JP2009158767A - 回転塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スループットを向上させることが可能な回転塗布装置を提供すること
【解決手段】基板Wを保持し、基板Wとともに回転可能な基板保持部1と、基板保持部1に保持された基板Wの外方を囲み、基板Wを収容する収容体2と、収容体2の上方に設けられた、基板Wの径よりも小さい径を有する開口部3aを中央部分に備えた蓋体3と、蓋体3と収容体2との間に配置され、収容体2の中と収容体2の外とを、収容体2に収容された基板Wの外周部Waの上方を介して連通させる複数の筒状気流案内路4と、を具備する。
【選択図】図1
【解決手段】基板Wを保持し、基板Wとともに回転可能な基板保持部1と、基板保持部1に保持された基板Wの外方を囲み、基板Wを収容する収容体2と、収容体2の上方に設けられた、基板Wの径よりも小さい径を有する開口部3aを中央部分に備えた蓋体3と、蓋体3と収容体2との間に配置され、収容体2の中と収容体2の外とを、収容体2に収容された基板Wの外周部Waの上方を介して連通させる複数の筒状気流案内路4と、を具備する。
【選択図】図1
Description
この発明は、半導体ウエハやFPD等の基板に対して回転塗布膜を形成する回転塗布装置に関する。
半導体デバイスやFPDの製造プロセスにおいては、半導体ウエハ又はガラス基板等の被処理基板上にレジスト膜やSOD膜を形成する膜形成処理が行われる。この膜形成処理においては、レジスト膜やSOD膜となる塗布液を被処理基板上に塗布する塗布処理が行われる。塗布処理は、回転塗布装置で行われ、塗布液を被処理基板上に滴下し、被処理基板を回転させ、遠心力を利用することで塗布液を被処理基板上に広げる。さらに、被処理基板を回転させ、塗布液を回転乾燥することでレジスト膜やSOD膜、いわゆる回転塗布膜が被処理基板上に形成される。このような回転塗布膜を形成する回転塗布装置は、例えば、特許文献1、2に記載されている。
特開2003−179041号公報
特開2005−235950号公報
しかしながら、回転塗布装置は、被処理基板を回転させて塗布液を乾燥させる。この乾燥の際、回転速度が速すぎると、被処理基板の外周部分に回転塗布膜の膜厚乱れが生じる。このため、乾燥の際には回転速度を低く抑えるようにしている。
外周部分における膜厚の乱れは、ウエハ径が大きくなるにつれて顕著に現れるようになってきており、ウエハ径が大きくなるに従って、回転速度はより低く抑えなければならない傾向にある。例えば、直径が300mmのウエハでは、回転速度を1000以上2000rpm未満の範囲に抑えている。
しかしながら、回転速度を抑えると乾燥に時間がかかることになる。ウエハの大口径化は進展しているが、現状のまま、大口径化の進展に伴って回転速度を下げ続けていくと、スループット向上の妨げになりかねない。
この発明は、スループットを向上させることが可能な回転塗布装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明の一態様に係る回転塗布装置は、基板を保持し、基板とともに回転可能な基板保持部と、前記基板保持部に保持された基板の外方を囲み、前記基板を収容する収容体と、前記収容体の上方に設けられた、前記基板の径よりも小さい径を有する開口部を中央部分に備えた蓋体と、前記蓋体と前記収容体との間に配置され、前記収容体の中と前記収容体の外とを、前記収容体に収容された前記基板の外周部の上方を介して連通させる複数の筒状気流案内路と、を具備する。
この発明によれば、スループットを向上させることが可能な回転塗布装置を提供できる。
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。この説明においては、この発明を半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)にレジスト膜を形成する回転塗布装置に適用した場合について示す。
