JP2009146051A - 設備管理装置、設備機器ネットワークシステム、データアクセス制御方法、通信トラフィック制御方法、データアクセス制御プログラム、通信トラフィック制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御部120は、記憶部140が格納するデータに対する読み取りまたは書き込みを要求する複数の制御プロセスを非同期に実行し、データアクセス部130は、制御プロセスからのデータ読取要求または書込要求を受け付け、当該データの使用状態フラグが使用不可状態であれば、当該データにアクセスできない旨を当該制御プロセスに返却し、当該データの使用状態フラグが使用可能状態であれば、使用状態フラグを使用不可状態にセットしてそのデータにアクセスし、データの読み取りまたは書き込みが終了すると、当該データの使用状態フラグを使用可能状態にセットして、データの読み取りまたは書き込みの結果を当該制御プロセスに返却する。
【選択図】図1
Description
このような非同期のデータアクセスは、設備機器に対する管理命令や状態取得命令などを行うアプリケーションの処理が、設備管理装置上で個別に実行されることが一因となっている。
しかし、このようなデータアクセスの競合に起因する不具合は、設備管理装置出荷前の試験で明らかになる場合もあるが、出荷前の試験ではそのような問題を発見することができず、出荷後に設置現場で運用を開始した後に発生することもある。
図1は、本発明の実施の形態1に係る設備機器ネットワークシステムの構成図である。
図1において、100は設備管理装置、200aは照明器、200bは空調機、300は監視装置、400はネットワークである。
設備管理装置100は、照明器200aと空調機200bの動作を管理する。以後、照明器200aと空調機200bを総称するときは、設備機器200とする。
監視装置300は、ネットワーク400を介して設備管理装置100に接続され、設備機器200に対する管理命令の発行を、設備管理装置100に依頼する。設備管理装置100は、その依頼を受けて設備機器200に管理命令を発行し、その結果を監視装置300に送信する。
ネットワーク400は、例えばLAN(Local Area Network)などの通信ネットワークである。
また、通信部110は、ネットワーク300と接続可能なインターフェースも備え、監視装置300との間で通信を行う。
これら2つのインターフェースを個別に構成してもよい。
ここでいう制御プロセスとは、制御部120の動作を規定するプログラム等の機能要素のことであり、制御部120の配下で実行される。この制御プロセスは、記憶部140が格納しているデータに対するアクセスを、データアクセス部130に要求する。
データアクセス部130が、記憶部140に格納されているデータを読み取り、または書き込んだ結果は、データ読取要求またはデータ書込要求を発行した制御プロセスに返される。
例えば、空調機200bの現時点での設定温度が記憶部140に格納されており、制御プロセスは、この値を読み取ることで、空調機200bの設定温度を取得することができる。
制御プロセスは、空調機200bの設定温度を変更するときは、通信部110を介して設定温度を変更すべき旨の管理命令を発行し、その結果を受信して、更新後の設定温度の値を記憶部140に書き込む。
ハードウェアで構成した場合、先に述べた制御プロセスとは、ハードウェアの機能で実現される制御動作のことを指す。演算装置とソフトウェアで実現した場合、先に述べた制御プロセスとは、演算装置上で実行される制御プログラムの制御動作のことを指す。
制御部120とデータアクセス部130は、図1に示すように分離して構成してもよいし、両者を一体的に構成してもよい。
いずれの構成を採用するかは、各機器のインターフェース仕様に準じて適宜定める。
次に、設備管理装置100上で実行される制御プロセスのデータアクセス制御について説明する。
制御プロセス120Aは、記憶部140が格納しているある管理データの値に30を加算して更新しようとしている。
制御プロセス120Bは、制御プロセス120Aが更新しようとしている同じ管理データの値から60を減算して更新しようとしている。
以下、図2に示す各制御プロセスの処理ステップについて説明する。
(1)制御プロセス120Aは、管理データの初期値「100」を取得する。
(2)制御プロセス120Bは、管理データの初期値「100」を取得する。
(3)制御プロセス120Aは、取得した管理データの値に30を加算する。
(4)制御プロセス120Bは、取得した管理データの値から60を減算する。
(6)記憶部140には、加算後の値「130」が格納される。
(7)制御プロセス120Bは、減算後の値「40」を記憶部140に書き込む。
