JP2009251637A - 車両事故防止ロボット及び車両事故防止システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両通行道路における保全作業現場に設置され、通行車両が接近してきたときに警報を発する車両事故防止ロボットであって、接近してくる通行車両までの距離を遠隔検知する距離検知手段と、該距離検知手段による検知距離に基づき、通行車両が保全作業現場に進入する可能性を判定する進入可能性判定手段と、該進入可能性判定手段により、通行車両が進入する可能性があると判定されるときに、作業関係者が装着する受信機に対して、避難警報電波を発する対作業関係者無線警報手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本実施形態にかかる車両事故防止システム1は、車両通行道路、特に高速道路における保全作業現場Sに設置されて、保全作業現場Sが設けられている車線内を走行する通行車両Mが所定距離以内の位置まで接近してきたときに警報を発する車両事故防止ロボット2と、保全作業現場Sの作業関係者Wに装着されて、車両事故防止ロボット2から発せられる避難警報電波を受信する携帯型の受信機9と、を備えてなる。
車両事故防止ロボット2は、図1に示されるように、自らが設置される保全作業現場Sへ接近してくる通行車両Mまでの距離Xを遠隔検知する距離検知手段3と、距離検知手段3による検知距離に基づき、通行車両Mが保全作業現場S内に進入する可能性を判定する進入可能性判定手段4と、進入可能性判定手段4により、通行車両Mが保全作業現場S内に進入する可能性があると判定されるときに、保全作業現場Sの作業関係者Wが装着する受信機9に対して避難警報電波を発する対作業関係者無線警報手段5と、上記と同じ判定がなされるときに、通行車両Mに搭載されるETC受信機Eに対して事故回避警報電波を発する対運転者無線警報手段6を備えてなる。
距離検知手段3には、レーダー装置31及びステレオ画像認識装置32が採用される。レーダー装置31は、保全作業現場Sへ接近してくる通行車両Mに対してミリ波帯域の電波を照射する一方、通行車両Mからの反射電波を受信して、その電波の往復時間に基づいて通行車両Mまでの距離を検知する。電波を送受信するための送受信アンテナ311は、表示板7の表示面に後方正面へ向けられた状態で搭載されており、通行車両Mからの反射電波を確実に捉えるため、図3(a)に示されるように、通行車両Mの前面部分(例えばラジエータグリル)と略正対する高さに設けられている。
進入可能性判定手段4は、距離検知手段3から出力される検知距離が予め設定された所定距離以下の場合に、通行車両Mが保全作業現場S内に進入する可能性があると判定する。当該所定距離は、ロボットが設置される道路状況に応じて、不図示の入力手段から人手で設定入力されるものであって、本実施形態のような高速道路の場合、例えば保全作業現場Sの作業関係者Wが退避するために必要な時間を10秒とし、通行車両Mが時速100キロメートル(秒速約27メートル)で接近してくると想定して、27メートル×10秒=270メートルと設定する。進入可能性判定手段4は、通行車両Mが保全作業現場S内に進入する可能性があると判定した場合、対作業関係者無線警報手段5及び対運転者無線警報手段6に対して、これらを駆動させるための指示信号を出力する。なお、上記所定距離とは異なる距離を別途設定しておき、例えば300メートル手前に通行車両が到達した時点で予備的な警告(例えば小音量の警告)を出させたり、150メートル手前に到達した時点で緊急的な警告(例えば大音量の警告)に切り替えたりするようにしても良い。
対作業関係者無線警報手段5は、図1に示されるように、音声合成装置51と音声無線送信機52を備えてなり、進入可能性判定手段4からの信号出力を受けて、避難を指示するメッセージを音声合成装置51で生成し、避難警報電波として、音声無線送信機52で保全作業現場Sの作業関係者Wが装着する受信機9に対して送信する。
対運転者無線警報手段6(図1)は、ETC無線送信機であって、進入可能性判定手段4からの信号出力を受けて、接近してくる通行車両Mに向けて事故回避警報電波を送信する。接近してくる通行車両MにETC受信機が搭載されている場合には、運転者に対してETCスピーカーから警報音を出して、事故を回避する対応を促す。これにより、居眠りや脇見で前方を見ていない運転者に対しても警報を確実に伝えることができる。特に、通行車両に搭載されているETC受信機を利用するので、通行車両オーナーに対して経済的負担を課すことなく、安全性を確保できる。
受信機9は、作業関係者Wが装着するヘルメットに設けられる携帯受信機であって、同ヘルメットに内蔵される骨伝導イヤホン(不図示)を備え、当該イヤホンを通じて作業関係者Wに避難を指示する避難警報メッセージが発報される。これにより、通行車両や保全作業用機器(例えばコンプレッサや掘削機)による騒音が大きい場合でも、作業関係者Wに対して避難警報メッセージを確実に伝えることができる。
