JP2009201479A - 架橋ネットワーク構造が形成された食品とその製造方法 - Google Patents

架橋ネットワーク構造が形成された食品とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 小麦の持つ最も特徴的な成分であるグルテンを代替する食品素材の開発を課題とし、従来技術では不可能であった米粉をはじめとする実質的にグルテンを含まない澱粉または穀粉を用いた煮込み麺やパンおよび再生粒の開発を課題とした。
【解決手段】 澱粉と水とを、重量比の割合が1:1.5〜1:30になるように混合し、均一になるように攪拌しながら加熱処理することで得られた澱粉膨潤化物からなるネットワーク構造体骨格中に、単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材を均一に混合することを特徴とする、前記ネットワーク構造体骨格中に前記異種の食品素材が包み込まれた構造を有する食品生地の製造方法を提供すると共に、前記のようにして得られた食品生地を、所定の形状に成形した後、加熱処理して膨潤化させることを特徴とする、架橋ネットワーク構造が形成された食品の製造方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、架橋ネットワーク構造が形成された食品とその製造方法に関する。本発明は、グルテンの架橋ネットワーク構造体に代わる、架橋ネットワーク構造が形成された食品と、その製造方法とに関する。
従来、任意の形状に成形する食品では、小麦粉に豊富に含まれている「グルテン」と呼ばれる蛋白質が形成する、特有の架橋ネットワーク構造体(網目構造)を利用する事が一般的であった。
グルテンは、グリアジンとグルテニンという2つのタンパク質が、加水した状態で機械的混合中にぶつかり合うことにより、S-S結合などの新しい架橋ネットワーク構造体が形成される。小麦粉を使用した食品の成形に必要とされる展延性、粘着性、結着性などの諸性状は、グルテンによって付与されるとの考え方がある。また、小麦粉食品特有の食感も、グルテンの性質によって得られるものと考えられている。そのため、主原料として小麦粉が選択される食品や、副原料として小麦粉が選択される食品が、麺類やパン、菓子類などに数多く存在する。さらに、グルテンを構成するタンパク質をグルテン製剤として選択する食品も存在する。ソバや米粉麺、米粉パンの多くが、小麦粉またはグルテン製剤を使用している。
加えて、近年、食物アレルギーが急増しており、特に米や小麦、そばなどの主食となる穀物のアレルギーは大きな問題となっている。穀物中に含まれるタンパク質がアレルギー原因物質(アレルゲン)として考えられており、低アレルゲン化した米や小麦粉が開発されている。小麦粉の低アレルゲン化技術としては、アレルゲンとなるタンパク質を酵素的に分解して除去する方法が一般的である。
しかしながら、グルテンの形成に必要なタンパク質を酵素で分解することから、低アレルゲン化処理された小麦粉では、グルテンが形成されにくく、加工性が極めて低くなる。また、アレルゲンの感作部位は個人によって異なるため、低アレルゲン化小麦粉によるグルテンを骨格とすることは、根本的な解決策とは言えなかった。
米粉やそば粉、大豆粉、きな粉、アピオス粉など、小麦粉以外の穀粉や澱粉は、グルテンを含まない、あるいは、ほとんど含まないと言われている。これらの実質的にグルテンを含まない穀粉や澱粉を主原料として、小麦粉およびグルテン製剤を加えない原料粉を用いると、グルテンによる架橋ネットワーク構造が系中に形成されないため、生地の展延性、粘着性、結着性が著しく劣り、得られた生地は脆く、茹で処理時などの熱水中では生地の構成組織が茹で汁中に漏出し溶解するなど、不都合な事態を招いた。
故に、小麦グルテンと同様の展延性、粘着性、結着性などの諸性状を得ることや、熱水中で構成組織の漏出や溶解性を、小麦粉およびグルテン製剤を用いずにグルテンと同等に保つことは困難であるとする認識が、当該技術分野では半ば常識化していた。
また、前述したようにグルテンは蛋白質が主成分であり、タンパク質を分解する酵素を含む素材をグルテン架橋ネットワーク構造体に混在させることは困難であった。同様に、呈味性ペプチドを、タンパク質を分解する酵素を含む素材と混在させることは困難であった。
上記問題点の解決を図る目的で、グルテンまたは小麦粉を用いないグルテン代替素材を検討した技術が提案されている(特許文献1〜6参照)。これらは、いずれも米粉をはじめとする小麦粉以外を主原料として、焼成後にネットワーク構造体の形成が認められるパンやケーキの製造方法である。
より具体的には、特許文献1、2、3、4記載の発明では、酵母の発生する炭酸ガスを系中に保持するために最適な主原料混合溶液の粘度とせん断性を求めており、ネットワーク構造体とは、焼成後に現れるスポンジ状構造を指してネットワーク構造体としている。
しかしながら、混捏中の生地におけるネットワーク構造体の形成については検討されていない。故に、自由な成形ができず、生地中に存在するネットワーク構造体が有する、異種資材を包み込んでしまうような作用(以下、包接作用という。)も検討されていない。
また、特許文献5記載の発明は、原料米粉の一部をα化したのち、残りの米粉と混捏し、得られた粘稠なスラリーから、焼成後にネットワーク構造体を得る方法に関するものである。酵母の発酵で発生する炭酸ガスをスラリー中に含泡させる、含泡特性についての発明であり、ネットワーク構造体は焼成後に形成される。この技術においても、混捏中の生地におけるネットワーク構造体の形成について検討がなされていない。故に、自由な成形ができず、生地中に存在するネットワーク構造体骨格が有する異種資材の包接能力も検討されていない。
特許文献6は、米または道明寺粉または米粉をα化して得られるグルテン代替品の製造方法とその利用に関する発明である。この技術においても、混捏中の生地におけるネットワーク構造体の形成について検討がなされていない。故に、生地中に存在するネットワーク構造体骨格が有する異種資材の包接能力も検討されていない。
一方、小麦粉およびグルテンを使用しない米粉パン、または、大豆粉パンの製法に関しては、特許文献7〜9記載の発明が知られているが、原料粉に澱粉と水を加え、全体をα化することでスラリーを得て、発酵後焼成する方法である。酵母の発酵で発生する炭酸ガスをスラリー中に含泡させる、含泡特性についての特許であり、ネットワーク構造体は焼成後に形成される。この技術においても、混捏中の生地におけるネットワーク構造体骨格の形成について検討がなされていない。故に、生地中に存在するネットワーク構造体骨格が有する異種資材の包接能力も検討されていない。
この様に、グルテンまたは小麦粉を用いないグルテン代替素材を検討した先行技術は、いずれにおいても、焼成後にネットワーク構造体の形成が認められるパンやケーキの製造方法であり、生地混捏中におけるネットワーク構造体骨格の形成について検討がなされていない。故に、自由な成形ができない。同様に、生地中に存在するネットワーク構造体骨格が有する異種資材の包接能力も検討されていない。
また、これまで小麦粉およびグルテン製剤を使用せず、かつ、タンパク質のあまり含まれていない、または、含まれない穀粉や澱粉を利用し、任意の形状に成形する食品を製造する場合は、澱粉を混合し、澱粉の糊化を利用して素材を結着させる方法がとられてきた。
グルテンを使用しない麺の製造時に、澱粉のα化(糊化)を利用したデンプン麺の製造方法が提案されている(特許文献10参照)。
これは澱粉を主原料とする原料粉の一部を糊化し、残りの同一組成からなる原料粉に糊化原料を加えたのち、全体を糊化させるデンプン麺の製造技術である。これは同一組成の原料粉を使用するところに特徴があり、使用する水分範囲や糊化する原料粉の重量が指定されている。しかしながら、生地中に存在するネットワーク構造体骨格が有する、異種資材の包接作用は検討されていない。
グルテンを使用しないパンの製造時に、澱粉を配合したパンの製造方法が特許文献11において提案されている。これは、糊化開始温度が52〜60℃の澱粉を1〜30%配合する製造方法で、澱粉を油脂に加えて拡散させる方法も同時に提案されている。しかしながら、生地中に存在するネットワーク構造体骨格が有する異種資材の包接作用は検討されていない。
澱粉または糊化澱粉と主原料となる粉体と混合した後、全体を糊化する方法としては、熱水で混捏する湯ごね、蒸練法、エクストルーダーなどの大型の装置を用いて結着させる製造方法(特許文献12参照)、真空環境下で混捏する製造方法(特許文献13、14参照)などが数多く提案されている。
また、米粉100%の麺を作るために、超微粉砕粉を使用する方法(特許文献15参照)が提案されている。米粉をさらに細かくすることで物性が変化する特性を活用しているが、原料粉が限定される。
