JP2009236230A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、十字軸継手に関する。本発明は、より詳しくは、自動車のプロペラシャフトに用いると好適な十字軸継手に関する。
従来、十字軸継手としては、特開平11−125263号公報(特許文献1)に記載されているものがある。
この十字軸継手は、十字形軸と、十字形軸の軸部に外嵌すると共に、円筒状部と、蓋部とを有する有底円筒状のカップと、ニードルベアリングと、グリースバルブとを備え、上記十字形軸は、その軸方向の端面に開口する給油孔(孔部)を有する。
上記ニードルベアリングは、十字形軸の外周面と、カップの円筒状部の内周面との間に配置されている。
上記グリースバルブは、有底円筒状部と、スラストワッシャ部とを有する。上記有底円筒状部は、上記給油孔の内周面に対応する外周面の形状を有し、上記給油孔(孔部)に嵌りこんでいる。
上記スラストワッシャ部は、上記有底円筒状部につながり、上記カップの円筒状部と上記十字形軸の上記端面との間に配置されている。上記スラストワッシャ部には、その上面および下面に放射状に油溝が形成され、上記上面の油溝は、スラストワッシャの下面から上面に貫通した油通路穴に連通している。
上記構成において、上記従来の十字軸継手は、十字形軸のクロス部に設けられている注油口から上記給油孔(孔部)に注油されたグリースが、自在継手の回転摩擦熱によって液状になることによって、自在継手の回転による遠心力で、グリースバルブの有底円筒状部の外周と、給油孔との隙間を通って、その後、スラストワッシャの下面の油溝を通過して、ニードルベアリングまで移動するようになっている。そして、この移動したグリースによって、ニードルベアリングおよびカップを潤滑するようになっている。
また、スラストワッシャの下面の油溝を流れるグリースの一部が、上記油通路穴を介してスラストワッシャの上面の油溝に流れ、スラストワッシャと対接するカップとの間に移動するようになっている。そして、この移動したグリースによって、スラストワッシャとカップとの潤滑をするようになっている。
また、上記カップと、スラストワッシャとの間に溜まったグリースが、回転軸が静止したとき、洩れなくグリースバルブの有底円筒状部内に確実に落下して溜められ、グリース保持性を向上するようになっている。
特開平11−125263号公報
本発明者は、従来の十字軸継手において、十字形軸の軸部の端面に開口する孔部内のグリースの大分部が孔部内から移動せず、上記孔部内で所謂デットグリースとなって、意味のないものとなっている現象を見出した。
そこで、本発明の課題は、十字形軸の軸部の端面の中心に形成された孔部に充填された潤滑剤を、最も焼付きが発生し易い転動体の方に効率よく移動させることができて、転動体を効率良く潤滑でき、潤滑剤を効率良く利用できる十字軸継手を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の十字軸継手は、
十字形軸と、
上記十字形軸の軸部に外嵌すると共に、円筒状部と、蓋部とを有する有底円筒状のカップと、
上記カップの上記円筒状部の内周面と、上記軸部の外周面との間に配置された転動体と、
上記カップの上記蓋部と、上記軸部の端面との間に位置し、上記軸部の上記端面に対して相対回転可能である円板状のワッシャと
を備え、
上記軸部は、上記端面の中心に孔部を有し、
上記ワッシャは、上記ワッシャの上記軸部側に、上記孔部内に突出する突出部と、上記突出部から径方向の外方に延在する溝とを有し、
上記突出部の外面は、羽根部を有することを特徴としている。
十字形軸と、
上記十字形軸の軸部に外嵌すると共に、円筒状部と、蓋部とを有する有底円筒状のカップと、
上記カップの上記円筒状部の内周面と、上記軸部の外周面との間に配置された転動体と、
上記カップの上記蓋部と、上記軸部の端面との間に位置し、上記軸部の上記端面に対して相対回転可能である円板状のワッシャと
を備え、
上記軸部は、上記端面の中心に孔部を有し、
上記ワッシャは、上記ワッシャの上記軸部側に、上記孔部内に突出する突出部と、上記突出部から径方向の外方に延在する溝とを有し、
上記突出部の外面は、羽根部を有することを特徴としている。
上記「径方向の外方に延在する」という文言は、ワッシャの径方向の延在成分を含んだ方向に、突出部からワッシャの径方向の外方まで延在しているということを意味するものとする。すなわち、溝がワッシャの径方向の成分のみからなる方向に延在している場合は勿論、溝がワッシャの径方向の成分とワッシャの周方向の成分とを有する方向に延在している場合も、含まれるものとする。