第一に、車両事故防止システム1は、保全作業現場Sに設置される車両事故防止ロボット2に、その設置場所である保全作業現場Sにおいて、保全作業現場Sから通行車両Mまでの距離をレーダーやカメラで遠隔検知することができる距離検知手段3を備えるので、作業関係者が通行車両の接近を検知するセンサ類を道路上に出て設置、移動、回収するという危険な作業をせずに済むものである。
上記実施形態では、車両事故防止ロボット2を、図2に示されるような大型の表示板7として構成し、トラック型の作業車両Vの荷台状部分に搭載する場合について説明したが、図1のブロック図と同じ構成を備える車両事故防止ロボットを、図4に示されるように、小型化された表示板7として乗用車型の作業車両Pのトランクに搭載するようにしても良い。そして、普段は、表示板7をトランク内部に倒した状態で格納しておき、道路上で作業を開始する場合には、トランクドアDを開放させるとともに、開放されたトランク内で表示板7を起立させて、表示面が車両後方を向くようにセットする。例えば、パトカー等の警察車両を道路上(路肩)に止めて、そこを警察による交通事故の現場検証作業や速度違反の取締り作業の作業現場とするような場合に使用することができる。図4では、上記実施形態と同じ機能を有する部分に同一符号を表示する。なお、表示板7をトランクドアDとリンクで連結しておき、トランクドアDの開放に伴って、その表示面が車両後方に向けられるようにしても良いし、あるいは、表示板7にこれを倒伏及び起立させる駆動装置を取り付けておき、その駆動装置によって表示面が車両後方へ自動的に向けられるようにしても良い。また、上記変形例のように、表示板7を乗用車Pのトランク内に搭載し、セットするほか、例えば、バン型車両の荷室に搭載しておき、バックドアを開放してセットすることとしても良い。
2 車両事故防止ロボット
3 距離検知手段
4 進入可能性判定手段
5 対作業関係者無線警報手段
6 対運転者無線警報手段
7 表示板
8 対運転者注意手段
9 受信機
Claims (8)
- 車両通行道路における作業現場に設置されて、作業現場に通行車両が接近してきたときに警報を発する車両事故防止ロボットであって、
作業現場へ接近してくる通行車両までの距離を遠隔検知する距離検知手段と、
該距離検知手段による検知距離に基づき、通行車両が作業現場に進入する可能性を判定する進入可能性判定手段と、
該進入可能性判定手段により、通行車両が作業現場に進入する可能性があると判定されるときに、作業現場の作業関係者が装着する受信機に対して、避難警報電波を発する対作業関係者無線警報手段と、
を備えることを特徴とする車両事故防止ロボット。 - 請求項1記載の車両事故防止ロボットであって、
該進入可能性判定手段により、通行車両が作業現場に進入する可能性があると判定されるときに、当該判定がなされた通行車両に搭載されるETC受信機に対して、事故回避警報電波を発する対運転者無線警報手段を備えることを特徴とする車両事故防止ロボット。 - 請求項1又は2記載の車両事故防止ロボットであって、
前記距離検知手段は、レーダー装置及びステレオ画像認識装置であって、
前記レーダー装置は、作業現場へ接近してくる通行車両に対して電波を照射するとともに通行車両からの反射電波を受信し、その往復時間に基づき、通行車両までの距離を検知するものであり、
前記ステレオ画像認識装置は、作業現場へ接近してくる通行車両をステレオカメラで撮像して、撮像された通行車両の各カメラ画像における位置の違いに基づき、通行車両までの距離を検知するものであることを特徴とする車両事故防止ロボット。 - 請求項3記載の車両事故防止ロボットであって、
前記カメラ画像に基づき、前記進入可能性判定手段による判定対象を制限する判定対象設定手段を備えており、
前記進入可能性判定手段は、前記判定対象設定手段により予め設定された車線内を走行する通行車両のみを判定対象とすることを特徴とする車両事故防止ロボットを提供する。 - 請求項3又は4記載の車両事故防止ロボットであって、
前記ステレオカメラは、カメラの撮像方向を変更可能なカメラ駆動装置を備えており、
該カメラ駆動装置は、カメラ画像における車両通行道路上の白線に基づき、カメラの撮像方向を自動設定することを特徴とする車両事故防止ロボット。 - 請求項3乃至5の何れかに記載の車両事故防止ロボットであって、
作業現場に接近してくる通行車両に対して表示される表示板を備えてなり、
該表示板に前記レーダー装置の電波を送受信するアンテナ及び通行車両を撮像するステレオカメラを搭載することを特徴とする車両事故防止ロボット。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の車両事故防止ロボットであって、
車両通行道路を自走可能な車両に搭載されていることを特徴とする車両事故防止ロボット。 - 請求項1乃至7の何れかに記載の車両事故防止ロボットと、作業現場の作業関係者に装着されて前記車両事故防止ロボットから発せられる避難警報電波を受信する受信機と、を備えてなる車両事故防止システムであって、
前記受信機は、作業関係者が装着するヘルメットに内蔵される骨伝導イヤホンを備え、該骨伝導イヤホンを通じて音声による避難警報を発報することを特徴とする車両事故防止システム。
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