JP2009273537A - ミシン - Google Patents

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広行 風晴
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Abstract

【課題】より安価で正しい布保持枠の位置検出を可能とするミシンを提供する。
【解決手段】ミシン1は、縫い針2と、布保持枠10によって布を保持すると共に布を水平移動させる送り台20と、非磁性体の押え板31と、押え板31の上面に配置されたタブレットセンス部32と、送り台20の上部に設けられた位置指示器24と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、被縫製物を保持する布保持枠を所定の縫製パターンに基づいて縫い針に対して水平移動させることにより、縫製物に縫い目を形成するミシンに関する。
従来、被縫製物を保持する布保持枠を所定の縫製パターンに基づいて縫い針に対して相対移動させることにより、被縫製物に縫い目を形成するミシンが知られている。
このようなミシンでは、所定の縫製パターンに基づく縫製を行うため、縫い針に対して水平移動する布保持枠の位置を検出する検出機構が設けられている。このような検出機構として、布保持枠にリニアセンサーを設ける方法(特許文献1)や、布保持枠を移動させる送りモータの回転角度を検出するロータリーエンコーダーを用いる方法(特許文献2)が知られている。
特開2000−271363号広報 特開2005−080473号広報
しかしながら、リニアセンサーは一般的に高価であり、さらに水平移動する布保持枠の位置を検出するためには2つ以上のリニアセンサーを直交して配置する必要がある。このため、このような検出機構を設けたミシンは必然的に高価となってしまう問題点があった。
一方、布保持枠を移動させる送りモータの回転角度を検出するロータリーエンコーダーを用いた場合、送りモータの駆動力を布保持枠に伝えるための動力伝達機構(特に送りモータから布保持枠のXY平面移動を支持する送り台までの動力伝達機構)の撓みによって布保持枠の水平移動にオーバーシュートや応答遅れが発生し、送りモータの回転角度に基づく検出位置と実際の布保持枠の位置との応答遅れが発生し、針流れによる縫い品質の低下や針が折れるなどのトラブルが発生し易いといった問題点があった。なお、上述の動力伝達機構の撓み量は、送り台から布保持枠の間に発生する撓み量に比べて、送りモータの動力伝達に使用されているタイミングベルトにより発生する撓み量が大部分を占めている。
本発明は、上述の問題点に鑑み、より安価で応答遅れの少ない布保持枠の位置検出を可能とするミシンを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、縫い針を支持してミシンモータの駆動により上下動する針棒と、布を保持する布保持枠を有し、当該布保持枠を送りモータの駆動により前記縫い針の上下動方向と直交する平面上に水平移動する送り台と、前記送り台の上部に形成された当接部に当接する当接面を有する押え板と、前記縫い針の上下移動経路に対する前記送り台の水平移動位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により検出された前記送り台の水平移動位置に基づいて、前記ミシンモータ及び前記送りモータの駆動を制御して前記布に縫い目を形成するミシンにおいて、前記位置検出手段は、前記押え板の前記当接面の裏面に並列に配置される複数のループコイルと、前記複数のループコイルに所定周波数の交流信号を供給する送信手段と、前記交流信号が供給されたループコイルから発生する磁界に反応して誘導電流を発生する同調用コイルと同調用コンデンサとにより構成され、前記当接部近傍に配置される被検出部材と、前記誘導電流により前記同調要こいつから発生する磁界の影響を受けて前記ループコイルに発生する誘導電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