本発明は、スロットマシンやパチンコ機等に代表される遊技台に関する。
従来、遊技台ではLCD等の表示装置に様々な画像を表示して遊技の演出を行っている。このような遊技台では、画像生成手段が、複数種類のスプライト画像を重ねて描画すると共に、これらのスプライト画像の描画位置を個別に変更することによってスプライト動画を生成している。近年の遊技台では、表示装置に遊技を盛り上げる画像に加えて、遊技者に対して様々な情報を報知する画像を表示した演出を行うことから、表示装置に従来よりも多種多彩な動画を表示することが求められている。そこで、表示装置に表示した画像をよりリアルに遊技者に視認させるべく、表示装置に表示した複数のキャラクタ画像のうち、遠くにあるように見せたい画像はあまり描画位置を変化させず、近くにあるように見せたい画像ほど描画位置を大きく(高速で)変化させるようにした遊技台が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−120766号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された遊技台では、遠くにあるように見せたい画像、および近くにあるように見せたい画像の画像データを個別に用意してROMまたはRAMに記憶させる必要があると共に、それぞれの画像に異なる移動量(移動速度)を設定する必要があるため、画像生成手段および表示手段の処理負荷が増大するという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、処理負荷を増大させることなくリアルな画像表示が可能な遊技台を提供しようとするものである。
(1)本発明は、複数のスプライト画像の表示位置を変化させることでスプライト動画を生成する画像生成手段を備え、前記スプライト画像の少なくとも1つは、表示位置の変化を視認者に認識させない部分である静止領域を備える特定スプライト画像であり、前記静止領域は、単一の色からなる複数の単色領域から構成され、前記複数の単色領域は、相互の境界が表示位置の変化する方向のみに沿うように配置されることを特徴とする、遊技台である。
(2)本発明はまた、前記特定スプライト画像は、表示位置の変化によって移動しているように視認者に認識させる移動領域をさらに備え、前記移動領域は、表示位置の変化する方向に沿って変化する形状、模様または色彩を有して構成されていることを特徴とする、上記(1)に記載の遊技台である。
(3)本発明はまた、前記スプライト動画を表示する表示手段をさらに備え、前記画像生成手段は、前記表示手段の表示範囲に対して相対的に前記特定スプライト画像を移動させて前記スプライト動画を生成する場合、前記特定スプライト画像を移動開始位置から移動終了位置に移動させて前記スプライト動画を生成した後に、さらに前記スプライト動画を生成するときには、前記特定スプライト画像を再度前記移動開始位置から前記移動終了位置に移動させて前記スプライト動画を生成することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の遊技台である。
(4)本発明はまた、前記複数の単色領域は、相互の境界が平行な直線状となるように配置されていることを特徴とする、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の遊技台である。
(5)本発明はまた、前記複数の単色領域は、相互の境界が同心円状となるように配置されていることを特徴とする、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の遊技台である。
(6)本発明はまた、前記複数の単色領域は、相互の境界が1点から放射状に伸びる直線状となるように配置されていることを特徴とする、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の遊技台である。
本発明に係る遊技台によれば、処理負荷を増大させることなくリアルな画像表示が可能という優れた効果を奏し得る。
以下、図面を用いて、本発明の実施例1に係るスロットマシン(遊技台)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例1に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図である。
スロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図1において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
本実施例において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図1において図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
音孔160はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置190が配設されている。この演出装置190は、水平方向に開閉自在な2枚の右扉163a、左扉163bからなる扉(シャッタ)部材163と、この扉部材163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略)を備えており、2枚の右扉163a、左扉163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
<制御部>
次に、図2〜図4を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、副制御部400より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部300>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が16MHzの場合に、分周後のクロックは8MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するための制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する各制御部においても同様である。
CPU310には、さらに、入力インタフェース360、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
CPU310は、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、インデックスセンサ325の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン130に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを2枚投入し、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン132が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
精算スイッチセンサ324は、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、貯留されているメダルを精算する。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにLレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、リールパネルランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124等)と、7セグメント表示器341(貯留枚数表示器125、表示器126、払出枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントする1つの乱数カウンタを備えている。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<副制御部400>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の図柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、CPU410は、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等を実行する。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、入出力インタフェース470、時計IC422、が接続されている。CPU410は、時計IC422が接続されていることで、現在時刻を取得することが可能である。
さらに、入出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、入出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて演出ランプ430(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、リールパネルランプ123、タイトルパネルランプ、受皿ランプ、等)を制御する。なお、タイトルパネルランプは、タイトルパネル162を照明するランプである。
また、CPU410は、副制御部500への信号の送受信は、入出力インタフェース470を介して実施する。
<副制御部500>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の副制御部500について説明する。副示制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
このCPU510は、副制御部400のCPU410からの信号(制御コマンド)を入出力インタフェース571を介して受信し、副制御部500全体を制御する。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU510には、バスを介して、ROM512、RAM513、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)600が接続されている。ROM512には、副制御部500全体を制御するための制御プログラムデータや演出用のデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。VDP600には、水晶発信器512が接続され、さらに、バスを介して、画像データと、画像データ用のカラーパレットデータが記憶されているCG−ROM612、VRAM613が接続されている。VDP600は、CPU510からの信号をもとにROM612に記憶された画像データを読み出し、RAM613のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ614を介して液晶表示装置615の表示画面に画像を表示する。なお、液晶表示装置157には、CPU510によって液晶表示装置157の表示画面の輝度調整を可能とするため輝度調整信号が入力されている。
また、CPU510には、外部の信号を受信するための入力インタフェース560が接続されており、入力インタフェース450には、シャッタセンサ(右扉1)550、シャッタセンサ(右扉2)551、シャッタセンサ(左扉1)552、シャッタセンサ(左扉2)553が接続されている。シャッタセンサ(左扉1)552およびシャッタセンサ(左扉2)553は、左扉163bの開閉状態を検出するためのセンサであり、シャッタセンサ(右扉1)550、シャッタセンサ(右扉2)551は、右扉163aの開閉状態を検出するためのセンサである。
CPU510には、データバスを介して副制御部400から制御コマンドを受信するための入出力インタフェース561が接続されており、CPU510は、入出力インタフェース561を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等を実行する。
また、CPU510には、主制御部300および副制御部400と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路550が接続されており、アドレスデコード回路550には、副制御部400からのコマンドを送受信するための入出力インタフェース561、出力インタフェース570が接続されている。
さらに、出力インタフェース570には、左扉モータ駆動部522、右扉モータ駆動部523が接続されている。左扉モータ駆動部522は、左扉163bを水平方向に駆動させる。右扉モータ駆動部523は、右扉163aを水平方向に駆動させる。本実施例では、左扉モータ駆動部522および右扉モータ駆動部523は、パルスモータを用いてCPU510からの信号をもとに左扉163bおよび右扉163aを駆動させている。
<VDP>
図5は副制御部500を構成する表示制御基板のブロック図であり、VDP600の内部構成を詳細に示した図である。VDP600は、CPUI/F622と、CGバスI/F624と、CPUI/F622を介して受信した命令を一時的に記憶するためのアトリビュートレジスタ626と、を備えている。なお、CPUI/F622は、バスB2に接続されたCPU510、ROM512、RAM513とデータの送受信を行うためのI/Fであり、CGバスI/F624は、バスB3に接続されたCG−ROM612とデータの送受信を行うためのI/Fである。
また、これらのCPUI/F622、CGバスI/F624、アトリビュートレジスタ626は、バスB4を介して描画制御部628、データ転送制御部630、表示制御部632に接続されている。描画制御部628は、アトリビュートレジスタ626に記憶された命令に従って、CG−ROM612から画像データを読み出して、所定の画像を生成した後、生成した画像をVRAMI/F634を介してVRAM613の所定領域に記憶する。データ転送制御部630は、アトリビュートレジスタ626とVRAM613の間の画像データの転送を制御する。表示制御部632は、描画制御部628が生成した画像を受信してD/Aコンバータ614に送信すると共に、液晶表示装置157にD/Aコンバータ614からの画像信号を所定のタイミングでサンプリングさせるための同期信号を出力する。D/Aコンバータ614は、表示制御部632から入力されたデジタル信号である画像データをアナログ信号のR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号に変換して液晶表示装置157に出力する。
本実施例のCG−ROM612には、スプライト画像カラーパレットデータと、スプライト画像データが記憶されている。スプライト画像カラーパレットデータは、スプライト画像用の色情報であり、本実施例では、8色、16色、64色、256色の4種類のカラーパレットデータがある。スプライト画像データは、所定サイズのビットマップデータで構成された画像データであり、2次元スプライト画像のデータである。このスプライト画像データには、4種類のカラーパレットデータのいずれかのパレット番号が記憶されており、256色のパレットデータを用いたスプライト画像データには、各々のドットに対応して8ビットのパレット番号が記憶されており、64色のパレットデータを用いたスプライト画像データには、各々のドットに対応して6ビットのパレット番号が記憶されており、16色のパレットデータを用いたスプライト画像データには、各々のドットに対応して4ビットのパレット番号が記憶されており、8色のパレットデータを用いたスプライト画像データには、各々のドットに対応して3ビットのパレット番号が記憶されている。なお、スプライト画像データの記憶方法もこれに限定されるものではなく、例えば、ランレングス法など、従来公知の画像圧縮方法を適用することができる。
本実施例のVRAM613には、液晶表示装置157に表示する画像を格納する表示領域A、表示領域Bが設けられている。図示は省略するが、表示領域A、B以外の領域には、上述のスプライト画像カラーパレットデータが格納されるパレット領域と、スプライト画像データを一時的に格納するCGデータ領域と、が設けられている。なお、本実施例では、VRAM613は2個の128MビットSDRAMで構成しているが、これに限定されるものではない。
<図柄配列>
