JP2009174699A - 内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クランクケースにクランクシャフトと変速機とを収容し、該変速機が、複数の変速用の歯車を有し、かつ、該変速機が、クランクシャフトの回転動力が入力される入力軸と、該入力軸から歯車を介してクランクシャフトの回転動力が伝達されると共に、該回転動力を駆動輪に伝達する出力軸とを有した内燃機関において、変速機の歯車の回転数を検出する回転検出装置401,402を備え、回転検出装置の検出部401a,402aを、入力軸28の回転に連動すると共に、軸方向での位置が固定された歯車49c,49dに対向させて配置した。
【選択図】図8
Description
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、歯車の軸方向の幅寸法を大きくせず、検出感度の高い高価なセンサを用いることなく、変速機の歯車回転数を検出できる回転検出装置を備えた内燃機関を提供することにある。
本発明では、回転検出装置の検出部を、軸方向での位置が固定された歯車に対向配置しているため、回転検出装置の検出部と歯車との軸方向の相対位置関係が変化することがない。そのため、歯車の歯幅を大きくせずに、回転数の検出が可能となるため、変速機の軸方向で内燃機関の幅寸法の増大が抑制できる。また、入力軸の回転に連動する歯車の回転数を検出するようにしたため、入力軸の回転数を検出できる。
そのため例えばAMT(Automated Mannual Transmission)のように駆動手段により自動変速する車両においては、変速の切り替えを検出することが可能となり、自動変速の状態を精度よく把握できる。
一般に、変速機の軸端はクランクケースに軸受け等を介して支持されているため、回転数が検出される歯車を軸端付近の歯車に設定してしまうと、回転検出装置を設けるスペースを確保するために、該軸受けを外方に寄せて配置しなければならず、その分、軸長が長くなって内燃機関が大型化する。
本構成では、回転数が検出される歯車を軸方向で変速機の軸の中央付近に配置しているため、回転検出装置が、軸受けから離れた位置に配置されることになり、軸長を長くする必要がなく、内燃機関の大型化が抑制される。
前記回転検出装置をクランクケースに配置することで、回転センサのための別途ハウジング等を設けなくてもよい。
前記回転検出装置を前記クランクケースの後面に配置してもよい。
例えば、クランクケースの上面に回転検出装置を配置した場合、クランクケース上面に位置する排気系あるいは吸気系の部品の配置自由度に制約を与えるが、本構成では、回転検出装置をクランクケースの後面に配置したため、排気系あるいは吸気系の部品の配置自由度を向上できる。
一般に、入力軸での最小径の歯車と噛み合う出力軸上の歯車は、出力軸上にある他の歯車よりも径が大きいため、該歯車を検出すると、回転検出装置が内燃機関の後方に大きく突出して、内燃機関の前後長が長くなる。
本構成では、入力軸に設けられた歯車の内、入力軸での最小径の歯車より径が大きい歯車と噛み合う歯車に回転検出装置を設けたため、回転検出装置の内燃機関の後方への突出量を抑制でき、内燃機関の小型化を図れる。
本構成は、ツインクラッチ式のクラッチ装置を搭載した車両に適用している。該車両においても、回転検出装置の検出部を、それぞれ軸方向での位置が固定された歯車に対向配置しているため、回転検出装置の検出部と歯車との軸方向の相対位置関係が変化することがない。そのため、歯車の歯幅を大きくせずに、回転数の検出が可能となるため、変速機の軸方向で内燃機関の幅寸法の増大が抑制できる。また、入力軸の回転に連動する歯車の回転数を検出するようにしたため、入力軸の回転数を検出できる。そのため、例えばAMTのように駆動手段により自動変速する車両においては、変速の切り替えを検出することが可能となり、自動変速の状態を精度よく把握できる。
本構成では、入力軸の回転を検出する歯車を、軸方向で隣り合う歯車としたため、各歯車に対応した回転検出装置の配線をまとめることができ、これら回転検出装置の配線の作業性を向上できる。
回転検出装置をクランクケースに配置すれば、該回転センサのための別途ハウジング等を設けなくてもよい。