(8)記憶部140には、減算後の値「40」が格納される。
特に、設備管理装置100では、管理対象の設備機器ごとに、管理データの参照周期や更新周期が異なる場合があり、同一の管理データに対して図2のような非同期更新が生じやすい。
そこで、本実施の形態1に係る設備管理装置100は、制御プロセスが読み取りまたは書き込みを行う管理データに対するアクセスを、データアクセス部130が一括して管理し、図2のようなアクセス競合による不整合が生じないようにする。
次に、データアクセス部130の具体的なデータアクセス制御の手法を説明する。
データアクセス部130は、図3中で説明する使用状態フラグを、記憶部140または図示しないメモリ中に格納して管理しており、同フラグを用いてアクセス制御を行う。
以下、各ステップについて説明する。
制御部120は、制御プロセス120Aを起動する。以下、制御プロセス120Aは制御部120の配下で実行される。制御プロセス120Aは、記憶部140に格納されている管理データにアクセスするものである。
以後のステップで、制御プロセス120Aが実行する処理は、実体的には制御部120が実行するものである。
(S301)
制御プロセス120Aは、データアクセス部130に対して管理データへのアクセス要求を発行する。ここでのアクセス要求は、読み取り要求でも書き込み要求でもよい。
データアクセス部130は、アクセス要求を受けた管理データの使用状態フラグに対するアクセス権の取得を試みる。使用状態フラグは、管理データ毎に設定されている。
本ステップは、使用状態フラグそのもののアクセス競合を防ぐための手続きで、例えば設備管理装置100のOS(Operating System)が有するセマフォなどの機能により、使用状態フラグのアクセス競合を防ぐ。セマフォの機能と、使用状態フラグを用いてアクセス制御を行う理由については、後述の図5で説明する。
使用状態フラグへのアクセス権が取得できた場合はステップS304へ進み、取得できなかった場合はステップS305へ進む。
(S304)
データアクセス部130は、当該管理データの使用状態フラグの値を読み出す。
(S305)
使用状態フラグへのアクセス権が取得できないときは、他の制御プロセスが当該管理データの使用状態フラグへのアクセスを行なっている状態であるため、管理データそのものへのアクセスも不可である状態とみなし、データアクセス部130は、その旨を制御プロセス120Aに返して処理を終了する。
データアクセス部130は、ステップS304で取得した使用可能フラグの値が負であるか否かを判定する。負であればステップS307へ進み、負でなければステップS310へ進む。
なお、使用状態フラグには、当該管理データが使用可能状態の場合には負値、管理データが使用不可状態の場合には使用している制御プロセスのID(正値)がセットされるものとする。
すなわち、使用可能フラグが正値の場合、当該管理データが現在どのアプリケーションに使用されているのかが、使用状態フラグの値(=制御プロセスのID)によって分かるようになっている。
使用状態フラグの値が負の場合は、当該管理データを他の制御プロセスが使用しておらず、制御プロセス120Aが使用可能であることが分かる。
データアクセス部130は、当該管理データに制御プロセス120Aがアクセス中であることを他の制御プロセスが検知できるようにするために、当該管理データの使用状態フラグの値として、制御プロセス120AのID(正値)をセットする。
このようにしておくことで、制御プロセス120Aが当該管理データを使用している最中に他の制御プロセスが同管理データにアクセスしようとした際、使用状態フラグにセットされたIDから、管理データは「制御プロセス120Aによって使用中」であることが検知可能となる。
データアクセス部130は、使用状態フラグへのアクセス権を返却する。
使用状態フラグへのアクセスは、即座に他の制御プロセスに解放して他の制御プロセスから管理データの使用状態を確認できるようにする必要があるため、本ステップはステップS307に続いて直ちに実行される。
(S309)
制御プロセス120Aは、当該管理データへのアクセス権を得る。以後、データアクセス部130は、当該管理データにアクセスし、制御プロセス120Aにその結果を返す。
管理データの読み書きは、データアクセス部130が行ってもよいし、制御プロセス120Aが直接行ってもよい。
データアクセス部130は、ステップS304で取得した使用状態フラグの値と、制御プロセス120AのIDとを比較する。
両者が一致すれば、制御プロセス120A自身がその管理データを使用中であることが分かるので、ステップS308へ進み、そのまま当該管理データを使い続けることができる。一致しなければステップS311へ進む。
