JP2009237363A - レジスト下層膜用組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本レジスト下層膜用組成物は、側鎖にメタクリレート基を有する構成単位、及び側鎖にフェニル基を有する構成単位を含有するポリシロキサンと、溶剤と、を含む。
【選択図】なし
Description
しかしながら、回路基板における半導体素子等の高集積化が進むにつれて、露光工程において光マスクのパターンを正確にレジスト膜に転写することが困難となり、例えば、基板に対する微細加工プロセスにおいて、レジスト膜中に形成される光の定在波の影響により、形成されるパターンの寸法に誤差(狂い)が生じることがある。このような定在波の影響を軽減するために、レジスト膜と基板表面との間に反射防止膜が形成されている。
[1]下記式(1)で表される構成単位、及び下記式(2)で表される構成単位を含有するポリシロキサンと、溶剤と、を含むことを特徴とするレジスト下層膜用組成物。
[2]前記ポリシロキサンが、下記式(3)で表される構成単位を更に含有する前記[1]に記載のレジスト下層膜用組成物。
[4]紫外光の照射及び/又は加熱により酸を発生する酸発生化合物を更に含有する前記[1]乃至[3]のいずれかに記載のレジスト下層膜用組成物。
[5]前記[1]乃至[4]のいずれかに記載のレジスト下層膜用組成物を製造する方法であって、該レジスト下層膜用組成物に用いられるポリシロキサンを、アルコキシシランを出発原料として、有機溶媒中において、水及び触媒の存在下に加水分解及び/又は縮合させて調製する工程を有することを特徴とするレジスト下層膜用組成物の製造方法。
[1]レジスト下層膜用組成物
本発明のレジスト下層膜用組成物は、下記式(1)で表される構成単位[以下、「構成単位(1)」という。]、及び下記式(2)で表される構成単位[以下、「構成単位(2)」という。]を含有するポリシロキサン[以下、「ポリシロキサン(A)」という。]と、溶剤[以下、「溶剤(B)」という。]と、を含むことを特徴とする。
<構成単位(1)>
前記式(1)のXにおける直鎖状若しくは分岐状の炭素数2〜5のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基等が挙げられる。
また、前記メチレン基及びアルキレン基は、置換されていてもよく、具体的な置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、フェニル基等が挙げられる。
R4Si(OR5)3 (i)
〔式(i)において、R4は下記式(a)で表される基を表し、R5は1価の有機基を表す。〕
また、前記式(i)のR5における1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、γ−アミノプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−トリフロロプロピル基等の置換基を有していてもよいアルキル基等が挙げられる。これらのなかでも、メチル基、エチル基が好ましい。尚、各R5は全て同一であってもよいし、全て又は一部が異なっていてもよい。
尚、これらの単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記式(2)のR1における直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、i‐プロピル基、n‐ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
また、前記R1が−OR2である場合における、R2の直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、i‐プロピル基、n‐ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
R6Si(OR7)3 (ii)
〔式(ii)において、R6は下記式(b)で表される基を表し、R7は1価の有機基を表す。〕
また、前記式(ii)のR7における1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、γ−アミノプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−トリフロロプロピル基等の置換基を有していてもよいアルキル基等が挙げられる。これらのなかでも、メチル基、エチル基が好ましい。尚、各R7は全て同一であってもよいし、全て又は一部が異なっていてもよい。
尚、これらの単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記構成単位(3)を与える単量体としては、例えば、下記式(iii)で表されるシラン化合物等を挙げることができる。
Si(OR8)4 (iii)
〔式(iii)において、R8は1価の有機基を表す。〕
尚、これらの単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記式(4)におけるR3の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等が挙げられる。
R3’Si(OR10)3 (iv)