回転検出装置をクランクケースの後面に配置すれば、クランクケース上面に回転検出装置を配置した場合と比較して、クランクケースの上面に位置する排気系あるいは吸気系の部品の配置自由度を向上できる。
回転検出装置で回転数が検出される歯車が、入力軸より後方の出力軸に設けられた歯車であって、入力軸に設けられた歯車の内、入力軸での最小径の歯車より径が大きい歯車と噛み合う歯車であれば、該歯車の径が比較的小さくなるため、回転検出装置の内燃機関の後方への突出量を抑制でき、小型化が図れる。
この場合に、第一入力軸の回転を検出する歯車と、第二入力軸の回転を検出する歯車とが軸方向で隣り合う歯車であれば、歯車に対応した回転検出装置の配線をまとめることができ、配線の作業性が向上する。
図1は自動二輪車の左側面図である。
図1において、Fは、自動二輪車1の車体フレームを示し、この車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク325を操向可能に支承するヘッドパイプ326と、該ヘッドパイプ326から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム327、327と、両メインフレーム327、327の後部に連設されて下方に延びる左右一対のピボットプレート328、328とを有しており、ピボットプレート328、328に前端が揺動可能に支承されるスイングアーム329の後部に後輪WRを軸支して構成される。325aは操向ハンドルである。ピボットプレート328の下部及びスイングアーム329の前部間にはリンク330が設けられ、リンク330及びピボットプレート328の上部にはクッションユニット331が設けられている。
図2及び図3において、エンジンEはV型の水冷式に構成されるものであり、エンジンEのエンジン本体333は、自動二輪車1への搭載状態で前方に位置する前部バンクBFと、該前部バンクBFよりも後方に位置する後部バンクBRとを有し、両バンクBF、BRに共通なクランクケース335には、自動二輪車1の左右方向に沿うクランクシャフト336が回転自在に支承されている。クランクケース335は、上部ケース半体335a及び下部ケース半体335bを結合して構成され、前部及び後部シリンダブロックBF、BRが、V字形をなすようにして、上部ケース半体335aに一体に形成されている。クランクシャフト336の軸線は、上部ケース半体335a及び下部ケース半体335bの結合面337上に配置されている。
カムシャフト349の右側端部には被動スプロケット396が設けられ、被動スプロケット396には無端状のカムチェーン397が巻き掛けられ、カムチェーン397はクランクシャフト336の右側端部の駆動スプロケット393に巻き掛けられている。これらはカムチェーン室100に収容される。
クランクシャフト336の右側端部には一次減速装置101が配置される。一次減速装置101は、駆動スプロケット394よりも外方でクランクシャフト336に設けられるプライマリドライブギヤ58aを有し、プライマリドライブギヤ58aは、後述するプライマリドリブンギヤ58(図8参照)に噛み合う。
図6において、後部シリンダヘッド339Rには、シリンダボア342、342毎に一対ずつの吸気弁371、371及び排気弁372、372が設けられている。吸気弁371、371は一対ずつの弁ばね381、381で閉弁方向に付勢されて開閉作動可能に配設されるとともに、排気弁372、372は一対ずつの弁ばね382、382で閉弁方向に付勢されて開閉作動可能に配設されている。これら吸気弁371、371及び排気弁372、372は後部バンク側動弁装置348Rによって開閉駆動される。
後部バンク側動弁装置348Rはツインカム方式によるものであり、クランクシャフト336と平行な軸線を有して後部シリンダヘッド339Rに回転自在に支承される吸気側カムシャフト357及び排気側カムシャフト358を備えている。
図8を併せて参照し、ツインクラッチ式変速機23は、内外シャフト43、44からなる二重構造のメインシャフト28と、該メインシャフト28と平行に配置されるカウンタシャフト29と、メインシャフト28及びカウンタシャフト29に跨って配置される変速ギヤ群45と、メインシャフト28の右端部に同軸配置されるツインクラッチ26と、該ツインクラッチ26に作動用油圧を供給する油圧供給装置46とを有してなる。以下、メインシャフト28、カウンタシャフト29及び変速ギヤ群45からなる集合体をトランスミッション47とする。