しかしながら、これらいずれの従来技術も、グルテンの粘着性および結着性を糊化澱粉に置き換えて形態を維持させるための方法であり、グルテンに代わるネットワーク構造体として考えられた技術はない。故に、生地中に存在するネットワーク構造体骨格が有する異種資材の包接作用も検討されていない。
その他、糊化澱粉で得られた素材間の結着をより強固に補強する目的で、または熱水中で構成組織の漏出や溶解を防止する目的で、カードランやアルギン酸塩などの増粘多糖類の利用が検討されてきた(特許文献16参照)。
これらいずれの従来技術も、澱粉または糊化澱粉や増粘多糖類を原料の一部として扱っており、主原料中に澱粉または糊化澱粉や増粘多糖類を混捏する方法であった。
これらはいずれも、グルテンの粘着性および結着性を、糊化澱粉または増粘多糖類に置き換えて形態を維持させるための方法であり、糊化澱粉をグルテンに代わるネットワーク構造体として考えられた技術ではない。
故に、いずれの従来技術によっても、熱水中で構成組織の漏出や溶解、さらには、含泡食品における含泡特性をグルテン架橋ネットワーク構造体と同等に保つことは困難であり、自由な成形ができず、良好な食味または食感を獲得するにはほど遠いのが実情であった。これらいずれの従来技術によっても、混捏中の生地にグルテン架橋ネットワーク構造体の代替となりうるネットワーク構造体を形成できなかった。同様に、生地中に存在するネットワーク構造体骨格が有する異種資材の包接能力も検討されていない。
つまり、これらいずれの従来の技術においても、(小麦粉の一部または全部を小麦粉以外の異種資材に置き換えた食品の製造を検討する際には、小麦粉を活用する食品の成形に必要とされる)グルテンの架橋ネットワーク構造によって付与される、展延性、粘着性、結着性にのみに着目した代替素材の使用が検討されるだけであり、生地中に存在するネットワーク構造体骨格が有する異種資材の包接作用も検討されていない。グルテン代替素材を検討した先行技術である、前述した特許文献1、2、3、4および5においても同様に、グルテン代替素材の展延性、粘着性、結着性、含泡性にのみ着目しており、混捏中の生地におけるネットワーク構造体骨格の形成については全く検討されていない。故に、自由な成形ができず、生地中に存在する架橋ネットワーク構造体骨格が有する異種資材の包接能力も検討されていない。
特開2003−189786号公報 特開2004−166501号公報 特開2005−253361号公報 特開2006−094810号公報 特開2004−267144号公報 特開2005−021024号公報 特開2006−136255号公報 特開2006−136256号公報 特開2006−136257号公報 特開2004−350559号公報 特開2003−169593号公報 特開平11−346690号公報 特開2000−245375号公報 特開2007−068533号公報 特開2007−135574号公報 特開2000−245375号公報
本発明者らは、従来技術では考慮されていないグルテンの架橋ネットワーク構造体が有する異種資材を包接する能力に着目し、この観点から、前述した問題点を解決しうるグルテンに代わるネットワーク構造体を開発することを課題とした。
すなわち、小麦に含まれるタンパク質グルテンは、加水混捏によって粘着性や結着性、展延性といった優れた特徴を示す、架橋ネットワーク構造体を形成する。グルテンの架橋ネットワーク構造体が提供する優れた特徴は、麺類やパン、菓子類など様々な食品に利用されてきた。
しかしながら、食物アレルギーの増加に伴い、小麦は五大アレルゲンの一つに指定されたため、小麦を他の食品素材に代替した食品、例えば米粉麺や米粉パンが開発されてきたが、従来の技術では小麦の持つグルテンの特性を充分に再現しているとは言えず、満足のいくものがなかった。
そこで、小麦の持つ最も特徴的な成分であるグルテンを代替する食品素材の開発を課題とし、従来技術では不可能であった米粉をはじめとする実質的にグルテンを含まない澱粉または穀粉を用いた煮込み麺やパンおよび再生粒の開発を課題とした。
本発明らは、実質的にグルテンを含まない穀粉および/または澱粉、例えば、そば粉、米粉、アピオス粉、低アレルゲン化処理された小麦粉、米粉、そば粉等や、おからなどの食品素材、さらに、マイタケ、麹、パパイヤ等のタンパク質分解酵素を含む食品素材を、グルテンに代わるネットワーク構造体にて包接することで、従来技術では自由な成形が困難で、使用方法や加工方法が限定されていた様々な食品素材を、粒状、麺状、扁平状といった任意の形状に自由に成形でき、かつ、良好な食味と製造者の求める食感を自在に実現することを課題とした。
さらに、グルテンに代わるネットワーク構造体の包接能力によって、熱水中における構成成分の漏出および溶解を低減させることを課題とした。
そこで、本発明の第一の目的は、従来技術では解決し得なかったこれら課題である、包接能力を有するグルテンに代わる可食性ネットワーク構造体を提供することである。
本発明の第二の目的は、グルテンに代わる可食性ネットワーク構造体によって、実質的にグルテンを含まない穀粉および/または澱粉、例えば、そば粉、米粉、アピオス粉、大豆粉、きな粉、低アレルゲン化処理された小麦粉、米粉、そば粉等や、おからなどの食品素材、さらに、マイタケ、麹等のタンパク質分解酵素を含む食品素材をはじめとする、従来技術では成形が困難であった様々な食品素材を包接することで、粒状、麺状、扁平状といった任意の形状に自由に成形でき、かつ、グルテンと同等の加工性を有し、良好な食味と製造者の求める食感を自在に実現することである。
本発明の第三の目的は、グルテンに代わる可食性ネットワーク構造体の包接能力によって、熱水中における構成成分の漏出および/または溶解を防ぐ食品の製造方法の提供と食品の実現である。
本発明の第四の目的は、グルテンに代わる生地中の可食性ネットワーク構造体によって、実質的にグルテンを含まない食品資材を用いたパンやケーキに類似した形状の含泡食品の製造方法の提供と食品の実現である。
本発明の第五の目的は、本発明によって得られた知見を活用し、非アレルギー性素材を用いたアレルゲンフリー食品の製造方法の提供と食品の実現である。
本発明の第六の目的は、本発明によって得られた知見を活用し、短時間調理で長時間煮込まれた風味を呈する短時間調理煮込み麺の製造方法の提供と食品の実現である。
本発明の第七の目的は、本発明によって得られた知見を活用し、熱水中における構成成分の漏出および/または溶解を起こさず、かつ、実質的にグルテンを含まない穀粉および/または澱粉を用いて、粒状、麺状、扁平状といった任意の形状を特徴とする食品の製造方法の提供と食品の提供である。
本発明者らは、グルテンの架橋ネットワーク構造体によって付与される展延性、粘着性、結着性などを糊化澱粉によって代替する前述の従来技術を検討したところ、麺状に成形した際の湯どけが多く、麺が切れやすく麺伸びしやすい問題や、パン状製品が自由に成形できない、ふくらみが悪い、生地のハンドリングが極めて悪いなどの問題があることを見い出した。これらの問題点を検討したところ、グルテンには、従来検討されていない異種資材の包接能力があるのではないかと推測した。この考えから、グルテンの有する異種資材を包接する能力をグルテン代替ネットワーク構造体に付与することで、麺状製品では湯どけしにくくなり、麺の切れやすさや麺伸びが改善されると思われた。また、パン状製品ではふくらみが改善すると共に、生地のハンドリングが改善され、自由な成形が可能になると思われた。
即ち、本発明者らは、グルテンの架橋ネットワーク構造体が有する異種資材を包接する能力に着目し、この観点から、グルテンに代わるネットワーク構造体について鋭意研究した結果、澱粉を水と混合したのち均等に加熱処理(膨潤化)をして得られるネットワーク構造体骨格がグルテンに代わるネットワーク構造体を形勢させることができるとの知見を新規に見い出したことで、本発明を完成するに至った。
換言すると、本発明者らは、グルテンの架橋ネットワーク構造体の持つ粘着性や結着性、展延性といった特徴のうち、従来技術では全く考慮されていなかった異種資材を包み込む能力、すなわち包接能力に着目し、グルテン代替ネットワーク構造体を開発することで上記課題を解決するに至った。
本発明は、以下の(1)から(13)を提供するものである。
(1)澱粉と水とを、重量比の割合が1:1.5〜1:30になるように混合し、均一になるように攪拌しながら加熱処理することで得られた澱粉膨潤化物からなるネットワーク構造体骨格中に、単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材を均一に混合することを特徴とする、前記ネットワーク構造体骨格中に前記異種の食品素材が包み込まれた(包接された)構造を有する食品生地の製造方法を提供するものである。