図1は、この発明の一実施形態に係る回転塗布装置の一例を概略的に示す断面図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る基板処理装置100は、ウエハWを保持し、ウエハWとともに回転可能な基板保持部1と、基板保持部1に保持されたウエハWの外方を囲み、ウエハWを収容する収容体(以下カップという)2と、カップ2の上方に設けられた、ウエハWの径よりも小さい径を有する開口部3aを中央部分に備えた蓋体3と、蓋体3とカップ2との間に配置され、カップ2の中とカップ2の外とを、カップ2に収容されたウエハWの外周部Waの上方を介して連通させる複数の筒状気流案内路4と、を備える。
本例の基板保持部1は、スピンチャック1aである。スピンチャック1aの基板載置面1bは水平に形成されており、この基板載置面1bには、例えば、ウエハWを吸着するための図示せぬ吸引口が設けられている。ウエハWは、基板載置面1b上に水平に吸着保持される。基板載置面1bの反対側の面には回転軸1cが接続されている。回転軸1cは図示せぬ回転駆動機構に接続されており、回転軸1cを回転させることで、基板載置面1b上に吸着保持されたウエハWが所望の回転速度で回転される。
カップ2は、ウエハWの外周部との間に環状の隙間2dを持って配置され、ウエハWの外方を囲む外周壁2aと、底板2bとを備える。底板2bには排気管2cが接続されている。排気管2cは図示せぬ排気機構に接続されており、排気機構を動作させることでカップ2の内部を排気する。
蓋体3はカップ2に対して着脱自在である。例えば、ウエハWを基板保持部1に保持させるときには、蓋体3をカップ2から離脱させる。また、ウエハWに塗布膜を形成するときには、蓋体3をカップ2に装着する。
筒状気流案内路4は本例では蓋体3に固定されており、蓋体3とともにカップ2から離脱され、また、蓋体3とともにカップ2に装着される。
図2Aは筒状気流案内路4付の蓋体3の一例を示す平面図、図2Bは図2A中の矢印2B方向から見た側面図である。
図2Aに示すように、本例では筒状気流案内路4は円形の蓋体3に合計8本設けられており、それぞれ0°、45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°の位置に設けられている。なお、筒状気流案内路4の数は8本に限られることはなく、任意である。筒状気流案内路4の数は、回転塗布装置のサイズや回転速度等を勘案して適宜決められれば良い。筒状気流案内路4どうしの間は、本例では塞がずに隙間のままとしている。筒状気流案内路4どうしの間は塞がれても良い。ただし、筒状気流案内路4どうしの間を隙間のまま、とすると、この隙間からも、ウエハW上方の気流をカップ2の外に排気することができるので、ウエハW上の気体密度をより下げやすい、という利点を得ることができる。
図1に戻り、蓋体3の中央部分に形成された開口部3aの上方には、ウエハWに対して所望の塗布液、本例ではレジスト液を滴下する塗布液供給ノズル5が設けられている。塗布液供給ノズル5は、例えば、開口部3aを介して基板保持部1に保持されたウエハW上に、塗布液を滴下する。塗布液供給ノズル5は、回転塗布装置100に一体に組み込まれても良いし、外付けの機構として回転塗布装置100に取り付けられても良い。
さらに、一実施形態に係る回転塗布装置100は、ケーシング6の内部に収容されている。ケーシング6の上部には図示せぬファン・フィルター・ユニット(FFU)からの気流を、ケーシング6の側部に設けられた導入口6aを介して導入する気流導入部6bが設けられている。気流導入部6bは、清浄空気をケーシング6の内部にダウンフローで供給する。ダウンフローで供給された清浄空気は、開口部3aを介してカップ2の内部に導入される。カップ2の内部に導入された清浄空気は、基板保持部1に保持されたウエハWの上面上を通り、カップ2の外周壁2aとウエハWとの間の円環状の隙間2dを介してウエハWの下方に導かれる。ウエハWの下方に導かれた空気は排気管2cを介してカップ2の外に排気される。
