JP2009202760A - 車両用通信システムおよび車両用通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両内の如何なる設置場所に設置されても、ユニット間の通信が可能な車両用通信システムおよび車両用通信方法を提供する。
【解決手段】車両内の各場所に配置された制御対象それぞれを制御するユニット20間の通信を行うために、当該ユニット20が車両内に設置された際に、設置場所を示すモジュールを判断する設置場所判断手段202が、当該ユニットが設置されたモジュールにあるゲートウェイ10の無線通信手段101から送信されてきたモジュールID104aを当該モジュールを特定する情報として受信し、受信したモジュールIDと当該ユニットの種別を示すデバイスID205bとにより、当該ユニット20を一意に識別するユニットIDを、ユニットID生成部203にて生成して、メモリ205にユニットID205aとして記憶する。以降の通信は、該ユニットID205aを用いて通信を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用通信システムおよび車両用通信方法に関する。
車両の各場所に配置されている制御対象それぞれを制御するために搭載されたユニット(電子制御装置)間の通信を行う車両用通信システムに関する従来の技術として、特許文献1の特開2003−152737号公報「車両制御システムおよび当該システムに用いられる無線中継装置」に記載されているように、ケーブル等の敷設を伴わず、無線信号を用いて、複数のユニット(電子制御装置)間の相互通信を可能にする無線中継装置がさらに搭載された車両用通信システムが提案されている。
特開2003−152737号公報
しかしながら、前記特許文献1のような従来の技術においては、たとえば、各ユニット(電子制御装置)は、車両内に取り付けられる設置場所それぞれに対応して、製造段階において各ユニットを特定するユニットID(ユニット識別情報)が固定的に割り当てられて設定されているため、各ユニット(電子制御装置)が、あらかじめ決められた設置場所以外に設置された場合(いわゆる、誤組み付けがなされた場合)、たとえ、ユニット動作として制御対象を正しく制御することができるようなユニット(電子制御装置)であったとしても、各ユニット(電子制御装置)間の通信を行うことができない可能性があるという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、設置場所によらず、ユニット間の通信を可能とする車両用通信システムおよび車両用通信方法を提供することを、その目的としている。
本発明は、前述の課題を解決するために、車両にユニットが設置された際に、当該ユニットの種別を示すユニット種別情報と当該ユニットの車両内の設置場所を特定するモジュールを示す情報とを用いて、当該ユニットを一意に識別することが可能なユニット識別情報を生成することを特徴としている。
本発明の車両用通信システムおよび車両用通信方法によれば、ユニット識別情報に基づいて一義的に識別が可能となるため、ユニットの車両内の設置場所によらず、ユニット間の通信を行うことができる。
以下に、本発明による車両用通信システムの最良の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明による車両用通信システムの第1の実施形態の構成について図1の模式図を用いて説明する。図1は、本発明による車両用通信システムの第1の実施形態におけるシステム構成を示す模式図であり、車両内における全体イメージの一例として、ドアモジュールを例にとって示している。
図1に示すように、本実施形態における車両用通信システムは、車両内の場所(部位)もしくは機能ごとに分割した複数のモジュールによって構成されており、たとえば、ドアモジュールの場合、運転席ドア側に位置する運転席ドアモジュール1、助手席ドア側に位置する助手席ドアモジュール2、後右席ドア側に位置する後右席ドアモジュール3、後左席ドア側に位置する後左席ドアモジュール4により構成されており、さらに、ドアモジュールに付随する機能を有するモジュールとして、車両のフロント側に位置するフロントモジュール5、車両のリア側に位置するリアモジュール6も合わせて示している。
また、各モジュールには、1つのゲートウェイ(通信処理装置)を備え、さらには、必要に応じて、1ないし複数のユニット(電子制御装置)を備えている。図1の例では、運転席ドアモジュール1には、ゲートウェイ11と1個のユニット21を、助手席ドアモジュール2には、ゲートウェイ12と1個のユニット22を、後右席ドアモジュール3には、ゲートウェイ13と1個のユニット23を、後左席ドアモジュール4には、ゲートウェイ14と1個のユニット24を、フロントモジュール5には、ゲートウェイ15と3個のユニット25,25a,25bを、リアモジュール6には、ゲートウェイ16と3個のユニット26,26a,26bを、それぞれ、配置している。
また、各モジュールのゲートウェイからの通信信号を中継するために、リピータ31,32,33が備えられており、リピータ31,32,33は、各モジュール1,2,3,4,5,6内にそれぞれに配置されているゲートウェイ11,12,13,14,15,16との間あるいは他のリピータ31,32,33との間で通信信号を中継する。
モジュール内の各ユニット間(たとえば、フロントモジュール5内のユニット25,25a,25b間)では、あらかじめ定めた到達距離を有する無線電波の到達距離の範囲内に通常配置されており、直接、あるいは、モジュール内に設置されているゲートウェイを介して、ユニット間の制御信号を通信信号として送受信が行われる構成になっている。
一方、異なるモジュールのユニット間(たとえば、運転席ドアモジュール1のユニット21とフロントモジュール5のユニット25との間)での制御信号の送受信が必要な場合には、無線電波の到達距離の範囲外に配置されているので、制御信号の中継機能を有するゲートウェイさらに必要に応じてリピータを介して(たとえば、運転席ドアモジュール1とフロントモジュール5とのユニット間の制御信号の送受信の場合、ゲートウェイ11,15間の距離が無線電波の到達距離を超えてしまうため、無線電波を増幅して中継するリピータを1ないし複数介して、この場合は、リピータ31,32の2個を介して、つまり、ゲートウェイ11,15、リピータ31,32を介して)、各ユニットの制御信号を転送することによって、異なるモジュールのユニット間の制御信号を送受信することができる構成とする。
かくのごとき構成とすることによって、各ユニット間での無線通信が可能になり、車両としての標準機能を有する車載通信システムを実現している。
なお、本実施形態においては、無線電波(無線信号)を用いて、ユニット間の通信を行う場合について説明するが、本発明は、無線通信の場合のみに限るものではなく、場合によっては、有線ケーブル等を用いて、ユニット間通信を行う場合であってもかまわない。かかる場合、各ゲートウェイ、各ユニットは、有線信号を扱うことになる。
車両を構造的に分割もしくは機能的に分割した各モジュールには、それぞれのモジュールをユニークに特定するモジュールIDが割り当てられており、図1の例では、運転席ドアモジュール1には「0x10 00」が、助手席ドアモジュール2には「0x20 00」が、後右席ドアモジュール3には「0x30 00」が、後左席ドアモジュール4には「0x40 00」が、それぞれ、割り当てられている。ここに、それぞれの先頭に付されている「0x」は、後続の数字列が16進数表示であることを示している。
また、図1の各ゲートウェイ、各ユニットは、図2に示すような内部構成を備えている。図2は、図1に示すゲートウェイおよびユニットのブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、図2(A)がゲートウェイのブロック構成の一例を、図2(B)がユニットのブロック構成の一例を示している。
つまり、図1のゲートウェイ11〜16は、いずれも同一の構成からなっており、図2(A)に示すように、ゲートウェイ10は、無線通信手段101と、ユニットID管理手段102と、モジュール情報生成手段103と、メモリ104とを少なくとも備えている。さらに、無線通信手段101は、受信部101aと送信部101bとを備え、メモリ104には、少なくとも、ユニットID104aとモジュールID104bとが格納されている。
ここに、ユニットID104aは、当該ゲートウェイ10のモジュール内に設置された各ユニット20を一意に識別可能なユニット識別情報であり、後述するように、当該モジュール内の各ユニット20から送信されてきたユニットIDを受信して、ユニット識別情報管理手段であるユニットID管理手段102によって管理される。また、モジュールID104bは、当該ゲートウェイ10が設置されている設置場所を特定するモジュールを一意に識別するモジュール識別情報であり、製造段階において、モジュール識別情報記憶手段であるメモリ104にあらかじめ格納して保持される。
また、図1のユニット21〜26は、いずれも同一の構成からなっており、図2(B)に示すように、ユニット20は、無線通信手段201と、設置場所判断手段202と、ユニット検出手段204とを少なくとも備えている。さらに、無線通信手段201は、ゲートウェイ10と同様、受信部201aと送信部201bとを備え、設置場所判断手段202は、ユニットID生成部203を備え、ユニット検出手段204内に備えられたメモリ205には、少なくとも、ユニットID205aとデバイスID205bとが格納されている。なお、設置場所判断手段202内のユニットID生成部203は、生成タイミング指定部203aをさらに備えている。
ここに、ユニットID205aは、後述するように、当該ユニット20を一意に識別可能なユニット識別情報であり、ユニットID生成部203つまりユニット識別情報生成手段により生成されて、ユニット識別情報記憶手段であるメモリ205に格納して保持される。メモリ205に保持されたユニットID205aは、以降、ユニット間の通信を行う場合や制御対象を制御する際に利用される。また、デバイスID205bは、当該ユニット20の種別を識別することが可能なユニット種別情報であり、製造段階において、ユニット種別情報記憶手段であるメモリ204にあらかじめ格納して保持される。
具体的には、たとえば、ゲートウェイ10、ユニット20は、それぞれ、以下のような構成とされる。
ゲートウェイ10は、たとえば、ROMに実装したプログラムを実行するCPUと、該CPUとの間で無線通信用の情報をやり取りする無線通信手段201と、該CPUからアクセス可能なメモリ104と、を有し、ユニットID管理手段102とモジュール情報生成手段103とはプログラムとしてROMに格納された構成とされている。
つまり、モジュール情報生成手段103として、当該ゲートウェイ10の設置場所を示すモジュールIDを含むモジュール情報を生成するモジュール情報生成プログラムが、また、ユニットID管理手段102として、当該ゲートウェイ10が設置されているモジュール内のユニット20のユニットIDを管理するユニットID管理プログラムが、それぞれ、ROM中に備えられている。
また、ユニット20も、たとえば、ROMに実装したプログラムを実行するCPUと、該CPUとの間で無線通信用の情報をやり取りする無線通信手段101と、該CPUからアクセス可能なメモリと、を有し、設置場所判断手段202とユニットID生成部203とユニット検出手段204とはプログラムとしてROMに格納された構成とされている。
つまり、設置場所判断手段202として、当該ユニット20が設置されている設置場所つまりモジュールを判別する設置場所判断プログラムが、また、ユニットID生成部203として、同一モジュール内のゲートウェイ10からの制御情報としてモジュール情報を受信した該モジュール情報内に含まれているモジュールIDと、当該ユニット20の製造時に当該ユニット20の種類をユニークに識別する識別子として付与されたユニットIDと、を合成して、ユニットIDを生成するユニットID生成プログラムが、また、ユニット検出手段204として、工場の製造段階、あるいは、市場に出荷された以降において、機能追加用として新たに実装された段階、または、故障時に交換された段階などにおいて、当該ユニット20が車両に搭載されたことを検出するユニット検出プログラムが、それぞれ、ROM中に備えられている。
以下、図2(A)のゲートウェイ10における各構成要素についてさらに説明する。
無線通信手段101は、各ユニット20に対して、モジュールID(車両内の空間的、機能的な場所(部位)を示すモジュールを一意に特定する識別情報すなわちモジュール識別情報)を含むモジュール情報を送信するとともに、各ユニット20から、ユニットを一意に識別するユニットIDを受信する機能を有している。また、ユニットID管理手段102は、同一モジュール内に設置されたユニット20からユニットIDの情報を受信した際にメモリ104にユニットID104aとして記憶するとともに、同一モジュール内のユニット20の増減を管理し、その状態をユーザに通知する機能を有している。
また、モジュール情報生成手段103は、無線通信手段101と相俟って、モジュール識別情報送信手段を提供するものであり、車両を構造的に分割もしくは機能的に分割したものをモジュールとして定義した場合に、それぞれのモジュールを特定するモジュールID104bとしてメモリ104に記憶されている情報を用いてモジュールID(すなわち、空間的、機能的な設置場所を特定するモジュール識別情報)を含んだモジュール情報伝達用の信号を生成して送信する機能を有している。
次に、ユニット20における各構成要素についてさらに説明する。
無線通信手段201は、他のユニット20との間で制御信号の送受信を行うとともに、ゲートウェイ10からモジュール情報を受信する機能を有している。また、設置場所判断手段202は、ゲートウェイ10から受信したモジュール情報に含まれるモジュールIDに基づき、当該ユニット20がどのモジュールに設置されているのかを判断する機能を有しており、設置場所を示すモジュールを識別するモジュール識別手段を提供している。
また、ユニット検出手段204は、前述のように、工場の製造段階、あるいは、車両が市場に出荷された以降であって、新規機能用として追加された段階、または、故障時に交換された段階などにおいて、当該ユニット20が車両に搭載されたことを検出する機能を有している。なお、本実施形態の設置場所判断手段202は、ユニットIDを生成するタイミングを指定する生成タイミング指定手段である生成タイミング指定部203aを備えたユニットID生成部203を有しており、ユニット20が設置された場所と当該ユニット20の種別とを特定するユニットIDを指定されたタイミングで生成する機能も有している。なお、ユニット識別情報生成手段であるユニットID生成部203は、ユニット種別を示すデバイスIDと設置場所のモジュールを示す情報すなわちモジュールIDとにより、当該ユニット20を一意に識別可能なユニットIDを生成する。
次に、本実施形態に関して、製造段階において、ユニット20が車両内に搭載された場合や、市場に出荷されて、各ユニット20間で無線通信による制御信号の送受信が行われ、標準機能が実現されている車両に対して、機能の追加によるユニット20の追加や、ユニット20の故障による別のユニット20との交換(新しいユニット20との交換、異なる場所に設置されていたユニット20との交換)が生じた場合に、ユニット20を車両内に設置するだけで、当該ユニット20を特定するユニットIDを生成する制御手順について、図3のフローチャートに基づいて説明する。図3は、本発明による車両用通信システムの第1の実施形態における制御動作の一例を説明するためのフローチャートであり、本発明による車両用通信方法の一例として、ユニット20を特定するユニットIDを生成する動作例を示している。
なお、図3のフローチャートにおいて、ステップS101からS108までに記載の各制御動作は、各ゲートウェイ10に関する動作に対応し、ステップS151からS162までに記載の各制御動作は、各ユニット20に関する動作に対応する。