次に、図6を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施例では、8種類)の図柄が所定コマ数(本実施例1では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施例1では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図7を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示した図である。
本明細書における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本明細書における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含める。また、本明細書における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに自動的に開始させる設定としてもよい。
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。本実施例では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、に大別するような区分けであってもよい。
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施例では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。
但し、BB遊技中のRB遊技の開始条件は、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施例では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了する。
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選するの入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。
<主制御部の処理>
図8はスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を実行する。また、各処理の実行によって得られた情報は副制御部400に送信する。
以下、この処理について説明する。電源投入が行われると、まず、ステップS101で初期化処理が実行される。ここでは各種の初期設定が行われる。ステップS102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS104へ進む。
ステップS103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS104では乱数発生器で発生させた乱数を取得する。ステップS105では、現在の遊技状態に応じてROMに格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS106では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS107では全リール110〜112の回転を開始させる。ステップS108では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112の何れかをステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS109へ進む。ステップS109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)については、今回の遊技で入賞しなかった場合は、次回の遊技に内部当選フラグがONの状態が維持される。所謂フラグの持ち越しが行われる。ステップS170では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS171では遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<副制御部400の処理>
次に、図9(a)〜(d)を用いて、副制御部400の処理について説明する。図9(a)は副制御部400のCPU410が実行するメイン処理のフローチャートである。
まず、ステップS201では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS201で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップS202では、コマンド入力処理(詳細は後述する)を行う。ステップS203では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、演出を制御するための動作制御データの更新を行う。ステップS204では、ステップS203で更新した演出データの中に副制御部400の各演出デバイスのドライバに出力するデータがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS205へ進み、該当しない場合はステップS216へ進む。ステップS205では副制御部400の演出デバイスのドライバにデータをセットする。データのセットにより演出デバイスがそのデータに応じた演出を実行する。ステップS206ではステップS203で更新した演出データの中に副制御部500に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS207へ進み、該当しない場合はステップS202へ戻る。ステップS207では副制御部500に制御コマンドを送信してステップS202へ戻る。
次に、図9(b)を用いて、副制御部400のコマンド入力処理について説明する。ステップS301ではコマンド格納エリアに少なくとも1つの制御コマンドが格納されているか否かを判定する。該当する場合はステップS302へ進み、該当しない場合はステップS301へ戻る。ステップS302では、コマンド格納エリアから制御コマンドを一つ取得し、制御コマンドに応じた処理を実行する。取得した制御コマンドはコマンド格納エリアから消去する。
次に、図9(c)を用いて、副制御部400のストローブ処理について説明する。このストローブ処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM413に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図9(d)を用いて、副制御部400のタイマ割込み処理について説明する。副制御部400は所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部400タイマ割込み処理を実行する。なお、副制御部400は汎用タイマの設定(10ms)としており、ステップS501ではこの汎用タイマの更新を行う。
<副制御部500の処理>
次に、図10(a)〜(e)を用いて、副制御部500の処理について説明する。図10(a)は、副制御部500のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、CG−ROM612に記憶したスプライト画像カラーパレットデータやスプライト画像データをVRAM613に転送する処理等を行う。具体的には、CG−ROM612に記憶されたスプライト画像カラーパレットデータやスプライト画像データをVRAM613に転送すべく、VDP600に対してVRAM転送要求を行う。なお、ここでは、スプライト画像カラーパレットデータと、スプライト画像データの中で頻繁に使用されるスプライト画像データ(例えば、通常遊技中の背景画像等)の転送要求を行う(画像パレットデータや画像データの転送方法については後述する)。さらに、変数の初期化等、その他の初期化処理を行う。
ステップS602では、コマンド入力処理を行う。詳細は後述するが、このコマンド入力処理では、副制御部400から入力したコマンドに基づいて各種の処理を行う。
ステップS602では、RAM513に記憶されたVDPカウンタの値が2であるか否かを判定する。本実施形態では、副制御部500は、VDP600が定期的に(この例では約16.66msに1回)出力するVブランク信号(垂直同期信号)を受信した場合に、後述するVDP割込処理においてRAM513の所定の領域に記憶されたVDPカウンタの値に1を加える。VDPカウンタの値が2である場合はステップS604に進み、そうでない場合は、ステップS603に進む。
ステップS604では、演出画像表示処理を行う。演出画像表示処理の詳細については後述する。
ステップS605では、VDPカウンタの値を0に設定する。ここでは、ROM512の所定の領域に記憶されたVDPカウンタの値を0に変更する。以降、副制御部500はステップS602〜S605の処理を繰り返し実行する。すなわち、副制御部500は、VDP600から送信されたVブランク信号を2回受取った場合に演出画像表示処理を実行するように設定されている。従って、副制御部500は、16.66ms×2=約33msごとに演出画像表示処理を実行する。これにより1秒間に30フレーム(約33ms×30=1秒)スプライト動画を描画可能に設定されている。
次に、図10(b)を用いて、上述の副制御部500メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS602)について説明する。
ステップS701では、副制御部400から受信したコマンドの中に未処理のコマンドがあるか否かを判定する。そして、未処理のコマンドがある場合にはステップS702に進み、未処理のコマンドが無い場合には処理を終了する。
ステップS702では、未処理のコマンドを実行する。
次に、図10(c)を用いて、副制御部500のストローブ処理について説明する。
副制御部500は、副制御部400から入力されるストローブ信号の変化を検出した場合に、このストローブ処理を行う。ストローブ処理のステップS801では、副制御部400から受信したコマンドを、未処理コマンドとしてRAM513の所定記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
次に、図10(d)を用いて、副制御部500のタイマ割込処理について説明する。
副制御部500は、CPU510のタイマユニットが出力するタイマ割込み要求信号に基づいて、このタイマ割込処理を定期的に実行する。タイマ割込処理のステップS901では、遊技状態等に応じて演出データを更新する。
次に、図10(e)を用いて、上述の副制御部500メイン処理におけるVDP割込処理について説明する。
副制御部500は、VDP600から送信されたVブランク信号を受信した場合に、VDP割込処理を実行する。ステップS1001では、RAM513の所定の領域に記憶されたVDPカウンタの値に1を加える。
<演出画像表示処理>
次に、図11を用いて、上述の副制御部500メイン処理における演出画像表示処理(ステップS604)について説明する。なお、同図は、演出画像表示処理の流れを示すフローチャートと、演出画像表示処理に伴ってCPU510とVDP600の間で送受信される情報を示した図である。
ステップS1101では、スプライト画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU510は、VDP600のアトリビュートレジスタ606に、CG−ROM612の転送元アドレス、VRAM613の転送先アドレス等を設定した後、CG−ROM612からVRAM613へのスプライト画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP600は、アトリビュートレジスタ606に設定された命令に基づいてスプライト画像データをCG−ROM612からVRAM613に転送した後、転送終了割込信号をCPU510に対して出力する。
ステップS1102では、VDP600からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判断し、転送終了割込信号が入力された場合にはステップS1103に進み、そうでない場合には転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS1103では、アトリビュート指示を行う。このアトリビュート指示では、CPU510は、ステップS1101でVRAM613に転送したスプライト画像データに基づいてVRAM613の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成するスプライト画像データの情報(例えば、VRAM613の座標軸、画像サイズ、格納先アドレス等)をVDP600に指示する。VDP600は、アトリビュートレジスタ606に格納された命令に基づいてアトリビュートに従った設定を行う。
ステップS1104では、画像生成指示を行う。この画像生成指示では、CPU510は、VDP600に画像の生成開始を指示する。VDP600は、CPU510の指示に従って画像生成を開始する。具体的には、VDP600は、複数のスプライト画像をそれぞれのアトリビュートデータに基づいて重ね合わせて合成スプライト画像を生成し、この合成スプライト画像データをVRAMの領域AおよびBに交互に記憶させる。
ステップS1105では、VDP600からの生成終了割込信号が入力されたか否かを判断し、生成終了割込信号が入力された場合には処理を終了し、そうでない場合には生成終了割込信号が入力されるのを待つ。
つまり、遊技台は、複数種類の識別情報を変動表示可能な表示手段を備え、前記識別情報が特定の組合せで停止表示された場合には、遊技者に有利な遊技設定が成される遊技台である。さらに、本発明の実施例1に係るスロットマシンは、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、リールの回転を指示するためのスタートレバーと、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタンと、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段(メダル払出処理)と、を備えたスロットマシンである。さらに、このスロットマシンは、遊技の進行を制御する主制御部(主制御部300)と、この主制御部から情報を受信し遊技の演出を制御する副制御部(副制御部400、副制御部500)を備えている。
<スプライト画像およびスプライト動画>
次に、本実施例におけるスプライト画像およびスプライト動画の例について説明する。
図12(a)および(b)は本実施例において使用されるスプライト画像の例を示した図であり、同図(c)は同図(a)および(b)に示したスプライト画像を重ね合わせて生成した合成スプライト画像の例を示した図であり、同図(d)は、同図(c)に示した画像を液晶表示装置157に表示した例を示した図である。なお、本実施例におけるスプライト画像は、所定サイズのビットマップデータから構成される2次元画像である。
この例では、同図(a)に示される飛行船のスプライト画像201、および同図(b)に示される樹木と空からなる背景のスプライト画像202の2つのスプライト画像を用いる。飛行船のスプライト画像201は、飛行船の下部に看板を吊り下げた状態に描かれており、この看板には、帽子を被ったキャラクタの横顔と共に「激アツ!」および「ドキドキ」というメッセージが表示されている。また、背景のスプライト画像202は、色の濃淡で図の上下方向にグラデーションをつけた青空の下部に緑の葉が茂る複数の樹木を配置して描かれている。
飛行船のスプライト画像201および背景のスプライト画像202は、カラーパレットデータと共に副制御部500のCG−ROM612に記憶されている。VDP600は、CG−ROM612からこれらのスプライト画像データをロードし、背景のスプライト画像202の表面上に飛行船のスプライト画像201を重ねるように合成し、同図(c)に示されるように、飛行船が樹木の上を飛んでいる様子を表した合成スプライト画像204を生成する。この合成スプライト画像204は、液晶表示装置157の表示可能な範囲よりも大きい範囲の画像として生成される。従って、VDP600は、液晶表示装置157に表示させる部分である表示範囲204aを合成スプライト画像204に設定し、この表示範囲204aの画像信号を液晶表示装置157に送信する。表示範囲204aの画像信号を受信した液晶表示装置157は、同図(d)に示されるように、合成スプライト画像の表示範囲204a内の画像を表示する。なお、この例では、2つのスプライト画像201、202を合成して合成スプライト画像を生成しているが、3つ以上のスプライト画像を合成することで、より多くのキャラクタや背景物を含む合成スプライト画像204を生成するようにしてもよい。