データアクセス部130は、使用状態フラグへのアクセス権を直ちに返却する。
ステップS308と同様に、使用状態フラグへのアクセスは即座に他の制御プロセスに解放する必要があることによる。
(S312)
使用状態フラグの値と、制御プロセス120AのIDとが一致しないときは、当該管理データは現在の使用状態フラグの値で示されるIDを持つ制御プロセスによって使用中であるため、データアクセス部130は、当該管理データにアクセス不可である旨を制御プロセス120Aに返して処理を終了する。
制御プロセス120Aは、管理データの読み取りまたは書き込みを終了しようとする際に、本処理フローを開始する。
(S401)
制御プロセス120Aは、データアクセス部130に対して管理データへのアクセス権解放を要求する。
(S402)
データアクセス部130は、当該管理データの使用状態フラグへのアクセス権取得を試みる。
本ステップは、ステップS302と同様、使用状態フラグそのもののアクセス競合を防ぐための手続きで、例えばOSが有するセマフォなどの機能により、使用状態フラグのアクセス競合を防ぐのも同様である。
使用状態フラグへのアクセス権が取得できた場合はステップS404へ進み、取得できなかった場合はステップS405へ進む。
(S404)
データアクセス部130は、当該管理データの使用状態フラグの値を読み出す。
(S405)
使用状態フラグへのアクセス権が取得できないときは、他の制御プロセスが使用状態フラグへのアクセスを行なって当該管理データへのアクセス可否について調べている状態であるため、管理データのアクセス権解放も不可である状態とみなす。
データアクセス部130は、アクセス権解放失敗(使用状態フラグへのアクセス失敗)の旨を制御プロセス120Aに返して処理を終了する。
データアクセス部130は、ステップS404で取得した使用状態フラグの値と、制御プロセス120AのIDとを比較する。
両者が一致すればステップS407へ進み、アクセス権を解放する。一致しなければステップS410へ進む。
(S407)
データアクセス部130は、他の制御プロセスからの当該管理データに対するアクセス要求に応えられるように、使用状態フラグを、未使用状態を表す負値にセットする。
データアクセス部130は、使用状態フラグへのアクセス権を返却する。
このようにしておくことで、データアクセス部130は、当該管理データに対する他の制御プロセスからのアクセス要求に応えられるようになる。
(S409)
使用状態フラグの値が制御プロセス120AのIDと一致した場合、制御プロセス120A自身がその管理データを使用中であることが分かるので、そのアクセス権解放が認められ、アクセス権解放成功の旨が制御プロセス120Aに返される。
データアクセス部130は、使用状態フラグへのアクセス権を直ちに返却する。
ステップS308やS408と同様に、使用状態フラグへのアクセスは即座に他の制御プロセスに解放する必要があることによる。
(S411)
制御プロセス120AのIDと使用状態フラグの値が一致しないときは、制御プロセス120Aが当該管理データを使用しているのではないため、アクセス権の解放は許可されない。
データアクセス部130は、アクセス権解放失敗(ID不一致)の旨を制御プロセス120Aに返して処理を終了する。
次に、図3〜図4の説明中で用いているセマフォの機能と、管理データに対する直接的なアクセス制御ではなく使用状態フラグを介してアクセス制御を行うことに関し、以下に補足説明する。
本実施の形態1では、設備管理装置100のOSが備えるセマフォ等の機能を使用して、使用状態フラグのアクセス制御を行う。セマフォ以外の機能を用いて使用状態フラグのアクセス制御を行ってもよい。ここでは1例としてセマフォを取り上げ、その機能を説明する。
なお、図5では、図2と同様に制御プロセス120Aと120Bが存在し、セマフォが管理する使用状態フラグへのアクセス権取得を、図3のS302や図4のS402などで試みているものと仮定する。以下、図5の各ステップについて説明する。
初期状態では、いずれの制御プロセスも使用状態フラグのアクセス権を取得していないため、セマフォの初期値は「1」である。
(2)制御プロセス120Aは、使用状態フラグのアクセス権を取得する。
(3)制御プロセス120Aが使用状態フラグのアクセス権を取得することにより、割り当て可能なアクセス権はなくなるので、セマフォの値は「0」に更新される。
(5)セマフォの値が「0」であるため、その使用状態フラグにアクセスすることはできないことが分かる。使用状態フラグにアクセスできない旨が、制御プロセス120Bに返却される。本ステップは、図3のS305や図4のS405に相当する。