特に、ステップS101からS104までに記載の制御動作は、各ゲートウェイ10において、車両内のモジュールの場所を示すモジュールIDが含まれるモジュール情報を生成し、同一モジュール内の各ユニット20に対して、モジュール情報をブロードキャストする動作に対応し、ステップS105からS108までに記載の制御動作は、同一モジュール内のユニットIDを管理する各ゲートウェイ10における動作に対応している。
また、ステップS151からS154までに記載の制御動作は、各ユニット20において、モジュール情報に含まれるモジュールIDをゲートウェイ10から受信する動作に対応し、ステップS156からS161までに記載の制御動作は、モジュールID(車両内の場所を示すモジュールを特定するモジュール識別情報)とデバイスID(ユニットの種別を示すユニット種別情報)とを合成することによって、各車両に固有のユニットIDを生成する各ユニット20における動作に対応している。
以下の説明においては、具体的な一例として、工場の製造段階において、図1の運転席ドアモジュール1に新たに搭載されたユニット20について、該ユニットにユニットIDを事前に設定することを必要としないで、ユニットが車両に実装された場所に応じて、車両の搭載場所(車両内の部位)に固有のユニットIDを付与する場合について説明する。なお、以下には、製造段階において、運転席ドアモジュール1に各ユニットが実装された場合について説明するが、製造段階のみに限るものではなく、車両が市場に出荷された以降であって、新規機能用として新たに追加された段階、または、故障時に交換された段階のいずれかの段階において、新たなユニット20が実装された場合であっても良いし、また、運転席ドアモジュール1以外のドアモジュールに実装された場合についても全く同様の動作である。
また、搭載されたユニット20は、ユニットIDを用いて車両内のユニット間通信を効果的に行うことを可能にするとともに、詳細は後述するが、車両内のモジュール(設置場所)に応じて、それぞれのモジュール内の制御対象を制御するための機能として固有の機能を実施する制御信号をユニットIDを用いて生成して出力するか、あるいは、車両内のモジュール(設置場所)や、さらには、車両のグレードや車種の如何を問わずに、制御対象を制御するための機能として共通の機能を実施する制御信号を生成して出力するかのいずれかからなっている。つまり、本発明においては、共通の機能を実施する共用化可能なユニットのみならず、設置したモジュール(設置場所)に応じて固有の機能を実施する場合であっても、生成したユニットIDを利用することにより、モジュール(設置場所)に応じてそれぞれの機能や性能(機能に関する制御量)を変更することによって、ユニット20を共用化可能としている。
製造段階において、運転席ドアモジュール1に新たに搭載されるユニット20としては、たとえば、図4に示すように、以下のごとく1個のゲートウェイ(通信処理装置)と5個のユニット(電子制御装置)とが設置されるものにする。図4は、本発明による車両用通信システムにおける運転席ドアモジュール1に搭載されるユニット20の一例とユニットID生成結果の一例とを示す説明図であり、助手席ドアモジュール2と共用可能なユニットの一例を示している。
(1)ゲートウェイ11
(2)リクエストスイッチ(ドアロック/アンロックスイッチ)21a
(3)ドアロックアクチュエータ21b
(4)パワーウインドウスイッチ21c
(5)パワーウインドウモータ21d
(6)ドアミラーモータ21e
従来の技術においては、ゲートウェイ11を除く各ユニット(リクエストスイッチ21a、ドアロックアクチュエータ21b、パワーウインドウスイッチ21c、パワーウインドウモータ21d、ドアミラーモータ21e)それぞれに対して付与される識別用のID(ユニットを特定するユニット識別情報)は、設置場所ごとつまりモジュールごとに異なるユニット識別符号からなるユニットIDとなっている。
したがって、従来の技術においては、当該各ユニットのいずれか1ないし複数を運転席ドアモジュール1とは異なるモジュールに設置しようとしても、ユニットを識別するユニットIDが異なっているために、異なるモジュールでは正しく動作させることができなかった。
しかし、本実施形態においては、各ユニット20に対して、ユニットの種別を示すためのデバイスIDを付与するとともに、共通の生成方法により、設置場所に応じてユニットIDを生成して付与することによって、車両内の他のドアモジュール(助手席ドアモジュール2など)や、異なるグレードの車両や、異なる車種であっても、各ユニットを実装可能にしている。
たとえば、本実施形態の場合、デバイスID(ユニットの種別を識別するユニット種別情報)としては、図4に示すように、次のごとく、ユニットの種別ごとに、異なるデバイス識別符号を付与している。
(a)リクエストスイッチ21a : 0x00 81
(b)ドアロックアクチュエータ21b : 0x00 41
(c)パワーウインドウスイッチ21c : 0x00 82
(d)パワーウインドウモータ21d : 0x00 42
(e)ドアミラーモータ21e : 0x00 43
なお、各デバイスIDの先頭の「0x」は、前述のように、16進数表示であることを示している。
また、各ゲートウェイ10については、車両の製造時点で、モジュールの場所を示すモジュールIDが付与されている。該モジュールIDとしては、図1にて前述したように、設置される場所ごとにそれぞれ異なるモジュール識別番号とするために、それぞれのドアモジュールに対しては、以下のごとく、異なるモジュール識別符号を付与している。
(ア)運転席ドアモジュール1 : 0x10 00
(イ)助手席ドアモジュール2 : 0x20 00
(ウ)後右席ドアモジュール3 : 0x30 00
(エ)後左席ドアモジュール4 : 0x40 00
車両内の各ドアモジュールに設置されたゲートウェイ10に対して、前述のような各モジュールIDがそれぞれ付与されて、車両の製造時点で、図2に示すように、各ゲートウェイ10のメモリ104にモジュールID104bとして記憶されている。
図3のフローチャートにおいて、まず、図4のゲートウェイ11は、当該ゲートウェイ11内のメモリ104から、車両の製造時点に付与・記憶されているモジュールID104bをロードし(ステップS101)、ロードしたモジュールID104bつまり当該ゲートウェイ11の設置場所を示す情報(ゲートウェイID)を少なくとも含むモジュール情報伝達用の信号(モジュール識別用のモジュール識別情報を含む信号)を生成する(ステップS102)。なお、該モジュール情報には、生成した情報がモジュール情報であることを示すヘッダも付与されている。
次に、生成したモジュール情報をモジュール内の各ユニット対して一斉に送信するタイミングとしてあらかじめ定めた周期である送信タイミング(たとえば、100ミリ秒間隔の送信タイミング)に達したか否かを判別し(ステップS103)、送信タイミングに達した場合(ステップS103のYES)、当該ゲートウェイ11が属する運転席ドアモジュール1内の各ユニット(リクエストスイッチ21a、ドアロックアクチュエータ21b、パワーウインドウスイッチ21c、パワーウインドウモータ21d、ドアミラーモータ21e)に対して、モジュールIDを含むモジュール情報伝達用の信号を定期的にブロードキャストする(ステップS104)。なお、あらかじめ定めた送信タイミングに達していない場合には(ステップS103のNO)、モジュール情報伝達用の信号の送信負荷を低減するために、該送信タイミングに達するまで待機する。各ユニット20は、車両に搭載されたことをユニット検出手段204によって検出すると、ゲートウェイ10から定期的にブロードキャストされてくるモジュール情報伝達用の信号を受信して、その中に含まれているモジュールIDを取得する。
なお、ゲートウェイ10は、モジュール情報伝達用の信号をあらかじめ定めた送信タイミングごとにブロードキャストする動作を繰り返す場合に限るものではなく、たとえば、ゲートウェイ10が設置されているモジュール内に新たなユニット20が搭載されたことを検出するユニット搭載検出手段をゲートウェイ10内に備え、該ユニット搭載検出手段により、新たなユニット20を検出した際に、モジュール情報伝達用の信号を、当該ユニット20に対して送信するようにしても良い。また、各ユニット20は、車両に搭載されたことをユニット検出手段204によって検出した場合、設置されたモジュール(設置場所)を問い合わせるモジュール問合せ情報をゲートウェイ10に送信し、該モジュール問合せ情報を受け取ったゲートウェイ10から、モジュール情報伝達用の信号を返送するようにしても良い。
運転席ドアモジュール1内に設置された各ユニット20(リクエストスイッチ21a、ドアロックアクチュエータ21b、パワーウインドウスイッチ21c、パワーウインドウモータ21d、ドアミラーモータ21e)は、ゲートウェイ11からブロードキャストされてきたモジュール情報を受信する(ステップS151)。各ユニット20は、受信したモジュール情報が自ユニット宛の信号であるか否かを判別する(ステップS152)。なお、自ユニット宛の信号としては、2種類の信号があり、指定したユニットの制御対象であるモータやスイッチ等の動作機構の動作を制御することを指示する制御指示信号か、あるいは、ゲートウェイ11からブロードキャストされるモジュール情報伝達用の信号か、のいずれかである。
自ユニット宛の信号であった場合には(ステップS152のYES)、次に、受信した信号が、ゲートウェイ11からブロードキャストされたモジュール情報伝達用の信号であるか否かを判別する(ステップS153)。モジュール情報伝達用の信号であった場合には(ステップS153のYES)、受信したモジュール情報伝達用の信号の中から、モジュール情報の送信元のゲートウェイ11、受信側の自ユニット20が属するモジュールつまり運転席ドアモジュール1を特定するモジュールIDを取り出す(ステップS154)。なお、ステップS152において、自ユニット宛の信号でないと判別された場合には(ステップS152のNO)、ステップS151に復帰して、再度、次の信号の受信を監視するフェーズで待機する。
また、ステップS153において、モジュール情報伝達用の信号ではないと判別された場合には(ステップS153のNO)、受信した自ユニット20が制御対象の動作を制御することを指示する制御指示信号を受信した場合であり、受信した当該ユニット20宛の制御指示信号に含まれる動作制御内容に基づいて、当該ユニット20内のROMに記述された動作制御用プログラムを駆動して、当該ユニット宛の制御指示信号に基づいた制御信号を生成して、制御対象の動作を制御する(ステップS155)。
ステップS154において受信したモジュール情報の中からモジュールIDを取り出した後は、次に、ユニットID生成部203によってユニットIDを生成する動作が実施される。まず、生成タイミング指定部203aにてユニットIDを生成すべきタイミングにあるか否かを判別する(ステップS156)。
ユニットIDを生成すべきタイミングとしては、少なくとも、次の2種類の場合のうち、少なくとも一つ以上を含んでいる。存在する。第1番目は、工場における車両の製造完了時(つまりオフライン段階の完了時)であり、この製造完了時においてゲートウェイ10からモジュール情報伝達用の信号を受信した場合には、モジュール内に実装した全てのユニット20についてユニットIDを生成することが必要になる。第2番目は、車両が市場に出荷された状態(つまりオンライン状態)になった以降におけるエンジン始動時であり、新たな機能の追加に伴いユニット20を新たに追加した場合や故障により新たなユニット20に交換した場合においては、エンジン始動時においてゲートウェイ10からモジュール情報伝達用の信号を受信した際に、新たに追加したり交換したりしたユニット20に関してユニットIDを生成することが必要になる。
ユニットIDを生成すべきタイミングではないと判別した場合には(ステップS156のNO)、そのまま、ユニットIDを生成すべきタイミングになるまで待機するか、あるいは、次の信号を受信することを待ち合わせるか、のいずれかの状態になる。一方、ユニットIDを生成すべきタイミングであると判別した場合には(ステップS156のYES)、当該ユニット20内のメモリ205に記憶されているユニットID205aをロードする(ステップS157)。ここで、ユニットID205aをロードする理由としては、当該ユニットに対して、既に、ユニットIDが設定されている可能性があるためであり、仮に、正しいユニットIDが設定されていた場合には、無駄な処理が行われることになるためである。
メモリ205からロードされたユニットID205a内に、ゲートウェイ11から受信したモジュール情報に関する当該モジュールIDが既に含まれているか否かを判別し(ステップS158)、受信した当該モジュールIDが含まれていた場合には(ステップS158のYES)、当該ユニット20のユニットIDは既に生成済みであるとみなして、ステップS151に復帰する。
一方、受信した当該モジュールIDが含まれていなかった場合には(ステップS158のNO)、当該ユニット20が当該モジュールに新たに搭載されたものまたは交換されたものとみなして、ユニットIDの生成を行うべく、メモリ205からデバイスID205bをロードする(ステップS159)。なお、デバイスID205bは、前述のように、ユニット20の製造時点で、当該ユニット20の種別を示す情報として、当該ユニット20内のメモリ205に記憶されている。
また、ユニットIDは、図4に示すように、
[Unit_ID]=[Module_ID]+[Device_ID]
つまり、ユニットID = モジュールID + デバイスID
で与えられる。すなわち、ユニットID(ユニット識別情報)は、ゲートウェイ11からブロードキャストされたモジュールID(設置場所を示すモジュール識別情報)と当該ユニット20の製造時点でユニット20内のメモリ205に記憶されているデバイスID(ユニット20の種別を示すユニット種別情報)とを加算して合成すれば得られる(ステップS160)。
以上の動作により、車両に搭載されたユニット20を一意に識別可能なユニットIDを生成することが可能になる。たとえば、ユニットIDを生成すべきユニット20が、運転席ドアモジュール1内に設定されたパワーウインドウモータ21dであった場合には、次の通り、ユニットIDを生成することができる。
つまり、図4に示すように、ゲートウェイ11からのモジュールIDと、パワーウインドウモータ21dのデバイスID205bとは、それぞれ、
モジュールID : 0x10 00
デバイスID : 0x00 42
である。
したがって、運転席ドアモジュール1に設置されたパワーウインドウモータ21dのユニットIDは、次の通りである。
ユニットID = モジュールID + デバイスID
= 0x10 00 + 0x00 42
= 0x10 42
なお、このパワーウインドウモータ21dが助手席ドアモジュール2に搭載された場合、助手席ドアモジュール2内のゲートウェイ12から受信されるモジュール情報内のモジュールIDは、運転席ドアモジュール1の場合の“0x10 00”ではなく、“0x20 00”であり、一方、パワーウインドウモータ21dのデバイスID205bは、運転席ドアモジュール1の場合と同じパワーウインドウモータという種別のユニット種別情報であり、“0x00 42”であるので、助手席ドアモジュール2に搭載された場合のパワーウインドウモータ21dのユニットIDは、次の通りである。
ユニットID = 0x20 00 + 0x00 42
= 0x20 42
したがって、ユニット20の種別を示すデバイスIDと当該ユニット20の設置場所を特定するモジュールIDを用いることによって、車両内の各設置場所に設置される同一種別のユニット20について、図4の「ドアモジュールにおけるユニットIDの生成例」に示すごとく、それぞれのユニット20を特定するためのユニットIDを一意に決定することができる。
なお、図4には、運転席ドアモジュール1と助手席ドアモジュール2との2つのドアモジュールに設置されるユニット20(リクエストスイッチ21a、ドアロックアクチュエータ21b、パワーウインドウスイッチ21c、パワーウインドウモータ21d、ドアミラーモータ21e)に関して、ユニットIDの生成例を示しているが、後右席ドアモジュール3や後左席ドアモジュール4、さらには、フロントモジュール5やリアモジュール6などの他のモジュールについても、全く同様の手順によって、ユニットIDを生成する。