詳細は後述するが、この例では、飛行船のスプライト画像201および背景のスプライト画像202の表示位置(描画位置)をそれぞれ変更することによって、静止した青空を背景に飛行船および樹木が正面から見て右から左に水平方向に移動するスプライト動画を液晶表示装置157に表示する。このため、背景のスプライト画像202は、スプライト動画を視認する視認者(主に遊技者)に表示位置の変化を認識させずに静止しているように見せる静止領域202a(青空が描画された領域)と、視認者に表示位置の変化を認識させて動いているように見せる移動領域202b(複数の樹木が描画された領域)から構成されている。すなわち、背景のスプライト画像202は、本発明における特定スプライト画像となっている。
図13(a)および(b)は、背景のスプライト画像202の作成方法を示した図である。同図(a)に示されるように、背景のスプライト画像202は、予め作成された青空の画像202a'の表面上に予め作成された樹木の画像202b'を重ねて合成することによって作成される。このように、2つの画像202a'、202b'を重ねて合成することによって、静止領域202aおよび移動領域202bから構成される背景のスプライト画像202を容易に作成することができる。なお、これは青空のスプライト画像202の作成方法の一例であって、例えば、予め作成された青空の画像202a'に樹木の画像を直接描くなどしてもよい。
従来、この例のように、静止した青空に対して樹木を移動させたい場合には、青空のスプライト画像と樹木のスプライト画像を個別に用意し、青空のスプライト画像に対する樹木のスプライト画像の表示位置を変更することによって樹木の移動を表現するのが一般的であった。しかし、このような従来の手法では、樹木の移動に伴って樹木の輪郭(青空と樹木の境界)が青空に対して変に浮き上がったように見えてしまい、視認者に違和感を与える場合があった。これに対し、本実施例では、青空と樹木を1つのスプライト画像に描画し、両者の相対的な位置関係が変化しないようにしているため、視認者に違和感を与えないようになっている。さらに、青空と樹木の相対的な位置関係が変化しないことから、例えば図13(b)に拡大して示すように、樹木の内部を奥の青空が透けて見える部分を含めて表現したり、樹木の輪郭をぼかして表現したりする等、リアル感および奥行き感を出せる表現が可能となっている。これにより、本実施例では、よりリアル感や奥行き感に富んだ迫力のある背景画像を実現している。
また、本実施例では、青空のスプライト画像と樹木のスプライト画像を個別にCG−ROM612に記憶させるのではなく、背景のスプライト画像202のみを記憶させているため、CG−ROM612の記憶容量を削減することができる。これにより、より多くの背景画像をCG−ROM612に記憶することが可能となるため、様々な背景画像を使用した多彩な演出を行うことができる。さらに、青空と樹木の2つのスプライト画像ではなく、1つの背景のスプライト画像202を使用しているため、合成スプライト画像204を生成する場合のVDP600の処理負荷を低減することができる。これにより、より多くの移動物体を動画に登場させることが可能となり、複数のキャラクタ等が異なる速度で移動しながら登場するような面白みのある演出を行うことができる。
図14(a)および(b)は、青空の画像202a'を示した図である。同図(a)に示されるように、青空の画像202a'は、図の上方の濃い青から図の下方に向けて徐々に薄い青となるようにグラデーションを用いて描画されている。同図(b)に拡大して示されるように、このグラデーションは、所定の配列でドットごとに濃度の異なる青を着色する、すなわち、各ドットに所定の配列で異なる濃度の青のパレット番号を対応付けることによって生成されている。この例では、例えば、図の最上段の横一列のドットの全てに最も濃い青であるパレット番号C1を対応付けている。そして、その下の段の横一列のドットにC1より薄い青のパレット番号C2を対応付け、さらにその下の段の横一列のドットにC2より薄い青のパレット番号C3を対応付けるといったように、図の下にいくほど薄い青となるようにパレット番号を対応付けている。
このように、青空の画像202a'では、単一の濃度の青からなる1ドット分の幅の色の帯(本発明における単色領域)を図の上下方向に複数配置することでグラデーションを構成している。本実施例では、このようにグラデーションを用いることで、背景の青空に、リアル感や奥行き感を出すようにしている。また、本実施例では、色の帯(単色領域)を図の左右方向(水平方向)に沿って配置することにより、背景のスプライト画像202の表示位置を変更した場合に、静止領域202aの表示位置の変化を視認者に認識させないようにしている。すなわち、青空の画像202a'は、左右方向に伸びる単一の濃度の単一の幅の色の帯を図の上下方向に複数配置して構成されていることから、同一の色彩が左右方向に連続した画像となっている。これにより、青空の画像202a'および背景のスプライト画像202の静止領域202aは、その表示位置が左右方向に変化しても、視認者に同一の色彩を視認させるため、その変化を視認者に認識させないようになっている。このようにすることで、グラデーションを用いて青空をリアルに表現しながらも、その表示位置の変化を視認者に認識させないようにすることができる。
なお、静止領域202aを構成する色の帯(単色領域)は、上記した例よりも幅広のものであってもよいし、複数の色の帯をそれぞれ異なる幅に設定してもよい。また、複数の色の帯を、それぞれ異なる色にしてもよい。例えば、静止領域202aを、図の上から下に行くにつれて青から赤に変化するグラデーションとすることで夕焼け空を表現するようにしてもよいし、それぞれ異なる色からなる色の帯を上下方向にランダムに配置することで縞模様の背景を表現するようにしてもよい。すなわち、静止領域202aを構成する複数の単色領域は、表示位置の変化を視認者に認識されないように、相互の境界が表示位置の変化する方向にのみ沿い、且つ相互の境界が互いに平行となるように配置されていれば、どのようなものであってもよい。
また、移動領域202bを構成する画像は、上記した樹木に限定されるものではなく、例えば、ビル等の建物、雲または飛行機等であってもよい。すなわち、移動領域202bは、表示位置の変化が視認者に認識されるように、表示位置の変化する方向に沿って変化する形状、模様または色彩を有して構成されていれば、どのようなものであってもよい。
図15(a)および(b)、図16(a)および(b)ならびに図17(a)および(b)は、本実施例におけるスプライト動画の一例を示した図である。本実施例では、VDP600は、飛行船のスプライト画像201および背景のスプライト画像202の相対的な位置および大きさを変更して合成することにより、異なる合成スプライト画像204を次々に生成する。また、生成した合成スプライト画像204ごとに異なる表示範囲204aを設定する。そして、VDP600は、生成した合成スプライト画像204の表示範囲204aの画像信号を所定のサンプリング周期で液晶表示装置157に送信する。液晶表示装置157は、所定のサンプリング周期ごとに受信した画像信号に基づいて異なる画像を次々に表示する。すなわち、液晶表示装置157にスプライト動画が表示されることとなる。
この例では、VDP600は、まず図15(a)に示されるように、背景のスプライト画像202の右側中央やや上部に飛行船のスプライト画像201が位置するように2つのスプライト画像201、202を重ねて合成スプライト画像204を生成する。そして、飛行船の前部のみが表示範囲204aに含まれるように表示範囲204aを設定する。次に、VDP600は、図15(b)に示されるように、図15(a)よりも表示位置を左やや下側にすると共に大きさを拡大した飛行船のスプライト画像201を、背景のスプライト画像202に重ねた合成スプライト画像204を生成する。そして、表示範囲204aを図15(a)よりもやや右側に設定する。さらに、VDP600は、図16(a)および(b)に示されるように、前回よりも表示位置を左やや下側にして大きさを拡大した飛行船のスプライト画像201を、背景のスプライト画像202に重ねた合成スプライト画像204を順に生成すると共に、表示範囲204aを前回よりもやや右側に設定する。
このようにして、図15(a)および(b)ならびに図16(a)および(b)に示される合成スプライト画像204の表示範囲204aを連続的に液晶表示装置157に表示することによって、画面の右端から現れた飛行船が樹木の奥側から樹木を超えて手前側に向けて飛行する様子をリアルに動画で表現することができる。背景のスプライト画像202に対する飛行船のスプライト画像201の相対的な位置および大きさを変更することによって、背景の青空および樹木に対する飛行船の動きを表現することができる。また、表示範囲204aの設定位置を変更することによって、青空に対する樹木の動きを表現することができる。さらに、この例では、樹木を飛行船よりも遅い速度でゆっくり移動させることによって、飛行船の動きによりリアル感を出すことが可能となっている。また、静止した青空、ゆっくり移動する樹木、および大きさを変えながら比較的速く移動する飛行船の3つを同一画面上に配することで、奥行き感および立体感を持たせた迫力ある動画を表示することが可能となっている。
また、この例では、飛行船の下部の看板に遊技者に対するメッセージを表示するようにしている。これにより、図15(a)の段階では小さくてほとんど判読することができないメッセージが、飛行船の移動に伴い、徐々に大きくなって遊技者に迫ってくると共に、その内容が判読可能になるといった面白みのある演出を行うことができる。
VDP600は、図16(b)に示される合成スプライト画像204を生成した後、図17(a)および(b)に示されるように、前回よりも表示位置を左やや上側にして大きさを縮小した飛行船のスプライト画像201を、背景のスプライト画像202に重ねた合成スプライト画像204を順に生成すると共に、表示範囲204aを前回よりもやや右側に設定する。図16(b)、図17(a)および(b)に示される合成スプライト画像204の表示範囲204aを連続的に液晶表示装置157に表示することによって、飛行船が樹木の手前側から樹木を超えて奥側に向けて飛行し、画面の左端から消えていく様子をリアルに動画で表現することができる。なお、他のスプライト画像を使用して、飛行船以外の物体を登場させるようにしてもよい。
また、図17(b)に示した画像を液晶表示装置157に表示した後に、再び図15(a)に示した画像を表示するようにしてもよい。すなわち、背景のスプライト画像202を表示範囲204aに対して相対的に移動させながら合成スプライト画像204を生成する場合に、背景のスプライト画像202の移動開始位置から移動終了位置まで移動させた後に、再び移動開始位置から移動を開始するようにしてもよい。このとき、樹木の右端と左端を互いに連続するような形状および色彩とし、図17(b)に示した画像を表示した後に図15(a)に示した画像を表示しても、樹木が連続するように視認者に見せることで、視認者に違和感を与えないようにすることができる。
以上説明したように、本実施例に係るスロットマシン100は、複数のスプライト画像201、202の表示位置を変化させることでスプライト動画を生成する画像生成手段(本実施例では、VDP)600を備え、スプライト画像201、202の少なくとも1つは、表示位置の変化を視認者に認識させない部分である静止領域202aを備える特定スプライト画像であり、静止領域202aは、単一の色からなる複数の単色領域から構成され、複数の単色領域は、相互の境界が表示位置の変化する方向のみに沿うように配置される。
このため、リアルで迫力ある動画を用いた演出を行う場合であっても、使用されるスプライト画像の枚数を従来よりも減らすことができるため、副制御部500のCG−ROM612の記憶容量を削減すると共に、VDP600の処理負荷を低減することができる。さらに、CG−ROM612の記憶容量およびVDP600の処理負荷を従来と同程度に維持した場合には、より多彩な動画を用いた演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を高め、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
また、特定スプライト画像は、表示位置の変化によって移動しているように視認者に認識させる移動領域202bをさらに備え、移動領域202bは、表示位置の変化する方向に沿って変化する形状、模様または色彩を有して構成されている。このため、静止領域202aおよび移動領域202bを一枚のスプライト画像に描くことから、視認者に違和感を与えないように両者の境界を構成することができる。これにより、より立体的で奥行き感のある動画表現が可能となる。
また、スロットマシン100は、スプライト動画を表示する表示手段(本実施例では、液晶表示装置)157を備え、画像生成手段600は、表示手段157の表示範囲204aに対して相対的に特定スプライト画像を移動させてスプライト動画を生成する場合、特定スプライト画像を移動開始位置から移動終了位置に移動させてスプライト動画を生成した後に、さらにスプライト動画を生成するときには、特定スプライト画像を再度移動開始位置から移動終了位置に移動させてスプライト動画を生成する。このため、VDP600が生成する合成スプライト画像204の数を減少させることが可能となり、VDP600の処理負荷を軽減することができる。
また、複数の単色領域は、相互の境界が平行な直線状となるように配置されているため、特定スプライト画像の表示位置を複数の単色領域の相互の境界に沿う方向に変化させた場合に、遊技者にその変化を認識させないようにすることができる。
なお、本発明は、画像生成手段の解像度と、表示手段の解像度が異なる場合に好適である。特に、画像生成手段の解像度よりも表示手段の解像度が高い場合、すなわち、画像生成手段が生成するスプライト画像(動画)の解像度よりも高い解像度で表示手段が画像(動画)の表示を行う場合により好適である。例えば、本実施例におけるVDP600の描画解像度は、800×600ドットであり、液晶表示装置157の表示解像度は、1200×800ドットである。このような場合、液晶表示装置157に表示される画像は、VDP600が生成した画像よりも粗くなる可能性が高い。このため、遊技の演出に用いる画像(動画)が粗雑なものとなり、これを視認した遊技者の遊技意欲を減退させてしまう恐れもあった。
しかし、本実施例において示したように、スプライト画像の少なくとも1つを、表示位置の変化を視認者に認識させない部分である静止領域を備える特定スプライト画像とし、静止領域を単一の色からなる複数の単色領域から構成すると共に、複数の単色領域の境界を表示位置の変化する方向のみに沿うように配置することで、液晶表示装置157に表示された画像の粗さを視認者(遊技者)に認識させないようにすることができる。すなわち、リアルで面白みのあるスプライト動画を液晶表示装置157に表示させることが可能となるため、遊技の興趣を高めることができる。さらに、表示位置の変化によって移動しているように視認者に認識させる移動領域を特定スプライト画像に備えることによって、画像の粗さを視認者(遊技者)に認識させることなく、より立体的で奥行き感のある動画を液晶表示装置157に表示させることが可能となる。
次に、本発明の実施例2に係るパチンコ機1000について説明する。
<全体構成>
まず、図18を用いて、本発明の実施例1に係るパチンコ機1000の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機1000を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機1000は、ガラス製または樹脂製の透明板部材1152および透明部材保持枠(ガラス枠)1154からなる扉部材1156の奥側に透明板部材1152を通して視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)1102を備えている。図示は省略するが、遊技盤1102には、遊技球が入球可能な一般入賞口、第1特別図柄始動口(第1特図始動口)、第2特別図柄始動口(第2特図始動口)、普通図柄始動口(普図始動口)および大入賞口(可変入賞口)が、遊技釘や打球方向変換部材と共に配設されている。さらに、遊技盤1102には、特別図柄表示装置(特図表示装置)および普通図柄表示装置(普図表示装置)と共に、装飾図柄や演出に用いる様々な画像等を表示する装飾図柄表示装置が配設されている。
