JP2009172064A - 血管位置提示装置および血管位置提示方法 - Google Patents

血管位置提示装置および血管位置提示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】しわと重なる血管部分を抽出することが可能な血管位置提示装置および血管位置提示方法を提供する。
【解決手段】血管位置提示装置100は、血管領域抽出部102と、しわ領域抽出部103と、血管領域確定部104とを備えている。血管領域抽出部102は、近赤外光画像において周辺画素よりも相対的に輝度値が小さい画素位置を血管候補領域として抽出する。しわ領域抽出部103は、しわ領域の形状を示すしわ検出パターンに基づいて、血管候補領域に含まれるしわ領域を抽出する。血管領域確定部104は、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域としわ領域との境界に位置する境界画素をしわ領域において血管方向に沿って膨張させた領域と、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域とを血管領域として確定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光を用いて生体情報を取得する装置の技術に関するものであり、特に、生体の血管位置を画像で取得し血管位置を強調して提示する血管位置提示装置および血管位置提示方法に関するものである。
従来、生体の血管位置を画像で取得する装置として、近赤外光を用いたものがある。これは、血液中のヘモグロビンが近赤外光を吸収する性質を利用したものであり、生体に近赤外波長の光を照射し、生体からの反射光もしくは透過光を近赤外感度の高い白黒CCDカメラで撮像している。撮像した画像においては、血管が存在する領域だけ反射もしくは透過が少なくなり、画像上で暗く映し出される。従って、暗く映し出された領域を画像処理により抽出することで血管領域を特定することができる。
また、さらに、血管位置を、汚れ、しわ等の影響なく精度良く検出するための装置も提案されている。(例えば、特許文献1参照)
図14は、特許文献1で開示された人の静脈パターンを精度良く検出する静脈パターン検出装置を示すブロック構成図である。
まず、指11に対し、爪の有る側面から近赤外光を照射する光源のLED12−1と、爪の有る側面とは反対側の側面から可視光を照射する光源のLED12−2及びLED12−3を点灯し、近赤外光を透過させ可視光を反射する鏡であるダイクロイックミラー13−1と反射鏡14−1とを用いて、指11を透過した近赤外光と指11で反射された可視光を分離し、レンズ15により結像し、CCD撮像装置16−1により近赤外映像と可視光映像を得る。
次に、制御装置17により近赤外映像と可視光映像とを用いて静脈パターン抽出の画像処理を行う。まず、得られた近赤外映像と可視光映像とは、1枚の映像データに入っているため、指の表面上の同じ点を写している近赤外映像と可視光映像との点の対応を取る。これは、微分処理により、それぞれの指の映像の輪郭線を抽出し、二つの輪郭線の一方を平行移動と回転させることにより他方に重ね合わせ、このときの平行移動量と回転角度を利用することで近赤外映像と可視光映像の画素を対応させる。そして、次に、近赤外映像の画素の信号強度を対応する可視光映像の画素の信号強度で割り算する処理を行い、近赤外映像の画素強度に対して正規化補正を行う。このように正規化補正を行った画像では、静脈部分においては、近赤外映像では静脈による吸光により信号強度は小さな値となる。一方、可視光画像では吸光がないため信号強度は小さな値になることはなく、正規化補正後の値は小さな値となる。また、静脈が映っていない部分は、指の汚れやしわ等が含まれ、汚れが無い場合は、吸光が無いため両者とも同じ様な明るさになっており、また、汚れがある場合は、汚れによる吸光で強度が減衰するため、静脈が映っていない部分の画素の明るさは近赤外映像と可視光映像のどちらか一方だけが極端に暗くなるということはない。その結果、静脈が映っていない部分の正規化補正後の画素信号強度は、汚れがある場合も無い場合もほぼ同じ値となる。従って、正規化補正は、静脈部分の信号強度を小さな値に保つのに対し、静脈部分以外の信号強度をほぼ同じ値に変換することになるため画像上では静脈部分が強調される。そして、この正規化補正を行った画像をさらに2値化処理することにより精度良く静脈パターンを抽出している。
特開平11−203452号公報
しかしながら、しわ領域は正規化補正後の2値化処理により取り除かれるので、しわの影響なく血管のみを確実に抽出し強調表示することが可能となるが、しわと重なる血管部分を抽出することは不可能であった。穿刺の際には、血管の走行が重要になるため、しわに分断されずに全ての血管位置を表示することが望ましい。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、しわと重なる血管部分を抽出することが可能な血管位置提示装置および血管位置提示方法を提供することを目的とする。
第1の発明に係る血管位置提示装置は、血管領域抽出手段と、しわ領域抽出手段と、血管領域確定手段とを備えている。血管領域抽出手段は、近赤外光を生体領域に照射し、反射光又は透過光の近赤外波長成分を撮像した近赤外光画像に対して、周辺画素よりも相対的に輝度値が小さい画素位置を血管候補領域として抽出する。しわ領域抽出手段は、しわ領域の形状を示すしわ検出パターンに基づいて、血管候補領域に含まれるしわ領域を抽出する。血管領域確定手段は、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域としわ領域との境界に位置する境界画素をしわ領域において血管の走行方向に沿って膨張させた領域と、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域とを血管領域として確定する。
ここでは、血管領域抽出手段が、輝度値に基づいて血管候補領域を抽出し、しわ検出手段が、しわ検出パターンに基づいてしわ領域を抽出し、血管領域確定手段が、近赤外光画像における血管領域を確定する。
従来、血管位置を、汚れ、しわ等の影響なく精度良く検出するために、近赤外映像と可視光映像とを用いて抽出を行っている。具体的には、可視光映像によってしわや汚れ等の領域を抽出し、近赤外映像から得られるしわや汚れ等の領域を含んだ血管領域からしわや汚れ等の領域を取り除き、血管の位置を抽出している。ところが、しわや汚れ等の領域を近赤外映像から得られるしわや汚れ等の領域を含んだ血管領域から一律に取り除いているので、しわ領域と重なる血管を抽出することは不可能である。
そこで、本発明の血管提示装置においては、輝度値に基づいて血管候補領域を抽出する血管領域抽出手段と、しわ検出パターンに基づいてしわ領域を検出するしわ領域抽出手段と、しわ領域と重なる血管候補領域において血管領域を抽出し、近赤外光画像における血管領域を確定する血管領域確定手段とを備えている。そして、血管領域確定手段は、しわ等と重ならない血管に対しては、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域を血管領域として確定する。また、血管領域確定手段は、しわ等と重なる血管に対しては、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域としわ領域との境界に位置する境界画素をしわ領域において血管方向に沿って膨張させた領域を血管領域として確定する。
これにより、しわ等と重ならない血管の位置だけでなく、しわ等と重なる部分に位置する血管の位置も精度よく抽出することが可能となる。
第2の発明に係る血管位置提示装置は、第1の発明に係る血管位置提示装置であって、血管領域確定手段は、境界検出手段と、膨張結合手段と、結合評価手段と、血管確定手段とを有している。境界検出手段は、血管候補領域からしわ領域を取り除いた第1の血管検出領域としわ領域との境界に位置する1つまたは1つ以上が連結する境界画素を1つのグループとして検出する。膨張結合手段は、しわ領域において、境界画素を血管の走行方向に沿って膨張させた膨張領域と他のグループに属する境界画素を膨張させた膨張領域とを結合させる。結合評価手段は、膨張領域どうしの結合状態が所定の条件を満たしている場合に、膨張領域に接する第1の血管検出領域どうしを対応付ける。血管確定手段は、対応付けされた第1の血管検出領域どうしを結んだ第2の血管検出領域と、第1の血管検出領域とを血管領域として確定する。
ここでは、血管領域確定手段が、例えば、境界検出手段と、膨張結合手段と、結合評価手段と、血管確定手段とを有している。
これにより、しわ領域と重なる血管の位置を精度よく抽出することが可能となる。
第3の発明に係る血管位置提示装置は、第2の発明に係る血管位置提示装置であって、膨張結合手段は、しわ領域において血管の走行方向における両側から1画素幅ずつ交互にしわ領域の内側に向かって膨張させ、同一グループで構成される膨張領域の幅が扇状に広がるように膨張させる。
ここでは、膨張結合手段が、境界画素の膨張方法として、例えば、しわ領域において血管の走行方向における両側から1画素幅ずつしわ領域の内側に向かって互いに膨張させ、また、同一グループで構成される膨張領域の幅が扇状に広がるように膨張させている。
これにより、しわ直下の生体内に存在する見えない血管が走行するであろう画素位置に対して画素を膨張させることができるので、しわ領域と重なる血管の位置を精度よく抽出することが可能となる。
第4の発明に係る血管位置提示装置は、第3の発明に係る血管位置提示装置であって、膨張結合手段は、境界画素を膨張させる方向を、境界画素に接する第1の血管検出領域の走行方向に応じて調節する。
ここでは、膨張結合手段が、例えば、連結する境界画素の中点とそこから所定の距離はなれた第1の血管検出領域の中心線上の点の2点を結ぶ直線から求められる傾きに基づいて、境界画素を膨張させる方向を調節している。
これにより、血管が走行するであろう画素位置を精度よく抽出することが可能となる。
第5の発明に係る血管位置提示装置は、第2の発明に係る血管位置提示装置であって、結合評価手段は、しわ領域を挟んで互いに対向する位置の境界画素から膨張させた膨張領域が一対一で結合するとき、第1の血管検出領域どうしを結合する。
