JP2009174573A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力側ディスク8aの軸方向側面の利用可能範囲を拡大し、トロイダル型無段変速機の変速比の調節範囲の拡大を可能にできる構造を実現する。
【解決手段】上記出力側ディスク8aの軸方向両端面を、この出力側ディスク8aの軸方向両側に配置した1対のスラストアンギュラ玉軸受11a、11aを構成する1対のスラスト軌道輪25b、25bに突き当てて、上記出力側ディスク8aの軸方向寸法を規制する。又、これら両スラスト軌道輪25b、25bにより、中空回転軸27の径方向位置を規制する。そして、この中空回転軸27に径方向の位置を規制して外嵌した、上記出力側ディスク8aの径方向位置を規制する。この構成により、この出力側ディスク8aの軸方向両端部の剛性を向上させ、トラクション面として利用可能な範囲を広げて、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車用自動変速装置として、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用するトロイダル型無段変速機の改良に関する。具体的には、トロイダル型無段変速機を構成する内側ディスクをハウジングの内側に、回転自在に支持する部分の構造を改良する事により、この内側ディスクの軸方向側面の利用可能範囲を拡大し、上記トロイダル型無段変速機の変速比の調節範囲の拡大を可能にするものである。
自動車用変速機を構成する変速機の一種としてトロイダル型無段変速機が知られ、一部で実施されている。この様な既に一部で実施されているトロイダル型無段変速機は、入力部から出力部への動力の伝達を互いに並列に設けられた2系統に分けて行なう、所謂ダブルキャビティ型と呼ばれているものである。又、出力側ディスク等として機能する内側ディスクを一体型としたダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機も、特許文献1〜4に記載される等により従来から知られている。このうちの特許文献2〜4に記載された従来構造は、出力軸を円管状の中空回転軸とし、入力軸と出力軸とを同心に配置した構造を有する。
この様な従来構造の1例に就いて、特許文献4に記載された構造を表した(ほぼ則した)図5〜8により説明する。このうちの図5に示した構造は、入力軸1と出力軸2との間に、トロイダル型無段変速機3と遊星歯車式変速ユニット4とを配置して、無段変速装置を構成している。この無段変速装置は、選択的に繋がれる低速用クラッチ5と高速用クラッチ6とを備える。そして、何れかのクラッチ5(又は6)を繋げた状態で上記トロイダル型無段変速機3の変速比を調節する事により、上記入力軸1と上記出力軸2との間の変速比を調節する。この様な無段変速装置全体の構成及び作用は、上記特許文献4に詳しく記載されており、本発明の要旨とも関係しない為、詳しい説明は省略し、以下、上記トロイダル型無段変速機3の構成を中心に説明する。
上記トロイダル型無段変速機3は、それぞれが特許請求の範囲に記載した外側ディスクである1対の入力側ディスク7a、7bと、同じく特許請求の範囲に記載した内側ディスクである一体型の出力側ディスク8と、複数のパワーローラ9、9とを備える。そして、上記1対の入力側ディスク7a、7bは、入力回転軸10を介して互いに同心に、且つ、同期した回転を自在として結合されている。又、上記出力側ディスク8は、上記両入力側ディスク7a、7b同士の間に、これら両入力側ディスク7a、7bと同心に、且つ、これら両入力側ディスク7a、7bに対する相対回転を自在として支持されている。更に、上記各パワーローラ9、9は、上記出力側ディスク8の軸方向両側面と上記両入力側ディスク7a、7bの軸方向片側面との間に、それぞれ複数個(本例の場合は2個)ずつ挟持されている。そして、これら両入力側ディスク7a、7bの回転に伴って回転しつつ、これら両入力側ディスク7a、7bから上記出力側ディスク8に動力を伝達する。
更に、上記出力側ディスク8の軸方向両端部を、それぞれが特許請求の範囲に記載した転がり軸受である、1対のスラストアンギュラ玉軸受11、11により、回転自在に支持している。この為に、無段変速装置を収納するケーシング12の内側に1対の支柱13、13を、アクチュエータボディー14を介して設けている。これら各支柱13、13はそれぞれ、上記各パワーローラ9、9を支持する各トラニオン15、15の両端部を支持する、1対の支持板16、16を支持する為のもので、前記入力回転軸10を挟んで径方向反対側に、互いに同心に設けられた1対の支持ポスト部17a、17bを、支持環部18、18により連結して成る。上記入力回転軸10は、この支持環部18、18の内側を緩く挿通している。
