JP2009168480A - 流量センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流量センサ30がカテーテル11内に組み込まれている。流量センサ30はフィルム状基板31上に形成したヒータ32と、ヒータ32に電力を供給する配線34とからなる。また、フィルム基板31はカテーテル11の内壁に沿うように配置されている。また、センサ基板上31に形成したヒータ32の熱絶縁を図るために、ヒータ32の外周部に、熱絶縁用の空洞33が形成されている。
【選択図】 図2
Description
また、半導体微細加工技術を応用展開したマイクロマシニング技術を用いることでマイクロポンプおよび流量センサなどの流体機械を小型化及び集積化する技術が開発されている。例えば、下記特許文献2ではマイクロマシニング技術で作製した小型の片持ち梁構造体を流量センサに適用した例が述べられている。また、下記非特許文献1では管内の流量を計測するために、ホトリソグラフィーで形成したホットワイヤー(ヒータ)を基板表面から立ち上げ、これを管内中央部に設置するという手法が述べられている。また、下記特許文献3では、マイクロマシニング技術で作製した小型のダイアフラム型の流量センサ構造が述べられている。また、下記特許文献4では、フレキシブル基板に形成したヒータを管内壁面に実装し、これにより管内の流量を検出するという手法が述べられている。また、下記特許文献3および下記特許文献5には、ダイアフラム構造を用いて熱絶縁を図るという手法が提案されている。
特許文献2(特開2002-257606)、非特許文献1、特許文献3(特開2000-275076)は、工業的な配管内を流れる流量を計測する手段に着目した従来技術である。これらの流量センサは何れもマイクロマシニング技術を用いているためにセンサの小型化が可能であり、センサを管中央部に設置することで管内の流量を計測している。例えば、非特許文献1では、単結晶シリコン基板表面から立ち上げたホットワイヤーを管中央部に設置することで管内の流量を計測している。これらの三つの従来技術は、管内の流れを管中央部に設置したセンサで点情報として計測しているために、曲がり管での流量計測が難しい。このため、上記従来法では曲がりくねった経路からなる気管での流量計測に適用することができない。
特許文献4(特開2007-127538)では、フレキシブル基材にヒータを形成し、このフレキシブル基材を管内壁形状に沿うように管内壁に実装するような構造の流量センサが述べられている。本従来技術は、前記三つの従来技術とは異なり、流量を点ではなく線で検出するために、曲がりくねった配管でも流量を計測できるという特徴がある。しかしながら、元来、その用途は前記三つの従来例同様に、工業用途を目指したものであり、これを気道に挿入して用いるには、センサ構造の小型化をいかに図るかという問題がある。また、ヒータを形成したフレキシブル基板を直接配管内壁に実装しているために、ヒータ基板の熱絶縁が十分に考慮されていない。その結果、本従来技術では熱的な応答性が良くなく、一分間に10〜20回の往復呼吸をする肺機能評価をすることが難しいという問題もある。
従来から熱型のセンサに対しては、特許文献3(特開2000-275076)及び特許文献5(特開昭62-43522)に示されているように、ダイアフラム構造を用いて熱絶縁を図るという手法が提案されている。しかしながら、従来の熱絶縁ダイアフラム構造は何れも平面上に形成したヒータに対する構造であり、上記の管内の曲率を有する壁面に沿って実装するような流量センサに対してはそのまま適用することはできない。
以上をまとめて一言で述べると、従来法では、曲がり管計測を前提とした流量センサにおいて、センサの小型化が難しく、また、呼吸を計測するために十分な応答速度が得られないという問題があった。
上記目的に達成するために、本発明では、ヒータを形成したフレキシブル基材を、媒体が流れる管の内壁の形状に沿うように管内壁に実装し、その管内壁を囲む前記ヒータから発生する熱量が媒体により分散される状態を検出することで、管内の媒体流量を測定できる流量センサにおいて、前記ヒータと前記管との間に、前記ヒータから前記管方向に伝わる熱の絶縁を図るため、空洞が形成されていることを特徴とする。上記の流量センサにおいては、前記ヒータの抵抗変化を検出することで、管内の流量を検出するのがこのましい。本構成では、フレキシブル基材を管内壁形状に沿うように管内壁に実装しているために、流量を点ではなく線で検出するために、曲がりくねった配管でも流量を計測できるとともに、ヒータと管との間に熱絶縁用の空洞が形成されているために、ヒータ自体の熱容量で熱に対する応答性が決まり、その結果、100ミリ秒以下の高速応答を実現できるようになる。