ここでは、結合評価手段が、膨張領域どうしの結合状態が所定の条件を満たしているとき、すなわち、しわ領域を挟んで互いに対向する位置の境界画素から膨張させた膨張領域が一対一で結合するとき、第1の血管検出領域どうしを結合する。
これにより、血管位置と膨張領域との整合性を高めることが可能となる。
第6の発明に係る血管位置提示装置は、第3の発明に係る血管位置提示装置であって、血管確定手段は、対応付けされた第1の血管検出領域に接する境界画素の両端どうしを直線で結び、その両端を結ぶ2直線と2直線で囲まれる領域とを第2の血管検出領域として求める。
ここでは、血管確定手段が、膨張領域から第2の血管検出領域を抽出するために、例えば、対応付けされた第1の血管検出領域に接する境界画素の両端どうしを直線で結び、その両端を結ぶ2直線と2直線で囲まれる領域とを第2の血管検出領域としている。
これにより、しわ領域と重なる血管位置を第2の血管検出領域として抽出することが可能となる。
第7の発明に係る血管位置提示装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る血管位置提示装置であって、血管領域確定手段において確定された血管領域に基づいて、近赤外光画像において血管領域を強調した画像を作成する強調画像作成手段をさらに備えている。
ここでは、強調画像作成手段が、近赤外光画像において血管領域が強調された画像を作成する。
これにより、血管領域確定手段によって確定された領域を、ユーザに対して見易い状態で提示することが可能となる。
第8の発明に係る血管位置提示装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る血管位置提示装置であって、しわ領域抽出手段は、しわ検出パターン作成手段と、しわ検出手段とを有している。しわ検出パターン作成手段は、近赤外光画像に撮影されている生体領域の形状に基づき、しわ領域の一部の形状を示すしわ検出パターンを1つ以上作成する。しわ検出手段は、血管候補領域に1つ以上のしわ検出パターンを重ね合わせ、しわ検出パターンと一致する画素位置をしわ領域として検出する。
ここでは、しわ領域抽出手段が、例えば、検出パターン作成手段と、しわ検出手段とを有している。
これにより、血管候補領域に含まれるしわ領域を精度よく抽出することが可能となる。
第9の発明に係る血管位置提示装置は、第8の発明に係る血管位置提示装置であって、しわ検出パターン作成手段は、生体領域の方向に対し交差する方向に沿ったライン状の形状とし、ラインの太さおよび長さは、生体領域の幅に比例させてしわ検出パターンを作成する。
ここでは、しわ検出パターン作成手段が、生体領域(例えば、腕)の方向(例えば、腕方向)に対して、交差する方向(例えば、直交する方向)に沿ったライン状の形状としてしわを特定し、ラインの太さおよび長さは、生体領域(例えば、腕)の幅に比例させてしわ検出パターンを作成する。
これにより、使用者の個体に合わせたそれぞれのしわ検出パターンを作成することができるので、しわ部分を検出する精度を高めることができる。
第10の発明に係る血管位置提示装置は、第8または第9の発明に係る血管位置提示装置であって、しわ検出パターン作成手段は、生体領域の方向に交差する方向の第1しわ検出パターンと、第1しわ検出パターンの中心位置を支点とし、時計回りおよび反時計回りにそれぞれ同じ角度で回転させた第2しわ検出パターンとを作成する。
ここでは、しわ検出パターン作成手段が、第1しわ検出パターンと、第2しわ検出パターンとを作成する。
これにより、撮影方向、あるいは、生体の撮影状態によって、しわの撮像角度が変わる近赤外画像に対して、しわを検出する精度を高めることが可能となる。
第11の発明に係る血管位置提示装置は、第8の発明に係る血管位置提示装置であって、しわ検出手段は、血管候補領域にしわ検出パターンを重ね合わせ、しわ検出パターンと完全に一致する血管候補領域を第1のしわ検出領域として検出し、検出した第1のしわ検出領域の周辺の血管候補領域において、再度しわ検出パターンを重ね合わせ、所定の画素数以上一致している場合、しわ検出パターンに重なる血管候補領域を第2のしわ検出領域として検出し、第1および第2のしわ検出領域から成る領域を近赤外光画像におけるしわ領域とする。
ここでは、しわ検出手段が、しわ検出パターンと完全に一致する血管候補領域を第1のしわ検出領域として検出する。そして、しわ検出手段は、第1のしわ検出領域の周辺における画素に対してもしわ検出パターンを重ね合わせ、所定の画素以上一致する血管候補領域を第2のしわ検出領域として検出する。
これにより、しわ検出パターンと完全に一致しない入り組んだ形状となるエッジ付近のしわ領域も、少ない数のしわ検出パターンで、抽出することが可能となる。
第12の発明に係る血管位置提示装置は、第11の発明に係る血管位置提示装置であって、しわ検出手段は、第1のしわ検出領域あるいは第2のしわ検出領域において画素が連結している連結領域毎に面積を求め、連結領域の面積が所定値以下の場合、連結領域を第1のしわ検出領域あるいは第2のしわ検出領域から除く。
ここでは、しわ検出手段が、第1のしわ検出領域あるいは第2のしわ検出領域において、連結領域の面積が所定値以下の場合、連結領域を第1のしわ検出領域あるいは第2のしわ検出領域から除く。
これにより、細かい血管やノイズ等をしわ領域と誤抽出することを防ぐことが可能となる。
第13の発明に係る血管位置提示装置は、第2の発明に係る血管位置提示装置であって、強調画像作成手段は、血管領域における第1の血管検出領域と第2の血管検出領域とを区別可能に強調する。
ここでは、強調画像作成手段が、第1の血管検出領域と第2の血管検出領域とを区別可能なように、例えば、色分けして強調する。
これにより、確実に血管位置である第1の血管検出領域と、推測した血管位置である第2の血管検出領域とを区別して使用者に知らせることが可能となる。
第14の発明に係る血管位置提示装置は、第13の発明に係る血管位置提示装置であって、強調画像作成手段は、第2の血管検出領域を強調する際、第2の血管検出領域に接する境界画素と、境界画素と対応付けされていない他のグループに属する境界画素との距離に応じて強調の強さを変更する。
ここでは、強調画像作成手段が、第2の血管検出領域を強調する際、他のグループに属する境界画素との距離に応じて強調の強さを変更し、例えば、距離が近づくほど強調を弱める。
これにより、推測した血管位置である第2の血管検出領域において、実際に血管が存在する確実さに応じて強調する強さを変更することが可能となる。
第15の発明に係る血管位置提示装置は、第1から第14の発明のいずれか1つに係る血管位置提示装置であって、近赤外光画像に撮影されている生体領域の方向が水平又は垂直方向に向くように、近赤外光画像を回転させる画像回転手段をさらに備えている。そして、血管領域抽出手段は、回転させた近赤外光画像から血管候補領域を抽出し、しわ領域抽出手段は、回転させた近赤外光画像からしわ領域を抽出する。
ここでは、近赤外光画像に撮影されている生体領域の方向を変えるための画像回転手段を備えている。
これにより、生体がどの方向に向いていても、パラメータを変更することなく同一の処理で、近赤外光画像の血管領域を得ることが可能となる。
第16の発明に係る血管位置提示方法は、血管領域抽出工程と、しわ領域抽出工程と、血管領域確定工程とを備えている。血管領域抽出工程は、近赤外光を生体領域に照射し、反射光又は透過光の近赤外波長成分を撮像した近赤外光画像に対して、周辺画素よりも相対的に輝度値が小さい画素位置を血管候補領域として抽出する。しわ領域抽出工程は、しわ領域の形状を示すしわ検出パターンに基づいて、血管候補領域に含まれるしわ領域を抽出する。血管領域確定工程は、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域としわ領域との境界に位置する境界画素をしわ領域において血管の走行方向に沿って膨張させた領域と、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域とを血管領域として確定する。
ここでは、血管領域抽出工程において、輝度値に基づいて血管候補領域を抽出し、しわ検出工程において、しわ検出パターンに基づいてしわ領域を抽出し、血管領域確定工程において、近赤外光画像における血管領域を確定する。
従来、血管位置を、汚れ、しわ等の影響なく精度良く検出するために、近赤外映像と可視光映像とを用いて抽出を行っている。具体的には、可視光映像によってしわや汚れ等の領域を抽出し、近赤外映像から得られるしわや汚れ等の領域を含んだ血管領域からしわや汚れ等の領域を取り除き、血管の位置を抽出している。ところが、しわや汚れ等の領域を近赤外映像から得られるしわや汚れ等の領域を含んだ血管領域から一律に取り除いているので、しわ領域と重なる血管を抽出することは不可能である。
そこで、本発明の血管位置提示方法においては、輝度値に基づいて血管候補領域を抽出する血管領域抽出工程と、しわ検出パターンに基づいてしわ領域を検出するしわ領域抽出工程と、しわ領域と重なる血管候補領域において血管領域を抽出し、近赤外光画像における血管領域を確定する血管領域確定工程とを備えている。そして、血管領域確定工程において、しわ等と重ならない血管に対しては、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域を血管領域として確定する。また、血管領域確定工程において、しわ等と重なる血管に対しては、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域としわ領域との境界に位置する境界画素をしわ領域において血管方向に沿って膨張させた領域を血管領域として確定する。
これにより、しわ等と重ならない血管の位置だけでなく、しわ等と重なる部分に位置する血管の位置も精度よく抽出することが可能となる。
