JP2009145621A - トナーおよび画像形成方法 - Google Patents

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庸好 菅原
Hagumu Iida
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Abstract

【課題】高精細な画質を要求される複写機又はプリンターにおいて、グレーの粒状感が目立たない画像を出力できるトナー及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナーにおいて、
該着色剤は、カーボンブラックと無機顔料を少なくとも含有し、
該カーボンブラックのDBP吸着量が20乃至150g/100gであり、該カーボンブラックの1次粒子の個数平均粒径が0.010乃至0.050μmであり、
該無機顔料の個数平均粒径が0.020乃至1.000μmであり、該無機顔料の屈折率が1.40乃至2.20であり、
該カーボンブラックの1次粒子径をA、該カーボンブラックのDBP吸着量をB(g/100g)、該無機顔料の平均粒径をCとした時、0.10≦10×A/{B×10(n×C)}≦0.65を満足し、
該トナーの粉体状態における明度L*の値が20<L*≦55であり、ハンター白色度Wが50乃至80であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真法を用いる画像形成方法及びそれに使用されるトナーに関する。
電子写真式画像形成装置の用途も多種多様に広がり、その画像品質への要求も厳しくなってきている。一般の写真、カタログ、地図の如き画像の複写では、微細な部分に至るまで、極めて微細に且つ忠実に再現することが求められており、印刷分野への進出が著しい昨今、電子写真方式においても印刷の品質と同等以上の高精細が要求されるようになっている。
最近のデジタルな画像信号を使用している電子写真方式の画像形成装置では、潜像は一定電位のドットが潜像担持体、所謂感光体の表面に集まって形成されており、ベタ部、ハーフトーン部及びライン部はドット密度をかえることによって表現されている。
しかしこの方法では、低濃度のハーフトーン部ではドットサイズを小さくして画像を形成しなければならず、微小なドットから形成される潜像の再現性が困難な場合、解像度及び特にハーフトーン部の階調性の悪い、シャープネスさに欠けた画像となる傾向がある。また、不規則なドットの乱れは粒状感として感じられ、ハーフトーン部の画質を低下させる要因となる。
これらを改善する目的で、ベタ部は濃い色のトナー(濃トナー)、ハーフトーン部はそれより濃度の薄いトナー(淡トナー)を用いて画像を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1又は2参照)。これらの技術によってハーフトーン部の画質は向上された。しかしブラックにおいては濃トナーと淡トナーで色味の差が目立ち易く、特に白黒部分の多い写真画像を複写した場合にグレー部分が、若干黄味がかる傾向にあった。
そこで結着樹脂中に着色剤と白色剤を含有することで下地からの隠蔽力を強化した淡トナーが提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、黒色剤と白色剤を含有し、特定のトナー付着量に対する画像濃度の特性を規定したトナーが提案されている(例えば、特許文献4参照)。確かにグレー部分が若干黄味がかる傾向は改善されている。しかし、これらのトナーでは、フルカラー用の画像形成装置で写真画像を複写した場合、有彩色との混色性が低下し、高精細な画質が得られない。
このようにグレー部を形成する淡トナーにおいて、写真画像を忠実に複写できるような色味、混色性を向上させるには、まだまだ改善が必要であった。
特開平11−84764号公報 特開2000−231279号公報 特開2002−139867号公報 特開2006−227308号公報
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決し得る画像形成方法を提供することを課題とする。
即ち本発明は、高精細な画質を要求される複写機又はプリンターにおいて、グレーの粒状感が目立たない画像を出力できるトナー及び画像形成方法を提供することを目的とする。
また本発明は、ブラックの階調を忠実に再現し、混色性にも優れたトナー及び画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下により達成される。すなわち、
(1)結着樹脂、着色剤、及びワックスを少なくとも含有するトナーにおいて、
該着色剤は、カーボンブラックと無機顔料を少なくとも含有し、
該カーボンブラックのDBP吸着量が20乃至150g/100gであり、該カーボンブラックの1次粒子の個数平均粒径が0.010乃至0.050μmであり、
該無機顔料の個数平均粒径が0.020乃至1.000μmであり、該無機顔料の屈折率が1.40乃至2.20であり、
該カーボンブラックの1次粒子径をA(μm)、該カーボンブラックのDBP吸着量をB(g/100g)、該無機顔料の平均粒径をC(μm)とした時、下記条件
0.10≦10×A/{B×10(n×C)}≦0.65
を満足し、
該トナーの粉体状態における明度L*の値が20<L*≦55であり、下記式
W(白色度)=100−√〔(100−L)2+(a2+b2)〕
で表されるハンター白色度Wが50乃至80であることを特徴とするトナーに関する。
(2)該無機顔料は、Mg、Ca、Ba、及びAlから選ばれる1種又は2種以上の元素の無機化合物を含有する白色系顔料であることを特徴とするトナーに関する。
(3)該無機顔料は下記式
Alp(OH)q(SO4r・xH2
(式中、p、q、及びrは1以上の整数を示し、xは0または1以上の整数を示す。)
で示される塩基性硫酸アルミニウム化合物を含有することを特徴とするトナーに関する。
(4)該トナー中のワックスは分散粒径が0.05乃至1.00μmであることを特徴とするトナーに関する。
(5)該トナーは結着樹脂100質量部に対してカーボンブラックを0.1乃至2.0質量部有し、白色系顔料を0.5乃至10.0質量部有することを特徴とするトナーに関する。
(6)第一のブラックトナー画像および第二のブラックトナー画像を、中間転写体を介して又は介さずに転写材へ転写し、定着装置を通して転写材に定着画像を形成する画像形成方法であって、
第一のブラックトナー画像が、粉体状態における明度L*が、20<L*≦55の淡ブラックトナー(LK)或いは0≦L*≦20の濃ブラックトナー(DK)のどちらか一方を含有しており、
第二のブラックトナー画像が、他方のブラックトナーを含有しており、
該淡ブラックトナーは結着樹脂、着色剤、及びワックスを少なくとも含有し、
該着色剤は、カーボンブラックと無機顔料を少なくとも含有し、
該カーボンブラックのDBP吸着量が20乃至150g/100gであり、該カーボンブラックの1次粒子の個数平均粒径が0.010乃至0.050μmであり、
該無機顔料の個数平均粒径が0.020乃至1.000μmであり、該無機顔料の屈折率が1.40乃至2.20であり、
該カーボンブラックの1次粒子径をA(μm)、該カーボンブラックのDBP吸着量をB(g/100g)、該無機顔料の平均粒径をC(μm)とした時、下記条件
0.10≦10×A/{B×10(n×C)}≦0.65
を満足し、
該トナーの粉体状態における明度L*の値が20<L*≦55であり、下記式
W(白色度)=100−√〔(100−L)2+(a2+b2)〕
で表されるハンター白色度Wが50乃至80であることを特徴とする画像形成方法に関する。
(7)第一のブラックトナー画像および第二のブラックトナー画像を、少なくともトナー及び磁性キャリアを含有する補給用現像剤を現像器に補給しながら現像し、少なくとも現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する画像形成方法であり、
第一のブラックトナー画像が、粉体状態における明度L*が、20<L*≦55の淡ブラックトナー(LK)或いは0≦L*≦20の濃ブラックトナー(DK)のどちらか一方を含有しており、
第二のブラックトナー画像が、他方のブラックトナーを含有しており、
該淡ブラックトナーは結着樹脂、着色剤、及びワックスを少なくとも含有し、
該着色剤は、カーボンブラックと無機顔料を少なくとも含有し、
該カーボンブラックのDBP吸着量が20乃至150g/100gであり、該カーボンブラックの1次粒子の個数平均粒径が0.010乃至0.050μmであり、
該無機顔料の個数平均粒径が0.020乃至1.000μmであり、該無機顔料の屈折率が1.40乃至2.20であり、
該カーボンブラックの1次粒子径をA(μm)、該カーボンブラックのDBP吸着量をB(g/100g)、該無機顔料の平均粒径をC(μm)とした時、下記条件
0.10≦10×A/{B×10(n×C)}≦0.65
を満足し、
該トナーの粉体状態における明度L*の値が20<L*≦55であり、下記式
W(白色度)=100−√〔(100−L)2+(a2+b2)〕
で表されるハンター白色度Wが50乃至80であることを特徴とする画像形成方法に関する。
(8)表層にトナー受容層を有し、トナーで形成された画像が転写された転写材を、第一の画像加熱装置により加熱及び加圧し、
該第一の画像加熱装置を通過した転写材を更に第二の画像加熱装置により加熱及び加圧し、
該第二の画像加熱装置は、転写材の画像面が密着されるエンドレスベルトを有し、加熱加圧後に該エンドレスベルトに密着したままの転写材を分離前に強制的に冷却する画像形成方法であり、
該トナーは結着樹脂、着色剤、及びワックスを少なくとも含有し、
該着色剤は、カーボンブラックと無機顔料を少なくとも含有し、
該カーボンブラックのDBP吸着量が20乃至150g/100gであり、該カーボンブラックの1次粒子の個数平均粒径が0.010乃至0.050μmであり、
該無機顔料の個数平均粒径が0.020乃至1.000μmであり、該無機顔料の屈折率が1.40乃至2.20であり、
該カーボンブラックの1次粒子径をA(μm)、該カーボンブラックのDBP吸着量をB(g/100g)、該無機顔料の平均粒径をC(μm)とした時、下記条件
0.10≦10×A/{B×10(n×C)}≦0.65
を満足し、
該トナーの粉体状態における明度L*の値が20<L*≦55であり、下記式
W(白色度)=100−√〔(100−L)2+(a2+b2)〕
で表されるハンター白色度Wが50乃至80であることを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明のトナーでは、高精細な画質を要求される複写機又はプリンターに於いて、グレーの粒状感が目立たず、階調性にすぐれた画像を出力することができる。また、フルカラー用の画像形成装置で写真画像を出力してもグレー部分の色合いに違和感が無い画像を出力できる。
また本発明の画像形成方法では二成分系現像剤の長寿命化を最も効果的に発揮させることができる。
さらに本発明の画像形成方法では、銀塩写真のような均一光沢の高画質画像を出力することができる。
本発明において明度L*は粉体状態のトナーとして求めた値を示している。一般に明度L*は、L***系表色系において、色相及び彩度に関係なく比較できる色の明るさの度合いを0乃至100の範囲で示すものである。本発明において、粉体状態のトナーにおけるL*は、分光式色差計「SE−2000」(日本電色工業社製)を用いて測定したものである。
本発明において20<L*≦55の淡ブラックトナー(以下、これを「LKトナー」と表記することがある)とは、通常のブラックトナーに比べ、着色力を抑え、明度を高くしたものである。明度の高いトナーを用いるとハーフトーン部の画像が良好である理由は以下の通りである。
まず、明度の低いトナーを用いてハーフトーン部を現像する際の課題について説明する。ハーフトーン部の画像を明度の低い(色の濃い)トナーで形成すると、トナーが現像された明度の低い部分は局部的に高い濃度となり、トナーの現像されない部分とくっきりしたコントラストが出来る。この場合ハーフトーン部では、当然トナーの現像されない部分が多く、そこに明度の低い高濃度の点がばらまかれた状態の画像が形成される。これは結果的には、極めて粒状感の目立つ画像となってしまう。
それに対して、本発明では、ブラックのハーフトーン部を明度が高いトナーを用いて現像することとする。明度が高いトナーを用いて、明度が低いトナーを用いた場合に比べて多量のトナーを用いて現像を行い、多数のトナー即ち画像点(色点)によりハーフトーン画像を形成することによって、紙とトナーとの明度の差が少なく、粒状性の点で良好な(粒状感の少ない)ハーフトーン部を形成することができる。
本発明において、トナーの明度を定着した後の画像の分光感度特性ではなく、粉体状態における分光感度特性で規定したのは以下の理由による。定着器や記録部材には様々な種類が存在し、その条件及び組み合わせによって、同一のトナーを定着した場合にでも発現するグロスや色域は大きく変化する。また、定着器の圧力によって、トナーの潰れ方も異なり、それは粒状性(がさつき)に影響を及ぼす。その点、本発明による直接的な測色方法を採用すると、定着器の構成や転写物に影響されないため、トナーそのものの明度を的確に規定することができる。
形成される画像のベタ部に濃ブラックトナー(以下、これを「Dトナー」と表記することがある)を用い、ハーフトーン部は上記本発明の淡ブラックトナー(Lトナー)を用いるといった具合に、画像の濃度によってトナーを使い分け、画像を形成するとより好ましい効果が得られる。また、形成される画像の濃度階調に応じて、濃色トナー(Dトナー)と淡色トナー(Lトナー)とを適宜組み合わせて用いることも好ましい形態である。