(2)澱粉と水とを、重量比の割合が1:1.5〜1:30になるように混合し、均一になるように攪拌しながら加熱処理することで得られた澱粉膨潤化物からなるネットワーク構造体骨格中に、単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材を均一に混合し、得られた前記ネットワーク構造体骨格中に前記異種の食品素材が包み込まれた(包接された)構造を有する食品生地を所定の形状に成形した後、加熱処理して膨潤化させることを特徴とする、架橋ネットワーク構造が形成された食品の製造方法を提供するものである。
(3)前記食品生地が、麺状、粒状、または米粒状に成形されたものである、前記(2)に記載の食品の製造方法を提供するものである。
(4)澱粉と水とを、重量比の割合が1:1.5〜1:30になるように混合し、均一になるように攪拌しながら加熱処理することで得られた澱粉膨潤化物からなるネットワーク構造体骨格中に、単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材を均一に混合し、得られた前記ネットワーク構造体骨格中に前記異種の食品素材が包み込まれた(包接された)構造を有する食品生地を所定の形状に成形した後、酵母による発酵処理を行い、140〜250℃で焼成して膨潤化させることを特徴とする、架橋ネットワーク構造が形成された食品の製造方法を提供するものである。
(5)前記食品素材が、非アレルギー性の食品素材である、前記(2)〜(4)のいずれかに記載の食品の製造方法を提供するものである。
(6)前記澱粉が、ばれいしょ澱粉、とうもろこし澱粉及びタピオカ澱粉のうちの1つまたは2以上の混合粉である、前記(2)〜(5)のいずれかに記載の食品の製造方法を提供するものである。
(7)前記食品素材が、小麦粉以外の穀物粉である、前記(2)〜(6)のいずれかに記載の食品の製造方法を提供するものである。
(8)穀物粉が、米粉である、前記(7)に記載の食品の製造方法を提供するものである。
(9)前記食品素材が、増粘多糖類、調味料、および、タンパク質分解酵素からなる群から選ばれる1以上のものを含むものである、前記(2)〜(8)のいずれかに記載の食品の製造方法を提供するものである。
(10)増粘多糖類が、カードラン及び/又はアルギン酸塩である、前記(9)記載の食品の製造方法を提供するものである。
(11)前記食品素材が、グルテンを含まないものである、前記(2)〜(9)のいずれかに記載の食品の製造方法を提供するものである。
(12)前記澱粉膨潤化物と前記食品素材の重量比の割合が、0.2:1〜5:1である、前記(2)〜(11)のいずれかに記載の食品の製造方法を提供するものである。
(13)前記(2)〜(12)のいずれかに記載の方法によって得られた食品を提供するものである。
本発明により、澱粉を膨潤化して得られたグルテン代替ネットワーク構造体に米粉、きな粉、そば粉、アピオス粉、おからなどの未膨潤化異種資材を包接した後、全体を膨潤化することで、小麦粉あるいは小麦由来グルテンを使用せずともグルテンの架橋ネットワーク構造体が提供する優れた特性、例えば、茹で伸び防止、茹でどけ防止、麺切れ防止、コシの改善、生地の自由な成形、発酵によって発生する炭酸ガスの包含特性を実現できた。本発明により、従来技術では不可能であった米粉をはじめとする実質的にグルテンを含まない澱粉または穀粉の煮込み麺の製造が可能となり、さらに味付け麺帯を積層することで短時間で煮込み風味を実現できる煮込み米粉麺の製造が可能となった。同様に、米粉をはじめとする実質的にグルテンを含まない澱粉または穀粉のパンや再生粒の製造が可能となった。グルテンはタンパク質から構成されるため、タンパク質分解酵素を含む食品を混在させることが困難であったが、本発明のネットワーク構造体は澱粉主体であるため、タンパク質分解酵素に対して耐性を持ち、タンパク質分解酵素処理によって実現される低アレルゲン化資材や低タンパク質資材を包接し、任意の形状に成形することが容易になった。本発明により、従来技術では成型が困難であった様々な食品資材を小麦粉あるいは小麦由来グルテンを使用せずに任意の形状に成形し、グルテンと同等以上の特性を付与することが可能となった。
換言すると、まず本発明によれば、包接能力を有するグルテンに代わる可食性ネットワーク構造体が提供される。
次に、本発明によれば、グルテンに代わる可食性ネットワーク構造体によって、実質的にグルテンを含まない穀粉および/または澱粉、例えば、そば粉、米粉、アピオス粉、大豆粉、きな粉、低アレルゲン化処理された小麦粉、米粉、そば粉等や、おからなどの食品素材、さらに、マイタケ、麹等のタンパク質分解酵素を含む食品素材をはじめとする、従来技術では成形が困難であった様々な食品素材を包接することで、粒状、麺状、扁平状といった任意の形状に自由に成形でき、かつ、グルテンと同等の加工性を有し、良好な食味と製造者の求める食感が自在に実現される。
また、本発明によれば、グルテンに代わる可食性ネットワーク構造体の包接能力によって、熱水中における構成成分の漏出および/または溶解を防ぐ食品の製造方法と食品が提供される。
さらに、本発明によれば、グルテンに代わる生地中の可食性ネットワーク構造体によって、実質的にグルテンを含まない食品資材を用いたパンやケーキに類似した形状の含泡食品の製造方法と食品が提供される。
また、本発明によれば、非アレルギー性素材を用いたアレルゲンフリー食品の製造方法と食品が提供される。
さらにまた、本発明によれば、短時間調理で長時間煮込まれた風味を呈する短時間調理煮込み麺の製造方法と食品が提供される。
本発明によれば、熱水中における構成成分の漏出および/または溶解を起こさず、かつ、実質的にグルテンを含まない穀粉および/または澱粉を用いて、粒状、麺状、扁平状といった任意の形状を特徴とする食品の製造方法と食品が提供される。
前記したように、本発明者らは、グルテンの架橋ネットワーク構造体が有する異種資材を包接する能力に着目し、この観点から、グルテンに代わるネットワーク構造体について鋭意研究した結果、澱粉を水と混合したのち均等に加熱処理(膨潤化)をして得られるネットワーク構造体骨格がグルテンに代わるネットワーク構造体を形成させることができるとの知見を新規に見い出したことで、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、小麦粉を活用する食品の成形に必要とされる展延性、粘着性、結着性、成形性などの諸性状がグルテンの架橋ネットワーク構造によって付与される点に着目し、小麦澱粉や酵母の生成する炭酸ガスがグルテン架橋ネットワークに含泡されることによって形状の維持や構成成分の保持を実現し、加熱時にグルテンが変性し粘弾性を失った不可逆性ゲルへと変化することで、泡を含んだネットワーク構造を形成すると考えた。この観点から、グルテンに代わるネットワーク構造体について鋭意研究した結果、澱粉を水と混合したのち均等に加熱処理(膨潤化)をして得られるネットワーク構造体骨格がグルテンに代わるネットワーク構造体を形成させることができるとの知見を新規に見い出したことで、本発明を完成するに至った。
次に、本発明者らは、膨潤化したネットワーク構造体骨格中に、それ単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材(以下、これを未膨潤化異種資材と称することがある。)を包接し、ネットワーク構造体骨格中で膨潤化させることによって、粒状、麺状、扁平状といった任意の形状に自由に成形でき、かつ、グルテンと同等の加工性を有し、良好な食味と期待される食感を自在に実現できるとの知見を新規に見い出したことで、本発明を完成するに至った。
さらに、本発明者らは、膨潤化したネットワーク構造体骨格中に、未膨潤化異種資材を包接し、ネットワーク構造体骨格中で膨潤化させることによって、熱水中における構成成分の漏出および/または溶解を防ぐことができるとの知見を新規に見い出したことで、本発明を完成するに至った。
さらにまた、本発明者らは、未膨潤化異種資材と共に、味噌や醤油といった調味料を混練し、調味料を含まない麺帯で積層化し、調味麺帯を中心に設置し、ネットワーク構造体骨格中で膨潤化させることによって、短時間調理にて煮込み風味を実現できるとの知見を新規に見い出したことで、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、膨潤化したネットワーク構造体骨格に、未膨潤化異種資材と共に糖質と酵母を包接し、ネットワーク構造体骨格中で一定時間発酵後、膨潤化させることによって、パンに類似した含泡食品を製造できるとの知見を新規に見い出したことで、本発明を完成するに至った。
次に、本発明者らは、未膨潤化食品素材として、タンパク質を分解する酵素を含む食品素材、例えば、マイタケを粉砕して、および/または、キウイ、パイナップル、パパイヤなども包接することが可能であり、かつ、ネットワーク構造体を破壊しないことを見い出し、本発明を完成するに至った。
そして、本発明者らは、ネットワーク構造体骨格の構成成分および未膨潤化異種資材として、非アレルギー性素材を選択することで、麺様やパン様といった任意の形状に成形し、加工できるとの知見を見い出し、本発明を完成するに至った。
