JP2009174223A - 建築構造物、及び建築構造物の設計方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数層のラーメン架構18によって建築構造物10が構築され、ラーメン架構18の構面には耐震壁22が設けられている。また、耐震壁22のせん断耐力の大きさは、この耐震壁22が設けられた層20が保有水平耐力に達するまで低下しない。よって、ラーメン架構18及び耐震壁22の変形による振動エネルギーの吸収能力(層20の値D3)は、ラーメン架構18の変形によって作用する履歴エネルギー吸収能力(ラーメン架構18の値D1)と、耐震壁22の変形によって作用する履歴エネルギー吸収能力(耐震壁22の値D2)とを単純に足し合わせたものなので、建築構造物10の構造設計が行い易い。
【選択図】図5
Description
これに対して値A1(ラーメン架構)では、3cm(=H/100)程度まで変形することができる。すなわち、変形履歴によって地震等の振動エネルギーを吸収することができるので、必要な層せん断力(必要保有水平耐力)を小さくすることができる。
よって、耐震壁が設けられた層の必要保有水平耐力を小さくすることができ、構造上有利な設計を行うことができる。
そして、耐震壁の変形性能がラーメン架構の変形性能と同等以上であれば、ラーメン架構の変形によって作用する履歴エネルギー吸収能力と、耐震壁の変形によって作用する履歴エネルギー吸収能力との単純累加による振動エネルギー吸収能力が得られる。
また、耐震壁のせん断耐力の大きさは、この耐震壁が設けられた層が保有水平耐力に達するまで低下しないので、安定した振動エネルギー吸収性能を発揮することができる。
また、RC耐震壁よりも靭性に優れた耐震壁を構築し易く、工場製作によって品質確保を容易に行うことができる。
また、構造特性係数を0.3とすれば、柱・梁の種別ランクがFAである鉄筋コンクリート造のラーメン架構を耐震壁の周辺架構とする場合において、構造上の安全性を確保することができ、かつ経済性に優れた建築構造物を構築することができる。
この建築構造物の設計方法では、耐震壁が設けられた層が保有水平耐力に達するまで耐震壁のせん断耐力の大きさが低下しない性能を有するように耐震壁の設計を行う。
よって、請求項1と同様の作用と効果を得ることができる。
また、RC耐震壁よりも靭性に優れた耐震壁を構築し易く、工場製作によって品質確保を容易に行うことができる。
また、図1の2階と3階の間の層20の平面図である図2に示すように、層20には耐震壁としての4つの波形鋼板耐震壁22が配置されている。
図4に示すように、波形鋼板24の断面形状は、台形を繋ぎ合わせた形状になっている。また、波形鋼板24はこの波形の折り筋が略水平になるように配置されている。
そして、接合用フレーム枠26及びスタッド28からなる取り付け構造により、ラーメン架構18から波形鋼板24へ水平力が伝達される。
また、層20の必要保有水平耐力は、層20の平面における各方向で計算される。図5は、層20の平面におけるX方向の変形性能を示したものである。層20の平面におけるY方向の変形性能を示す場合には、Y方向と壁面が平行となるように配置された2つの波形鋼板耐震壁22がそれぞれ負担する層せん断力の合計を値D2とする。
よって、波形鋼板耐震壁22が設けられた層20の必要保有水平耐力を小さくすることができ、構造上有利な設計を行うことができる。
そして、波形鋼板耐震壁22の変形性能がラーメン架構18の変形性能と同等以上であれば、ラーメン架構18の変形によって作用する履歴エネルギー吸収能力と、波形鋼板耐震壁22の変形によって作用する履歴エネルギー吸収能力との単純累加による振動エネルギー吸収能力が得られる。
また、RC耐震壁よりも靭性に優れた耐震壁を構築し易く、工場製作によって品質確保を容易に行うことができる。
そして、波形鋼板耐震壁22が設けられた層20の保有水平耐力は、この必要保有水平耐力以上となっている。
よって、構造特性係数を0.3とすれば、柱・梁の種別ランクがFAである鉄筋コンクリート造の純ラーメン架構を波形鋼板耐震壁22の周辺架構とする場合において、構造上の安全性を確保することができ、かつ経済性に優れた建築構造物10を構築することができる。
また、建築構造物を設計する際には、波形鋼板耐震壁のせん断力分担率に関わらずに、同じ構造特性係数を用いることができるので、構造設計が行ない易い。
また、第1及び第2の実施形態では、水平部材を梁としたが、大梁、小梁、床スラブ等であってもよい。
図6は、ラーメン架構30頂部に水平力を載荷したときのラーメン架構30の破壊状況を模写した絵であり、図7は、このときのラーメン架構30の全体変形角に対する水平荷重の値を示したものである。ラーメン架構30の各層の構面には、第1及び第2の実施形態で示した波形鋼板耐震壁22が設けられている。よって、図7はラーメン架構30と波形鋼板耐震壁22の耐力の合計をあらわしており、例えば図5の例の値D3と同じ意味合いを持つグラフである。
14、14A、14B 柱
16、16A、16B 梁(水平部材)
18 ラーメン架構
20 層
22 波形鋼板耐震壁(耐震壁)
Claims (10)
- 柱と水平部材とからなる複数層のラーメン架構を備えた建築構造物において、
前記ラーメン架構の構面に設けられた耐震壁を有し、
前記耐震壁のせん断耐力の大きさは、該耐震壁が設けられた層が保有水平耐力に達するまで低下しないことを特徴とする建築構造物。 - 前記耐震壁は、鋼板によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の建築構造物。
- 前記耐震壁は、鋼板を波形に折り曲げて形成した波形鋼板耐震壁であることを特徴とする請求項2に記載の建築構造物。
- 前記耐震壁が設けられた層の保有水平耐力は、該層から前記耐震壁を無くした前記柱と前記水平部材とからなるラーメン架構に対して用いられる構造特性係数によって求められる必要保有水平耐力以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の建築構造物。
- 前記構造特性係数は、0.25又は0.3であることを特徴とする請求項4に記載の建築構造物。
- 柱と水平部材とからなる複数層のラーメン架構を備え、前記ラーメン架構の構面に設けられた耐震壁を有する建築構造物の設計方法において、
前記耐震壁が設けられた層が保有水平耐力に達するまで前記耐震壁のせん断耐力の大きさが低下しない性能を有するように、前記耐震壁を設計することを特徴とする建築構造物の設計方法。 - 前記耐震壁は、鋼板によって形成されていることを特徴とする請求項6に記載の建築構造物の設計方法。
- 前記耐震壁は、鋼板を波形に折り曲げて形成した波形鋼板耐震壁であることを特徴とする請求項7に記載の建築構造物の設計方法。
- 前記耐震壁が設けられた層の必要保有水平耐力は、該層から前記耐震壁を無くした前記柱と前記水平部材とからなるラーメン架構に対して用いられる構造特性係数によって求められることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の建築構造物の設計方法。
- 前記構造特性係数は、0.25又は0.3であることを特徴とする請求項9に記載の建築構造物の設計方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111104703A (zh) * | 2019-12-10 | 2020-05-05 | 华东建筑设计研究院有限公司 | 一种剪力墙抗震设计中的拉力控制方法 |
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JPS59165774A (ja) * | 1983-03-09 | 1984-09-19 | 株式会社竹中工務店 | 壁付き鉄筋コンクリ−ト造耐震架構 |
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JP3126116U (ja) * | 2006-08-02 | 2006-10-12 | 大阪車輌工業株式会社 | 耐力壁パネル |
-
2008
- 2008-01-25 JP JP2008015360A patent/JP5330698B2/ja active Active
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