(6)制御プロセス120Bは、制御プロセス120Aが使用状態フラグのアクセス権を解放するまで、待機状態となる。もっとも、使用状態フラグのアクセス権は即座に解放されるため、待機時間はわずかである。
(8)制御プロセス120Aがアクセス権を解放することにより、使用状態フラグのアクセス権を割り当て可能となるので、セマフォの値は「1」に更新される。
(9)制御プロセス120Bは、使用状態フラグのアクセス権取得が可能となる。
一般にセマフォは、データの読み書きアクセスの瞬間に記憶部140の排他アクセス制御を行うといった、OSレベルもしくはこれに近い階層で行われる処理の排他制御に用いられることが多い。
したがって、セマフォを用いた排他制御は、瞬時的なアクセス制御に比較的向いていると言える。
ここでいうアプリケーションレベルの排他制御とは、あるアプリケーションが開始してから終了するまでの間や、あるアプリケーション内の特定の処理区間の間、そのアプリケーションが使用するデータを独占使用するような場合に、他のアプリケーションからそのデータに対するアクセスを排除することである。
例えば、ある監視アプリケーションが起動している際は、他のアプリケーションによる同じデータの更新を禁止する、といった場合が考えられる。
そこで、本実施の形態1に係る設備管理装置100では、使用状態フラグなるアプリケーションレベルのフラグを用いて、データアクセス制御を行うのである。
もっとも、使用状態フラグ自体のアクセス制御も必要であるので、そのアクセス制御には、例えばOSレベルのセマフォを用いることとした。
例えば、空調機200bの省エネ制御ではある機器を停止しておきたいが、快適制御では運転しておきたい、といった場合が考えられる。このような場合の競合の管理にも本発明は適用可能である。
これにより、ソフトウェア実行時におけるデータアクセスの競合に起因する問題点の抽出が容易となって、不具合解析のための工数を削減し、不具合対応力強化を行なうことができる。
このため、機能単位での競合管理が可能となるなど、競合管理の自由度が増し、適用可能範囲が広まるため、ソフトウェア実行時の問題点の抽出がより容易になり、不具合対応力強化に役立つ。
実施の形態1では、使用状態フラグを用いてデータアクセス制御を行う構成と動作例について説明した。
本発明の実施の形態2では、複数の制御プロセスによるデータアクセスの競合が発生した際に、データアクセス状況のログを生成し、後の不具合解析に役立てるための構成と動作例を説明する。
本実施の形態2に係る設備管理装置100は、実施の形態1の図1で説明した構成に加えて、新たにログ生成部150を備える。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
ログ生成部150は、その通知を受けて、所定の書式に従ってログを生成する。生成したログは、記憶部140に格納してもよいし、図示しないメモリなどに保持しておいてもよい。
また、制御部120やデータアクセス部130と一体的に構成することもできる。
(1)データアクセスの競合条件、すなわちログ生成を行なうか否かの判定条件
(2)ログへの記録内容
(3)ログの記録形式
設定に際しては、例えば通信部110を介して監視装置300の表示画面に適当な選択肢を表示させ、設備管理装置100の動作設定項目としてユーザに提示したり、設定値の入力を同画面上でユーザに促したりして、設定作業によりこれらの内容をユーザに設定させてもよい。
また、設備管理装置100の開発時に、開発者がプログラムでこれらの内容を記述するなどしてもよい。これら以外の方法で自由にユーザが設定できるようにしてもよい。
ログ生成部150は、このログ定義データを参照し、ログの生成条件や書式(ログへの記録内容と記録形式)を取得して、これに従いアクセス状況ログを生成する。
次に、データアクセスの競合が発生した際の、ログ生成部150が行う動作について説明する。
(1)使用状態フラグへのアクセス競合発生の旨
(2)当該管理データを識別するID
(3)当該管理データにアクセスしようとした制御プロセスのID
(1)データアクセス競合発生の旨
(2)当該管理データを識別するID
(3)当該管理データにアクセスしようとした制御プロセスのID、および当該管理データを使用中の制御プロセスのID(=使用状態フラグの値)
ただし、この場合のログ生成の考え方は、データアクセスの競合というよりはアクセス権解放失敗の記録を残すか否かということを趣旨とする。
当然、データアクセスの開始の場合もデータアクセスの終了の場合も同様であるが、処理に成功した場合や成功と失敗の双方の場合において、ログを生成するようにしても構わない。
この場合のアクセス競合の検出は、例えば実施の形態1で説明したような構成と手順で行い、アクセス制御は行わずに競合発生の旨をログ出力しておく、などとすればよい。