外シャフト44は内シャフト43よりも短く、その左端部はミッションケース22の左右中間部で終端する。外シャフト44における前記右側壁22bよりも左方に位置する部位には、変速ギヤ群45における偶数変速段(二、四、六速)に対応する駆動ギヤ48b、48d、48fが、左側から四速用、六速用、二速用の順に支持される。一方、内シャフト43における外シャフト44の左端部よりも左方に位置する部位には、変速ギヤ群45における奇数変速段(一、三、五速)に対応する駆動ギヤ48a、48c、48eが、左側から一側用、五速用、三速用の順に支持される。
カウンタシャフト29の左端部は左側壁22aの左方に突出し、該左端部には駆動傘歯車114が固定され、該駆動傘歯車114には、自動二輪車1の前後方向に延びる回転軸線を有する被動傘歯車115が噛合される。駆動傘歯車114及び被動傘歯車115は、第1歯車カバー116の内側の歯車室118内で相互に噛合し、該第1歯車カバー116には第2歯車カバー117がボルトで着脱可能に結合される。被動傘歯車115には支持軸121の一端が嵌合し、該支持軸121の他端はローラベアリング122を介して第1歯車カバー116のボス内に回転自在に支承される。また、被動傘歯車115は同軸上に軸部115aを備え、該軸部115aはボールベアリング119を介して第2歯車カバー117に回転自在に支持され、第2歯車カバー117を貫通し、上記ドライブシャフト332(図1参照)に連結される。上記第1歯車カバー116には被動傘歯車115に対向して車速センサ405が設けられ、車速センサ405は被動傘歯車115の回転数を検出することによって車速を求める。
メインシャフト28(内シャフト43)及びカウンタシャフト29の内部には、エンジンE内各部へのオイル圧送用のメインオイルポンプ(不図示)からの油圧を供給可能な主供給油路71、72がそれぞれ形成され、該各主供給油路71、72を介して変速ギヤ群45に適宜エンジンオイルが供給される。
そして、各クラッチ51a、51bの一方を接続状態とすると共に他方を切断状態とし、内外シャフト43、44の一方に連結された何れかの変速ギヤ対を用いてトランスミッション47内の動力伝達を行うと共に、内外シャフト43、44の他方に連結された変速ギヤ対の中から次に用いるものを予め選定し、この状態から各クラッチ51a、51bにおいて接続状態のクラッチを切断状態とし、切断状態のクラッチを接続状態とすることで、トランスミッション47の動力伝達が予め選定した変速ギヤ対を用いたものに切り替わり、もってトランスミッション47のシフトアップ又はシフトダウンがなされる。
クラッチ用オイルポンプ32は、メインオイルポンプとは別個に設けられ、クランクケース14下のオイルパン36内のエンジンオイルを吸入して送給油路35内に吐出する。送給油路35には該油路専用のオイルフィルタ89が設けられる。なお、図中符号S6、S7は送給油路35内の油圧及び油温を検出する油圧センサ及び油温センサを、符号Rは送給油路35内の油圧の上昇を制御するリリーフバルブを、符号S8、S9は各供給油路92a、92b内の油圧即ち各クラッチ51a、51bへの供給油圧を検出する油圧センサをそれぞれ示す。
各シフトフォーク24bは、メインシャフト28側に延びるものとカウンタシャフト29側に延びるものとがあり、これらの基端側が一対のシフトフォークロッド24cにそれぞれ軸方向で移動可能に支持される。各シフトフォーク24bの基端側には、シフトドラム24a外周の複数のカム溝24dの何れかに係合する摺動突部24eがそれぞれ設けられる。各シフトフォーク24bは、メインシャフト28側及びカウンタシャフト29側においてその先端部を変速ギヤ群45における後述のスライドギヤに係合させる。そして、シフトドラム24aの回転時には、各カム溝24dのパターンに沿って各シフトフォーク24bを軸方向で移動させ、前記スライドギヤを軸方向で移動させてトランスミッション47の変速段を変化させる。
電気モータ39cは、クランクケース335の側面に取付けられ、この実施例ではエンジン本体333の車体フレームFへの搭載状態でクランクケース335の左右何れかの側面、例えば左側の側面に取付けられ、発電機カバー81の後方に配置される。