また、ケーシング6の底部にも排気管6cが接続されている。ケーシング6の内部に導入された清浄空気は、排気管6cを介してケーシング6の外に排気される。筒状気流案内路4の先端4aはカップ2の内部にあるが、その末端4bはカップ2の外、本例ではケーシング6の内部にある。この構成により、カップ2の内部から筒状気流案内路4に入った清浄空気は、カップ2の内部に接続された排気管2cだけではなく、ケーシング6の内部に接続された排気管6cを介してカップ2の外に排気することができる。
また、ケーシング6の側部には、基板搬入出口6dが形成されており、ウエハWは、基板搬入出口6dを介してケーシング6の内部に対して搬入出される。
次に、一実施形態に係る回転塗布装置100による利点の一例を、図3A及び図3Bを参照し、参考例と対比させながら説明する。
図3Aは、この発明の参考例に係る回転塗布装置を示す断面図、図3Bはこの発明の一実施形態に係る回転塗布装置を示す断面図である。
図3Aに示す参考例が、図3Bに示す一実施形態と異なるところは、筒状気流案内路4がなく、代わりに蓋体3とカップ2との間に密閉部材7が挿入されていることである。
図4A乃至図4Cは、カップ2の内部に収容されたウエハWの上面上に発生する気流の例を示す平面図であり、それぞれ停止時、低速回転時(1000乃至2000rpm未満)、及び高速回転時(3000rpm)に発生する気流の様子を概略的に示している。なお、図4A乃至図4Cはそれぞれ、便宜上、理想状態での気流を示している。実際には、カップ2の内部形状等で気流の状態が様々に変化することがあることを予め断っておく。
図4Aに示すように、基板保持部1が停止している時においては、開口部3aからカップ2の内部に導入された清浄空気の気流は、ウエハWの外周に向かって均等、かつ、直線的に流れる。気流の流線10は直線である。
基板保持部1が回転、例えば、時計回りの方向に回転しだすと、上記気流は回転するウエハWに影響されて時計回りの方向にずれ出す。
図4Bに示すように低速回転時には、流線10のずれ量が小さいので、流線10はまだ直線に近い。この状態では、図5Aに示すように、ウエハW上の塗布膜11には膜厚の乱れ、特に、ウエハWの周縁部にある平坦度が保証されていないエッジ除外領域(Edg Exclusion)を除いては膜厚の乱れがない。
さらに回転速度を上げていくと、図4Cに示すように、流線10のずれ量が大きくなり、流線10は渦巻き状となる。この状態では、図5Bに示すように、ウエハW上の塗布膜11に風紋状の膜厚の乱れ12が、エッジ除外領域以外の領域に発生しだす。エッジ除外領域以外の領域(平坦度が保証されている領域)は、半導体集積回路装置のチップパターンが描画されるところである。このような領域に膜厚の乱れ12が発生すると、半導体集積回路装置の歩留りを低下させる原因となる。膜厚の乱れ12は、例えば、ウエハ径が300mmのとき、回転速度が2000rpm以上になると発生しだし、回転速度が3000rpmのときには目視できる状態まで大きくなる。
そこで、参考例に係る装置では回転速度を下げる、例えば、回転速度を2000rpm未満とすることで、膜厚の乱れ12がウエハWの平坦度が保証されている領域に発生しない、又は及ばないように工夫している。
しかしながら、上記膜厚の乱れ12は、ウエハ径が大きくなるにつれて顕著に現れるようになってきており、ウエハ径が大きくなるに従って、回転速度はより低く抑えなければならない傾向にある。例えば、ウエハ径が450mmでは、回転速度を800rpm以上にすると、上記膜厚の乱れ12が発生する。このまま、回転速度を抑えつづけていくと、ウエハ径が大きくなるにつれて、乾燥時間が加速度的に長引くことが予想される。径が大きいウエハでは塗布膜11の面積が大きいので、ただでさえ乾燥させづらい。これに加えて回転速度が抑え続けられていけば、やがては、塗布膜11の乾燥のために半導体集積回路装置のスループットに影響を与えかねない。