又、上記各支柱13、13の下端部は、上記アクチュエータボディー14の上面の所定位置に固定している。これに対して上記各支柱13、13の上端部は、連結板19の下面に、それぞれ取付位置を規制した状態で結合固定している。上記1対の支柱13、13は、この様に、上記アクチュエータボディー14の上面と上記連結板19の下面との間に、掛け渡す様に連結固定している。この状態で、上記各支柱13、13の両端部近傍に設けた、前記各支持ポスト部17a、17bのうち、下側の支持ポスト部17a、17aは上記アクチュエータボディー14の上面の直上位置に存在する。そして、上記両支柱13、13の支持ポスト部17a、17aに、上記1対の支持板16、16のうちの下側の支持板16に形成した支持孔20a、20aを、がたつきなく外嵌している。又、上側の支持ポスト部17b、17bは上記連結板19の下面の直下位置に存在する。そして、上記両支柱13、13の支持ポスト部17b、17bに、上記1対の支持板16、16のうちの上側の支持板16に形成した支持孔20b、20bを、がたつきなく外嵌している。
この様にして設けた上記両支持板16、16同士の間には、前記各トラニオン15、15と支持軸21、21とを介して、前記各パワーローラ9、9を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ9、9の周面22、22と、前記各入力側ディスク7a、7bの入力側面23、23及び前記出力側ディスク8の出力側面24、24とを、転がり接触させている。又、上記1対の支柱13、13により互いに結合された、上記アクチュエータボディー14と上記連結板19とのうち、このアクチュエータボディー14は前記ケーシング12の下部に、この連結板19はこのケーシング12内に、それぞれ長さ方向(図5の左右方向、図6の表裏方向)及び幅方向の位置を規制した状態で支持固定されている。
上述の様にして上記ケーシング12内の所定位置に固定した1対の支柱13、13の中間部に設けられ、それぞれが上記両入力側ディスク7a、7bと上記出力側ディスク8との入力側、出力両側面23、24同士の間の各キャビティ(空間)の中央部に存在する前記各支持環部18、18により、上記出力側ディスク8を、回転自在に支持している。この為に、これら各支持環部18、18とこの出力側ディスク8の軸方向両端部、即ち、この出力側ディスク8の軸方向両側面に設けた出力側面24、24よりも内径側部分との間に、前記各スラストアンギュラ玉軸受11、11を設けている。これら各スラストアンギュラ玉軸受11、11を構成する、それぞれ1対ずつのスラスト軌道輪25、25の外側面(互いに反対側の側面)の内径寄り部分に短円筒状の突条部26、26を、それぞれ全周に亙って形成している。そして、これら各突条部26、26を、上記各支持環部18、18及び上記出力側ディスク8の小径側端部にがたつきなく内嵌する事により、上記各スラストアンギュラ玉軸受11、11の径方向に関する位置決めを図っている。
又、前記入力回転軸10の基端部を図示しないエンジンのクランクシャフトに、前記入力軸1を介して結合し、このクランクシャフトにより上記入力回転軸10を回転駆動する様にしている。又、上記出力側ディスク8に中空回転軸27の基端部をスプライン係合させている。尚、これら出力側ディスク8と中空回転軸27とは、軸方向一端部(図7の左端部)でスプライン係合し、軸方向他端部(図7の右端部)で円筒面同士で締り嵌め嵌合し、軸方向中間部で隙間嵌嵌合している。この構成により上記出力側ディスク8と上記中空回転軸27とを、同心に、且つ、トルク伝達を自在に結合している。そして、この中空回転軸27を、エンジンから遠い側の入力側ディスク7bの内側に挿通して、上記出力側ディスク8の回転力を取り出し自在としている。更に、上記中空回転軸27の先端部で上記入力側ディスク7bの外側面から突出した部分に、前記遊星歯車式変速ユニット4を構成する為の太陽歯車29を固設している。
上述の様に構成する前記トロイダル型無段変速機3と前記遊星歯車式変速ユニット4とを組み合わせて成る無段変速装置の運転時には、入力回転軸10から1対の入力側ディスク7a、7b、各パワーローラ9、9を介して一体型の出力側ディスク8に伝わった動力は、上記中空回転軸27を通じて取り出される。そして、前記低速用クラッチ5を接続し、前記高速用クラッチ6の接続を断った状態では、上記トロイダル型無段変速機3の変速比を変える事により、上記入力回転軸10の回転速度を一定にしたまま、前記出力軸2の回転速度を、停止状態を挟んで正転、逆転に変換自在となる。これに対して、上記低速用クラッチ5の接続を断ち、上記高速用クラッチ6を接続した状態では、上記出力軸2を、車両を前進させる方向に回転させる。この状態では、上記トロイダル型無段変速機3の変速比を増速側に変化させる程、上記出力軸2の回転速度を速くできる。