ステップS160においてユニットIDを生成した後、ユニットIDの生成動作による処理量の増大を防ぐために、ユニットIDは、メモリ205内にユニットID205aとして記憶される(ステップS161)とともに、同一モジュールつまり運転席ドアモジュール1内のゲートウェイ11に対して、生成したユニットIDを送信する(ステップS162)。
なお、ステップS156において、ユニットIDを生成すべきタイミングか否かを判別することによって、ユニットIDの生成処理の負荷を軽減する例について示したが、場合によっては、生成すべきタイミングか否かを判別しないで、ゲートウェイ10からモジュール情報伝達用の信号を受け取った場合は、直ちに、ステップS157以降の動作を行うようにしても良い。
ゲートウェイ11は、モジュール内におけるユニットの個数と種別とを把握するために、当該モジュールつまり運転席ドアモジュール1内の各ユニットによって生成され、各ユニット20側から送信されてきたユニットIDを受信して(ステップS105)、受信したユニットIDをメモリ104にユニットID104aとして記憶する(ステップS106)。この結果、ゲートウェイ11は、同一モジュールつまり運転席ドアモジュール1内に設置されたユニット20の個数と種別とを把握することができる。
さらに、ゲートウェイ11は、メモリ104にユニットID104aとして今まで記憶されていた情報と、今回各ユニット20から受信してメモリ104にユニットID104aとして記憶した情報との比較結果から、当該モジュール内つまり運転席ドアモジュール1内に設置されているユニット20の個数に増減があるか否かを判別する(ステップS107)。ユニット20の増減があった場合には(ステップS107のYES)、ユーザに対して、ユニットの増減があった旨を提示する(ステップS108)。
この結果、ユニット20の搭載が正しく完了し、製造が正常に完了したことや新しい機能が実現されたことや故障したユニットの交換が完了したこと、もしくは、製造や新規の機能追加変更や故障交換時においてシステム構成に不備があるか否かをユーザに把握させることができる。
また、車両内の運転席ドアモジュール1〜後左席ドアモジュール4については、如何なる構造の車種であっても、通常、各ユニット20は、同一モジュール内のゲートウェイ10からのモジュール情報伝達用の信号を正しく受信することができる。しかし、ハッチバック車両の場合、リアモジュール6については、その形状から、各ユニット20は、同一モジュール内のゲートウェイ10からのモジュール情報伝達用の信号の受信状態が悪い特性となってしまう可能性がある。
したがって、ハッチバック車両のような場合には、リアモジュール6内に同じモジュールIDを含むモジュール情報伝達用の信号を発するゲートウェイ10を複数個配置することによって、各ユニット20との通信状態を良好な状態にするとともに、リアモジュール6内の各ユニット20から見た場合、いずれも、同じリアモジュール6内に設置されているものとして認識することができる。たとえば、ハッチバック車両の場合、リアモジュール6内に2つのゲートウェイ(ゲートウェイA、ゲートウェイB)を設置し、各ゲートウェイA,BのモジュールIDを次のように同一の番号たとえば“0x50 00”に設定する。
ゲートウェイA: 0x50 00
ゲートウェイB: 0x50 00
また、車両を製造する上で、モジュールのサイズがやむを得ず大きくなってしまい、同一モジュール内に設置されている各ユニット20が一つのゲートウェイ10からモジュール情報伝達用の信号を受信することができない状態が生じる場合であっても、前述したように、同一モジュール内に複数のゲートウェイ10を配置する手法を採用することによって、問題を回避することができる。
なお、以上の説明においては、ゲートウェイ10から同一モジュール内に設置された各ユニット20に対してあらかじめ定めた周期でモジュール伝達用の信号を送信する動作を行うことによって、各ユニット20は、それぞれが設置されているモジュール(設置場所)を示すモジュールIDを取得する場合について説明したが、本発明は、かかる場合に限るものではなく、たとえば、ユニット20が車両内に設置されたことをユニット検出手段204によって検出した際に、同一モジュール内のゲートウェイ10に対して、モジュールIDの転送要求を送信するようにしても良いし、あるいは、ゲートウェイ10のメモリ104内ではなく、ユニット20の搭載場所の近傍に、読み取り可能な状態で、モジュールIDを配置しておき、車両内に設置されたことをユニット検出手段204によって検出した際に、ユニット20がモジュールIDの情報を読み取るようにしても良い。
以上、説明したように、本実施形態においては、製造段階におけるユニット20の取り付けや、機能の追加によるユニット20の追加や、ユニットの故障によるユニットの交換などが生じた場合に、ユニット20の車両内の設置場所つまりモジュールを意識しなくても、ユニット20を車両内に実装するだけで、ユニット20の車両内の設置場所に応じたユニットIDを生成して、ユニット20に対して付与することができる。
その結果として、たとえば、運転席ドアモジュール1〜後左席ドアモジュール4内の各ユニット20のように、車両内に同じ機能、性能を有するユニット20が複数存在している場合、車両/グレード/車種の如何を問わず、また、設置場所の如何を問わず、車両内のユニット間の通信を行うことが可能であり、かつ、共通の機能を有するユニットであれば、制御対象を正しく制御することができるので、ユニット20の共用化を進めることができ、汎用性を向上させることができる。
たとえば、TPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ圧モニタシステム)のように、前後左右のタイヤ(各モジュールの制御対象)のいずれの場合についても、タイヤ圧力センサは、同一の計測動作を実施するという共通の機能であり、前後左右のタイヤのいずれについても共用化が可能なユニットとして、そのまま、いずれのタイヤにも取り付けが可能である。つまり、前後左右の各タイヤが、それぞれのユニットとして、デバイスIDが固定されたタイヤ圧力センサを備えている場合であっても、前後左右の各タイヤをローテーションする場合に、ユニットIDの変更を行うことなく、タイヤのローテーションを行うことが可能であり、ローテーション後の位置に応じたユニットIDを自動的に生成して、正しい動作(空気圧の変化があったタイヤをモニタ上で正しく表示する動作)を実現することができる。
図5は、本発明による車両用通信システムにおいてタイヤのローテーションを行った際の動作の一例を説明する説明図であり、後輪の左右のタイヤをローテーションした場合に、各タイヤに備えられているタイヤ圧力センサのユニットIDの設定例を示している。図5(A)は、本発明の実施形態における動作例を示し、図5(B)は、本発明の動作が従来技術と異なっていることを示すために、従来技術の場合の動作を示している。
なお、図5(A)、(B)それぞれには、タイヤローテーション前の各タイヤ圧力センサのユニットIDとタイヤローテーション後の各タイヤ圧力センサのユニットIDとを、本発明の本実施形態の場合と従来技術の場合とについてそれぞれ示している。
図5(A)に示すように、本実施形態においては、前後左右のタイヤは、それぞれ、前右フェンダーモジュールA(Module_ID=“0xA0 00”)、前左フェンダーモジュールB(Module_ID=“0xB0 00”)、後右フェンダーモジュールC(Module_ID=“0xC0 00”)、後左フェンダーモジュールD(Module_ID=“0xD0 00”)に属しており、各タイヤに備えられるタイヤ圧力センサのデバイスID(Device_ID)は、いずれも、“0x00 4A”であるものとする。
かかる場合、本実施形態においては、タイヤローテーション前において、前後左右にタイヤを装着した状態では、それぞれのタイヤに備えられているタイヤ圧力センサのユニットを特定するユニットIDは、前述のように、それぞれのタイヤすなわちタイヤ圧力センサの設置場所(モジュール)に応じて自動的に生成される。
したがって、前右フェンダーモジュールAのタイヤ圧力センサのユニット2Aについては、Unit_ID=“0xA0 4A”、前左フェンダーモジュールBのタイヤ圧力センサのユニット2Bについては、Unit_ID=“0xB0 4A”、後右フェンダーモジュールCのタイヤ圧力センサのユニット2Cについては、Unit_ID=“0xC0 4A”、後左フェンダーモジュールDのタイヤ圧力センサのユニット2Dについては、Unit_ID=“0xD0 4A”に、それぞれ設定される。
しかる後、後輪の左右のタイヤのローテーションを行った場合、後右のタイヤに備えられているタイヤ圧力センサのユニット2Cは、後左フェンダーモジュールDに、また、後左のタイヤに備えられているタイヤ圧力センサのユニット2Dは、後右フェンダーモジュールCに移動することになる。
しかし、本実施形態においては、移動後のモジュールIDに応じて、それぞれのユニット2C,2DのユニットIDが生成されて付与し直される結果、図5(A)に示すように、タイヤローテーション後の後右フェンダーモジュールCのタイヤ圧力センサのユニット2Dについては、Unit_ID=“0xC0 4A”、後左フェンダーモジュールDのタイヤ圧力センサのユニット2Cについては、Unit_ID=“0xD0 4A”に、それぞれ設定される。したがって、タイヤローテンション後の各タイヤについて、正しく、タイヤの空気圧を検出して通知することが可能となっている。
これに対して、従来技術の場合、各ユニットを特定するユニット識別情報つまりユニットIDは、各タイヤ圧力センサのユニットそれぞれに固定的に割り付けられる。したがって、図5(B)に示すように、タイヤローテーション前において、前後左右にタイヤを装着した状態では、それぞれのタイヤに備えられているタイヤ圧力センサのユニットについて、図5(A)の場合と同一のユニットIDが割り当てられている。
たとえば、前右タイヤのタイヤ圧力センサのユニット2AのUnit_ID=“0xA0 4A”、前左タイヤのタイヤ圧力センサのユニット2BのUnit_ID=“0xB0 4A”、後右タイヤのタイヤ圧力センサのユニット2CのUnit_ID=“0xC0 4A”、前右タイヤのタイヤ圧力センサのユニット2DのUnit_ID=“0xD0 4A”と設定されており、たとえ、タイヤのローテーションを行っても、一旦、割り当てられたユニットIDは変化することがない。
たとえば、後輪の左右のタイヤのローテーションを行った場合、後右のタイヤに備えられているタイヤ圧力センサのユニット2Cは、後左輪の位置に、また、後左のタイヤに備えられているタイヤ圧力センサのユニット2Dは、後右輪の位置に移動することになる。
したがって、従来技術においては、たとえ、車両内の設置場所が変わっても、前述のように、ユニットIDはそのままであり、変更されることがないので、後左輪の位置に移っても、ユニット2CのUnit_ID=“0xC0 4A”のままであり、後右輪の位置に移ったタイヤ圧力センサのユニットIDは、ユニット2DのUnit_ID=“0xD0 4A”のままであり、車両内の設置場所を正しく認識するユニットIDが得られなくなる。
而して、たとえばTPMS(Tire Pressure Monitoring System)において、タイヤローテーション前の後右輪のタイヤの空気圧の低下を検出した場合、図6に示すように、本発明の本実施形態の場合には、タイヤローテーション後においても、空気圧が低下したタイヤの位置を正しく認識することができるが、従来技術の場合には、タイヤローテーション後では、空気圧が低下したタイヤの位置を誤って認識してしまう結果を招く。
図6は、図5に示すタイヤのローテーションを行った際のTPMS(Tire Pressure Monitoring System)の動作例を説明する説明図であり、図6(A)は、本発明の本実施形態におけるTPMSの動作例を示し、図6(B)は、本発明の動作が従来技術と異なっていることを示すために、従来技術の場合のTPMSの動作を示している。なお、図6(A)、(B)には、タイヤローテーション前に後右輪のタイヤの空気圧が低下している状態で、後輪の左右のタイヤのローテーションを行った場合のTPMSの動作を、タイヤローテーション前とタイヤローテーション後とについて、本発明の本実施形態の場合と従来技術の場合について示している。
図6(A)に示すように、それぞれのタイヤに備えられているタイヤ圧力センサのユニットのユニットIDが設置場所(モジュール)に応じて自動的に生成される本実施形態においては、TPMSは、各タイヤに備えられているタイヤ圧力センサのユニットIDに基づいて、たとえば、タイヤローテーション前には、後右輪のタイヤ3Cの空気圧が低下していることを認識し、後輪の左右のタイヤ3C,3Dのローテーション後では、後右輪の位置に移動したタイヤ3Cの空気圧が低下していることを正しく認識することができる。
これに対して、それぞれのタイヤに備えられているタイヤ圧力センサのユニットのユニットIDが設置場所(モジュール)に関係なく固定的に割り当てられる従来技術の場合には、図6(B)に示すように、TPMSは、各タイヤに備えられているタイヤ圧力センサのユニットIDに基づいて、タイヤローテーション前には、後右輪のタイヤ3Cの空気圧が低下していることを正しく認識することができるものの、後輪の左右のタイヤ3C,3Dのローテーション後では、後左輪の位置に移動したタイヤ3Cの空気圧が低下していることを認識することができず、相変わらず、後右輪のタイヤ3Dの空気圧が低下しているものと誤って認識してしまう。その結果として、ゲートウェイ10経由の車両用通信システムにより、TPMSのタイヤの空気圧の計測結果をユーザに通知する際に、後右輪のタイヤ3Dの空気圧が低下しているという誤った情報を、ユーザに通知してしまう。
本実施形態においては、前述のように、かかる事態が発生することがないので、ユニットの汎用性を向上させることができる。つまり、ユニット20の種別によって決定されるデバイスIDと、車両におけるユニット20の設置場所を意味するモジュールIDとを合成することによって、ユニークなユニットIDを生成するので、車両内の場所の如何を問わず、また、車両の種類やグレードを問わず、ユニット20の汎用性を向上させることができる。
また、前述のように、ゲートウェイ10が送信するモジュール情報伝達用の信号が同一モジュール内の各ユニット20に安定的に到達することができない場合には、当該モジュール内に同じモジュールIDを有するモジュール情報伝達用の信号を送信する複数のゲートウェイ10を設置することも可能であり、当該モジュール内に設置された各ユニット20が、同じモジュールに設置されていることを認識することができる。
また、前述のように、生成タイミング指定部203aの動作により、ユニットIDを生成するタイミングを最小限に制限することも可能であり、ユニットIDの生成に関わる処理を低減することができる。
また、前述のように、ゲートウェイ10内のメモリ104に当該ゲートウェア10と同一のモジュール内に設置されている各ユニット20のユニットIDを記憶することが可能であり、ゲートウェイ10は直接通信対象とする当該モジュール内におけるユニット20の増減を把握することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明による車両用通信システムの第2の実施形態の構成について図7のブロック構成図を用いて説明する。図7は、第1の実施形態として前述した図2のゲートウェイおよびユニットのブロック構成とは異なる例を、本発明の第2の実施形態として示すブロック構成図であり、図7(A)がゲートウェイのブロック構成の一例を、図7(B)がユニットのブロック構成の一例を示している。
本実施形態においては、ユニットの動作として、第1の実施形態におけるタイヤ圧力センサのように、設置場所の如何を問わず、制御対象(タイヤ)に対して同一の制御(タイヤ圧力の計測)を実施する場合ではなく、設置場所(モジュール)に応じて、異なる機能あるいは異なる性能(つまり機能に関する制御量が異なることを意味する)を実行するような制御を実施する制御信号を生成する場合について説明する。なお、ユニットの動作として、設置場所(モジュール)の如何を問わず共通の機能、性能を実行する共通制御信号を生成する部分と、設置場所(モジュール)に応じて異なる機能、性能を実行する固有制御信号を生成する部分とが混在していてもかまわない。
