JP2009256824A - ナノファイバ製造装置、不織布製造装置、ナノファイバ製造方法 - Google Patents

ナノファイバ製造装置、不織布製造装置、ナノファイバ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】静電爆発により製造されたナノファイバを任意な場所に搬送しうるナノファイバ製造装置の提供。
【解決手段】ナノファイバ301の原料となる原料液300を空間中に噴射する噴射手段201と、原料液300に電荷を付与して帯電させる帯電手段202と、製造されたナノファイバ301を案内する風洞を形成する案内体206と、案内体206の内部にナノファイバ301を案内する気体流を発生させる気体流発生手段203とを備える。
【選択図】図1

Description

本願発明は、エレクトロスピニング法(静電爆発)を用いてナノファイバを製造するナノファイバ製造装置、及び、エレクトロスピニング法で製造されるナノファイバを堆積させて不織布を製造する不織布製造装置に関し、特に、ナノファイバを高密度に製造し、高密度に堆積させるナノファイバ製造装置、不織布製造装置に関する。
高分子物質などから成り、サブミクロンスケールの直径を有する糸状(繊維状)物質(ナノファイバ)を製造する方法として、エレクトロスピニング(電荷誘導紡糸)法が知られている。
このエレクトロスピニング法とは、溶媒中に高分子物質などを分散または溶解させた原料液を空間中にノズルなどにより噴射(吐出)させるとともに、原料液に電荷を付与して帯電させ、空間を飛行中の原料液を静電爆発させることにより、ナノファイバを得る方法である。
より具体的には、空間を飛行中の原料液の粒から溶媒が蒸発するに伴い原料液の体積は減少していくが、原料液に付与された電荷は維持されるため、結果として原料液の粒の電荷密度が上昇する。そして、溶媒は、継続して蒸発するため、原料液の粒の電荷密度がさらに高まり、原料液の粒の中に発生する反発方向のクーロン力が原料液の表面張力より勝った時点で高分子溶液が爆発的に線状に延伸される現象(静電爆発)が生じる。この静電爆発が、空間において次々とねずみ算式に発生することで、直径がサブミクロンの高分子から成るナノファイバが製造される(例えば、特許文献1参照)。
前記エレクトロスピニング法により製造されるナノファイバを糸や不織布の原料として用いる場合、大量のナノファイバを高密度で収集する必要がある。そのために、例えば特許文献2には、ナノファイバを収集するための電極である収集電極に向けて原料液を噴射する多数のノズルを配置し、多量のナノファイバを高密度で製造する発明が記載されている。
特開2005−330624号公報 特開2002−201559号公報
ところが上記のようにエレクトロスピニング法は、ノズルと収集電極との間に高電圧を発生させ、帯電したナノファイバを電界により収集する。従って、原料液を噴射するノズルの数を増やしただけでは、ノズル同士で電界干渉が生じ、ノズルと収集電極との間の電界が安定しなかったり、同極性に帯電するナノファイバ同士で干渉が起こり、空間中のナノファイバの密度に粗密が生じたりすることで、安定した状態でナノファイバを収集することが困難となっている。
さらに、収集電極の上には同極性に帯電する絶縁体の物質であるナノファイバが堆積していくため、一定量以上ナノファイバを収集しにくい状態となる。
本願発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ナノファイバを大量に安定して製造し、また、安定した状態で収集することのできるナノファイバ製造装置、ナノファイバからなる不織布製造装置などの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明にかかるナノファイバ製造装置は、ナノファイバの原料となる原料液を空間中に噴射する噴射手段と、前記原料液に電荷を付与して帯電させる帯電手段と、製造されたナノファイバを案内する風洞を形成する案内体と、前記案内体内部に前記ナノファイバを案内する気体流を発生させる気体流発生手段とを備えることを特徴とする。
これにより、静電爆発により製造されるナノファイバを案内体内方に流通する気体流で所定の場所に搬送することが可能となる。従って、電界に影響されることなく均一にナノファイバを収集することが可能となる。
また、前記案内体は、前記ナノファイバの案内方向を変更する屈曲部を備えることが好ましい。
これにより、所望する形態や状態のナノファイバのみを収集することが可能となる。
さらに、前記製造されたナノファイバを除電する除電手段を備えてもかまわない。
これによれば、同極性に帯電するナノファイバ同士が反発しあうことがなくなり、気体流でナノファイバを容易に案内することが可能となる。