これは、ブラック(DKトナー、LKトナー)だけでなく、マゼンタ(DMトナー、LMトナー)、シアン(DCトナー、LCトナー)いずれのトナーに用いても同様な効果が得られる。
ただし、DKトナーの粉体状態における明度L*が0≦L*≦20、LKトナーの粉体状態における明度L*が20<L*≦55であるのに対して、DC、DMトナーの粉体状態における明度L*は20<L*≦45、LC、LMトナーの粉体状態における明度L*は45<L*≦75であることが高画質画像を形成するうえでより好ましい。
LKトナーの粉体状態における明度L*がL*≦20、L*>55であると、LKトナーとしての効果が低くなるため、粒状感が目立ち易くなったり、階調の濃度が変化したりする。
本発明のLKトナーは、さらに粉体状態におけるトナーの白色度(W)を以下のように規定している。
W(白色度)=100−√〔(100−L)2+(a2+b2)〕
ここでL、a、bはハンター(R.S.Hunter)が1948年に提案した表色系であり、Wはそれに基づいた計算式である。
LKトナーの着色剤としてカーボンブラックのみを使用した場合、LKトナー単体で出した濃度階調の画像は、DKトナー単体で出力した濃度階調に対して色味が黄色にずれる。トナー用として使用されるような1次粒子径が比較的小さいカーボンブラックは顕著であり、特に顔料部数の少ないLKトナーでは非常に目立つ。
そこで本発明者らは、鋭意検討の結果、本発明の如き構成のLブラックトナーによってその問題を解決した。
この検討の経緯として、まず黄色の補色である青系の顔料を少量添加することで色味の調整を行った。その結果改善はされるが、LKトナー単色で階調画像を出力したとき、ある特定の階調ではDKトナーの階調画像と同じ色相を表現することができても、それ以外の階調では青味にずれたり、あるいは黄味がまだ残っていたり等、青系顔料の部数をどのように調整してもLKトナー単色で出力した階調の全域を改善させることは出来なかった。
次に本発明者らは白色顔料を添加することで、LKトナー単色で出力した諧調の全域の彩度C*(√(a*2+b*2))を小さくし、DKトナーの階調画像に色相を近づけることを検討した。その結果、階調の色相は改善されたが、白色性の強い顔料を使用した場合、有彩色との混色性が悪くなり、画像の明度の高い部分が写真画質を表現できなくなった。
本発明で使用されるLKトナーのハンター白色度Wは50乃至80であるが、好ましくは55乃至75である。LKトナーの白色度の調整は白色系無機顔料とカーボンブラックの添加部数によって決まるが、両者バランスよく添加することが重要である。
白色度が80よりも大きくなるのは、カーボンブラックの添加量が少ないか、白色系無機顔料の添加量が多いことによる。カーボンブラックが少ない場合は階調が滑らかに表現されず、低濃度部の階調の濃度変動が多発する。白色系無機顔料の添加量が多い場合、有彩色との混色性が悪くなり、出力画像に違和感を生じる。
白色度が50よりも小さくなるのは、カーボンブラックの添加量が多いか、白色系無機顔料の添加量が少ないことによる。いずれの場合も低濃度部の階調に粒状感が多く感じられ、LKトナーとしての効果が得られない。
本発明で使用する無機顔料は、次に示すような物性のものを使用する。
本発明で使用する無機顔料は屈折率が1.40乃至2.20のものを使用するが、屈折率が1.42乃至1.90であることがより好ましい。これは通常の白色顔料としては白色性が比較的小さいことを示している。白色性の強弱は屈折率と相関があり、例えば酸化チタン(屈折率2.50以上)のような屈折率の高い白色系の無機顔料は、白色性が強いため、有彩色との混色性は悪くなる。逆に1.40未満の無機顔料ではLKトナーの色相を調整する効果が得られない。
また、本発明で使用する無機顔料は平均粒径が0.020乃至1.000μmのものを使用する。1.000μmを超えると粒子の粗さが影響して明度の高い写真画像では粗さが目立つ。また0.020μm未満だと、LKトナーの色相を調整する効果が得られない。
無機顔料の平均粒径はビーズミル等で所定の粒径まで粉砕することで調整可能である。
該無機顔料の添加部数は、結着樹脂100質量部に対して0.5乃至10.0質量部有するよう添加することが好ましい。0.5質量部未満では該無機顔料の効果が得られず、低濃度部のハーフトーンの黄色味が残り易い。10.0質量部を超えて添加すると、該無機顔料の影響が強くなるため、有彩色との混色性が低下する傾向にある。
本発明で使用される無機顔料とは、上記範囲の白色系顔料であるが、好ましくはMg、Ca、Ba、Alから選ばれる1種又は2種以上の元素の無機化合物を含有する白色系顔料である。具体的な例としては、アルミナ(Al23)、硫酸バリウム(BaSO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、タルク(Mg3Si410(OH)2)等、比較的屈折率の小さいものが好ましく使用できる。特に好ましいのは、下記式で示される塩基性硫酸アルミニウム化合物である。
Alp(OH)q(SO4r・xH2
(式中、p、q、及びrは1以上の整数を示し、xは0または1以上の整数を示す。)
具体例としてアルミナホワイト(Al4(OH)10SO4・5H2O)等が挙げられるが、上記塩基性硫酸アルミニウム化合物を使用すると、特に粒状感の無い高精細な画像を出力することが出来た。この効果の詳細は定かではないが、おそらく上記塩基性硫酸アルミニウム化合物が結着樹脂中で均一に分散され、しかもカーボンブラックの分散性向上にも寄与しているのではないかと考える。
次に本発明に使用されるカーボンブラックについて説明する。本発明に使用されるカーボンブラックは、DBP吸着量が20乃至150g/100gであるが、より好ましくは30乃至110g/100gであり、さらに好ましくは35乃至90g/100gである。CBは粒子どうしが融着した状態(ストラクチャー)で存在し、DBP吸着量はストラクチャーを間接的に定量している。ストラクチャーが高いと、カーボンブラックの分散性、着色力、粘度及び導電性に大きな影響を与える。本発明のLKトナーではDBP吸着量が150g/100gを超えると、トナー中でのカーボンの分散粒径が不均一になり、現像性が悪化するためか、階調の濃度が変わりやすくなる。
また本発明のKLトナーに使用するカーボンブラックの1次粒子の平均粒径が0.010乃至0.050μmであるが、好ましくは0.015乃至0.045μm、さらに好ましくは0.020乃至0.040μmである。
カーボンブラックの平均一次粒径が0.010μmよりも小さいと、一次粒径が微細なため、結着樹脂中への十分な分散が得られにくい。そのためトナーとしての帯電が不安定になり、長期使用で濃度や色味が変動する。
またカーボンブラックの平均一次粒径が0.050μmよりも大きい場合には、結着樹脂には分散しやすくなるが、詳細は定かではないが上記無機顔料との相溶性が悪くなり、粒状感が目立ったり混色性が悪くなったりした。
カーボンブラックの添加部数は、結着樹脂100質量部に対して0.1乃至2.0質量部有するようであることが好ましい。0.1質量部未満であると階調が滑らかに表現されず、低濃度部の階調の濃度変動が多発する。2.0質量部よりも多いと低濃度部の階調に粒状感が多く感じられ、LKトナーとしての効果が得られない。
さらに本発明では、カーボンブラックの1次粒子径をA(μm)、カーボンブラックのDBP吸着量をB(g/100g)、無機顔料の平均粒径をC(μm)、無機顔料の屈折率をnとした時、
0.10≦10×A/{B×10(n×C)}≦0.65
であることがDKトナーとの色味差を無くす上で重要である。上記式はランベルトの法則を基に本発明の鋭意検討における経験によって導かれたものである。
10×A/{B×10(n×C)}<0.10のときは、無機顔料の白色性が目立つわりに、彩度C*を小さくすることはできなかった。
また、10×A/{B×10(n×C)}>0.65の場合には白色系の無機顔料を使用しても大きな効果が得られなかった。
本発明のトナーを上記式の範囲内に収める為には、使用するカーボンブラックと無機顔料の特性値が上記範囲に納まるような組み合わせの物を予め確認した上で材料を選定することで達成できる。
次に本発明で使用するトナーの構成成分について述べる。
本発明のトナーに含有される結着樹脂は、トナーに用いられる一般的なものが用いられる。即ち、スチレン−(メタ)アクリル共重合体に代表されるビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合されたハイブリッド樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等様々な樹脂が使用できる。
本発明のトナーに含有される結着樹脂として、ポリエステル樹脂やポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂を用いる場合、ポリエステル樹脂やハイブリッド樹脂のポリエステルユニットを生成するためのポリエステル系モノマーとして、多価のアルコールと多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、または多価カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価カルボン酸成分としては、例えばフタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類またはその無水物;コハク酸、ドデセニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸およびアゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類またはその無水物;炭素数6乃至12のアルキル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸およびシトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸類またはその無水物;が挙げられる。
また、3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(別名トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸および、これらの無水物やエステル化合物が挙げられる。
なお、上記の中でも、特に、下記一般式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸またはその酸無水物、またはその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が特に好ましい。この組成としたポリエステル樹脂は、良好な帯電特性を有する。
Figure 2009145621
本発明のトナーに含有される結着樹脂として、ビニル系共重合体やビニル系共重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を用いる場合、ビニル系共重合体やハイブリッド樹脂のビニル系共重合体ユニットを生成するためのビニル系モノマーとして、次のようなものを用いることができる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンなどのスチレンおよびその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンなどの不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸などの不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物などの不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルなどの不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸などのα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物などのα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物およびこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明のトナーに含有させる結着樹脂として、ビニル系共重合体やビニル系共重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を用いる場合には、これらの樹脂はビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋されたものであってもよい。この場合に用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられる。アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートおよび以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートおよび以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。芳香族基およびエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレートおよび以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。その他、多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよび以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