扉部材1156の下方には、後述する発射モータ1602によって回動する発射杆1138と、この発射杆1138の先端部に取り付けて球を後述する遊技領域1104に向けて打ち出す発射槌1140と、この発射槌1140によって打ち出す球を後述する外レール1106に導くための発射レール1142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール1142に供給するための貯留皿1144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に装飾図柄表示装置等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン1146を配設している。
また、発射杆1138および発射槌1140の下方には、発射杆1138を制御して遊技領域1104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル1148を配設していると共に、貯留皿1144の下方には、貯留皿1144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿1150を設けている。
<図柄の種類>
次に、図19(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置、装飾図柄表示装置、普図表示装置が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図19(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、特別大当たり図柄である「特図2」と、外れ図柄である「特図3」の3種類がある。第1特図始動口または第2特図始動口に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図3」を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図19(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施例の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口または第2特図始動口に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置の左図柄表示領域、中図柄表示領域、右図柄表示領域の各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域に大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾2−装飾2−装飾2」))を停止表示し、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾1−装飾1−装飾1」))を停止表示する。なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域に大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図19(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。普図始動口を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
<制御部>
次に、図20を用いて、このパチンコ機1000の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機1000の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部1300と、主制御部1300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部1400と、主制御部1300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部1550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部1600と、パチンコ機1000に供給される電源を制御する電源管理部1650によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機1000の主制御部1300について説明する。
主制御部1300は、主制御部1300の全体を制御する基本回路1302を備えており、この基本回路1302には、CPU1304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM1306と、一時的にデータを記憶するためのRAM1308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1310と、時間や回数等を計測するためのカウンタ・タイマ1312を搭載している。なお、ROM1306やRAM1308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部1400についても同様である。この基本回路1302のCPU1304は、水晶発信器1314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路1302には、水晶発信器1314が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路1316(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ1318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路1316および基本回路1302に出力するためのセンサ回路1320と、特図表示装置1114の表示制御を行うための表示回路1322と、普図表示装置1112の表示制御を行うための表示回路1324と、各種状態表示部1326(普図保留ランプ、特図保留ランプ、高確中ランプ等)の表示制御を行うための表示回路1328と、第2特図始動口や可変入賞口等を開閉駆動する各種ソレノイド1330を制御するためのソレノイド回路1332を接続している。
なお、第1特図始動口に球が入賞したことを球検出センサ1318が検出した場合には、センサ回路1320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路1316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路1316は、第1特図始動口に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口1126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路1316は、第2特図始動口に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路1302には、情報出力回路1334を接続しており、主制御部1300は、この情報出力回路1334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路1652にパチンコ機1000の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部1300には、電源管理部1500から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路1336を設けており、この電圧監視回路1336は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路1302に出力する。
また、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1338を設けており、CPU1304は、この起動信号出力回路1338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部1300は、副制御部1400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部1550にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部1400および払出制御部1550との通信を可能としている。なお、主制御部1300と副制御部1400および払出制御部1550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部1300は副制御部1400および払出制御部1550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部1400および払出制御部1550からは主制御部1300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機1000の副制御部1400について説明する。
副制御部1400は、主に主制御部1300が送信したコマンド等に基づいて副制御部1400の全体を制御する基本回路1402を備えており、この基本回路1402には、CPU1404と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM1406と、一時的にデータを記憶するためのRAM1408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1412を搭載している。この基本回路1402のCPU1404は、水晶発信器1414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路1402には、スピーカ1416(およびアンプ)の制御を行うための音源IC1418と、各種ランプ1420の制御を行うための表示回路1422と、演出装置の演出用可動体等を駆動する駆動装置であるソレノイドまたはモータ等が含まれる各種演出用駆動装置1424の制御を行うための演出用駆動装置制御回路1426と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)1110および装飾図柄表示装置1110を遮蔽する遮蔽手段の制御を行うための副制御部1500と、チャンスボタン1146の押下を検出して信号を出力するチャンスボタン検出回路1380を接続している。
副制御部1500は、図示は省略するが、演算処理装置であるCPUや、ROMやRAM等の各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備えている。CPUには、バスを介して、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が接続されている。このVDPには、水晶発信器が接続され、さらに、バスを介して、画像データと、画像データ用のカラーパレットデータが記憶されているCG−ROM、VRAMが接続されている。VDPは、CPUからの信号をもとにROMに記憶された画像データを読み出し、RAMのワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータを介して装飾図柄表示装置1110の表示画面に画像を表示する。なお、装飾図柄表示装置1110には、CPUによって装飾図柄表示装置1110の表示画面の輝度調整を可能とするため輝度調整信号が入力されている。
VDPは、図示は省略するが、上記実施例1で説明したのと同様に、CPUI/Fと、CGバスI/Fと、CPUI/Fを介して受信した命令を一時的に記憶するためのアトリビュートレジスタと、を備えている。なお、CPUI/Fは、副制御部1500のCPU、ROM、RAMとデータの送受信を行うためのI/Fであり、CGバスI/Fは、CG−ROMとデータの送受信を行うためのI/Fである。
また、これらのCPUI/F、CGバスI/F、アトリビュートレジスタは、バスを介して描画制御部、データ転送制御部、表示制御部に接続されている。描画制御部は、アトリビュートレジスタに記憶された命令に従って、CG−ROMから画像データを読み出して、所定の画像を生成した後、生成した画像をVRAMI/Fを介してVRAMの所定領域に記憶する。データ転送制御部は、アトリビュートレジスタとVRAMの間の画像データの転送を制御する。表示制御部は、描画制御部が生成した画像を受信してD/Aコンバータに送信すると共に、装飾図柄表示装置1110にD/Aコンバータからの画像信号を所定のタイミングでサンプリングさせるための同期信号を出力する。D/Aコンバータは、表示制御部から入力されたデジタル信号である画像データをアナログ信号のR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号に変換して装飾図柄表示装置1110に出力する。
本実施例のCG−ROMには、上記実施例1で説明したのと同様に、スプライト画像カラーパレットデータと、スプライト画像データが記憶されている。スプライト画像カラーパレットデータは、スプライト画像用の色情報であり、本実施例では、8色、16色、64色、256色の4種類のカラーパレットデータがある。スプライト画像データは、所定サイズのビットマップデータで構成された画像データであり、2次元スプライト画像のデータである。このスプライト画像データには、これら4種類のカラーパレットデータのいずれかのパレット番号が記憶されており、256色のパレットデータを用いたスプライト画像データには、各々のドットに対応して8ビットのパレット番号が記憶されており、64色のパレットデータを用いたスプライト画像データには、各々のドットに対応して6ビットのパレット番号が記憶されており、16色のパレットデータを用いたスプライト画像データには、各々のドットに対応して4ビットのパレット番号が記憶されており、8色のパレットデータを用いたスプライト画像データには、各々のドットに対応して3ビットのパレット番号が記憶されている。なお、スプライト画像データの記憶方法もこれに限定されるものではなく、例えば、ランレングス法など、従来公知の画像圧縮方法を適用することができる。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機1000の払出制御部1550、発射制御部1600、電源管理部1650について説明する。
払出制御部1550は、主に主制御部1300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置1552を制御すると共に、払出センサ1554が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部1556を介して、パチンコ機1000とは別体で設けられたカードユニット1654との通信を行う。
発射制御部1600は、払出制御部1550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル1148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル1148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆1138および発射槌1140を駆動する発射モータ1602の制御や、貯留皿1144から発射レール1142に球を供給する球送り装置604の制御を行う。
電源管理部1650は、パチンコ機1000に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部1300、副制御部1400等の各制御部や払出装置1552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部1650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部1300のRAM1308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
<主制御部メイン処理>
次に、図21を用いて、主制御部1300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1338を設けている。この起動信号を入力した基本回路1302のCPU1304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM1306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。