さらに、前記気体流を構成する気体を加熱する加熱手段を備えることが好ましい。
これによれば、噴射された原料液から溶媒を強制的に蒸発させることが可能となり、静電爆発を促進しナノファイバを効率よく製造することが可能となる。
また、ナノファイバの原料となる原料液を空間中に噴射する噴射手段と、前記原料液に電荷を付与して帯電させる帯電手段と、製造されたナノファイバを案内する風洞を形成する案内体と、前記案内体内部に前記ナノファイバを案内する気体流を発生させる気体流発生手段と、通気性を備えると共に案内された前記ナノファイバを収集する収集体とを備える不織布製造装置においても、上記作用効果を享受することが可能となる。
さらに、前記収集体の前記ナノファイバが収集される側と反対側に前記気体流を構成する気体を吸引する吸引手段を備えることにより、厚さの厚い不織布を製造することが可能となる。
前記吸引手段は、複数個設けられており、前記吸引手段の吸引量を個別に制御する吸引制御手段を備えることが好ましい。
これにより、収集体上に堆積するナノファイバの厚み分布をコントロールすることが可能となる。
さらに、前記吸引手段の吸引領域を規制する領域規制手段を前記収集体の前記ナノファイバが収集される側と反対側に備えることが好ましい。
これにより、より効果的に収集体に気体流を通過させることが可能となる。
本願発明によれば、製造されたナノファイバを気体流により搬送するため、大量に製造されたナノファイバを所定の空間中に高い密度で安定して存在させることが可能となる。従って、ナノファイバを安定して多量に収集することができる。
次に、本願発明にかかるナノファイバ製造装置、及び、ナノファイバ製造装置を備える不織布製造装置の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(実施の形態1)
図1は、本願発明の実施の形態である不織布製造装置を模式的に示す断面図である。
同図に示すように、不織布製造装置100は、ナノファイバ製造装置200と、収集体101と、吸引手段102と、領域規制手段103と、搬送手段104と、吸引制御手段105と、溶剤回収装置106とを備えている。
収集体101は、空間中で製造されるナノファイバが堆積する対象となる部材であり、気体流により案内されるナノファイバを収集するため、通気性を備えた部材となされている。本実施の形態の場合、収集体101は、堆積したナノファイバと容易に分離可能な材質で構成された薄く柔軟性のある長尺のシート状の部材である。具体的には、収集体101として、アラミド繊維からなる長尺の網を例示することができる。さらに、表面にテフロン(登録商標)コートを行うと、収集したナノファイバの剥離性が向上するため好ましい。また、収集体101は、ロール状に巻き付けられた状態で供給ロール111から供給されるものとなっている。
搬送手段104は、長尺の収集体101を巻き取りながら供給ロール111から引き出し、ナノファイバ製造装置200の近傍をゆっくりと移動させ、収集体101上に堆積するナノファイバを搬送するものとなっている。搬送手段104は、ナノファイバが堆積してなる不織布を収集体101とともに巻き取ることができるものとなっている。
吸引手段102は、収集体101のナノファイバが収集される側と反対側、すなわち、ナノファイバ製造装置200が配置される側と反対側に配置され、ナノファイバ製造装置200から収集体101を通過して流れ来る気体流を構成する気体を吸引する装置である。本実施の形態では、不織布製造装置100は、吸引手段102として、シロッコファンや軸流ファンなどの送風機を備えている。また、吸引手段102は、ダクト121の内部に配置されており、蒸発した溶媒が混ざった気体流を吸引すると共に、ダクト121を通過して溶剤回収装置106まで搬送することができるものとなっている。
吸引制御手段105は、吸引手段102と電気的に接続され、吸引手段102の吸引量を制御する装置である。本実施の形態では吸引手段102として送風機が採用されており、吸引制御手段105は、前記送風機の回転数を制御することにより気体の吸引量を制御している。
領域規制手段103は、吸引手段102の吸引領域を規制する機能を有し、収集体101のナノファイバが収集される側と反対側にあって、収集体101と吸引手段102との間に配置される両端が開放状態の筒体である。領域規制手段103の形状は、ナノファイバ製造装置200のナノファイバが放出される端部形状に対応することが好ましく、例えば、前記端部形状が矩形であれば、領域規制手段103も矩形の筒体が好ましい。また、前記端部形状が円筒形であれば、領域規制手段103も円筒形が好ましい。
ナノファイバ製造装置200は、帯電させた原料液300を空間中に噴射し、空間中で静電爆発を発生させてナノファイバ301を製造する装置であり、噴射手段201と、帯電手段202と、気体流発生手段203と、気体流制御手段204と、加熱手段205と、案内体206と、除電手段207とを備えている。