なお、図7中符号S1はトランスミッション47の変速段検知用に駆動機構39の作動量を検出するセンサを、符号DSはシフトドラム24aの実際の回転角度を検出する回転角度センサをそれぞれ示す。
具体的には、駆動ギヤ48a、48bは固定ギヤとされ、駆動ギヤ48c、48dはスライドギヤとされ、駆動ギヤ48e、48fはフリーギヤとされる。また、従動ギヤ49a〜49dはフリーギヤとされ、従動ギヤ49e、49fはスライドギヤとされる。以下、各ギヤ48c、48d、49e、49fをスライドギヤ、各ギヤ48e、48f、49a〜49dをフリーギヤという。そして、前記チェンジ機構24により任意のスライドギヤを適宜スライド(軸方向で移動)させることで、何れかの変速段に応じた変速ギヤ対を用いた動力伝達が可能となる。
また、スライドギヤ49e、49fの一側には、これらと同様に支持軸に対して一体回転可能かつ軸方向で移動可能なスライドリングSe、Sfが一体に設けられる。各スライドリングSe、Sfは、フリーギヤ49c、49dにそれぞれ軸方向で隣接して設けられる。各スライドリングSe、Sfには、それぞれスライド側ドッグ(ダボ)D2e、D2fが設けられ、各フリーギヤ49c、49dには、それぞれ各スライド側ドッグD2e、D2fに対応するフリー側ドッグ(ダボ)D2c、D2dが設けられる。
さらに、各スライドギヤ49e、49fの他側には、それぞれスライド側ドッグ(ダボ)D3e、D3fが設けられ、これらに軸方向で隣接するフリーギヤ49a、49bには、それぞれ各スライド側ドッグD3e、D3fに対応するフリー側ドッグ(ダボ)D3a、D3bが設けられる。
各クラッチ51a、51bは、外部からの供給油圧によりプレッシャプレート52a、52bを軸方向で変位させて所定の係合力を得る油圧式とされ、前記プレッシャプレート52a、52bをクラッチ切断側に付勢する戻しスプリング53a、53bと、プレッシャプレート52a、52bにクラッチ接続側への押圧力を付与する接続側油圧室54a、54bと、プレッシャプレート52a、52bにクラッチ切断側への押圧力を付与してその戻り動作を補助する切断側油圧室55a、55bとをそれぞれ有する。切断側油圧室55a、55bには、前記メインオイルポンプからの比較的低圧な油圧が常時供給され、接続側油圧室54a、54bには、油圧供給装置46(クラッチ用オイルポンプ32)からの比較的高圧な油圧が選択的かつ個別に供給される。
即ち、クラッチアウタ56には、クランクシャフト336の回転動力がスプリングダンパー59を介して入力される。クラッチアウタ56は、クランクシャフト336の回転に伴いメインシャフト28とは個別に回転する。
クラッチアウタ56におけるプライマリドリブンギヤ58よりも左側には、各オイルポンプ駆動用のドライブスプロケット56bが一体回転可能に設けられる。
クラッチアウタ56の右内周には第一クラッチ51a用の複数のクラッチプレート61aが一体回転可能に支持され、クラッチアウタ56の左内周には第二クラッチ51b用の複数のクラッチプレート61bが一体回転可能に支持される。クラッチアウタ56の外周には軸方向に沿う複数の係合溝が形成されると共に、各クラッチプレート61a、61bの外周には各係合溝に対応する複数の係合突部が形成され、各係合溝に各係合突部が相対回転不能に係合することで、各クラッチプレート61a、61bがクラッチアウタ56に一体回転可能に支持される。
フランジ部64aの右方にはプレッシャプレート52aが対向配置され、プレッシャプレート52aの外周側とフランジ部64aの外周側との間には、各クラッチプレート61a及び各クラッチディスク66aが、軸方向で交互に重なった積層状態で配置される。
フランジ部64bの右方にはプレッシャプレート52bが対向配置され、プレッシャプレート52bの外周側とフランジ部64bの外周側との間には、各クラッチプレート61b及び各クラッチディスク66bが、軸方向で交互に重なった積層状態で配置される。
そして、第一供給油路92a等を通じてクラッチ用オイルポンプ32からの油圧が第二クラッチ51bの接続側油圧室54bに供給可能となり、第三供給油路92c等を通じてメインオイルポンプからの油圧が第一クラッチ51aの切断側油圧室55aに供給可能となり、第二供給油路92b等を通じてクラッチ用オイルポンプ32からの油圧が第一クラッチ51aの接続側油圧室54aに供給可能となる。なお、第二クラッチ51bの切断側油圧室55bには、第三供給油路92c等を通じてメインオイルポンプからの油圧が供給可能となる。
