JP2009231447A - 蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】活性炭とは異なる非晶質炭素を負極に含む新規な蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】蓄電デバイス10は、負極16と、セパレータ18と、正極20とをキャビティ14内に加圧密着して積層し、非水系電解液を注入して封止された電気二重層キャパシタとして構成されている。この負極16は、X線回折においてブロードなピークを示し且つ2θが20°以上23°以下の範囲に最大ピークを示す非晶質炭素を含み、非水系電解液と接触し非水系電解液に含まれるイオンをこの非晶質炭素が吸着して蓄電する。この非晶質炭素は、比表面積が120m2/g以下である。また、正極20は、比表面積が100m2/g以下である黒鉛を含んでいる。この蓄電デバイスは、充電時に2.0V以上3.3V以下の範囲に電圧変化の屈曲点を有しており、単位体積あたりの放電容量が大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイスに関する。
従来、蓄電デバイスとして、出力密度の高い蓄電デバイスとして電気二重層キャパシタが知られている。しかしながら、この電気二重層キャパシタは、エネルギ密度が小さく、長時間の放電が必要とされる用途では設置スペースが大きくなるなど、不向きであり、高エネルギ密度化(高容量化)が検討されるようになった。高容量化の代表的な方法として、比表面積の増大が考えられ、例えば、活性炭を種々の方法で処理することにより容量の増大化が図られた。しかしそれでも、一般的な二次電池、例えばニッケル水素電池やリチウムイオン二次電池などと比較するとまだ小さく、更なる改良が求められていた。
また、正極及び負極に黒鉛を用いこれらの間に非水系電解液を介する電気二重層キャパシタや、正極に黒鉛、負極に活性炭を用いこれらの間に非水系電解液を介する電気二重層キャパシタなども提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電気二重層キャパシタでは、ラマン分光法によるI1360/I1580の比が0.11〜0.30であり、X線回折による菱面体晶のピーク強度比(Ib/Ia)が0.3以上の黒鉛を負極に用い、正極側ではアニオンの黒鉛へのインタカレーションを利用することにより、放電容量が大きなものができるとしている。
特開2005−294780号公報
しかしながら、この特許文献1に記載された電気二重層キャパシタでは、負極に黒鉛を用いた場合には、特定の電解液でしか容量が出ないなど、電解液の選択の幅が小さい問題があった。一方、負極に活性炭を用いた場合には、活性炭は比表面積が大きいものの嵩高く、単位体積あたりの放電容量が小さいという問題があった。このような観点から、電気二重層キャパシタの負極に用いる材料として、黒鉛や活性炭と異なる新規な材料の開発が望まれている。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、活性炭とは異なる非晶質炭素を負極に含む新規な蓄電デバイスを提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、コークスを不活性雰囲気下で焼成したあと還元雰囲気下で熱処理することにより作製した非晶質炭素を電気二重層キャパシタの負極に用いると高い単位体積あたりの放電容量を有する蓄電デバイスを作製することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の蓄電デバイスは、
正極と、
イオンを含み前記正極と接触するイオン伝導媒体と、
X線回折においてブロードなピークを示し且つ2θが20°以上23°以下の範囲に最大ピークを示す非晶質炭素を含み、前記イオン伝導媒体と接触し前記イオン伝導媒体に含まれるイオンを該非晶質炭素が吸着して蓄電する負極と、
を備えたものである。
この蓄電デバイスでは、活性炭とは異なる非晶質炭素を負極に含む新規な蓄電デバイスを提供することができる。この蓄電デバイスでは、上述した特性を有する非晶質炭素を備えることにより、高い単位体積あたりの放電容量を有している。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。この非晶質炭素は、X線回折においてブロードなピークを示すことから、黒鉛のような層状の面間隔を示すものではなく、おおよその直径が0.35nm〜0.6nmの細孔を有していると見積もられ、この細孔がカチオンの吸着に大きく寄与しているものと考えられる。また、この非晶質炭素は、活性炭のように嵩高くなく、非晶質ではあるが比較的密な材料であることから、蓄電デバイスとしての体積が抑えられると考えられる。このため、高い単位体積あたりの放電容量を有するものと推察される。