図7のブロック構成において、図7(A)のゲートウェイ10は、図2に示すゲートウェイ10と全く同一であり、また、図7(B)のユニット20Aは、制御対象に対する制御信号を生成する制御信号生成手段206が新たに追加されている以外は、図2に示すユニット20と同一である。
つまり、図7(A)に示すように、ゲートウェイ10は、図2(A)と同一のブロック構成であり、無線通信手段101と、ユニットID管理手段102と、モジュール情報生成手段103と、メモリ104とを少なくとも備え、無線通信手段101は、受信部101aと送信部101bとを備え、メモリ104には、少なくとも、ユニットID104aとモジュールID104bとが格納されている。
一方、図7(B)に示すように、ユニット20Aは、前述のように、制御信号生成手段206が新たに追加されている以外は、図2(B)のユニット20と同一であり、無線通信手段201と、設置場所判断手段202と、ユニット検出手段204とを少なくとも備えている。
無線通信手段201は、ゲートウェイ10と同様、受信部201aと送信部201bとを、また、設置場所判断手段202は、ユニットID生成部203を備え、さらに、ユニットID生成部203は、生成タイミング指定部203aをさらに備え、ユニット検出手段204内に備えられたメモリ205には、少なくとも、ユニットID205aとデバイスID205bとが格納されている。
また、ユニット20Aとして新たに追加された制御信号生成手段206は、変更タイミング決定部207と、静的性能変更部208と、機能変更部209と、を少なくとも備えている。
制御信号生成手段206は、ユニット標準の動作を実現する制御信号を生成するのみならず、標準動作を変更して、当該ユニット20Aのモジュール(設置場所)に応じた当該ユニット20Aの動作を実現する制御信号を生成する機能を有している。変更タイミング決定部207は、当該ユニット20Aの動作(機能、性能)を静的に変更するタイミングつまり出力する制御信号の変更を行うタイミングを決定する変更タイミング決定手段を提供するものであり、静的性能変更部208は、変更タイミング決定部207にて決定されたタイミングで当該ユニット20Aの動作性能(つまり機能に関する制御量)を静的に変更する制御量変更手段を提供するものであり、機能変更部209は、変更タイミング決定部207にて決定されたタイミングで当該ユニット20Aの機能を静的に変更する機能変更手段を提供するものである。
すなわち、設置場所(モジュール)に応じて、ユニット20Aの動作として、制御対象を制御する制御信号(つまり、指定した機能、性能を実行することを指示する信号)を標準動作用の制御信号から変更して生成することを可能としており、設置場所(モジュール)如何によって、当該ユニット20Aに実装される制御プログラムなどの変更を行う必要はなく、同じユニット20Aを設置するだけで、設置場所(モジュール)に応じて、必要となる制御対象への制御信号を出力することができる。
なお、ユニット20Aは、制御信号生成手段206が生成する制御信号として、当該ユニット20Aが設置されたモジュールの如何によらず、共通の制御信号を生成する場合と、当該ユニット20Aが設置されたモジュールに応じてそれぞれに固有の制御信号を生成する場合との双方またはいずれか一方を含むような制御信号を生成することも可能である。
以下には、図2にて説明した第1の実施形態と共通する基本的構成についての重複した説明は省略し、第1の実施形態と異なる点を中心にして説明する。
本実施形態においては、ゲートウェイ10が送信するモジュールIDを含むモジュール情報を用いて、ユニット20Aの設置場所を認識する動作は、第1の実施形態の場合と同様であるが、ユニット20Aをいずれかのモジュール(設置場所)に新たに設置した際に、新たにユニット20Aに追加された制御信号生成手段206が、設置されたモジュール(設置場所)に応じた制御信号を生成することにより、当該ユニット20Aが制御対象を制御する際のユニット動作の特性(機能、性能)を、当該ユニット20Aが設置されたモジュール(設置場所)に応じて静的に変更する動作例を説明している。
つまり、本実施形態においては、車両の製造段階で、設置場所を標準状態とは異なる場所に設置した場合や、市場にて車両が使用される状態になった以降において、機能の追加によるユニット20Aの追加や、故障によるユニット20Aの交換(新しいユニット20Aとの交換や異なる場所に設置されていたユニット20Aとの交換)が生じた場合に、ユニット20Aを車両内に設置するだけで、当該ユニット20Aを特定するユニットIDの生成を行うとともに、当該ユニット20Aの標準的な動作から、その設置場所(モジュール)に応じた動作性能(機能に関する制御量)、機能へと静的に変更する動作例を示すものであり、その制御手順について、図8のフローチャートに基づいて説明する。
図8は、本発明による車両用通信システムの第2の実施形態における制御動作の一例を説明するためのフローチャートであり、本発明による車両用通信方法の図3とは異なる例として、ユニット20Aを特定するユニットIDを生成し、かつ、固有の標準的な動作から、その設置場所(モジュール)に応じた動作性能、機能へと静的に変更する動作例を示している。
なお、図8のフローチャートにおいて、ステップS101からS108までに記載の各制御動作は、各ゲートウェイ10に関する動作に対応しており、図3のフローチャートの場合と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、図8のステップS151からS162まで、および、ステップS251からS259までに記載の各制御動作は、各ユニット20Aに関する動作に対応するが、これらの各ステップのうち、制御動作の記載を省略したステップS151からS162まではユニットIDを生成する動作であり、それらの各制御動作は、図3のフローチャート場合と同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、ユニット20AにおけるステップS251からS254までに記載の各制御動作は、制御信号生成手段206にて、ユニットの標準動作性能から、その設置場所(モジュール)に応じた動作性能(機能に関する制御量)へと静的に変更する動作に対応し、ステップS255からS257までに記載の各制御動作は、制御信号生成手段206にて、ユニット固有の標準動作機能から、その設置場所(モジュール)に応じた動作機能へと静的に変更する動作に対応し、ステップS258からS259までに記載の各制御動作は、制御信号生成手段206にて、ユニット20Aの動作性能や機能を変更しても問題のないタイミングで変更を実施するように制御する動作に対応する。
以下には、図8のフローチャートのうち、本実施形態に固有の動作となるユニット20A側のステップS251からS259までの動作について説明することとし、その具体的な例として、1台の車両内に複数存在するユニット20Aに着目して、電動シートの性能とドアロックの機能との2つの場合について、それぞれの設置場所(モジュール)に応じた変更動作を例にとって、説明する。
ここで、前提として、電動シートについては、シートの移動という機能が、設置場所(モジュール)の如何を問わず同一であっても、当該機能に関する制御量(シートの移動速度、移動量)を、設置場所(モジュール)に応じて変更することが可能なユニットであり、ドアロックについては、ロック/アンロックの動作性能(機能に関する制御量)が、設置場所(モジュール)の如何を問わず同一であっても、集中ロック/アンロック機能など運転席における機能とその他の席における機能とで、設置場所(モジュール)に応じて変更することが可能なユニットであるものと仮定する。
また、車両を構成するモジュールに対して設置される各ユニット20Aは、車両内の設置場所の如何のみならず、異なる車両/グレード/車種の如何には関係なく、同じ種別のユニットであれば、共通の構成となっているものと仮定する。つまり、以下の説明においては、電動シートの性能およびドアロックの機能は、異なる車両内設置場所/車両/グレード/車種の如何には関係なく、共通であるものと仮定する。
なお、本実施形態においては、前述のように、ユニット20Aの動作として、設置場所(モジュール)の如何を問わず共通の機能、性能を実行する共通制御信号を生成する部分と、設置場所(モジュール)に応じて異なる機能、性能を実行する固有制御信号を生成する部分とが混在していてもかまわない。つまり、制御信号生成手段206Aとして、車両内に設置可能な各設置場所(モジュール)において共通に必要とする機能や性能(機能に関する制御量)を実行させる共通制御信号と、車両内に設置可能な各設置場所(モジュール)に応じてそれぞれに固有に必要とする機能や性能(機能に関する制御量)を実行させる固有制御信号とをあらかじめ備えておき、ユニットID(ユニット識別情報)に基づいて、当該ユニット20Aが設置されたモジュールに必要とする固有制御信号を取り出し、前記共通制御信号と合わせて制御対象を制御するようにしても良い。
この結果、ユニット20Aごとに、共通動作部分(機能、性能)と固有動作部分(機能、性能)とをあらかじめ備えて、モジュール(設置場所)に応じて固有動作も必要な場合、共通制御信号と固有制御信号とを生成し、モジュール(設置場所)の如何によらず共通動作のみで十分な場合、共通制御信号のみを生成して出力することができるので、ユニット20Aの共通化を促進することができ、設置場所に依存することなく、ユニット20Aを動作させることができる。たとえば、モジュール(設置場所)によって、ユニット20Aに必要とする機能は同一であっても、その機能に関する制御量のみが異なる場合もある。このような場合にも、モジュール(設置場所)ごとに決められる制御量を設定することができる。
<電動シートの性能設定例>
まず、設置場所(モジュール)に応じて電動シートの性能(シート機能に関する制御量:移動速度、移動量など)を静的に変更する場合の動作例について、図9の説明図を参照しながら、図8のフローチャートのステップS251からS259までの動作を説明する。
図9は、本実施形態における電動シートの性能を変更する動作を説明する説明図であり、共用化される電動シート(Device_ID:0x00 4B)を、運転席シートとして運転席ドアモジュール1(Module_ID:0x10 00)内に設置する場合には、該電動シートの性能として、細かい操作、高い精度、…などの性能を満たすように設定され、助手席シートとして助手席ドアモジュール2(Module_ID:0x20 00)内に設置する場合には、該電動シートの性能として、速い動作、低い精度、…などの性能を満たすように設定される例を示している。
現在、運転席シート41、助手席シート42は、電動シートになっている高級車が少なくないが、電動シートの場合、ボタン1つでシートを動かすことができ、快適であるというメリットがある反面、思いの他、移動する動作速度が遅かったり、設定することができる位置が細かすぎたりするといったデメリットもある。
たとえば、図9の「各ユニットに記載されている特徴(性能)」に示すように、運転席シート41であれば、ドライバとしてはドライビングポジションを正確に指定したいというニーズがあり、設定することができる位置が細かいことがメリットとして受け入れられる。しかし、助手席シート42であれば、ドライビングポジションを正確に指定することができなくても、快適に乗車することができれば良いため、運転席シート41で求められるような位置の設定精度は求められなく、速い移動速度が望まれる。
そのため、シートの設置場所(モジュール)に応じて、要求される動作性能(動作の分解能)は異なるものとなる。なお、左右の座席シートでシート形状が異なる場合もあるため、簡単には、運転席シート41と助手席シート42とを共通化することができない場合があるものの、仮に、運転席シート41と助手席シート42とを共通化することができるような場合であれば、以下のように、本実施形態においては、共通化された電動シートを所定の場所に設置した場合に、その設置場所(モジュール)を認識し、その設置場所(モジュール)に応じた動作性能を実現することが可能になる。
図8のフローチャートにおいて、まず、電動シート(Device_ID:0x00 4B)が所定の位置に設置されると、第1の実施形態の図3のフローチャートにて説明したように、電動シートのユニット20A側のステップS151〜S162までの処理によって、設置された場所に応じて電動シートのユニットIDが決定される。
決定されたユニットIDには、設置場所(モジュール)を特定するモジュールIDが含まれており、図9に示すように、運転席シート41として運転席ドアモジュール1(Module_ID:0x10 00)に設置された場合には、ユニットID(Unit_ID)は“0x10 4B”であり、助手席シート42として助手席ドアモジュール2(Module_ID:0x20 00)に設置された場合には、ユニットID(Unit_ID)は“0x20 4B”である。
したがって、次に、当該ユニット20Aにおいては、ユニットIDに含まれているモジュールIDから設置場所(モジュール)を判別して(ステップS251)、当該ユニット20Aの設置場所(モジュール)におけるユニットの特徴(性能)つまり図9の「各ユニットに記載されている特徴(性能)」に関する情報を当該ユニット20A内に備えられているデータベースからローディングすることによって取得する(ステップS252)。
図9に示すような電動シートの場合においては、モジュールIDを用いてユニット20A(電動シート)の設置場所が運転席ドアモジュール1、助手席ドアモジュール2のいずれかを判別し、運転席ドアモジュール1、助手席ドアモジュール2に設置されたユニット20A(電動シート)それぞれに基づいて、それぞれのモジュールにおけるユニット20Aの特徴を取得する。
運転席ドアモジュール1に設置された運転席シート41の場合は、細かい操作と高い精度とが必要とされていることを取得し、助手席ドアモジュール2に設置された助手席シート42の場合は、精度は低く大まかな設定であっても速い動作が必要とされていることを取得する。
しかる後、ユニット20A(電動シート)の標準動作(性能)を変更する必要がある場所か否かを判別し(ステップS253)、ユニット20A(電動シート)の標準動作(性能)を変更する必要がない場合には(ステップS253のNO)、標準動作(性能)のまま動作するものとする。
これに対して、ユニット20A(電動シート)の標準動作(性能)を変更する必要がある場合には(ステップS253のYES)、設置場所(モジュール)に応じた当該ユニット20Aの動作(性能)を算出する(ステップS254)。
つまり、運転席シート41であれば、ユーザすなわちドライバからのボタン操作入力に対する電動シートの移動分解能を細かく設定し、たとえば、図9に示すように、電動シートを駆動するシートシフト用モータへの出力は、シートシフト用のボタン操作入力に対してリニアになるように設定する。而して、ユーザが求めるドライビングポジションを高い精度で実現するように算出する。
一方、助手席シート42であれば、ユーザからのスイッチ操作入力に対する電動シートの移動分解能を粗く設定して、所定のポジションに速い動作でシフトするように算出する。たとえば、図9に示すように、助手席シート42の場合、電動シートを駆動するモータへの出力について最小分解能を定義し、電動シートのシフト用ボタン操作入力に対して、シートシフト用のモータへの出力は、定義した最小分解能の倍数のみを取り得るように設定することによって、設定可能なシート位置を限定し、粗い精度になるものの、シート位置の設定を簡単にかつ素早く実現することができるように設定する。
次に、当該ユニット20Aの機能に関する情報つまり当該ユニット20Aの設置場所(モジュール)におけるユニットの特徴(機能)に関する情報を当該ユニット20A内に備えられているデータベースからローディングすることによって取得する(ステップS255)。
しかし、運転席ドアモジュール1、助手席ドアモジュール2に設置されたユニット20Aが電動シートであった場合には、設置場所(モジュール)の如何により、機能に関する変更が発生しない場合であるので、図8のステップS256においては、標準動作(機能)の変更が不要であるものと判別して(ステップS256のNO)、最後に、ステップS254において算出されたユニット20Aの動作(性能)の算出結果によって、ユニット20Aの動作を変更する場合には、ユニット20Aの動作を変更しても良いタイミングであるか否かを変更タイミング決定部207にて判別する(ステップS258)。
