。 点検部近傍に衝突壁を設けた構成のガス火災一体型警報器の一例を示す部分拡大図である。 従来のガス警報器を示す断面図である。

符号の説明

１ ガス火災一体型警報器（ガス警報器）
２ ケース本体（ケース）
３ ガスセンサ
４ 煙センサ
５ パネル（ケース）
６ 点検部
６１ 平面部
６２ ガス流入孔
６３ 突部（段差部）
６４ 溝部（段差部）
６５ 衝突壁
１００ 点検器
１１０ 供給ノズル

Claims (4)

1. ケースと、前記ケースの表面に設けられ且つ被検知ガスを前記ケース内に流入させるためのガス流入孔と、前記ケースに収容され且つ前記ガス流入孔から前記ケース内に流入した前記被検知ガスを検知するガスセンサと、を有し、前記被検知ガスを供給する点検器を前記ガス流入孔に取り付けて、前記点検器によって供給される前記被検知ガスを前記ガス流入孔から前記ケース内部に流入させることにより前記ガスセンサの点検が行われるガス警報器において、
   前記ガス流入孔の周囲に設けられた平面部と、
   前記ガス流入孔の周囲に設けられ且つ前記平面部と高さが異なる段差部と、を有していることを特徴とするガス警報器。
2. 前記段差部が、前記平面部より突出して形成された突部であることを特徴とする請求項１に記載のガス警報器。
3. 前記段差部が、前記平面部より窪んで形成された溝部であることを特徴とする請求項１に記載のガス警報器。
4. 前記ケース内に流入した前記被検知ガスが衝突して前記被検知ガスの流動抵抗を増加するように形成された衝突壁を有していることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載のガス警報器。

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