図3Aに示す参考例では、カップ2の内部に導入される清浄空気の量を開口部3aで制限しているので、蓋体3が無い場合に比較すれば気体密度は減り、膜厚の乱れは発生し難い。しかしながら、カップ2の内部導入された清浄空気は、カップ2の中からしか排気することができない。しかも、開口部3aから導入された清浄空気は、ウエハWの外周にある隙間2dを通って排気されるから、カップ2の内部の気体密度は、隙間2dの近傍、即ち、ウエハWの外周付近で一気に上がる。これは、例えば、図3Aに示すように、カップ2の内部の上方に一旦拡がった空気までもが隙間2dに吸引されるからである。このため、ウエハWの外周部Wa付近は気体密度が上がりやすく、膜厚の乱れが発生しやすい。
そこで、本件発明者等は、まず、カップ2の内部の気体密度に着目した。
図3Bは一実施形態を示しているが、一実施形態では、複数の筒状気流案内路4を、蓋体3とカップ2との間に配置した。これにより、カップ2の内部に導入された清浄空気を、カップ2の排気管2cばかりでなく、筒状気流案内路4からも排気することができる。
さらに、筒状気流案内路4を、ウエハWの外周部Waの上方に設け、筒状気流案内路4に取り込まれた空気については、ウエハWの外周部Waには戻らない構造とした。つまり、筒状気流案内路4は羽根板等とは異なり、ウエハWと気流案内路との間に底板がある構造である。気流案内路を底板がある構造、本例では筒状気流案内路4とすることで、取り込まれた空気がウエハWの外周部Waに戻らない構造にできる。
この構成により、カップ2の内部の気体密度が隙間2dの近傍、即ち、ウエハWの外周付近で一気に上がってしまう事情を改善した。
図6は、一実施形態に係る装置におけるウエハWの上面上に発生する気流の例を示す平面図である。なお、図6に示す気流の例は、図4Cに対応しており、ウエハ径が300mm、回転速度が3000rpmの状態である。
図6に示すように、筒状気流案内路4を設けることで、この筒状気流案内路4に取り込まれた空気は、流線10aに示すようにウエハWの上面上に戻ることなく排気できる。よって、気体密度が隙間2dの近傍、即ち、ウエハWの外周付近で一気に上がってしまう事情を改善できる。
この結果、図7に示すように、径が300mmのウエハWを、2000rpm以上、本例では3000rpmの回転速度で回転させても、塗布膜11に発生する膜厚の乱れを、少なくともエッジ除外領域以外の領域(平坦度が保証されている領域)には発生しように抑制することができた。
さらに、本件発明者等は、カップ2の内部における気流の乱れやすさにも着目した。
回転に伴うウエハの移動量は、ウエハWの中心付近からウエハWの外側に向かって大きくなる。このため、カップ2の内部における気流は、ウエハWの中心よりも外側の方が乱れやすい傾向になる。
そこで、一実施形態では、筒状気流案内路4の先端(空気取り込み口)4aを、開口部3aから後退させ、蓋体3の下で、かつ、ウエハWの上面上に配置するようにした。
先端(空気取り込み口)4aを開口部3aから後退させることで、例えば、ウエハWの回転に伴ってウエハWの上面上方で乱れだした気流を、先端(空気取り込み口)4aから取り込み、ウエハWの上面に戻すことなく、そのままカップ2の外へ排気することができる。
この構成により、乱れた気流を、そのままカップ2の外に排気でき、カップ2の内部の気流の乱れについても、より小さく抑えることができる。カップ2の内部の気流の乱れを小さく抑えられることで、塗布膜11の膜厚の乱れを、より発生し難くすることが可能となる。
例えば、筒状気流案内路4の先端(空気取り込み口)4aは、図8Aに示すように、開口部3aと一致させても、カップ2の内部の気体密度を抑制できる効果があるから、筒状気流案内路4が無い装置に比較すれば、回転速度を上げても塗布膜11に膜厚の乱れが発生することを抑制することができる。
さらに、回転速度を上げたいのであれば、図8Bに示すように、筒状気流案内路4の先端(空気取り込み口)4aを開口部3aから後退させて取り付けるようにすると良い。後退させる位置の一例は、例えば、カップ2の内部において気流が乱れやすい箇所である。先端(空気取り込み口)4aを気流が乱れやすい箇所に配置することで、カップ2の内部で乱れてしまった気流を、そのままカップ2の外に排気できる。これにより、カップ2の内部における気流の乱れをより小さく抑えることができる。気流の乱れが小さく抑えられることで、回転速度をより速くしても、塗布膜11に膜厚の乱れが発生し難くすることが可能となる。