第17の発明に係る血管位置提示方法は、第16の発明に係る血管位置提示方法であって、血管領域確定工程は、境界検出工程と、膨張結合工程と、結合評価工程と、血管確定工程とを有している。境界検出工程は、血管候補領域からしわ領域を取り除いた第1の血管検出領域としわ領域との境界に位置する1つまたは1つ以上が連結する境界画素を1つのグループとして検出する。膨張結合工程は、しわ領域において、境界画素を血管の走行方向に沿って膨張させた膨張領域と他のグループに属する境界画素を膨張させた膨張領域とを結合させる。結合評価工程は、膨張領域どうしの結合状態が所定の条件を満たしている場合に、膨張領域に接する第1の血管検出領域どうしを対応付ける。血管確定工程は、対応付けされた第1の血管検出領域どうしを結んだ第2の血管検出領域と、第1の血管検出領域とを血管領域として確定する。
ここでは、血管領域確定工程が、例えば、境界検出工程と、膨張結合工程と、結合評価工程と、血管確定工程とを有している。
これにより、しわ領域と重なる血管の位置を精度よく抽出することが可能となる。
第18の発明に係る血管位置提示方法は、第16または第17の発明に係る血管位置提示方法であって、しわ領域抽出工程は、しわ検出パターン作成工程と、しわ検出工程とを有している。しわ検出パターン作成工程は、近赤外光画像に撮影されている生体領域の形状に基づき、しわ領域の一部の形状を示すしわ検出パターンを1つ以上作成する。しわ検出工程は、血管候補領域に1つ以上のしわ検出パターンを重ね合わせ、しわ検出パターンと一致する画素位置をしわ領域として検出する。
ここでは、しわ領域抽出工程が、例えば、しわ検出パターン作成工程と、しわ検出工程とを有している。
これにより、血管候補領域に含まれるしわ領域を精度よく抽出することが可能となる。
第19の発明に係る血管位置提示方法は、第16から第18の発明のいずれか1つに係る血管位置提示方法であって、血管領域確定工程において確定された血管領域に基づいて、近赤外光画像において血管領域を強調した画像を作成する強調画像作成工程をさらに備えている。
ここでは、強調画像作成工程で、近赤外光画像において血管領域が強調された画像を作成する。
これにより、血管領域確定工程によって確定された領域を、ユーザに対して見易い状態で提示することが可能となる。
第20の発明に係る血管位置提示方法は、第16から第19の発明のいずれか1つに係る血管位置提示方法であって、近赤外光画像に撮影されている生体領域の方向が水平又は垂直方向に向くように、近赤外光画像を回転させる画像回転工程をさらに備えている。そして、血管領域抽出工程は、回転させた近赤外光画像から血管候補領域を抽出し、しわ領域抽出工程は、回転させた近赤外光画像からしわ領域を抽出する。
ここでは、近赤外光画像に撮影されている生体領域の方向を変えるための画像回転工程を備えている。
これにより、生体がどの方向に向いていても、パラメータを変更することなく同一の処理で、近赤外光画像の血管領域を得ることが可能となる。
本発明に係る血管位置提示装置によれば、しわ等と重ならない血管の位置だけでなく、しわ等と重なる部分に位置する血管の位置も精度よく抽出することが可能となる。
以下に、本発明の血管位置提示装置に係る実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1として、LED光源から近赤外光を腕の前肘部に対し上部から照射し、腕からの反射光を近赤外光波長のみを透過する光学フィルタを通して、近赤外波長の感度が高い白黒のCCDカメラで撮像し、デジタル化した近赤外光画像を取得する場合を例として説明を行う。この近赤外光画像は、1画素を8bitで表し、画素値は輝度を示す濃淡画像とする。このようにして撮像された近赤外光画像においては、血液中のヘモグロビンは近赤外光を吸収する性質をもっているため、血管が存在する領域だけ反射光が少なくなり、血管が存在する画素の輝度値は小さくなる。
図1は、本発明の実施の形態1における血管位置提示装置100の要部概略構成を示すブロック図である。
血管位置提示装置100は、例えば、コンピュータにより形成され、血管領域抽出部(血管領域抽出手段)102、しわ領域抽出部(しわ領域抽出手段)103、血管領域確定部(血管領域確定手段)104および強調画像作成部(強調画像作成手段)105を含んで構成される。しわ領域抽出部103は、しわ検出パターン作成部(しわ検出パターン作成手段)1031と、しわ検出部(しわ検出手段)1032とを含んでいる。血管領域確定部104は、境界検出部(境界検出手段)1041、膨張結合部(膨張結合手段)1042、結合評価部(結合評価手段)1043および血管確定部(血管確定手段)1044を含んでいる。
血管位置提示装置100に入力される近赤外光画像101は、例えば、近赤外光を生体に対し上部から照射し、その反射光を、近赤外波長のみを透過する光学フィルタを通して白黒CCDカメラで撮像し、デジタル化した画像である。本実施の形態1の説明においては、近赤外光画像101として、腕が画像に対して水平方向に存在し、血管の走行方向も水平方向である画像を用いる。血管位置提示装置100は、この近赤外光画像101に含まれる血管位置を強調した強調画像106を出力する。
血管領域抽出部102は、近赤外光画像101において、周辺画素よりも相対的に輝度値が小さくなっている画素位置を血管候補領域として抽出し、抽出した血管候補領域画像を示す血管候補領域画像を、しわ領域抽出部103と血管領域確定部104とに出力する。
しわ領域抽出部103は、血管領域抽出部102から出力された血管候補領域画像に示す血管候補領域において、血管候補領域に含まれるしわ領域の形状を示すしわ検出パターンを用いて、血管候補領域に含まれるしわ領域を抽出し、抽出したしわ領域を示すしわ領域画像を血管領域確定部104に出力する。
具体的には、しわ領域抽出部103に含まれるしわ検出パターン作成部1031が、近赤外光画像101に撮影されている生体領域の形状に基づき、しわ領域の一部の形状を示すしわ検出パターンを1つ以上作成し、作成したしわ検出パターンをしわ検出部1032に出力する。
しわ検出部1032は、しわ検出パターン作成部1031から出力されるしわ検出パターンを、血管領域抽出部102から出力される血管候補領域画像に示す血管候補領域に重ね合わせ、しわ検出パターンと一致する血管候補領域の画素位置をしわ領域として検出し、検出したしわ領域を示すしわ領域画像を血管領域確定部104に出力する。
血管領域確定部104は、血管領域抽出部102から出力される血管候補領域画像と、しわ領域抽出部103から出力されるしわ領域画像とを用いて、血管候補領域からしわ領域を取り除く。そして、血管領域確定部104は、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域において、しわ領域と交わる境界画素を血管の走行方向に膨張させ、所定の条件で結合させる。そして、血管領域確定部104は、近赤外光画像101における血管領域を確定し、確定した血管領域を示す血管領域画像を強調画像作成部105に出力する。
具体的には、血管領域確定部104に含まれる境界検出部1041は、血管領域抽出部102から出力される血管候補領域画像と、しわ領域抽出部103から出力されるしわ領域画像を用いて、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域を第1の血管検出領域とし、第1の血管検出領域としわ領域とが交わる境界画素を、境界画素に接している第1の血管検出領域毎にグループ分けして検出し、検出した境界画素を示す境界画素画像を膨張結合部1042と血管確定部1044とに出力する。
膨張結合部1042は、血管領域抽出部102から出力される血管候補領域画像と、しわ領域抽出部103から出力されるしわ領域画像と、境界検出部1041から出力される境界画素画像とを用いて、しわ領域内で、グループ毎に境界画素を血管の走行方向に膨張させ、他のグループに属する境界画素から膨張させた膨張領域と結合させ、結合させた膨張領域を示す膨張領域画像を結合評価部1043に出力する。
結合評価部1043は、膨張結合部1042から出力される膨張領域画像に示す膨張領域の結合状態を評価し、所定の条件を満たしている場合、結合している膨張領域に接する第1の血管検出領域どうしを対応付け、この対応付けを示す対応テーブルを血管確定部1044に出力する。
血管確定部1044は、血管領域抽出部102から出力される血管候補領域画像、しわ領域抽出部103から出力されるしわ領域画像、境界検出部1041から出力される境界画素画像、結合評価部1043から出力される対応テーブルを用いて、対応付けされた第1の血管検出領域どうしを結ぶ領域を第2の血管検出領域として求め、第1と第2の血管検出領域から成る領域を血管領域として確定し、確定した血管領域を示す血管領域画像を強調画像作成部105に出力する。
強調画像作成部105は、血管領域確定部104から出力される血管領域画像を用いて、近赤外光画像101の血管領域を強調し、強調画像106として出力する。
次に、以上のように構成された本発明の実施の形態1の血管位置提示装置100の動作について、図2から図10を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における血管位置提示装置100が行う処理を示すフローチャートである。図2のフローチャートは、ステップS101ないしステップS104からなり、ステップS101は、血管領域抽出工程の一例を、ステップS1021とステップS1022からなるステップS102は、しわ領域抽出工程の一例を、ステップS1031からステップS1034で構成されるステップS103は、血管領域確定工程の一例を、ステップS104は、強調画像作成工程の一例を、それぞれ示す。
まず、血管領域抽出部102において、入力された近赤外光画像101に対して、相対的に周辺画素よりも輝度値が小さくなっている画素位置を血管候補領域として抽出する(ステップS101)。なお、近赤外光画像101と同サイズの画像メモリを用意しておき、抽出された血管候補領域の位置情報は、血管候補領域に対応する画素値を1、その他の画素値を0とすることで画像データ(血管候補領域画像)として記憶しておく。
以下、血管領域抽出処理について説明する。図3は、本発明の実施の形態1における血管領域抽出処理の原理を説明する図である。図3(a)は近赤外光画像101の一部を拡大し、説明のため90度回転させた近赤外光画像300であり、図3(b)は図3(a)における近赤外光画像300の破線矢印で示す水平ライン上のL1−L2間の輝度値を示す輝度グラフである。