同様に、第二クラッチ51bにおいて、エンジン運転状態かつ油圧供給装置46から接続側油圧室54bに比較的高圧の油圧が供給される状態では、切断側油圧室55bの油圧及び戻しスプリング53bの付勢力に抗してプレッシャプレート52bが左方(フランジ部64b側、クラッチ接続側)に移動し、各クラッチプレート61b及び各クラッチディスク66bが挟圧されてこれらが摩擦係合することで、クラッチアウタ56とクラッチセンタ57bとの間でのトルク伝達が可能となったクラッチ接続状態となる。
自動二輪車1の走行時には、各クラッチ51a、51bにおける現在のシフトポジションに対応する一方のみが接続状態となり、他方は切断状態のままとなる。これにより、内外シャフト43、44の一方及び各変速ギヤ対45a〜45fの何れかを介しての動力伝達が行われる。このとき、シフトチェンジする際は、車両情報に基づき電子コントロールユニット42が、次のシフトポジションに対応する変速ギヤ対を用いての動力伝達が可能な状態を予め作り出すと共に、ツインクラッチ式変速機23の作動を制御する。
この際の回転数の変化は、上記回転センサ402により、外シャフト44の左端の変速ギヤ対45dを構成するフリーギヤ49dの回転数を検出することによって検出される。そして、この回転数の変化と底点B1での回転数は、スライド側ドッグD3fとフリー側ドッグD3bの嵌合の確立、即ち二速の準備の完了を意味する。
二速では上述したように専ら外シャフト44が動力伝達を司り、内シャフト43は単に連れ回る(図12BのL8の状態)。二速から三速への自動変速時には、第一クラッチ51aを切断(連れ回りに必要な油圧の供給を止めた状態)した後、シフトフォーク24bの動作により、スライドギヤ49eを図8中で右方に移動し、スライドリングSeのスライド側ドッグD2eをフリーギヤ49cのフリー側ドッグD2cに嵌合し、三速の変速ギヤ対45cを確立する。
この変速ギヤ対45cが確立すると、車速に応じた三速の回転数に至るまで、内シャフト43の回転数が略直線的(図12BのL9の状態)に急激に立ち下がる。底点B2での回転数が車速に応じた三速の回転数である。この際の回転数の変化は、上記回転センサ401により、フリーギヤ49cの回転数を検出することによって検出される。そして、この回転数の変化は、スライド側ドッグD2eとフリー側ドッグD2cの嵌合の確立、即ち三速の準備の完了を意味する。
本実施の形態では、内シャフト43及び外シャフト44が、図12に示す「連れ回り有り」の状態で自動変速するため、自動変速時に発生する回転数の変化が小さい。従って、自動変速時の音の発生を抑制できる。
回転センサ401、402は、図2に示すように、ミッションケース22の後面22cに並列に固定され、車体側面視で第2歯車カバー117あるいはドライブシャフト332の後ろに隠れるように配置されている。これだと仮に飛び石等があっても第2歯車カバー117あるいはドライブシャフト332で覆われるため、回転センサ401、402が保護できる。図13は、ミッションケース22の後面図であり、図2の矢視X図である。ミッションケース22の後面22cには、縦に四本、横に二本、斜めに一本の合計7本のリブ22e,f,g,h,i,j,kが一体に形成され、該後面22cが各リブによって補強されている。この補強された後面22cの横に延びたリブ22iと、斜めに延びたリブ22kとの交差部に、二つの開口22l,22mが横並びに形成され、該開口に回転センサ401、402が固定されている。
一方の回転センサ401はフリーギヤ49cに対向し、図14に示すように、一方の開口22lに挿入される。そして、回転センサ401は該回転センサ401に一体の支持片401bをねじ401cで螺合することで、ミッションケース22の後面22cに固定される。401dはコネクタである。
また、他方の回転センサ402はフリーギヤ49dに対向し、図15に示すように、他方の開口22mに挿入される。回転センサ402は該回転センサ402に一体の支持片402bをねじ402cで螺合することで、ミッションケース22の後面22cに固定される。402dはコネクタである。