ステップS1201では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU1304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割り込みマスクの設定、I/Oポート1310の初期設定、RAM1308に記憶する各種変数の初期設定、WDT1313への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施例では、WDT1313に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS1202では、WDT1313のカウンタの値をクリアし、WDT1313による時間計測を再始動する。
ステップS1203では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路1336が、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU1304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS1202に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU1304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1204に進む。
ステップS1204では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタ・タイマ1312に設定する処理、I/O1310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、副制御部1400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM1308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS1205では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部1300の基本回路1302を初期状態にする場合)にはステップS1207に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS1207に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けた操作部を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS1207に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)は、RAM1308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS1207に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM1308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS1206に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機1000を初期状態にすべくステップS1207に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS1207に進む。
ステップS1206では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM1308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM1308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割り込み許可の設定を行う。以降、CPU1304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機1000は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割り込み処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS1208、ステップS1209内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。
ステップS1207では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割り込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAM1308の全ての記憶領域の初期化などを行う。
ステップS1208では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM1308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割り込み許可の設定を行ってステップS1209に進む。
ステップS1209では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
主制御部1300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS1208およびS1209の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図22を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部1300は、所定の周期(本実施例では約2msに1回)でタイマ割り込み信号を発生するカウンタ・タイマ1312を備えており、このタイマ割り込み信号を契機として主制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS1301では、タイマ割り込みスタート処理を行う。このタイマ割り込みスタート処理では、CPU1304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS1302では、WDT1313のカウント値が初期設定値(本実施例では32.8ms)を超えてWDT割り込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施例では、主制御部タイマ割り込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS1303では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O1310の入力ポートを介して、上述の透明部材保持枠開放センサ、前枠開放センサ、下皿満タンセンサ、複数の球検出センサを含む各種センサ1318の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM1308に各種センサ1318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。本実施例では、前々回のタイマ割り込み処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割り込み処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS1303では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が一致するか否かを判定する。そして、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施例では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、入賞口(一般入賞口、可変入賞口)や始動口(第1特図始動口、第2特図始動口)への入球、または普図始動口の通過があったと判定する。例えば、一般入賞口への入球を検出する球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口へ入球したと判定し、以降の一般入賞口への入球に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口への入球に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。
ステップS1304およびステップS1305では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS1208で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部1300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM1308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM1308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM1308に設けている。
ステップS1306では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部1300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS1307では、タイマ更新処理を行う。詳細は後述するが、このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特別図柄表示装置に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS1308では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口(一般入賞口、第1、第2特図始動口、および可変入賞口)に入賞(入球)があった場合に、RAM1308に入賞口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS1309では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路1316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM1308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。また、普図始動口を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM1308に設けた上述の特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより第1、第2特図始動口、普図始動口、または可変入賞口の入賞(入球)を検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、第1、第2特図始動口、普図始動口、および可変入賞口の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
ステップS1310では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部1550に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS1311では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動中(後述する普図汎用タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、図19(c)に示す普図1の態様となるように普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、図19(c)に示す普図2の態様となるように普図表示装置1112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM1308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、普図の状態を非作動中に設定する。普図の状態が非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS1312に移行するようにしている。
ステップS1312では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM1308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置1112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM1308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM1308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
ステップS1313では、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動中(後述する特図汎用タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置1114を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンで確変フラグがオフの場合には特図表示装置1114に図19(a)に示す特図1、大当たりフラグがオンで確変フラグがオンの場合には特図表示装置1114に図19(a)に示す特図2、大当たりフラグがオフの場合には、図19(a)に示す特図3の態様となるように特図表示装置1114を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM1308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により特図の停止表示をおこない、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。また、コマンド設定送信処理(ステップS1315)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に02Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM1308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1315)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に04Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口の扉部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1315)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に10Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口の扉部材の開閉駆動用のソレノイド1330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1315)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に20Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM1308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS1315)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に08Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、特図の状態を非作動中に設定する。特図の状態が非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS1314に移行するようにしている。