段から検出される誘導電流に基づいて、前記被検出部材の前記複数のループコイルに対する位置を判別する判別手段と、を備え、前記位置検出手段は、前記判別手段により判別された前記被検出部材の位置に基づいて、前記送り台の水平移動位置を検出することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、判別手段が送り台の当接部近傍に配置された被検出部材の位置を判別することによって、縫い針の上下動経路に対する前記送り台の水平移動位置を直接検出するので、動力伝達機構の撓みに影響されることなく送り台の位置が検出可能となり、応答遅れのない布保持枠の位置を検出することができるミシンを提供可能となる。すなわち、送りモータから布保持枠までの動力伝達機構における撓み量の大部分を占める送りモータから送り台までの撓み量に影響されることなく布保持枠の位置、強いては、布の位置を検出可能となる。また、リニアセンサーのような高価な部品を用いず、より安価な構成で応答遅れのない布保持枠の位置を検出できるミシンを提供可能となる。
さらに、送り台に設けられる同調用コイルと同調用コンデンサは専用の電源を必要としない構成であるため、電線の引き回しや電源の設置の必要がない。これによって、電線が断線することによって位置検出手段が機能しなくなる可能性もなくすことができる。よって、故障が少なく安定性の高いミシンを提供可能となる。
さらに、複数のループコイルは押え板の当接面沿って配置されるので、布の位置を検出するための機構を設ける専用スペースをミシンに確保する必要がない。これによって、従来のミシンの構造をほとんど変更することなく本発明のミシンを実現可能となり、より一層安価で正確な縫製を行えるミシンを提供可能となる。
さらに、本発明は磁気による位置検出を行う構成であるため、ミシンによる縫製作業で発生しうる布ほこりや糸くずによる位置検出における誤動作や検出不良を起こす可能性を極めて低くすることができるので、縫製時にも安定した位置検出が行うことができ、より安定性が高く正確な縫製を行えるミシンを提供可能となる。
(発明の全体構成)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明のミシンは、被縫製物を保持する布保持枠を所定の縫製パターンに基づいて縫い針に対して水平移動させることにより、縫製物に縫い目を形成するミシン(例えば電子サイクルミシン)である。
図1は本発明のミシンの一実施形態を示す斜視図である。
ミシン1は、ミシン1のベッド部上面の針板の下側に設けられた図示しない釜と、縫い針を支持して上下動運動を行う針棒2と、布を保持する布保持枠10と、布保持枠10を水平移動させる送り台20と、縫い針の上下動経路に対する送り台20の水平移動位置を検出する検出部30と、ミシン1の各部を制御する図示しない制御装置と、オペレータによってミシンの縫製作業に関する各種の操作が行われる入力インターフェイス3と、を備える。
針棒は、ミシン1のアーム部内部に配接された図示しない上軸と、上軸の回転運動を上下動運動に変換する図示しない針上下動機構を介して連結されている。また、上軸は図示しないミシンモータと連結しており、ミシンモータが駆動することによって上軸が回転すると、針上下動機構が上軸の回転運動を上下動運動に変換して縫い針2を支持する針棒に伝達する。よって、縫い針2は周知のように上下動する。また、縫い針2の上下動の位置は図示しない針位置検出部によって検出され、図示しない制御装置に出力される。
図示しない釜は、ミシン1のベッド部内部において上軸と平行に配接された図示しない下軸と連結されている。上述のように上軸が回転すると、上軸の回転を下軸に伝える動力伝達機構(例えば、上軸及び下軸に設けられたスプロケットと、スプロケットを連動させるタイミングベルト)によって下軸が回転する。これによって釜は針の上下動に応じた回転運動を行う。
なお、ミシン1のアーム長手方向に沿う方向をY軸方向、Y軸方向に直交する水平方向をX軸方向、X軸Y軸に直交する方向をZ軸方向とする。
(布保持枠及び送り台)