本発明の蓄電デバイスは、正極と、イオンを含み正極と接触するイオン伝導媒体と、イオン伝導媒体と接触しイオン伝導媒体に含まれるイオンを非晶質炭素が吸着する負極と、を備えている。本発明の蓄電デバイスにおいて、特に限定されないが、イオン伝導媒体は、アニオン及びカチオンのイオンを含んでおり、正極は、イオン電導媒体に含まれるアニオンを吸着、インターカレーション又は電気化学反応のうち1以上により蓄電し、負極は、イオン電導媒体に含まれるカチオンを吸着して蓄電するものとしてもよい。即ち、本発明の蓄電デバイスは、電気二重層キャパシタとして構成してもよい。以下、本発明の蓄電デバイスは、電気二重層キャパシタとして構成されているものを主として説明する。なお、本発明の蓄電デバイスにおいて、正極は、例えば化学反応を伴って蓄電するものなどを採用しても構わない。
本発明の蓄電デバイスにおいて、正極は、特に限定されないが、アニオンを吸着及びインターカレーションするものとして黒鉛を用いるのが好ましい。この黒鉛は、比表面積が100m2/g以下であることが好ましい。こうすれば、正極での蓄電での単位体積あたりの放電容量(体積容量とも称する)をより高めることができる。また、この黒鉛は、X線回折で2θ=26°付近にシャープなピークがあるものを用いることができる。即ち、この黒鉛は、黒鉛シートの面間隔が0.325nm〜0.345nmであるものが好ましい。なお、比表面積は、窒素吸着の1点BET法で測定した結果をいう。
正極は、導電助剤を含んでいてもよい。導電助剤としては、導電性を有する材料であれば特に限定されない。例えば、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、銅や銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属粉末類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、正極は、バインダ(結着成分)を含んでいてもよい。バインダとしては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
また、正極は、例えば黒鉛と導電助剤とバインダとを混合したあと、集電体にプレス成形して形成してもよい。混合方法は、例えばN−メチルピロリドンなどの溶媒存在下で湿式混合してもよいし、乳鉢などを使って乾式混合してもよい。集電体としては、特に限定されるものではないが、例えば、InSnO2,SnO2,ZnO,In22などの透明導電助剤、フッ素ドープ酸化錫(SnO2:F)、アンチモンドープ酸化錫(SnO2:Sb)、錫ドープ酸化インジウム(In23:Sn)、ZnO,Alドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、Gaドープ酸化亜鉛(ZnO:Ga)などの不純物がドープされたそれらの材料等の単層又は積層層を、ガラスや高分子状に形成させたものを用いることができる。その膜厚は、特に限定されるものではないが、3nmから10μm程度が好ましい。なお、ガラスや高分子の表面がフラットなものでもよいし、表面に凹凸を有しているものでもよい。また、集電板として、ステンレス鋼やアルミニウム、ニッケル、銅などの金属板を用いることもできる。
イオン伝導媒体としては、特に限定されるものではないが、支持塩を含む極性有機溶媒やイオン性液体などの非水系電解液を用いることができる。支持塩としては、例えば、(C254NBF4(TEA−BF4とも称する)、(C253(CH3)NBF4(TEMA−BF4とも称する)、(C494NBF4、(C254NPF6、(C253(CH3)NPF6、(C494NPF6などや、LiPF6,LiClO4,LiBF4,Li(CF3SO22Nなどの公知の支持塩を用いることができる。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.8Mであることがより好ましい。極性有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)など従来の二次電池やキャパシタに使われる有機溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミドや1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、ジエチル−メチル−メトキシエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、メチル−プロピル−ピロリジウム−ビストリフルオロメタンスルホニルイミドなどを用いることができる。