ステップS1314では、特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、特図変動遊技および可変入賞口130の開閉制御を行っておらず(特図の状態が非作動中)、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、大当たり判定テーブル、高確率状態移行判定テーブル、タイマ番号決定テーブルなどを使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。具体的には、ステップS1303で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、大当たり判定テーブルの第1特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM1308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(ここで、大当たりの情報をRAM1308に設定することを大当たりフラグをオンに設定するという)。一方、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM1308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(ここで、外れの情報をRAM1308に設定することを大当たりフラグをオフに設定するという)。なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM1308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また、当り判定に使用した乱数値を消去する。
具体例としては、遊技状態が低確率状態であり、第1特図始動口への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が10100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が10200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。また、第2特図始動口への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が20100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が20200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。具体的には、ステップS1309で乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、移行判定乱数の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、RAM1308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する。(ここで、特別大当たり遊技開始の情報をRAM1308に設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、大当たり遊技開始の情報をRAM1308に設定することを確変フラグをオフに設定するという)。例えば、取得した特図乱数値が20の場合には確変フラグをオフに設定する。一方、取得した特図乱数値が80の場合には確変フラグをオンに設定する。
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値を含むタイマ乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM1308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図変動表示時間として、上述の特図表示図柄更新タイマに記憶し、コマンド設定送信処理(ステップS1315)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に01Hを送信情報(一般情報)として追加記憶してから処理を終了する。
例えば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が50000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜60235の範囲であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する1行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ1、および変動時間を示す5を選択し、RAM1308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が64000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜15535の範囲ではないことからタイマ2は選択せず、15536〜24535ではないことからタイマ3は選択せず、24536〜62535ではないことからタイマ4は選択しないが、62536〜65535の範囲内であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する8行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ5、および変動時間を示す50を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。なお、割り込み処理の開始周期である2msを考慮して、選択した変動時間の値に500(1000ms/2ms)を掛けた値を変動時間記憶領域にセットする。例えば、変動時間が5秒の場合には、変動時間記憶領域には2500の値を初期値としてセットし、ステップS1307のタイマ更新処理を実行する度に、この変動時間記憶領域の値を1だけ減算するようにすることで、割り込み処理の実行回数により時間の経過を計測できるようにしている。また、複数回(例えば5回)のタイマ割込処理の実行ごと(例えば2ms周期)に変動時間記憶領域の値を減算する場合には、変動時間が10秒の場合であれば、10秒が10000msであることから周期(2ms×5)で割り算して1000を変動時間記憶領域に設定する。
ステップS1315では、コマンド設定送信処理を行う(詳細は後述する)。なお、副制御部1400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(00Hの場合は基本コマンド、01Hの場合は図柄変動開始コマンド、04Hの場合は図柄変動停止コマンド、05Hの場合は入賞演出開始コマンド、06Hの場合は終了演出開始コマンド、07Hの場合は大当たりラウンド数指定コマンド、0EHの場合は復電コマンド、0FHの場合はRAMクリアコマンドをそれぞれ示すなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、大当たりフラグの値、確変フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、確変フラグの値などを含み、大当たりラウンド数指定コマンドの場合であれば確変フラグの値、大当たりラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口への入賞の有無、第2特図始動口への入賞の有無、可変入賞口への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンド種別に01H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンド種別に04H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンド種別に05H、コマンドデータにRAM1308に記憶している入賞演出期間中に装飾図柄表示装置1110・各種ランプ1420・スピーカ1416に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンド種別に06H、コマンドデータにRAM308に記憶している演出待機期間中に装飾図柄表示装置1110・各種ランプ1420・スピーカ1416に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンド種別に07H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンド種別に08H、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。副制御部1400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部1300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS1316では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM1308に記憶している遊技情報を、情報出力回路1334を介してパチンコ機1000とは別体の情報入力回路1652に出力する。
ステップS1317では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS1303において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、透明部材枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラーを検出した場合に、副制御部1400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド1330を駆動して第2特図始動口や、可変入賞口の開閉を制御したり、表示回路1322、1324、1328を介して普図表示装置1112、特図表示装置1114、各種状態表示部1326などに出力する表示データを、I/O1310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS1310)で設定した出力予定情報を出力ポート1310を介して副制御部400に出力する。
ステップS1318では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1320に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1319に進む。
ステップS1319では、タイマ割り込みエンド処理を行う。このタイマ割り込みエンド処理では、ステップS1301で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行う。
ステップS1320では、電源管理部1650から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路が、所定の値以下である場合に電圧が低下したことを示す電圧低下信号を出力しているか否か、すなわち電源の遮断を検知したか否かを監視し、電源の遮断を検知した場合には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM1308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
<副制御部1400メイン処理>
次に、図23(a)を用いて、副制御部1400のCPU1404が実行する副制御部1400メイン処理について説明する。なお、同図は副制御部1400メイン処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部1400には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路1402のCPU1404は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM1406に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS1401で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化等を行う。
ステップS1402では、コマンド入力処理(詳細は後述)を行う。
ステップS1403では、I/O410の出力ポートを介して副制御部1500にコマンドを出力する。
ステップS1404では、後述するタイマ変数記憶領域の値が10以上であるか否かを判定する。タイマ変数記憶領域の値が10以上である場合はステップS1405に進み、タイマ変数記憶領域の値が10未満である場合にはステップS1402に進む。
ステップS1405では、タイマ変数記憶領域に0を格納する。
ステップS1406では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、後述する変動パターン選択処理で記憶する変動番号、仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せの種別の更新を行うと共に、装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間に基づいて装飾図柄表示装置1110、装飾図柄表示装置1110の遮蔽手段、スピーカ1416、各種ランプ1420および演出装置の演出用可動体等による演出を制御するための動作制御データの更新を行う。
ステップS1406では、決定された演出情報が示している態様で装飾図柄変動表示を行うように次回実行する上記ステップS1403の処理で副制御部1500に出力するコマンド(例えば左に装飾7を停止することを指示するコマンドや遮蔽手段を動作させるコマンド等)をRAM1408に設けた液晶コマンド格納領域に格納する等、後述するステップS1407、S1408、S1409によるスピーカ1416、各種ランプ1420、および演出用可動体を制御する準備を行う。また、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否か、例えばチャンスボタン1146を用いた演出を行うか否か等の抽選を行う。
ステップS1407では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上記ステップS1406で取得したスピーカ制御用の情報に含まれるスピーカ1416に出力する音声データをI/O1410の出力ポートに設定し、スピーカ1416の出力制御を音源IC1418に行わせる。
ステップS1408では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上記ステップS1406で取得した各種ランプ制御用の情報に含まれる各種ランプ1420に出力するランプの点灯・消灯を示すデータ等をI/O1410の出力ポートに設定し、各種ランプ1420の点灯や消灯の制御を表示回路1422に行わせる。
ステップS1409では、演出用駆動装置制御処理を行う。この演出用駆動装置制御処理では、上記ステップS1406で取得した演出用可動体の制御用の情報に含まれる動作タイミングを示すデータ等をI/O1410の出力ポートに設定し、演出用可動体等を駆動する各種演出用駆動装置1424の制御を演出用駆動回路1426に行わせる。
副制御部1400は、後述するストローブ処理、チャンスボタン処理、または副制御部タイマ割り込み処理による中断を除いて、以降、ステップS1402〜S1404の処理を繰り返し実行する。
<コマンド入力処理>
次に、図23(b)を用いて、上記副制御部1400メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS1402)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1501では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS1502に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して副制御部1400メイン処理に復帰する。