なお、ナノファイバを製造するための原料液については原料液300と記し、製造されたナノファイバについてはナノファイバ301と記すが、製造に際しては原料液300とナノファイバ301との境界は曖昧であり、明確に区別できるものではない。
図2は、原料液放出部を示す断面図である。
図3は、原料液放出部を示す斜視図である。
なお、原料液放出部290とは、噴射手段201、帯電手段202、気体流発生手段203の一つである第一気体流発生手段231(下記参照)、気体流制御手段204(下記参照)、加熱手段205(下記参照)など、原料液300を案内体206に放出するための部材群の総称である。
噴射手段201は、原料液300を空間中に噴射する装置であり、回転容器211と、回転軸体212と、モータ213とを備えている。
回転容器211は、原料液300を一時的に貯留し、貯留する原料液300を空間中に噴射することのできる容器であり、一端が閉塞された円筒形状となされ、周壁には噴射口216を多数備えている。回転容器211の他端部は、内方に突出するフランジ部214を備えている。当該フランジ部214は、回転容器211の内部に所定量の原料液300を貯留するための堤として機能するものである。また、回転容器211は、貯留する原料液300に電荷を付与するため、導電体で形成されている。
回転軸体212は、回転容器211を回転させ遠心力により原料液300を噴射させるための駆動力を伝達するための軸体であり、回転容器211の他端から回転容器211の内部に挿通され、回転容器211の閉塞部と一端部が接合される棒状体である。また、他端はモータ213の回転軸と接合されている。
帯電手段202は、原料液300に電荷を付与して帯電させる装置であり、誘導電極221と、誘導電源222と、接地手段223とを備えている。
誘導電極221は、自身がアースに対し高い電圧となることで、近傍に配置され接地されている回転容器211に電荷を誘導するための部材であり、回転容器211の先端部分を取り囲むように配置される円環状の部材である。
誘導電源222は、誘導電極221に高電圧を印加することのできる電源である。なお、誘導電源222は、直流でも交流でもかまわない。
具体的には、回転容器211の直径は、10mm以上300mm以下の範囲から採用されることが好適である。あまり大きすぎると気体流により原料液300やナノファイバ301を集中させることや回転容器を安定して回転させるには回転容器を支持する構造が強固にさせる必要があることがあり困難になるからである。一方、小さすぎると遠心力により原料液300を噴射させるための回転を高めなければならず、モータの負荷や振動など問題が発生するためである。さらに回転容器211の直径は、20mm以上100mm以下の範囲から採用することが好ましい。また、噴射口216の形状は円形が好ましく、その直径は、0.01mm以上2mm以下の範囲から採用することが好適である。
モータ213は、遠心力により原料液300を噴射口216から噴射させるために、回転軸体212を介して回転容器211に回転駆動力を付与する装置である。なお、回転容器211の回転数は、噴射口216の口径や使用する原料液300の粘度や原料液内の高分子物質の種類などとの関係により、数rpm以上、10000rpm以下の範囲から採用することが好ましく、本実施の形態のようにモータ213と回転容器211とが直動の時はモータ213の回転数は、回転容器211の回転数と一致する。
誘導電極221の大きさは、回転容器211の直径よりも大きい必要があるが、その直径は、200mm以上、800mm以下の範囲から採用されることが好適である。
誘導電源222は、誘導電極221に高電圧を印加することのできる電源である。なお、誘導電源222は、一般には、直流電源が好ましい。特に、発生させるナノファイバ301の帯電極性に影響を受けないような場合、生成したナノファイバ301の帯電を利用して、電極上に回収するような場合には、直流電源が好ましい。また、それ以外の場合には、交流電源でもかまわない。また、誘導電源222が直流電源である場合、誘導電源222が誘導電極221に印加する電圧は、10KV以上、200KV以下の範囲の値から設定されるのが好適である。なお、誘導電極221は、回転容器211から所定の距離を有して回転容器211を囲むように配置されていればよく、回転容器211を囲むような環状の金属線のようなものでもよい。
特に、回転容器211と誘導電極221との間の電界強度が重要であり、1KV/cm以上の電界強度になるように印加電圧や誘導電極221の配置を行うことが好ましい。