上述の様な無段変速装置に組み込まれる、上記トロイダル型無段変速機3の場合、低コスト化、並びに、性能向上の面から、改良の余地がある。この点に就いて、図8を参照しつつ説明する。上述した従来構造の場合、上記出力側ディスク8の両端部を前記両支柱13、13の支持環部18に支持する為のスラストアンギュラ玉軸受11として、1対のスラスト軌道輪25、25の何れにも、突条部26、26を形成したものを使用している。従って、上記出力側ディスク8の内周面の軸方向両端部に、上記突条部26を内嵌する為の大径段部28を形成している。上記出力側ディスク8の径方向に関する厚さは、軸方向両端部で、この大径段部28の分だけ小さく(薄く)なっている。従って、上記出力側ディスク8の軸方向両端部の剛性は低くなっており、前記両出力側面24、24のうちの軸方向両端寄り部分は、上記各パワーローラ9、9の周面22、22(図6参照)と転がり接触させるトラクション面として利用する事が、上記出力側ディスク8の耐久性を確保する面から、難しくなる。そして、上記両出力側面24、24のうちの軸方向両端寄り部分の使用が難しくなると、その分、上記トロイダル型無段変速機3の変速比幅の確保が難しくなる。
特開2002−81519号公報 特開2003−314645号公報 特開2004−36877号公報 特開2004−257533号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、内側ディスクの軸方向側面の利用可能範囲を拡大し、トロイダル型無段変速機の変速比の調節範囲の拡大を可能にできる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、ケーシングと、回転軸と、1対の外側ディスクと、内側ディスクと、複数の支持部材と、複数のパワーローラとを備える。
このうちの回転軸は、上記ケーシング内に回転自在に支持されている。
又、上記両外側ディスクは、それぞれが断面円弧形である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、上記回転軸と同期した回転を自在として支持されている。
又、上記内側ディスクは、上記回転軸の中間部周囲に、断面円弧形である軸方向両側面を上記両外側ディスクの軸方向片側面に対向させた状態で、上記回転軸に対する相対回転を自在に支持されている。
又、上記各支持部材は、軸方向に関してこれら内側ディスクの軸方向両側面と各外側ディスクの軸方向片側面との間位置にそれぞれ複数個ずつ、上記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
又、上記各パワーローラは、上記各支持部材に回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記内側ディスクの軸方向両側面と各外側ディスクの軸方向片側面とに当接させている。
更に、上記内側ディスクの小径側端部を上記ケーシングの内面に固定した部材に対し、転がり軸受により回転自在に支持している。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記内側ディスクの軸方向位置を、この内側ディスクの軸方向両側に配置した1対の転がり軸受により規制している。これと共に、この内側ディスクの径方向位置を、これら両転がり軸受を構成する軌道輪とこの内側ディスクとの間に配置した別部材により規制している。
この様な本発明を実施する場合、具体的には、請求項2に記載した発明の様に、上記両転がり軸受を、スラストアンギュラ玉軸受とする。又、上記別部材を、上記回転軸の周囲にこの回転軸に対する相対回転を可能に配置されて、上記両スラストアンギュラ玉軸受により回転自在に支持された中空回転軸とする。そして、これら両スラストアンギュラ玉軸受を構成する、これら両スラストアンギュラ玉軸受毎に1対ずつのスラスト軌道輪のうち、内側ディスクの軸方向端面に対向するスラスト軌道輪である内側軌道輪の軸方向片面を、この内側ディスクの軸方向端面に突き当てる。更に、これら両内側軌道輪の内径面と上記中空回転軸の外周面とを、これら両内側軌道輪と中空回転軸との径方向に関する相対変位を阻止する状態で嵌合させる。