〔式(iv)において、R3’は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜4のアルキル基を表し、R10は1価の有機基を表す。〕
また、R10における1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、γ−アミノプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−トリフロロプロピル基等の置換基を有していてもよいアルキル基等が挙げられる。これらのなかでも、メチル基、エチル基が好ましい。尚、各R10は全て同一であってもよいし、全て又は一部が異なっていてもよい。
尚、これらの単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリシロキサン(A)は、前記構成単位(1)〜(4)以外にも、他の構成単位を更に含有していてもよい。
前記他の構成単位としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジクロロシラン、ジエトキシジビニルシラン等の単量体に由来する構成単位が挙げられる。
尚、この他の構成単位は、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
また、前記構成単位(2)の含有割合は、ポリシロキサン(A)に含まれる全ての構成単位の合計を100モル%とした場合に、30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜20モル%、更に好ましくは2〜15モル%である。この含有量が30モル%以下の場合には、193nmの波長での反射防止機能が良好であるため好ましい。
また、前記構成単位(4)の含有割合は、ポリシロキサン(A)に含まれる全ての構成単位の合計を100モル%とした場合に、90モル%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜50モル%、更に好ましくは2〜40モル%である。この含有量が90モル%以下である場合には、重合反応性の制御が容易となり、分子量の制御ができるため好ましい。
更に、前記他の構成単位の含有割合は、ポリシロキサン(A)に含まれる全ての構成単位の合計を100モル%とした場合に、30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜20モル%、更に好ましくは2〜10モル%である。この含有量が30モル%以下である場合には、良好な塗布性が確保できるため好ましい。
前記重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう)は、500〜100,000であることが好ましく、より好ましくは1000〜50,000、更に好ましくは1000〜10,000である。
尚、前記ポリシロキサン(A)は、本発明のレジスト下層膜用組成物に、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
前記「溶剤」としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸メチル、メチルイソブチルケトン、ジイソアミルエーテル、ジブチルエーテル、シクロヘキサノン等が挙げられる。
これらのなかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチルが好ましい。
尚、これらの溶剤(B)は、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
(3−1)酸発生化合物
本発明のレジスト下層膜用組成物には、前記ポリシロキサン及び溶剤以外に、紫外光の照射及び/又は加熱により酸を発生する酸発生化合物(以下、単に「酸発生剤」ともいう。)が含まれていてもよい。
このような酸発生剤を含有する場合には、レジストを露光することにより、又は露光後に加熱することにより、レジスト下層膜中に酸が発生し、該レジスト下層膜とレジスト膜との界面に酸が供給される。その結果、レジスト膜のアルカリ現像処理において、解像度及び再現性に優れたレジストパターンを形成することができる。
前記酸発生剤としては、紫外光照射処理を行うことによって酸を発生する化合物(以下「潜在性光酸発生剤」ともいう。)及び加熱処理を行うことによって酸を発生する化合物(以下「潜在性熱酸発生剤」ともいう。)が挙げられる。
前記潜在性光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩系光酸発生剤類、ハロゲン含有化合物系光酸発生剤類、ジアゾケトン化合物系光酸発生剤類、スルホン酸化合物系光酸発生剤類、スルホネート化合物系光酸発生剤類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記潜在性熱酸発生剤としては、例えば、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩を用いることができ、これらのなかでも、スルホニウム塩及びベンゾチアゾリウム塩が好ましい。より具体的な化合物としては、特許文献1等に記載されている化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のレジスト下層膜用組成物には、形成される塗膜の均一性及び保存安定性の向上を図るため、β−ジケトンが含まれていてもよい。