ユニット20Aの動作を変更しても良いタイミングであった場合には(ステップS258のYES)、当該ユニット20A(電動シート)に関して、ステップS254において算出されたユニット20Aの動作(性能)の算出結果によって、ユニットの動作を可能にするように、ユニットの動作変更を行う、つまり、制御対象(シートシフト用モータ)を制御する制御信号としてモジュール(設置場所)に応じて異なる動作(性能)となる制御信号を生成して出力するとともに(ステップS259)、以後の動作においても、ステップS254において算出された動作が可能になるように、算出結果を記憶しておく。
なお、ステップS258においてユニット20Aの動作を変更しても良いタイミングとしては、車両の製造が完了した時点や、市場に出た以降であって、ユニット20Aを新たに追加または交換しても機能としてまだ使用していない時点や、当該ユニット20Aが利用されていない時点や、市場に出た以降であって、ユニット20Aが新たに追加または交換された際の、エンジン始動時等の車両を使い始める時点などのうち、少なくとも一つ以上を用いることとする。
以上のように、本実施形態においては、モジュール(設置場所)に適したユニット20Aの性能(速度や分解能)に変更して制御信号を生成するので、モジュール(設置場所)に応じて、ユニット20Aに対する新たな設定作業を行わなくても、乗員にとって、違和感が少ない動作(性能)を実現することができる。
また、本実施形態においては、モジュール(設置場所)に応じて、ユニット20Aの性能(速度や分解能)を変更した制御信号を生成するタイミングを変更タイミング決定部207の動作により最小限に制限することが可能であり、制御信号を変更して生成する処理負荷を低減することができる。
<ドアロック/アンロックスイッチの機能設定例>
次に、設置場所(モジュール)に応じてドアロック/アンロックスイッチの機能を静的に変更する場合の動作例について、図10の説明図を参照しながら、図8のフローチャートのステップS251からS259までの動作を説明する。
図10は、本実施形態におけるドアロック/アンロックスイッチの機能を変更する動作を説明する説明図であり、共用化されるドアロック/アンロックスイッチ(Device_ID:0x00 81)を、運転席ドアロック/アンロックスイッチとして運転席ドアモジュール1(Module_ID:0x10 00)内に設置する場合には、該ドアロック/アンロックスイッチの機能として、単独ドアロック機能の他に、他のドアのロック/アンロックも可能な集中ドアロック機能…などを満たすように設定され、助手席ドアロック/アンロックスイッチとして助手席ドアモジュール2(Module_ID:0x20 00)内に設置する場合には、該ドアロック/アンロックスイッチの機能として、単独ドアロック機能の他に、他のドアのロック/アンロックスイッチからの要求にも応じるドアロック受付機能、…などを満たすように設定される例を示している。
現在、ほぼ全ての乗用車において、運転席のみに集中ドアロック機能が採用されているが、車両として、運転席にドライバが乗車していることが前提になっており、運転席にある運転席ドアロック/アンロックスイッチからのドアロック操作により、集中ドアロック機能が実現されれば良い。ただし、ユニット20Aとしてのドアロック/アンロックスイッチの形状から各ドアモジュールについて各ユニット20Aの共通化を図ることが可能である。
ドアロック/アンロックスイッチの共通化を図った場合、ユニット20Aとしてドアロック/アンロックスイッチを設置した時点で、その設置場所(モジュール)を認識することができれば、以下のように、本実施形態においては、たとえば、運転席ドアモジュール1に対して設置された運転席用ドアロック/アンロックスイッチ51について、改めて、集中ドアロック機能を付与したスイッチを設置しなくても、ユニット20Aの設置場所(モジュール)に応じた機能(集中ドアロック機能)を静的に付与することができる。
また、助手席ドアモジュール2に対して設置された助手席用ドアロック/アンロックスイッチ52については、改めて、他のドアロック/アンロックスイッチからの要求に応じるドアロック受付機能を付与したスイッチを設置しなくても、ユニット20Aの設置場所(モジュール)に応じた機能(ドアロック受付機能)を付与することができる。
図8のフローチャートにおいて、まず、ドアロック/アンロックスイッチ(Device_ID:0x00 81)が所定の位置に設置されると、第1の実施形態の図3のフローチャートにて説明したように、ドアロック/アンロックスイッチのユニット20A側のステップS151〜S162までの処理によって、設置された場所に応じてドアロック/アンロックスイッチのユニットIDが決定される。
決定されたユニットIDには、設置場所(モジュール)を特定するモジュールIDが含まれており、図10に示すように、運転席用ドアロック/アンロックスイッチ51として運転席ドアモジュール1(Module_ID:0x10 00)に設置された場合には、ユニットID(Unit_ID)は“0x10 81”であり、助手席用ドアロック/アンロックスイッチ52として助手席ドアモジュール2(Module_ID:0x20 00)に設置された場合には、ユニットID(Unit_ID)は“0x20 81”である。
したがって、次に、当該ユニット20Aにおいては、ユニットIDに含まれているモジュールIDから設置場所(モジュール)を判別して(ステップS251)、まず、当該ユニット20Aの性能(機能に関する制御量)つまり当該ユニット20Aの設置場所(モジュール)におけるユニットの特徴(性能)に関する情報を当該ユニット20A内に備えられているデータベースからローディングすることによって取得する(ステップS252)。
しかし、運転席ドアモジュール1、助手席ドアモジュール2に設置されたユニット20Aがドアロック/アンロックスイッチであった場合には、設置場所(モジュール)如何によって、性能に関する変更が発生しない場合であるので、図8のステップS253においては、標準動作(性能)の変更が不要であるものと判別して(ステップS253のNO)、次に、当該ユニット20Aの設置場所(モジュール)におけるユニットの特徴(機能)つまり図10の「各ユニットに記載されている特徴(機能)」に関する情報を当該ユニット20A内に備えられているデータベースからローディングすることによって取得する(ステップS255)。
図10に示すようなドアロック/アンロックスイッチの場合においては、モジュールIDを用いてユニット20A(ドアロック/アンロックスイッチ)の設置場所が運転席ドアモジュール1、助手席ドアモジュール2のいずれかを判別し、運転席ドアモジュール1、その他のドアモジュールたとえば助手席ドアモジュール2に設置されたユニット20A(ドアロック/アンロックスイッチ)それぞれに基づいて、それぞれのモジュールにおけるユニット20Aの特徴を取得する。
運転席ドアモジュール1に設置された運転席用ドアロック/アンロックスイッチ51の場合は、単独ドアロック機能の他に、集中ドアロック機能が必要とされていることを取得し、助手席ドアモジュール2に設置された助手席用ドアロック/アンロックスイッチ52の場合は、単独ドアロック機能の他に、他のドアロック/アンロックスイッチからの要求にも応じるドアロック受付機能が必要とされていることを取得する。
しかる後、ユニット20A(ドアロック/アンロックスイッチ)の標準動作(機能)を変更する必要がある場所か否かを判別し(ステップS256)、ユニット20A(ドアロック/アンロックスイッチ)の標準動作(機能)を変更する必要がない場合には(ステップS256のNO)、標準動作(機能)のまま動作するものとする。
これに対して、ユニット20A(ドアロック/アンロックスイッチ)の標準動作(機能)を変更する必要がある場合には(ステップS256のYES)、設置場所(モジュール)に応じた当該ユニット20Aの動作(機能)を算出する(ステップS257)。
つまり、運転席用ドアロック/アンロックスイッチ51であれば、単独ドアロック機能の他に、集中ドアロック機能を実現するように算出する。一方、助手席用ドアロック/アンロックスイッチ52であれば、単独ドアロック機能の他に、ドアロック受付機能を実現するように算出する。
最後に、ステップS257において算出されたユニット20Aの動作(機能)の算出結果によって、ユニット20Aの動作を変更する場合には、ユニット20Aの動作を変更しても良いタイミングであるか否かを変更タイミング決定部207にて判別する(ステップS258)。
ユニット20Aの動作を変更しても良いタイミングであった場合には(ステップS258のYES)、当該ユニット20A(ドアロック/アンロックスイッチ)に関して、ステップS257において算出されたユニット20Aの動作(機能)の算出結果によって、ユニットの動作を可能にするように、ユニットの動作変更を行う、つまり、制御対象(ドアロック機構)を制御する制御信号としてモジュール(設置場所)に応じて異なる動作(機能)となる制御信号を生成して出力するとともに(ステップS259)、以後の動作においても、ステップS257において算出された動作が可能になるように、算出結果を記憶しておく。
なお、ステップS258においてユニット20Aの動作を変更しても良いタイミングとしては、図9に示した電動シートの場合と同様、市場に出た以降であって、ユニット20Aを新たに追加または交換しても機能としてまだ使用していない時点や、当該ユニット20Aが利用されていない時点や、市場に出た以降であって、ユニット20Aが新たに追加または交換された際の、エンジン始動時等の車両を使い始める時点などのうち、少なくとも一つ以上を用いることとする。
以上のように、本実施形態においては、モジュール(設置場所)に適したユニット20Aの機能に変更して制御信号を生成するので、モジュール(設置場所)に応じて、ユニット20Aに対する新たな設定作業を行わなくても、乗員にとって、違和感がない動作(機能)を実現することができる。
また、本実施形態においては、モジュール(設置場所)に応じて、ユニット20Aの機能を変更した制御信号を生成するタイミングを変更タイミング決定部207の動作により最小限に制限することが可能であり、制御信号を変更して生成する処理負荷を低減することができる。
以上、詳細に説明したように、本第2の実施形態においては、ユニット20Aが共用化されるとしても、車両内への設置時に自動的に生成されたユニットIDに含まれるモジュールIDに基づいて、ユニット20A固有の標準動作(性能、機能)から設置場所(モジュール)に応じた動作(性能、機能)に自動的に設定変更することを可能とし、当該ユニット20Aの設置場所(モジュール)に応じたユニットの動作を実現することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明による車両用通信システムの第3の実施形態の構成について図11のブロック構成図を用いて説明する。
図11は、第1,2の実施形態としてそれぞれに前述した図2、図7のゲートウェイおよびユニットのブロック構成とは異なる例を本発明の第3の実施形態として示すブロック構成図であり、図11(A)がゲートウェイのブロック構成の一例を、図11(B)がユニットのブロック構成の一例を示している。
本実施形態においては、ユニットの動作として、第2の実施形態における電動シートやパワーウインドウスイッチの場合のように、たとえば、変更タイミング決定部207にて決定された特定の時点で、制御対象に対する機能や性能(機能に関する制御量)を標準動作状態から静的に変更する制御信号を生成する場合ではなく、車両の走行中においてドライバに対する運転負荷を考慮しつつ、設置場所(モジュール)に応じて、異なる機能あるいは異なる性能(機能に関する制御量)を実行するような制御を実施する制御信号を動的に生成して出力する場合について説明する。なお、本実施形態においても、第2の実施形態の場合と同様、ユニットの動作として、設置場所(モジュール)の如何を問わず共通の機能、性能を実行する共通制御信号を生成する部分と、設置場所(モジュール)に応じて異なる機能、性能を実行する固有制御信号を生成する部分とが混在していてもかまわない。
図11のブロック構成において、図11(A)のゲートウェイ10は、図2、図7に示すゲートウェイ10と全く同一であり、また、図11(B)のユニット20Bは、制御信号生成手段206Aの中に、さらに、動的性能変更部210が新たに追加されている以外は、図7に示すユニット20Aと同一である。
つまり、図11(A)に示すように、ゲートウェイ10は、図2(A)、図7(A)と同一のブロック構成であり、無線通信手段101と、ユニットID管理手段102と、モジュール情報生成手段103と、メモリ104とを少なくとも備え、無線通信手段101は、受信部101aと送信部101bとを備え、メモリ104には、少なくとも、ユニットID104aとモジュールID104bとが格納されている。
一方、図11(B)に示すように、ユニット20Bは、前述のように、制御信号生成手段206A内に動的性能変更部210が新たに追加されて、制御信号生成手段206Aとして、変更タイミング決定部207と、静的性能変更部208と、機能変更部209と、動的性能変更部210とを少なくとも備えている以外は、図2(B)のユニット20と同一であり、無線通信手段201と、設置場所判断手段202と、ユニット検出手段204とを少なくとも備えている。
無線通信手段201は、ゲートウェイ10と同様、受信部201aと送信部201bとを、また、設置場所判断手段202は、ユニットID生成部203を備え、さらに、ユニットID生成部203は、生成タイミング指定部203aを少なくとも備え、ユニット検出手段204内に備えられたメモリ205には、少なくとも、ユニットID205aとデバイスID205bとが格納されている。
また、ユニット20Bの制御信号生成手段206A内に新たに追加された動的性能変更部210は、乗員有無検出部211と、走行状態検出部212と、運転負荷判断部213と、を少なくとも備え、さらに、乗員有無検出部211は、ユニット操作検出部211aと、着座センサ211bと、を少なくとも備えている。
制御信号生成手段206Aは、第2の実施形態における図7の制御信号生成手段206と同様、ユニット標準の動作を実現する制御信号を生成する場合のみならず、標準動作を変更して、当該ユニット20Bのモジュール(設置場所)に応じて当該ユニット20Bの動作を実現する制御信号を生成する機能を有している。しかし、静的に制御信号の生成を行う図7の制御信号生成手段206とは異なり、制御信号生成手段206Aは、さらに、同一モジュール(設置場所)内に設置されているユニット20Bの操作を検出したり、あるいは、乗員の着座状態を検出したり、車両の走行状態の変化を検出したりすることによって、運転中のドライバに対する運転負荷状態の変化を検出し、動的性能変更部210によって、当該ユニット20Bの性能(機能に関する制御量)をモジュール(設置場所)に応じて動的に変更する制御信号を生成する動的制御量変更手段をも提供している。
乗員有無検出部211は、乗員の乗車の有無を判定する乗員有無検出手段を提供するものであって、ユニット操作検出部211aは、同一モジュール(設置場所)内に設置されている他のユニット20Bも含めて乗員によるユニット20Bの操作の有無を検出するユニット操作検出手段を提供するものであり、また、着座センサ211bは、乗員の着座の有無を検出するものであり、また、走行状態検出部212は、車両の走行状態を検出するものであり、運転負荷判断部213は、走行状態や他の乗員の有無に基づいて、運転中のドライバに対する運転負荷状態を判断する運転負荷判断手段を提供するものである。
すなわち、走行状態に左右される可能性があるモジュール(設置場所)たとえば運転席周辺に設置されたユニット20Bに関しては、走行状態や他の乗員の有無によるドライバへの運転負荷を考慮して、その時点において可能なドライバのユニット操作に基づいて、ユニット20Bの動作を動的に変更する、つまり、生成する制御信号の動作性能(機能に関する制御量)を動的に変更することによって、運転中のドライバに対するユニット操作負担を軽減することができる。