血管領域抽出処理は、図3(a)に示すように近赤外光画像300において、血管領域抽出部102が、所定の注目範囲303を抜き出す。そして、血管領域抽出部102は、抜き出した画素の輝度値に基づき血管301であるかどうかの判定に用いる輝度閾値TH1を算出する。そして、血管領域抽出部102は、算出した輝度閾値TH1と注目範囲303の中心に位置する注目画素の輝度値とを比較し、注目画素の輝度値が輝度閾値TH1よりも小さい場合、注目画素を血管位置として抽出する。図3(b)では、注目範囲303の中心に位置するL1−L2上の注目画素C1の輝度値が輝度閾値TH1よりも小さいので、注目画素C1は、血管領域抽出部102によって血管301として抽出される。
なお、本実施の形態においては、注目範囲303は正方形とし、1辺の長さは、例えば、入力される近赤外光画像において想定される血管像の太さの最大径の2倍の画素数を設定しておき、輝度閾値TH1は注目範囲303内の画素の輝度値のうち値の大きいほうから注目範囲303の画素数の半分を抜き出し、抜き出した画素の輝度平均値を算出し、算出した輝度平均値を0.8倍した値とする。このように輝度閾値TH1を算出することで、血管位置と皮膚位置とを分離する閾値を算出することができ、さらに、任意の方向の血管を抽出することができる。なお、ここで用いた数値は一例であり、注目範囲303の一辺の長さは、血管301と皮膚302とが必ず含まれるような画素距離を設定すればよい。また、輝度平均値に用いる画素の個数は、注目範囲303内において必ず皮膚302の画素となる個数分を設定することで皮膚画素の輝度平均値を求め、輝度閾値TH1は、算出した皮膚画素の輝度平均値を元に皮膚画素の輝度値よりも小さくなる値を設定すればよい。
血管領域抽出部102は、この一連の処理を近赤外光画像101全体に対し、画像上部から各水平ライン毎に、画像の左側から順に1画素ずつずらしながら注目範囲303の画素を抜きだし、注目範囲303の中心に位置する注目画素が算出した輝度閾値TH1よりも小さくなっている画素位置を、血管候補領域として順次抽出していく。ただし、注目範囲303を抜き出す画素位置は、背景(近赤外光画像101の腕以外の領域)を除く領域のみとする。
なお、ここで用いた血管領域抽出処理は、一例であり、他の手法により、相対的に周辺画素よりも輝度値が小さくなっている画素位置を血管候補領域として抽出してもよい。
そして、こうして抽出した血管候補領域を示す血管候補領域画像をしわ領域抽出部103と血管領域確定部104に出力する。
次に、しわ領域抽出部103において、血管領域抽出部から出力された血管候補領域画像に示す血管候補領域に含まれているしわ領域を抽出する(ステップS102)。
図4(a)は、近赤外光画像101の一例であり、図4(b)は、近赤外光画像101に対して抽出した血管候補領域を示す血管候補領域画像である。図4(a)に示す近赤外光画像101では、腕403に血管401としわ402とが撮影されている。しかしながら、血管401としわ402とは、周辺の皮膚に比べ暗くなっているため、図4(b)に示す血管候補領域画像400では、共に血管候補領域404として抽出されている。そこで、しわ領域抽出部103では、血管領域抽出部102から出力される血管候補領域画像に示す血管候補領域における血管としわを区別するため、血管候補領域に含まれるしわ領域の一部の形状を示すしわ検出パターンを作成し(ステップS1021:しわ検出パターン作成工程)、作成したしわ検出パターンを用いて、血管候補領域に含まれるしわ領域を検出する(ステップS1022:しわ検出工程)。
以下、ステップS102におけるしわ領域抽出処理をより詳細に説明する。まず、しわ検出パターン作成部1031が、近赤外光画像101に撮影されている生体領域の形状に基づき、しわ領域の一部の形状を示すしわ検出パターンを1つ以上作成する(ステップS1021)。なお、しわ検出パターンは、画像データとし、作成したしわ検出パターンに対応する画素値を1、その他の画素値を0とすることで記憶しておく。
まず、図4(a)に示す近赤外光画像101における生体領域である腕領域を抽出する。近赤外光画像101において、腕領域以外の背景領域は、腕と異なり光源からの光を反射しないため画像中では最も暗く映っている。これは、腕上にある血管像やしわ像よりも遥かに暗い。従って、腕領域と背景領域を区別する輝度閾値TH2を算出し、輝度閾値TH2以上の輝度値を持つ画素位置を抽出することで腕領域を抽出することができる。なお、ここで用いる輝度閾値TH2は、事前に腕が存在しない状態の近赤外光画像を撮影し、その近赤外光画像における画素の最大輝度値よりも大きな値を設定しておけばよい。
そして、抽出した腕領域における腕の幅を算出する。腕の幅は、図4(a)に示す近赤外光画像101では、腕領域の垂直方向の幅となり、腕の方向に対して垂直に1ラインずつ、腕の方向にずらしながら各ラインの腕領域の幅を求め、求めた腕領域の幅を、値の大きさ順に並び替え、大きいほうから33%、小さいほうから33%の個数を除く値を平均することで算出する。
次に、算出した腕の幅を用いて、しわ検出パターンを作成する。腕の前肘部のしわは、図4(a)に示すように腕の方向に対し、必ず垂直方向(腕と交差する方向)にあるため、しわ検出パターンは、腕領域に対し垂直方向のライン状の形状とし、ラインの太さと長さは算出した腕の幅に比例させて作成する。
図5は、図4(a)に示す近赤外光画像101に対して、しわ検出パターン作成部1031が作成するしわ検出パターンの一例を示す図である。図中の斜線部がしわ検出パターンである。図5(a)は、腕領域に対し垂直なしわ検出パターンであり、しわ検出パターンの長さ501は、腕の幅を1/10とした整数値とし、しわ検出パターンの幅502は、しわ検出パターンの長さを1/5とした整数値に1を加えた値とすることで作成する。
また、しわは、直線ではなく腕の丸みのため緩やかにカーブして撮影されるので、図5(a)に示す腕領域に対し垂直なしわ検出パターンの中心位置を支点とし、時計回りおよび反時計回りに同じ角度で回転させたしわ検出パターンも作成する。図5(b)は、図5(a)のしわ検出パターンを時計回りに回転させたしわ検出パターンであり、図5(c)は、図5(a)のしわ検出パターンを反時計回りに回転させたしわ検出パターンである。
こうして、作成したしわ検出パターンをしわ検出部1032に出力する。なお、ここで示すしわ検出パターンや数値は、一例であり、対象となる生体部位やカメラレンズの歪み等に応じて設定すればよい。
また、説明において、近赤外光画像101では腕方向を水平方向としているが、水平方向の固定で無い場合は、腕領域の方向を算出し、腕領域の方向に垂直になるように、図5に示すしわ検出パターンを回転させて設定してもよい。腕領域の方向は、近赤外光画像の垂直方向に1ラインずつ、水平方向にずらしながら腕領域の中点を求め、求めた中点を結ぶ近似直線の傾きを求めることで算出することができる。
次に、しわ検出部1032は、しわ検出パターン作成部1031から出力されるしわ検出パターンを用いて、血管候補領域に1つ以上のしわ検出パターンを重ね合わせ、しわ検出パターンと一致する血管候補領域の画素位置をしわ領域として検出する(ステップS1022)。なお、近赤外光画像101と同サイズの画像メモリを用意しておき、検出されたしわ領域の位置情報は、しわ領域に対応する画素値を1、その他の画素値を0とすることで画像データ(しわ領域画像)として記憶しておく。
しわ領域の検出は、しわ検出パターンを血管候補領域に重ね合わせ、検出する処理を2回繰り返して行う。まず、1回目は、図6(a)に示すように、血管候補領域画像400全体に対し、しわ検出パターンがはみ出さない範囲で、しわ検出パターンを重ね合わせる位置601を画像上部から各水平ライン毎に、画像の左側から順に1画素ずつずらしていく。そして、各位置において、全てのしわ検出パターンを重ね合わせ、重ね合わせたしわ検出パターンと完全に一致する血管候補領域を第1のしわ検出領域として検出する。
次に、2回目は、1回目と同様に、血管候補領域画像400に対し、しわ検出パターンを重ね合わせる位置601をずらして行き、1回目に検出した第1のしわ検出領域の周辺の画素位置において、しわ検出パターンを重ね合わせ、重ね合わせたしわ検出パターンと血管候補領域とが所定の画素数以上一致している場合、しわ検出パターンに重なる血管候補領域を第2のしわ検出領域として検出する。そして、第1および第2のしわ検出領域から成る領域をしわ領域として抽出し、抽出したしわ領域を示すしわ領域画像を作成する。
なお、第1のしわ検出領域の周辺の画素位置は、血管候補領域画像400にしわ検出パターンを重ねた際、しわ検出パターンに対応する位置に1画素以上第1のしわ検出領域が存在する画素位置とし、また、判定に用いる所定の画素数は、しわ領域パターンの画素数の80%とする。このように、しわ領域を抽出することにより、しわ検出パターンと完全に一致しない、入り組んだ形状となるエッジ付近のしわ領域も、少ない数のしわ検出パターンで、抽出することが可能となる。
また、抽出したしわ領域において、画素が連結している連結領域毎に面積を求め、求めた面積が所定値以下の場合、その連結領域をしわ領域から除くようにしてもよい。こうすることで、細かい血管やノイズ等をしわ領域と誤抽出することを防ぐ。なお、連結領域の面積は、しわ領域画像に対して一般的なラベリング処理を行い、連結領域毎にラベルを付け、各連結領域において同一のラベルが付いている画素をカウントすることで求めることができる。また、面積と比較する所定値は、一例として血管候補領域の面積の5%の画素数で設定するものとする。そして、面積が所定値以下のラベルを持つ画素に対応するしわ領域画像の画素値を0に書き換える。
図6(b)は、図4(b)に示す血管候補領域画像400から抽出したしわ領域602を示すしわ領域画像600である。こうして抽出したしわ領域を示すしわ領域画像を血管領域確定部104に出力する。