前記β−ジケトンとしては、例えば、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のレジスト下層膜用組成物には、更に、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤等の成分が含まれていてもよい。
前記有機ポリマーとしては、例えば、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物、糖鎖構造を有する化合物、ビニルアミド系重合体、アクリレート化合物、メタクリレート化合物、芳香族ビニル化合物、デンドリマー、ポリイミド,ポリアミック酸、ポリアリーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、フッ素系重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、含フッ素界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のレジスト下層膜用組成物の製造方法は、アルコキシシランを出発原料として、有機溶媒中において、水及び触媒の存在下に加水分解及び/又は縮合させて、レジスト下層膜用組成物に用いられるポリシロキサンを調製する工程を有する。より具体的には、前記出発原料を有機溶媒中に溶解し、この溶液中に水を断続的に或いは連続的に添加する。このとき、触媒は、予め有機溶媒中に溶解又は分散させておいてもよく、添加される水中に溶解又は分散させておいてもよい。また、加水分解反応及び/又は縮合反応を行うための温度は、通常、0〜100℃である。
尚、前記出発原料であるアルコキシシランとしては、前述のポリシロキサン(A)における各構成単位[前記構成単位(1)〜(4)及び他の構成単位]を与える単量体等が挙げられる。
前記金属キレート化合物としては、例えば、チタンキレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物等が挙げられる。具体的には、特許文献1(特開2000−356854号公報)等に記載されている化合物等を用いることができる。
前記有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、ミキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
前記無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等が挙げられる。
前記無機塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
また、前記触媒は、前記ポリシロキサン(A)の固形分100質量部に対して、通常、0.001〜10質量部、好ましくは0.01〜10質量部の範囲で用いられる。
反応副生成物の除去処理の方法としては、前記アルコキシシランの加水分解物及び/又はその縮合物の反応が進行しない方法であれば特に限定されず、例えば、反応副生成物の沸点が前記有機溶媒の沸点より低いものである場合には、減圧によって留去することができる。
また、本発明のレジスト下層膜用組成物は、その固形分濃度が1〜20質量%、特に1〜15質量%であることが好ましい。前記固形分濃度を調整するため、反応副生成物を除去した後、更に前記有機溶媒を加えてもよい。
本発明のレジスト下層膜用組成物は、例えば、反射防止膜の表面に塗布することにより、この組成物の塗膜を形成し、この塗膜を加熱処理することにより、或いは、潜在性光酸発生剤を含有する場合には、紫外光の照射及び加熱処理を行うことにより、レジスト下層膜を形成することができる。
本発明のレジスト下層用組成物を塗布する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ディップ法等を利用することができる。また、形成される塗膜の加熱温度は、通常50〜450℃であり、加熱処理後の膜厚は、通常10〜200nmである。
前記のようにして形成されたレジスト下層膜は、レジスト膜との密着性が高く、レジスト現像液及びレジストを除去するための酸素アッシングに対して耐性を有し、再現性の高いレジストパターンが得られる。
<合成例1(A−1)>
マレイン酸0.45gを水21.6gに加熱溶解させて、マレイン酸水溶液を調製した。その後、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート〔下記式(M−1)〕0.67g、フェニルトリメトキシシラン〔下記式(M−2)〕0.99g、メチルトリメトキシシラン〔下記式(M−3)〕3.13g、テトラメトキシシラン〔下記式(M−4)〕10.7g、及びプロピレングリコール−1−エチルエーテル53.5gを入れたフラスコに、冷却管と、上述のように調製したマレイン酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、マレイン酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去してポリシロキサン溶液48gを得た。得られたポリシロキサン溶液中の固形分(ポリシロキサン)の含有割合は、焼成法により測定した結果、16.3%であった。また、固形分(ポリシロキサン)の重量平均分子量(Mw)は1200であった。