ビニル系共重合体やビニル系共重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を製造する場合に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。
本発明のトナーは着色剤としてカーボンブラックを少なくとも含有する。
本発明におけるその他の着色剤としては、;磁性体;イエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色したものが利用される。
磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素等の元素を含む金属酸化物等がある。中でも四三酸化鉄、γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものが好ましい。また、トナーの帯電性のコントロールの観点から、ケイ素元素及びアルミニウム元素等、他の金属元素を含有していてもよい。前記磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2乃至30m2/g、特に3乃至28m2/gであることが好ましく、更にモース硬度が5乃至7であることが好ましい。
本発明のトナーをフルカラー画像出力用の画像形成装置を使用する場合、その他のトナーに使用される着色剤について説明する。
シアントナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、及び下記式で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。
Figure 2009145621
マゼンタトナー用着色顔料としてはC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
着色剤には、上記顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料が挙げられる。
イエロートナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20などが挙げられる。
イエロートナー用着色染料としては、C.I.ソルベントイエロー162等があり、顔料と染料を併用することも好ましい。
本発明における着色剤の含有量は、Lトナーを調製する場合、結着樹脂100質量部に対し0.1乃至2.0質量部が好ましい。またDトナーを調製する場合の着色剤の含有量は結着樹脂100質量部に対し総量で2.5乃至15.0質量部が好ましい。黒色トナー用着色剤として磁性体を用いる場合には、他の着色剤と異なり、結着樹脂100質量部に対し、Dトナーでは50乃至200質量部、Lトナーでは1乃至50質量部を添加して用いられるのが好ましい。
本発明のトナーはワックスを含有する。ワックスは本来定着画像と定着ローラとの離型性を良くする為に用いられるが、カーボンブラックを使用するトナーでは、カーボンブラックの分散性も向上させる為にも重要である。ワックスを添加しない場合、定着ローラとの離型性が悪くなり定着できなくなるだけでなく、カーボンブラックの分散不良による現像性の低下や色味、濃度変動なども発生し易くなる。
本発明のトナーに含有させることができるワックスとしては、特に限定されないが例えば次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量オレフィン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、ベヘン酸ベヘニルやステアリン酸ベヘニルなどの高級脂肪酸と高級アルコールとの合成反応物であるエステルワックス、および脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
また、優れた低温定着性、高い着色力、鮮明な色味と混色性、および優れた環境安定性、耐久性を達成するために、前記ワックスの示差走査熱量分析(DSC)における吸熱曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度が60乃至105℃の範囲にあることが好ましく、70乃至90℃の範囲にあることがより好ましい。60℃未満であると、例えばトナーの保存安定性が劣る場合があり、105℃を超えると省エネの観点から望まれる低温定着を行うことが困難となる場合がある。
ワックスは結着樹脂100質量部あたり1乃至20質量部、好ましくは2乃至15質量部使用するのが良い。1質量部よりも少ないとワックスの効果が無く、20質量部を超えるとトナーの保存安定性や現像性に問題が出る場合がある。
また、トナー中のワックスの平均分散粒径は0.05乃至1.00μmであることが好ましい。ワックスの平均分散粒径が0.05μmよりも小さい場合には、カーボンブラックの分散性が低下することによる色味変化や濃度変化が発生し易くなる。逆に1.00μmよりも大きい場合には、トナーの流動性を悪化させたり現像装置内の汚染が発生し易くなり、現像性に影響が出る。その結果濃度変化が発生し易くなる。
ワックスの平均分散粒径を小さくするには、粉砕トナーであれば、溶融混練の強度を強くするか、ワックスの添加量を少なくすることで調整出来る。逆に分散粒径を大きくするには溶融混練の強度を弱めるか、ワックスの添加量を多くすることで調整できる。
本発明のトナーには、荷電制御剤を含有させることができる。使用できる荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。具体的な化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
上記のうち、特に好ましく用いられる荷電制御剤は、芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物であり、その金属が2価以上であることが好ましい。芳香族カルボン酸の金属化合物は、例えば、2価以上の金属イオンが溶解している水溶液を、芳香族カルボン酸を溶解した水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱撹拌し、次に水溶液のpHを調整し、常温まで冷却した後、ろ過水洗することにより合成することができるが、上記の合成方法だけに限定されるものではない。2価の金属としてMg2+、Ca2+、Sr2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+が挙げられる。これらのうち、Zn2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl3+、Cr3+、Fe3+、Ni3+、Zr4+が挙げられる。これら3価以上の金属の中で好ましいのはAl3+、Cr3+、Zr4+であり、特に好ましいのはAl3+、Zr4+である。また、芳香族カルボン酸誘導体としては、サリチル酸誘導体が好ましい。該荷電制御剤は、結着樹脂100質量部に対し0.1乃至10質量部使用することが好ましい。この範囲の含有量とすると、トナーの帯電レベルを適度に調整できるため現像時に必要な帯電量が得られやすくなる。また、トナー製造工程の一部である混練時に、結着樹脂中に存在するカルボキシル基と前記した芳香族カルボン酸の金属化合物の中心金属との金属架橋反応を適度に起こさせ、トナーの粘弾性を調整することも可能であり、トナーの熱溶融特性を改良することができる。また、前述したようにトナー内部よりもトナー粒子表面の荷電制御剤濃度を高くし、かつ、トナー内部に存在する荷電制御剤よりも帯電性の強い荷電制御剤をトナー粒子表面に存在させることにより、帯電特性を制御しやすくなり好ましい。
本発明のトナーには、流動性向上剤が外部添加(以下、外添という)されていることが好ましい。ここで、流動性向上剤とは、トナー粒子に外添することにより、流動性が増加し得る機能を有するものであり、画質向上の観点から添加される。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末などのフッ素系樹脂粉末;湿式製法によるシリカ微粉末、乾式製法によるシリカ微粉末などのシリカ微粉末、それらシリカ微粉末をシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどの処理剤により表面処理を施した処理シリカ微粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チタン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末が用いられる。このような流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。
流動性向上剤は、トナー粒子100質量部に対して0.01乃至10質量部、好ましくは0.05乃至5質量部使用するのが良い。
本発明のトナーは、重量平均粒径が4乃至10μmであることが好ましい。このようにトナーの重量平均粒径を小粒径化することにより、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。重量平均粒径が4μm未満であると、例えば感光ドラムの表面への付着力が高くなり、転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となりやすい。また、トナーの単位質量あたりの帯電量が高くなり、例えば低温低湿環境下において画像濃度が低下してしまう場合がある。さらに、流動性の低下や部材への付着性の増加により、例えばキャリアとの摩擦帯電がスムーズに行われにくく、充分に帯電し得ないトナーが増大し、非画像部のカブリが目立つ様になる。また、重量平均粒径が9μmを超えている場合、高画質化に寄与し得る微粒子が少ないため、トナーの流動性に優れるというメリットがあるものの、感光ドラム上の微細な静電荷像上に忠実に付着しづらく、ハーフトーン部の再現性が低下し、さらに階調性も低下する場合がある。また、感光体ドラム表面等の部材への融着が起きやすい。さらに、4μm以下の粒径を有するトナーの含有率が3乃至40個数%であり、10μm以上の粒径を有するトナーの含有率が10体積%以下であると、現像性、転写性のバランスの取れたトナーが得られやすく、特に好ましい。
次に本発明のトナーを二成分系現像方法で使用される場合の補給用現像剤及び二成分現像剤に用いられるキャリアについて説明する。
磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライト等が使用できる。
上記磁性キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法において特に好ましい。被覆方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解又は懸濁させて調製した塗布液を磁性キャリアコア粒子表面に付着させる方法、磁性キャリアコア粒子と被覆材とを粉体で混合する方法等、従来公知の方法が適用できる。
磁性キャリアコア粒子表面への被覆材料としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは複数で用いる。上記被覆材料の処理量は、キャリアコア粒子に対し0.1乃至30質量%(好ましくは0.5乃至20質量%)が好ましい。これらキャリアの個数平均粒径は10乃至100μm、好ましくは20乃至70μmを有することが好ましい。
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2乃至15質量%、好ましくは4乃至13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
本発明のトナーの製造方法としては様々な方法が挙げられるが、例えば粉砕法により製造する場合には、トナー粒子を構成する少なくとも樹脂、着色剤などの材料(内添剤)を所定量秤量して配合し、混合する(これを「原料混合工程」という)。原料を混合する際に用いられる混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
次に、上記混合されたトナー原料を溶融混練して樹脂類を溶融し、その中に着色剤等を分散させることにより、着色樹脂組成物を得る(これを「溶融混練工程」という)。この溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。
更に、上記溶融混練工程よって得られた着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローター、ターボ工業製のターボ・ミル(RSSローター/SNNBライナー)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)等の分級機等の篩分機を用いて分級し、重量平均粒子径が4乃至10μmのトナー粒子を得る。
必要に応じて、表面改質工程で表面改質(即ち球形化処理)を行い、トナー粒子としてもよい。このような表面改質を行う装置としては、例えば奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステム、日本ニューマチック社製のサーフュージングシステム等が挙げられる。さらに必要に応じて風力式篩のハイボルター(新東京機械社製)等の篩分機を用いても良い。
また、重合性単量体組成物を水中に懸濁し、これを重合することにより直接トナー粒子を製造する方法、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を製造する分散重合方法、乳化重合により製造したエマルションと着色剤等を凝集・会合させることによりトナー粒子を製造する方法等、従来公知の製造方法も採用可能である。
更に、外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合することによりトナーを得ることができる。