上述の様な請求項2に記載した発明を実施する場合に、より具体的には、請求項3に記載した発明の様に、上記中空回転軸の一部で上記両内側軌道輪により軸方向両側から挟まれる部分に、1対の止め輪を係止する。これと共に、これら両止め輪の軸方向片側面と上記両内側軌道輪の軸方向片側面とを係合させる事により、上記中空回転軸の軸方向位置を規制する。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、上記中空回転軸の外周面に形成した係止溝と止め輪の内径寄り部分との径方向に関する係り代を、この止め輪の外周縁と、この止め輪の周囲に存在する部材の内周面との径方向距離よりも大きくする。
上述の様な構成を有する本発明によれば、内側ディスクの軸方向側面の利用可能範囲を拡大し、トロイダル型無段変速機の変速比の調節範囲の拡大を可能にできる。即ち、本発明の構造によれば、上記内側ディスクの両端部を回転自在に支持する為の転がり軸受に、前述した従来構造の場合に必要とした突条部26(図8参照)を形成する必要がない。これに伴って、上記内側ディスクの内周面の軸方向両端部に、上記突条部26を内嵌する為の大径段部を形成する必要がないか、形成する場合でもその深さ(軸方向寸法)を小さく抑えられる。この為、上記内側ディスクの径方向に関する厚さを、軸方向両端部でも十分に大きくして、この内側ディスクの軸方向両端部の剛性を十分に確保できる。そして、この内側ディスクの耐久性確保を考慮しても、この内側ディスクの軸方向両側面の軸方向両端寄り部分をトラクション面として利用する事ができて、その分、上記トロイダル型無段変速機の変速比幅の確保を図れる。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含め、本発明の特徴は、1対の支柱13、13の支持環部18、18同士の間に、出力側ディスク等の内側ディスクの軸方向両端部を回転自在に支持する為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図5〜8に示した従来構造と同様であるから、重複する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、出力側ディスク8aの軸方向両端部を上記両支持環部18、18に、1 対のスラストアンギュラ玉軸受11a、11aにより回転自在に支持している。これら両スラストアンギュラ玉軸受11a、11aはそれぞれ、1対のスラスト軌道輪25a、25b同士の間に、保持器30により転動自在に保持された複数個の玉31、31を挟持して成る。上記両スラスト軌道輪25a、25bのうち、上記出力側ディスク8aから遠い側である外側のスラスト軌道輪25a、25aに関しては、上記従来構造に於けるスラスト軌道輪25、25(図7〜8参照)と同様に、外側面の内径側端部に突条部26を形成している。そして、上記両外側のスラスト軌道輪25a、25aを上記両支持環部18、18に対し、上記従来構造と同様にして支持している。
これに対して、上記出力側ディスク8a側である内側のスラスト軌道輪25b、25b(特許請求の範囲に記載した内側軌道輪)に関しては、一般的なスラスト玉軸受用の軌道輪と同様に、片面にスラスト軌道面32を設けると共に他面を平坦面とした、単なる円輪状に形成している。そして、上記両スラストアンギュラ玉軸受11a、11aの内側のスラスト軌道輪25b、25bにより、上記出力側ディスク8aの軸方向及び径方向に関する位置決めを図っている。これら両方向の位置決めのうち、軸方向の位置決めを図る為に、上記両内側のスラスト軌道輪25b、25bの他面を、上記出力側ディスク8aの軸方向両端面に、隙間なく突き当てている。これら各面同士を隙間なく突き当てる為に、上記両外側のスラスト軌道輪25a、25aと前記両支持環部18、18との間に、所望厚さのシム板33、33を挟持している。
一方、上記径方向の位置決めを図る為に、上記両内側のスラスト軌道輪25b、25bを中空回転軸27に、軽い締り嵌め等により、径方向の変位を阻止した状態で外嵌している。上記出力側ディスク8aは上記中空回転軸27の周囲に、前述した従来構造と同様にして、互いに同心に、且つ、トルク伝達を自在に結合している。この様な構成により上記出力側ディスク8aの軸方向両端部を、上記両支持環部18、18に対し、上記両スラストアンギュラ玉軸受11a、11aと上記中空回転軸27とを介して、径方向位置を規制した状態で、回転自在に支持している。
上述の様な構成を有する本例のトロイダル型無段変速機によれば、上記出力側ディスク8aの軸方向側面の利用可能範囲を拡大し、変速比の調節範囲の拡大を可能にできる。即ち、本例の構造によれば、上記出力側ディスク8aの両端部を回転自在に支持する為の上記両スラストアンギュラ玉軸受11a、11aを構成する内側のスラスト軌道輪25b、25bに、前述した従来構造の場合に必要とした突条部26(図8参照)を形成する必要がない。これに伴って、上記出力側ディスク8aの内周面の軸方向両端部に形成した大径段部28a、28aを、次述する止め輪34、34を収納できるだけの、浅いもので済ませられる(上記従来構造に比べて、上記突条部26の軸方向寸法分だけ短くできる)。この為、上記出力側ディスク8aの径方向に関する厚さを、軸方向両端部でも十分に大きくして、この出力側ディスク8aの軸方向両端部の剛性を十分に確保できる。そして、この出力側ディスク8aの耐久性確保を考慮しつつ、この出力側ディスク8aの軸方向両側面の軸方向両端寄り部分をトラクション面として利用する事ができて、その分、上記トロイダル型無段変速機の変速比幅の確保を図れる。