尚、Mwの測定は、東ソー(株)社製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、G4000HXL1本)を用い、流量:1.0ミリリットル/分、溶出溶剤:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド1.82gを水5.47gに加熱溶解させて、テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液を調製した。その後、調製したテトラアンモニウムヒドロキシド水溶液7.29g、水2.27g、及びメタノール20gを入れたフラスコに、冷却管と、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート〔前記式(M−1)〕1.37g、フェニルトリメトキシシラン〔前記式(M−2)〕0.50g、メチルトリメトキシシラン〔前記式(M−3)〕1.02g、テトラメトキシシラン〔前記式(M−4)〕5.33g、及びメタノール25gを入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて40℃に加熱した後、モノマーメタノール溶液をゆっくり滴下し、40℃で1時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷した。その後、無水マレイン酸2.65gを、水9.72g、及びメタノール9.72gに溶解させて別途調製したマレイン酸メタノール溶液22gを入れた滴下ロートをセットし、放冷させた前記反応溶液に滴下し、15分間攪拌した。次いで、4−メチル−2−ペンテノン25gを添加してからエバポレーターにセットし、反応溶媒及び反応により生成したメタノールを除去して4−メチル−2−ペンテノンポリシロキサン溶液を得た。その後、得られたポリシロキサン溶液を分液ロートへ移してから、水40gを添加して1回目の水洗を行い、水20gを添加して2回目の水洗を行なった。次いで、分液ロートよりフラスコへ移した4−メチル−2−ペンテノンポリシロキサン溶液に、プロピレングリコール−1−エチルエーテル25gを添加してからエバポレーターにセットし、4−メチル−2−ペンテノンを除去してポリシロキサン溶液26gを得た。得られたポリシロキサン溶液中の固形分(ポリシロキサン)の含有割合は、焼成法により測定した結果、15.0%であった。また、固形分(ポリシロキサン)の重量平均分子量(Mw)は10000であった。
マレイン酸0.45gを水21.6gに加熱溶解させて、マレイン酸水溶液を調製した。その後、フェニルトリメトキシシラン〔前記式(M−2)〕0.99g、メチルトリメトキシシラン〔前記式(M−3)〕3.13g、テトラメトキシシラン〔前記式(M−4)〕10.7g、及びプロピレングリコール−1−エチルエーテル53.5gを入れたフラスコに、冷却管と、調製したマレイン酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、マレイン酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去してポリシロキサン溶液48gを得た。得られたポリシロキサン溶液中の固形分(ポリシロキサン)の含有割合は、焼成法により測定した結果、15.3%であった。また、固形分(ポリシロキサン)の重量平均分子量(Mw)は1300であった。
前述の合成例1〜3で得られた各反応生成物を用いて、下記のように、実施例1〜3及び比較例1のレジスト下層膜用組成物を調製した。
合成例1で得られた反応生成物(A−1)14.89gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート45.18gに溶解させた後、この溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、実施例1のレジスト下層膜用組成物を得た。
前記反応生成物(A−1)の代わりに、前記合成例2で得られた反応生成物(A−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のレジスト下層膜用組成物を得た。
合成例1で得られた反応生成物(A−1)14.89g、及びジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩(酸発生剤)0.05gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート45.18gに溶解させた後、この溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、実施例3のレジスト下層膜用組成物を得た。
前記反応生成物(A−1)の代わりに、前記合成例3で得られた反応生成物(A−3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のレジスト下層膜用組成物を得た。