図2は布保持枠10を有する送り台20とその近隣の構成を示す側面図である。
布保持枠10は下板11と布押え外枠12とからなり、下板11と布押え外枠12とで布を挟むことにより、布保持枠10は布を保持する。
送り台20は布押え足滑り板21と布押えリンク22とエアシリンダ23とを備え、布押え足滑り板21は布保持枠10の布押え外枠12を上下に移動可能に支持する。また、布押えリンク22はエアシリンダ23のプランジャと布押え外枠12とを連結する。さらに、ミシン1のアームの下面には、押え板31が固定され、送り台20の上部には、上面に当接部25aが形成されたスライダー台25が固定されている。また、押え板31の下面には、当接部25aと当接して摺動する当接面31aが形成され、エアシリンダ23の駆動部が動作することでプランジャがエアシリンダ23の駆動部から伸張すると、当接面25aを介してスライダー25が押え板31の当接面31aから反力を得ることにより、布押え外枠12は下方向の押圧力を加えられて下板11に当接するよう下降する。これによって布は下板11と布押え外枠12とに挟まれ、布押え外枠12から押圧力を受けることで保持される。このときの布押え外枠12の位置を「布保持位置」とする。エアシリンダ23のプランジャが駆動部に引き込まれると、布押え外枠12は上方へと移動し、下板11から離れる。よって、縫製作業が終了した布を布保持枠10から取り外すことができる。このときの布押え外枠12の位置を「布開放位置」とする。
送り台20は、送り台20に設けられたエアシリンダ23が駆動することによって、布押え外枠12は上下動する。なお、エアシリンダ23の駆動は図示しない制御装置によって行われる。
また、送り台20は、「送りモータ」としての図示しないX軸モータとY軸モータとによって駆動される不図示のXY駆動機構にリンク部材40を介して連結されている。XY駆動機構は、それぞれ、図示しないタイミングベルトと、タイミングベルトを回転させる図示しないスプロケットと、前記スプロケットに軸で連結され各送りモータに駆動されるギヤとを有し、送り台20は、各送りモータの駆動によりリンク部材40を介してXY方向に水平移動される。
これによって、布保持枠10は針板に沿った平面上を水平移動し、布保持枠10に保持された布が移動する。
なお、X軸モータ及びY軸モータは図示しない制御装置によってその駆動を制御される。
また、送り台20の上部のスライダー台25の近傍には検出部30によってその位置が検出される「被検出部材」としての位置指示器24が、押さえ板31に対する送り台20の水平移動により摩耗しないように、押え板31の当接面31aに対してわずかに隔離する高さに設けられている。そして、位置指示器24と当接面31aとの距離は、スライダー台25の当接部25と当接面31aとの当接により、常に一定に維持されている。また、検出部30は、押え板31の当接面31aの裏面に設けられている。よって、位置指示器24の先端部は検出部30の下面と対抗し、近接した状態を維持しながら送り台の移動と共に押え板31に対して相対移動する。すなわち、
布を移動させるために送り台20が移動すると、送り台20の位置指示器24は送り台20の移動に合わせて移動する。このとき、検出部30に対する位置指示器24の位置は相対移動するので、検出部30は位置指示器24の移動を検出することにより位置指示器24が固定された送り台20の位置を検出することが可能となる。検出部30によって検出された送り台20の位置は図示しない制御装置に出力される。
なお、検出部30が位置指示器24の位置を検出する仕組みについては後述する。
(制御装置)
図示しない制御装置は、縫い針2を上下動させる上軸を回転させるミシンモータ、送り台20を移動させるX軸モータ及びY軸モータ、布押え外枠12を上下動させるエアシリンダ23、縫い針2の上下動の位置を検出する図示しない針位置検出部、送り台20の位置検出を行う検出部30及びオペレータによる入力を受け付ける入力インターフェイス3と電気的に接続され、オペレータの操作に基づき、ミシン1の各部を制御する。