なお、回転速度を速くすることにより、筒状気流案内路4内で、先端4aから末端4bに流れる気流と、反対に末端4bから先端4aに流れる気流とが発生することがあるが、この場合にも、双方の気流は、ウエハWの外周部Waには流れ込まない。よって、上記先端4aから末端4bに流れる気流と、反対に末端4bから先端4aに流れる気流とが発生した場合にも、ウエハWの外周部Waに直接に影響を与えることはない。
このように、一実施形態に係る回転塗布装置100によれば、回転速度を上げても、塗布膜に膜厚の乱れが発生することを抑制できる。回転速度を上げることができる結果、例えば、塗布膜の乾燥時間を短く抑えることができる。乾燥時間を短く抑えることができることで、例えば、半導体集積回路装置のスループットを向上させることが可能となる。
例えば、一実施形態に係る回転塗布装置100によれば、直径が300mmのウエハWの場合には、ウエハWを2000rpm以上の回転速度で回転させ、ウエハW上に塗布された塗布液を乾燥させても、塗布膜11に膜厚の乱れが発生することを抑制できる。さらに、直径が450mmのウエハWの場合には、ウエハWを800rpm以上の回転速度で回転させ、半導体ウエハ上に塗布された塗布液を乾燥させても、塗布膜11に膜厚の乱れが発生することを抑制できる。
次に、一実施形態に係る回転塗布装置の変形例を説明する。
一実施形態に係る回転塗布装置100においては、例えば、図2A及び図2Bによく示したように、筒状気流案内路4を、蓋体3の中心から放射状に配置した。
しかしながら、筒状気流案内路4は、例えば、図9A及び図9Bに示すように、蓋体3の中心から放射状に延びる線14上から傾けて配置するようにしても良い。蓋体3の中心から傾けて配置する場合の一例は、筒状気流案内路4をウエハWの上方の気流を乱さない方向に配置することである。気流を乱さない方向に配置することの一例は、例えば、図10A乃至図10Cに示すように、基板保持部に保持されたウエハWの上方に発生する気流に対して、筒状気流案内路4を接線方向に配置することである。
図10A乃至図10Cには、気流を流線10で示しており、筒状気流案内路4は図10A乃至図10Cに示すいずれの例においても流線10の接線方向に配置されている。筒状気流案内路4を接線方向に配置する場合には、例えば、先端(取り込み口)4aを、上記接線15に対して垂直に向けることである。
この場合の流線10であるが、これは達成したい回転速度の流線10に合わせると良い。例えば、図10Aは流線10のずれ量が小さい例、つまり達成したい回転速度を低く抑えた場合の例が示されており、図10Bは流線10のずれ量が大きい例、つまり達成したい回転速度を図10Aに示す例よりも速くした場合の例が示されている。
さらには、達成したい回転速度は同じでも、カップ2の内部の構造によっては、カップ2の内部において気流が乱れやすい箇所が異なってくる。この場合には、例えば、先端(取り込み口)4aの位置をずらすことになるが、ずらした場合には、図10Bと図10Cに示すように、自ずと筒状気流案内路4の傾き方が変わる。いずれにせよ、図10A乃至図10Cに示す例は全て、先端(取り込み口)4aを、上記接線15に対して垂直に向けた例である。
図11A乃至図11Cは、筒状案内路4の例を示す斜視図である。
一実施形態に係る回転塗布装置100においては、図11Aに示すように、筒状気流案内路4を円筒形の管とした。
しかしながら、筒状気流案内路4は円筒形の管に限られるものではなく、例えば、図11Bに示すように、角筒型の管であっても良い。