そしてまた、本発明者らは、未膨潤化異種資材にカードランやアルギン酸塩といった増粘多糖類を混合することにより、ネットワーク構造体をより強固なものにできるとの知見を見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、ネットワーク構造体骨格中に異種の食品素材が包み込まれた(包接された)構造を有する食品生地の製造方法に関し、澱粉と水とを、重量比の割合が1:1.5〜1:30になるように混合し、均一になるように攪拌しながら加熱処理することで得られた澱粉膨潤化物からなるネットワーク構造体骨格中に、単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材を均一に混合することを特徴とするものである。
本発明においては、まず澱粉と水とを、重量比の割合が1:1.5〜1:30になるように混合し、均一になるように攪拌しながら加熱処理する。
ここで澱粉としては、様々なものを用いることができ特に限定されないが、ばれいしょ澱粉、とうもろこし澱粉、タピオカ澱粉、かんしょ澱粉、かたくり澱粉、くず澱粉、およびこれらのグループから選択された1種以上のものが好ましい。これらの中でも、ばれいしょ澱粉、とうもろこし澱粉、タピオカ澱粉などのように、後の膨潤化処理後に糊状またはゲル状を呈し、白色から透明の色調を呈するものが、食品製造上から好ましい。
特に、澱粉を複数種混合して膨潤化することで得られたネットワーク構造体は、単独で膨潤化したときに認められた欠点とも言える性状が改善され、より優れたネットワーク構造体となりうる。また、配合比率によって、任意の特性を引き出すことができる。
本発明においては、このような澱粉と水とを、重量比の割合が1:1.5〜1:30、好ましくは1:2〜1:25となるように混合する。ここで、水の使用割合が少な過ぎると、ゴム様の塊状となり形成が著しく困難になるため好ましくない。一方、水の使用割合が多過ぎると、流動性が高くなり、任意の形状に成形困難になるため好ましくない。
澱粉と水とを、上記のように重量比の割合が1:1.5〜1:30の範囲になるように混合し、均一になるように攪拌しながら加熱処理する。
撹拌は、澱粉と水とが均一になるように行えばよく、回転数など、その条件は特に限定されない。
加熱処理の方法は特に限定されない。具体的には例えば、マイクロ波加熱、直火加熱、温風加熱、水蒸気加熱、蒸煮加熱、ジュール加熱、オーブン加熱、電気加熱、加圧加熱、真空加熱などを単独で、あるいはこれらを2以上組み合わせて行うことができる。
加熱温度は、65〜105℃、好ましくは80〜95℃である。ここで、加熱温度が65℃未満であると、膨潤化が充分行われず期待する膨潤化物が得られないため好ましくない。一方、加熱温度が105℃を超えると、局所的な膨潤化が進みやすく、均一な膨潤化物を得にくくなるため好ましくない。
加熱時間は特に限定されないが、通常、1〜5分間である。
上記のように加熱処理した後は、通常、60℃程度の温度となるまで放冷される。
このようにして、澱粉膨潤化物を得る。
この澱粉膨潤化物は、グルテンを含んでいないにもかかわらず、グルテンが有すると同様のネットワーク構造体を有していることが分かった。
本発明においては、この澱粉膨潤化物からなるネットワーク構造体骨格中に、単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材を均一に混合し、ネットワーク構造体骨格中に異種の食品素材が包み込まれた(包接された)構造を有する食品生地を製造する。
単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材とは、上記澱粉膨潤化物とは異なる食品素材であって、しかもそれ単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ないものである。
ここで実質的にネットワーク構造を形成し得ないとは、ネットワーク構造を形成し得ないか、あるいは形成し得たとしても安定した形態を長期間保持できず物理的強度に乏しい様を指し、グルテンの架橋ネットワーク構造体と比較して、そのような強固な架橋ネットワーク構造を形成しないことを意味している。
このように単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材として具体的には、実質的にグルテンを含まない、穀物粉および/または澱粉が挙げられる。そのようなものとしてより具体的には例えば、小麦粉以外の穀物粉である、そば粉、米粉、大豆粉、きな粉、アピオス粉などの他、低アレルゲン化処理された小麦粉、米粉、そば粉、さらにはおからや炊飯米といったものが挙げられ、これらを単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、小麦粉以外の穀物粉、とりわけ米粉を用いることにより、従来技術では製造困難であった煮込み米粉麺や自由な形状に成形できる米粉パンの製造が可能になる。
なお、上記食品素材の形状や粒子サイズは特に限定されない。
上記のような食品素材として、非アレルギー性乃至低アレルギー性のもの(例えば米粉など)、特に非アレルギー性のものを用いることにより、アレルギー対応食品を製造することができる。具体的には、非アレルギー性が認められる食品素材や、低アレルゲン化処理された食品素材を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、必要に応じて、この食品素材として、グルテンを含む小麦粉を使用することも可能である。
また、上記のような食品素材には、増粘多糖類、調味料、および、タンパク質分解酵素からなる群から選ばれる1以上のものを含ませることができる。
ここで増粘多糖類としては、カードランやアルギン酸塩、ホワイトソルガム、ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどを挙げることができ、これらを単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、カードランおよび/またはアルギン酸塩を用いることが好ましい。
また、調味料としては、味噌、醤油、酒、みりん、砂糖、塩、カツオだし、昆布だし、干しシイタケだし、グルタミン酸ナトリウム、呈味性ペプチド、呈味性アミノ酸、イノシン酸、グアニル酸、呈味性ヌクレオチドなどを挙げることができ、これらを単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、上記のような食品素材には、タンパク質分解酵素を用いることにより、あるいはタンパク質分解酵素を含む食品素材を用いることにより、タンパク質分解酵素を含ませることができる。タンパク質分解酵素を含む食品素材として具体的には、マイタケ、キウイ、パイナップル、パパイヤなどを挙げることができ、これらを単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらを用いたとしても、ネットワーク構造は破壊されない。
このように、澱粉膨潤化物からなるネットワーク構造体骨格中に、単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材を均一に混合し、ネットワーク構造体骨格中に異種の食品素材が包み込まれた(包接された)構造を有する食品生地を製造することができる。
ここで前記澱粉膨潤化物と前記食品素材との割合は、前者:後者=0.2:1〜5:1、好ましくは0.4:1〜4:1である。
ここで前記澱粉膨潤化物の比率が上記割合より低過ぎると、形態の維持に必要な架橋ネットワーク構造の維持が困難となるため好ましくない。一方、前記澱粉膨潤化物の比率が上記割合より高過ぎると、異種資材の風味や特徴が活かされないため好ましくない。
このようにして得られた食品生地は、成形自由であり、様々な形状に成形することができる。
食品生地の形状は特に限定されないが、麺状、粒状、または米粒状に成形すると、その後に各種食品として有効に用いることができる。
また、食品生地としては、単層のものの他、何層か積層した生地とすることもできる。積層の方法は、単純に積層しても可能であるが、例えばレオン包あん機(レオン自動機株式会社製)などを用いて、同心円状の麺を形成しても可能である。
このようにして得られたネットワーク構造体骨格中に異種の食品素材が包み込まれた(包接された)構造を有する食品生地は、まだ完全には架橋ネットワーク構造が形成されたものではなく、完全に架橋ネットワーク構造を形成させるためには、以下に述べるような「加熱しての膨潤化処理」を必要とする。