図1は、表面改質を行うことのできる装置の一例を示す模式的断面図である。図1の表面改質装置は、以下の部材で構成されている。ケーシング30、冷却水或いは不凍液を通水できるジャケット(図示しない)。ケーシング30内において中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク或いは円筒型のピン40を複数個有し、高速で回転する円盤状の回転体である表面改質手段としての分散ローター36。分散ローター36の外周に一定間隔を保持して配置された、表面に多数の溝が設けられているライナー34(尚、ライナー表面上の溝はなくても構わない)。表面改質された原料を所定粒径に分級するための手段である分級ローター31。冷風を導入するための冷風導入口35、被処理原料を導入するための原料供給口33、表面改質時間を自在に調整可能となるように、開閉可能なように設置された排出弁38、処理後の粉体を排出するための粉体排出口37。分級ローター31と分散ローター36−ライナー34との間の空間を、分級ローター31へ導入される前の第一の空間41と、分級手段により微粉を分級除去された粒子を表面処理手段へ導入するための第二の空間42に仕切る案内手段である円筒形のガイドリング39。分散ローター36とライナー34との間隙部分が表面改質ゾーンであり、分級ローター31及びその周辺部分が分級ゾーンである。
上記表面改質装置では、排出弁38を閉じた状態で原料供給口33から微粉砕品を投入すると、投入された微粉砕品は、まずブロワー(図示しない)により吸引され、分級ローター31で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉は装置外へ連続的に排出除去され、所定粒径以上の粗粉は遠心力によりガイドリング39の内周(第二の空間42)に沿いながら分散ローター36により発生する循環流にのり表面改質ゾーンへ導かれる。
表面改質ゾーンに導かれた原料は分散ローター36とライナー34間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質された表面改質粒子は、機内を通過する冷風にのって、ガイドリング39の外周(第一の空間41)に沿いながら分級ゾーンに導かれる。この時発生した微粉は、分級ローター31により再度機外へ排出され、粗粉は循環流にのって再度表面改質ゾーンに戻され、繰り返し表面改質作用を受ける。一定時間経過後、排出弁38を開き、排出口37より表面改質粒子を回収する。
本発明者らが検討した結果、上記表面改質装置を用いた表面改質工程において、原料供給口33からの微粉砕品の投入から排出弁開放までの時間(サイクルタイム)と分散ローターの回転数が、トナーの球形度等をコントロールする上で重要である。
球形度を上げるには、サイクルタイムを長くするか、分散ローターの周速を上げるのが効果的である。サイクルタイムを長くした場合には、表面ワックス量が多くなってしまうことがあるため、トナーの円形度を上記範囲とするためには、分散ローラーの周速を1.2×105mm/secとし、サイクルタイムを15〜60秒とすることが有効である。
次に本発明の二成分系現像方法を用いた画像形成装置について一例を挙げて説明するが、本発明の二成分系現像方法に使用される現像装置はこれに限るものではない。
図2は、ロータリー回転方式の現像装置を搭載した電子写真方式のフルカラー画像形成装置の概略構成図である。図2が示すように、カラースキャナ101と、カラープリンタ102とを備える。カラースキャナ101は、原稿103を照明するための照明ランプ104を有し、照明ランプ104により照明された原稿103からの反射光は、ミラー群105a,105b,105cおよびレンズ106を介してカラーセンサ107上に結像される。カラーセンサ107は、結像された光学像すなわち原稿103のカラー画像情報を、例えばブルー(以下、Bという)、グリーン(以下、Gという)、レッド(以下、Rという)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換する。そして、カラーセンサ107からのR,G,Bの各画像信号は、画像処理部(図示せず)において、色変換処理により、ブラック(以下、Kという)、シアン(以下、Cという)、マゼンタ(以下、Mという)、イエロー(以下、Yという)の各画像データに変換される。
カラープリンタ102は、レーザスキャナユニット28を有する。このレーザスキャナユニット28は、カラースキャナ101からのカラー画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光をポリゴンミラー28aにより走査することによって、感光体(潜像像担持体)21上に静電潜像を形成する。この感光体21は、図中の矢印Aが示す方向(反時計方向)へ回転駆動される。感光体21の周囲には、感光体クリーニングユニット(クリーニング前除電器を含む)212、帯電器27、回転現像器213が配置されており、回転現像器213には、M現像器13DM、C現像器13DC、Y現像器13DY、DK現像器13DK、LK現像器13LKがそれぞれ保持されている。回転現像器213は、図中の矢印Rが示す方向へ、所定の色の現像器が感光体21と接するように回転制御される。それぞれの現像器の内部は、例えば、現像剤担持体、二成分系現像剤が収容される現像槽、補給剤が収容される補給剤収容器、該補給剤収容器から現像槽に補給剤を供給するための補給剤供給手段、現像槽中の二成分系現像剤の一部を必要があるときに取り除く現像剤排出手段を少なくとも有する。図3は、図2中の現像器13DM,13DY,13DC,13DK及び13LKの概略構成図である。図3によって現像器内の二成分系現像剤が現像されるまでの搬送されていく流れを説明する。
現像剤担持体としての現像スリーブ6は固定したマグネットロール8を内包し、像担持体1の周面との間に所定の現像間隔を保ち、駆動回転される。なお、現像スリーブ6と像担持体1とは接触していてもよい。規制部材7は剛性且つ磁性を有し、現像スリーブ6に対し現像剤が介在しない状態で所定の荷重をもって圧接されるものや、現像スリーブ6との間に所定の間隔を保って配されるもの等、種々の形態で用いられる。一対の現像剤攪拌搬送部材10、11は、スクリュー構造を持ち、互いに逆方向に二成分系現像剤を搬送循環させて、トナーと磁性キャリアを十分撹拌混合して二成分系現像剤とし、現像スリーブ6に送る作用をするものである。マグネットロール8は、例えば、N極及びS極を交互に等間隔に配置した等磁力の4極の磁石から構成されるもの、又は不図示のスクレーパに接する部分において反発磁界を形成し、二成分系現像剤の剥離を容易にするために、1極欠落させて5極とし、前記現像スリーブ6内で固定した状態で内包させたものであってもよい。
上記二本の現像剤撹拌搬送部材10、11は、互いに相反する方向に回転する撹拌部材を兼ねる部材であって、撹拌スクリューの推力によって補給剤供給器9より補給される補給剤を現像槽17中の現像スリーブ6に搬送すると共に、トナーと磁性キャリアとの混合作用によって摩擦帯電がなされた均質な二成分系現像剤とされ、現像スリーブ6の周面上にその二成分系現像剤を層状に付着させる。現像スリーブ6の表面の二成分系現像剤は、マグネットロール8の磁極に対向して設けた非磁性材料と磁性材料を含有する二重構造の規制部材7により、均一な層を形成する。均一に形成された現像剤層は、現像領域において、像担持体1の周面上の静電潜像を現像し、トナー像を形成する。
図2において感光体21上に形成されたトナー像は、中間転写体(中間転写ベルト)22上に転写される。中間転写ベルト22は、第1転写バイアスローラ217と、中間転写ベルト22を駆動する駆動ローラ220と、従動ローラ群218,219,237とに張架されている。また、第2転写バイアスローラ221が、中間転写ベルト22の従動ローラ219に対向する位置に配置され、第2転写バイアスローラ221は、離接機構(図示せず)により、中間転写ベルト22に対して離接可能に駆動される。
中間転写ベルト22の表面側の従動ローラ237に対向する所定位置には、ベルトクリーニングユニット222が設けられている。このベルトクリーニングユニット222は、接離機構(図示せず)により、プリントスタートから最終色のトナー像後端部のベルト転写が終了するまでは中間転写ベルト22のベルト面から離間されており、その後の所定タイミングで、中間転写ベルト22のベルト面に接触され、このベルト面のクリーニングを行う。
また、中間転写ベルト22には、後述する露光位置調整のための基準フラグ(マーク)が設けられており、この基準フラグの位置が、感光体21に対して上流側となる位置に配置されているHP(ホームポジション)センサ22aにより検知される。
中間転写ベルト22には、第1転写バイアスローラ217により、感光体21に形成されたトナー像が順に重ね合わされて転写され、最終的には、フルカラーのトナー像(Y,M,C,DK、LKの画像を重ね合わせたもの)が形成される。このフルカラーのトナー像は、第2転写バイアスローラ221により、カセット223から給紙ローラ224、搬送ローラ226およびレジストローラ225を経て給紙された転写材に転写され、フルカラーのトナー像が転写された転写材は、定着装置25において熱圧され、そのトナー像が転写材に定着される。
その後、光沢化処理を行わない画像は装置外へ排出され、光沢化処理を行う画像は定着装置Fに搬送される。定着装置Fについては後述する。
上記のような複写動作が繰り返されると、図3の現像器13DM,13DY,13DC,13DK及び13LK内の現像槽17内に収納されている二成分系現像剤中のトナーは徐々に消費され、キャリアに対するトナーの比率、すなわちトナー濃度が低下していく。このトナー濃度の変化は、現像槽17に設けられた不図示のトナー濃度センサーにより検知され、補給剤供給手段によりトナー濃度が現像に必要な適性範囲内に常に入るようにフィードバック制御され、補給剤供給器9の補給口から現像器内の現像槽17に供給される。本発明では補給剤の中にはキャリアも入っているため、消費されたトナー量と補給される補給剤中のトナー量が一致するように補給剤が補給される。
一方、現像槽17内の二成分系現像剤中のキャリアは現像により消費されることはなく、現像槽17内でトナーと一緒に撹拌されたり、マグネットロール8の磁力及び像担持体1との接触等の影響により、徐々に表面等が汚染されて劣化していく。このようにキャリアが劣化していくとトナーに所定の帯電量を付与し得なくなり、画質の低下を生じることになる。そこで、上記の現像器内の消費されない劣化したキャリアを新しいキャリアと置換する必要がある。図2においては、新しいキャリアを現像器内に補給する手段として、不図示の補給剤供給器中に補給用のトナーと所定量のキャリアを混合した補給剤が補給剤供給器9によって搬送され、補給口から各々の現像器13DM,13DY,13DC,13DK及び13LK内の現像槽に補給する。過剰になった二成分系現像剤は、下記のように現像器側の現像剤排出手段(現像剤排出口34、連通管36、現像剤回収口35を含有する)より排出される。
図2に示した回転移動する現像装置213内の回転移動を利用した二成分系現像剤の入れ替えについて図3及び図4によって説明する。図3の手前側にある補給剤供給器9の補給口より補給された補給剤は現像剤撹拌搬送部材10によって二成分系現像剤と攪拌され、9と反対の端にある10と11がつながった穴まで搬送される。攪拌された二成分系現像剤は11の方へ移動し、さらに現像剤撹拌搬送部材11で攪拌されながら現像スリーブ6搬送され、層状に付着される。現像に使用された現像スリーブ6上の二成分系現像剤は、現像剤撹拌搬送部材11から、今度は補給剤供給器9の補給口がある手前側の10と11がつながった穴から10側の攪拌室へ移動する。
このように補給剤収容器9より補給され続けると、補給剤中の磁性キャリアは消費されないため現像器内の二成分系現像剤は増大する。現像器が現像装置213中の13DYの位置にあり、現像器内の二成分系現像剤の面高さが一定レベル以上になると余剰な二成分系現像剤は34から現像器外へ排出される。
フルカラー画像形成装置の回転移動方式を採用した現像装置213において、現像器13DM,13DY,13DC,13DK及び13LKは、現像装置213の内部で回転移動し、現像時、像担持体1に対向する位置に回転移動して現像を行い、非現像時は像担持体1に対向していない位置に回転移動する。
現像器13DYが感光体21に対向し、現像動作を行っている位置で、現像器2に設けられた現像剤排出口34から溢出した二成分系現像剤は、回転動作により連通管36内を移動し、回転式現像器切替装置の回転中心軸付近に設けられた現像剤回収口35から排出され、現像剤回収器38に回収される。
本発明の二成分系現像方法としては、具体的には、現像器として磁気ブラシ現像器を用い、現像剤担持体に交流電圧を印加して現像領域に交番電界を形成しつつ、磁気ブラシが感光体21に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)6と感光体21の距離(S−D間距離)は100乃至1000μmであると、磁性キャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好であることから好ましい。100μmより狭いと二成分系現像剤の供給が不十分になりやすく画像濃度が低くなる傾向があり、1000μmを超えると磁極S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、磁性キャリアを拘束する力が弱まり磁性キャリア付着が生じやすくなる。