図23(c)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、同図(d)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。ステップS1502では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図23(c)に示す変動パターン選択処理(例えば未処理コマンドが上記変動開始コマンドに基づいて実行する)や、同図(d)に示す図柄停止処理等を行う。未処理コマンドに基づく処理は他にも備えている。例えば、大当たり中に可変入賞口の開放制御を開始するたびに主制御部1300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理等である。その他の処理は、ここでは割愛する。
変動パターン選択処理のステップS1601では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、確変フラグの値、およびタイマ番号を抽出し、RAM1408のそれぞれの記憶領域に記憶する。また、変動番号選択テーブル、図柄決定テーブルを参照して演出データ(本実施例では変動番号、仮停止図柄・停止図柄の組合せ等)を選択し、これをRAM1408に設けた記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
図柄停止処理のステップS1701では、上記図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置1110の左、中、右図柄表示領域の3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口の開放回数を示す情報を抽出し、RAM1408の記憶領域に記憶する。
<ストローブ割り込み処理>
次に、図23(e)を用いて、副制御部1400のストローブ割り込み処理について説明する。なお、同図はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割り込み処理は、副制御部1400が、主制御部1300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割り込み処理のステップS1801では、主制御部1300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM1408に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
<チャンスボタン割り込み処理>
次に、図23(f)を用いて、副制御部1400のチャンスボタン割り込み処理について説明する。なお、同図はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このチャンスボタン割り込み処理は、副制御部1400がチャンスボタン検出回路1428によってチャンスボタン1146の操作を検出した場合に実行する処理である。
チャンスボタン割り込み処理のステップS1901では、RAM1408の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン1146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
<副制御部変数更新割り込み処理>
次に、図23(g)を用いて、副制御部1400のCPU1404によって実行する副制御部変数更新割り込み処理について説明する。なお、同図は副制御部変数更新割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部1400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として、副制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で実行する。副制御部変数更新割り込み処理のステップS2001では、RAM1408のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS1404において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
本発明の実施例2に係るパチンコ機1000は、つまり、所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した球を検知する検知手段と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するパチンコ機である。さらに、このパチンコ機は、遊技の進行を制御する主制御部(主制御部1300)と、この主制御部から情報を受信し遊技の演出を制御する副制御部(副制御部1400)を備えている。
<スプライト画像およびスプライト動画>
次に、本実施例におけるスプライト画像およびスプライト動画の例について説明する。
図24(a)および(b)は本実施例において使用されるスプライト画像の例を示した図であり、同図(c)は同図(a)および(b)に示したスプライト画像を重ね合わせて生成した合成スプライト画像の例を示した図であり、同図(d)は、同図(c)に示した画像を装飾図柄表示装置1110に表示した例を示した図である。なお、本実施例におけるスプライト画像は、所定サイズのビットマップデータから構成される2次元画像である。
この例では、同図(a)に示される自動車のスプライト画像1201、および同図(b)に示される夜空のスプライト画像1202を用いる。自動車のスプライト画像1201は、側壁および街灯を備える直線道路上を走行する自動車を前方から描いた画像である。また、夜空のスプライト画像1202は、中心から外側に向けて徐々に色が薄くなるようにグラデーションをつけた円形に描いた空の右上部に様々な大きさの複数の星を配した画像である。本実施例では、夜空のスプライト画像1202が特定スプライト画像であり、円形の空の部分が静止領域1202a、複数の星の部分が移動領域1202bとなっている。このように、スプライト動画を視認する視認者(主に遊技者)に表示位置の変化を認識させずに静止しているように見せる静止領域1202aと、視認者に表示位置の変化を認識させて動いているように見せる移動領域202bからなる特定スプライト画像を使用することによって、副制御部1500のCG−ROMの記憶容量を削減すると共に、VDPの処理負荷を低減することができる。
自動車のスプライト画像1201および夜空のスプライト画像1202は、カラーパレットデータと共に副制御部1500のCG−ROMに記憶されている。副制御部1500のVDPは、CG−ROMからこれらのスプライト画像データをロードし、夜空のスプライト画像1202の表面上に自動車のスプライト画像1201を重ねるように合成し、自動車が走行する道路上に夜空を配した画像を生成する。そして、この例ではさらに、VDPはこの画像の表面上に3つの装飾図柄変動表示または停止表示のスプライト画像を重ね、同図(c)に示されるように、装飾図柄表示装置1110の右図柄表示領域1110a、中図柄表示領域1110b、左図柄表示領域1110cに装飾図柄の変動表示または停止表示の背景に自動車および夜空の画像が表示される合成スプライト画像1204を生成する。なお、同図(c)および以下の図においては、複数種類の装飾図柄が所定の順番で移動しながら表示される装飾図柄の変動表示を、下向きの矢印で省略して示している。
この合成スプライト画像1204は、装飾図柄表示装置1110の表示可能な範囲よりも大きい範囲の画像として生成される。従って、VDPは、装飾図柄表示装置1110に表示させる部分である表示範囲1204aを合成スプライト画像1204に設定し、この表示範囲1204aの画像信号を装飾図柄表示装置1110に送信する。表示範囲1204aの画像信号を受信した装飾図柄表示装置1110は、同図(d)に示されるように、合成スプライト画像の表示範囲1204a内の画像を表示する。なお、その他のスプライト画像をさらに合成するようにしてもよい。
図25は、夜空のスプライト画像1202の作成方法を示した図である。同図に示されるように、夜空のスプライト画像1202は、予め作成された円形の空の画像1202a'の表面上に予め作成された複数の星の画像1202b'を重ねて合成することによって作成される。このように、2つの画像1202a'、1202b'を重ねて合成することによって、静止領域1202aおよび移動領域1202bから構成される夜空のスプライト画像1202を容易に作成することができる。なお、これは夜空のスプライト画像1202の作成方法の一例であって、例えば、円形の空の画像1202a'に複数の星の画像を直接描くなどしてもよい。
図26(a)および(b)は、夜空のスプライト画像1202を示した図である。同図(a)に示されるように、夜空のスプライト画像1202の静止領域1202a(円形の空の部分)は、図の中心部の暗い色から外側に向けて徐々に明るい色となるようにグラデーションを用いて描画されている。同図(b)に拡大して示されるように、このグラデーションは、所定の配列でドットごとに明度の異なる色を着色する、すなわち、各ドットに所定の配列で異なる明度の色のパレット番号を対応付けることによって生成されている。この例では、例えば、図の中心の円形の領域内に最も暗い色のパレット番号を対応付け、その外周の複数の円環状の領域には外側に行くほど明るい色のパレット番号を対応付けるようにしている。具体的には、同図(b)に示されるように、円形の静止領域1202の最も外側の円環状の領域内のドットには、最も明るい色であるパレット番号C1を対応付けている。そして、その内側の円環状の領域内のドットにC1より暗い色のパレット番号C2を対応付け、さらにその内側の円環状の領域内のドットにC2より暗い色のパレット番号C3を対応付けるといったように、図の中心に近づくほど暗い色となるようにパレット番号を対応付けている。静止領域1202aの外側の部分には、背景色としてその他の色のパレット番号C4が対応付けられているが、この部分は無色としてもよい。
このように、夜空のスプライト画像1202では、静止領域1202aにおいて中心に単一の明度の色からなる円を配置すると共に、その周囲に単一の明度の色からなる所定の幅の円環状の色の帯(本発明における単色領域)を同心円状に複数配置することでグラデーションを構成している。本実施例では、このようにグラデーションを用いることで、背景の夜空に、リアル感や奥行き感を出すようにしている。また、本実施例では、円環状の色の帯(単色領域)を同心円状に配置することにより、夜空のスプライト画像1202を回転させて表示位置を変更した場合に、静止領域1202aの表示位置の変化を視認者に認識させないようにしている。すなわち、静止領域1202aは、円周(回転)方向に沿って形成された単一の明度の単一の幅の色の帯を同心円状に複数配置して構成されていることから、同一の色彩が円周(回転)方向に連続した画像となっている。これにより、静止領域1202aは、その表示位置(姿勢)が同心円の中心周りに回転して変化しても、視認者に同一の色彩を視認させるため、その変化を視認者に認識させないようになっている。このようにすることで、グラデーションを用いて夜空をリアルに表現しながらも、その表示位置の変化を視認者に認識させないようにすることができる。
なお、静止領域1202aを構成する円環状の色の帯(単色領域)は、上記した例よりも幅狭または幅広のものであってもよいし、複数の色の帯をそれぞれ異なる幅に設定してもよい。また、複数の色の帯を、それぞれ異なる色にしてもよい。例えば、静止領域202aを、図の中心から外側に行くにつれて青から黄に変化するグラデーションとしてもよいし、それぞれ異なる色からなる色の帯をランダムに配置することで縞模様の背景を表現するようにしてもよい。すなわち、静止領域1202aを構成する複数の単色領域は、表示位置の変化を視認者に認識されないように、相互の境界が表示位置の変化する方向にのみ沿い、且つ相互の境界が同心円状となるように配置されていれば、どのようなものであってもよい。
また、移動領域202bを構成する画像は、上記した複数の星に限定されるものではなく、例えば、月や雲等であってもよい。すなわち、移動領域202bは、表示位置の変化が視認者に認識されるように、表示位置の変化する方向に沿って変化する形状、模様または色彩を有して構成されていれば、どのようなものであってもよい。
図27(a)〜(c)は本実施例におけるスプライト動画の一例を示した図である。本実施例では、副制御部1500のVDPは、自動車のスプライト画像1201および夜空のスプライト画像1202の相対的な位置を変更して合成し、さらに3つの装飾図柄の変動表示または停止表示のスプライト画像を合成することにより、異なる合成スプライト画像204を次々に生成する。また、生成した合成スプライト画像204ごとに表示範囲204aを設定し、設定した表示範囲204aの画像信号を所定のサンプリング周期で装飾図柄表示装置1110に送信する。装飾図柄表示装置1110は、所定のサンプリング周期ごとに受信した画像信号に基づいて異なる画像を次々に表示する。すなわち、装飾図柄表示装置1110にスプライト動画が表示されることとなる。
この例では、副制御部1500のVDPは、まず図27(a)に示されるように、少しずつ異なる装飾図柄の変動表示のスプライト画像を用いて、複数の合成スプライト画像1204を次々に生成し、装飾図柄表示装置1110に表示させる。これにより、各図柄表示領域1110a〜1110cに装飾図柄が変動表示される動画が装飾図柄表示装置1110に表示される。そして、所定のタイミングから、同図(b)に示されるように、左図柄表示領域1110aに装飾図柄の停止表示のスプライト画像を配置した合成スプライト画像204を生成し、左図柄表示領域1110aには装飾図柄が停止表示され、中図柄表示領域1110bおよび右図柄表示領域1110cには装飾図柄が変動表示される動画を装飾図柄表示装置1110に表示させる。さらに、所定のタイミングから、同図(c)に示されるように、左図柄表示領域1110aおよび右図柄表示領域1110cに装飾図柄の停止表示のスプライト画像を配置した合成スプライト画像204を生成し、左図柄表示領域1110aおよび右図柄表示領域1110cには装飾図柄が停止表示され、中図柄表示領域1110bには装飾図柄が変動表示される動画を装飾図柄表示装置1110に表示させる。このようにして、最終的に、全ての図柄表示領域1110a〜1110cに装飾図柄が停止表示される動画を装飾図柄表示装置1110に表示させることで、大当たりまたは特別大当たりしたか否かを遊技者に対して報知している。
一方、夜空のスプライト画像1202は、円形の静止領域1202aの中心を軸にして表面から見て反時計回りに少しずつ回転させた状態で合成スプライト画像1204に合成される。これにより、複数の星からなる移動領域1202bは、装飾図柄の後方(奥側)の道路上において、正面から見て反時計回りに円周上を移動する動画として装飾図柄表示装置1110に表示される。このとき、静止領域1202aである夜空の部分は、上述のように回転による位置の変化を視認者に認識させないように構成されているため、遊技者には静止しているように見える。すなわち、複数の星の画像のみが移動していく動画として遊技者に視認される。
本実施例では、例えば、抽選によって大当たりに当選した場合に、全ての図柄表示領域1110a〜1110cに装飾図柄が停止表示される前に、装飾図柄の変動表示と共に複数の星の画像を移動させることによって、遊技者に大当たりしていることを期待させる演出等を行う。
以上説明したように、本実施例に係るパチンコ機1000では、複数の単色領域は、相互の境界が同心円状となるように配置されているため、特定スプライト画像の表示位置を該同心円の中心周りに回転させて変化させた場合に、遊技者にその変化を認識させないようにすることができる。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例は、上記実施例1に係るスロットマシン100に、異なるスプライト画像およびスプライト動画を適用したものである。その他の構造および処理は、上記実施例1と同一であるため、同一部分については図中において同じ符号を付すと共に、その説明は省略し、以下、スプライト画像およびスプライト動画についてのみ説明する。
<スプライト画像およびスプライト動画>
図28(a)および(b)は本実施例において使用されるスプライト画像の例を示した図であり、同図(c)は同図(a)および(b)に示したスプライト画像を重ね合わせて生成した合成スプライト画像の例を示した図であり、同図(d)は、同図(c)に示した画像を液晶表示装置157に表示した例を示した図である。なお、本実施例におけるスプライト画像は、所定サイズのビットマップデータから構成される2次元画像である。