ところで、このようにネットワーク構造体骨格中で、単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材(未膨潤化異種食品素材)を加熱して膨潤化させることで、ネットワーク構造体骨格と未膨潤化異種食品素材との間に働く分子間力が大きくなり、結合がより強固になり、この相乗効果によって、ネットワーク構造体骨格の持つ未膨潤化異種食品素材保持力が強化され、完全な架橋ネットワーク構造が形成されるものと考えられる。
次に、上記のようにして得られた、ネットワーク構造体骨格中に異種の食品素材が包み込まれた(包接された)構造を有する食品生地を所定の形状に成形した後、加熱処理して膨潤化させることにより、架橋ネットワーク構造が形成された食品、具体的には例えば麺類などの他、キリタンポの材料、ハンバーグの材料、五平餅の材料、再生米の材料などを製造することができる。麺類としてより具体的には、米粉を用いることにより短時間で調理可能な、煮込み米粉うどんなどを製造することができる。
加熱処理方法としては、マイクロ波加熱、直火加熱、温風加熱、水蒸気加熱、蒸煮加熱、ジュール加熱、オーブン加熱、電気加熱、加圧加熱、真空加熱などを挙げることができ、これらを単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
加熱処理の条件について述べると、加熱温度は、65〜140℃、好ましくは75〜130℃である。ここで、加熱温度が65℃未満であると、未膨潤化異種資材の膨潤化が充分行われず期待する食品が得られないため好ましくない。一方、加熱温度が140℃を超えると、表面の乾燥がより進みやすく、焦げ色がつきやすくなるため好ましくない。
なお、乾麺や半生麺の製造には、加熱温度は105〜130℃の範囲が適しているが、それ以外のものを製造する場合には、加熱温度が105℃を超えると、部分的に乾燥しやすくなるため、80〜105℃の範囲とすることが特に好ましい。
また、加熱時間は特に限定されないが、通常、1〜5分間である。
また、上記のようにして得られた、ネットワーク構造体骨格中に異種の食品素材が包み込まれた(包接された)構造を有する食品生地を所定の形状に成形した後、酵母による発酵処理を行い、140〜250℃、好ましくは180〜220℃で焼成(加熱焼成)することにより、架橋ネットワーク構造が形成された食品、具体的には例えば米粉パンなどのパンなどを製造することができる。
このとき用いる酵母としては、通常、パンの発酵に用いられているもの(パン用酵母)を使用すればよい。
また、このとき、必要に応じてショ糖などの糖質を合わせて用いることもできる。
次に、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1(膨潤化したネットワーク構造体骨格の調製)
膨潤化したネットワーク構造体骨格の開発を、次の方法により検討した。
以下、膨潤化したネットワーク構造体骨格の構成成分は、実質的にグルテンを含まない穀粉および/または澱粉を主原料としており、膨潤化処理後は糊状またはゲル状を呈し、白色から透明の色調を呈する穀粉および/または澱粉を主原料として含むことを特徴とする。
澱粉は、通常、デンプン粒とよばれる強固な結晶構造で保存されていることが知られている。澱粉と水を混合し、攪拌すると、デンプン粒は水を吸収するが、水を吸ったデンプン粒が堆積し、水層と分離する。このデンプン粒に大量の水を加え加熱すると、デンプン粒は多量の水を吸収し、粒構造の維持に関与する澱粉分子間水素結合が破壊され、非可逆的な膨潤を起こして粒構造は崩壊する事が知られている。この現象は澱粉の糊化(膨潤化)と呼ばれる。
ばれいしょ澱粉は、かたくり澱粉およびくず澱粉の代用として利用されている。そこで、ばれいしょ澱粉を膨潤化して得られる構造物の性状について検討した。
ばれいしょ澱粉と水を、2:1、1:1、1:1.5、1:2、1:3、1:5、1:10、1:15、1:20、1:25、1:30、1:35、1:40の重量比率でそれぞれ混合し、均等に攪拌しながらマイクロ波加熱した。80℃達温後、さらに2分間加熱を継続し膨潤化を行った。続いて60℃まで放冷した。その後、4℃まで冷却した。
膨潤化の結果、いずれの比率においても、透明かつ粘稠な溶液またはゲル状物質となった。ばれいしょ澱粉の割合が多いほど粘稠度が増し、ばれいしょ澱粉と水の重量が2:1〜1:1の時、強固なゴム状になった。ばれいしょ澱粉と水の重量比率が1:1.5〜1:15ではゲル状物質となった。
さらに、4℃まで冷却することで、粘稠度または硬度が増し半透明から白色を呈した。ばれいしょ澱粉と水の重量比率が、1:30よりもばれいしょ澱粉の比率が大きくなると、ゲル状物質に近くなった。粘稠な溶液およびゲル状物質は糸を引くように垂れることが確認できた。澱粉を膨潤化して得られる粘稠な溶液またはゲル状物質は、分子間結合によってその性質が与えられることが知られている。
これらの結果から、澱粉を膨潤化して得られる粘稠な溶液またはゲル状物質は、分子間結合によるネットワーク構造を有していることがわかった。
実施例2(膨潤化したネットワーク構造体骨格の異種資材包接能力の検討)
膨潤化したネットワーク構造体骨格の有する異種資材包接能力について、次の方法により検討した。
実施例1より得られた、60℃のばれいしょ澱粉と水の重量比率が1:1.5〜1:30の粘稠な溶液またはゲル状物質に対して、異種資材である米粉0.5gをふりかけ、ゆっくり攪拌し、粘稠な溶液またはゲル状物質の包接能力を調べた。
その結果、いずれの比率においても、米粉がネットワーク構造に内包され、内包された位置を持続しうることが目視で確認できた。つまり、実施例1のネットワーク構造体骨格は異種資材の包接能力を有することがわかった。
実施例3(膨潤化したネットワーク構造体骨格の異なる澱粉による性状の検討)
実施例1では、ばれいしょ澱粉について膨潤化したネットワーク構造骨格体の性状を検討した。この実施例3では、ばれいしょ澱粉以外の澱粉から得られる、膨潤化したネットワーク構造体骨格の性状について検討した。
ばれいしょ澱粉以外の澱粉として、とうもろこし澱粉、タピオカ澱粉、かんしょ澱粉を用意した。
上記澱粉と水を1:10の重量比率で混合し、均等に攪拌しながらマイクロ波加熱した。80℃達温後、さらに2分間加熱を継続し膨潤化を行った。続いて、60℃まで放冷した。その後、4℃まで冷却した。
その結果、澱粉によって糊化開始温度や膨潤化の状態が異なることがわかった。
すなわち、とうもろこし澱粉では、80℃付近では白色半透明で粘性が低いく糸引き性を示さないが、60℃でもろく裂けやすい白色のゼリー状になった。かんしょ澱粉、タピオカ澱粉は、ほぼ類似しており、60℃では透明な糸を引く糊状であった。60℃におけるばれいしょ澱粉は、粘着性および粘性と糸引き性が高く、やや流動性のあるゲル状であった。
続いて4℃まで冷却したところ、とうもろこし澱粉は、流動性を失った寒天に類似した白色ゼリー状で、もろく裂けやすかった。タピオカ澱粉およびばれいしょ澱粉は、粘着性を有する透明なゼリー状で、糸引き性はタピオカ澱粉の方がやや高かった。かんしょ澱粉は、ばれいしょ澱粉より糸引き性は劣るが、粘着性はタピオカ澱粉に近く、糊状に近い白色半透明ゲル状であった。
以上より、膨潤化された澱粉が温度に対して示す挙動は、澱粉によってそれぞれ異なることがわかった。
実施例4(異種澱粉を混合して膨潤化したネットワーク構造体骨格の性状の検討)
実施例3の結果より、ばれいしょ澱粉、タピオカ澱粉、とうもろこし澱粉、かんしょ澱粉を膨潤化したとき、それぞれ異なる性状を示した。
そこで本実施例4では、特徴的な性状を示したとうもろこし澱粉とばれいしょ澱粉を混合して膨潤化したときの性状の変化を調べた。
ばれいしょ澱粉ととうもろこし澱粉と水とを、1:1:20の重量比率で混合し、均等に攪拌しながらマイクロ波加熱した。80℃達温後、さらに2分間加熱を継続し膨潤化を行った。続いて、60℃まで放冷した。その後、4℃まで冷却した。混合物の性状について実施例3で示した単独時の性状と比較を行った。
その結果、澱粉を混合後、膨潤化することによって、新たな性状を得られることがわかった。80℃付近において、とうもろこし澱粉単独では白色半透明で粘性が低く、糸引き性を示さず、ばれいしょ澱粉単独では透明で粘着性および粘度共に高く糸引き性を示したが、混合澱粉では無色に近い白色透明で、良好な糸引き性を示すが、粘着性や粘度が低くなった。
60℃付近において、とうもろこし澱粉単独では、もろく裂けやすい白色のゼリー状になり、ばれいしょ澱粉単独では、粘着性および粘性と糸引き性が高く、やや流動性のあるゲル状であったが、混合澱粉では無色に近い白色透明で、良好な糸引き性を示すものの、粘着性や粘度が低くなり、流動性が乏しく弾力性を有するゲル状になった。とうもろこし澱粉単独でみられた、もろく裂けやすい性状は消失していた。