特に、不具合の原因が解明されていない時点においては、上述のようにログ生成のみを行っておき、ログの解析により原因がある程度解明された段階で、実施の形態1で説明したようなアクセス競合の回避を行う、などとすることもできる。
図7は、本発明の実施の形態3に係る設備管理装置100の機能ブロック図である。
本実施の形態3に係る設備管理装置100は、実施の形態2の図6で説明した構成に加え、新たにログ表示部160を備える。その他の構成は図6と同様であるため、説明を省略する。
ログの取得は、ログ表示部160が自ら行ってもよいし、ログ表示部160は画面表示のみを行い、ログ表示部160の動作指示は制御部120またはログ生成部150が行うようにしてもよい。
ログ表示部160を備えることにより、問題の発生状況を画面表示により簡単に確認することができる。
図8は、本発明の実施の形態4に係る設備管理装置100の機能ブロック図である。
本実施の形態4に係る設備管理装置100は、実施の形態2の図6で説明した構成に加え、新たにログ情報通知部170を備える。その他の構成は図6と同様であるため、説明を省略する。
また、制御部120、データアクセス部130、またはログ生成部150と一体的に構成することもできる。
図9は、本発明の実施の形態5に係る設備管理装置100の機能ブロック図である。
本実施の形態5に係る設備管理装置100は、実施の形態2の図6で説明した構成に加え、新たにログ出力部180を備える。その他の構成は図6と同様であるため、説明を省略する。
出力方式は、例えば外付けのメモリ装置にログデータをコピーする方法、シリアルケーブルやLAN等による接続を介した通信によりログデータを出力する方法、等を利用することができる。
また、出力されるログデータの形式は、生のログデータそのまま、XML等によりデータ構造記述されたもの、外部からの指示により特定の形式に変更されたもの、外部からの指示により選抜されたもの、等とすることができる。
ログデータを設備管理装置100の外部に出力することにより、ログデータの解析を設備管理装置100の外部で行うことができる。
また、制御部120、データアクセス部130、またはログ生成部150と一体的に構成することもできる。
ログ出力時のインターフェースは、出力方式やログデータの形式に応じて適宜定める。
図10は、本発明の実施の形態6に係る設備管理装置500の機能ブロック図である。
図10において、通信部510、制御部520、データアクセス部530、記憶部540の機能や役割は、概ね実施の形態1の図1で説明した同名の構成部と同様であるため、本実施の形態6では差異点のみを説明する。
制御部520が実行する制御プロセスは、使用間隔管理テーブル541を参照し、同テーブルに定義されている各管理データの使用間隔を取得して、その使用間隔で記憶部540に格納されている各管理データを参照し、または更新する。使用間隔の詳細は後述する。
なお、制御プロセスが各管理データにアクセスする際は、実施の形態1と同様に、データアクセス部530を介して行う。
設定に際しては、例えば通信部510を介して監視装置300の表示画面に適当な選択肢を表示させ、設備管理装置500の動作設定項目としてユーザに提示したり、設定値の入力を同画面上でユーザに促したりして、設定作業によりこれらの内容をユーザに設定させてもよい。
使用間隔管理テーブル541は、「データ識別ID」列、「制御プロセスID」列、「使用間隔」列を有する。
「データ識別ID」列には、記憶部540が格納する各管理データを一意に識別するIDが格納される。
「制御プロセスID」列には、「データ識別ID」列の値で特定される管理データを使用する制御プロセスの識別IDが格納される。
「使用間隔」列には、「制御プロセスID」列の値で特定される制御プロセスが、「データ識別ID」列の値で特定される管理データを、参照しまたは更新する時間間隔が数値で格納される。
図11のデータ例では、1〜2行目のデータを参照すると、以下のことが分かる。
(1.1)制御プロセス520Aが同管理データを要求した際に、その時点より前の10分以内に更新された最新の管理データを提供する。
(1.2)10分毎に最新の管理データを取得し、制御プロセスにその旨の通知を出力する。
次に、上記の原則の下、さらに各管理データの使用間隔を最適化して通信トラフィックを低減する動作について説明する。
そこで、制御部520は、いずれの使用間隔で管理データを使用すれば最も効率的かを判断し、その周期をもって各管理データを読み取りまたは書き込みするよう、最適化を行う。
例えば、10分と15分の最大公約数をとった5分間隔でその管理データを更新し、各制御プロセスの更新周期を共通化する、といった最適化処理が考えられる。
以下、図11のデータ例を用いて、最適化の手法の1例を下記ステップ(1)〜(3)で説明する。