なお、ユニット20Bは、制御信号生成手段206Aが生成する制御信号として、当該ユニット20Bが設置されたモジュールの如何によらず、共通の制御信号を生成する場合と、当該ユニット20Bが設置されたモジュールに応じてそれぞれに固有の制御信号を生成する場合との双方またはいずれか一方を含むような制御信号を生成することも可能である。
以下には、図2、図7にて説明した第1、第2の実施形態と共通する基本的構成についての重複した説明は省略し、第1、第2の実施形態と異なる点を中心にして説明する。
本実施形態においては、ゲートウェイ10が送信するモジュールIDを含むモジュール情報を用いて、ユニット20Bの設置場所を認識する動作は、第1、第2の実施形態の場合と同様であるが、ユニット20Bをいずれかのモジュール(設置場所)に設置した際に、つまり、いずれかのモジュール(設置場所)に対してユニット20Bを新たに追加したり、故障のためにユニット20Bを交換したりした際に、新たにユニット20Bの制御信号生成手段206Aに追加された動的性能変更部210が、設置されたモジュール(設置場所)に応じた制御信号を動的に生成することにより、当該ユニット20Bが制御対象を制御する際のユニット動作の特性(性能)を、当該ユニット20Bが設置されたモジュール(設置場所)、乗員による当該ユニット20Bの操作や乗員の着座が検出されているか否か、および、車両の走行状態の如何や運転中のドライバの負荷状態の如何に応じて、動的に変更する動作例を説明している。
つまり、本実施形態においては、市場において車両の使用が開始された以降であって、各ユニット20B間通信による制御信号等の送受信が行われ、たとえば通常の標準的な動作が実現されている車両に対して、機能の追加によるユニット20Bの追加や、故障によるユニット20Bの交換(新しいユニット20Bとの交換や異なる場所に設置されていたユニット20Bとの交換)が生じた場合に、ユニット20Bを車両内に設置するだけで、当該ユニット20Bを特定するユニットIDの生成を行うとともに、当該ユニット20Bの標準的な動作から、走行状態に応じた運転中のドライバの負荷状態を考慮しつつ、その設置場所(モジュール)に応じた動作性能(機能に関する制御量)へと動的に変更する動作例を示すものであり、その制御手順について、図12のフローチャートに基づいて説明する。
図12は、本発明による車両用通信システムの第3の実施形態における制御動作の一例を説明するためのフローチャートであり、本発明による車両用通信方法の図3、図8とはさらに異なる例として、ユニット20Bを特定するユニットIDを生成し、かつ、固有の標準的な動作から、走行状態に応じた運転中のドライバの負荷状態を考慮しつつ、その設置場所(モジュール)に応じた動作性能へ動的に変更する動作例を示している。
なお、図12のフローチャートにおいて、ステップS101からS108までに記載の各制御動作は、各ゲートウェイ10に関する動作に対応しており、図3のフローチャート場合と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、図12のステップS151からS162まで、ステップS251、S257、S259、および、ステップS351からS355までに記載の各制御動作は、各ユニット20Bに関する動作に対応するが、これらの各ステップのうち、制御動作の記載を省略したステップS151からS162までは、ユニットIDを生成する動作であり、それらの各制御動作は、図3のフローチャートの場合と同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、ステップS251、S257、S259の各ステップに記載のユニット20Bの設置場所(モジュール)に応じた動作(性能)の変更に関する動作は、図8のフローチャートの場合と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
以下には、図12のフローチャートのうち、本実施形態に固有の動作となるユニット20B側のステップS351からS355までの動作について説明することとし、その具体的な例として、1台の車両内に複数存在するユニット20Bに着目して、パワーウインドウスイッチの性能とエアコンの温度調整の性能との2つの場合について、それぞれ、車両の走行状態、乗員の着座状態、運転中のドライバへの負荷状態を考慮しつつ、設置場所(モジュール)に応じて、動的に変更する動作を例にとって、説明する。
ここで、前提として、パワーウインドウスイッチについては、ウインドウの開閉という機能に関する制御量(開閉速度、移動量)を、設置場所(モジュール)に応じて変更することが可能なユニットであり、エアコンパネルについては、エアコンの温度調整用の制御量を、所定の設置場所(モジュール)において変更することが可能なユニットであるものと仮定する。
また、車両を構成するモジュールに対して設置される各ユニット20Bは、車両内の設置場所の如何のみならず、異なる車両/グレード/車種の如何には関係なく、同じ種別のユニットであれば、共通の構成となっているものと仮定する。つまり、以下の説明においては、運転席のパワーウインドウスイッチの性能およびエアコンの温度調整のそれぞれの性能は、異なる車両内設置場所/車両/グレード/車種の如何には関係なく、共通であるものと仮定する。
<パワーウインドウスイッチの性能設定例>
まず、車両の走行状態、運転中のドライバに対する運転負荷を考慮しつつ設置場所(モジュール)に応じてパワーウインドウスイッチの性能を動的に変更する場合の動作例について、図13の説明図を参照しながら、図12のフローチャートのステップS251からS351ないしS355を経由してステップS259に至るまでの動作を説明する。
図13は、本実施形態におけるパワーウインドウスイッチの性能を動的に変更する動作を説明する説明図であり、共用化されるパワーウインドウスイッチ(Device_ID:0x00 82)を、運転席パワーウインドウスイッチとして運転席ドアモジュール1(Module_ID:0x10 00)内に設置する場合には、該パワーウインドウスイッチの性能として、走行状態によるドライバへの運転負荷の程度に応じて、運転負荷が大きい場合は、低い精度で動作し、小さい場合は、高い精度で動作する、…などの性能を満たすように設定され、助手席パワーウインドウスイッチとして助手席ドアモジュール2(Module_ID:0x20 00)内に設置する場合には、該パワーウインドウスイッチの性能として、走行状態への依存性はなく、一定の精度で動作する、などの性能を満たすように設定される例を示している。
現在、大半の車両において、各座席にパワーウインドウ機能が付与されており、運転席のパワーウインドウ用の操作スイッチには、オートオープンおよびオートクローズのパワーウインドウ機能が実装されている。運転中の操作を想定すると、これらのオートオープン/オートクローズのパワーウインドウ機能は非常に有用であるが、所望する任意の量だけ精度良くウインドウを開放するといった動作(性能)に関するドライバへの負荷を低減するところまでには達していない。
パワーウインドウスイッチにおける操作は、オートオープンやオートクローズ以外の動作に関しては、パワーウインドウ(モータ)の動作とリニアになっており、所望する任意の量だけ精度良くウインドウを開放する場合には、その開放量に相当する時間だけ、パワーウインドウに関するスイッチ操作を保持する必要がある。助手席を始めとする運転席以外のパワーウインドウに関しては、走行状態による負荷変動が小さいため、如何なる走行状態にあっても、パワーウインドウの操作に注力することができる。
しかし、運転席のパワーウインドウに関しては、車両の走行操作に集中しているドライバが操作することが前提になっているため、走行状態に応じて、運転負荷が大きい状態においては、その操作方法を容易にすることが望まれる。
図12のフローチャートにおいて、まず、パワーウインドウスイッチ(Device_ID:0x00 82)が所定の位置に設置されると、第1の実施形態の図3のフローチャートにて説明したように、パワーウインドウスイッチのユニット20B側のステップS151〜S162までの処理によって、設置された場所に応じてパワーウインドウスイッチのユニットIDが決定される。
決定されたユニットIDには、設置場所(モジュール)を特定するモジュールIDが含まれており、図13に示すように、運転席パワーウインドウスイッチ61として運転席ドアモジュール1(Module_ID:0x10 00)に設置された場合には、ユニットID(Unit_ID)は“0x10 82”であり、助手席パワーウインドウスイッチ62として助手席ドアモジュール2(Module_ID:0x20 00)に設置された場合には、ユニットID(Unit_ID)は“0x20 82”である。
したがって、次に、当該ユニット20Bにおいては、ユニットIDに含まれているモジュールIDから設置場所(モジュール)を判別して(ステップS251)、当該ユニット20B内に記憶されている当該モジュールにおけるユニットの走行状態依存性を取得する。すなわち、設置場所(モジュール)における当該ユニット20Bの走行状態依存性として図13の「各ユニットに記載されている特徴(性能)」に関する情報を当該ユニット20B内に備えられているデータベースからローディングすることによって取得する(ステップS351)。
図13に示すパワーウインドウスイッチの場合においては、モジュールIDを用いてユニット20B(パワーウインドウスイッチ)の設置場所が運転席ドアモジュール1、助手席ドアモジュール2のいずれかを判別し、運転席ドアモジュール1、助手席ドアモジュール2に設置されたユニット20B(パワーウインドウスイッチ)それぞれに基づいて、それぞれのモジュールにおけるユニット20Bの性能が走行状態に依存するか否かを取得する。
図13に示すように、パワーウインドウスイッチの特徴として、運転席ドアモジュール1に設置された運転席パワーウインドウスイッチ61の場合は、走行状態に依存し、走行状態によりドライバに対する運転負荷が大きい状態では、パワーウインドウの移動位置の精度が低い状態であっても、簡単な操作が必要であり、ドライバに対する運転負荷が小さい状態では、パワーウインドウの移動位置の精度が高いことが必要であることを取得する。
一方、助手席ドアモジュール2に設置された助手席パワーウインドウスイッチ62の場合は、走行状態に対する依存性はなく、パワーウインドウの移動位置の精度が高く、パワーウインドウスイッチの操作に対してパワーウインドウの移動がリニアになることが必要であることを取得する。
つまり、助手席パワーウインドウスイッチ62であれば、図13に示すように、ユーザからのスイッチ操作入力に対するウインドウ制御用モータへの出力をリニアに設定し、ユーザが求めるウインドウポジションを高い精度で実現するように算出する。
これに対して、運転席パワーウインドウスイッチ61であれば、図13に示すように、ドライバに対する運転負荷の大小に応じて、スイッチの操作に対するウインドウ制御用モータへの出力を切り替える。運転負荷が大きい場合には、ユーザ(ドライバ)からのスイッチ操作入力に対するパワーウインドウスイッチの分解能(制御量)を粗く設定し、簡単な操作でウインドウの開閉動作を行うように算出する。
ここで、たとえば、図13に示すように、運転負荷が大きい場合、運転席パワーウインドウ61のスイッチ操作によるウインドウ開閉用モータへの出力について最小分解能を定義し、パワーウインドウ駆動用のボタン操作入力に対して、パワーウインドウ駆動用のモータへの出力は、定義した最小分解能の倍数のみを取り得るように設定することによって、設定可能なウインドウ位置を限定し、粗い精度になるものの、ウインドウ位置の設定を簡単にかつ素早く実現することができる。
一方、運転席パワーウインドウスイッチ61であっても、ドライバに対する運転負荷が小さい場合は、助手席パワーウインドウスイッチ62と同様に、ユーザつまりドライバからのスイッチ操作入力に対するウインドウ制御用モータへの出力をリニアに設定し、ドライバが求めるウインドウポジションを高い精度で実現するように算出する。
しかる後、ユニット20B(パワーウインドウスイッチ)の標準動作(性能)を走行状態に応じて動的に変更する必要がある場所か否かを判別し(ステップS352)、ユニット20B(パワーウインドウスイッチ)の標準動作(性能)を動的に変更する必要がない場合には(ステップS352のNO)、標準動作(性能)のまま動作するものとするが、一方、ユニット20B(パワーウインドウスイッチ)の標準動作(性能)を動的に変更する必要がある場合には(ステップS352のYES)、次に、当該ユニット20B(パワーウインドウスイッチ)が、ドライバ以外の乗員に触れられる可能性があるか否かを判定する(ステップS353)。
ここで、ユニット20Bが運転席ドアモジュール1の運転席パワーウインドウスイッチ61の場合であれば、他の乗員に触れられることはないものとし、その他のモジュールのパワーウインドウスイッチであれば、それぞれのモジュールの座席シートに着座している乗員のみによって触れられる可能性があるものとする。
ドライバ以外の乗員に触れられる可能性がない場合は(ステップS353のNO)、当該ユニット20Bが運転席パワーウインドウスイッチ61であり、走行状態によるドライバに対する運転負荷を考慮しつつ、設置場所(モジュール)つまり運転席ドアモジュール1に応じた動作(性能)を算出する(ステップS257)。一方、ドライバ以外の乗員に触れられる可能性がある場合は(ステップS353のYES)、当該ユニット20Bが設置されているモジュール内の座席シートに乗員が着座しているか否かを乗員有無検出部211の着座センサ211bの出力によって判定する(ステップS354)。
乗員が着座していない場合には(ステップS354のNO)、ステップS257に移行して、当該ユニット20Bが設置されている設置場所(モジュール)に応じた動作(性能)を算出する。たとえば、助手席パワーウインドウスイッチ62であれば、走行状態に依存することなく、所望するウインドウの開放量を精度良く得るために、ウインドウの移動位置がスイッチ操作時間に対してリニアとなる動作を実現するように算出する。また、乗員が着座している場合には(ステップS354のYES)、当該乗員がパワーウインドウスイッチの動作モードを理解し易いように、当該ユニット20Bの標準動作(性能)を設定するように算出する(ステップS355)。
最後に、第2の実施形態の場合とは異なり、変更しても良いタイミングか否かを判定することなく、ステップS257またはステップS355において算出されたユニット20B(パワーウインドウスイッチ)の動作(性能)の算出結果によって、ユニットの動作を可能にするように、ユニット20Bの動作を動的に変更する、つまり、制御対象(ウインドウ開閉機構)を制御する制御信号としてモジュール(設置場所)に応じて異なる動作(性能)となる制御信号を動的に生成して出力する(ステップS259)。たとえば、ユニット20Bがパワーウインドウスイッチの場合は、モジュール(設置場所)、ドライバ以外の乗員の有無および走行状態によるドライバに対する運転負荷に応じて、標準的な性能動作から算出された動作(性能)へ動的に変更することが必要である。ここで、以後の動作においても、ステップS257またはステップS355において算出された動作が可能になるように、算出結果を記憶しておく。
なお、前述の説明においては、運転席ドアモジュール1以外の他のモジュールのパワーウインドウスイッチの場合、それぞれのモジュールの座席シートに着座している乗員のみによって触れられる可能性がある場合について説明したが、運転席ドアモジュール1以外の他のモジュールのパワーウインドウスイッチについては、それぞれのモジュールの座席シートに着座している乗員以外の他の乗員によって操作することも可能とするようにしても良い。
かかる場合については、乗員有無検出部211の着座センサ211bにて、乗員が着座していないという検出結果が出力されている場合であっても、乗員有無検出部211のユニット操作検出部211aにて、当該モジュールのパワーウインドウスイッチが操作されていることを検出することとし、ステップS354において、ドライバ以外の他の乗員によって触れられていた場合として、ステップS355に移行して、当該乗員がパワーウインドウスイッチの動作モードを理解し易いように、当該ユニット20Bの標準動作(性能)を設定するように算出する動作を行うようにすれば良い。