本発明の蓄電デバイスにおいて、負極は、X線回折においてブロードなピークを示し且つ2θが20°以上23°以下の範囲に最大ピークを示す非晶質炭素を含みイオン伝導媒体と接触しイオン伝導媒体に含まれるイオンを非晶質炭素が吸着して蓄電するものである。ここで、X線回折のブロードなピークは、ピークの立ち上がりから立ち下がりまでの2θの範囲が、15°〜35°であるものとしてもよい。また、この非晶質炭素は、X線回折の回折線から見積もられる細孔径が0.35nm以上0.6nm以下であることが好ましい。こうすれば、蓄電での体積容量をより高めることができる。この非晶質炭素は、比表面積が120m2/g以下であることが好ましい。こうすれば、蓄電での体積容量をより高めることができる。本発明の蓄電デバイスにおいて、負極は、導電助剤を含んでいてもよい。また、負極は、バインダを含んでいてもよいし、集電体にプレス成形により圧着して形成されているものとしてもよい。なお、導電助剤やバインダ、集電体は、正極で説明したいずれかを適宜選択して用いてもよい。
この負極に用いる非晶質炭素は、以下の製造方法により作製することができる。炭素原料として、例えばコークス粉体を用い、昇温速度を1℃/分〜10℃/分、600℃〜850℃の不活性雰囲気中で2h〜5h熱処理を行う。不活性雰囲気としては、例えば窒素雰囲気、ヘリウム雰囲気、アルゴン雰囲気などが挙げられるが、窒素雰囲気が好ましい。次に、得られたコークス粉とアルカリ成分とを例えば1:2で混合し、アルミナ容器内に封入し、上述した条件内で熱処理を行う。アルカリ成分としては、例えばKOHやNaOHなどが挙げられる。続いて、得られた粉体を水洗してアルカリ成分を除去し、還元雰囲気中で上述した条件内で更に熱処理を行う。還元雰囲気としては、水素雰囲気や炭化水素雰囲気などが挙げられるが、水素雰囲気がより好ましい。このようにして、1000℃以下という比較的低温の処理により非晶質炭素を得ることができる。
本発明の蓄電デバイスは、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、蓄電デバイスの使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明の蓄電デバイスにおいて、正極は、比表面積が100m2/g以下である黒鉛を含み、イオン伝導媒体は、イオンとなる支持塩を含む非水系電解液であるものが好ましい。このとき、充電時に2.0V以上3.3V以下の範囲に電圧変化の屈曲点を有するものが好ましい。こうすれば、蓄電での体積容量をより高めることができる。この電圧変化の屈曲点は、充電時に2.5V以上3.0V以下の範囲にあることがより好ましい。ここで、「電圧変化の屈曲点の電圧」は、正極の電位ではなく蓄電デバイスでの電圧をいう。なお、リチウム参照極を基準とした際には、正極は、4.0V以上5.0V以下の範囲の電位に屈曲点があることが好ましい。
本発明の蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。蓄電デバイスを作製する具体例について説明する。図1は蓄電デバイス10の一例の構成を表す構成図であり、図1(a)は蓄電デバイス10の組立前の断面図、図1(b)は蓄電デバイス10の組立後の断面図である。蓄電デバイス10を組み立てるにあたり、まず、外周面にねじ溝が刻まれたステンレス製の円筒基体12の上面中央に設けられたキャビティ14に、負極16と、セパレータ18と、正極20とをこの順に積層する。この負極16は、上述した非晶質炭素を含むものとする。また、正極20は、例えば黒鉛などを用いることができる。次に、非水系電解液をキャビティ14に注入したあと、絶縁リング29を入れ、次いで絶縁性のリング22の穴に液密に固定された導電性の円柱24を正極20の上に配置し、導電性のコップ状の蓋26を円筒基体12にねじ込む。更に、円柱24の上に絶縁用樹脂リング27を配置し、蓋26の上面中央に設けられた開口26aの内周面に刻まれたねじ溝に貫通孔25aを持つ加圧ボルト25をねじ込み、負極16とセパレータ18と正極20とを加圧密着させる。このようにして、蓄電デバイス10を作製することができる。なお、蓋26の上面中央に設けられた開口26aの径は円柱24の径よりも大きいことから、蓋26と円柱24とは非接触な状態となっている。また、キャビティ14の周辺にはパッキン28が配置されているため、キャビティ14内に注入された電解液が外部に漏れることはない。この蓄電デバイス10では、蓋26と加圧ボルト25と円筒基体12とが負極16と一体化されて全体が負極側となり、円柱24が正極20と一体化されると共に負極16と絶縁されているため正極側となる。