この場合、1時間で行われる更新回数は、以下のようになる。
(1.1)制御プロセス520Aのための更新:60分/10分=6回
(1.2)制御プロセス520Bのための更新:60分/15分=4回
(1.3)合計更新回数:6回+4回=10回
この場合、1時間で行われる更新回数は、以下のようになる。
(2.1)制御プロセス520Aと520Bの共通更新:60分/5分=12回
したがって制御部520は、使用間隔管理テーブル541の「使用間隔」列の値をそのまま用いて、空調機200bの設定温度の更新のための管理命令を発行する。
この場合、1時間で行われる更新回数は、以下のようになる。
(1.1)制御プロセス520Aのための更新:60分/ 5分=12回
(1.2)制御プロセス520Bのための更新:60分/10分= 6回
(1.3)合計更新回数:12回+6回=18回
この場合、1時間で行われる更新回数は、以下のようになる。
(2.1)制御プロセス520Aと520Bの共通更新:60分/5分=12回
これにより、設備管理装置500と各設備機器200の間の通信トラフィックを緩和することができ、安定動作可能な設備管理装置500を得ることができる。
Claims (29)
- 設備機器の動作を管理する設備管理装置であって、
当該設備管理装置の動作を制御する制御部と、
前記制御部が使用するデータを格納する記憶部と、
前記記憶部が格納しているデータにアクセスするとともにそのデータの使用状態フラグを管理するデータアクセス部と、
を備え、
前記制御部は、
前記記憶部が格納するデータに対する読み取りまたは書き込みを要求する複数の制御プロセスを非同期に実行し、
前記データアクセス部は、
前記制御プロセスからのデータ読取要求または書込要求を受け付け、
当該データの使用状態フラグが使用不可状態であれば、
当該データにアクセスできない旨を当該制御プロセスに返却し、
当該データの使用状態フラグが使用可能状態であれば、
使用状態フラグを使用不可状態にセットしてそのデータにアクセスし、データの読み取りまたは書き込みが終了すると、当該データの使用状態フラグを使用可能状態にセットして、データの読み取りまたは書き込みの結果を当該制御プロセスに返却する
ことを特徴とする設備管理装置。 - 前記データアクセス部は、
前記使用可能フラグを使用不可状態にセットする際には、
当該データに対する読み取りまたは書き込みの結果の返却先である前記制御プロセスの識別IDをその使用可能フラグの値としてセットする
ことを特徴とする請求項1に記載の設備管理装置。 - 前記データアクセス部は、
前記使用可能フラグに対し複数の制御プロセスから同時にアクセス要求があった際は、
1の制御プロセスのみその使用可能フラグに対するアクセスを許可し、
先の制御プロセスがその使用可能フラグへのアクセスを終了するまで他の制御プロセスを待機させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の設備管理装置。 - 設備機器の動作を管理する設備管理装置であって、
当該設備管理装置の動作を制御する制御部と、
前記制御部が使用するデータを格納する記憶部と、
前記記憶部が格納するデータに対するアクセス状況ログを生成するログ生成部と、
を備え、
前記制御部は、
前記記憶部が格納するデータに対する読み取りまたは書き込みを要求する複数の制御プロセスを非同期に実行し、
前記ログ生成部は、
前記記憶部が格納するデータに対する前記制御プロセスからの読み取りまたは書き込みの要求が競合した際に、
その競合状況を表すアクセス状況ログを生成する
ことを特徴とする設備管理装置。 - 前記制御部は、
前記ログ生成部が生成するアクセス状況ログの生成条件または書式の指定を受け付け、
その生成条件または書式を定義するログ定義データを前記記憶部に格納し、
前記ログ生成部は、
前記アクセス状況ログを生成する際に、
前記ログ定義データを参照してその生成条件または書式に基づき前記アクセス状況ログを生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の設備管理装置。 - 画面表示を行う表示部を備え、
前記制御部は、
前記ログ生成部が生成した前記アクセス状況ログを取得し、
その内容を前記表示部に画面表示させる
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の設備管理装置。 - 前記制御部が実行する前記制御プロセスに対し、前記記憶部が格納するデータに対する読み取りまたは書き込みの要求が競合した旨を通知する競合状況通知部を備え、
前記競合状況通知部は、
前記ログ生成部が生成した前記アクセス状況ログを取得し、
そのアクセス状況ログに基づき前記通知を行う