接地手段223は、回転容器211と電気的に接続され、回転容器211を接地電位に維持することができる部材であり、その一端は回転容器211が回転状態であっても電気的な接続状態を維持することができるようにブラシとして機能するものであり、回転容器211が回転している場合においても、回転容器211に対して多点で安定して接触するようになっており、確実に他端は大地と接続されている。なお、回転容器211を接地する方法としては、回転軸体212が導電体である場合には、回転軸体に対して同様にブラシとして接触させて、回転容器211を接地させてもよい。
本実施の形態のように帯電手段202に誘導方式を採用すれば、回転容器211を接地電位に維持したまま原料液300に電荷を付与することができる。回転容器211が接地電位の状態であれば、回転容器211に接続される回転軸体212やモータ213などの部材を回転容器211から電気的に絶縁する必要が無くなり、噴射手段201として簡単な構造を採用しうることになり好ましい。
なお、帯電手段として、回転容器211に直接電源を接続し、回転容器211を高電圧に維持して原料液300に電荷を付与してもよい。また、回転容器211を絶縁体で形成すると共に、回転容器211に貯留される原料液300に直接接触する電極を回転容器211内部に配置し、当該電極を用いて原料液300に電荷を付与するものでもよい。
気体流発生手段203の一つである第一気体流発生手段231は、特に、回転容器211から噴射される原料液300の飛行方向を案内体206の方向に変更するための気体流を発生させる装置である。本実施の形態の場合、第一気体流発生手段231として、周りにある雰囲気(空気)を強制的に送風する軸流ファンを備える送風機が採用されている。第一気体流発生手段231は、モータ213の背部に備えられ、モータ213から回転容器211の先端に向かう気体流を発生させる。第一気体流発生手段231は、遠心力により回転容器211から径方向に噴射される原料液300を誘導電極221に到達するまでに軸方向に変更することができる風力を発生させることができるものとなっている。
なお、図2において、気体流は矢印で示している。
また、第一気体流発生手段231は、シロッコファンなど他の送風機により構成してもかまわない。
気体流制御手段204は、気体流発生手段により発生する気体流が前記噴射口に当たらないよう前記気体流を制御する機能を有するものであり、本実施の形態の場合、気体流制御手段204として、気体流を所定の領域に流れるように案内する風路体が採用されている。気体流制御手段204は、第一気体流発生手段231で発生する気体流が導入される円環状の導入口241を備え、前記気体流が、噴射口216に直接当たることなく、かつ、回転容器211から径方向に噴射される原料液300を軸方向に変換できる領域に気体流を導出する導出口242を備えている。また、導入口241と導出口242を結ぶ風路243を備えている。なお、導入口241と導出口242と風路243とは樹脂製の風路体により形成されている。
なお、気体流制御手段204は、噴射口216の風上に配置され気体流が噴射口216近傍に到達するのを防止する壁状の防風壁でもかまわない。
加熱手段205は、第一気体流発生手段231が発生させる気体流を構成する気体(安全ガス)を加熱する加熱源である。本実施の形態の場合、加熱手段205は、風路243内の導入口241近傍に配置される円環状のヒータであり、加熱手段205を通過する気体を加熱することができるものとなっている。
加熱手段205により気体流を加熱することにより、空間中に噴射される原料液300は、蒸発が促進され効率よくナノファイバを製造することが可能となる。
図1の参照に戻る。
案内体206は、原料液放出部290から放出される原料液300やナノファイバ301が所定の飛行経路を通過するように案内する風洞を形成する部材である。より詳細には、案内体206は、気体流発生手段203により発生する気体流を案内することにより原料液300やナノファイバ301を案内する筒状の部材である。
案内体206は、原料液放出部290から放出される原料液300やナノファイバ301を第一気体流発生手段231が発生させる気体流と共に受け入れることのできる導入開口部261を基端部に備えている。導入開口部261は、原料液300やナノファイバ301を十分に案内体206内部に導入できる大きさを備えている。導入開口部261は、誘導電極221以上の大きさが望ましい。
案内体206は、導入開口部261に続く静電爆発部262を備えている。静電爆発部262は、原料液300が十分に静電爆発し、ナノファイバ301が製造できる空間を形成する案内体206の部位である。
案内体206は、静電爆発部262に続き除電部263を備えている。除電部263は、静電爆発により製造され、未だ帯電状態にあるナノファイバ301を除電するための空間を形成する案内体206の部位である。除電部263は、ナノファイバ301が自然に除電される十分な長さを備えても良く、また、ナノファイバ301を強制的に除電する除電手段207を備えてもかまわない。