次に、血管領域確定部104において、血管領域抽出部102から出力される血管候補領域画像に示す血管候補領域と、しわ領域抽出部103から出力されるしわ領域画像に示すしわ領域とを用いて、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域において、しわ領域と交わる境界画素を血管の走行方向に膨張させ、所定の条件で結合させることにより、しわ領域に重なる血管領域を推測し、しわ領域に重なる血管領域も含む近赤外光画像101における全ての血管領域を確定する(ステップS103)。
具体的には、境界検出部1041にて、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域を第1の血管検出領域とし、第1の血管検出領域としわ領域とが交わる境界画素を、境界画素に接している第1の血管検出領域毎にグループ分けして検出し(ステップS1031:境界検出工程)、膨張結合部1042では、しわ領域内で、グループ毎に境界画素を血管の走行方向に膨張させ、他のグループに属する境界画素から膨張させた膨張領域と結合させ(ステップS1032:膨張結合工程)、結合評価部1043において、膨張領域の結合状態を評価し、所定の条件を満たしている場合、結合している膨張領域に接する第1の血管検出領域どうしを対応付けし(ステップS1033:結合評価工程)、最後に、血管確定部1044で、対応付けされた第1の血管検出領域どうしを結ぶ領域を、しわと重なっている血管である第2の血管検出領域として求め、第1および第2の血管検出領域から成る領域を血管領域として確定する(ステップS1034:血管確定工程)。
以下、ステップS103における血管領域確定処理をより詳細に説明する。まず、境界検出部1041が、血管領域抽出部102から出力される血管候補領域画像に示す血管候補領域と、しわ領域抽出部103から出力されるしわ領域画像に示すしわ領域とを用いて、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域を第1の血管検出領域とし、第1の血管検出領域としわ領域とが交わる境界画素を、境界画素に接している第1の血管検出領域毎にグループ分けして検出する(ステップS1031)。なお、血管候補領域画像と同サイズの画像メモリを用意しておき、検出した境界画素は、境界画素に対応する位置の画素値を0以外のグループを示す値とし、その他の画素値は0とすることで画像データ(境界画素画像)として記憶しておく。
図7(a)は、図4(a)に示す近赤外光画像101における第1の血管検出領域を示し、図7(b)は、図7(a)における境界画素付近の一部を拡大した図である。また、図中の701は、第1の血管検出領域、702は、しわ領域、703および704は、境界画素を示す。
境界画素は、図7(b)に示すように、第1の血管検出領域としわ領域とが接する画素位置を探索することで検出する。具体的には、血管候補領域画像400としわ領域画像600とにおいて、左上画素位置から1ラインごとに右下方向に向かって走査し、注目画素位置が、しわ領域であり、かつ、注目画素位置の隣の画素が血管候補領域である画素を境界画素として検出する。注目画素位置の隣の画素位置とは、血管の走行方向が水平方向の場合は左もしくは右の画素であり、垂直方向の場合は上もしくは下の画素である。図7(a)の場合は、血管の走行方向が水平方向なので、注目画素位置がしわ領域であり、かつ、注目画素位置の左もしくは右の隣画素が、血管候補領域である場合、境界画素として検出される。
次に、境界画素に接している第1の血管検出領域毎に境界画素をグループ分けするために、境界画素の連結を調べるラベリング処理を行う。この際、しわ領域の両側に存在する境界画素がどちら側に接しているかを区別するために、境界画素に付けるラベルは、しわ領域の上部もしくは左部にある境界画素には1から順に値を大きくした値とし、しわ領域の下部もしくは右部にある境界画素には101から順に値を大きくした値とする。このようにラベルを付けることにより、後段のステップでは、ラベルの100の位を調べることにより、しわ領域のどちら側に接する境界画素であるかを判断することができる。なお、図7(b)においては、血管の走行方向が水平方向なので、しわ領域の左部に位置する境界画素703の領域のグループには1のラベルが、しわ領域の右部に位置する境界画素704の領域のグループには101のラベルが付けられているものとする。
そして、このように付けられたラベルを画素値とし、第1の血管検出領域毎にグループ分けされた境界画素を示す境界画素画像を、膨張結合部1042と血管確定部1044に出力する。
次に、膨張結合部1042では、血管領域抽出部102から出力される血管候補領域画像に示す血管候補領域と、しわ領域抽出部103から出力されるしわ領域画像に示すしわ領域と、境界検出部1041から出力される境界画素画像に示す境界画素とを用いて、しわ領域内で、第1の血管検出領域のグループ毎に境界画素を血管の走行方向に膨張させ、他のグループに属する境界画素から膨張させた膨張領域と結合させる(ステップS1032)。なお、血管候補領域画像と同サイズの画像メモリを用意しておき、結合させた膨張領域は、膨張領域に対応する位置の画素値を0以外の膨張領域に属する境界画素と同じグループを示す値とし、その他の画素値を0とすることで画像データ(膨張領域画像)として記憶しておく。
具体的に境界画素を膨張させる処理は、しわ領域の両側で1画素幅ずつ交互に境界画素をしわ領域の内側に向かって膨張させることで行い、さらに、同一グループで構成される境界画素の領域の幅が扇状に広がるように膨張させることで行う。この膨張領域の広がりは、しわ直下の生体内に存在する見えない血管が走行するであろう画素位置を示している。
まず、境界画素画像において、しわ領域の最も両端に位置する境界画素位置を探索する。図7(b)に示す境界画素画像では、しわ領域の最も左側に位置する境界画素位置と最も右側に位置する境界画素位置を探索する。そして、探索した両端の画素位置から交互に垂直方向に1ラインずつ、しわ領域の内側に向かって、境界画素を膨張させる。図8(a)は、境界画素を膨張させる順番を説明する図であり、801は、第1の血管検出領域を、802は、しわ領域を、803から806は、境界画素グループを示す。図8(a)において、境界画素の膨張は、まず、しわ領域の左側に位置する境界画素グループ803、境界画素グループ805、次いで、しわ領域の右側に位置する境界画素グループ804、境界画素グループ806の順に膨張させ、再度、境界画素グループ803に戻り同様の順で膨張させる。
また、境界画素の膨張は、図8(b)に示すように注目画素から伸びる3つの矢印の方向に対して行い、膨張先の画素がしわ領域であり、かつ、他の境界画素のグループから作成した膨張領域で無い場合、膨張先の画素値に注目画素の画素値を書き込むことで行う。そして、全ての境界画素において、膨張不可能となるまで膨張処理を繰り返し行う。
図8(c)は、図7(b)に示す境界画素に対して膨張させた膨張領域を示す図である。図中の807と808とは、膨張領域を示し、膨張領域807は境界画素703と、膨張領域808は境界画素704と、同じ画素値となっている。これにより、膨張領域の画素値の100の位を調べることで、しわ領域のどちらに接する境界画素から膨張させた膨張領域かを判断することが可能である。そして、こうして結合した膨張領域を示す膨張領域画像を結合評価部1043に出力する。
なお、説明では、図8(b)に示すように、1ラインずつ境界画素を3つの矢印の方向に膨張させたが、数ライン毎に3つの矢印の方向に膨張させてもよい。これは、しわ領域の幅に応じて、幅が広いほど3つの矢印方向に膨張させる間隔を広くとるように設定すればよい。
また、この境界画素を膨張させる方向を、膨張させる境界画素に接する第1の血管検出領域の走行方向に応じて調節してもよい。膨張領域の広がりは、血管が走行するであろう画素位置を示しているので、第1の血管検出領域の走行方向に応じて調節することで、精度を向上させることができる。これは、膨張させる境界画素に接する第1の血管検出領域の傾きに応じて調節を行う。傾きは、連結する境界画素の中点とそこから所定の距離はなれた第1の血管検出領域の中心線上の点の2点を結ぶ直線から求めることができる。そして、傾きを示す直線と図8(b)に示す3つの矢印のうち真ん中の矢印が重なるようにして、境界画素を膨張させるようにする。これにより、境界画素が接する血管の走行方向に応じて境界画素を膨張させることが可能となる。
次に、結合評価部1043は、膨張結合部1042から出力される膨張領域画像に示す膨張領域を用いて、膨張領域の結合状態を評価し、所定の条件を満たしている場合、結合している膨張領域に接する第1の血管検出領域どうしを対応付ける(ステップS1033)。なお、対応付けしたデータは、対応付けされた第1の血管検出領域に接する膨張領域の画素値を一対の対応データとし、対応付けされた個数分の対応データを格納する対応テーブルで記憶しておく。
結合状態を評価する所定の条件は、評価する膨張領域が、しわ領域の反対側に接する境界画素から膨張させた膨張領域と一対一で結合しているものとする。
図9は、結合評価部1043が評価する結合した膨張領域を示す図である。図中の901は、しわ領域の左側に接する境界画素から膨張させた膨張領域、902は、しわ領域の右側に接する境界画素から膨張させた膨張領域、903は、第1の血管検出領域、904は、しわ領域を示す。
図9(a)に示すように、しわ領域の両側の境界画素から膨張させた膨張領域が一対一で結合している場合は、条件を満たしていると判断する。ただし、図9(b)のように、複数の膨張領域と結合している場合、図9(c)のように、しわ領域の同じ側に接する境界画素から膨張させた膨張領域が結合している場合や、図9(d)のように、どの膨張領域とも結合していない場合は、条件を満たしていないと判断する。
具体的には、0で初期化されている対応テーブルを用いて、まず、膨張領域画像の全画素を探索し、画素値の100の位が0となっているしわ領域の左側に接する境界画素から膨張させた膨張領域を見つけ、見つけた膨張領域の画素値を対応テーブルに書き込む。次に、膨張領域画像を走査し、対応テーブルに書き込んだ画素値を持つ膨張領域の各画素位置において、連結する8近傍画素の画素値を調べ、自身以外の膨張領域を示す画素値があった場合、その膨張領域の画素値を、対応テーブルの対応する位置に書き込む。ただし、書き込みは、書き込み位置の値が0の場合のみ行い、書き込もうとしている値以外の値が既に書き込まれていた場合は−1を書き込む。