以上の動作としては、具体的には、たとえば、車両の停止状態を標準動作(性能)状態に設定しておき、車両が停止しているか否かを基準にして、パワーウインドウスイッチから出力されるモータへの出力を変更するようにすれば良い。つまり、車両が停止している場合には、ドライバに対する運転負荷が低いものと判断し、運転席パワーウインドウスイッチ61におけるスイッチ操作入力量に一致した、モータへの出力量を出力するような制御信号を出力することによって、パワーウインドウ動作を、他席のパワーウインドウの場合と同じように、スイッチ操作入力量に対してリニアに変化させることができるようにする。一方、走行中においては、次のように、走行状態によってドライバに対する運転負荷は変動することが想定される。
たとえば、走行中の状態は
(1)高速道路
(2)繁華街の道路
(3)ワインディング路(屈曲路)
等、走行している道路の種類によっても異なり、ドライバに対する運転負荷が変動する。
ここで、車両の走行状態を検出するためには、たとえば、走行速度、加速度、ステアリング操作頻度、カーナビゲーション情報、カメラ撮影の映像情報等のうち、少なくとも一つ以上の情報を利用することとすれば良い。これらの走行状態の検出結果と道路の種類との組合せによって、たとえば、次のような組み合わせによって、ドライバに対する運転負荷を見積もることができる。
(1)高速道路の場合は、速度、カーナビゲーションに基づく検出結果によって見積もる。
(2)繁華街の道路の場合は、速度、加速度、カメラ映像に基づく検出結果によって見積もる。
(3)ワインディング路(屈曲路)の場合は、速度、ステアリング操作頻度に基づく検出結果によって見積もる。
一般的に、高速道路においては、速度は速いものの、直線部が多いので、ドライバに対する運転負荷は小さいものと推定される。一方、繁華街の道路やワインディング路においては、ドライバが周囲の情報を取得したり、ステアリング操作を逐次行ったりする等の動作が発生するため、ドライバに対する運転負荷は大きくなるものと想定される。
ドライバに対する運転負荷の増大に応じて、運転席パワーウインドウスイッチ61に関する操作の分解能を粗くすることによって、簡単な操作で、パワーウインドウを或る程度の大きさで開閉させることができ、運転負荷が大きくなった場合であっても、運転席パワーウインドウスイッチ61の少ない操作負荷で、所望の開閉量を或る程度満たす形でパワーウインドウ動作を行うことができることが望まれる。
以上のように、本実施形態においては、走行状態や他の乗員の有無に応じたドライバに対する運転負荷に合わせて、ドライバに関わるユニット20Bの動作性能(機能に関する制御量:分解能)を変更する制御信号を動的に生成して出力するので、利用シーンに適したユニット20Bの操作感を実現することができる。
また、本実施形態においては、ドライバ以外にも触れることが可能なユニット20Bに関しては、他の乗員の有無を考慮して、ユニット20Bの動作性能(機能に関する制御量:分解能)を変更する制御信号を動的に生成して出力するので、より細かいシーンに適した操作感を実現することができる。
また、本実施形態においては、同一モジュール内に設置されているユニット操作の有無をユニット操作検出部211aにより検出したり、ドライバ以外の乗員の着座の有無を着座センサ211bにより検出したりすることによって、該当するユニット20Bの操作の有無により、ドライバ以外の他の乗員の乗車の有無を認識させなくても、ドライバ以外の乗員の有無を確認することができる。
<エアコンの温度調整の性能設定例>
次に、設置場所(モジュール)に応じてエアコンの温度調整の性能を変更する場合の動作例について、図14の説明図を参照しながら、図12のフローチャートのステップS251からS351ないしS355を経由してステップS259に至るまでの動作を説明する。
図14は、本実施形態におけるエアコンの温度調整の性能を動的に変更する動作を説明する説明図であり、共用化されるエアコンパネル(Device_ID:0x00 FF)を、インストルメント・パネルモジュールつまりインパネモジュール7(Module_ID:0xF0 00)内に設置した際に、ドライバのみが乗車している場合には、該エアコンパネルの性能として、走行状態によるドライバへの運転負荷が大きい場合は、低い精度で動作し、小さい場合は、高い精度で動作する、…などの性能を満たすように設定され、ドライバ以外に助手席に他の乗員が乗車している場合には、該エアコンパネルの性能として、走行状態への依存性はなく、一定の精度で動作する、などの性能を満たすように設定される例を示している。
現在、高級車においては、左右独立の風量調整エアコンの採用が始まるなど、ドライバを主体とした車両環境から、それ以外の乗員をも対象にした車両環境へと変化しつつある。以前から、エアコン操作用のパネルつまりエアコンパネルに関しては、車両前方中央部のインストルメント・パネルつまりインパネ(運転席と助手席とから等距離にある位置)に設置されており、運転席に着座するドライバと助手席に着座する乗員との両方から、操作することが可能になっていた。
しかし、エアコンの温度調整用ボタンの操作による調整可能な単位温度の刻みが0.5度単位になっており、所望の温度に設定するためには、温度調整用ボタンの複数回の操作が必要になってしまう。このため、所望の温度に設定するまでに或る程度の時間を要するため、ドライバは、車両の運転中に、所望の温度に調整することに手間取ってしまって、運転に集中することができなくなる状況が生じる。
そこで、エアコンの温度調整のように、運転席に着座するドライバと助手席の着座する乗員との両方から、操作することが可能なユニット20Bについては、助手席に着座している乗員の有無と走行状態とに応じて、操作の分解能(つまり温度調整の制御量)を変更することによって、所望の温度に調整することを容易に実現可能とすることが望まれる。
図12のフローチャートにおいて、まず、エアコンパネル(Device_ID:0x00 FF)が所定の位置に設置されると、第1の実施形態の図3のフローチャートにて説明したように、エアコンパネルのユニット20B側のステップS151〜S162までの処理によって、設置された場所に応じてエアコンパネルのユニットIDが決定される。
決定されたユニットIDには、設置場所(モジュール)を特定するモジュールIDが含まれており、図14に示すように、エアコンパネル71として所定の位置つまりインパネモジュール(Module_ID:0xF0 00)に設置された場合には、ユニットID(Unit_ID)は“0xF0 FF”となる。
したがって、次に、当該ユニット20Bにおいては、ユニットIDに含まれているモジュールIDから設置場所(モジュール)を判別して(ステップS251)、当該ユニット20B内に記憶されている当該モジュールにおけるユニットの走行状態の依存性および助手席の乗員の有無による依存性を取得する。すなわち、設置場所(モジュール)における当該ユニット20Bの走行状態依存性および助手席の乗員の有無による依存性つまり図14の「エアコンパネルに記載されている特徴(性能)」に関する情報を当該ユニット20B内に備えられているデータベースからローディングすることによって取得する(ステップS351)。
図14に示すエアコンパネルの場合においては、モジュールIDを用いてユニット20Bのエアコンパネル71が所定のインパネモジュール7に設置されると、インパネモジュール7に設置されたユニット20Bつまりエアコンパネル71(Device_ID:0x00 FF)について、当該ユニット20Bの性能が走行状態および助手席の乗員の有無に依存するか否かを取得する。
図14に示すように、エアコンパネル71の特徴として、車両にドライバしか乗車していなく、助手席に乗員が着座していない場合は、エアコンの温度調整の性能は走行状態に依存し、走行状態によりドライバに対する運転負荷が大きい状態では、温度の調整位置が低い精度であっても、簡単な操作が必要であり、ドライバに対する運転負荷が小さい状態では、温度の調整位置の精度が高いことが必要であることを取得する。
一方、助手席に乗員が着座している場合は、走行状態に対する依存性はなく、温度の調整位置の精度を高くして、エアコンパネル71の操作ボタンの操作に対して温度調整位置がリニアになることが必要であることを取得する。
つまり、助手席に乗員が着座している場合は、図14に示すように、助手席の乗員からの操作であることを想定して、ユーザからのスイッチ操作入力に対するエアコンの温度調整用モータへの出力をリニアに設定し、ユーザが求める温度調整位置を高い精度で実現するように算出する。
ここで、助手席に乗員が着座しているか否かは、助手席シートに設置された着座センサ211bの検出結果を用いることによって判定することも可能であるし、あるいは、たとえば、助手席に乗員が着座している場合には、助手席ドアモジュール2内に設置された各種のユニット20Bが操作されることが多いので、助手席ドアモジュール2内に設置された各種のユニット20Bに対する操作の有無をユニット操作検出部211aにて検出することによって判定することも可能である。
これに対して、助手席に乗員が着座していない場合は、図14に示すように、ドライバに対する運転負荷の大小に応じて、ドライバによるスイッチの操作に対するエアコンの温度調整用モータへの出力を切り替える。運転負荷が大きい場合には、ユーザ(ドライバ)からのスイッチ操作入力に対するエアコンの温度調整位置の分解能(制御量)を粗く設定し、簡単な操作でエアコンの温度調整動作を行うように算出する。
ここで、たとえば、図14に示すように、運転負荷が大きい場合、エアコン用スイッチ操作による温度調整用モータへの出力について最小分解能を定義し、温度調整用のエアコンスイッチ操作入力に対して、温度調整用として駆動するモータへの出力は、定義した最小分解能の倍数のみを取り得るように設定することによって、設定可能な温度調整位置を限定し、粗い精度になるものの、温度調整位置の設定を簡単にかつ素早く実現することができる。
一方、助手席に乗員が着座していない場合であっても、ドライバに対する運転負荷が小さい場合は、図14に示すように、助手席に乗員が着座している場合と同様に、ユーザつまりドライバからのスイッチ操作入力に対するエアコンの温度調整用モータへの出力をリニアに設定し、ドライバが求める温度調整位置を高い精度で実現するように算出する。
しかる後、ユニット20B(エアコンパネル)の標準動作(性能)を走行状態に応じて動的に変更する必要がある場合か否かを判別し(ステップS352)、ユニット20B(エアコンパネル)の標準動作(性能)を動的に変更する必要がない場合には(ステップS352のNO)、標準動作(性能)のまま動作するものとするが、一方、ユニット20B(エアコンパネル)の標準動作(性能)を動的に変更する必要がある場合には(ステップS352のYES)、次に、当該ユニット20B(エアコンパネル)が、ドライバ以外の乗員に触れられる可能性があるか否かを判定する(ステップS353)。
ここで、ユニット20Bのエアコンパネル71は、前述のように、運転席に着座しているドライバと助手席に着座している乗員とのいずれかのみによって触れられる可能性があるものとする。
ドライバ以外の乗員に触れられる可能性がない場合は(ステップS353のNO)、助手席には乗員が着座していなく、ドライバのみが触れることができる状態であり、走行状態によるドライバに対する運転負荷を考慮しつつ、設置場所(モジュール)つまりインパネモジュール7に応じた動作(性能)を算出する(ステップS257)。一方、ドライバ以外の乗員に触れられる可能性がある場合は(ステップS353のYES)、助手席に乗員が着座しているか否かを乗員有無検出部211の着座センサ211bの出力によって判定する(ステップS354)。
助手席に乗員が着座していない場合には(ステップS354のNO)、ドライバしかエアコンパネル71を操作することができない状態にあるので、ステップS257に移行して、当該ユニット20Bが設置されている設置場所(モジュール)に応じた動作(性能)を算出する。また、助手席に乗員が着座している場合には(ステップS354のYES)、当該乗員がエアコンパネル71の動作モードを理解し易いように、当該ユニット20Bの標準動作(性能)つまりボタン操作量に対して温度調整位置がリニアに変化するように算出する(ステップS355)。
最後に、第2の実施形態の場合とは異なり、変更しても良いタイミングか否かを判定することなく、ステップS257またはステップS355において算出されたユニット20B(エアコンパネル71)の動作(性能)の算出結果によって、ユニットの動作を可能にするように、ユニット20B(エアコンパネル71)の動作を動的に変更する、つまり、制御対象(エアコン)を制御する制御信号として所定のモジュール(設置場所)における他の乗員の有無に応じて異なる動作(性能)となる制御信号を動的に生成して出力する(ステップS259)。たとえば、ユニット20Bがエアコンパネル71の場合は、モジュール(設置場所)、助手席への乗員の着座の有無および走行状態によるドライバに対する運転負荷に応じて、標準的な性能動作から算出された動作(性能)へ動的に変更することが必要である。ここで、以後の動作においても、ステップS257またはステップS355において算出された動作が可能になるように、算出結果を記憶しておく。
以上のように、ドライバ以外にユニット20Bのエアコンパネル71を操作することができる他の乗員が助手席に着座している場合は、エアコンパネル71の動作を標準的な動作に設定することによって、車両が停止している状態と同じ操作が可能になる。一方、ドライバ以外に操作される可能性がない場合には、運転席のパワーウインドウ動作の場合と同様に、走行状態や他の乗員の有無によるドライバに対する運転負荷に応じたエアコンパネル71の温度調整動作を行うことができる。
以上、説明したように、本実施形態においては、ユニット20Bが共用化されていることを前提にした場合に、ユニット20B固有の標準動作(性能、機能)を、ユニットIDに含まれるモジュールIDから、走行状態や他の乗員の有無に伴う運転負荷に伴いユニット20Bの操作負荷が左右されるドライバであるか否かを推定し、ドライバによる操作であった場合には、車両の走行状態とユニット20Bの設置場所とに応じた動作を実現することができる。
つまり、本実施形態においては、走行状態や他の乗員の有無に応じたドライバに対する運転負荷に合わせて、ドライバに関わるユニット20Bの動作性能(機能に関する制御量:分解能)を変更する制御信号を動的に生成して出力するので、利用シーンに適したユニット20Bの操作感を実現することができる。
また、本実施形態においては、ドライバ以外にも触れることが可能なユニット20Bに関しては、他の乗員の有無を考慮して、ユニット20Bの動作性能(機能に関する制御量:分解能)を変更する制御信号を動的に生成して出力するので、より細かいシーンに適した操作感を実現することができる。
また、本実施形態においては、同一モジュール内に設置されているユニット操作の有無をユニット操作検出部211aにより検出したり、ドライバ以外の乗員の着座の有無を着座センサ211bにより検出したりすることによって、該当するユニット20Bの操作の有無により、ドライバ以外の他の乗員の乗車の有無を認識させなくても、ドライバ以外の乗員の有無を確認することができる。
なお、以上の第1、第2の実施形態は単なる例示であって、本発明は、第1、第2の実施形態に限定されるものではなく、そのいずれかを組み合わせて実施しても良いし、また、各実施形態に説明した趣旨を逸脱しない範囲であれば、他のユニットについても全く同様に適用することができることは言うまでもない。