前記実施例及び比較例で得られたレジスト下層膜用組成物について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)レジストの密着性
試料のレジスト下層膜用組成物からなるレジスト下層膜と、該下層膜上に形成したレジスト膜との密着性を以下のようにして評価した。
まず、シリコンウェハの表面に、反射防止膜用材料「NFC HM8005」〔JSR(株)製〕をスピンコーターによって塗布し、250℃のホットプレート上で1分間乾燥させることにより、膜厚が300nmの反射防止膜を形成したものを基板として用いた。この基板の反射防止膜表面に、レジスト下層膜用組成物をスピンコーターによって塗布し、250℃のホットプレート上で1分間焼成した。
次に、前記レジスト下層膜上にレジスト材料「AIM5056JN」〔JSR(株)製〕を塗布し、110℃で90秒間乾燥させた。このときのレジストの膜厚は120nmに制御した。次いで、ArFエキシマレーザー照射装置〔(株)ニコン製〕を用い、ArFエキシマレーザー(波長193nm)を0.08μmのライン・アンド・スペースパターンを有する石英製マスクを介して基板に32mJ照射した後、基板を110℃で90秒間加熱した。次いで、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で30秒間現像処理し、レジストパターンを形成した。
前記のようにして基板上に形成されたレジストパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、該レジストパターンの現像剥離が生じていない場合を「○」とし、現像剥離が生じている場合を「×」として評価した。
前記のようにして形成したレジストパターンをSEMで観察し、レーザーが照射された箇所にレジストの膜残りが生じておらず、光マスクの0.08μmのライン・アンド・スペースのパターンが忠実に再現されている場合を「○」とし、忠実に再現性されていない場合を「×」として評価した。
前記現像処理工程において、基板を現像液に浸漬する前のレジスト下層膜の膜厚と、浸漬した後のレジスト下層膜の膜厚とを比較し、両者の差が1nm以下である場合を「○」とし、1nmを超える場合を「×」として評価した。
前記のようにして形成したレジスト下層膜を、エッチング装置「EXAM」(神鋼精機社製)を用いて、300Wで15秒間酸素アッシング処理を行い、処理前のレジスト下層膜の膜厚と処理後のレジスト下層膜の膜厚との差が5nm以下である場合を「○」とし、5nmを超える場合を「×」として評価した。
シリコンウェハの表面に、スピンコーターを用いて、回転数2000rpm、20秒間の条件でレジスト下層膜用組成物を塗布し、その後300℃のホットプレート上で1分間乾燥させることによりレジスト下層膜を形成した。得られたレジスト下層膜について、光学式膜厚計(KLA−Tencor社製、「UV−1280SE」)を用いて50点の位置で膜厚を測定し、その平均膜厚を求めた。
また、温度23℃で3ヶ月間保存した後のレジスト下層膜用組成物を用いて、前記と同様にしてレジスト下層膜を形成して膜厚を測定し、その平均膜厚を求めた。
保存前のレジスト下層膜用組成物による下層膜の平均膜厚T0と保存後のレジスト下層膜用組成物による下層膜の平均膜厚Tとの差(T−T0)を求め、平均膜厚T0に対するその差の大きさの割合〔(T−T0)/T0〕を膜厚変化率として算出し、その値が5%以下である場合を「○」、5%を超える場合を「×」として評価した。
シリコンウェハの表面に、レジスト下層膜用組成物をスピンコーターによって塗布し、250℃のホットプレート上で1分間焼成した。
次に、前記レジスト下層膜上にレジスト材料「AIM5056JN」〔JSR(株)製〕を塗布し、110℃で90秒間乾燥させた。このときのレジストの膜厚は120nmに制御した。次いで、ArFエキシマレーザー照射装置〔(株)ニコン製〕を用い、ArFエキシマレーザー(波長193nm)を32mJにて全面露光した。露光後、基板を110℃で90秒間加熱した。次いで、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で30秒間現像処理し、レジスト膜を除去した。
そして、レジスト材料を塗布する前のレジスト下層膜の膜厚と、レジスト膜への露光・現像処理後(即ち、レジスト膜除去後)のレジスト下層膜の膜厚とを測定し、この膜厚差([レジスト材料塗布前の膜厚]−[レジスト膜除去後の膜厚])により、レジスト材料のレジスト下層膜への染み込み性を評価した。この際、前記膜厚差が20Å未満の場合を「○」、20Å以上の場合を「×」として評価した。
Claims (5)
- 紫外光の照射及び/又は加熱により酸を発生する酸発生化合物を更に含有する請求項1乃至3のいずれかに記載のレジスト下層膜用組成物。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のレジスト下層膜用組成物を製造する方法であって、
該レジスト下層膜用組成物に用いられるポリシロキサンを、アルコキシシランを出発原料として、有機溶媒中において、水及び触媒の存在下に加水分解及び/又は縮合させて調製する工程を有することを特徴とするレジスト下層膜用組成物の製造方法。
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