また、フリーギヤ49c、49dはカウンタシャフト29の中央付近に隣り合って配置されるため、各ギヤに対応した回転センサ401、402の配線をまとめることができ、各回転センサ401、402の配線の作業性が向上する。メインシャフト28の回転に連動するフリーギヤ49c、49dの回転数を検出するようにしたため、メインシャフト28の回転数を検出できる。
本構成では、メインシャフト28に設けられたギヤの内、メインシャフト28での最小径のギヤより径が大きいギヤと噛み合うフリーギヤ49c、49dに回転センサ401、402を設けたため、回転センサ401、402のエンジンEの後方への突出量を抑制でき、エンジンEの小型化を図れる。
一般に、変速機Mの軸端はクランクケース336に軸受け等を介して支持される。そのため、回転数が検出されるギヤを軸端付近のギヤに設定してしまうと、回転センサを設けるスペースを確保するために、該軸受けを外方に寄せて配置しなければならず、その分、軸長が長くなってエンジンEが大型化する。本構成では、回転数が検出されるギヤを、軸方向で変速機Mの軸の中央付近に配置したフリーギヤ49c,49dとしたため、回転センサ401,402が、軸受けから離れた位置に配置されることになり、軸長を長くする必要がなく、エンジンEの大型化を抑制できる。
23 ツインクラッチ式変速機
26 ツインクラッチ
28 メインシャフト(入力軸)
29 カウンタシャフト(出力軸)
45a〜45f 変速ギヤ対
47 トランスミッション
49c,49d フリーギヤ
51a 第一ディスククラッチ
51b 第二ディスククラッチ
335 クランクケース
336 クランクシャフト
401、402 回転センサ
M 変速機
E エンジン
Claims (7)
- クランクケースにクランクシャフトと変速機とを収容し、
該変速機が、複数の変速用の歯車を有し、
かつ、該変速機が、クランクシャフトの回転動力が入力される入力軸と、該入力軸から歯車を介してクランクシャフトの回転動力が伝達されると共に、該回転動力を駆動輪に伝達する出力軸とを有した内燃機関において、
前記変速機の歯車の回転数を検出する回転検出装置を備え、
該回転検出装置の検出部を、前記入力軸の回転に連動すると共に、軸方向で位置決めされた歯車に対向させて配置したことを特徴とする内燃機関。 - 前記回転検出装置で回転数が検出される歯車は軸方向で前記変速機の軸の中央付近に配置された歯車であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
- 前記回転検出装置を前記クランクケースに配置したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
- 前記回転検出装置を前記クランクケースの後面に配置したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
- 前記回転検出装置で回転数が検出される歯車は入力軸より後方の出力軸に設けられた歯車であって、入力軸に設けられた歯車の内、入力軸での最小径の歯車より径が大きい歯車と噛み合う歯車であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の内燃機関。
- 前記入力軸が第一入力軸と第二入力軸とを有し、
前記第一入力軸の軸上に第一クラッチが配置されると共に、前記第二入力軸の軸上に第二クラッチが配置され、これら一対のクラッチの動作によって、前記クランクシャフトの回転動力の前記入力軸への伝達が断接可能に構成され、
前記回転検出装置が、第一入力軸の回転数と、第二入力軸の回転数とをそれぞれ検出可能に、第一入力軸の回転と連動する歯車と、第二入力軸の回転と連動する歯車とに対応して複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。 - 第一入力軸の回転を検出する歯車と、第二入力軸の回転を検出する歯車とが、軸方向で隣り合う歯車であることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
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