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の設備管理装置。 - 前記ログ生成部が生成した前記アクセス状況ログを当該設備管理装置の外部に出力するログ出力部を備えた
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の設備管理装置。 - 設備機器の動作を管理する設備管理装置であって、
当該設備管理装置の動作を制御する制御部と、
前記制御部が使用するデータを格納する記憶部と、
前記記憶部が格納しているデータにアクセスするデータアクセス部と、
を備え、
前記制御部は、
前記記憶部が格納するデータに対する読み取りまたは書き込みを要求する複数の制御プロセスを非同期に実行し、
前記データアクセス部は、
前記制御プロセスからのデータ読取要求または書込要求を受け付け、
その要求が競合した際は、
要求元の前記制御プロセスにその競合状況を通知する
ことを特徴とする設備管理装置。 - 設備機器の動作を管理する設備管理装置であって、
当該設備管理装置の動作を制御する制御部と、
前記設備機器の管理データおよびその管理データの使用間隔を定義した間隔管理テーブルを格納する記憶部と、
前記設備機器に対する管理命令の送信またはその応答の受信を行う通信部と、
を備え、
前記制御部は、
前記間隔管理テーブルに定義されている前記使用間隔を参照し、
その使用間隔で前記通信部に対し前記管理命令の送信を指示し、
その管理命令に対する応答に基づき前記記憶部にその設備機器の管理データを格納する
ことを特徴とする設備管理装置。 - 前記制御部は、
前記通信部を介して前記設備機器に対する管理命令の送信またはその応答の受信を行う複数の制御プロセスを実行し、
前記間隔管理テーブルは、前記制御プロセス毎に前記使用間隔を保持する
ことを特徴とする請求項10に記載の設備管理装置。 - 前記制御部は、
前記間隔管理テーブルより前記制御プロセス毎の前記使用間隔を取得し、
それらの使用間隔に基づき各前記制御プロセスに共通する新たな使用間隔を求め、
その新たな使用間隔で前記通信部に対し前記管理命令の送信を指示する
ことを特徴とする請求項11に記載の設備管理装置。 - 前記制御部は、
前記間隔管理テーブルより前記制御プロセス毎の前記使用間隔を取得し、
それらの使用間隔に基づき、各前記制御プロセスに共通し且つ前記通信部の通信トラフィックが最小となる新たな使用間隔を求め、
その新たな使用間隔で前記通信部に対し前記管理命令の送信を指示する
ことを特徴とする請求項11に記載の設備管理装置。 - 請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の設備管理装置と、
前記設備管理装置が動作を管理する設備機器と、
を有することを特徴とする設備機器ネットワークシステム。 - 設備機器の動作を管理する設備管理装置のデータアクセスを制御する方法であって、
当該設備管理装置が備える記憶部が格納するデータに対して読み取りまたは書き込みを要求する複数の制御プロセスを非同期に実行するステップと、
前記記憶部が格納しているデータにアクセスするとともにそのデータの使用状態フラグを管理するデータアクセスステップと、
を有し、
前記データアクセスステップはさらに、
前記制御プロセスからのデータ読取要求または書込要求を受け付けるステップと、
当該データの使用状態フラグの状態を判定するステップと、
を有し、
前記データアクセスステップにおいて、
当該データの使用状態フラグが使用不可状態であれば、
当該データにアクセスできない旨を当該制御プロセスに返却し、
当該データの使用状態フラグが使用可能状態であれば、
使用状態フラグを使用不可状態にセットしてそのデータにアクセスし、データの読み取りまたは書き込みが終了すると、当該データの使用状態フラグを使用可能状態にセットして、データの読み取りまたは書き込みの結果を当該制御プロセスに返却する
ことを特徴とするデータアクセス制御方法。 - 前記データアクセスステップにおいて、
前記使用可能フラグを使用不可状態にセットする際には、
当該データに対する読み取りまたは書き込みの結果の返却先である前記制御プロセスの識別IDをその使用可能フラグの値としてセットする
ことを特徴とする請求項15に記載のデータアクセス制御方法。 - 前記使用可能フラグに対し複数の制御プロセスから同時にアクセス要求があった際は、
前記データアクセスステップにおいて、
1の制御プロセスのみその使用可能フラグに対するアクセスを許可し、
先の制御プロセスがその使用可能フラグへのアクセスを終了するまで他の制御プロセスを待機させる
ことを特徴とする請求項15または請求項16に記載のデータアクセス制御方法。 - 設備機器の動作を管理する設備管理装置のデータアクセスを制御する方法であって、