又、本例の場合には、前記中空回転軸27の一部で上記両内側スラスト軌道輪25b、25bにより軸方向両側から挟まれる部分に、1対の止め輪34、34を係止している。これら両止め輪34、34は、上記中空回転軸27の軸方向の位置決めを図る為と、組立作業の途中で、先に組み立てた部品が不用意に外れる事を防止する為とに設けている。この様な上記両止め輪34、34が所定位置から外れて他の部分に入り込むと、トロイダル型無段変速機の故障の原因となる。そこで本例の場合には、各部の寸法を次の様に規制する事により、上記両止め輪34、34の外れ止めを図っている。
即ち、上記両止め輪34、34は、欠円環状に形成されたもので、直径を縮める方向の弾力を有する。そして、上記中空回転軸27の外周面に形成した係止溝35、35に、自身の弾力によりそれぞれの内径寄り部分を係止する事で、上記中空回転軸27の外周面の所定部分に係止している。又、組立完了後の状態で上記両止め輪34、34は、上記出力側ディスク8aの内周面の軸方向両端部に形成した大径段部28a、28a内に入り込んでいる。これら両大径段部28a、28aの深さ(軸方向寸法)は、上記両止め輪34、34を収納できるだけで良く、前述した従来構造の大径段部28、28(図7〜8参照)の深さよりも十分に小さくて良い。本例の場合には、この様な構造で、上記両係止溝35、35と上記両止め輪34、34の内径寄り部分との径方向に関する係り代δi を、これら両止め輪34、34の外周縁と、これら両止め輪34、34の周囲に存在する部材である、上記出力側ディスク8aの大径段部28a、28aの内周面との径方向距離δo よりも大きく(δi >δo )している。
この為、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記中空回転軸27と共に回転する上記両止め輪34、34の直径が遠心力に基づいて拡がっても、これら両止め輪34、34が上記両係止溝35、35から外れる事はない。即ち、これら両止め輪34、34の内径寄り部分が上記両係止溝35、35から抜け出し切る以前に、これら各止め輪34、34の外周面と上記両大径段部28a、28aの内周面とが当接する。この結果、これら各止め輪34、34として特に大きな弾性を有するものを使用しなくても、上記中空回転軸27の高速回転時に上記両止め輪34、34がこの中空側回転軸27の外周面の所定位置から外れる事を防止できる。この為、これら両止め輪34、34として、組み付け作業の容易化を図るべく、あまり大きな弾性を持たないものを使用しても、上記両止め輪34、34が上記両係止溝35、35から外れない様にして、トロイダル型無段変速機の故障の原因になる事を防止できる。
[実施の形態の第2例]
図3〜4は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、1対の支柱13、13の支持環部18、18と、中空回転軸27と、出力側ディスク8bとの間に配置する1対のスラストアンギュラ型玉軸受11b、11bの構造を工夫して、上記出力側ディスク8bの形状を単純化している。即ち、これら両スラストアンギュラ型玉軸受11b、11bを構成する内側のスラスト軌道輪25c、25cを、前述した従来構造及び上述した第1例の構造に比べて厚肉化すると共に、これら両スラスト軌道輪25c、25cの内周面の上記出力側ディスク8b寄り半部に、大径段部28b、28bを形成している。そして、止め輪34、34を、これら両大径段部28b、28b内に収納している。この様な構造を採用すれば、上記出力側ディスク8bの形状を単純化して、この出力側ディスク8bの加工コストの低減を図れる。上記両スラスト軌道輪25c、25cは、この出力側ディスク8bに比べて容積が小さく、しかも形状が単純である為、上記両大径段部28b、28bの加工は(出力側ディスク8bに形成する場合に比べて)容易である。
尚、本例の場合、この出力側ディスク8bの両側面の軸方向端部までトラクション面として利用できる。但し、上記両スラスト軌道輪25c、25cを厚肉にする分、(1対の支持環部18、18同士の間隔を同じとした場合には)上記出力側ディスク8bの軸方向寸法を、上述した実施の形態の第1例の出力側ディスク8aの軸方向寸法よりも短くする必要がある。従って、本例の構造は、上記実施の形態の第1例の場合に比べて、上記出力側ディスク8bの加工の容易化を図れるが、更なる変速比幅の増大を図る事はできない(従来構造に比べて変速比幅が増大する程度は、実施の形態の第1例と同程度に留る)。