除電手段207は、帯電しているナノファイバ301を強制的に除電する装置であり、帯電しているナノファイバ301の極性と逆の極性を備えるイオンや粒子を空間中に放出することができる装置である。具体的には、コロナ放電方式や電圧印加方式、交流方式、定常直流方式、パルス直流方式、自己放電式、軟X線方式、紫外線式、放射線方式など任意の方式からなる除電手段207を採用して良い。
案内体206は、除電部263に続く収縮部264を備えている。収縮部264は、気体流の上流から下流に向けて口径(面積)が徐々に小さくなる案内体206の部位であり、当該テーパ形状により、ナノファイバ301が空間中に存在する密度を向上させる機能を備えている。収縮部264は、気体流の上流側と下流側にそれぞれ気体流導入口233を備えている。気体流導入口233は、気体流発生手段203の一つである第二気体流発生手段232に接続され案内体206内部に高速の気体流を導入するための開口である。気体流導入口233は、収縮部264の口径の大きい側から口径の小さい側に向かって気体流を噴出できる方向に向かって設けられている。
第二気体流発生手段232は、高圧ガスを案内体206内部に導入することで気体流を発生させる装置である。具体的には、第二気体流発生手段232は、高圧ガスを貯留しうるタンク(ボンベ)と、タンクにガスを強制的に導入するポンプと、タンク内の高圧ガスの圧力を調節するバルブを有するガス導出手段を備える装置を例示することができる。
なお、第二気体流発生手段232が供給するガスは、空気でもかまわないが、酸素含有比率が空気よりも低い安全ガスが望ましい。原料液300から蒸発する溶媒による爆発を回避するためである。安全ガスとしては、空気から酸素を樹脂膜(中空糸膜)によりある程度除去した低酸素濃度ガスや、過熱水蒸気を挙示することができる。なお、本記載は酸素の含有がほとんどない高純度なガスなどの使用を除外するものではなく、液体や気体等の状態でボンベに封印された高純度な窒素やドライアイスから供給される二酸化炭素なども利用可能である。
また、第二気体流発生手段232により発生する気体流を加熱する加熱手段を設けてもかまわない。
以上の案内体206と気体流発生手段203などにより、製造されたナノファイバ301は、帯電が中和され、高密度状態で収集体101に到達し収集体101上に堆積する。従って、電界の影響によって空間に密度の粗密が発生しにくくなり、安定した状態で均一にナノファイバ301を堆積状態で収集することが可能となる。また、収集体101の近傍には高電圧の部材が存在しないため、絶縁対策に必要な装置などが不要となり、感電など人体に対する安全性を高めることができる。
次に、ナノファイバ301の製造方法の概略を説明する。
まず、気体流発生手段203により、原料液放出部290や案内体206内部に気体流を発生させる。一方、吸引手段102により、収集体101よりも下流側から前記気体流を吸引する。
次に、回転容器211に原料液300を供給する。原料液300は、別途タンク(図示せず)に蓄えられており、原料液供給路217(図1参照)を通過して回転容器211の他端部から回転容器211内部に供給される。次に、誘導電源222により回転容器211に貯留される原料液300に電荷を供給しつつ、回転容器211をモータ213により回転させて、遠心力により噴射口216から帯電した原料液300を噴射する。
ここで、ナノファイバ301を製造するための原料液300としては、エポキシ系樹脂や、ポリイミド系樹脂、LCP(液晶ポリマー)樹脂などに、有機溶媒を溶解、混合するものが例示できる。
さらに、他の溶質として例示できる物質は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ナイロン、アラミド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等である。また、上記1種を用いてもよく、また、複数の種類を所定の比率で混合して用いてもよい。
また、原料液に無機質固体材料を添加してもかまわない。無機質固体材料により得られるナノファイバの特性を変えることが可能である。無機質固体材料としては、金属、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、珪化物、弗化物、硫化物等を例示することができる。さらに、無機質固体材料の具体例としては、Al23、SiO2、TiO2、Li2O、Na2O、MgO、CaO、SrO、BaO、B23、P25、SnO2、ZrO2、K2O、Cs2O、ZnO、Sb23、As23、CeO2、V25、Cr23、MnO、Fe23、CoO、NiO、Y23、Lu23、Yb23、HfO2、Nb25等を挙示できる。また、上記1種を用いてもよく、また、複数の種類を所定の比率で混合して用いてもよい。