4℃付近において、とうもろこし澱粉単独では、流動性を失った寒天に類似したもろく裂けやすい白色ゼリー状を示し、ばれいしょ澱粉単独では、粘着性を有する透明なゼリー状で、糸引き性を示したが、混合澱粉では無色に近い白色透明で、糸引き性がほぼ消失し、粘着性が低くなり、流動性が乏しいゲル状を示したものの、とうもろこし澱粉単独でみられた、もろく裂けやすい性状は消失しており、弾力性に富んだ構造体が得られた。
これらの結果より、澱粉を混合して膨潤化することで得られたネットワーク構造体骨格は、それぞれを単独で膨潤化した時に比べて中間的な性状を示した他、単独で膨潤化したときに認められた欠点とも言える性状が改善され、より優れたネットワーク構造体骨格となりうることがわかった。また、配合比率によって、任意の特性を引き出せることがわかった。
[グルテン代替ネットワーク構造体の検討]
ここでは、澱粉を膨潤化して得られたネットワーク構造体骨格が、グルテン代替ネットワーク構造体として活用できるか検討した。
グルテンはグルテリンとグリアジンと呼ばれる2種類のタンパク質から構成される。グルテリンは引っ張りに対する強さと固さに関与し、グリアジンは粘性と結着性に関与すると言われている。小麦粉はグルテン含量により、薄力粉、中力粉、強力粉と分類されており、品種や産地よってグルテリンとグリアジンの構成比率も微妙に異なっている。
実施例3の結果より、ばれいしょ澱粉、タピオカ澱粉、とうもろこし澱粉の膨潤化物はグルテリンと類似した挙動を示し、タピオカ澱粉、ばれいしょ澱粉、かんしょ澱粉の膨潤化物はグリアジンに近い挙動を示すといえる。また、ばれいしょ澱粉、タピオカ澱粉の膨潤化物はグルテリンとグリアジンの両方に近い挙動を示すと言える。
実施例1および2の結果より、澱粉を膨潤化することによって得られたネットワーク構造体骨格が異種資材の包接能力を有することがわかった。
実施例4の結果より、由来の異なる澱粉を混合して膨潤化したネットワーク構造体骨格は、それぞれの澱粉を単独で膨潤化して得られたネットワーク構造体骨格の欠点を補い、単独の澱粉を膨潤化した際には得られない、新たな性状を得られることがわかった。また、配合比率によって、任意の特性を引き出せることがわかった。
これらの結果より、膨潤化した澱粉から得られるネットワーク構造体骨格が、グルテン代替ネットワーク構造体として活用できると思われた。
さらに、配合比率の異なる澱粉を膨潤化することで、薄力粉〜強力粉といったグルテン含量の異なる小麦粉やグルテリンおよびグリアジン含量の異なるグルテンを再現できると思われた。また、澱粉の配合比率を変えることで、従来にない新たな食感を有する食品の開発につながる可能性が示唆された。
実施例5(増粘多糖類・アルギン酸塩による膨潤化したネットワーク構造体骨格の強化)
本発明による澱粉を膨潤化したネットワーク構造体骨格は、水中で膨潤する可能性が高い。そこで、増粘多糖類を加えてネットワーク構造体骨格を強化する方法を検討した。
増粘多糖類として、アルギン酸ナトリウムを選択した。アルギン酸塩は、単独で水に溶解した場合、粘性を示す溶液であるが、乳酸カルシウムのようにカルシウムを含む溶液ではゲル化し、凝固する事が知られている。この特性を利用し、膨潤化ネットワーク構造体骨格の膨張を防ぐ方法を検討した。
ばれいしょ澱粉とアルギン酸ナトリウムと水とを、1:0.01:5の重量比率で混合したアルギン酸ナトリウム添加区を用意した。対照として、ばれいしょ澱粉と水とを、1:5の重量比率で混合した対照区を用意した。それぞれを、均等に攪拌しながらマイクロ波加熱した。80℃達温後、さらに2分間加熱を継続し膨潤化を行った。続いて、40℃まで冷却した。得られた膨潤化物を、それぞれ0.5%(w/v)の乳酸カルシウム溶液に浸漬し、25℃で一晩放置した。その後、蒸留水に置換して、25℃で一晩放置し、膨潤化物の重量と体積を測定して、効果を確認した。
その結果、アルギン酸ナトリウムを加えたばれいしょ澱粉懸濁液を乳酸カルシウム溶液中に滴下すると、ばれいしょ澱粉を内包した滴状の固形物が得られたことから、アルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウムの濃度が適切であるとわかった。アルギン酸ナトリウム添加区の膨潤化物は、指でつまむと、細く長く糸を引くような粘性が認められた。それぞれの膨潤化物を乳酸カルシウム溶液に浸漬した直後、対照区の膨潤化物を指でつまもうとすると、力の加わった部分が柔らかく切れてしまいつまめず、表面はヌルヌルした感触が強かった。それに対して、アルギン酸ナトリウム添加区の膨潤化物は指でつまめる固さで弾力があり、表面のヌルヌルした感触は対照区に比べて大幅に減少していた。すなわち、アルギン酸ナトリウムの添加によって、膨潤化物を崩れにくくし、骨格としての機能を強化することができるとわかった。
アルギン酸ナトリウム添加区と対照区とについて、膨潤化直後、乳酸カルシウム溶液浸漬後、蒸留水浸漬後の重量と蒸留水浸漬後の体積をそれぞれ測定し、比較した結果を表1に示す。
その結果、アルギン酸ナトリウム添加区と対照区との間で大きな差異は認められなかった。すなわち、アルギン酸ナトリウムの添加によって、膨潤化物の膨潤を防ぐことはできなかった。また、対照区で重量変化が認められなかったことから、本発明の膨潤化したネットワーク構造体骨格は、水に溶解しにくい特性を有することが認められた。
以上より、膨潤化したネットワーク構造体に増粘多糖類を添加することで、ネットワーク構造体骨格を強化できることがわかった。
しかしながら、水溶液中における吸水を原因とする膨潤を防ぐことはできないことがわかった。
また、本発明の膨潤化したネットワーク構造体骨格は、水に溶解しにくい特性を有することが認められ、本発明の膨潤化したネットワーク構造体骨格に未膨潤化異種資材を包接し、異種資材を膨潤化することで、包接した異種資材に高い耐水性を与えられる可能性が示唆された。
Figure 2009201479
実施例6(増粘多糖類・カードランによる膨潤化したネットワーク構造体骨格の強化)
本発明による澱粉を膨潤化したネットワーク構造体骨格は、澱粉の特性により温度によって固さや粘性の変化が大きい。そこで、増粘多糖類を加えてネットワーク構造体骨格に温度に対する安定性を向上する方法を検討した。
増粘多糖類として、カードランを選択した。カードランは、60℃で加熱した場合、可逆性のゲルとなるが、80℃以上で加熱した場合、不可逆性のゲルを形成することが知られている。
カードランを添加した添加区と、カードランを添加しない対照区を用意した。ばれいしょ澱粉と水とを1:5の比率で混合し、均等に攪拌しながらマイクロ波加熱した。80℃達温後、さらに2分間加熱を継続し膨潤化を行った後、40℃まで冷却した。得られた膨潤化物に、ばれいしょ澱粉に対してカードランを、1:0.05の重量比率で混合し、包接した。このカードラン包接膨潤化物を80℃達温後、さらに、2分間加熱を継続し、全体の膨潤化を行い、60℃まで放冷した。その後、4℃まで冷却して、それぞれの性状を調べた。
その結果、高温時は、カードラン添加区が若干硬めの性状を示し、粘度や糸引き性がやや低下した。4℃においては顕著な差は認められなかった。
以上より、膨潤化したネットワーク構造体骨格に増粘多糖類を添加することで、ネットワーク構造体骨格を強化できることがわかった。
実施例7(膨潤化したネットワーク構造体骨格中における未膨潤化異種資材の包接と膨潤化)
本発明による膨潤化したネットワーク構造体骨格に未膨潤化異種資材を包接させ、ネットワーク構造体骨格中で未膨潤化異種資材を膨潤化させ、性状の変化を観察する目的で行った。
未膨潤化異種資材として、米粉を選択した。膨潤化ネットワーク構造体骨格は、ばれいしょ澱粉と水とを1:5の重量比率で混合し、均等に攪拌しながらマイクロ波加熱して調製した。80℃達温後、さらに2分間加熱を継続し膨潤化を行った後、40℃まで冷却した。得られた膨潤化物と米粉とを1.2:1の重量比率で混合し、ネットワーク構造体骨格に未膨潤化異種資材を包接した生地を得た。
得られた生地を厚さ5mmの板状に伸ばし、a.生の生地、を用意し、未膨潤化異種資材を膨潤化する目的で、b.ラップで密閉しマイクロ波加熱(105℃)を行ったもの、c.水蒸気で加熱(105℃)したもの、d.ラップを使用せず開放状態でマイクロ波加熱(105℃)を行ったもの、e.開放状態で105℃の加熱を行ったもの、f.開放状態で200℃の加熱を行ったものをそれぞれ用意し、それぞれの冷却後の性状を検討した。すなわち、bおよびcは加湿条件で加熱を検討し、dおよびeは乾燥状態で加熱を検討し、fは焼成時の形状を検討した。
その結果、得られた生地は白色不透明で自由に成形が可能であった。
まず、aの生の生地は自由に成形が可能であったが、もろく裂けやすく、乾燥が進むと砕けやすくなった。
それに対して、bおよびcの加湿条件で加熱した場合は、やや透明感がある黄白色で生の生地に見られた、もろく裂けやすい性状を失い、粘りと弾力感が増した強固な性状を示した。また、乾燥後は透明感が増し、硬度が増すと共に砕けやすい性状を失っていた。dおよびeは乾燥状態で加熱した場合は、白色不透明で所々に凹凸を示す硬いせんべい状に仕上がった。fの焼成時は、凹凸がさらに大きくなり、全体が茶色く変色し、表面が硬く中はモチモチとしたせんべい状に仕上がった。