以上詳述した本実施形態の蓄電デバイスによれば、活性炭とは異なる非晶質炭素を負極に含む新規なものを提供することができる。また、高い単位体積あたりの放電容量を有する蓄電デバイスを提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、蓄電デバイスを具体的に作製した例を説明する。
[実施例1]
負極に用いる非晶質炭素は、次のようにして作製した。コークス粉体(新日石製)を、窒素気流中、2℃/分の昇温速度で昇温し、700℃、3時間、熱処理し、処理後のコークス粉体とKOHとを1:2で混合したあと、蓋付きるつぼに入れ、同様に、700℃窒素気流中で5時間、熱処理した。得られた粉体を水洗し、更に水素気流中で5時間、熱処理し、得られた粉体を実施例1の非晶質炭素とした。その後、この非晶質炭素と、導電助剤としてのアセチレンブラック(電気化学工業製)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)粉末とを重量比で90:5:5の割合で混合し、乳鉢で混練し、成形装置を用いてシート化した。得られたシートをポンチで打ち抜き、直径12mmの円板としてシート状の負極を作製した。
正極は、次のようにして作製した。黒鉛粉体(大阪ガスケミカル社製MCMB)を700℃水素気流中で5時間、熱処理したあと、処理後の黒鉛粒子と導電助剤としてのアセチレンブラックと、PVDF粉末とを重量比で90:5:5の割合で混合し、乳鉢で混練し、成形装置を用いてシート化した。得られたシートをポンチで打ち抜き、直径12mmの円板としてシート状の正極を作製した。
蓄電デバイスは、次のように作製した。図2は、3電極セルとして構成された蓄電デバイス30の構成を表す説明図である。まず、集電部材32が接続された導電体である支持板31上に絶縁体であるリング22及びパッキン28を配置し、その上に、集電部材43が接続されたステンレス製の円筒基体12を配置した。円筒基体12の下部側の内周に密接する絶縁リング29を配置し、更にこの絶縁リング29の内周に押圧バネ34が設けられた円柱状の導電部材である押圧部材33を挿入した。この円筒基体12の内部の押圧部材33の上に、負極16と、セパレータ18と、参照極42と、セパレータ18と、正極20とを、各極が非接触状態となるようにこの順に積層した。このとき、参照極42を円筒基体12に接触させた。次に、これら各極を配置した円筒基体12の内部に電解液を満たした。続いて、円筒基体12の上部側の内周に密接する絶縁リング29を配置し、更にこの絶縁リング29の内周に押圧バネ39が設けられた円柱状の導電部材である押圧部材38を挿入した。そして、円筒基体12の上面に絶縁体であるリング22及びパッキン28を配置し、集電部材37が接続された導電体である支持板36を配置し、支持板31と支持板36とを上下から加圧した状態で固定し、蓄電デバイス30を得た。この蓄電デバイス30では、集電部材32と支持板31と押圧部材33と負極16とが一体化されて負極側となり、集電部材37と支持板36と押圧部材38と正極20とが一体化されて正極側となり、集電部材43と円筒基体12と参照極42とが一体化されて参照極側となる。なお、蓄電デバイス30は、負極16と正極20と参照極42とがリング22及び絶縁リング29,29により絶縁されている。ここでは、上記作製した正極シート及び負極シートとを集電体としてのアルミニウムシートにそれぞれ付着させそれぞれ負極16及び正極20とし、ポリオレフィンメンブラン(旭化成ケミカルズ製)をセパレータ18とし、溶媒をPCとした1MのTEA−BF4を非水系電解液とし、リチウム金属シートを参照極42として電気二重層キャパシタとしての3電極セルである蓄電デバイス30を作製した。
[実施例2]
負極に用いる非晶質炭素は、次のようにして作製した。実施例1と同様のコークス粉体を、2℃/分の昇温速度、水素気流中で800℃、5時間、熱処理した以外は実施例1と同様の処理を行い、得られた粉体を実施例2の非晶質炭素とした。その後、実施例1と同様の工程を行いシート状の負極を作製した。
正極は、黒鉛粉体(Timcal製KS4)を500℃水素気流中で5時間、熱処理して黒鉛粉体を作製した以外は実施例1と同様の工程を行い作製した。
上記正極シートと負極シートとを用いて実施例1と同様に実施例2の3電極セルを作製した。
[実施例3]
負極に用いる非晶質炭素は、次のようにして作製した。実施例1と同様のコークス粉体を、2℃/分の昇温速度、水素気流中で830℃、5時間、熱処理した以外は実施例1と同様の処理を行い、得られた粉体を実施例3の非晶質炭素とした。その後、実施例1と同様の工程を行いシート状の負極を作製した。