また、他の構成では、一つ以上のヒータ及び一つ以上の検出器を形成したフレキシブル基材を、媒体が流れる管の内壁の形状に沿うように管内壁に実装し、その管内壁を囲む前記ヒータから発生する熱量が媒体により分散される状態を熱検出器が検出することで、管内の媒体流量を測定できる流量センサにおいて、前記ヒータと前記管との間に、前記ヒータから前記管方向に伝わる熱の絶縁を図るため、空洞が形成されていることを特徴とする。上記の流量センサにおいては、前記ヒータを通電加熱し、前記検出器の抵抗値変化を検出することで管内の流量を計測する、もしくは二つ以上設けた前記ヒータの差分信号を検出することで管内の流れを計測することがこのましい。この構成も上記の例と同様に、流量を線で検出し、かつ、ヒータ部分の熱絶縁を図っているために、曲り管での流量を100ミリ秒以下の高速応答で計測できるようになる。また、本構成では、ヒータが一つ以上もしくは検出器が一つ以上形成されているので、ヒータの差分信号もしくは一つ以上設置した検出器の差分信号を検出することで管内での流れの方向も検出できるようになる。
上記記載の流量センサにおいて、前記流量センサが気管支鏡用カテーテル先端部に取り付けられ、前記カテーテルを肺内に挿入し、局所的な肺機能測定をすることを特徴とする。また、局所的な肺機能測定をするときに、前記カテーテル先端部に取り付けたバルーンで前記カテーテルを前記気管支内に固定することがこのましい。本構成では、上記記載の細径(外径2ミリメートル以下)の流量センサを用いているために、気管支鏡カテーテル先端部に容易に取り付けることが可能である。また、局所的な肺機能測定も実現できる。
上記記載の流量センサにおいて、前記流量センサがステント構造に取り付けられ、前記ステント一体型流量センサを配管の中に挿入し、その後、前記ステントで前記流量センサを前記配管内に固定することを特徴とする。また、前記ステント一体型流量センサが気管支鏡用カテーテル先端部に取り付けられ、前記カテーテルを肺の中に挿入し、局所的な肺機能検査により呼吸器疾患の診断をすることを特徴とする。本構成では、上記記載の細径(外径2ミリメートル以下)の流量センサを用いているために、気管支鏡カテーテル先端部に容易に取り付けることが可能である。また、局所的な肺機能測定も実現できる。
上記記載の流量センサにおいて、前記ヒータと三つの既知抵抗とでブリッジ回路が構成される。前記ブリッジ回路は、流れがない状態では平衡状態になっており、流れが発生すると前記ブリッジのバランスが崩れ、その差分信号が演算増幅回路に入力され、前記入力信号に応じた出力信号がヒータセンサへと反映され、その結果、前記ヒータの温度が常に一定に保たれることを特徴とする。本方式では流れにより発生する演算増幅回路の出力波形を検出することで流量を換算する。本方式の最も大きな特徴は、フィードバック機構によりヒータの温度が常に一定に保たれるようになり、その結果、流れに対するセンサの追従性が格段に向上することである。
本発明の内視鏡用流量センサの使用概念を図1に示す。肺1における疾患部位を検出するとともに、その局所的な機能を評価するために、先ず、大きさ1センチメートル程度の内視鏡10を口から挿入する。その後、内視鏡を気管支2患部付近まで挿入した後、内視鏡10の先端部から内視鏡の外径より小さい流量センサ30を含むカテーテル11を伸ばし、より末端の気管支に挿入し、局所的な場所における肺機能評価を行う。なお、内視鏡10の大きさは内視鏡内に挿入する処置具の種類などに応じて決定するのが望ましい。
本発明の具現化した内視鏡用流量センサ30の構造を図2に示す。
局所場における肺機能を評価するための流量センサ30がカテーテル11内に組み込まれており、かつ、カテーテル11が内視鏡10内に設けた一つのルーメン12に配置されている。内視鏡にはレンズやライト等の内視鏡光学系14が備わっており、計測対象の気管支を観察しながらカテーテル11を挿入することが可能である。図には内視鏡10から該カテーテル11がルーメンから伸びでた構造を示してある。カテーテル11は流量センサ30と熱絶縁構造用空洞33と流路35とからなる。流量センサ30はフィルム基板31上に形成したヒータ32とヒータに電力を供給する配線34とからなる。また、フィルム基板31はカテーテル11の内壁に沿うように配置されており、これにより曲がり管での流量計測を可能にするとともに、センサ設置による管内での流れの乱れを極限まで低減している。