また、「上記カップの上記蓋部と、上記軸部の端面との間に位置する…円板状のワッシャ」という文言は、ワッシャの大部分が、カップの蓋部と、軸部の端面との間に位置するということを意味する。すなわち、本発明は、ワッシャの一部が、カップの蓋部と、軸部の端面との間に位置していなくても良い。
本発明によれば、ワッシャが、軸部に対して相対回転可能であり、かつ、ワッシャが、ワッシャの軸部側に、軸部の端面の中央に位置する孔部の方に突出する突出部と、上記突出部から径方向の外方に延在する溝とを有し、上記突出部が、突出部の外面に羽根部を有するから、上記突出部の羽根部によって、上記軸部の孔部内の潤滑剤を、攪拌することができて、かつ、上記孔部内の潤滑剤を、上記突出部の遠心力によって、ワッシャの径方向の外方に移動させることができ、この径方向の外方に移動した潤滑剤を、上記径方向に延在する溝を介して、上記軸部の外周面の径方向の外方に位置する転動体の方に円滑に移動させることができる。したがって、上記軸部の端面の中心に形成された孔部に充填された潤滑剤を、最も焼付きが発生し易い軸部の端面とワッシャとの接触面及び転動体の方に効率よく移動させることができて、軸部の端面とワッシャとの接触面及び転動体を効率良く潤滑でき、潤滑剤を効率良く利用することができる。
また、一実施形態では、上記溝は、上記ワッシャの上記軸部側のみに設けられる。
上記実施形態によれば、上記溝は、上記ワッシャの上記軸部側のみに設けられているから、上記ワッシャと上記軸部の上記端面との接触面積が、上記ワッシャと上記カップの上記蓋部との接触面積よりも小さくなり、上記ワッシャと上記軸部の上記端面との摩擦力を、上記ワッシャと上記カップの蓋部との摩擦力よりも小さくすることができる。したがって、上記ワッシャを、上記軸部に対して揺動等の相対運動を行っているカップに付随して上記カップにつれ回らせることができて、ワッシャの軸部に対する相対回転の頻度を大きくでき、かつ、ワッシャの軸部に対する相対回転速度の大きさを大きくできる。したがって、上記羽根部による潤滑剤攪拌の効果を大きくすることができる。
また、一実施形態では、上記羽根部は、上記ワッシャの軸方向において上記突出部の先端側から上記カップの上記蓋部側にいくにしたがって、上記ワッシャの軸中心からの距離が大きくなる形状を有する。
上記実施形態によれば、潤滑剤を、円滑かつ効率的に攪拌することができる。
また、一実施形態では、上記ワッシャの上記蓋部側の端面は、平坦な形状であって、上記ワッシャの上記端面の全面は、全て同一平面上に存在している。
また、一実施形態では、上記ワッシャの上記蓋部側の端面は、平坦な形状であって、上記ワッシャの上記端面の全面は、全て同一平面上に存在している。
本発明の十字軸継手によれば、ワッシャの突出部の羽根部によって、十字形軸の軸部の孔部内の潤滑剤を、攪拌することができて、かつ、上記孔部内の潤滑剤を、上記突出部の遠心力によって、ワッシャの径方向の外方に移動させることができ、この径方向の外方に移動した潤滑剤を、上記径方向に延在する溝を介して、上記軸部の外周面の径方向の外方に位置する転動体の方に円滑に移動させることができる。したがって、上記軸部の端面の中心に形成された孔部に充填された潤滑剤を、最も焼付きが発生し易い軸部の端面とワッシャとの接触面及び転動体の方に効率よく移動させることができて、軸部の端面とワッシャとの接触面及び転動体を効率良く潤滑でき、潤滑剤を効率良く利用することができる。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の、プロペラシャフトに用いられる十字軸継手3の要部の断面図である。
上記十字軸継手3は、十字形軸10と、4つのカップ11と、転動体の一例としての複数のニードル12と、一対(二つ)のヨーク14とを有する。尚、図1においては、理解を容易にするために、一方のヨーク14のみを図示し、他方のヨークの図示を省略している。
上記十字形軸10は、胴体部13と、4つの軸部15を有し、上記4つの軸部15は、胴体部13の側周面から四方へ突出している。上記胴体部13の側周面の周方向において隣接する二つの軸部15,15は、略90度の角度をなしている。上記十字形軸10は、鋼製であり、胴体部12と4つの軸部15とは、鍛造により一体成形されている。
上記各カップ11は、鋼板のプレスまたは鋳造等により形成されている。上記各カップ11は、円筒状部17と、蓋部18とを有し、上記各軸部15を覆っている。また、上記複数のニードル12は、各軸部15の外周面と、各カップ11の円筒状部17の内周面との間に、軸部15の周方向に互いに間隔をおいて配置されている。