入力インターフェイス3を介してオペレータによる布保持枠10の操作が行われると、制御装置は送り台20に設けられたエアシリンダ23を駆動させ、布保持枠10は布を保持する。
オペレータによって、縫製データが設定され、縫製開始の指示がなされると、X軸モータ及びY軸モータを駆動して送り台20を移動させる。このとき送り台20の移動は検出部30によって検出され、制御装置は検出部30の検出結果に基づいて布の縫製開始位置を縫い針2の下に移動させる。
布の縫製開始位置が縫い針2の下に移動すると、制御装置はミシンモータを駆動させ、針を上下動させることで周知のように縫い目を形成する。一針ごとの針落ちに対してX軸モータ及びY軸モータが縫製データに示す目標位置まで布保持枠10が移動するように、検出部30の検出結果に基づいてフィードバック制御が行われる。即ち、一針ごとのX軸方向とY軸方向の目標移動量に基づいて各モータの目標位置を示す曲線が決定され、所定のサンプリング間隔ごとに検出部30から検出されるX軸方向とY軸方向の移動量と目標位置の位置偏差とを求め、各モータの速度修正を行いながら布保持枠10の移動制御が行われる。
上述の処理は縫製データに基づく縫製作業が完了するまで行われる。縫製作業が完了すると、制御装置はミシン1の各部を停止させる。以上のように、ミシン1による縫製が行われる。
(検出部)
次に、本願の位置検出手段を構成する位置指示器24と検出部30とについて図3及び図4を用いて詳細に説明する。図3は検出部30の構成を示す分解斜視図である。
まずタブレットセンサ部32について説明する。タブレットセンサ部32は押え板31の上面(裏面)に重ね合わせるように設けられて、押え板31に近接対向する位置指示器24の位置を検出する。
図4はタブレットセンサ部32の構成を示す分解斜視図の簡略図である。
タブレットセンサ部32はその内部において、位置指示器24のX軸方向の位置を検出するための「複数のループコイル」としての複数のX軸ループコイルCと、Y軸方向の位置を検出するための「複数のループコイル」としての複数のY軸ループコイルDとがX軸方向とY軸方向とに交叉するようにそれぞれ並列に配置されている。各X軸ループコイルCは、位置指示器24のY方向可動範囲を越える長さで折り返すY方向に延びる細長い矩形状の巻線であり、各Y軸ループコイルDは、位置指示器24のX方向可動範囲を越える長さで折り返すX方向に延びる細長い矩形状の巻線である。さらに、タブレットセンサ部32には、これら各ループコイルに電力を供給するとともに位置指示器24の影響を受けてこれら各ループコイルの発生する誘導電流を検出する処理を行う処理回路50と、処理回路50に接続する一つのループコイルを選択する選択回路32aとが、X軸用とY軸用とでそれぞれ個別に設けられている。
X軸ループコイルCは、タブレットセンサ部32の平面における位置指示器24のX軸可動範囲にX軸方向へ所定の間隔ごとに配置されている。各X軸ループコイルCは、電流が流れることで磁界を発生させる。また、各X軸ループコイルCは、その周囲で発生した磁界の変化に応じて電磁誘導により起電圧が生じる。
各Y軸ループコイルDは、タブレットセンサ部32の平面における位置指示器24のY軸可動範囲にY軸方向へ所定の間隔ごとに配置されている。各Y軸ループコイルDは、電流が流れることで磁界を発生させる。また、各Y軸ループコイルDは、その周囲で発生した磁界の変化に応じて電磁誘導により起電圧を生じる。
なお、図4に示すX軸ループコイルC及びY軸ループコイルDはその数について簡略化して記載している。
処理回路50は、後述する選択回路32aによって各X軸ループコイルC及び各Y軸ループコイルDのうちいずれかひとつと接続され、接続されたループコイルに電流を供給する。また、各X軸ループコイルC及び各Y軸ループコイルDが外部からの電磁誘導によって起電圧を生じたとき、起電圧によって発生した電流を検出し、電流が検出されたX軸ループコイルC及びY軸ループコイルDの配接位置に基づいて位置指示器24の位置を検出する。