また、カテーテル11にはフィルム基板31上に形成したヒータ32の熱絶縁を図るために、ヒータ外周部に空洞33が形成されている。空洞33を形成するためにカテーテル構造体は樹脂材による二重構造になっている。これにより、ヒータ基板に対する熱絶縁が図られ、一分間に10〜20回の呼吸をする肺機能評価が可能となる。また、カテーテル11には管内での流れが流出入させるための流路35も設けられている。以上のような流量センサ構造を用いることで、曲がりくねった気管支における流量計測が可能となる。残された課題は上記カテーテル構造をいかにして外径2ミリメートル以下の大きさに実現するかという手段である。これについては、以下に図3を用いて説明する。
なお、図2にはヒータ32のみを管内に配置した場合を示したが、用途に応じて、複数のヒータ線を設ける、もしくはヒータ両側に検出用の抵抗線を設けることもでき、これにより流れの方向を検出するとともに、応答性の向上を図ることができるという特徴がある。また、図には円筒状の管を用いた場合を示したが、これ以外の形状の管(例えば、楕円および四角形断面)の場合でも、本センサはフレキシブル基板31の柔軟性を活かして、管内壁構造に応じて変形させ、内壁に適応させることもできる。従って、管内壁上に設置するセンサ形態も測定したい管の形状に応じて変更することが望ましい。
図3(a) において、先ず、ホトリソグラフィーを用いて厚さ数十ミクロンのポリイミドフィルム基板上に金属薄膜ヒータを形成し、流量センサを作製する。その後、フィルム状の流量センサ30を熱収縮チューブ13の中に入れる。この場合、熱収縮チューブの大きさは、例えば、内径3ミリメートル、外径3。5ミリメートルと大きく、フィルム状の流量センサ30を容易に挿入できる。フィルム状の流量センサ30を管内に挿入したときの断面図を図の右側に示してある。このように、本手法では、挿入時に、フィルム状の流量センサ30を配管内壁に沿う必要がなく、単に、直線状フィルムを管内に挿入すればよく、容易な操作になっている。また、熱収縮チューブ13の一部にはヒータの熱絶縁を図るための空洞形成用スリット36が形成されている。なお、熱収縮チューブの大きさ及び材質、流量センサの大きさは、適宜、カテーテルの使用サイズに応じて決定されることが望ましい。
図3(b) において、フィルム状の流量センサ30を挿入した熱収縮チューブ13に熱を加え、チューブを所望の大きさまで収縮させる。このとき、チューブの収縮に伴い、管内に挿入しておいたフィルム状の流量センサ30は自動的に管内壁に沿うように実装される。
図3(c) において、再度、センサヒータ外周部における空洞33を形成することを目的として、熱収縮チューブを用意し、これの中に、先ほどの工程で形成した熱収縮型流量センサチューブを挿入する。本チューブには先ほどのチューブとは異なり熱絶縁用のスリット36は形成されていない。
図3(d) において、 その後、再度、熱を加えて外側の熱収縮チューブを縮小させるとともに、内側のチューブを密着させて、空洞33を有する流量センサ30を形成する。
以上のようなプロセスを用いることで、センサの熱絶縁を図りつつ、カテーテル型流量センサの大きさを外径2ミリメートル以下に小型化できる。また、本プロセスは、従来例とは異なり、熱収縮する際に自動的にセンサフィルムが管の内壁に沿うという自己アセンブル手法であり、実装を簡便にするという意味以外にも、更なる小型化にも対応可能であるという特徴もある。
本発明のフィルム基板31の作製方法を図4に示す。半導体微細加工技術を用いて、本フレキシブルセンサ構造を作製する。詳細を以下に述べる。
図4(b) において、ホトリソグラフィーを用いてヒータ(場合に応じて検出器)の電極パターンを形成する。
図4(c) において、ヒータ(場合に応じて検出器)となる金属フィルム42をホトレジストのパターン上に形成する。本手法では、下地にクロム、チタン、の何れかを用い、その上のヒータおよび検出器には化学的に安定な白金、金の何れかを用いている。なお、金属フィルム42の材質は基板選択と同様に、使用目的に応じて、材質、形状、厚さなどを決定することが望ましい。
図4(d) において、上記(a)の工程で形成したホトレジスト41を除去することでポリイミドフィルム上に金属製のヒータ(場合に応じて検出器)が形成される。
図4(e) に示すように、 最後に、上記フレキシブルなフィルム基板31を支持基板から剥離して、フィルム状流量センサが完成する。