現像バイアスを印加して形成される交番電界のピーク間の電圧は300乃至3000Vが好ましく、周波数は500乃至10000Hz、好ましくは1000乃至7000Hzであり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、交番電界を形成するための交流電圧の波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形が挙げられる。トナー像の形成速度の変化に対応するためには、非連続の交流電圧を有する現像バイアス(直流電圧に断続的に交流電圧を重畳したもの)を現像剤担持体に印加して現像を行うことが好ましい。印加電圧が300Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。また、3000Vを超える場合には磁気ブラシを介して静電潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、像担持体の一次帯電を低くすることができるために像担持体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが200V以下、より好ましくは150V以下が良い。コントラスト電位としては、十分画像濃度が出るように100乃至400Vが好ましく用いられる。
また、周波数が500Hzより低いと、プロセススピードにも関係するが、像担持体に接触したトナーが現像スリーブに戻される際に、十分な振動が与えられずカブリが生じやすくなる。10000Hzを超えると、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
本発明の二成分系現像方法を適用した画像形成装置に使用する感光体について説明する。本発明の二成分系現像方法を適用した画像形成装置に使用する像担持体の構成としては、通常の画像形成装置に用いられる感光体と同じで良い。例えば、アルミニウム、SUS等の導電性基体の上に、順に導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、必要に応じて電荷注入層を設ける構成の感光体が挙げられる。
導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層は、通常、感光体に用いられるもので良い。
図5を参照しながら、本発明の二成分系現像方法を適用した現像装置を有する画像形成方法の他の態様について説明する。図5はフルカラー画像形成装置の概略図を示す。図5におけるフルカラー画像形成装置は、感光体上に残存した転写残トナーを回収し貯蔵するための独立したクリーニング手段を有さず、現像手段がトナー像を転写材上に転写した後に像担持体に残留したトナーを回収する現像同時クリーニング方法を行う。
図5に示されるフルカラー画像形成装置の現像手段も、図3で示される現像器と同様に、現像剤担持体、現像槽、補給剤供給手段、現像剤排出手段を有し、複写動作が繰り返されることで現像槽中のトナー濃度が低下したことをトナー濃度検知センサー85により検知される。補給剤供給手段によりトナー濃度が現像に必要な適正範囲内に入るようにフィードバック制御され、補給剤収容器65aから補給剤が現像器63aに供給される。補給剤供給手段により補給剤が補給されることで、現像槽中の二成分系現像剤は磁性キャリアが増量するため、増量分がオーバーフローして現像剤排出手段により排出される。
図5に示す画像形成装置では現像器が回転移動方式ではないため、例えば排出された余剰な二成分系現像剤は34から連通管36に落下する。連通管36に落下した二成分系現像剤は連通管36に設置した不図示の搬送スクリューによって現像剤回収口35まで搬送され、現像剤回収器38に回収される。
フルカラー画像形成装置本体には、第1画像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユニットPc、第4画像形成ユニットPd、第5画像形成ユニットPe、第6画像形成ユニットPf、及び第7画像形成ユニットPgが併設され、各々異なった色の画像が静電潜像形成、現像、転写のプロセスを経て転写材上に形成される。
画像形成装置に併設される各画像形成ユニットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に挙げて説明する。
第1の画像形成ユニットPaは、像担持体として直径30mmの感光体61aを具備し、この感光体61aは矢印a方向へ回転移動される。一次帯電装置62aは、直径16mmのスリーブの表面に形成された帯電用磁気ブラシを有し、感光体61aの表面に接触するように配置されている。レーザー光67aは、一次帯電装置62aにより表面が均一に帯電されている感光体61aに静電潜像を形成するために、図示されていない露光装置により照射される。感光体61a上に担持されている静電潜像を現像してカラートナー像を形成するための現像手段としての現像器63aは、カラートナーを保持している。転写手段としての転写ブレード64aは、感光体61aの表面に形成されたカラートナー像をベルト状の転写材担持体68によって搬送されて来る転写材(記録材)の面に転写する。この転写ブレード64aは、転写材担持体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものである。
現像によりトナーが消費され、二成分系現像剤中におけるキャリアに対するトナー濃度(T/C比)が低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用して二成分系現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサー85で検知する。そして、補給剤供給手段により、消費されたトナー量に応じて補給剤収容器65aから現像槽に補給剤を補給する。なお、トナー濃度検知センサー85は図示されないコイルを内部に有している。
図5に示される画像形成装置は、第1の画像形成ユニットPaと同様の構成で、カラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPd、第5の画像形成ユニットPe、第6の画像形成ユニットPf、第7の画像形成ユニットPgの7つの画像形成ユニットを併設するものである。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにDマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにLマゼンタトナー、第4の画像形成ユニットPdにDシアントナー、第5の画像形成ユニットPeにLシアントナー、第6の画像形成ユニットPfにDブラックトナー、及び第7の画像形成ユニットPgにLブラックトナーをそれぞれ用い、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行われる。この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離され、搬送ベルト等の搬送手段によって定着装置70に送られ、一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
定着装置70は、一対の直径40mmの定着ローラ71と直径30mmの加圧ローラ72を有し、定着ローラ71は、内部に加熱手段75及び76を有している。転写材上に転写された未定着のカラートナー像は、この定着装置70の定着ローラ71と加圧ローラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の作用により転写材上に定着される。さらに光沢化処理を行わない画像は装置外へ排出され、光沢化処理を行う画像は定着装置Fに搬送される。定着装置Fについては後述する。
図5において、転写材担持体88は、無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆動ローラによって矢印e方向に移動するものである。他に、画像形成装置は、転写材担持体88の周囲に転写ベルトクリーニング装置79、ベルト従動ローラ81、ベルト除電器82を有し、一対のレジストローラ83は、転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体88に搬送する。
転写手段としては、転写材担持体の裏面側に当接する転写ブレードに代えて、ローラ状の転写ローラ等の転写材担持体の裏面側に当接して転写バイアスを直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能である。さらに、上記の接触転写手段に代えて一般的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能である。しかしながら、転写バイアス印加時のオゾンの発生量を制御できる点で、接触転写手段を用いることがより好ましい。
次に定着装置F及び表層にトナー受容層を有する転写材の一例を示す。
図6に定着装置Fの拡大模型図を示す。本実施例における定着装置Fはベルト定着器である。このベルト定着器Fは、第一定着ローラ(以下、定着ローラと記す)91と、この定着ローラ91から所定間隔を保ち配設された分離ローラとしての回転ローラ(以下、分離ローラと記す)93と、この分離ローラ93の上側に配設されたテンションローラとしての回転ローラ(以下、テンションローラと記す)94と、を有する。この3本のローラ91・93・94間にエンドレス(無端状)の定着ベルト97を懸回張設してある。この定着ベルト97を挟み定着ローラ91に対峙して圧接される加圧ローラとしての第二定着ローラ(以下、加圧ローラと記す)92を有する。そして、定着ローラ91と分離ローラ93との間の定着ベルト部分において、分離ローラ93寄りの位置で定着ベルト外面に当接させて配設された補助ローラ95を有する。また、定着ベルト97の内側で、定着ローラ91と分離ローラ93との間に配設され、定着ローラ91と分離ローラ93との間の定着ベルト部分を空冷する冷却ファン96を有する。上記の定着ローラ91、加圧ローラ92、分離ローラ93、テンションローラ94、補助ローラ95は互いに実質的に並行に配列されている。
定着ローラ91は同心円状に3層構造を採用しており、コア部分、弾性層、離型層を有している。コア部分は直径44mm、厚さ5mmのアルミニウム製中空パイプにより構成される。弾性層はJIS−A硬度50度、厚さ300μmのシリコンゴムにより構成される。離型層は厚さ50μmのPFAにより構成される。コア部分の中空パイプ内部には、熱源(ローラ加熱ヒータ)としてのハロゲンランプ98が配設されている。
加圧ローラ92も同様の構成を採用している。弾性層は厚さ3mmのシリコンゴムを用いる。これは弾性層により定着ニップを稼ぐためである。99は加圧ローラ92のコア部分の中空パイプ内部に配設した熱源(ローラ加熱ヒータ)としてのハロゲンランプである。
定着ローラ91と加圧ローラ92は定着ベルト97を挟ませて所定の押圧力で圧接させて転写材搬送方向において所定幅の加熱・加圧部としての定着ニップ部Nを形成させている。加圧ローラ92の加圧力は、総圧で490N(50kgf)とした。このときの定着ニップ部Nの幅は5mmであった。
ここで、定着ローラ91の表面硬度は、定着ベルト97に合わせて選ぶ必要がある。定着ローラ91の表面硬度が軟らかいと定着ベルト97が撓んでしまい、トナーを転写材の受容層の中に十分に押し込めずトナー段差が残ったままになってしまう。定着ベルト97の硬度が柔らかい場合は、定着ローラ91の硬度は十分硬くするために、弾性層を薄くしたり、無くしてPFAの表層のみとしたり、さらには、アルミニウムのコアのみで用いたりしてもよい。
定着ローラ91は不図示の駆動機構により矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。この定着ローラ91の回転駆動により定着ベルト97が矢印の時計方向に回動状態になる。分離ローラ93・テンションローラ94・加圧ローラ92・補助ローラ95は定着ベルト97の回転に伴い従動回転する。テンションローラ94は定着ベルト97に所定の張力を与えている。
定着ローラ91と加圧ローラ92のそれぞれ内部に配設されるハロゲンランプ98・99に電力が供給され、ハロゲンランプ98・99の発熱により定着ローラ91と加圧ローラ92が内部加熱されて表面温度が上昇する。定着ローラ91と加圧ローラ92の表面温度はそれぞれ不図示のサーミスタによって検知され、それらのサーミスタの検知温度が不図示の制御回路にフィードバックされる。制御回路は各サーミスタから入力する検知温度が定着ローラ91と加圧ローラ92とにそれぞれ設定した所定の温度に維持されるようにハロゲンランプ98・99に供給する電力を制御する。すなわち、定着ローラ91と加圧ローラ92を所定の温度に温調管理して定着ニップ部Nの温度を所定の定着温度に温度管理する。
表面に未定着トナー画像を有する転写材Pは、定着ニップ部Nの定着ベルト97と加圧ローラ92との間に導入されて定着ニップ部Nを挟持搬送される。転写材Pの未定着トナー画像面が定着ベルト97の表面に対面する。転写材Pは定着ニップ部Nを挟持搬送されていく過程で加熱・加圧されて各色トナー像の混色及び転写材Pへの固定(定着)が行われる。同時に、転写材Pは定着ベルト97の表面に密着する。加熱加圧後、転写材Pは定着ベルト97に密着した状態で定着ベルト97の回転と共に、定着ニップ部Nと分離ローラ93との間である冷却領域(冷却部)Rを搬送される。この冷却領域Rにおいて、転写材Pは分離前に冷却ファン96及びそれを囲むエアダクト96a内を流れるエアフローの作用により強制的に効率よく冷却される。冷却ファン96によって紙面に直交するエアフローが生じている。
このように定着ベルト97の表面に密着状態の転写材Pは、冷却領域Rで十分に冷却され、分離ローラ93の位置へ至り、分離ローラ93により定着ベルト97の曲率が変化する領域で定着ベルト97の表面から自らの剛性(こし)により剥離(曲率分離)される。