上記各ヨーク14は、断面略U字型の部材であり、鋼板等によって形成されている。上記各ヨーク14は、円筒状部19と、二つのカップ固定部20を有し、各カップ固定部20は、円筒状部19から円筒状部19の軸方向に延在している。上記各カップ固定部20は、略円筒状のカップ取付穴26を有している。上記各ヨーク14において、一方のカップ固定部20と、他方のカップ固定部20とは、略平行である。上記各ヨーク14において、一方のカップ取付穴26の軸中心と、他方のカップ取付穴26の軸中心とは、略同一直線上に位置している。
上記各ヨーク14において、各カップ取付穴26の内周面に、各カップ11の円筒状部17の外周面を内嵌して固定している。また、図示されている方の上記ヨーク14の円筒状部19の内周面には、第2のシャフト2が内嵌されて固定されている。
詳述しないが、図1に15cで示す軸部と、この軸部15cと同一直線上に位置する軸部(図示せず)とが、上述の方法と同一の方法で、図示しない他方のヨークに固定されている。
図2は、図1に矢印50で示す、十字形軸10の一つの軸部15の周辺の拡大断面図である。
図2に示すように、この十字軸継手3は、上記十字形軸10、カップ11および複数のニードル12に加えて、樹脂製の円板状のワッシャ30と、環状のシール部材31とを備える。
上記十字形軸10の軸部15は、軸方向の端面32に孔部としての凹部33を有する。上記凹部33は、円筒内周面部48を有する有底の穴である。上記円筒内周面部48の軸中心は、軸部15の軸中心と略一致している。上記凹部33には、潤滑剤の一例としてのグリースが封入されている。
上記ワッシャ30は、カップ11の蓋部18と、軸部15の端面32との間に位置している。詳しくは、上記ワッシャ30は、円板状の基部40と、突出部41と、環状のニードル当接部42とを有する。上記突出部41は、上記基部40の軸方向の軸部15側の端面43の中央部から軸方向に突出している一方、ニードル当接部42は、基部40の上記端面43の円板状の径方向の端部から軸方向に突出している。
上記突出部41は、軸部15の凹部33内に突出し、凹部33内に収容されている。図2に示すように、軸方向の断面において、上記凹部33の開口側の端部の内面は、突出部30の外面の形状に対応する形状を有している。
上記ニードル当接部42の内周面は、軸部15の軸方向の端部の外周面に外嵌されている。上記ニードル当接部42の先端は、環状形状を有し、ワッシャ30の径方向に広がる端面47になっている。上記端面47は、ニードル12の軸方向の一方の端面に当接して、ニードル12の軸方向の一方の端面を案内している。上記ワッシャ30は、軸部15の端面32に対して軸部15の周方向に相対回転可能な状態で、軸部15とカップ11との間に配置されている。
上記シール部材31は、カップ11に固定される一方、軸部15の外周面上を摺動するようになっている。上記シール部材31は、カップ11の円筒状部17の開口側の端部の内周面と、軸部15の外周面との間をシールしている。上記シール部材31は、ニードル12の転動面等の摺動部を潤滑しているグリースが、外部に漏洩するのを抑制すると共に、外部の異物がニードル配置空間内に浸入することを抑制している。
図3は、上記ワッシャ30を、ワッシャ30の軸方向の突出部41側の外方から見たときの斜視図である。
図3に示すように、上記ワッシャ30の突出部41は、ワッシャ30の径方向に延びる二つの羽根部59および60を有し、一方の羽根部59の形状および大きさは、他方の羽根部60の形状および大きさと同一になっている。上記突出部41の外面において、二つの羽根部59,60以外の部分は、4つの凹部56を構成している。上記4つの凹部56は、同一形状および同一の大きさを有し、ワッシャ30の周方向に等間隔に配置されている。上記各凹部56は、略正四面体状の形状を有している。
上記ワッシャ30の突出部41側の端面において、ワッシャ30の径方向において突出部41とニードル当接部42との間に位置する箇所、すなわち、ワッシャ30の基部40における突出部41側の表面には、複数の溝57が形成されている。上記各溝57は、突出部41から径方向の外方に延在している。詳しくは、上記各溝57は、突出部41からニードル当接部42までワッシャ30の径方向に延在している。上記複数の溝57は、ワッシャ30の周方向に略等間隔に配置されている。上記溝57は、ワッシャ30の突出部41側の端面にのみ存在している。上記ワッシャ30の蓋部18側の端面は、平坦な形状になっている。上記ワッシャ30は、ワッシャ30の蓋部18側の端面に、如何なる凹部(溝を含む)および凸部も一切存在しない形状に形作られている。