原料液に使用できる溶媒としては、原料液が空間を飛行中に蒸発(揮発)するものが好ましい。具体的には、アセトニトリル、トルエン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールなどのアルコール、アセトンなどが例示できる。さらには、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、水等を例示することができる。また、上記1種を用いてもよく、また、複数の種類を所定の比率で混合して用いてもよい。
原料液の中の溶媒の占める割合は、60%位から98%位が好適で、使用するファイバの材料、溶媒の種類、生成するファイバの径等で決定を行う。
噴射された原料液300は、気体流により飛行方向が変更される。これにより、ナノファイバ301の堆積面に対し垂直または略垂直に噴射口216を並べることができ、一定の空間中に多量の原料液300を噴射することが可能となる。また、気体流が加熱されているため、溶媒の蒸発が促進され、静電爆発が促進され効率よくナノファイバ301を製造することが可能となる。
ここで、原料液300の飛行方向を変更し溶媒の蒸発を促進させる気体流は、気体流制御手段204により噴射口216およびその近傍に到達しないように制御されている。従って、噴射口216の近傍では原料液300に含まれる溶媒の蒸発が促進されにくい状態となるため、溶質により噴射口216が狭められ、また、封鎖されることが無い。よって、回転容器211から長期間原料液300を噴射し続けても、噴射量が低下することを可及的に抑止することができる。つまり、空間中の原料液300やナノファイバ301の濃度を高い状態で長期間維持することが可能となる。
そして、製造されたナノファイバ301は、案内体206の内方を気体流に乗って搬送され、高密度状態で収集体101に到達する。収集体101は、背部(下流側)から気体流が吸引手段102により吸引されているため、フィルタとして機能し、ナノファイバ301と気体流とを分離してナノファイバ301のみを堆積させながら収集する。ナノファイバ301が堆積する収集体101は、搬送手段104の巻き取りにより一定の移動速度で移動しており、収集体101の上に堆積したナノファイバ301は、不織布を形成しながら収集体101と共に移動し、搬送手段104に巻き取られる。
以上のように、本実施の形態に係る不織布製造装置100は、原料液300や製造されたナノファイバ301の空間中の濃度を高い状態にし、かつ、当該高い濃度状態のナノファイバ301を収集することが可能となる。従って、高い品質の不織布を安定して製造し続けることが可能となる。
なお、加熱手段により、気体流を構成する気体を加熱しているが、その温度は、溶媒の蒸発する速度により、大きく異なる場合があり、実験の結果、ナノファイバを案内する気体流の温度を40℃以上80℃以下の範囲に含まれる温度となるように制御することで、ナノファイバの繊維径が安定し、高性能のナノファイバを生成することができる。
(実施の形態2)
次に、他の実施の形態を説明する。なお、本実施の形態では、上記実施の形態と共通する部分はその説明を省略する。
図4は、他の実施の形態である不織布製造装置を模式的に示す断面図である。
不織布製造装置100は、ナノファイバ製造装置200を備え、ナノファイバ製造装置200が備える案内体206は、収縮部264に続く屈曲部265を備えている。屈曲部265は、気体流の方向を変えることによりナノファイバ301の飛行方向を変更する案内体206の部位である。案内体206は、屈曲部265を備えることにより、概略的には軸方向の異なる二つの筒状態が滑らかに接続された形状となされている。
案内体206に屈曲部265を設けることで、静電爆発が生じなかった原料液300や、静電爆発が不十分で微細化しきれなかったナノファイバ301と、十分に微細化されたナノファイバ301とを分離することができ、十分に微細化されたナノファイバ301のみを収集体101に到達させることが可能となる。
案内体206は、収縮部264に続く拡張部266を備えている。拡張部266は、収縮部264で強制的に収縮されナノファイバ301が高密度に存在する空間を拡大することで、ナノファイバ301の密度を低下させると共に、広範囲にわたり均一にナノファイバ301を分散させる案内体206の部位である。
不織布製造装置100は、拡張部266に対応する領域に吸引手段102を複数備え、各吸引手段102に対応するように区画される領域規制手段103を備えている。
吸引制御手段105は、複数ある吸引手段102それぞれに接続され、それぞれの吸引手段102の吸引量を個別に制御することができるものとなっている。
