JP2009138536A - 回転式流体機械 - Google Patents

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隆造 外島
Yoshitaka Shibamoto
祥孝 芝本
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Abstract

【課題】シリンダとブレードとの間の外側空間及び内側空間の圧力差を小さくする。
【解決手段】シリンダ(35)と、シリンダ室(60,65)を外側シリンダ室(60)と内側シリンダ室(65)とに区画する環状ピストン(40)と、シリンダ室(60,65)を高圧室(61,66)と低圧室(62,67)とに区画するブレード(45)とを備えている。シリンダ(35)にブレード(45)が摺動可能に嵌合するブレード溝(7)を形成する。ブレード(45)に外側ブレード部(72)と内側ブレード部(73)との間にピストン(40)の直線部(46)を摺動可能に嵌合させる凹部(74)を形成する。外側ブレード部(72)及びブレード溝(7)の間の外側空間(76)と、内側ブレード部(73)及びブレード溝(7)の間の内側空間(77)との間に圧力差が生じるのを抑制する差圧抑制手段(78)を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、環状のシリンダ室において環状のピストンの内側と外側とがそれぞれ流体室になる回転式流体機械に関するものである。
従来より、環状のシリンダ室を有するシリンダと、そのシリンダ室内に配置された環状ピストンとが相対的に偏心回転運動する圧縮機構を備えた回転式流体機械が知られている。特許文献1には、この種の回転式流体機械として、冷媒回路を流通する冷媒を圧縮する回転式圧縮機が開示されている。この回転式圧縮機の圧縮機構では、シリンダを構成する外側シリンダと内側シリンダとの間に環状のシリンダ室が形成され、そのシリンダ室が環状ピストンによって外側シリンダ室と内側シリンダ室とに区画され、それぞれが流体を圧縮又は膨張させる流体室になる。さらに、各シリンダ室がブレードによって高圧室と低圧室とに区画されている。このブレードは外側シリンダ室を区画する外側ブレード部と、内側シリンダ室を区画する内側ブレード部とが一体に形成されてなり、外側ブレード部と内側ブレード部との間にピストンが摺動可能に嵌め込まれる凹部が形成されている。ピストンを駆動軸によって偏心回転運動させると、各シリンダ室において低圧室側から流体が吸入され、圧縮された後に高圧室側から吐出されるようになっている。
実開昭62−102801号公報
ところで、上記特許文献1の回転式流体機械においては、内側シリンダ部の内周側には、シリンダ及びピストンのうち偏心回転する可動側の部材の偏心回転動作を許容するための動作空間が形成されている。ここで、圧縮機構を収納するケーシング内は、該圧縮機構で圧縮された高圧の冷媒が吐出されることによって高圧の空間になっている。そして、圧縮機構の各摺動部等には、ケーシング内で貯留される高圧の潤滑油が供給されるため、上記動作空間は高圧の空間になっている。
一方、上記可動側の部材の背面部分には、高圧と低圧との中間圧に設定された背圧空間が設けられており、可動側の部材を固定側の部材側に押し付ける背圧が作用して、可動側の部材が固定側の部材から離反するのを防ぐようになっている。
そして、シリンダのブレード溝とピストンとで構成されるブレードが収納される空間において、外側ブレード部の外側面が面する外側空間は、上記背圧空間と連通しており中間圧空間となっている。一方、上記ブレードが収納される空間において、内側ブレード部の内側面が面する内側空間は、上記動作空間と連通して高圧空間になっている。したがって、上記背圧空間と動作空間との圧力が異なり、外側空間と内側空間とで差圧が生じることにより、ブレードとピストンとの間に摩擦力が大きく作用してしまう部分や、隙間が大きく空いてしまう部分ができ、摩擦損失が生じてしまったり流体漏れによる性能低下につながる等の問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外側空間と内側空間との間の圧力差を小さくすることにある。
上記目的を達成するために、第1の発明に係る回転式流動機械は、互いに同心状に配置された外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(36)の間に環状のシリンダ室(60,65)を有するシリンダ(35)と、上記シリンダ(35)に対して偏心してシリンダ室(60,65)に収納され、該シリンダ室(60,65)を外側シリンダ室(60)と内側シリンダ室(65)とに区画する環状ピストン(40)と、上記シリンダ室(60,65)に配置され、各シリンダ室(60,65)を高圧室(61,66)と低圧室(62,67)とに区画するブレード(45)とを備え、上記シリンダ(35)とピストン(40)とが相対的に偏心回転運動する回転式流体機械を対象とする。