補助ローラ95は、定着ローラ91から分離ローラ93にいたる定着ベルト冷却領域Rの途中において転写材Pが定着ベルト97の表面から剥がれて、画像が乱れたり、搬送できなくなったりすることを防止する。
冷却手段96は、ファンに限らず、接触型の冷却方式でも可能なのは言うまでもない。ペルチェ素子、ヒートパイプ、水の循環型冷却装置を用いても良い。
光沢画像形成物を出力するために転写材Pとして表面に樹脂からなるトナー受容層(受像層、光沢化層)を持つ転写材を用いている場合には、該転写材が定着ニップ部Nを挟持搬送される過程において定着ニップ部Nの熱により、受容層の温度が上昇して軟らかくなり、さらに定着ニップ部Nの圧力が加わることによりトナーがその高温の受容層中に埋没される。同時に、転写材は定着ベルト97の表面に密着される。その後、転写材Pは定着ベルト97に密着した状態で定着ベルト97の回転と共に冷却領域Rを搬送されて強制的に効率よく十分に冷却される。そして、分離ローラ93により定着ベルト97の曲率が変化する領域で定着ベルト97の表面から曲率分離する。
このとき、樹脂メディア、および、トナー像は鏡面状のベルト表面形状にならって凝固し、転写材表面全面が平滑な面となるので、光沢性に優れた画像を得る事ができる。
本発明に用いた転写材Pについてさらに詳しく説明すると、このコート紙は最表層のトナー受容層が定着温度付近で溶けることが最大の特徴である。これによりトナー像を転写材に定着する際にトナー像がトナー受容層内に埋め込まれるために上述したトナーによる段差が減少する。
このような具体例を紹介すると、上記した顔料塗工層をもつコート紙に透明樹脂層を設けることによって製造される。
これにより下層に顔料層があり高白色で平滑な面が形成されているため、最表層の樹脂層に顔料を混ぜる必要がなく白色度を上げるといった機能も不要となるため、表面の熱可塑性の透明樹脂層は、光沢度を上げることと、トナー像を埋め込むといった機能を優先した設計が可能となる。さらに新規にコート紙を製造しなくても済むといったメリットもある。
このような転写材としては、王子製紙(株)製 PODスーパーグロスコート紙などが上市されている。
具体的に製造方法の一例を紹介すると、基材上に上記した顔料塗工層を形成したコート紙をベース紙として、ベース紙の片面、または、両面に、熱可塑性樹脂を、グラビアコーター等を用いて塗工することで所望のコート紙を作ることができる。
透明樹脂層を構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等を用いることができるが、特にポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分と多価カルボン酸成分としては、下記のものが例示される。
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAにオレフィンオキサイドを付加したモノマー等を用いることができる。
多価カルボン酸成分としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデシルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの酸の低級アルキルエステル等を用いることができる。
透明樹脂層を構成するポリエステル樹脂は、上記多価アルコール成分の1種以上と多価カルボン酸成分の1種以上との重合により合成される。またトナーの樹脂成分としては、カラートナーではポリエステル樹脂が用いられ、モノクロトナーでは、スチレン−アクリル樹脂が主に用いられていることから、透明樹脂層を形成する熱可塑性樹脂としては、トナーとの相溶性の高いものを選ぶことが好ましい。
したがって、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等の中から目的に応じて1種或いは2種以上の混合物が使用される。
さらに透明樹脂層には、その透明性を阻害しない範囲内で、顔料、離型剤、導電剤等を含有させることができる。その場合、樹脂層全重量に対し、主成分の樹脂量は80質量%以上であることが好ましい。さらに透明樹脂層は、温度20℃、相対湿度85%において、その表面電気抵抗が8.0×108Ω以上になるようにその組成を調整されたものが好ましい。
なお、このような製法に限定されることはなく、表面が定着温度付近で溶ける溶融特性をもつ熱可塑性樹脂層が設けられたコート紙であれば、必ずしも多層構成にする必要はなく、顔料などの様々な添加物を加えてもよいことは言うまでもない。
以下、本発明における各物性の測定方法について説明する。
<粉体状態における明度L*、及び白色度の測定>
粉体状態のトナーにおけるL*は、JIS Z−8722に準拠する分光式色差計「SE−2000」(日本電色工業社製)を用い、光源はC光源2度視野で測定する。測定は付属の取り扱い説明書に沿って行うが、標準板の標準合わせには、オプションの粉体測定用セル内に2mm厚でφ30mmのガラスを介した状態で行うのが良い。より詳しくは、前記分光式色差計の粉体試料用試料台(アタッチメント)上に、試料粉体(トナー)を充填したセルを設置した状態で測定を行う。なお、セルを粉体試料用試料台に設置する以前に、セル内の内容積に対して80%以上粉体試料を充填し、振動台上で1回/秒の振動を30秒間加えた上で測定する。
また、白色度は、上記測定装置で測定されたハンター式表色系(L、a、b)の数値を下記式に当てはめて求める。
W(白色度)=100−√〔(100−L)2+(a2+b2)〕
<トナー粒子中のワックスの分散粒径>
トナー粒子中のワックスの分散粒径を測定する具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を必要により四三酸化ルテニウム、四三酸化オスミウムを用い染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し透過電子顕微鏡(TEM)を用いトナー粒子の断層形態を測定する。ワックス一次平均分散粒径は、ランダムに20個のワックスドメインを選択して、画像解析装置を用いてドメインの面積を測定し、そのドメインと等しい面積を持つ円の直径を円相当径として求めたものである。
<トナー粒度分布の測定>
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて測定することができる。また、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることも可能である。測定においては、電解液が使用されるが、この電解液には1%NaCl水溶液が使用される。1%NaCl水溶液は、1級塩化ナトリウムを使用して調製しても良いし、また例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)等の市販品を使用しても良い。
測定法としては、前記電解水溶液100乃至150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1乃至5ml加え、更に測定試料を2乃至20mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1乃至3分間分散処理し、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出し、重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
チャンネルとしては、2.00乃至2.52μm;2.52乃至3.17μm;3.17乃至4.00μm;4.00乃至5.04μm;5.04乃至6.35μm;6.35乃至8.00μm;8.00乃至10.08μm;10.08乃至12.70μm;12.70乃至16.00μm;16.00乃至20.20μm;20.20乃至25.40μm;25.40乃至32.00μm;32.00乃至40.30μmの13チャンネルを用いる。
<ワックスの最大吸熱ピークの極大温度の測定>
温度曲線:昇温I(30℃乃至200℃、昇温速度10℃/min)
降温I(200℃乃至30℃、降温速度10℃/min)
昇温II(30℃乃至200℃、昇温速度10℃/min)
トナー及びワックスの最大吸熱ピークは、示差走査熱量計(DSC測定装置)DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は3乃至7mg、好ましくは4乃至5mgを精密に秤量する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。ワックスのピーク温度は、昇温IIの過程でピークトップとなる温度を測定する。
<キャリアの粒径の測定>
キャリアの粒径は、レーザー回折式粒度分布測定器SALD−300V(島津製作所製)により測定して体積分布基準の50%粒径(D50)を算出する。
<無機顔料の屈折率の測定>
本発明における顔料の屈折率は、改訂新版顔料便覧(1989年3月10日発行、誠文堂新光社)の83〜84頁に記載されているLarsenの油浸法により測定した。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<ポリエステル樹脂の製造例>
温度計、撹拌機、コンデンサーおよび窒素導入管を備えた反応容器に、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン35質量部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン20質量部、テレフタル酸23質量部、無水トリメリット酸7質量部、フマル酸15質量部および2−エチルヘキサン酸錫0.02質量部を入れ、反応容器内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、215℃で4時間縮合反応させ、ポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂のTgは58℃、重量平均分子量(Mw)は65000、数平均分子量(Mn)は4500であった。
<Lブラックトナー粒子1乃至26の製造例>
上記ポリエステル樹脂100質量部に対して、表1乃至3に示すトナー材料を表3に示す組成と、荷電制御剤として3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物を1.0質量部とをヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った。得られた混合物を二軸式押出機で溶融混練し、溶融混練物を冷却し、冷却物をハンマーミルを用いて粒径約1乃至2mm程度に粗粉砕した。次いで、粗粉砕物をエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。
次に、得られた微粉砕物を図1に示した表面改質装置を用い、この表面改質装置に一回当たり1.3kgずつ投入し、分級ローター35の回転数を7300rpmとして微粒子を除去しながら、分散ローター32の回転数を5800rpmとして(回転周速を130m/sec)で70秒間表面処理を行った(原料供給口39より微粉砕物を投入終了後、70秒間処理後、製品排出弁41を開けて処理品として取り出した)。
その際、本実施例においては、分散ローター32上部に角型ディスク33を10個設置し、ガイドリング36と分散ローター32上の角型ディスク33の間隔を30mmとし、分散ローター32とライナー34との間隔を5mmとした。またブロワー風量を14m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−20℃とした。
この状態で繰り返し20分間運転した結果、分級ローター35の後方の温度T2は27℃で安定した。
得られたLブラックトナー粒子の重量平均粒径(D4)は6.0μmであった。
次に得られたLブラックトナー粒子100質量部に、無機微粒子として個数平均粒径が40nmであり疎水化処理した1.0質量部の酸化チタン微粉体及び個数平均粒径が110nmであり疎水化処理した1.5質量部の球状アモルファスシリカ微粉体を外添混合し、Lブラックトナー1を得た。またトナー粒子2乃至26も同様に酸化チタン微粉体及び球状アモルファスシリカ微粉体を外添混合してLブラックトナー2乃至26を調製した。
Figure 2009145621
Figure 2009145621
Figure 2009145621
<D/Lシアントナー、D/Lマゼンタトナー、イエロートナー及びDブラックトナーの製造例>
上記ポリエステル樹脂100質量部に対して、荷電制御剤として3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物を1.0質量部と表4に示すトナー材料を表4に示す組成で、Lブラックトナーの製造例と同様にして各色トナーを得た。
Figure 2009145621
<キャリアの製造例>
個数平均粒径0.30μmのマグネタイト粉と、個数平均粒径0.30μmのヘマタイト粉に対して、夫々4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液 6質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
・処理したマグネタイト 77質量部
・処理したヘマタイト 7質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水20質量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性体含有樹脂キャリアコアを得た。