この一連の処理を行うことで、図9(a)に示す結合状態のみ満たす膨張領域を示す対応テーブルを作成することができる。対応テーブルを参照する際は、対応データの2つの膨張領域の画素値が共に0または−1でない値を調べることで、対応付けされた膨張領域を知ることができる。そして、こうして作成した対応テーブルを、血管確定部1044に出力する。
次に、血管確定部1044は、血管領域抽出部102から出力される血管候補領域画像に示す血管候補領域と、しわ領域抽出部103から出力されるしわ領域画像に示すしわ領域と、境界検出部1041から出力される境界画素画像に示す境界画素と、結合評価部1043から出力される対応テーブルとを用いて、対応付けされた第1の血管検出領域どうしを結ぶ領域を、しわと重なっている血管である第2の血管検出領域として求め、第1と第2の血管検出領域から成る領域を血管領域として確定する(ステップS1034)。なお、血管候補領域画像と同サイズの画像メモリを用意しておき、確定した血管領域は、血管領域に対応する位置の画素値を0以外の血管領域を示す値とし、その他の画素値を0とすることで画像データ(血管領域画像)として記憶しておく。
具体的には、対応付けされた第1の血管検出領域に接する境界画素の両端どうしを直線で結び、その両端を結ぶ2直線と、2直線で囲まれるしわ領域を第2の血管検出領域として求める。これは、対応テーブルの対応データに示す一対の画素値をもつ各境界画素の両端を直線で結ぶことで行う。図10(a)は、図7(b)の境界画素を示す図における第2の血管検出領域を説明する図であり、対応付けされた図7(b)に示す境界画素703の領域のグループと境界画素704の領域のグループの両端の画素を、それぞれ直線1001と直線1002で結び、その2直線と、直線1001と直線1002とに囲まれるしわ領域1003を第2の血管検出領域とする。
そして、第1および第2の血管検出領域から成る領域を血管領域として確定し、確定した血管領域を示す血管領域画像を作成する。なお、血管領域画像は、第1の血管検出領域および第2の血管検出領域における画素値を異なる値として記憶しておく。例えば、第1の血管領域を1、第2の血管領域を2とする。図10(b)は、図4(a)に示す近赤外光画像101に対して作成した血管領域画像1000である。図中の1004は、第1の血管検出領域、1005は、第2の血管検出領域を示す。こうして作成した血管領域画像を強調画像作成部105に出力する。
なお、これまで、入力される近赤外光画像101において、しわが含まれる場合を説明してきたが、しわが無い場合は、血管領域確定部104に入力されるしわ領域画像は、しわ領域が無い全て0の画素値となるため、血管領域画像に示す血管領域は第1の血管検出領域のみで構成される。
また、入力される近赤外光画像101においては、しわが1本存在する場合を説明してきたが、しわが複数本存在する場合は、画素が連結しているしわ領域毎にステップS1031からステップS1034の処理を繰り返し行い、最後に確定した全ての血管領域を合成することで近赤外光画像101における血管領域を確定すればよい。なお、画素の連結は、ラベリング処理を用いることで知ることができる。
次に、強調画像作成部105において、血管領域確定部104から出力される血管領域画像に示す血管領域を用いて、近赤外光画像101における血管領域を強調した強調画像を作成する(ステップS104)。
なお、作成する強調画像は、1画素がRGB各8bitの輝度値を持つカラー画像とし、近赤外光画像の第1の血管検出領域と第2の血管検出領域とを色分けして強調する。一例として、第1の血管検出領域の画素は赤色成分を強調し、第2の血管検出領域の画素は青色成分を強調することで、区別する。
各画素の強調処理は、第1および第2の血管検出領域を示す血管領域画像の各画素値を参照し、第1および第2の血管検出領域以外の画素は、RGB値ともに近赤外光画像の輝度値をそれぞれ代入し、第1および第2の血管検出領域は、近赤外光画像の輝度値から強調する色成分の色情報を相対的に大きくすることで行う。具体的には、第1の血管検出領域の赤色成分を強調する場合は、R値は近赤外光画像の輝度値を、G値とB値は近赤外光画像の輝度値から所定の値を減算した値を代入することで行う。この際、近赤外光画像の輝度値から減算する所定の値が大きいほど、R値が相対的に大きくなるため、より強く強調されることとなる。この減算する値は、観察者が最も区別しやすい値を予め設定しておけばよい。なお、減算結果が負の場合は0を代入する。同様に、第2の血管検出領域の画素の青色成分を強調する場合はB値を相対的に大きくすればよい。このように強調画像を作成することで、確実に血管位置である第1の血管検出領域と、推測した血管位置である第2の血管検出領域を区別して観察者に知らせることが可能となる。こうして作成した強調画像を、強調画像106として血管位置提示装置100から出力する。
なお、説明では、第1および第2の血管検出領域を色分けして強調画像を作成したが、色分けせず同一の色で強調しても問題はない。
また、推測した血管位置である第2の血管検出領域において、確実さに応じて強調する強さを変更してもよい。これは、第2の血管検出領域に接する境界画素と、この境界画素と対応付けされていない他のグループに属する境界画素との距離に応じて強調の強さを変更することで行い、距離が近づくほど強調を弱めるようにする。距離が近づくほど、対応付けされている第1の血管検出領域以外の血管検出領域と結合している可能性が増加するためである。具体的には、ステップS1034において血管領域画像を作成する際、第2の血管検出領域に含まれる各境界画素位置において、境界画素から所定の範囲を調べ、その範囲内に、対応付けされていない他のグループに属する境界画素があるかどうかの判定を行い、無い場合は、その境界画素を含む第2の血管検出領域の画素値を2とし、ある場合は、画素値を3としておく。そして、血管領域画像の第2の血管検出領域を強調する際、画素値が2となっている画素は、B値を相対的に所定の値大きくし、画素値が3となっている画素は、B値を相対的に所定の値の半分大きくすることで、第2の血管検出領域の強調の強さを変更する。
以上のステップS101からステップS104の一連の処理を行うことで、近赤外光画像における血管像としわ像を確実に区別し、しわ像と重なり見えない血管も含めた血管領域を抽出し、近赤外光画像の血管領域を強調した強調画像を得ることが可能となる。
なお、実施の形態1では、腕の前肘部を撮影した近赤外光画像を用いて説明を行ったが、腕部位に限ったものではなく、腕以外の部位、例えば、指等でも同様の効果を得ることが可能である。
[実施の形態2]
図11は、本発明の実施の形態2の血管位置提示装置の要部概略構成を示すブロック図である。図11の血管位置提示装置1100は、例えば、コンピュータ等により形成され、血管領域抽出部(血管領域抽出手段)102、しわ領域抽出部(しわ領域抽出手段)103、血管領域確定部(血管領域確定手段)104、画像回転部(画像回転手段)1101および強調画像作成部(強調画像作成手段)1102を含んで構成される。また、さらに、しわ領域抽出部103は、しわ検出パターン作成部(しわ検出パターン作成手段)1031としわ検出部(しわ検出手段)1032とを含み、血管領域確定部104は、境界検出部(境界検出手段)1041、膨張結合部(膨張結合手段)1042、結合評価部(結合評価手段)1043および血管確定部(血管確定手段)1044を含んで構成される。本実施形態の説明においては、図1に示す実施の形態1で説明した同じ構成のものについては同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。
図1に示す実施の形態1の血管位置提示装置100の構成と異なる点は、画像回転部1101が新しく追加された点である。画像回転部1101は、入力される近赤外光画像101を、近赤外光画像101に撮影されている生体領域の方向が水平又は垂直方向に向くように回転させ、回転させた近赤外光画像を、血管領域抽出部102としわ領域抽出部103とに出力する。また、回転角度を強調画像作成部1102に出力する。そして、画像回転部1101から出力される回転させた近赤外光画像に対し、血管領域抽出部102は血管候補領域を抽出し、しわ領域抽出部103はしわ領域を抽出する。また、強調画像作成部1102は、血管領域確定部104から出力される回転させた近赤外光画像に対して確定した血管領域から、画像回転部1101から出力される回転角度を元に、近赤外光画像101における血管領域を特定し、近赤外光画像101の血管領域を強調した強調画像106を出力する。このように、回転させた近赤外光画像を用いることで、血管位置提示装置1100に入力される近赤外光画像101において、生体がどの方向に向いていても、パラメータを変更することなく同一の処理で、近赤外光画像101の血管領域を強調した強調画像を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態2の血管位置提示装置1100の動作について図12を用いて詳細に説明する。図12は、本発明の実施の形態2の血管位置提示装置1100が行う処理を説明するためのフローチャートである。図12のフローチャートは、ステップS201ないしステップS205からなり、ステップS201は、画像回転工程の一例を、ステップS202は、血管領域抽出工程の一例を、ステップS2031からステップS2032からなるステップS203は、しわ領域抽出工程の一例を、ステップS2041からステップS2044からなるステップS204は、血管領域確定工程の一例を、ステップS205は、強調画像作成工程の一例を、それぞれ示す。
以下、実施の形態1と同様に、前肘部付近の腕を撮影した近赤外光画像に対して処理を行う場合を例としてフローチャートに従って詳細に説明する。ただし、近赤外光画像に撮影されている腕は、画像に対し水平方向ではなく傾いているものとする。
まず、画像回転部1101において、入力された近赤外光画像101を、近赤外光画像101に撮影されている生体領域の方向が水平又は垂直方向に向くように回転させる(ステップS201)。
