JP2009144463A - トンネル分岐合流部の築造方法 - Google Patents
トンネル分岐合流部の築造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本線トンネル1の側方に築造するべき分岐合流部の築造予定位置に、複数のルーフシールドトンネル4を所定間隔で配列した状態で築造し、その外側に凍結工法あるいは薬液注入工法による地盤改良体5を形成し、それらルーフシールドトンネル4と地盤改良体5によるシールドルーフ先受工6を施工して、シールドルーフ先受工と本線トンネルとにより分岐合流部の築造予定位置を囲繞し、その内側において本線トンネル1を側方に拡幅するように掘削して分岐合流部を築造する。
【選択図】図5
Description
これは、分岐合流部の築造予定位置の外側に多数のルーフシールドトンネルを所定間隔をおいて配列した状態で施工するとともに、それらルーフシールドトンネルどうしを連結するように改良ゾーンを形成することによって、分岐合流部の築造予定位置全体を取り囲む大規模なシールドルーフ先受工を先行施工し、その内側において本線トンネルを側方に拡幅するように掘削してランプトンネルを接続するとともに分岐合流部を築造するものである。
本発明においては一連の地盤改良体を凍結工法あるいは薬液注入工法のいずれかにより形成することができる。
その分岐合流部3は、図示左方から本線トンネル1に漸近するランプトンネル2の先端部を本線トンネル1の側部に接続するとともに、その接続部において本線トンネル1を側方に拡幅してそこでの断面寸法を段階的に変化(図示例の場合には左方から右方に向かって2段階にわたって縮小)させたものとされている。
ルーフシールドトンネル4は図2(b)〜(e)に示すように築造するべき分岐合流部3の断面形状に合わせてほぼその輪郭に沿うように所定間隔をおいて配列した状態で設けるものであり、その施工は図2(a)に示すように本線トンネル1から小断面のシールドマシン(図示せず)を発進させることで行うと良く、特に図示例のように分岐合流部3の築造予定位置の手前側から小断面のシールドマシンを斜め前方に向けて発進させた後に急旋回させて本線トンネル1に沿うように掘進すると良い。
なお、それら4本のルーフシールドトンネル4を施工する際には、可能であれば4台のシールドマシンを使用して全てのルーフシールドトンネル4をほぼ同時に施工することでも良いが、たとえば2台のシールドマシンを使用して2本のルーフシールドトンネル4を先行して施工した後、それらシールドマシンを転用してさらに2本のルーフシールドトンネル4を後行施工することも考えられる。
上記のルーフシールドトンネル4の施工と相前後して、ランプトンネル2の掘進を行い、その先端部を分岐合流部3の築造予定位置(ルーフシールドトンネル4の先端部の位置)にまで到達させる
具体的には、図3に示す状態から、図4に示すように本線トンネル1内および各ルーフシールドトンネル4内からそれらの外側の地盤中に凍結管7を打ち込んでその周囲地盤を凍結させることにより、本線トンネル1とそれに隣接しているルーフシールドトンネル4との間、および互いに隣接している各ルーフシールドトンネル4どうしの間に、凍結工法による地盤改良体5をそれぞれ形成(造成)する。
そのような凍結工法により形成される上記の地盤改良体5は、各ルーフシールドトンネル4の外側において自ずと互いに連続するように一体に形成され、かつ本線トンネル1および各ルーフシールドトンネル4に対して自ずと強固に付着したものとなり、したがってそれら一連の地盤改良体5と各ルーフシールドトンネル4の全体によって分岐合流部3の築造予定位置を取り囲む安定かつ堅固なシールドルーフ先受工6が形成され、そのシールドルーフ先受工6と本線トンネル1とにより分岐合流部の築造予定位置が完全に囲繞される。