コート材として、メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体(共重合比(質量%比)8:2、重量平均分子量45,000)を用い、これがコート時に前記磁性体分散樹脂コア100質量部に対して1質量部となるように、メチルエチルケトン及びトルエンの混合溶媒を溶媒として10質量%の前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体を含有するキャリアコート溶液を作製した。また、このキャリアコート溶液に、メラミン樹脂(個数平均粒径0.2μm)0.4質量部、カーボンブラック(個数平均粒径30nm、DBP吸油量50ml/100g)0.5質量部をホモジナイザーによりよく混合する。ついで、この混合溶液に前記磁性体分散樹脂コアを投入し、これに剪断応力を連続して加えながら溶媒を70℃で揮発させて、磁性体分散樹脂コア表面へ前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体をコートした。
前記メチルメタクリレートとパーフルオロオクチルアクリレートとの共重合体でコートされた樹脂コート磁性体分散樹脂コアを100℃で2時間撹拌することによって熱処理後、冷却、解砕し、200メッシュの篩で分級して、個数平均粒子径35μm、真比重3.7g/cm3、磁化の強さ58.0(Am2/kg)の磁性キャリアAを得た。
<二成分系現像剤及び補給用現像剤の調製>
磁性キャリアAとトナーで二成分系現像剤・補給用現像剤を作製した。
二成分系現像剤は、磁性キャリア92質量%、トナー8質量%を混合した。補給用現像剤は、磁性キャリア7質量%、トナー93質量%(磁性キャリア1質量部に対し、トナー13.3質量部)を混合した。
<実施例1乃至3>
本実施例に用いた画像形成装置について説明する。本実施例に用いた画像形成装置について説明する。
図2は本実施例に適用される画像形成装置の概略図であり、図3、4は画像形成装置の現像部の概略図である。図2はカラースキャナ101と、カラープリンタ102とを備える。カラースキャナ101で読み取った画像は、電気的な画像信号に変換され、カラープリンタ102へ送られる。
カラープリンタ102の、回転現像器213には、Dマゼンタ現像器13DM、Dシアン現像器13DC、イエロー現像器13DY、Dブラック現像器13DK、Lブラック現像器13LKがそれぞれ保持されている。図3は、図4中の現像器13DM,13DY,13DC,13DK及び13LKの概略構成図である。
定着装置25において熱圧され、そのトナー像が転写材に定着される。
その後、光沢化処理を行わない画像は装置外へ排出され、写真画質用のフルカラーモードでは定着装置Fを通して光沢化処理を行う。定着装置Fの詳細は図6に示すとおりである。なお、定着ベルト97は、ポリイミド樹脂の上にシリコンゴムを弾性層として持ち、その上に離型層としてポリイミドシリコン樹脂を皮膜したものを使用した。定着温度は190℃、冷却ファンによって冷却される温度は40℃とした。
図3においては、新しいキャリアを現像器内に補給する手段として、不図示の補給剤供給器中に補給用のトナーと所定量のキャリアを混合した補給剤が補給剤供給器9によって搬送され、補給口から各々の現像器13DM,13DY,13DC,13DK及び13LK内の現像槽に補給する。過剰になった二成分系現像剤は、現像器側の現像剤排出手段(現像剤排出口34、連通管36、現像剤回収口35を含有する)より排出される。
フルカラー画像形成装置の回転移動方式を採用した現像装置213において、現像器13DM,13DY,13DC,13DK及び13LKは、現像装置213の内部で回転移動し、現像時、像担持体1に対向する位置に回転移動して現像を行い、非現像時は像担持体1に対向していない位置に回転移動する。
現像器13DYが感光体21に対向し、現像動作を行っている位置で、現像器に設けられた現像剤排出口34から溢出した二成分系現像剤は、回転動作により連通管36内を移動し、回転式現像器切替装置の回転中心軸付近に設けられた現像剤回収口35から排出され、現像剤回収器38に回収される。
本発明の二成分系現像方法としては、磁気ブラシ現像器を用い、現像剤担持体に交流電圧を印加して現像領域に交番電界を形成しつつ、磁気ブラシが感光体21に接触している状態で現像を行う。現像剤担持体(現像スリーブ)6と感光体21の距離(S−D間距離)は400μmとした。
現像バイアスを印加して形成される交番電界のピーク間の電圧は1500V、周波数は2000Hz、交番電界を形成するための交流電圧の波形は矩形波とした。 良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)は140V、コントラスト電位は、画像濃度によって適宜調整した。
<画像出力方法>
転写材として王子製紙(株)製 PODスーパーグロスコート紙を用いて、図2のカラースキャナ101で読み込んだオリジナル写真画像のデータをフルカラーモード(Dマゼンタ、Dシアン、イエロー、Dブラック及びLブラックトナーを使用する)で10000枚を15枚(A4サイズ)/分の速度で出力した。なお、フルカラーモードでは、Dブラックトナーに比べてLブラックトナーの消費量は2倍であった。
(1)Dブラックトナー、Lブラックトナーの色味差の評価
上記転写材に対して、0.6mg/cm2のLブラックトナーを用いた画像と、0.2mg/cm2のDブラックトナーを用いた画像の色相(a**)を測定した。
色相はSpectroScan Transmission(GretagMacbeth社製)を用いて測定することによって求められる。以下に具体的な測定条件の一例を示す。
(測定条件)
観測光源:D50
観測視野:2°
濃度:DIN NB
白色基準:Pap
フィルター:なし
一般に、a*、b*とは、色を数値化して表現するのに有用な手段であるL***表色系で用いられている値である。a*及びb*は、両者で色相を表す。色相とは、赤、黄、緑、青、紫等、色あいを尺度化したものである。a*及びb*のそれぞれは、色の方向を示しており、a*は赤−緑方向、b*は黄−青方向を表している。
この評価では色味変動の差(ΔC1)を以下のように定義した。
ΔC1={(Lブラックトナー画像のa*−Dブラックトナー画像のa*2
+(Lブラックトナー画像のb*−Dブラックトナー画像のb*21/2
測定は、画像中の任意の5点を測定してその平均値を求めた。本発明のDブラックトナー画像の色相は、(a**)=(0.58 −1.62)であった。
上記式によってΔC1を求め、以下のような判断基準とした。
A:0≦ΔC1<1.8(目視では判断できないレベル)
B:1.8≦ΔC1<2.3(目視ではかろうじて分かるが、気にならない)
C:2.3≦ΔC1<2.8(使用可能レベル)
D:2.8≦ΔC1<3.3(耐久前後の画像の色味が変化しており、少し違和感がある)
E:3.3≦ΔC1<3.8(色味変動が目立ち、かなり違和感がある)
F:3.8≦ΔC1(色味変動が目立ち、かなり違和感がある)
なお写真画像の高画質複写物として使用上問題ないレベルは、A乃至Cまでである。
結果を表5に示す。
(2)混色性
1枚目に出力された画像の混色性を確認した。画像中、Lブラックトナーと有彩色との混色部分(マゼンタとの混色部分7点、シアンとの混色部分7点、イエローとの混色部分6点、合計20点)を任意に選び、オリジナル画像と出力された画像を目視で比べた。
オリジナル画像と比べて、混色しきれず違和感がある点を選び、その数によって混色性の評価とした。
A:オリジナル画像と比べ、違和感は無い。
B:1点違和感がある(写真画像として満足できる)。
C:2乃至3点違和感がある(写真画像出力用として使用上問題ないレベル)。
D:4乃至5点違和感がある(写真画像を出力しなければ問題ない)。
E:6乃至7点違和感がある(オリジナル画像に比べて違和感がある部分が目立つ)。
F:8点以上違和感がある。(非常に違和感のある画像が出力される)。
なお写真画像の高画質複写物として使用上問題ないレベルは、A乃至Cまでである。
結果を表5に示す。
(3)耐久前後の階調の変化
10000枚画出しの前後で、下記に示す画像濃度の階調を有する画像を出力し、X−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)によりそれぞれの画像濃度を測定することにより判断した。
この評価ではブラック(D/Lブラック)の単色で画像を出力した。また、図7に示す階調データにおいて、下記パターン8の濃度がグラフ右端の階調データ256である。
初期設定で各パターンを以下に示す濃度に設定し、10000枚画出しの前後の階調性のズレを確認した。
パターン1:0.10〜0.13
パターン2:0.25〜0.28
パターン3:0.45〜0.48
パターン4:0.65〜0.68
パターン5:0.85〜0.88
パターン6:1.05〜1.08
パターン7:1.25〜1.28
パターン8:1.45〜1.48
判断基準は、以下の通りである。
A:すべてのパターン画像が上記の濃度範囲を満足する(滑らかな階調性で初期画像に
比べて全く違和感が無い)。
B:一つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる(初期画像に比べて反射濃度測定値 では差が出ているが、目視では気にならない)。
C:二つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる(使用上問題無い)。
D:三つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる(初期画像に比べて目視でやや気に なる)。
E:四つ以上のパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる(初期画像に比べて目視で違和 感がある)。
なお写真画像の高画質複写物として使用上問題ないレベルは、A乃至Cまでである。
結果を表6に示す。
(4)耐久前後の色味変動
画像出力前後の階調の変化で出力した画像のパターン5(図7の階調データ160)の色相(a**)を上記SpectroScan Transmissionを用いて測定した。
この評価では色味変動の差(ΔC2)を以下のように定義した。
ΔC2={(画像出力前の画像のa*−画像出力後の画像のa*2
+(画像出力前の画像のb*−画像出力後の画像のb*21/2
測定は、画像中の任意の5点を測定してその平均値を求めた。上記式によってΔC2を求めた。
A:0≦ΔC2<0.3(目視では判断できないレベル)
B:0.3≦ΔC2<0.6(目視ではかろうじて分かるが、気にならない)
C:0.6≦ΔC2<0.9(使用可能レベル)
D:0.9≦ΔC2<1.2(耐久前後の画像の色味が変化しており、少し違和感がある)
E:1.2≦ΔC2(色味変動が目立ち、かなり違和感がある)
なお写真画像の高画質複写物として使用上問題ないレベルは、A乃至Cまでである。結果を表6に示す。
実施例1では非常に良好な画像を出力することが出来た。また実施例2、3では白色顔料の部数を実施例1に比べて若干増減させている。これにより画像上に僅かな影響が出たが、ほとんど気にならないレベルであった。
<実施例4乃至7>
実施例1と同様に評価を行った。実施例1の無機顔料を他の物に変更した以外は実施例と同様のトナーであるが、実施例1に比べて僅かに粒状感を感じたが、ほとんど気にならないレベルであった。結果を表5、6に示す。
<実施例8、9>
実施例1と同様に評価を行った。実施例8では無機顔料の添加量が多いため、混色性に僅かな違和感があり、濃度変動も僅かに見られたが、写真画像の高画質として問題無かった。
実施例9では無機顔料の添加量が少ないため、画像の色味にやや影響が出た。しかし写真画像の高画質複写物に使用可能レベルであった。結果を表5、6に示す。
<実施例10、11>
実施例1と同様に評価を行った。実施例10ではワックスの分散粒径が大きいことが現像性に影響しているため、長期使用することで若干画像濃度の変動が発生した。しかし写真画像の高画質複写物に使用可能レベルであった。
また実施例11ではワックスの分散粒径が小さいことがカーボンブラックの分散性に影響しているため長期使用することで若干画像濃度の変動が発生した。また色味や混色性にも若干影響しているが写真画像の高画質複写物に使用可能レベルであった。結果を表5、6に示す。
<実施例12、13>
実施例1と同様に評価を行った。実施例12では10×A/{B×10(n×C)}が僅かに小さいため、混色性、色味に若干の影響が出たが、問題無いレベルであった。
実施例13では10×A/{B×10(n×C)}がやや大きいため、Dブラックトナーとの色味差が若干生じる結果となった。しかし写真画像の高画質複写物に使用可能レベルであった。結果を表5、6に示す。
<実施例14乃至16>
実施例1と同様に評価を行った。実施例14ではLKトナーの白色度がやや高いため、混色性や色味に影響があった。さらに実施例15では、実施例14に比べてシアン顔料の添加しないため、混色性が低下しDKトナーとの色味差が出た。しかしまだ写真画像の高画質複写物に使用可能レベルであった。
また実施例16では10×A/{B×10(n×C)}がやや低く、LKトナーの白色度もやや低いため、低濃度部の粒状感が少し目に付き、濃度変動や色味変動がやや低下した。しかしまだ写真画像の高画質複写物に使用可能レベルであった。結果を表5、6に示す。
<実施例17、18>
実施例1と同様に評価を行った。実施例17ではカーボンブラックのDBP吸着量がやや高く、また実施例18では、カーボンブラックの1次粒子の平均粒径が小さいことによって、それぞれトナーへの分散性がやや劣るためか、耐久前後で色味が変動した。また階調濃度の変動やDKトナーとの色味差も若干発生したが、写真画像の高画質複写物に使用可能レベルであった。結果を表5、6に示す。
<実施例19、20>
図5に示す画像形成装置を用いて評価を行った。