その他の部分の構造及び作用は、上記実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の実施の形態の第1例を示す要部断面図。 図1のA部拡大図。 本発明の実施の形態の第2例を示す要部断面図。 図3のB部拡大図。 トロイダル型無段変速機の従来構造の1例を示す断面図。 図5のC−C断面図。 従来構造の要部断面図。 図7のD部拡大図。
符号の説明
1 入力軸
2 出力軸
3 トロイダル型無段変速機
4 遊星歯車式変速ユニット
5 低速用クラッチ
6 高速用クラッチ
7a、7b 入力側ディスク
8、8a、8b 出力側ディスク
9 パワーローラ
10 入力回転軸
11、11a、1b スラストアンギュラ玉軸受
12 ケーシング
13 支柱
14 アクチュエータボディー
15 トラニオン
16 支持板
17a、17b 支持ポスト部
18 支持環部
19 連結板
20a、20b 支持孔
21 支持軸
22 周面
23 入力側面
24 出力側面
25、25a、25b、25c スラスト軌道輪
26 突条部
27 中空回転軸
28、28a、28b 大径段部
29 太陽歯車
30 保持器
31 玉
32 スラスト軌道面
33 シム板
34 止め輪
35 係止溝

Claims (4)

  1. ケーシングと、このケーシング内に回転自在に支持された回転軸と、それぞれが断面円弧形である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、この回転軸と同期した回転を自在として支持された1対の外側ディスクと、この回転軸の中間部周囲に、断面円弧形である軸方向両側面をこれら両外側ディスクの軸方向片側面に対向させた状態で、上記回転軸に対する相対回転を自在に支持された内側ディスクと、軸方向に関してこれら内側ディスクの軸方向両側面と両外側ディスクの軸方向片側面との間位置にそれぞれ複数個ずつ、上記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた支持部材と、これら各支持部材に回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記内側ディスクの軸方向両側面と各外側ディスクの軸方向片側面とに当接させた複数のパワーローラとを備え、上記内側ディスクの小径側端部を上記ケーシングの内面に固定した部材に対し、転がり軸受により回転自在に支持しているトロイダル型無段変速機に於いて、上記内側ディスクの軸方向位置を、この内側ディスクの軸方向両側に配置した1対の転がり軸受により規制すると共に、この内側ディスクの径方向位置を、これら両転がり軸受を構成する軌道輪とこの内側ディスクとの間に配置した別部材により規制した事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 1対の転がり軸受がスラストアンギュラ玉軸受であり、別部材が、回転軸の周囲にこの回転軸に対する相対回転を可能に配置されて、これら両スラストアンギュラ玉軸受により回転自在に支持された中空回転軸であり、これら両スラストアンギュラ玉軸受を構成する、これら両スラストアンギュラ玉軸受毎に1対ずつのスラスト軌道輪のうち、内側ディスクの軸方向端面に対向するスラスト軌道輪である内側軌道輪の軸方向片面が、この内側ディスクの軸方向端面に突き当たっており、これら両内側軌道輪の内径面と上記中空回転軸の外周面とが、これら両内側軌道輪と中空回転軸との径方向に関する相対変位を阻止する状態で嵌合している、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 中空回転軸の一部で1対の内側軌道輪により軸方向両側から挟まれる部分に1対の止め輪を係止すると共に、これら両止め輪の軸方向片側面と上記両内側軌道輪の軸方向片側面とを係合させる事により、上記中空回転軸の軸方向位置を規制している、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 中空回転軸の外周面に形成した係止溝と止め輪の内径寄り部分との径方向に関する係り代が、この止め輪の外周縁と、この止め輪の周囲に存在する部材の内周面との径方向距離よりも大きい、請求項3に記載したトロイダル型無段変速機。
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