以上より、膨潤化ネットワーク構造体骨格中に包接した未膨潤化異種資材を加熱して膨潤化することで、強固な性状を得ることができた。
実施例8(実施例7を利用した米粉うどんの製造)
実施例7で得られた生地を麺状に加工した際の性状を観察する目的で、米粉うどんの製造を行った。
実施例7で得られた生地を厚さ5mmの板状に伸ばし、a.生の生地を比較対照として用意し、未膨潤化異種資材を膨潤化する目的で、b.ラップで密閉しマイクロ波加熱(105℃)を行ったものを用意した。bにて加熱処理を行う際、1.板状にした麺帯を加熱後麺状に裁断したもの、2.麺状に裁断したのち加熱したものをそれぞれ用意し、それぞれb−1、b−2とした。aは生の状態で麺状に裁断した。
加工の異なるそれぞれの麺を、沸騰した湯に投入し、2分間弱い沸騰状態を継続したまま加熱を行い、続いて、一部を氷水で冷却し、一部は湯の中に浸漬したまま放冷して60℃を維持し、性状の変化を比較した。
その結果、未膨潤化米粉を包接した米粉麺aは、沸騰状態を維持しているときから茹で汁が白く濁りはじめ、箸でつまみ上げると表面がふやけた状態で脆く切れやすい性状を示した。氷水で冷却すると表面が引き締まり、脆く切れやすい性状は若干改善された。湯に浸漬したまま放冷した場合、時間経過と共に茹で汁の白濁が強くなり、麺は煮崩れを起こし、脆く切れやすく変化した。
膨潤化ネットワーク構造体骨格中で米粉を包接して膨潤化した米粉麺b−1およびb−2は、ほぼ同様の性状を示した。すなわち、沸騰状態を維持していると茹で汁が白く濁りはじめるが、麺aに比べて大幅に濁りが減少し、箸でつまみ上げると表面のふやけた状態は軽減され、茹で餅に類似する食感を有するしっかりと箸でつまめる切れにくい麺となり、米の風味を有する従来にない性状を示した。氷水で冷却すると表面が堅めに引き締まり、コシの強い麺となった。湯に浸漬したまま放冷した場合、時間経過と共に茹で汁の白濁が若干強くなるが、麺は煮崩れを認められず、放冷開始後30分経過後も茹で餅に類似する食感を有するしっかりと箸でつまめる切れにくい麺となり、米の風味を有する従来にない性状を示した。
以上より、膨潤化ネットワーク構造体骨格中に包接した米粉を膨潤化することで、煮崩れや湯どけがほとんど起こらず、煮込みに耐えうる従来にない性状を有する麺を製造することができた。
実施例9(実施例7および8を応用した短時間煮込み米粉うどんの製造)
実施例8より、本発明による製造方法で得られる米粉麺は煮崩れや湯どけを起こしにくい特性を有することがわかった。言い換えれば、内部に包接された調味料が、湯に溶出しにくいことが考えられる。そこで実施例7で得られた生地を応用し、調味料を練り込んだ麺帯を米粉麺帯で積層し、中心部に調味麺帯を配置することで、短時間で煮込み風味を実現する米粉麺が製造できるか検討した。
実施例7で得られた生地を厚さ5mmの板状に伸ばし、米粉麺帯として2枚用意した。新たに、未膨潤化異種資材として、味噌と顆粒状のかつおだしおよび昆布だしより構成される調味料を用意し、実施例7の膨潤化物に対して、調味料と膨潤化物との重量比を1:2の比率で混合し、ネットワーク構造体骨格に未膨潤化異種資材として調味料を包接した調味生地を得た。調味生地を厚さ5mmの板状に伸ばし、調味麺帯を得た。米粉麺帯に調味麺帯をのせ、さらに米粉麺帯を積層することで、厚さ15mmの中心部に調味麺帯を配置した積層麺帯を得た。積層麺帯を厚さ5mmの板状に伸ばし、積層調味麺帯とし、ラップで密閉しマイクロ波加熱を行い、積層調味麺帯を蒸し上げて、未膨潤化異種資材を膨潤化した。積層調味麺帯を裁断して、積層調味麺を得た。
得られた積層調味麺を、沸騰した湯に投入し、2分間弱い沸騰状態を継続したまま加熱を行い、続いて、一部を氷水で冷却し、一部は湯の中に浸漬したまま放冷して60℃を維持し、性状と風味の変化を比較した。
その結果、得られた積層調味麺生地は、白色不透明な外観の中央に、味噌で着色されたストライプ模様を有する麺であった。調味麺帯に強い粘着性を有するため、積層面が剥離することはなかった。2分間の弱い沸騰状態で加熱中に試食したところ、味噌の香りと風味がだしの旨味と合わさった、充分に煮込まれた煮込みうどんと同様の風味を実現しており、積層面の剥離は認められなかった。氷水で冷却すると、表面が堅めに引き締まり、コシの強い麺となり、めんつゆをつけなくても煮込み風味でおいしく食べられることがわかった。湯に浸漬したまま放冷した場合、麺は煮崩れを認められず、積層面の剥離も認められなかった。放冷開始してから30分経過後も、茹で餅に類似する食感を有するしっかりと箸でつまめる切れにくい麺となり、充分に煮込まれた味噌煮込みうどん風味を有する従来にない性状を示した。
積層の方法は、本実施例9で示した様に単純に積層しても可能であるが、例えばレオン包あん機(レオン自動機株式会社製)などを用いて、同心円状の麺を形成しても可能である。
以上より、膨潤化ネットワーク構造体骨格に調味料を練り込み、積層麺を作ることにより、短時間調理で充分に煮込まれた風味を有する煮込み麺が得られた。この積層麺は、長時間湯に浸漬しても積層面が剥離することなく、煮崩れや湯どけがほとんど起こらず、煮込みに耐えうる従来にない性状を有する麺を製造することができた。
実施例10(実施例7を応用した米粉パンの製造)
実施例7で得られた生地の膨潤化ネットワーク構造体骨格の配合比率を変更し、バゲット形に加工したパンを焼成し、パンの性状と酵母の生産する炭酸ガスの包含特性を観察する目的で行った。
未膨潤化異種資材として、米粉を選択した。膨潤化ネットワーク構造体骨格に用いる澱粉は実施例3で得られた澱粉の性状の違いから、a.ばれいしょ澱粉のみ、b.ばれいしょ澱粉とタピオカ澱粉を1:1に配合したもの、c.ばれいしょ澱粉ととうもろこし澱粉を1:1に配合したもの、d.ばれいしょ澱粉とタピオカ澱粉ととうもろこし澱粉を1:1:1に配合したものを用意した。
澱粉と水を1:6の重量比率で混合し、均等に攪拌しながらマイクロ波加熱して調製した。80℃達温後、さらに2分間加熱を継続し膨潤化を行った後、40℃まで冷却した。得られた膨潤化物と米粉を1:1の重量比率で用意し、米粉重量に対して3%重量のパン用生酵母と1.5%重量のショ糖を加えた後、全体を混合し、ネットワーク構造体骨格に未膨潤化異種資材と酵母を包接した生地を得た。
得られた生地を、長さ15cm、最大直径4cmの紡錘形に成形し、加湿条件下において37℃で1時間発酵を行い、発酵終了後、ただちに200℃のオーブンで45分間焼成した。発酵経過や焼成後のパンの性状について観察した。
その結果、得られた生地は、いずれも白色不透明で自由に成形が可能であり、紡錘形にも容易に成形できた。発酵状態は、それぞれについて大差なく、発酵前に比べて1.1〜1.2倍程度に膨れた。発酵後の生地を切断したところ、脆く割れるが、微細な気泡を多く含んだネットワーク構造を形成していた。焼成後は、表面が薄茶色く染まり、所々亀裂が認められたが、体積にほとんど変化がなかった。焼成後の内部ネットワーク構造は、気泡が大きく膨らんだ、もっちりとしたネットワーク構造体であり、澱粉の配合により微妙に異なる食感が認められたが、小麦粉のパンと比較すると、組織が密で気泡が小さなものであった。澱粉の配合により風味が異なり、とうもろこし澱粉を配合したものは、焼きとうもろこし風味がほんのり香ったが、ばれいしょ澱粉やタピオカ澱粉を配合したものは、香りに特徴がなく、米の風味を有するモチモチとした内部構造であった。その食感や内部ネットワーク構造は、従来の製法と比較して、より小麦粉またはグルテンを用いたパンに近い高品質な米粉パンであった。
以上より、膨潤化ネットワーク構造体骨格の組成を変更することで、食感や風味に変化が生まれ、かつ、実質的にグルテンを含まない未膨潤化異種資材を用いた製パンにおいて、小麦粉またはグルテンを配合した場合の生地と同等の扱いやすさを備えた上、焼成後のパンは従来にない高品質な米粉パンを製造することができた。
実施例11(実施例8を応用した再生米粒の製造)
実施例8より、膨潤化ネットワーク構造体骨格中に包接した米粉を膨潤化することで、煮崩れや湯どけがほとんど起こらず、煮込みに耐えうる従来にない性状を有する麺を製造することができるとわかっている。
そこで、本実施例11では、実施例7で得られた生地の未膨潤化異種資材に、低アレルゲン化処理または低タンパク質処理を施した資材の利用を考え、粒状に加工した再生米粒を作成し、その性状を観察する目的で実験を行った。
未膨潤化異種資材に米粉を選択した。実施例7で得られた生地を厚さ5mmの板状にのばし、米粒状に加工した。未膨潤化異種資材を膨潤化する目的で、ラップで密閉しマイクロ波加熱を行い、再生米粒とした。
加工を施した再生米粒を、沸騰した湯に投入し、2分間弱い沸騰状態を継続したまま加熱を行い、続いて、一部を氷水で冷却し、一部は湯の中に浸漬したまま放冷して60℃を維持し、性状の変化を比較した。