特に、従来工法においては本線トンネル1とランプトンネル2の全体を取り囲むような大規模なシールドルーフ先受工を設けるものであったが、本実施形態の築造方法ではシールドルーフ先受工6を本線トンネル1の側方に設けるに留めてそのシールドルーフ先受工6と本線トンネル1の全体で築造予定位置を取り囲む(換言すれば本線トンネル1自体にシールドルーフ先受工6の機能を持たせる)ようにしたので、従来工法に比べてシールドルーフ先受工6を大幅に簡略化でき、したがってその施工に要する工期と工費を大幅に軽減することができる。
また、従来工法においては各ルーフシールドトンネル4を単に仮設的に設けるものであったり、本設トンネル1も分岐合流部3においては最終的に解体撤去されるものであったが、本実施形態では各ルーフシールドトンネル4および本線トンネル1をほぼそのまま分岐合流部3の本設躯体の一部として利用できるから、それらを単に仮設的に設ける場合に比べれば遙かに合理的である。
さらに、ランプトンネル2やルーフシールドトンネル4の施工はいずれも本線トンネル1の施工とは独立に行うことが可能であるから、たとえばランプトンネル2を先行施工したり、あるいはそれら全ての施工を同時並行作業として実施することにより、分岐合流部3も含めてトンネル全体の施工を効率的に実施できて全体工期の短縮を充分に図ることができるし、必要であれば本線トンネル1の供用開始後にそれを供用しながら分岐合流部3を後施工するようなことも可能である。
図7に示す状態から、図8に示すように各ルーフシールドトンネル4内からその外側の地盤に多数の薬液注入管10を打ち込んで薬液注入を行うことにより、分岐合流部3の築造予定位置を取り囲む地盤改良体5を本線トンネル1および各ルーフシールドトンネル4の外側に一体に設ける。
以降は上記実施形態と同様に、本線トンネル1とそれに隣接しているルーフシールドトンネル4との間、および互いに隣接している各ルーフシールドトンネル4どうしの間を掘削して、図9に示すように分岐合流部の覆工壁8を施工していく。なお、薬液注入工法による地盤改良体5では凍結工法による場合に比べて地盤の変形性能や強度定数の向上は望めないことが通常であるので、その際の頂部掘削は図示しているようにアーチ形状として地盤を安定に支保することが好ましく、最終的にはそこにもコンクリートを充填すれば良い。
図10に示すように覆工壁8全体を完成させた後、その内側を掘削して本線トンネル1を側方に拡幅すれば、上記実施形態と同様に分岐合流部3の躯体の完成となる。なお、薬液注入工法による地盤改良体5はそのまま残置される。
2 ランプトンネル
3 分岐合流部
4 ルーフシールドトンネル
5 地盤改良体
6 シールドルーフ先受工
7 凍結管
8 覆工壁
9 支保工
10 薬液注入管
11 発進立坑
Claims (3)
- 本線トンネルとランプトンネルとの接続部に分岐合流部を築造するためのトンネル分岐合流部の築造方法であって、
本線トンネルの側方の分岐合流部の築造予定位置に、該築造予定位置の周囲を取り囲むように複数のルーフシールドトンネルを所定間隔で配列した状態で築造し、
前記ルーフシールドトンネル内から、前記本線トンネルと該本線トンネルに隣接している前記ルーフシールドトンネルとの間、および互いに隣接している前記各ルーフシールドトンネルどうしの間に、それぞれ地盤改良体を互いに連続するように形成することによって、それら一連の地盤改良体および前記各ルーフシールドトンネルとからなるシールドルーフ先受工を施工して、該シールドルーフ先受工および前記本線トンネルによって分岐合流部の築造予定位置を囲繞し、
しかる後に、該シールドルーフ先受工の内側において本線トンネルを側方に拡幅するように掘削して分岐合流部を築造することを特徴とするトンネル分岐合流部の築造方法。 - 請求項1記載のトンネル分岐合流部の築造方法であって、地盤改良体を凍結工法により形成することを特徴とするトンネル分岐合流部の築造方法。
- 請求項1記載のトンネル分岐合流部の築造方法であって、地盤改良体を薬液注入工法により形成することを特徴とするトンネル分岐合流部の築造方法。
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