図5に示される画像形成装置は、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにDマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにLマゼンタトナー、第4の画像形成ユニットPdにDシアントナー、第5の画像形成ユニットPeにLシアントナー、第6の画像形成ユニットPfにDブラックトナー、及び第7の画像形成ユニットPgにLブラックトナーをそれぞれ用い、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行われる。
実施例19では7ユニット全てを使用し、実施例20ではDブラックトナー、Lブラックトナーの2ユニットのみを使用して評価した。
定着装置70は、オイル塗布機能のない熱ロール方式の定着装置を用いた。また、上部ローラ、下部ローラ共にフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用した。定着温度は180℃、ニップ幅を10mmに設定した。
定着装置Fの詳細は図6に示すとおりである。なお、定着ベルト97は、ポリイミド樹脂の上にシリコンゴムを弾性層として持ち、その上に離型層としてポリイミドシリコン樹脂を皮膜したものを使用した。定着温度は190℃、冷却ファンによって冷却される温度は40℃とした。
図5に示されるフルカラー画像形成装置の現像手段は、図3で示されるように、現像剤担持体、現像槽、補給剤供給手段、現像剤排出手段を有し、複写動作が繰り返されることで現像槽中のトナー濃度が低下したことをトナー濃度検知センサー85により検知され、補給剤供給手段によりトナー濃度が現像に必要な適正範囲内に入るようにフィードバック制御され、補給剤収容器65aから補給剤が現像器63aに供給される。
二成分系現像剤は現像器に入れ、補給用現像剤は補給剤収容器に入れ、常温常湿(23℃、60%RH)環境下で一晩放置した。その後、上記の画像形成装置に現像器をセットし、トナー濃度が一定となるように補給用現像剤を逐次補給しながら、以下に示すように画像出力を行った。
本画像形成装置も磁気ブラシ現像器を用い、現像剤担持体に交流電圧を印加して現像領域に交番電界を形成しつつ、磁気ブラシが感光体21に接触している状態で現像を行う。現像剤担持体(現像スリーブ)6と感光体21の距離(S−D間距離)は350μmとした。
現像バイアスを印加して形成される交番電界のピーク間の電圧は1800V、周波数は3000Hz、交番電界を形成するための交流電圧の波形は矩形波とした。 良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)は140V、コントラスト電位は、画像濃度によって適宜調整した。
実施例19では7色全てのステーションを用い、LKトナー1を使用した。実施例20ではDKトナー、LKトナー1の2色のみを用いた。なお、実施例20では混色性の評価は行っていない。結果を表5、6に示す。
<比較例1>
実施例1と同様に評価を行った。比較例1では、ワックスを添加しなかったため定着しなかった。そこで定着装置を改造してオイル塗布機構を設け、評価を続けた。結果を表5、6に示す。
比較例1ではワックスを添加していないことがカーボンブラックの分散性にも影響し、長期使用することで画像濃度の変動が発生した。またDKトナーとの色味差にも影響が出ており、写真画像の高画質複写物には使用できないものであった。結果を表5、6に示す。
<比較例2>
実施例1と同様に評価を行った。比較例2では屈折率の大きい白色系顔料を使用しており、有彩色との混色性が著しく低下した。写真画像の高画質複写物には使用できないものであった。結果を表5、6に示す。
<比較例3>
実施例1と同様に評価を行った。比較例3では粉体状態での明度が高く、長期使用することで低濃度部の画像濃度の変動が発生した。また有彩色との混色性も低下し、写真画像の高画質複写物には使用できないものであった。結果を表5、6に示す。
<比較例4>
実施例1と同様に評価を行った。比較例4では長期使用することで画像濃度や色味の変動が発生した。また、混色性も低下しており、写真画像の高画質複写物には使用できないものであった。結果を表5、6に示す。
<比較例5>
実施例1と同様に評価を行った。比較例5では白色系の無機顔料の効果が得られず、DKトナーとの色味差が目立った。また、色味変動や混色性も悪化し、写真画像の高画質複写物には使用できないものであった。結果を表5、6に示す。
<比較例6>
実施例1と同様に評価を行った。比較例6ではカーボンブラックの物性の影響で帯電性などの影響が発生し、画像の濃度変動が著しく悪化した。また色味にも違和感があり、高画質複写物には使用できないものであった。結果を表5、6に示す。
<比較例7>
実施例1と同様に評価を行った。比較例7では白色系の無機顔料の白色性が目立ち、混色性の違和感が顕著に表れた。また、階調濃度やDKトナーとの色味差にも影響が出ており、高画質複写物には使用できないものであった。結果を表5、6に示す。
<比較例8>
実施例1と同様に評価を行った。比較例8では白色系の無機顔料の効果がほとんど無く、DKトナーとの色味に著しい差があった。また濃度変動も発生し、カーボンの粒状感も目立つため、高画質複写物には使用できないものであった。結果を表5、6に示す。
<比較例9>
実施例1と同様に評価を行った。比較例9では白色度が高すぎて、混色性は非常に悪かった。また濃度変動も発生し、トナーとして使用上問題があるレベルであった。結果を表5、6に示す。
<比較例10>
実施例1と同様に評価を行った。比較例10では白色度が高すぎ、カーボンブラックや白色系の無機顔料の物性値も外れているため、特に混色性が悪くなったが、その他にも様々な不具合が発生した。結果を表5、6に示す。
<比較例11>
実施例1と同様に評価を行った。比較例11では、白色系の無機顔料の粒子径が非常に大きく、カーボンブラックの物性値も外れているため、特特に混色性や粒状感が悪くなったが、その他にも様々な不具合が発生した。結果を表5、6に示す。
<比較例12>
実施例1と同様に評価を行った。比較例12では、白色系の無機顔料の粒子径が非常に小さく、カーボンブラックの物性値も外れているため、にDKトナーとの色味差が悪くなったが、その他にも様々な不具合が発生した。結果を表5、6に示す。
<比較例13>
LKトナー20を使用した以外は実施例19と同様に評価を行った。LKトナー20では屈折率の大きい白色系顔料を使用しており、有彩色との混色性が低下した。写真画像の高画質複写物には使用できないものであった。結果を表5、6に示す。
Figure 2009145621
Figure 2009145621
表面改質を行うことのできる装置の一例を示す模式的断面図である。 フルカラー画像形成装置の概略構成図である。 図2中の現像器の概略構成図である。 フルカラーの回転移動方式を採用した現像装置の説明図である。 フルカラー画像形成装置の概略構成図である。 定着装置の概略説明図である。 階調データの一例を示すグラフである。
符号の説明
6 現像剤担持体(現像スリーブ)
13DM、13DY、13DC、13DK、13LK 現像器
21 感光体
25 定着装置
213 現像装置

Claims (8)

  1. 結着樹脂、着色剤、及びワックスを少なくとも含有するトナーにおいて、
    該着色剤は、カーボンブラックと無機顔料を少なくとも含有し、
    該カーボンブラックのDBP吸着量が20乃至150g/100gであり、該カーボンブラックの1次粒子の個数平均粒径が0.010乃至0.050μmであり、
    該無機顔料の個数平均粒径が0.020乃至1.000μmであり、該無機顔料の屈折率が1.40乃至2.20であり、
    該カーボンブラックの1次粒子径をA(μm)、該カーボンブラックのDBP吸着量をB(g/100g)、該無機顔料の平均粒径をC(μm)とした時、下記条件
    0.10≦10×A/{B×10(n×C)}≦0.65
    を満足し、
    該トナーの粉体状態における明度L*の値が20<L*≦55であり、下記式
    W(白色度)=100−√〔(100−L)2+(a2+b2)〕
    で表されるハンター白色度Wが50乃至80であることを特徴とするトナー。
  2. 該無機顔料は、Mg、Ca、Ba、及びAlから選ばれる1種又は2種以上の元素の無機化合物を含有する白色系顔料であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該無機顔料は下記式
    Alp(OH)q(SO4r・xH2
    (式中、p、q、及びrは1以上の整数を示し、xは0または1以上の整数を示す。)
    で示される塩基性硫酸アルミニウム化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該トナー中のワックスは分散粒径が0.05乃至1.00μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 該トナーは結着樹脂100質量部に対してカーボンブラックを0.1乃至2.0質量部有し、白色系顔料を0.5乃至10.0質量部有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 第一のブラックトナー画像および第二のブラックトナー画像を、中間転写体を介して又は介さずに転写材へ転写し、定着装置を通して転写材に定着画像を形成する画像形成方法であって、
    第一のブラックトナー画像が、粉体状態における明度L*が、20<L*≦55の淡ブラックトナー(LK)或いは0≦L*≦20の濃ブラックトナー(DK)のどちらか一方を含有しており、
    第二のブラックトナー画像が、他方のブラックトナーを含有しており、
    該淡ブラックトナーは結着樹脂、着色剤、及びワックスを少なくとも含有し、
    該着色剤は、カーボンブラックと無機顔料を少なくとも含有し、
    該カーボンブラックのDBP吸着量が20乃至150g/100gであり、該カーボンブラックの1次粒子の個数平均粒径が0.010乃至0.050μmであり、
    該無機顔料の個数平均粒径が0.020乃至1.000μmであり、該無機顔料の屈折率が1.40乃至2.20であり、
    該カーボンブラックの1次粒子径をA(μm)、該カーボンブラックのDBP吸着量をB(g/100g)、該無機顔料の平均粒径をC(μm)とした時、下記条件
    0.10≦10×A/{B×10(n×C)}≦0.65
    を満足し、
    該トナーの粉体状態における明度L*の値が20<L*≦55であり、
    下記式
    W(白色度)=100−√〔(100−L)2+(a2+b2)〕
    で表されるハンター白色度Wが50乃至80であることを特徴とする画像形成方法。
  7. 第一のブラックトナー画像および第二のブラックトナー画像を、少なくともトナー及び磁性キャリアを含有する補給用現像剤を現像器に補給しながら現像し、少なくとも現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する画像形成方法であり、
    第一のブラックトナー画像が、粉体状態における明度L*が、20<L*≦55の淡ブラックトナー(LK)或いは0≦L*≦20の濃ブラックトナー(DK)のどちらか一方を含有しており、
    第二のブラックトナー画像が、他方のブラックトナーを含有しており、
    該淡ブラックトナーは結着樹脂、着色剤、及びワックスを少なくとも含有し、
    該着色剤は、カーボンブラックと無機顔料を少なくとも含有し、
    該カーボンブラックのDBP吸着量が20乃至150g/100gであり、該カーボンブラックの1次粒子の個数平均粒径が0.010乃至0.050μmであり、
    該無機顔料の個数平均粒径が0.020乃至1.000μmであり、該無機顔料の屈折率が1.40乃至2.20であり、
    該カーボンブラックの1次粒子径をA(μm)、該カーボンブラックのDBP吸着量をB(g/100g)、該無機顔料の平均粒径をC(μm)とした時、下記条件
    0.10≦10×A/{B×10(n×C)}≦0.65
    を満足し、
    該トナーの粉体状態における明度L*の値が20<L*≦55であり、下記式
    W(白色度)=100−√〔(100−L)2+(a2+b2)〕
    で表されるハンター白色度Wが50乃至80であることを特徴とする画像形成方法。
  8. 表層にトナー受容層を有し、トナーで形成された画像が転写された転写材を、第一の画像加熱装置により加熱及び加圧し、
    該第一の画像加熱装置を通過した転写材を更に第二の画像加熱装置により加熱及び加圧し、
    該第二の画像加熱装置は、転写材の画像面が密着されるエンドレスの定着ベルトを有し、加熱加圧後に該エンドレスのベルトに密着したままの転写材を分離前に強制的に冷却する画像形成方法であり、
    該トナーは結着樹脂、着色剤、及びワックスを少なくとも含有し、
    該着色剤は、カーボンブラックと無機顔料を少なくとも含有し、
    該カーボンブラックのDBP吸着量が20乃至150g/100gであり、該カーボンブラックの1次粒子の個数平均粒径が0.010乃至0.050μmであり、
    該無機顔料の個数平均粒径が0.020乃至1.000μmであり、該無機顔料の屈折率が1.40乃至2.20であり、
    該カーボンブラックの1次粒子径をA(μm)、該カーボンブラックのDBP吸着量をB(g/100g)、該無機顔料の平均粒径をC(μm)とした時、下記条件
    0.10≦10×A/{B×10(n×C)}≦0.65
    を満足し、
    該トナーの粉体状態における明度L*の値が20<L*≦55であり、下記式
    W(白色度)=100−√〔(100−L)2+(a2+b2)〕
    で表されるハンター白色度Wが50乃至80であることを特徴とする画像形成方法。
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