その結果、未膨潤化米粉を包接した再生米粒は、通常の米粒と比較して、やや硬めの食感を呈したが、湯どけ等は認められず、良好な性状を示した。また、未膨潤化異種資材に、低アレルゲン化処理または低タンパク質処理を施した資材を使用することで、目的を達成できると考えられた。
実施例12(実施例11を応用したタンパク質分解酵素含有再生米粒の製造)
本発明の膨潤化ネットワーク構造体骨格は澱粉主体であり、タンパク質をほとんど含まないためタンパク質分解酵素に対して強固な性質を有すると考えられる。また、実施例11より、再生米粒の製造が可能とわかっている。
そこで本実施例12では、実施例7で得られた生地の未膨潤化異種資材に、タンパク質分解酵素により実現される低アレルゲン化処理または低タンパク質処理を施した資材の利用を考え、粒状に加工した再生米粒を作成し、その性状を観察する目的で実験を行った。
未膨潤化異種資材として、米粉を選択した。タンパク質分解酵素にはパパインを選択した。膨潤化ネットワーク構造体骨格は、ばれいしょ澱粉と水を1:5の重量比率で混合し、均等に攪拌しながらマイクロ波加熱(90℃)して調製した。80℃達温後、さらに2分間加熱を継続し膨潤化を行った後、40℃まで冷却した。得られた膨潤化物と米粉とパパインとを1.2:1:0.01の重量比率で混合し、ネットワーク構造体に未膨潤化異種資材とタンパク質分解酵素を包接した生地を得た。パパインを添加しない生地を対照区、パパインを添加した生地を添加区とした。
得られた生地を厚さ5mmの板状に伸ばし、米粒状に加工した。未膨潤化異種資材を膨潤化する目的で、ラップで密閉しマイクロ波加熱を行い、再生米粒とした。
加工を施した再生米粒を、沸騰した湯に投入し、2分間弱い沸騰状態を継続したまま加熱を行い、続いて、一部を氷水で冷却し、一部は湯の中に浸漬したまま放冷して60℃を維持し、性状の変化を比較した。
その結果、未膨潤化異種資材の膨潤化を行った際、パパイン添加区と対照区で差は認められなかった。また、湯に投入し、加熱した状態、氷冷した状態、湯の中で放冷した状態のいずれにおいても差は認められなかった。
これにより、本発明による膨潤化ネットワーク構造体骨格は、タンパク質分解酵素に対して強い耐性を有することがわかり、タンパク質分解酵素を包接できる他、タンパク質分解酵素により実現される、低アレルゲン化処理または低タンパク質処理を施した資材を包接することが可能であるとわかった。
本発明は、グルテンの架橋ネットワーク構造体に代わる食品のネットワーク構造体とその利用方法を提供するものである。グルテンの有する異種資材を包み込む(包接)能力に着目した、従来技術とは全く違う視点からグルテンの性質を捉えた新しい発想の技術であり、本発明のネットワーク構造体骨格に未膨潤化異種資材を包接することを特徴とする技術である。包接された未膨潤化異種資材をネットワーク構造体骨格中で膨潤化することによって、強固な特性を得られる。ネットワーク構造体骨格によって包接した異種資材を、外部環境から保護することができる。具体的には、澱粉を水と混合したのち均等に加熱処理(膨潤化)をして得られるネットワーク構造体骨格をグルテン代替物とする食品の製造方法に関する発明であり、膨潤化した可食性ネットワーク構造体骨格に未膨潤化異種資材を包接することで生地中に、ネットワーク構造体骨格中に異種の食品素材が包み込まれた(包接された)構造が形成され、実質的にグルテンを含まない澱粉または穀粉を自由に成形でき、熱水中における溶解や湯のびを防ぎ、優れた含泡特性を付与する麺やパンなどの食品素材の製造方法を提供する発明である。
より具体的には、実質的にグルテンを含まない穀粉および/または澱粉、例えば、ばれいしょ澱粉、とうもろこし澱粉、タピオカ澱粉、かんしょ澱粉、かたくり澱粉、くず澱粉などの澱粉の1つ又は混合粉を主原料とし、膨潤化して得られたネットワーク構造体骨格に、米粉、きな粉、そば粉、アピオス粉などの未膨潤化異種資材を包接することで、生地中にネットワーク構造体骨格を形成する。ネットワーク構造体骨格に包接した未膨潤化異種資材を、ネットワーク構造体骨格中で膨潤化することによって、従来技術では自由な形状に成形できず、使用方法や加工方法が限定されていた様々な食品素材を、製造者の求める形状、例えば、粒状、麺状、扁平状といった形状に自由に成形でき、かつ、良好な食味と食感を簡便に実現することを特徴とする。
本発明によるネットワーク構造体骨格に未膨潤化異種資材を包接したのち全体を膨潤化することで、生地中ネットワーク構造体骨格によって包接された異種資材が保護され、熱水をはじめとする水溶液中で未膨潤化異種資材の漏出を防ぐことが可能になり、麺に成形した場合、湯どけや湯のびが軽減される。また、未膨潤化異種資材として酵母と糖質を加えて一定時間発酵を行った後焼成することで、発酵中にグルテンに類似した網目構造が生地中に形成され、焼成後も網目構造を有するパン様食品の製造が可能となる。
ネットワーク構造体骨格の組成に非アレルギー性澱粉を選択し、さらに、タンパク質や脂質、非アレルギー性素材、アレルギー原因物質を除去した素材を未膨潤化異種資材として用いることで、低タンパク質食品や、低カロリー食品、アレルゲンフリー食品を提供することができる。
ネットワーク構造体骨格に、未膨潤化異種資材としてタンパク質分解酵素をはじめとする各種酵素を包接することで、酵素類の担体として使用でき、食品素材として様々な用途に使用できる他、未膨潤化異種資材として味噌や醤油などの調味料を混練することで食材の中心まで風味を含浸させた煮込み風食品の短時間調理が可能になる。さらに、未膨潤化異種資材に増粘多糖類、例えば、カードランやアルギン酸塩などを加えることにより、ネットワーク構造体骨格を強化することが可能になる。

Claims (13)

  1. 澱粉と水とを、重量比の割合が1:1.5〜1:30になるように混合し、均一になるように攪拌しながら加熱処理することで得られた澱粉膨潤化物からなるネットワーク構造体骨格中に、単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材を均一に混合することを特徴とする、前記ネットワーク構造体骨格中に前記異種の食品素材が包み込まれた構造を有する食品生地の製造方法。
  2. 澱粉と水とを、重量比の割合が1:1.5〜1:30になるように混合し、均一になるように攪拌しながら加熱処理することで得られた澱粉膨潤化物からなるネットワーク構造体骨格中に、単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材を均一に混合し、得られた前記ネットワーク構造体骨格中に前記異種の食品素材が包み込まれた構造を有する食品生地を所定の形状に成形した後、加熱処理して膨潤化させることを特徴とする、架橋ネットワーク構造が形成された食品の製造方法。
  3. 前記食品生地が、麺状、粒状、または米粒状に成形されたものである、請求項2に記載の食品の製造方法。
  4. 澱粉と水とを、重量比の割合が1:1.5〜1:30になるように混合し、均一になるように攪拌しながら加熱処理することで得られた澱粉膨潤化物からなるネットワーク構造体骨格中に、単独で加水加熱処理しただけでは実質的にネットワーク構造を形成し得ない異種の食品素材を均一に混合し、得られた前記ネットワーク構造体骨格中に前記異種の食品素材が包み込まれた構造を有する食品生地を所定の形状に成形した後、酵母による発酵処理を行い、140〜250℃で焼成して膨潤化させることを特徴とする、架橋ネットワーク構造が形成された食品の製造方法。
  5. 前記食品素材が、非アレルギー性の食品素材である、請求項2〜4のいずれかに記載の食品の製造方法。
  6. 前記澱粉が、ばれいしょ澱粉、とうもろこし澱粉及びタピオカ澱粉のうちの1つまたは2以上の混合粉である、請求項2〜5のいずれかに記載の食品の製造方法。
  7. 前記食品素材が、小麦粉以外の穀物粉である、請求項2〜6のいずれかに記載の食品の製造方法。
  8. 穀物粉が、米粉である、請求項7に記載の食品の製造方法。
  9. 前記食品素材が、増粘多糖類、調味料、および、タンパク質分解酵素からなる群から選ばれる1以上のものを含むものである、請求項2〜8のいずれかに記載の食品の製造方法。
  10. 増粘多糖類が、カードラン及び/又はアルギン酸塩である、請求項9記載の食品の製造方法。
  11. 前記食品素材が、グルテンを含まないものである、請求項2〜9のいずれかに記載の食品の製造方法。
  12. 前記澱粉膨潤化物と前記食品素材の重量比の割合が、0.2:1〜5:1である、請求項2〜11のいずれかに記載の食品の製造方法。
  13. 請求項2〜12のいずれかに記載の方法によって得られた、架橋ネットワーク構造が形成された食品。
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