さらに、筒状気流案内路4は、ウエハWの外周部へ空気が戻らないように、ウエハとの間に底板が配置されるような形状であれば良いことに鑑み、例えば、図11Cに示すように、樋型の部材が用いられても良い。筒状気流案内路4が樋型の部材で構成されても、図12に示す斜視図のように、蓋体3に取り付けられれば、開放された上部が蓋体3で閉じられ、下部についてはそのまま底板として機能する。よって、図11Aや図11Bに示す筒状気流案内路4と等価な作用を持たせることができ、樋型の部材は筒状気流案内路4と同様に機能する。
これらの変形例に係る回転塗布装置においても、一実施形態に係る回転塗布装置100と同様な利点を得ることができる。
以上、この発明を一実施形態により説明したが、この発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。また、この発明の実施形態は、上記実施形態が唯一の実施形態でもない。
例えば、上記実施形態では、半導体ウエハ上に回転塗布によりレジスト膜を形成する例を示したがレジスト膜の形成ばかりでなく、SOD膜、例えば、低誘電率絶縁膜の形成にも使うことができる。この場合にも、高速回転させても膜厚の乱れが発生し難くすることができるので、スループットの向上に役立つ。
また、基板としては、半導体ウエハに限られるものではなく、例えば、液晶表示装置(LCD)用のガラス基板に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)用の基板等においても適用可能である。
1…基板保持部、2…カップ(収容体)、3…蓋体、3a…開口部、4…筒状気流案内路、W…ウエハ(基板)、Wa…外周部
Claims (8)
- 基板を保持し、基板とともに回転可能な基板保持部と、
前記基板保持部に保持された基板の外方を囲み、前記基板を収容する収容体と、
前記収容体の上方に設けられた、前記基板の径よりも小さい径を有する開口部を中央部分に備えた蓋体と、
前記蓋体と前記収容体との間に配置され、前記収容体の中と前記収容体の外とを、前記収容体に収容された前記基板の外周部の上方を介して連通させる複数の筒状気流案内路と、
を具備することを特徴とする回転塗布装置。 - 前記筒状気流案内路の先端が前記蓋体の開口部から後退した位置にあり、前記先端が、前記蓋体の下で、かつ、前記基板保持部に保持された基板の上方にあることを特徴とする請求項1に記載の回転塗布装置。
- 前記収容体の外周壁と前記基板保持部に保持された基板の周縁部との間に隙間があり、前記収容体の内部に前記開口部を介して導入された気体を、前記隙間を介して前記収容体の外に排気する第1の排気経路と、
前記筒状気流案内路を介して前記収容体の外に排気する第2の排気経路と、を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転塗布装置。 - 前記筒状気流案内路は、前記蓋体の中心から放射状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載の回転塗布装置。
- 前記筒状気流案内路は、前記蓋体の中心から傾けて配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載の回転塗布装置。
- 前記傾いて配置された前記筒状気流案内路は、前記基板保持部に保持された基板の上方に発生する気流に対して接線方向に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の回転塗布装置。
- 前記基板は直径が300mmの半導体ウエハであり、当該半導体ウエハを2000rpm以上の回転速度で回転させ、前記半導体ウエハ上に塗布された塗布液を乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の回転塗布装置。
- 前記基板は直径が450mmの半導体ウエハであり、当該半導体ウエハを800rpm以上の回転速度で回転させ、前記半導体ウエハ上に塗布された塗布液を乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の回転塗布装置。
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