なお、上述のように、選択回路32aは、複数のX軸ループコイルCのいずれかひとつあるいは複数のY軸ループコイルDのいずれかひとつを処理回路50と接続する所謂マルチプレクサである。
次に押え板31について説明する。押え板31の下面が送り台20のスライダー台25と摺動するため、磨耗しないよう高度が高い材料を使用することが望ましい。また、タブレットセンサ部32と位置指示器24の間では電磁誘導を原理とする動作が行われるので、押え板31の材料が強磁性体であると磁気が遮断されて動作できなくなるため、押え板31は非磁性の材料が条件となる。よって、耐磨耗性が高く、非磁性の材料の条件から、押え板31には例えばオーステナイト系ステンレス鋼SUS303、SUS304といった材料が望ましい。また、押え板31及びタブレットセンサ部32の平面は送り台20と移動する位置指示器24及びスライダー台25の可動範囲に必要な寸法の面積を持つ。
なお、タブレットセンサ部32は上述の制御装置と電気的に接続され、位置指示器24の位置を制御装置に出力する。
(位置指示器)
次に、位置指示器24について図5を用いて詳細に説明する。
図5は位置指示器24の構成を示す側面図である。
位置指示器24はその内部に、中心に設けられた磁性体からなる円筒状のコア24aと、コア24aの周囲に巻回された「同調用コイル」としてのコイル24bと、当該コイル24bと接続された「同調用コンデンサ24c」としてのコンデンサ24cとを備える。
コア24aは例えばフェライトからなる。コイル24bとコンデンサ24cは所謂LC共振回路を構成している。
コイル24bの近傍で磁界の変化が発生すると、磁界の変化に反応してコイル24bに誘導電流が発生する。コイル24bに流れた誘導電流によって、コイル24bと接続されたコンデンサ24cに電荷が蓄えられる。このとき、磁界の変化がなくなると、コイル24bに誘導電流も流れなくなるが、短時間ではあるが、コンデンサ24cに蓄えられていた電荷によってコイル24bには電流が減衰しながら流れ続ける。そして、電流が減衰しきるまでコイル24bには磁界が発生する。
(位置検出の仕組み)
次に、タブレットセンサ部32が位置指示器24の位置を検出する仕組みについて、図6及び図7を用いて詳細に説明する。
図6はタブレットセンサ部32の構成の一部を示すブロック図の簡略図である。
ここでは処理回路50が複数のループコイルCとしてのX軸ループコイルC1〜Cn(n本)によって位置指示器24のX軸方向における位置を検出する仕組みについて説明する。複数のループコイルCの本数は、X軸可動範囲に対する分解能によって決定された値となる。選択回路32aはX軸ループコイルC1〜Cnのいずれかひとつと処理回路50とを接続する。
なお、図6には、X軸ループコイルC1〜Cnの数が簡略化して記載されている。
処理回路50は、選択回路32aによって接続されたX軸ループコイルC1〜Cnのうちいずれかひとつに所定周波数の交流電流(例えば、500kHzのパルス信号)を供給する「送信手段」としての送信部51と、前述したコイル24bに発生した磁界の影響を受けて選択回路32aによって接続されたX軸ループコイルC1〜Cnのうちいずれかひとつに発生する誘導電流を検出する「電流検出手段」としての受信部52と、選択回路32aに送信部51又は受信部52のいずれか一方を接続するよう切替える送受切替部54と、送受切替部54の動作を制御すると共に受信部52の検出した電流に基づいてタブレットセンサ部32に対する位置指示器24の位置を判別する「判別手段」としての処理部53と、を備える。
送信部51は所定の周波数の交流信号を発生させ、選択回路32aによって接続されたX軸ループコイルC1〜Cnのうちいずれかひとつに供給する発振回路である。送信部51によって選択回路32aによって接続されたX軸ループコイルC1〜Cnのうちいずれかひとつに交流信号が供給されると、電流が流れたX軸ループコイルC1〜Cnのうちいずれかひとつには、磁界が発生する。
受信部52は選択回路32aによって選択されたX軸ループコイルC1〜Cnのうちいずれかひとつに流れる誘導電流を検出し、その検出信号を処理部53に出力する。