上記各羽根部59,60は、ワッシャ30の軸方向において突出部41の先端側(ワッシャ30の中心)からカップ11の蓋部18側にいくにしたがって、ワッシャ30の軸中心からの距離が大きくなっている。
図4は、上記ワッシャ30を、ワッシャ30の軸方向の突出部41側の外方から見たときの模式平面図である。
図4に示すように、ワッシャ30を、ワッシャ30の軸方向の突出部41側の外方から見たときの模式平面図において、突出部41に形成された一方の羽根部59と、他方の羽根部60とは、略直交している。また、上記各凹部56は、扇状の形状を有している。尚、図2における、ワッシャ30の断面形状は、上記一方の羽根部59の幅方向の中心を含む切断面で、ワッシャ30を切断した断面図、すなわち、図4に示すBB線断面図に相当している。
上記構成において、図1において図示が省略された他方のヨークに内嵌固定されている第1のシャフト(図示せず)の回転動力によって、その他方のヨークが、その他方のヨークの円筒状部の周方向に回動すると、その他方のヨークの回転に付随して、十字形軸10がその軸中心の回りに回転する(十字形軸10の二つの軸中心が図1の紙面に垂直な同一の平面上を回転するように、十字形軸10が回転する)。
すると、十字形軸10の上記回転によって、図1に図示されている一方のヨーク14が回転し、この一方のヨーク14の回転によって、一方のヨーク14の円筒状部19の内周面に固定されている第2のシャフト2が回動する。このようにして、上記第1のシャフトの回転動力が、第2のシャフト2に伝達されるようになっている。
また、上記各カップ11は、各軸部15に対して揺動自在になっていて、このことに起因して、各カップ11が固定されている各ヨーク14が、各軸部15に対して揺動自在になっている。このことから、上記第1のシャフトおよび第2のシャフト2が、十字形軸10の軸中心に対して傾動自在になっている。
上記実施形態の十字軸継手によれば、ワッシャ30が、軸部15に対して相対回転可能であり、かつ、ワッシャ30が、ワッシャ30の軸部15側に、軸部15の端面32の中央に位置する凹部33の方に突出する突出部41と、突出部41から径方向の外方に延在する溝57とを有し、突出部41が、突出部41の外面に羽根部59,60を有するから、突出部41の羽根部59,60によって、軸部15の凹部33内のグリースを、攪拌することができて、凹部33内のグリースを、突出部41の遠心力によって、ワッシャ30の径方向の外方に移動させることができ、この径方向の外方に移動したグリースを、径方向に延在する溝57を介して、軸部15の外周面の径方向の外方に位置するニードル12の方に円滑に移動させることができる。したがって、上記軸部15の端面32の中心に形成された凹部33に充填されたグリースを、最も焼付きが発生し易い軸部15の端面32とワッシャ30との接触面及びニードル12の方に効率よく移動させることができて、軸部15の端面32とワッシャ30との接触面及びニードル12を効率良く潤滑でき、グリースを効率良く利用することができる。
また、上記実施形態の十字軸継手によれば、上記溝57は、ワッシャ30の軸部15側のみに設けられているから、ワッシャ30と、軸部15の端面32との接触面積が、ワッシャ30と、カップ11の蓋部18との接触面積よりも小さくなり、ワッシャ30と、軸部15の端面32との摩擦力を、ワッシャ30と、カップ11の蓋部18との摩擦力よりも小さくすることができる。したがって、上記ワッシャ30を、軸部15に対して揺動等の相対移動を行っているカップ11に付随してカップ11につれ回らせることができて、ワッシャ30の軸部15に対する相対回転の頻度を大きくでき、かつ、ワッシャ30の軸部15に対する相対回転速度の大きさを大きくできる。したがって、上記羽根部59,60によるグリース攪拌の効果を大きくすることができる。
また、上記実施形態の十字軸継手によれば、上記ワッシャ41の外面が、ワッシャ30の軸方向において突出部41の先端側からカップ11の蓋部18側にいくにしたがって、ワッシャ30の軸中心からの距離が大きくなる羽根部59,60を有しているから、円滑かつ効率的にグリースを攪拌させることができる。