そして、上記ピストン(40)は、周方向の一部に他の部分と連続する直線部(46)を有し、上記シリンダ(35)には、上記ブレード(45)がシリンダ径方向に摺動可能に嵌合するブレード溝(7)が形成され、上記ブレード(45)の先端面には、上記外側シリンダ室(60)を区画する外側ブレード部(72)と内側シリンダ室(65)を区画する内側ブレード部(73)との間に上記ピストン(40)の直線部(46)を摺動可能に嵌合させた凹部(74)が形成され、上記外側ブレード部(72)及びブレード溝(7)の間の外側空間(76)と、上記内側ブレード部(73)及びブレード溝(7)の間の内側空間(77)との間に圧力差が生じるのを抑制する差圧抑制手段(78)を有するように構成されている。
上記の構成によると、差圧抑制手段(78)が外側空間(76)と内側空間(77)との間に圧力差が生じるのを抑制して差圧が小さくなり、ブレードとピストンとの間の摩擦力が小さくなるとともに、隙間が大きく空いてしまう部分ができにくくなって、ブレード(45)のピストン(40)に対する偏り等がなくなり、ブレード(45)の摺動がスムーズになる。
第2の発明に係る回転式流体機械は、上記第1の発明の回転式流体機械において、上記差圧抑制手段(78)は、上記外側空間(76)及び内側空間(77)の圧力を上記内側シリンダ部の内周側に形成された空間(68)の圧力にするように構成されている。
上記の構成によると、差圧抑制手段(78)により、外側空間(76)と内側空間(77)とがともに内側シリンダ部(36)の内周側の空間(68)の圧力となり、外側空間(76)と内側空間(77)との圧力が同じになる。
第3の発明に係る回転式流体機械は、第1の発明の回転式流体機械において、上記差圧抑制手段(78)は、上記外側空間(76)及び内側空間(77)の圧力を上記ピストン(40)の背面側に形成された背圧空間(S3)の背圧にするように構成されている。
ここで、偏心回転運動する可動側の部材であるピストン(40)の背面部分には、高圧と低圧との中間圧に設定された背圧空間(S3)が設けられており、ピストン(40)をシリンダ(35)側に押し付ける背圧を作用させ、ピストン(40)がシリンダ(35)から離反するのを防止してシリンダ室(60,65)の気密性を保っている。
そして、上記第3の発明の構成によると、差圧抑制手段(78)により外側空間(76)と内側空間(77)との圧力がともに上記背圧空間(S3)の背圧となり、外側空間(76)と内側空間(77)との圧力が同じになる。
第4の発明に係る回転式流体機械は、上記第1の発明の回転式流体機械において、上記差圧抑制手段は、上記ブレード(45)の基端側面に設けられかつ上記外側空間(76)と内側空間(77)とを連通させる均圧溝(78)である。
上記の構成によると、均圧溝(78)により外側空間(76)と内側空間(77)とを連通させることで、外側空間(76)と内側空間(77)との圧力が同じになる。
第5の発明に係る回転式流体機械は、上記第1の発明の回転式流体機械において、上記シリンダ(35)に対して外周面部(51)で外側シリンダ部(38)の先端面(52)と接するように対向配置されたリアヘッド(50)をさらに備えていて、該リアヘッド(50)とシリンダ(35)との間に上記ピストン(40)が配設され、上記ブレード溝(7)の外側(7c)は上記外側シリンダ部(38)まで延設されており、上記外側ブレード部(72)の先端面の少なくとも一部がリアヘッド(50)の外周面部に接していて、上記外側空間(76)が閉空間となっている。
ここで、上記回転式流体機械においては、圧縮機構(30)で圧縮された高圧の冷媒がケーシング(10)の内部空間へ吐出された後、ケーシング(10)外に送出される構成となっているため、ケーシング(10)内は高圧空間(S2)となっている。
また、内側シリンダ部(36)の内周側には、ピストン(40)の偏心回転動作を許容するための動作空間(68)が形成されており、一般的に、この動作空間(68)は、ケーシング(10)内の高圧空間(S2)から供給される高圧の潤滑油の影響等により高圧の空間に構成されている。そして、上記内側空間(77)は上記動作空間(68)と連通して高圧空間となっている。
そして、上記第5の発明の構成によると、外側空間(76)は上記背圧空間(S3)との間がシールされた閉空間となっていて、差圧抑制手段(78)が内側空間(77)との間の圧力差が生じるのを抑制することで、内側空間(77)と同じ高圧になる。
第6の発明に係る回転式流体機械は、上記第1の発明の回転式流体機械において、上記内側シリンダ部(36)には、上記ブレード溝(7)が外周側から厚さ方向の途中まで形成されている。