送受切替部54は、送信部51又は受信部52のいずれか一方を選択回路32aに接続するよう切替可能なスイッチである。
処理部53は、選択回路32aを制御して処理回路50と接続されるX軸ループコイルC1〜Cnのうちいずれかひとつを選択可能に制御すると共に、送受切替部54を制御することで選択回路32aに接続される送信部51又は受信部52を切替可能に制御する。また、受信部52によって検出された電流に基づき、位置指示器24の位置を検出する。
処理部53はまず、選択回路32aを制御することでX軸ループコイルC1と処理回路50とを接続する。また、送受切替部54を制御することで送信部51を選択回路32aに接続する。これによって、X軸ループコイルC1には所定の周波数のパルス信号が供給され、X軸ループコイルC1の周囲に磁界を発生させる。
このとき、X軸ループコイルC1の近傍に位置指示器24が位置してると、X軸ループコイルC1によって発生した磁界に反応して、位置指示器24のコイル24bには電磁誘導によって起電圧が生じ、誘導電流が流れる。位置指示器24のコイル24bに流れた誘導電流は、位置指示器24のコンデンサ24cに電荷として蓄えられる。このときコイル24bに流れる電流の大きさは、X軸ループコイルC1と位置指示器24との距離によって決定し、位置指示器24がX軸ループコイルC1の中心線に近いほど大きくなる。
送信部51とX軸ループコイルC1が接続されてから所定の時間(例えば、32μsec)後、処理部53は送受切替部54を制御することで受信部52を選択回路32aに接続する。これによってX軸ループコイルC1にパルス信号が供給されなくなり、X軸ループコイルC1によって発生していた磁界も消滅する。このとき、位置指示器24のコイル24bに生じていた電磁誘導による起電圧もなくなるが、コンデンサ24cに蓄えられている電荷によってコイル24bには電流が流れ続ける。これによって位置指示器24の周囲に磁界が生じ、X軸ループコイルC1の周囲の磁界を変化させる。この磁界の変化の影響を受けて、選択回路32aと送受切替部54を介して受信部52に接続されているX軸ループコイルC1には電磁誘導による起電圧が生じ、誘導電流が流れる。
受信部52は電磁誘導によってX軸ループコイルC1に生じた誘導電流を検出し、処理部53に出力する。
処理部53は、送受切替部54及び選択回路32aを制御して、送信部51及び受信部52に接続するX軸ループコイルをC1からCnまで順次切替えて送信部51から交流信号を各コイルに出力するとともに、受信部52から出力される各コイルで発生する誘導電流の大きさ基づいて、位置指示器24の位置を判別する。すなわち、受信部52により検出される誘導電流の大きさは、X軸ループコイルC1と位置指示器24の距離に依存するため、処理部53は、X軸ループコイルC1からX軸ループコイルCnの中で最も大きな誘導電流が検出される時に接続されているX軸ループコイルを判別し、判別されたX軸ループコイルの位置によって位置指示器24のX軸方向の位置を判別する。
図7はX軸ループコイルC1〜Cnについての受信部52による電流検出結果の一例を示すグラフである。
図7に示すような電流の検出結果の場合、検出される誘導電流の値は、X軸ループコイルC12から検出される値が最も大きいので、処理部53はX軸ループコイルC12のX方向位置を位置指示器24のX軸方向位置として判別し、送り台20のX軸方向水平移動位置として制御装置に出力する。
なお、処理部53は、上述したX軸ループコイルをC1からCnに対する送信部51及び受信部52の一連の接続と位置指示器24のX方向移動位置の判別を常時繰り返し実行し、送り台20の移動が行われても、常時位置指示器24の位置を検出し、常時送り台20の水平移動位置を判別している。
また、上述の説明は、複数のX軸ループコイルC1〜Cnについて記載したが、複数のY軸ループコイルDも同様に構成され、位置指示器24のY軸方向の位置の検出に対する構成も処理も、位置指示器24のX軸方向の位置の検出に対する構成や処理と同様である。また、X軸ループコイルC1〜Cnに対する位置指示器24のX軸方向の位置の判別と、複数のY軸ループコイルDに対する位置指示器24のY軸方向の位置の判別とは交互に行われる構成としても良いし、同時に行われる構成としても良い。