以上により、領域規制手段103により区画される領域ごとに収集体101を通過する気体流の流量を制御することが可能となる。すなわち、収集体101に堆積するナノファイバ301の堆積する速度を収集体101の領域ごとに制御することが可能となる。従って、収集体101上に堆積するナノファイバ301の厚みをきめ細やかに制御して、均一な不織布を製造することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、遠心力により原料液300を噴射する噴射手段201を例示して説明したが、噴射手段201はこれに限定されるわけではない。たとえば、静止した小孔から帯電した原料液300を圧力により噴射させるものでもかまわない。
本発明は、ナノファイバ製造装置や、製造されたナノファイバを用いて紡糸する装置、製造されたナノファイバを用いて不織布を製造する装置などに利用可能である。
本願発明の実施の形態である不織布製造装置を模式的に示す断面図である。 原料液放出部を示す断面図である。 原料液放出部を示す斜視図である。 他の実施の形態である不織布製造装置を模式的に示す断面図である。
符号の説明
100 不織布製造装置
101 収集体
102 吸引手段
103 領域規制手段
104 搬送手段
105 吸引制御手段
106 溶剤回収装置
111 供給ロール
121 ダクト
200 ナノファイバ製造装置
201 噴射手段
202 帯電手段
203 気体流発生手段
204 気体流制御手段
205 加熱手段
206 案内体
207 除電手段
211 回転容器
212 回転軸体
213 モータ
214 フランジ部
216 噴射口
217 原料液供給路
221 誘導電極
222 誘導電源
223 接地手段
231 第一気体流発生手段
232 第二気体流発生手段
233 気体流導入口
241 導入口
242 導出口
243 風路
261 導入開口部
262 静電爆発部
263 除電部
264 収縮部
265 屈曲部
266 拡張部
290 原料液放出部
300 原料液
301 ナノファイバ

Claims (10)

  1. ナノファイバの原料となる原料液を空間中に噴射する噴射手段と、
    前記原料液に電荷を付与して帯電させる帯電手段と、
    製造されたナノファイバを案内する風洞を形成する案内体と、
    前記案内体内部に前記ナノファイバを案内する気体流を発生させる気体流発生手段と
    を備えるナノファイバ製造装置。
  2. 前記案内体は、前記ナノファイバの案内方向を変更する屈曲部を備える請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
  3. さらに、
    前記製造されたナノファイバを除電する除電手段を備える請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
  4. さらに、
    前記気体流を構成する気体を加熱する加熱手段を備えるナノファイバ製造装置。
  5. ナノファイバの原料となる原料液を空間中に噴射する噴射手段と、
    前記原料液に電荷を付与して帯電させる帯電手段と、
    製造されたナノファイバを案内する風洞を形成する案内体と、
    前記案内体内部に前記ナノファイバを案内する気体流を発生させる気体流発生手段と、
    通気性を備えると共に案内された前記ナノファイバを収集する収集体と
    を備える不織布製造装置。
  6. さらに、
    前記収集体の前記ナノファイバが収集される側と反対側に前記気体流を構成する気体を吸引する吸引手段を備える請求項5に記載の不織布製造装置。
  7. 前記吸引手段は、複数個設けられており、
    前記吸引手段の吸引量を個別に制御する吸引制御手段を備える請求項6に記載の不織布製造装置。
  8. さらに、
    前記吸引手段の吸引領域を規制する領域規制手段を前記収集体の前記ナノファイバが収集される側と反対側に備える請求項6に記載の不織布製造装置。
  9. 前記収集体は、長尺のシートであり、
    前記収集体を移動させ堆積されたナノファイバを搬送する搬送手段を備える請求項5に記載の不織布製造装置。
  10. ナノファイバの原料となる原料液を空間中に噴射する噴射ステップと、
    前記原料液に電荷を付与して帯電させる帯電ステップと、
    製造されたナノファイバを案内する気体流を発生させる気体流発生ステップと、
    前記気体流を構成する気体を加熱する加熱ステップと、
    前記ナノファイバを案内する気体流の温度を40℃以上80℃以下の範囲に含まれる温度となるように制御する制御ステップと
    を含むナノファイバ製造方法。
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