尚、上記実施形態の十字軸継手では、軸部15に形成された孔部としての凹部33が、有底の穴であって、底部を有していたが、この発明では、軸部15に形成された孔部は、底を有していなくても良い。例えば、この発明において、十字形軸の軸部に形成された孔部は、グリースニップルに連通する給油孔であっても良い。
また、上記実施形態の十字軸継手では、ワッシャ30の基部40の軸部15側の表面に、径方向に延在する溝57を周方向に等間隔に八つ形成したが、この発明では、ワッシャの基部(ワッシャの突出部側の表面において、突出部および転動体当接部(存在している場合)を除いた部分)の軸部側の表面に、径方向に延在する溝を、1以上7以下形成しても良く、または、9以上形成しても良い。また、この発明では、ワッシャの基部の軸部側の表面に、ワッシャの径方向の成分と周方向の成分とを含む延在方向に延在する溝を形成しても良い。また、この発明では、ワッシャの基部の軸部側の表面に、周方向に等間隔でない間隔で、複数の溝を形成しても良い。また、この発明では、ワッシャのカップの蓋部側の表面に、溝を形成しても良い。
また、上記実施形態の十字軸継手では、ワッシャ30が、径方向の外方の環状の端部に、基部40から突出するニードル当接部42を有していたが、この発明では、ワッシャは、径方向の外方の端部が、基部から突出していなくても良く、上記ニードル当接部42に相当する部分がなくても良い。
また、上記実施形態の十字軸継手では、軸部15の外周面とカップ11の円筒状部17の内周面との間にニードル12が配置されたが、この発明では、軸部の外周面とカップの円筒状部の内周面との間に、円筒ころ等、ニードル以外の転動体が配置されても良い。
また、上記実施形態の十字軸継手では、突出部41に、ワッシャ30をワッシャ30の軸方向の突出部41側の外方から見たときの模式平面図において、直線状の羽根部59,60を形成したが、この発明において、突出部に形成される羽根部の形状は、ワッシャをワッシャの軸方向の突出部側の外方から見たときの模式平面図において、直線状の形状でなくても良い。
例えば、羽根部の形状は、以下の図5に示す形状等であっても良い。
図5は、他の実施形態の十字軸継手のワッシャの突出部141を、突出部141の軸方向の外方から見た模式平面図である。
図5において、159は、突出部141の軸中心上の一点に、中心が位置する略放物線状の曲線を、上記軸中心に対して回転させたときに、その放物線状の曲線が描く表面の一部からなる表面部である。また、156は、上記放物線状の曲線が描く表面から突出部141の軸方向に突出する羽根部である。
上記表面部159は、突出部141の周方向に離散的に八つ形成されている。上記八つの表面部159は、同一形状であり、周方向に等間隔に配置されている。
また、上記羽根部156は、周方向に離散的に八つ形成されている。上記各羽根部156は、図5の模式平面図において、略円弧状の形状を有している。上記八つの羽根部159は、同一形状であり、周方向に等間隔に配置されている。
尚、この発明で突出部に形成される羽根部の形状が、図3や図5に図示された形状に限らないのは言うまでもない。この発明では、突出部に形成される羽根部の形状は、軸部の凹部内の潤滑剤を攪拌できる形状であれば如何なる形状であっても良い。
10 十字形軸
11 カップ
12 ニードル
15 軸部
17 円筒状部
18 蓋部
30 ワッシャ
32 軸部の端面
33 孔部としての凹部
41,141 突出部
59,60,156 羽根部
56 凹部
57 溝
11 カップ
12 ニードル
15 軸部
17 円筒状部
18 蓋部
30 ワッシャ
32 軸部の端面
33 孔部としての凹部
41,141 突出部
59,60,156 羽根部
56 凹部
57 溝
Claims (2)
- 十字形軸と、
上記十字形軸の軸部に外嵌すると共に、円筒状部と、蓋部とを有する有底円筒状のカップと、
上記カップの上記円筒状部の内周面と、上記軸部の外周面との間に配置された転動体と、
上記カップの上記蓋部と、上記軸部の端面との間に位置し、上記軸部の上記端面に対して相対回転可能である円板状のワッシャと
を備え、
上記軸部は、上記端面の中心に孔部を有し、
上記ワッシャは、上記ワッシャの上記軸部側に、上記孔部内に突出する突出部と、上記突出部から径方向の外方に延在する溝とを有し、
上記突出部の外面は、羽根部を有することを特徴とする十字軸継手。 - 請求項1に記載の十字軸継手において、
上記ワッシャの上記蓋部側の端面は、平坦な形状であって、上記ワッシャの上記端面の全面は、全て同一平面上に存在していることを特徴とする十字軸継手。
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