上述のように位置指示器24のX軸方向及びY軸方向の位置検出が行われ、処理回路50の処理部53から送り台20の位置として検出されると、制御装置は検出された送り台20の水平移動位置に基づいて、X軸モータ及びY軸モータのフィードバック制御を行うことで送り台20を縫製データに基づく水平移動位置へと移動させる。以上によって、縫製データと検出部30による布の位置検出に基づく正確な布送りが行われ、縫製データに基づく正確な縫製が実現する。
よって、検出部30のタブレットセンサ部32は、複数のX軸ループコイルCまたは複数のY軸ループコイルDのうち最も大きい誘導電流が流れたループコイルを判別することにより、位置指示器24の複数のX軸ループコイルCまたは複数のY軸ループコイルDに対する位置を判別するとともに、判別された位置指示器24の位置に基づいて縫い針2に対する送り台20のX方向またはY方向の水平移動位置を検出する。
従って、位置指示器24及びタブレットセンサ部32は、「判別手段」及び「位置検出手段」として機能する。
なお、上述の処理における所定の周波数、所定の時間、X軸ループコイルC及びY軸ループコイルDのそれぞれのループコイルの数及びその配置については一例であり、上述以外の数及び配置でも構わないことは言うまでもない。
また、検出部30に対する位置指示器24の位置が検出された後に続く位置検出処理は、直前の位置指示器24の位置に近接する特定のX軸ループコイルC及び特定のY軸ループコイルDに限定して位置検出を行うようにしてもよい。例えば、位置指示器24がX軸ループコイルC15に最も近接していた場合はX軸ループコイルC11〜C19について検出を行うようにしてもよい。かかる処理を行う場合、一度位置指示器24の位置を検出した後は、その後の位置検出に要する処理時間が短縮できることにより、一定時間内により多くの位置検出を繰り返すことが可能となり、より高精度な位置検出を実現できる。
(作用効果)
上述の実施例によれば、送り台20の位置はタブレットセンサ部32に対する位置指示器24の位置によって判別されるので、送り台20を駆動するX軸モータ及びY軸モータと送り台20との間に設けられるリンク部材40やタイミングベルト、その他図示しない動力伝達機構に生じうる撓みによるオーバーシュートや応答遅れに影響されることなく布の位置を検出可能となる。これによって、正確な布の位置を検出することができ、正確な縫製を行うミシンを提供可能となる。
また、リニアセンサーのような高度な加工技術を要する高価な部品を用いず、主にコイルから構成されるより安価な構成で正しい布の位置を検出できるので、正確な布の位置を検出する機構をより安価に実現でき、より安価で正確な縫製を行えるミシンを提供可能となる。
さらに、送り台20に設けられる位置指示器24のコイル24b及びコンデンサ24cは専用の電源を必要としない構成であるため、電線の引き回しや電源の設置の必要がない。これによって、送り台20の移動に伴い電線が引き回されることでミシンによる縫製を妨害する可能性をなくすことができることに加え、電線が断線することによって位置指示器24及びタブレットセンサ部32が機能しなくなる可能性もなくすことができる。よって、故障が少なく安定性の高いミシンを提供可能となると共に、位置指示器24及びタブレットセンサ部32がミシンによる縫製を妨害することのない快適なミシンを提供可能となる。
さらに、複数のX軸ループコイルC及び複数のY軸ループコイルDは押え板31の上面に配置されるタブレットセンサ部32に設けられるので、布の位置を検出するための機構を設ける専用スペースをミシンに確保する必要がない。これによって、従来のミシンの構造を大幅に変更することなく本発明のミシンを実現可能となり、より一層安価で正確な縫製を行えるミシンを提供可能となる。