以上のように、本手法ではリフトオフ法を用いてヒータおよび図示していない抵抗線をパターニングしたが、これ以外にも先に金属薄膜をフィルム基板31表面に形成した後に、ホトリソグラフィーでそのパターニング化を行ってもかまわない。金属薄膜のパターニング精度、金属薄膜エッチング手法に応じて何れかを選択するのが望ましい。
本発明のフレキシブル流量センサの写真を図5に示す。図5(a)にヒータ部分の拡大写真を、そして図5(b)にフレキシブル流量センサ全体の様子を示してある。図には厚さ25ミクロンのポリイミドフィルム上に、クロム(50ナノメートル)、金(250ナノメートル)でヒータ32を形成した場合を示してある。ヒータ32部分の大きさは約0.45mm x 2.04 mmである。また図中にはフレキシブルな流量センサ30の電気的な信号配線接続部として、フレキシブルプリント基板45を用いた場合を示した。なお、ヒータ32の両側に検出用素子を設けることで、流れの方向がわかる流量センサになる。フレキシブル基板上にヒータ構造および検出用抵抗配線をいくつ設けるかは、センサの使用環境に応じて適宜決定されることが望ましい。流量のみの計測ではヒータ単体で流量検出が可能であるが、高速応答で、かつ、流れの向きの検出が必要な場合には、ヒータを二つ以上設ける、もしくはヒータの両側に流量検出用の抵抗配線を設けることが望ましい。
本発明の熱収縮チューブによるフレキシブル流量センサの実装の様子を図6に示す。詳細を以下に示した。
図6(a)には上記で示した、厚さ25ミクロンのポリイミド製の流量センサ30を外径2.8ミリメートル、内径2.4ミリメートルの熱収縮チューブに挿入した直後の様子を示す。
図6(b)には、その後、加熱によりチューブが収縮した後の様子を示した。また、図6(c)にはヒータ部分の拡大写真を示した。チューブの収縮により、外径1.7ミリメートルにまで小型化されるとともに、流量センサ30がチューブの内側壁面に沿うように自動的に実装されている。なお、ヒータ形状に限らず熱収縮チューブ材も使用目的に応じて選定することが望ましい。
本発明の流量センサの検出回路例を図8に示す。本流量センサでは、一分間に10〜20回の呼吸をする肺機能評価をするために、100ミリ秒以下の応答特性が必要となる。この問題を解決する手段として、構造的には図3に示した熱絶縁構造を、そして電気的な信号処理回路には図8に示すようなフィードバック回路を考案した。以下に、電気的な信号処理回路について説明する。図8に示すようにセンサヒータと三つの既知抵抗とでブリッジ回路を構成する。ブリッジ回路は、流れがない状態では平衡状態になっているが、流れが発生するとブリッジのバランスが崩れ、その差分信号が演算増幅回路に入力され、入力信号に応じた出力信号がヒータセンサへと反映される。従って、流れにより発生する演算増幅回路の出力波形を検出することで流量を換算できる。また、フィードバック機構によりヒータセンサの温度は常に一定に保たれるようになり、その結果、流れに対するセンサの追従性が格段に向上する仕掛けになっている。
本発明の流量センサの入力電力と検出流量との関係例を図9に示す。ヒータ素子自体を流量センサとして用いる場合の流量に対するセンサブリッジ回路への入力電力(演算増幅器の出力)を図に示した。図に示したように、流量に応じて入力電力が変化しており、これを校正曲線とすることで、本センサでは未知の流量を算出できる。
本発明の流量センサの応答特性を図10に示す。本フレキシブル流量センサでは、図3で説明した熱絶縁用空洞33構造および図8で説明したフィードバック回路を用いることで、センサの応答性を向上させている。上記二つの技術の導入により、図10に示したように、100ミリ秒以下で90%以上の応答波形性が得られている。
本発明の他の流量センサの構造を図11に示す。上記図2から図10には、フィルム基板31上に、単一のヒータ32のみを管内に配置した場合を示したが、用途に応じて、複数のヒータ線を設ける、もしくはヒータ両側に検出用の抵抗線を設けることもでき、これにより流れの方向を検出するとともに、応答性の向上を図ることができる。図11(a)には前者の例を、そして図11(b)には後者の実施例が示されている。なお、ヒータ32および検出器37以外は、図2で記載した通りである。
本発明の他の流量センサの入力電力と検出流量との関係例を図13に示す。ダブルヒータを流量センサとして用いた場合の流量に対するセンサブリッジ回路への入力電力を図に示した。図に示したように、流量に応じて入力電力が変化しており、これを校正曲線とすることで、本センサでは未知の流量を算出することができる。