正極は、黒鉛粉体(Timcal製MB15)を用いて作製した以外は実施例2と同様の工程を行い作製した。
上記正極シートと負極シートとを用いて実施例1と同様に実施例3の3電極セルを作製した。
[実施例4]
負極に用いる非晶質炭素は、次のようにして作製した。実施例1と同様のコークス粉体を、1℃/分の昇温速度、水素気流中で700℃、5時間、熱処理した以外は実施例1と同様の処理を行い、得られた粉体を実施例4の非晶質炭素とした。その後、実施例1と同様の工程を行いシート状の負極を作製した。
正極は、黒鉛粉体(日立化成製MAG)を用いた以外は実施例2と同様の工程を行い作製した。
上記正極シートと負極シートとを用い、溶媒をPCとした1MのTEMA−BF4を非水系電解液として実施例1と同様に実施例4の3電極セルを作製した。
[実施例5]
負極に用いる非晶質炭素は、次のようにして作製した。実施例1と同様のコークス粉体を、1℃/分の昇温速度、水素気流中で700℃、5時間、熱処理した以外は実施例1と同様の処理を行い、得られた粉体を実施例5の非晶質炭素とした。その後、実施例1と同様の工程を行いシート状の負極を作製した。
正極は、黒鉛粉体(Timcal製KS6)を用いた以外は実施例2と同様の工程を行い作製した。
上記正極シートと負極シートとを用い、溶媒をPCとした1MのTEMA−BF4を非水系電解液として実施例1と同様に実施例5の3電極セルを作製した。
[比較例1]
負極は、次のようにして作製した。活性炭(大阪ガスケミカル製M30)を700℃水素気流中で5時間、熱処理し、得られた活性炭とアセチレンブラックとPVDF粉末とを重量比で90:5:5の割合で混合し、実施例1と同様の工程を行いシート状の負極を作製した。
正極は、実施例1と同様の黒鉛粉体を用いて作製した。
上記正極シートと負極シートとを用いて実施例1と同様に比較例1の3電極セルを作製した。
[比表面積測定]
実施例1〜5の負極の非晶質炭素と正極の黒鉛、及び比較例1の負極の活性炭の比表面積を、日本ベル製BELSORPにより窒素吸着の1点BET法で測定した。
[X線回折測定]
実施例1〜5及び比較例1の負極の非晶質炭素及び活性炭のX線回折測定をX線回折装置(リガク製RINT2200)によりCuKα線を用いて2θが10°〜60°の範囲で行った。
[透過型電子顕微鏡(TEM)観察]
実施例1〜5及び比較例1の負極の非晶質炭素及び活性炭のTEM観察を透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM200)を用いて行った。
[充放電試験]
実施例1〜5及び比較例1の負極の蓄電デバイスの充放電試験を行った。作製した蓄電デバイスを充放電装置(北斗電工製HJ1001)に接続し、リチウム参照極と正極、及びリチウム参照極と負極との電位差を同時に測定し、各極の挙動をモニターした。充電は、3.5Vまで1mAにて定電流充電を行ったのち、3.5Vにて定電圧充電を行った。その後、1mAにて0Vまで放電を行った。得られた結果をもとに異なる炭素質電極を用いた場合の体積容量を求めた。各蓄電デバイスの体積容量は、放電電力を用い、正極及び負極を合わせた全体積をもとに算出した。
[測定結果]
実施例1〜5及び比較例1の各蓄電デバイスの測定結果を表1に示す。表1には、正極と負極との材料及び比表面積、負極材(非晶質炭素)のX線回折での最大ピークが存在する2θ値(°)、非水系電解液の組成、単位体積あたりの放電容量(F/cc)を示した。また、図3は、実施例1の負極の非晶質炭素のX線回折パターンであり、図4は、実施例1の正極の黒鉛のX線回折パターンであり、図5は、実施例1の負極の非晶質炭素のTEM写真であり、図6は、実施例1の蓄電デバイスの充放電曲線であり、図7は、実施例1の蓄電デバイスのLi参照極を基準とした正極及び負極の充放電曲線であり、図8は、比較例1の蓄電デバイスの充放電曲線であり、図9は、比較例1の蓄電デバイスのLi参照極を基準とした正極及び負極の充放電曲線である。図3に示すように、実施例1の負極の非晶質炭素は、ピークの立ち上がりから立ち下がりまでの2θの範囲が、15°〜35°であり、最大ピークが2θ=21.8°であるブロードなピークを示した。このことから、この非晶質炭素は、結晶性が低く、約0.35nm以上0.6nm以下の細孔径(直径)の範囲の細孔が多く形成されていると推察された。なお、実施例2〜5は、ぞれぞれ最大ピークが2θ=20.4°,19.2°,21.5°,22.9°であるブロードなピークを示した。一方、図4に示すように、実施例1の正極の黒鉛は、2θ=26°近傍にシャープなピークが観察され、結晶性が高く、黒鉛シートの層間間隔が0.337nmであることがわかった。図5に示すように、非晶質炭素は、シートの層状構造はみられず、結晶性が低いことが確認された。なお、実施例1〜5の非晶質炭素は、比表面積がそれぞれ12m2/g,5m2/g,26m2/g,102m2/g,80m2/gであり、比較例1の活性炭は、比表面積が3000m2/gであった。なお、実施例1を代表的なものとして図示したが、実施例2〜5についても、実施例1と同様の結果であった。