図13(a)は、傾いた腕が撮影された近赤外光画像101であり、腕403に血管401としわ402とが撮影されている。図13(a)に示すような近赤外光画像101が入力されると、画像回転部1101は、まず、近赤外光画像101における生体領域である腕領域を抽出する。これは、実施の形態1のステップS1021と同様に、腕領域と背景領域を区別する輝度閾値TH2を用いて、腕領域を抽出する。そして、画像回転部1101は、近赤外光画像の垂直方向に1ラインずつ、水平方向にずらしながら腕領域の中点を求める。この際、垂直方向1ラインの上端および下端の画素が背景領域である1ラインで求めた中点のみ有効とする。もし、有効となる中点が全く得られなかった場合は、近赤外光画像の水平方向に1ラインずつ、垂直方向にずらしながら腕領域の中点を求め、水平方向1ラインの左端および右端の画素が背景領域である1ラインで求めた中点のみ有効とする。
そして、有効な中点からなる近似直線の傾きを腕領域の方向とし、腕領域の方向を示す直線が、中点を垂直方向のラインで求めている場合は、画像の水平方向の直線と、中点を水平方向のラインで求めている場合は、画像の垂直方向の直線と、平行になるように近赤外光画像101を、画像の中心を支点として回転させる。図13(b)は、図13(a)に示す近赤外光画像101に対する回転の処理を説明する図である。近赤外光画像101の垂直方向に1ラインずつ水平方向にずらしながら、有効範囲1301の腕領域における中点を求め、求めた中点からなる近似直線1302と画像の水平方向を示す直線1303との角度αを時計回りに近赤外光画像101を回転させる。
なお、近赤外光画像101の回転は、一般的に良く用いられている2次元のアフィン変換を用いて行う。アフィン変換は、変換前の座標を(x,y)、変換後の座標を(x’,y’)、反時計回りの回転角度をθとした場合、次のように表される。
x’=x×cosθ+y×sinθ
y’=−x×sinθ+y×cosθ
図13(c)は、図13(a)に示す近赤外光画像101を時計回りに画像の中心を支点として角度α回転させた近赤外光画像1300である。なお、近赤外光画像101に対応しない斜線領域1304の画素値は0とする。
そして、こうして回転させた近赤外光画像を血管領域抽出部102としわ領域抽出部103とに出力する。また、回転角度を強調画像作成部1102に出力する。
次に、図2のステップS101と同様に、血管領域抽出部102において、画像回転部1101から出力される回転された近赤外光画像に対して、相対的に周辺画素よりも輝度値が小さくなっている画素位置を血管候補領域として抽出する(ステップS202)。なお、血管候補領域を抽出する処理は、図2のステップS101と同様のため説明を省略する。そして、抽出した血管候補領域を示す血管候補領域画像をしわ領域抽出部103と血管領域確定部104とに出力する。
次に、図2のステップS102と同様に、しわ領域抽出部103において、血管領域抽出部から出力された血管候補領域画像に示す血管候補領域に含まれているしわ領域を抽出する(ステップS203)。
具体的には、画像回転部1101から出力される回転させた近赤外光画像を用いて、しわ検出パターン作成部1031は、図2のステップS1021と同様に、血管候補領域に含まれるしわ領域の一部の形状を示すしわ検出パターンを作成し(ステップS2031:しわ検出パターン作成工程)、しわ検出部1032は、図2のステップS1022と同様に、作成したしわ検出パターンを用いて、血管候補領域に含まれるしわ領域を検出する(ステップS2032:しわ検出工程)。そして、検出したしわ領域を示すしわ領域画像を血管領域確定部104に出力する。
次に、図2のステップS103と同様に、血管領域確定部104において、血管領域抽出部102から出力される血管候補領域画像に示す血管候補領域と、しわ領域抽出部103から出力されるしわ領域画像に示すしわ領域とを用いて、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域において、しわ領域と交わる境界画素を血管の走行方向に膨張させ、所定の条件で結合させることにより、しわ領域に重なる血管領域を推測し、しわ領域に重なる血管領域も含む回転させた近赤外光画像における全ての血管領域を確定する(ステップS204)。
具体的には、図2のステップS1031と同様に、境界検出部1041にて、血管候補領域からしわ領域を取り除いた領域を第1の血管検出領域とし、第1の血管検出領域としわ領域が交わる境界画素を、境界画素に接している第1の血管検出領域毎にグループ分けして検出し(ステップS2041:境界検出工程)、図2のステップS1032と同様に、膨張結合部1042では、しわ領域内で、グループ毎に境界画素を血管の走行方向に膨張させ、他のグループに属する境界画素から膨張させた膨張領域と結合させ(ステップS2042:膨張結合工程)、図2のステップS1033と同様に、結合評価部1043において、膨張領域の結合状態を評価し、所定の条件を満たしている場合、結合している膨張領域に接する第1の血管検出領域どうしを対応付けし(ステップS2043:結合評価工程)、最後に、図2のステップS1034と同様に、血管確定部1044で、対応付けされた第1の血管検出領域どうしを結ぶ領域を、しわと重なっている第2の血管検出領域として求め、第1と第2の血管検出領域から成る領域を血管領域として確定する(ステップS2044:血管確定工程)。そして、確定した血管領域を示す血管領域画像を強調画像作成部1102に出力する。
次に、強調画像作成部1102において、画像回転部1101から出力される近赤外光画像101を回転させた回転角度と、血管領域確定部104から出力される血管領域画像に示す血管領域を用いて、近赤外光画像101における血管領域を強調した強調画像を作成する(ステップS205)。
なお、血管領域確定部104から出力される血管領域は、画像回転部1101にて回転させた近赤外光画像に対する血管領域であるため、まず、画像回転部1101から出力される回転角度を用いて、強調する近赤外光画像101に対応する画素位置に変換する。
これは、画像回転部1101にて近赤外光画像101を回転させたのとは逆向きに、画像回転部1101から出力される回転角度で、血管領域確定部104から出力される血管領域画像を画像の中心を支点として回転させることで行う。なお、血管領域画像の回転は、ステップS201と同様に、2次元のアフィン変換を用いて行う。
そして、近赤外光画像101に対応させた血管領域を用いて、図2のステップS104と同様に、近赤外光画像101の血管領域を強調させた強調画像を作成し、強調画像106として血管位置提示装置1100から出力する。
以上のステップS201からステップS205の一連の処理を行うことで、生体がどの方向に向いていても、パラメータを変更することなく同一の処理で、近赤外光画像における血管像としわ像とを確実に区別し、しわ像と重なり見えない血管も含めた血管領域を抽出し、近赤外光画像の血管領域を強調した強調画像を得ることが可能となる。
なお、実施の形態2では、腕の前肘部を撮影した近赤外光画像を用いて説明を行ったが、実施の形態1と同様に、腕部位に限ったものではなく、腕以外の部位、例えば指等でも同様の効果を得ることが可能である。
本発明にかかる血管位置提示装置及び血管位置提示方法によれば、近赤外光画像における血管領域としわ領域を確実に区別し、しわと重なり見えない血管も含めた血管領域も強調した画像を確実に得ることができるので、生体の血管位置を画像で取得する装置等として有用である。
本発明の実施の形態1における血管位置提示装置のブロック図。 本発明の実施の形態1における血管位置提示方法を説明するフローチャート。 (a)、(b)は、図1に含まれる血管領域抽出部が行う血管領域抽出処理を説明する図。 (a)、(b)は、本発明の実施の形態1における近赤外光画像と血管候補領域画像とを示す図。 (a)〜(c)は、図1に含まれるしわ検出パターン作成部が作成したしわ検出パターンを示す図。 (a)、(b)は、図1に含まれるしわ検出部が行うしわ検出処理を説明する図。 (a)、(b)は、図1に含まれる境界検出部が行う境界画素の検出処理を説明する図。 (a)〜(c)は、図1に含まれる膨張結合部が行う境界画素の膨張処理を説明する図。 (a)〜(d)は、図1に含まれる結合評価部が評価を行う結合した膨張領域を示す図。 (a)、(b)は、図1に含まれる血管確定部が行う血管領域の確定処理を説明する図。 本発明の実施の形態2における血管位置提示装置のブロック図。 本発明の実施の形態2における血管位置提示方法を説明するフローチャート。 (a)〜(c)は、図11に含まれる画像回転部が行う近赤外光画像の回転処理を説明する図。 従来の静脈パターン検出装置を示すブロック図。
符号の説明
100 血管位置提示装置
101 近赤外光画像
102 血管領域抽出部(血管領域抽出手段)
103 しわ領域抽出部(しわ領域抽出手段)
1031 しわ検出パターン作成部(しわ検出パターン作成手段)
1032 しわ検出部(しわ検出手段)
104 血管領域確定部(血管領域確定手段)
1041 境界検出部(境界検出手段)
1042 膨張結合部(膨張結合手段)
1043 結合評価部(結合評価手段)
1044 血管確定部(血管確定手段)
105 強調画像作成部(強調画像作成手段)
106 強調画像
300 近赤外光画像
301 血管
302 皮膚
303 注目範囲
400 血管候補領域画像
401 血管
402 しわ
403 腕
404 血管候補領域
501 しわ検出パターンの長さ
502 しわ検出パターンの幅
600 しわ領域画像
601 しわ検出パターンを重ね合わせる位置
602 しわ領域
701 第1の血管検出領域
702 しわ領域
703,704 境界画素
801 第1の血管検出領域
802 しわ領域
803,804,805,806 境界画素グループ
807,808 膨張領域
901 しわ領域の左側に接する境界画素から膨張させた膨張領域
902 しわ領域の右側に接する境界画素から膨張させた膨張領域
903 第1の血管検出領域
904 しわ領域
1000 血管領域画像
1001,1002 境界画素の両端を結ぶ直線
1003 しわ領域
1004 第1の血管検出領域
1005 第2の血管検出領域
1100 血管位置提示装置