本発明の他の流量センサの応答特性を図14に示す。ダブルヒータ流量センサでは、図12で説明したように、熱絶縁空洞33構造、フィードバック回路、ダブルヒータ構造による差分検出を用いることで、センサの応答性を向上させている。上記三つの技術の導入により、図14に示したように、センサは100ミリ秒以下で応答できる。なお、図はパルス状の流れを発生させたときのセンサの応答波形である。
本発明の他の流量センサの応答特性を図15に示す。ダブルヒータ流量センサでは、図11で説明したように、ダブルヒータによる差分検出を用いることで、流れの向きを検出できる。配管内における流れを前後させたときの流量センサの出力波形を図15に示す。図に示したように、流れの前後により、上流側に配置されたヒータセンサ出力と、下流側に配置されたヒータセンサ出力との大小関係が逆転しており、これの差分をとることで流れの向きが判別できる。
本発明の内視鏡用流量のセンサを気管支内にて固定させる方法を図16に示す。
カテーテル11先端部分に設けたバルーン50を用いることで、流量センサ付カテーテル11を気管支内に固定する。先ず、計測対象とする気管支近傍で、内視鏡10の先端から流量センサ付カテーテル11を伸ばす(図16(a))。次に、カテーテル先端部に設けたバルーンを膨らませ、これにより対象部位で流量センサを固定し、流量計測を行う(図16(b))。測定終了後は、バルーンを元の大きさに縮ませ(図16(a))、カテーテル11を内視鏡内に回収する。
本発明の内視鏡用流量センサを気管支内にて固定させる他の方法を図17に示す。
なお、図16および図17に示した流量センサの固定方法は、内径の異なる配管内に適宜対応して固定できるという特徴があるため、本固定方法は単に気管支に限らず、一般的な産業用配管にも適用できる。また、図3から図15にて記載した流量センサは、内径2ミリメートル以下の小径配管に対応できることから、内視鏡に限らず、小型分析器および小型燃料電池などの一般用にも広く適用できる。
上記の図1から図17にて記載した事項は、本流量センサの一例で、その具体的な仕様はいずれも使用目的に応じて変更することが望ましい。また、本センサで対象とする流体は主に気体であり、気体であればどのような種類でも適用できる。なお、液体の場合にも適用可能である。
このように本実施の形態では、熱収縮チューブをフレキシブル流量センサの実装手段に用いることで、流量センサの外径を2ミリメートル以下で製作でき、その結果、気管支鏡用ルーメン処置具内に格納でき、局所的な肺機能評価が可能となった。また、フレキシブル流量センサの応答性を向上させるために樹脂材による空洞熱絶縁構造を提案した。具体的には、実装チューブを二重構造にすることで、センサ実装と同時に、空洞構造をも作製した。これにより、1分間に10〜20回の呼吸をする肺機能評価が可能となった。
Claims (7)
- ヒータを形成したフレキシブル基材を、媒体が流れる管の内壁の形状に沿うように管内壁に実装し、その管内壁を囲む前記ヒータから発生する熱量が媒体により分散される状態を検出することで、管内の媒体流量を測定できる流量センサにおいて、
前記ヒータと前記管との間に、前記ヒータから前記管方向に伝わる熱の絶縁を図るため、熱絶縁用の空洞が形成されていることを特徴とする流量センサ。 - 一つ以上のヒータ及び一つ以上の熱検出器を形成したフレキシブル基材を、媒体が流れる管の内壁の形状に沿うように管内壁に実装し、その管内壁を囲む前記ヒータから発生する熱量が媒体により分散される状態を検出器が検出することで、管内の媒体流量を測定できる流量センサにおいて、
前記ヒータと前記管との間に、前記ヒータから前記管方向に伝わる熱の絶縁を図るため、熱絶縁用の空洞が形成されていることを特徴とする流量センサ。 - 請求項1または2に記載の流量センサにおいて
前記流量センサを取り囲む管が熱収縮チューブで構成され、前記熱収縮チューブに熱が加えられることで、管が収縮して小型化することを特徴とする流量センサ。 - 請求項1乃至3のいずれか一に記載の流量センサにおいて
気管支鏡用カテーテル先端部に取り付けられていることを特徴とする流量センサ。 - 請求項4に記載の流量センサにおいて
気管支鏡用カテーテル先端部にバルーンが取り付けられていることを特徴とする流量センサ。 - 請求項1または2に記載の流量センサにおいて、
前記流量センサ内にステントが取り付けられ、前記ステントが膨らむことにより固定されることを特徴とする流量センサ。 - 請求項6記載の流量センサにおいて、
気管支鏡用カテーテル先端部に取り付けられていることを特徴とする流量センサ。
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