この例では、同図(a)に示される青セブンの装飾図柄の画像である青セブンのスプライト画像211、および同図(b)に示される小役のスプライト画像212の2つのスプライト画像を用いる。小役のスプライト画像211は、中心から放射状に伸びる8本の線により分割された領域を交互に異なる2色に着色した四角形の背景に、リプレイ、スイカ、ベル、チェリーの4つの小役の装飾図柄を中央部分に2行2列に並べて配置した画像である。本実施例では、小役のスプライト画像212が特定スプライト画像であり、四角形の背景の部分が静止領域212a、4つの小役の装飾図柄の部分が移動領域212bとなっている。このように、スプライト動画を視認する視認者(主に遊技者)に表示位置の変化を認識させずに静止しているように見せる静止領域212aと、視認者に表示位置の変化を認識させて動いているように見せる移動領域212bからなる特定スプライト画像を使用することによって、副制御部500のCG−ROM612の記憶容量を削減すると共に、VDP600の処理負荷を低減することができる。
青セブンのスプライト画像211および小役のスプライト画像212は、カラーパレットデータと共に副制御部500のCG−ROM612に記憶されている。VDP600は、CG−ROM612からこれらのスプライト画像データをロードし、小役のスプライト画像212の表面上に青セブンのスプライト画像211を重ねるように合成し、同図(c)に示されるように4つの小役の装飾図柄の間に青セブンの装飾図柄を配置した合成スプライト画像214を生成する。この合成スプライト画像214は、液晶表示装置157の表示可能な範囲よりも大きい範囲の画像として生成される。従って、VDP600は、液晶表示装置157に表示させる部分である表示範囲214aを合成スプライト画像214に設定し、この表示範囲214aの画像信号を液晶表示装置157に送信する。表示範囲214aの画像信号を受信した液晶表示装置157は、同図(d)に示されるように、合成スプライト画像の表示範囲214a内の画像を表示する。なお、この例では、2つのスプライト画像211、212を合成して合成スプライト画像を生成しているが、3つ以上のスプライト画像を合成することで、その他の装飾図柄やキャラクタ等を含む合成スプライト画像214を生成するようにしてもよい。さらに、例えば、四角形の背景の静止領域212aに4つの小役の装飾図柄を直接描くなどしてもよい。
図29は、小役のスプライト画像212の作成方法を示した図である。同図に示されるように、小役のスプライト画像212は、予め作成された四角形の背景の画像212a'の表面上に予め作成された4つの小役の装飾図柄の画像212b'を重ねて合成することによって作成される。このように、2つの画像212a'、212b'を重ねて合成することによって、静止領域212aおよび移動領域212bから構成される小役のスプライト画像212を容易に作成することができる。
図30(a)および(b)は、小役のスプライト画像212を示した図である。同図(a)に示されるように、小役のスプライト画像212の静止領域212a(四角形の背景の部分)は、四角形を中心から図の垂直方向、水平方向、および2つの対角線方向に放射状に伸びる8本の直線によって8つの単色領域に分割したものとなっている。換言すれば、静止領域212aは、中心から放射状に(放射線方向に沿って)形成された8つの単色領域212a−1〜212a−8から構成される四角形となっている。各単色領域212a−1〜212a−8内は、それぞれ単一の色で着色される。この例では、単色領域212a−1、212a−3、212a−5および212a−7に同一の濃い色を着色し、単色領域212a−2、212a−4、212a−6および212a−8に同一の薄い色を着色している。
同図(b)は、静止領域212aの中心部分を拡大して示した図である。同図に示されるように、各単色領域212a−1〜212a−8は、各単色領域212a−1〜212a−8内のドットごとに異なる色のパレット番号を対応付けることによって生成されている。この例では、例えば、単色領域212a−1、212a−3、212a−5および212a−7内のドットに濃い色のパレット番号C1を対応付け、単色領域212a−2、212a−4、212a−6および212a−8内のドットに薄い色のパレット番号C2を対応付けている。
このように、小役のスプライト画像212では、中心から放射状に形成された単一の色の8つの単色領域212a−1〜212a−8によって静止領域212aを構成することにより、小役のスプライト画像212を拡大または縮小して表示する大きさを変更した場合に、静止領域212aの大きさの変化を視認者に認識させないようにしている。なお、本発明においては、スプライト画像を拡大または縮小して表示される大きさを変更することを、スプライト画像の表示位置を中心から放射線方向に変更することと定義し、表示位置の変更(変化)に含まれる概念としている。すなわち、静止領域212aは、中心から放射線方向に沿って形成された単一の色の複数の単色領域212a−1〜212a−8から構成されていることから、同一の色彩が中心から放射線方向に連続した画像となっている。これにより、静止領域212aは、中心から放射線方向に表示位置が変化しても、視認者に同一の色彩を視認させるため、その変化を視認者に認識させないようになっている。
なお、各単色領域212a−1〜212a−8は、それぞれの領域内が単一の色に着色されるのであれば、その他の配色にしてもよい。また、静止領域212aを、上記した例よりも細かく分割された単色領域から構成するようにしてもよい。すなわち、静止領域212aを構成する複数の単色領域は、表示位置の変化を視認者に認識されないように、相互の境界が表示位置の変化する方向にのみ沿い、且つ相互の境界が1点から放射状に伸びる直線状となるように配置されていれば、どのようなものであってもよい。
また、移動領域212bを構成する画像は、上記した4つの小役の装飾図柄に限定されるものではなく、例えば、キャラクタ等を追加したものであってもよい。すなわち、移動領域202bは、表示位置の変化が視認者に認識されるように、表示位置の変化する方向に沿って変化する形状、模様または色彩を有して構成されていれば、どのようなものであってもよい。
図31(a)〜(c)は本実施例におけるスプライト動画の一例を示した図である。本実施例では、VDP600は、青セブンのスプライト画像211および小役のスプライト画像212の相対的な大きさを変更して合成することにより、異なる合成スプライト画像214を次々に生成する。また、生成した合成スプライト画像214ごとに異なる表示範囲214aを設定する。そして、VDP600は、生成した合成スプライト画像214の表示範囲214aの画像信号を所定のサンプリング周期で液晶表示装置157に送信する。液晶表示装置157は、所定のサンプリング周期ごとに受信した画像信号に基づいて異なる画像を次々に表示する。すなわち、液晶表示装置157にスプライト動画が表示されることとなる。
この例では、VDP600は、まず図31(a)に示されるように、小役のスプライト画像212の中心部において周囲の小役の装飾図柄よりもやや大きく青セブンのスプライト画像211が表示されるように2つのスプライト画像211、212を重ねて合成スプライト画像214を生成すると共に、表示範囲214aを設定する。次に、VDP600は、同図(b)に示されるように、同図(a)よりも拡大した小役のスプライト画像212と、同図(a)よりも縮小した青セブンのスプライト画像211を重ねて合成スプライト画像を生成する。そして、VDP600は、同図(c)に示されるように、さらに拡大した小役のスプライト画像212と、さらに縮小した青セブンのスプライト画像211を重ねて合成スプライト画像を生成する。
このように、図31(a)〜(c)に示される合成スプライト画像214の表示範囲214aを連続的に液晶表示装置157に表示することによって、最初に4つの小役の装飾図柄の手前にあるように表示されていた青セブンの装飾図柄が徐々に後方(奥側)に遠ざかると共に、4つの小役の装飾図柄が徐々に手前に迫ってくる様子を動画で表現することができる。このとき、静止領域212aである背景の部分は、上述のように表示される大きさの変化(放射線方向の表示位置の変化)を視認者に認識させないように構成されているため、遊技者には静止しているように見える。すなわち、青セブンの装飾図柄および4つの小役の図柄のみが移動する動画として遊技者に視認される。
本実施例では、例えば、内部当選した入賞役を遊技者に対して報知する場合において、青セブンの装飾図柄を後方に遠ざけて、小役の装飾図柄を手前に近づけることにより小役の内部当選を遊技者に報知し、小役の装飾図柄を後方に遠ざけて、青セブンの装飾図柄を手前に近づけることによりビッグボーナスの内部当選を遊技者に報知するといった演出を行う。
以上説明したように、本実施例に係るスロットマシン100では、複数の単色領域は、相互の境界が1点から放射状に伸びる直線状となるように配置されているため、特定スプライト画像の表示される大きさを拡大または縮小させた場合に、遊技者にその変化を認識させないようにすることができる。
なお、本発明に係る遊技台は、上記した各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、本発明をアレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール等に適用してもよい。
また、スロットマシン等の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
さらには、図32(a)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている携帯電話機2000、同図(b)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えているポータブルゲーム機3000、同図(c)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている家庭用テレビゲーム機4000、に適用してもよい。
同図(a)における携帯電話機2000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを携帯電話回線を通じで取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
同図(b)におけるポータブルゲーム機3000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
同図(c)における家庭用テレビゲーム機4000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
さらには、同図(d)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶したデータサーバ5000に適用してもよい。このデータサーバ5000からインタネット回線を介して同図(c)に示す家庭用テレビゲーム機4000等に本発明を実現する電子データをダウンロードするような場合がある。
また、本発明の実施例に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
本発明の遊技台は、スロットマシンや遊技機(パチンコ等)に代表される遊技台の分野で特に利用することができる。
本発明の実施例1に係るスロットマシン100の外観斜視図である。
主制御部300の回路ブロック図である。
副制御部400の回路ブロック図である。
副制御部500の回路ブロック図である。
副制御部500を構成する表示制御基板のブロック図であり、VDP600の内部構成を詳細に示した図である。
各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示した図である。
遊技の基本的制御を示すフローチャートである。
(a)は副制御部400のメイン処理のフローチャートであり、(b)は副制御部400のコマンド入力処理のフローチャートであり、(c)は副制御部400のストローブ処理のフローチャートであり、(d)は副制御部400のタイマ割込み処理のフローチャートである。
(a)は副制御部500のメイン処理のフローチャートであり、(b)は副制御部500のコマンド入力処理のフローチャートであり、(c)は副制御部500のストローブ処理のフローチャートであり、(d)は副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートであり、(e)は副制御部500のVDP割込処理のフローチャートである。
副制御部500の演出画像表示処理の流れを示すフローチャートと、演出画像表示処理に伴ってCPU510とVDP600の間で送受信される情報を示した図である。
(a)および(b)は実施例1において使用されるスプライト画像の例を示した図であり、同図(c)は同図(a)および(b)に示したスプライト画像を重ね合わせて生成した合成スプライト画像の例を示した図であり、同図(d)は同図(c)に示した画像を液晶表示装置157に表示した例を示した図である。
(a)および(b)背景のスプライト画像202の作成方法を示した図である。
(a)および(b)青空の画像202a'を示した図である。
(a)および(b)実施例1におけるスプライト動画の一例を示した図である。
(a)および(b)実施例1におけるスプライト動画の一例を示した図である。
(a)および(b)実施例1におけるスプライト動画の一例を示した図である。
本発明の実施例2に係るパチンコ機1000の外観斜視図である。
(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものであり、(b)は装飾図柄の一例を示したものであり、(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。
制御部の回路ブロック図を示したものである。
主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
(a)は副制御部1400メイン処理の流れを示すフローチャートであり、(b)はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートであり、(c)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、(d)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートであり、(e)はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートであり、(f)はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートであり、(g)は副制御部変数更新割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
(a)および(b)は実施例2において使用されるスプライト画像の例を示した図であり、同図(c)は同図(a)および(b)に示したスプライト画像を重ね合わせて生成した合成スプライト画像の例を示した図であり、同図(d)は同図(c)に示した画像を装飾図柄表示装置1110に表示した例を示した図である。
夜空のスプライト画像1202の作成方法を示した図である。
(a)および(b)夜空のスプライト画像1202を示した図である。
(a)〜(c)実施例2におけるスプライト動画の一例を示した図である。
(a)および(b)は実施例3において使用されるスプライト画像の例を示した図であり、同図(c)は同図(a)および(b)に示したスプライト画像を重ね合わせて生成した合成スプライト画像の例を示した図であり、同図(d)は同図(c)に示した画像を液晶表示装置157に表示した例を示した図である。
小役のスプライト画像212の作成方法を示した図である。
小役のスプライト画像212を示した図である。
(a)〜(c)本実施例におけるスプライト動画の一例を示した図である。
(a)〜(d)本発明のその他の適用例を示した図である。
符号の説明
100・・・スロットマシン
157・・・液晶表示装置
201・・・飛行船のスプライト画像
202・・・背景のスプライト画像
202a、212a、1202a・・・静止領域
202b、212b、1202b・・・移動領域
204、214、1204・・・合成スプライト画像
204a、214a、1204a・・・表示範囲
211・・・青セブンのスプライト画像
212・・・小役のスプライト画像
1000・・・パチンコ機
1201・・・自動車のスプライト画像
1202・・・夜空のスプライト画像
1110・・・装飾図柄表示装置