当該設備管理装置が備える記憶部が格納するデータに対して読み取りまたは書き込みを要求する複数の制御プロセスを非同期に実行するステップと、
前記記憶部が格納するデータに対するアクセス状況ログを生成するログ生成ステップと、
を有し、
前記ログ生成ステップにおいて、
前記記憶部が格納するデータに対する前記制御プロセスからの読み取りまたは書き込みの要求が競合した際に、
その競合状況を表すアクセス状況ログを生成する
ことを特徴とするデータアクセス制御方法。 - 前記ログ生成部が生成するアクセス状況ログの生成条件または書式の指定を受け付け、
その生成条件または書式を定義するログ定義データを前記記憶部に格納しておき、
前記ログ生成ステップにおいて、
前記アクセス状況ログを生成する際に、
前記ログ定義データを参照してその生成条件または書式に基づき前記アクセス状況ログを生成する
ことを特徴とする請求項18に記載のデータアクセス制御方法。 - 画面表示を行う表示部を当該設備管理装置に設け、
前記ログ生成ステップで生成した前記アクセス状況ログを取得し、
その内容を前記表示部に画面表示させる
ことを特徴とする請求項18または請求項19に記載のデータアクセス制御方法。 - 前記制御プロセスに対し、前記記憶部が格納するデータに対する読み取りまたは書き込みの要求が競合した旨を通知する競合状況通知ステップを有し、
前記競合状況通知ステップにおいて、
前記ログ生成ステップで生成した前記アクセス状況ログを取得し、
そのアクセス状況ログに基づき前記通知を行う
ことを特徴とする請求項18または請求項19に記載のデータアクセス制御方法。 - 前記ログ生成ステップで生成した前記アクセス状況ログを当該設備管理装置の外部に出力するステップを有する
ことを特徴とする請求項18または請求項19に記載のデータアクセス制御方法。 - 設備機器の動作を管理する設備管理装置のデータアクセスを制御する方法であって、
当該設備管理装置が備える記憶部が格納するデータに対して読み取りまたは書き込みを要求する複数の制御プロセスを非同期に実行するステップと、
前記記憶部が格納しているデータにアクセスするデータアクセスステップと、
を有し、
前記データアクセスステップにおいて、
前記制御プロセスからのデータ読取要求または書込要求を受け付け、
その要求が競合した際は、
要求元の前記制御プロセスにその競合状況を通知する
ことを特徴とするデータアクセス制御方法。 - 設備機器の動作を管理する設備管理装置の通信トラフィックを制御する方法であって、
当該設備管理装置が備える記憶部に、
前記設備機器の管理データおよびその管理データの使用間隔を定義した間隔管理テーブルを格納しておき、
前記間隔管理テーブルに定義されている前記使用間隔を参照する間隔取得ステップと、
その使用間隔で前記設備機器に対する管理命令を送信する通信ステップと、
その管理命令に対する応答に基づき前記記憶部にその設備機器の管理データを格納するステップと、
を有することを特徴とする通信トラフィック制御方法。 - 前記設備機器に対する管理命令の送信またはその応答の受信を行う複数の制御プロセスを実行するステップを有し、
前記間隔管理テーブルは、前記制御プロセス毎に前記使用間隔を保持しており、
前記間隔取得ステップにおいて、
前記間隔管理テーブルを参照して前記制御プロセス毎に前記使用間隔を取得し、
前記通信ステップにおいて、
前記制御プロセス毎の前記使用間隔で前記設備機器に対する管理命令を送信する
ことを特徴とする請求項24に記載の通信トラフィック制御方法。 - 前記間隔管理テーブルより前記制御プロセス毎の前記使用間隔を取得し、
それらの使用間隔に基づき各前記制御プロセスに共通する新たな使用間隔を求め、
その新たな使用間隔で前記管理命令を送信する
ことを特徴とする請求項25に記載の通信トラフィック制御方法。 - 前記間隔管理テーブルより前記制御プロセス毎の前記使用間隔を取得し、
それらの使用間隔に基づき、各前記制御プロセスに共通し且つ前記通信ステップにおける通信トラフィックが最小となる新たな使用間隔を求め、
前記通信ステップにおいてその新たな使用間隔で前記管理命令を送信する
ことを特徴とする請求項25に記載の通信トラフィック制御方法。 - 請求項15ないし請求項23のいずれかに記載のデータアクセス制御方法を当該設備管理装置が備える演算装置に実行させる
ことを特徴とするデータアクセス制御プログラム。 - 請求項24ないし請求項27のいずれかに記載の通信トラフィック制御方法を当該設備管理装置が備える演算装置に実行させる
ことを特徴とする通信トラフィック制御プログラム。
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