本発明による車両用通信システムの第1の実施形態におけるシステム構成を示す模式図である。 図1に示すゲートウェイおよびユニットのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 本発明による車両用通信システムの第1の実施形態における動作の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明による車両用通信システムにおける運転席ドアモジュールに搭載されるユニットの一例とユニットID生成結果の一例とを示す説明図である。 本発明による車両用通信システムにおいてタイヤのローテーションを行った際の動作の一例を説明する説明図である。 図5に示すタイヤのローテーションを行った際のTPMS(Tire Pressure Monitoring System)の動作例を説明する説明図である。 図2のゲートウェイおよびユニットのブロック構成とは異なる例を本発明の第2の実施形態として示すブロック構成図である。 本発明による車両用通信システムの第2の実施形態における制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における電動シートの性能を変更する動作を説明する説明図である。 本実施形態におけるドアロックの機能を変更する動作を説明する説明図である。 図2、図7のゲートウェイおよびユニットのブロック構成とは異なる例を本発明の第3の実施形態として示すブロック構成図である。 本発明による車両用通信システムの第3の実施形態における制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。 本実施形態におけるパワーウインドウスイッチの性能を動的に変更する動作を説明する説明図である。 本実施形態におけるエアコンの温度調整の性能を動的に変更する動作を説明する説明図である。
符号の説明
1…運転席ドアモジュール、2…助手席ドアモジュール、2A,2B,2C,2D…ユニット、2A,2B,2C,2D…ユニット、3…後右席ドアモジュール、3A,3B,3C,3D…タイヤ、4…後左席ドアモジュール、5…フロントモジュール、6…リアモジュール、7…インパネモジュール、10,11,12,13,14,15,16…ゲートウェイ、20,20A,20B,21,22,23,24,25,25a,25b,26,26a,26b…ユニット、21a…リクエストスイッチ、21b…ドアロックアクチュエータ、21c…パワーウインドウスイッチ、21d…パワーウインドウモータ、21e…ドアミラーモータ、31,32,32…リピータ、41…運転席シート、42…助手席シート、51…運転席用ドアロック/アンロックスイッチ、52…助手席用ドアロック/アンロックスイッチ、61…運転席パワーウインドウスイッチ、62…助手席パワーウインドウスイッチ、71…エアコンパネル、101…無線通信手段、101a…受信部、101b…送信部、102…ユニットID管理手段、103…モジュール情報生成手段、104…メモリ、104a…ユニット、104b…モジュールID、201…無線通信手段、201a…受信部、201b…送信部、202…設置場所判断手段、203…ユニットID生成部、203a…生成タイミング指定部、204…ユニット検出手段、205a…ユニットID、205b…デバイスID、206,206A…制御信号生成手段、207…変更タイミング決定部、208…静的性能変更部、209…機能変更部、210…動的性能変更部、210…動的性能変更部、211…乗員有無判定部、211a…ユニット操作検出部、211b…着座センサ、212…走行状態検出部、213…運転負荷判断部、A…前右フェンダーモジュール、B…前左フェンダーモジュール、C…後右フェンダーモジュール、D…後左フェンダーモジュール。

Claims (24)

  1. 車両内の各場所に配置された制御対象それぞれを制御するために各場所ごとに配置されたユニット間の通信を行う車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、当該ユニットの種別を示すユニット種別情報をあらかじめ記憶するユニット種別情報記憶手段と、
    当該ユニットが車両内に設置された際に、設置場所を示すモジュールを識別するモジュール識別手段と、
    前記ユニット種別情報記憶手段にて記憶されたユニット種別情報とモジュール識別手段にて識別されたモジュールを示す情報とにより、当該ユニットを一意に識別するユニット識別情報を生成するユニット識別情報生成手段と、
    前記ユニット識別情報生成手段にて生成した前記ユニット識別情報を記憶するユニット識別情報記憶手段とを少なくとも備え、
    前記ユニット識別情報記憶手段に記憶された前記ユニット識別情報を用いてユニット間の通信を行うことを特徴とする車両用通信システム。
  2. 請求項1に記載の車両用通信システムにおいて、
    ユニット間の通信を中継するゲートウェイを各モジュールごとに設置し、
    同一モジュール内のユニット間の通信を行う場合、直接、または、当該モジュール内に設置されたゲートウェイを介して通信を行い、
    異なるモジュールに設置されたユニット間の通信を行う場合、それぞれのモジュール内に設置された前記ゲートウェイを介して通信を行うことを特徴とする車両用通信システム。
  3. 請求項2に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ゲートウェイは、当該ゲートウェイが設置されている設置場所を示すモジュールを特定するモジュール識別情報をあらかじめ記憶するモジュール識別情報記憶手段と、
    前記モジュール識別情報記憶手段に記憶されている前記モジュール識別情報を含む信号を送信するモジュール識別情報送信手段とを少なくとも備え、
    前記モジュール識別情報送信手段が、前記モジュール識別情報を含む信号を、当該ゲートウェイのモジュール内に設置されている前記ユニットに対して送信することにより、前記ユニットの前記モジュール識別手段が、前記モジュール識別情報を受信して、当該ユニットが設置されたモジュールを識別することを特徴とする車両用通信システム。
  4. 請求項3に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ゲートウェイが、同一のモジュール内に複数個設置され、同一のモジュール内に設置されたいずれの前記ゲートウェイも、該モジュールを特定する同一のモジュール識別情報を前記モジュール識別情報記憶手段に記憶していることを特徴とする車両用通信システム。
  5. 請求項3または4に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、当該ユニットが車両内に設置されたことを検出するユニット検出手段をさらに備え、
    前記ユニット検出手段にて車両内に設置されたことを検出した際に、前記モジュール識別手段が、前記ゲートウェイの前記モジュール識別情報送信手段からあらかじめ定めた周期で定期的に送信されてくる前記モジュール識別情報を受信することを特徴とする車両用通信システム。
  6. 請求項3または4に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、当該ユニットが車両内に設置されたことを検出するユニット検出手段をさらに備え、
    前記ユニット検出手段にて車両内に設置されたことを検出した際に、前記モジュール識別手段が、前記ゲートウェイに対してモジュール問合せ情報を送信し、該モジュール問合せ情報に応じて、前記ゲートウェイの前記モジュール識別情報送信手段から返送されてくる前記モジュール識別情報を受信することを特徴とする車両用通信システム。
  7. 請求項3または4に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ゲートウェイは、当該ゲートウェイのモジュール内に前記ユニットが搭載されたことを検出するユニット搭載検出手段をさらに備え、
    前記ユニット搭載検出手段にて当該ゲートウェイのモジュール内に前記ユニットが設置されたことを検出した際に、前記モジュール識別情報送信手段は、前記モジュール識別情報を、検出した前記ユニットに対して送信することを特徴とする車両用通信システム。
  8. 請求項2ないし7のいずれかに記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、前記ユニット識別情報生成手段にて前記ユニット識別情報を生成した際に、生成した前記ユニット識別情報を、当該モジュール内に設置されている前記ゲートウェイに送信し、前記ゲートウェイは、当該ゲートウェイのモジュール内に設置されている前記ユニットからの前記ユニット識別情報を受信して管理するユニット識別情報管理手段を備えていることを特徴とする車両用通信システム。
  9. 請求項2ないし8のいずれかに記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットおよび前記ゲートウェイは、それぞれ、あらかじめ定めた到達距離を有する無線電波を用いて通信を行うことを特徴とする車両用通信システム。
  10. 請求項9に記載の車両用通信システムにおいて、
    異なるモジュールに設置されたユニット間の通信を行う場合、それぞれのモジュール内に設置された前記ゲートウェイ間の距離が、前記到達距離を超える場合には、無線電波を増幅し中継するリピータを介して、通信を行うことを特徴とする車両用通信システム。
  11. 請求項1ないし9のいずれかに記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、前記ユニット識別情報を生成するタイミングを指定する生成タイミング指定手段を備え、前記生成タイミング指定手段にて指定されたタイミングに達した際に、前記ユニット識別情報生成手段にて前記ユニット識別情報を生成することを特徴とする車両用通信システム。
  12. 請求項11に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記生成タイミング指定手段にて指定されるタイミングとして、車両の製造段階において前記ユニットの車両への搭載が完了したタイミング、または、車両が市場に出た以降であって、前記ユニットが新たに追加されるかあるいは故障により交換された際の、エンジンを始動させたタイミング、のうち、少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする車両用通信システム。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、車両内の制御対象を制御するための制御信号を生成する制御信号生成手段を備え、
    前記制御信号生成手段として、前記ユニット識別情報保持手段に保持された前記ユニット識別情報に基づいて、当該ユニットが設置されたモジュールを判別し、判別した該モジュールに必要とする制御信号を生成することを特徴とする車両用通信システム。
  14. 請求項13に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、前記制御信号生成手段が生成する制御信号として、当該ユニットが設置されたモジュールの如何によらず、共通の制御信号を生成する場合、当該ユニットが設置されたモジュールに応じてそれぞれに固有の制御信号を生成する場合との双方またはいずれか一方を含むことを特徴とする車両用通信システム。
  15. 請求項13または14に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、前記制御信号生成手段が生成する制御信号として、制御対象を制御するための機能を、当該ユニットが設置されたモジュールに応じて、当該ユニットにあらかじめ標準動作として設定されている機能から、静的に変更する機能変更手段を備えていることを特徴とする車両用通信システム。
  16. 請求項13ないし15のいずれかに記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、前記制御信号生成手段が生成する制御信号として、制御対象を制御するための機能に関する制御量を、当該ユニットが設置されたモジュールに応じて、当該ユニットにあらかじめ標準動作として設定されている機能に関する制御量から、静的に変更する制御量変更手段を備えていることを特徴とする車両用通信システム。
  17. 請求項15または16に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、前記機能変更手段により当該ユニットが設置されたモジュールに応じて機能を静的に変更するタイミング、および/または、前記性能変更手段により当該ユニットが設置されたモジュールに応じて機能に関する制御量を静的に変更するタイミングを決定する変更タイミング決定手段を備えていることを特徴とする車両用通信システム。
  18. 請求項17に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、前記変更タイミング決定手段が決定するタイミングとして、車両の製造段階において前記ユニットの車両への搭載が完了したタイミング、または、車両が市場に出た以降であって、前記ユニットが新たに追加または交換され、まだ使用されていないタイミング、または、車両が市場に出た以降であって、前記ユニットが新たに追加または交換された際の、エンジンを始動させたタイミング、のうち、少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする車両用通信システム。
  19. 請求項13ないし18のいずれかに記載の車両用通信システムにおいて、
    前記ユニットは、運転中のドライバに対する運転負荷状態を判断する運転負荷判断手段を備え、前記制御信号生成手段が生成する制御信号として、制御対象を制御するための機能に関する制御量を、当該ユニットが設置されたモジュールと、前記運転負荷判断手段により判断されたドライバに対する運転負荷状態と、に応じて、当該ユニットにあらかじめ標準動作として設定されている機能に関する制御量から動的に変更して生成する動的制御量変更手段を備えていることを特徴とする車両用通信システム。
  20. 請求項19に記載の車両用通信システムにおいて、
    車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を備え、前記運転負荷判断手段が、運転中のドライバに対する運転負荷状態を判断する際に、前記走行状態検出手段が検出した車両の走行状態に基づいて、ドライバに対する運転負荷状態を判断することを特徴とする車両用通信システム。
  21. 請求項20に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記走行状態検出手段が検出する車両の走行状態として、車両の走行速度、加速度、ステアリング操作頻度、カーナビゲーション情報、カメラ撮影の映像情報、のうち、少なくとも一つ以上を用いて検出することを特徴とする車両用通信システム。
  22. 請求項19ないし21のいずれかに記載の車両用通信システムにおいて、
    車両に乗員が乗車しているか否かを検出する乗員有無検出手段を備え、前記運転負荷判断手段が、運転中のドライバに対する運転負荷状態を判断する際に、前記乗員有無検出手段が検出した乗員の乗車の有無に基づいて判断することを特徴とする車両用通信システム。
  23. 請求項22に記載の車両用通信システムにおいて、
    前記乗員有無検出手段は、乗員の乗車の有無を検出する手段として、乗員による前記ユニットに対する操作の有無を検出するユニット操作検出手段、および/または、乗員が座席に着座しているか否かを検出する着座センサを、少なくとも備えていることを特徴とする車両用通信システム。
  24. 車両内の各場所に配置された制御対象それぞれを制御するために各場所ごとに配置されたユニット間の通信を行う車両用通信方法において、
    前記ユニットが、当該ユニットが車両内に設置された際に、設置場所を示すモジュールを識別し、識別した該モジュールを示す情報と、あらかじめ記憶している当該ユニットの種別を示すユニット種別情報とにより、当該ユニットを一意に識別するユニット識別情報を生成し、生成した前記ユニット識別情報を用いてユニット間の通信を行うことを特徴とする車両用通信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011109338A (ja) * 2009-11-16 2011-06-02 Panasonic Corp Id管理システム

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