また、図6に示すように、実施例1は、蓄電デバイスとして充電時の2.8Vに電圧変化の屈曲点を有しており、この屈曲点以降の蓄電量が大きいことがわかった。また、図7に示すように、実施例1は、リチウム参照極を基準とすると負極では直線的な挙動を示すのに対し、正極では4.5Vに屈曲点の電位があることがわかった。また、この屈曲点を境に、高電位側と低電位側との放電時間を比較すると、高電位側の方が長く、高い容量を示すには正極を4.0V以上で駆動させることが必要であることがわかった。これに対し、図8に示すように、比較例1は、蓄電デバイスとして充電時の3.4Vに電圧変化の屈曲点を有しており、全体として蓄電量が小さいことがわかった。また、図9に示すように、比較例1は、リチウム参照極を基準とすると負極では曲線的な挙動を示し、正極では実施例1よりも高い4.8Vに屈曲点の電位があることがわかった。なお、実施例1を代表的なものとして図示したが、実施例2〜5についても、例えば、蓄電デバイスとして充電時の2.0V〜3.3Vの範囲に電圧変化の屈曲点を有しており、実施例1と同様の結果であった。また、体積容量は、実施例1〜5がそれぞれ86F/cc、75F/cc、82F/cc,98F/cc,88F/ccであり、比較例1の51F/ccよりも高く、これらの非晶質炭素を負極に用いると、活性炭を負極に用いるよりも充放電特性が高く、例えば電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスの極材料として有望であることがわかった。なお、この非晶質炭素は、電解液の選択性も特に制限されず、通常用いる非水系電解液において良好な放電特性を示した。
本発明は、主に電気化学産業に利用可能であり、例えばハイブリッド車や電気自動車の動力源、携帯電話やパソコンなど民生用家電機器の電源、ロードレベリング(負荷平準化)などに利用することができる。
蓄電デバイス10の一例の構成を表す構成図であり、図1(a)は蓄電デバイス10の組立前の断面図、図1(b)は蓄電デバイス10の組立後の断面図である。 3電極セルとして構成された蓄電デバイス30の構成を表す説明図である。 実施例1の負極の非晶質炭素のX線回折パターンである。 実施例1の正極の黒鉛のX線回折パターンである。 実施例1の負極の非晶質炭素のTEM写真である。 実施例1の蓄電デバイスの充放電曲線である。 実施例1の蓄電デバイスのLi参照極を基準とした正極及び負極の充放電曲線である。 比較例1の蓄電デバイスの充放電曲線である。 比較例1の蓄電デバイスのLi参照極を基準とした正極及び負極の充放電曲線である。
符号の説明
10,30 蓄電デバイス、12 円筒基体、14 キャビティ、16 負極、18 セパレータ、20 正極、22 リング、24 円柱、25 加圧ボルト、25a 貫通孔、26 蓋、26a 開口、27 絶縁用樹脂リング、28 パッキン、29 絶縁リング、31,36 支持板、32,37,43 集電部材、33,38 押圧部材、34,39 押圧バネ、42 参照極。

Claims (3)

  1. 正極と、
    イオンを含み前記正極と接触するイオン伝導媒体と、
    X線回折においてブロードなピークを示し且つ2θが20°以上23°以下の範囲に最大ピークを示す非晶質炭素を含み、前記イオン伝導媒体と接触し前記イオン伝導媒体に含まれるイオンを該非晶質炭素が吸着して蓄電する負極と、
    を備えた蓄電デバイス。
  2. 前記負極は、比表面積が120m2/g以下である非晶質炭素を含んでいる、
    請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記正極は、比表面積が100m2/g以下である黒鉛を含み、
    前記イオン伝導媒体は、前記イオンを含む非水系電解液であり、
    充電時に2.0V以上3.3V以下の範囲に電圧変化の屈曲点を有する、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス。
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