1101 画像回転部(画像回転手段)
1102 強調画像作成部(強調画像作成手段)
1300 近赤外光画像
1301 有効範囲
1302 近似直線
1303 画像の水平方向を示す直線
1304 近赤外光画像101に対応しない領域
11 指
12−1 近赤外光LED
12−2、12−3 可視光LED
13−1 ダイクロイックミラー
14−1 反射鏡
15 レンズ
16−1 CCD撮像装置
16−2 モニタ
17 制御装置
17−1 演算器
18−1 データ入力装置
18−2 メモリ
18−3 データベース
19−1、19−2 インタフェース
TH1,TH2 輝度閾値

Claims (20)

  1. 近赤外光を生体領域に照射し、反射光又は透過光の近赤外波長成分を撮像した近赤外光画像に対して、周辺画素よりも相対的に輝度値が小さい画素位置を血管候補領域として抽出する血管領域抽出手段と、
    しわ領域の形状を示すしわ検出パターンに基づいて、前記血管候補領域に含まれるしわ領域を抽出するしわ領域抽出手段と、
    前記血管候補領域から前記しわ領域を取り除いた領域と前記しわ領域との境界に位置する境界画素を前記しわ領域において血管の走行方向に沿って膨張させた領域と、前記血管候補領域から前記しわ領域を取り除いた領域と、を血管領域として確定する血管領域確定手段と、
    を備えている、血管位置提示装置。
  2. 前記血管領域確定手段は、
    前記血管候補領域から前記しわ領域を取り除いた第1の血管検出領域と前記しわ領域との境界に位置する1つまたは1つ以上が連結する境界画素を1つのグループとして検出する境界検出手段と、
    前記しわ領域において、前記境界画素を前記血管の走行方向に沿って膨張させた膨張領域と他のグループに属する前記境界画素を膨張させた膨張領域とを結合させる膨張結合手段と、
    前記膨張領域どうしの結合状態が所定の条件を満たしている場合に、前記膨張領域に接する前記第1の血管検出領域どうしを対応付ける結合評価手段と、
    前記対応付けされた前記第1の血管検出領域どうしを結んだ第2の血管検出領域と、前記第1の血管検出領域と、を血管領域として確定する血管確定手段と、
    を有している、
    請求項1に記載の血管位置提示装置。
  3. 前記膨張結合手段は、前記しわ領域において前記血管の走行方向における両側から1画素幅ずつ交互に前記しわ領域の内側に向かって膨張させ、同一グループで構成される前記膨張領域の幅が扇状に広がるように膨張させる、
    請求項2に記載の血管位置提示装置。
  4. 前記膨張結合手段は、前記境界画素を膨張させる方向を、前記境界画素に接する前記第1の血管検出領域の走行方向に応じて調節する、
    請求項3に記載の血管位置提示装置。
  5. 前記結合評価手段は、前記しわ領域を挟んで互いに対向する位置の前記境界画素から膨張させた前記膨張領域が一対一で結合するとき、前記第1の血管検出領域どうしを結合する、
    請求項2に記載の血管位置提示装置。
  6. 前記血管確定手段は、対応付けされた前記第1の血管検出領域に接する前記境界画素の両端どうしを直線で結び、その両端を結ぶ2直線と前記2直線で囲まれる領域とを第2の血管検出領域として求める、
    請求項3記載の血管位置提示装置。
  7. 前記血管領域確定手段において確定された前記血管領域に基づいて、前記近赤外光画像において前記血管領域を強調した画像を作成する強調画像作成手段をさらに備えている、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の血管位置提示装置。
  8. 前記しわ領域抽出手段は、
    前記近赤外光画像に撮影されている前記生体領域の形状に基づき、前記しわ領域の一部の形状を示すしわ検出パターンを1つ以上作成するしわ検出パターン作成手段と、
    前記血管候補領域に1つ以上の前記しわ検出パターンを重ね合わせ、前記しわ検出パターンと一致する画素位置をしわ領域として検出するしわ検出手段と、
    を有している、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の血管位置提示装置。
  9. 前記しわ検出パターン作成手段は、前記生体領域の方向に対し交差する方向に沿ったライン状の形状とし、前記ラインの太さおよび長さは、前記生体領域の幅に比例させて前記しわ検出パターンを作成する、
    請求項8に記載の血管位置提示装置。
  10. 前記しわ検出パターン作成手段は、前記生体領域の方向に交差する方向の第1しわ検出パターンと、前記第1しわ検出パターンの中心位置を支点とし、時計回りおよび反時計回りにそれぞれ同じ角度で回転させた第2しわ検出パターンと、を作成する、
    請求項8または9に記載の血管位置提示装置。
  11. 前記しわ検出手段は、前記血管候補領域に前記しわ検出パターンを重ね合わせ、前記しわ検出パターンと完全に一致する前記血管候補領域を第1のしわ検出領域として検出し、検出した前記第1のしわ検出領域の周辺の前記血管候補領域において、再度前記しわ検出パターンを重ね合わせ、所定の画素数以上一致している場合、前記しわ検出パターンに重なる前記血管候補領域を第2のしわ検出領域として検出し、前記第1および第2のしわ検出領域から成る領域を前記近赤外光画像における前記しわ領域とする、
    請求項8に記載の血管位置提示装置。
  12. 前記しわ検出手段は、前記第1のしわ検出領域あるいは前記第2のしわ検出領域において画素が連結している連結領域毎に面積を求め、前記連結領域の面積が所定値以下の場合、前記連結領域を前記第1のしわ検出領域あるいは前記第2のしわ検出領域から除く、
    請求項11に記載の血管位置提示装置。
  13. 前記強調画像作成手段は、前記血管領域における前記第1の血管検出領域と前記第2の血管検出領域とを区別可能に強調する、
    請求項7に記載の血管位置提示装置。
  14. 前記強調画像作成手段は、前記第2の血管検出領域を強調する際、前記第2の血管検出領域に接する前記境界画素と、前記境界画素と対応付けされていない他のグループに属する前記境界画素との距離に応じて強調の強さを変更する、
    請求項13に記載の血管位置提示装置。
  15. 前記近赤外光画像に撮影されている前記生体領域の方向が水平又は垂直方向に向くように、前記近赤外光画像を回転させる画像回転手段をさらに備え、
    前記血管領域抽出手段は、回転させた前記近赤外光画像から前記血管候補領域を抽出し、前記しわ領域抽出手段は、回転させた前記近赤外光画像から前記しわ領域を抽出する、
    請求項1から14のいずれか1項に記載の血管位置提示装置。
  16. 近赤外光を生体領域に照射し、反射光又は透過光の近赤外波長成分を撮像した近赤外光画像に対して、周辺画素よりも相対的に輝度値が小さい画素位置を血管候補領域として抽出する血管領域抽出工程と、
    しわ領域の形状を示すしわ検出パターンに基づいて、前記血管候補領域に含まれるしわ領域を抽出するしわ領域抽出工程と、
    前記血管候補領域から前記しわ領域を取り除いた領域と前記しわ領域との境界に位置する境界画素を前記しわ領域において血管の走行方向に沿って膨張させた領域と、前記血管候補領域から前記しわ領域を取り除いた領域と、を血管領域として確定する血管領域確定工程と、
    を備えている血管位置提示方法。
  17. 前記血管領域確定工程は、
    前記血管候補領域から前記しわ領域を取り除いた第1の血管検出領域と前記しわ領域との境界に位置する1つまたは1つ以上が連結する境界画素を1つのグループとして検出する境界検出工程と、
    前記しわ領域において、前記境界画素を前記血管の走行方向に沿って膨張させた膨張領域と他のグループに属する前記境界画素を膨張させた膨張領域とを結合させる膨張結合工程と、
    前記膨張領域どうしの結合状態が所定の条件を満たしている場合に、前記膨張領域に接する前記第1の血管検出領域どうしを対応付ける結合評価工程と、
    前記対応付けされた前記第1の血管検出領域どうしを結んだ第2の血管検出領域と、前記第1の血管検出領域と、を血管領域として確定する血管確定工程と、
    を有している、請求項16に記載の血管位置提示方法。
  18. 前記しわ領域抽出工程は、
    前記近赤外光画像に撮影されている前記生体領域の形状に基づき、前記しわ領域の一部の形状を示すしわ検出パターンを1つ以上作成するしわ検出パターン作成工程と、
    前記血管候補領域に1つ以上の前記しわ検出パターンを重ね合わせ、前記しわ検出パターンと一致する画素位置をしわ領域として検出するしわ検出工程と、
    を有している、請求項16または17に記載の血管位置提示方法。
  19. 前記血管領域確定工程において確定された前記血管領域に基づいて、前記近赤外光画像において前記血管領域を強調した画像を作成する強調画像作成工程をさらに備えている、
    請求項16から18のいずれか1項に記載の血管位置提示方法。
  20. 前記近赤外光画像に撮影されている前記生体領域の方向が水平又は垂直方向に向くように、前記近赤外光画像を回転させる画像回転工程をさらに備え、
    前記血管領域抽出工程は、回転させた前記近赤外光画像から前記血管候補領域を抽出し、前記しわ領域抽出工程は、回転させた前記近赤外光画像から前記しわ領域を抽出する、
    請求項16から19のいずれか1項に記載の血管位置提示方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011206088A (ja) * 2010-03-27 2011-10-20 Kyokko Denki Kk 血液採取装置
EP2453385A2 (en) 2010-11-12 2012-05-16 Hitachi, Ltd. Personal identification device and method
JP2012130584A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Genial Light Co Ltd 生体内観察装置
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