さらに、押え板31の上面に配置されるタブレットセンサ部32に設けられる複数のX軸ループコイルC及び複数のY軸ループコイルDと送り台20に設けられる位置指示器24のコイル24b及びコンデンサ24cは磁気による位置検出を行う構成であることに加え、布及び縫い針2から離れた送り台20の上方に設置される。これによって、ミシンによる縫製作業で発生しうる布ほこりや糸くずによる誤動作や検出不良を起こすことがなく、より安定性が高く正確な縫製を行えるミシンを提供可能となる。
(その他)
なお、実施例において位置指示器24の内部に設けられたコイル24b及びコンデンサ24cによるLC共振回路は1つだが、位置指示器24内に複数のLC共振回路が設けられていても構わない。また、送り台20の上部に位置指示器24が複数設けられていても構わない。
また、実施例において処理回路50の受信部52は電流を検出しているが、誘導電流により基準となる抵抗等に発生する電圧を検出することによって、誘導電流を検出しても構わない。
また、実施例において各ループコイルの巻線は、一回巻の巻線だが、それぞれ多数巻の巻線で構成しても良い。
また、実施例においては、送り台20のXY方向の水平移動位置を検出できるようにXY方向に対してそれぞれループコイルを設けたが、ミシンの機種によっては、XY方向の何れか一方向の送り台の水平移動位置を検出するようにしても良い。
本発明のミシンの一実施形態を示す斜視図である。 布保持枠10を有する送り台20とその近隣の構成を示す側面図である。 検出部30の構成を示す分解斜視図である。 タブレットセンサ部32の構成を示す分解斜視図の簡略図である。 位置指示器24の構成を示す側面図である。 タブレットセンサ部32の構成の一部を示すブロック図の簡略図である。 複数のX軸ループコイルC1〜Cnについての受信部52による電流検出結果の一例を示すグラフである。
符号の説明
10 布保持枠
11 下板
12 布押え外枠
20 送り台
23 エアシリンダ
24 位置指示器
30 検出部
31 押え板
32 タブレットセンサ部
40 リンク部材
50 処理回路
51 送信部
52 受信部

Claims (1)

  1. 縫い針を支持してミシンモータの駆動により上下動する針棒と、
    布を保持する布保持枠を有し、当該布保持枠を送りモータの駆動により前記縫い針の上下動方向と直交する平面上に水平移動する送り台と、
    前記送り台の上部に形成された当接部に当接する当接面を有する押え板と、
    前記縫い針の上下動経路に対する前記送り台の水平移動位置を検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段により検出された前記送り台の水平移動位置に基づいて、前記ミシンモータ及び前記送りモータの駆動を制御して前記布に縫い目を形成するミシンにおいて、
    前記位置検出手段は、
    前記押え板の前記当接面の裏面に並列に配置される複数のループコイルと、
    前記複数のループコイルに所定周波数の交流信号を供給する送信手段と、
    前記交流信号が供給されたループコイルから発生する磁界に反応して誘導電流を発生する同調用コイルと同調用コンデンサとにより構成され、前記当接部近傍に配置される被検出部材と、
    前記誘導電流により前記同調用コイルから発生する磁界の影響を受けて前記ループコイルに発生する誘導電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段から検出される誘導電流に基づいて、前記被検出部材の前記複数のループコイルに対する位置を判別する判別手段と、を備え、
    前記位置検出手段は、前記判別手段により判別された前記被検出部材の位置に基づいて、前記送り台の水平移動位置を検出することを特徴とするミシン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104911828A (zh) * 2015-06-18 2015-09-16 杰克缝纫机股份有限公司 一种用于缝纫机的自动调节角度的夹具

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