上記の構成によると、内側シリンダ部(36)は、ブレード溝(7)が外周側から厚さ方向の途中まで形成されることで、内周側が周方向に連続している。したがって、内側空間(77)は、内側シリンダ部(36)の内周側に形成されている動作空間(68)と連通せず、動作空間(68)との間がシールされた閉空間となっている。そして、内側空間(77)は、差圧抑制手段(78)によって外側空間(76)との間の圧力差が生じることが抑制されて外側空間(76)と同じ圧力になる。
第7の発明に係る回転式流体機械は、上記第6の発明の回転式流体機械において、上記外側空間(76)は上記ピストン(40)の背面側に形成された背圧空間(S3)と連通している。
上記の構成によると、外側空間(76)は背圧空間(S3)と連通することで、その圧力が背圧となっていて、内側空間(77)の圧力も差圧抑制手段(78)により外側空間(76)との間の圧力差が生じることが抑制されて外側空間(76)と同じ背圧となる。
上記第1の発明によれば、差圧抑制手段(78)により外側空間(76)と内側空間(77)との圧力差が生じることが抑制されるので、摩擦損失を減少させ、流体漏れによる性能低下を抑制することができる
上記第2の発明によれば、差圧抑制手段(78)により外側空間(76)及び内側空間(77)の圧力をともに内側シリンダ部(36)の内周側の空間(68)の圧力とするので、上記第1の発明と同様の効果を得ることができる。
上記第3の発明によれば、差圧抑制手段(78)により外側空間(76)及び内側空間(77)の圧力をともに背圧空間(S3)の背圧とするので、上記第1の発明と同様の効果を得ることができる。
上記第4の発明によれば、均圧溝(78)により外側空間(76)と内側空間(77)とが連通して外側空間(76)と内側空間(77)との圧力が同じになり、上記第1の発明と同様の効果を得ることができる。
上記第5の発明によれば、外側空間(76)を背圧空間(S3)との間がシールされた閉空間とし、外側空間(76)が差圧抑制手段(78)により内側空間(77)と同じ高圧になるので、上記第1の発明と同様の効果を得ることができる。
上記第6の発明によれば、内側空間(77)を動作空間(68)との間をシールした閉空間とし、内側空間(77)が差圧抑制手段(78)により外側空間(76)と同じ圧力になるので、上記第1の発明と同様の効果を得ることができる。
上記第7の発明によれば、外側空間(76)を背圧空間(S3)と連通させて圧力を背圧とし、差圧抑制手段(78)により内側空間(77)の圧力も背圧となるので、上記第1の発明と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
≪発明の実施形態1≫
図1に示すように、実施形態に係る回転式流体機械は、ケーシング(10)内に、電動機(20)と圧縮機構(30)とが収納され、全密閉型に構成された回転式圧縮機(1)である。この回転式圧縮機(1)は、例えば、空気調和装置の冷媒回路に設けられ、蒸発器から吸入した冷媒を圧縮して凝縮器へ吐出するために用いられる。
上記ケーシング(10)は、縦長の円筒状に形成された胴部(11)と、この胴部(11)の上端部に固定された上部鏡板(12)と、胴部(11)の下端部に固定された下部鏡板(13)とで構成された密閉容器である。その上部鏡板(12)には、該上部鏡板(12)を貫通する吐出管(14)が設けられる一方、下部鏡板(13)には、該下部鏡板(13)を貫通する吸入管(15)が設けられている。吐出管(14)はケーシング(10)内部に連通し、その入口が、ケーシング(10)内の上部に配設された電動機(20)の上側の空間に開口している。一方、吸入管(15)は、ケーシング(10)内の下部に配設された圧縮機構(30)に接続されている。そして、この回転式圧縮機(1)は、圧縮機構(30)で圧縮された冷媒がケーシング(10)の内部空間へ吐出された後、吐出管(14)を通ってケーシング(10)外へ送出されるように構成されており、ケーシング(10)内が高圧の高圧空間(S2)になる。なお、ケーシング(10)の底部は、上記圧縮機構(30)の各摺動部等に供給される潤滑油が貯められる貯留部(59)になっている。
上記ケーシング(10)の内部には、上下方向に延びる駆動軸(33)が配設されていて、この駆動軸(33)を介して圧縮機構(30)及び電動機(20)が駆動連結されている。駆動軸(33)は、主軸部(33a)と偏心部(33b)とを備えている。偏心部(33b)は、駆動軸(33)の下寄りの位置で、主軸部(33a)よりも大径の円柱状に形成され、その軸心が主軸部(33a)の軸心に対して偏心している。さらに、偏心部(33b)は、後述する圧縮機構(30)のピストン(40)を貫通した状態で、該ピストン(40)に対して一体回転可能に固定されている。
また、上記駆動軸(33)の内部には、この駆動軸(33)の下端から上方へ延びる給油通路としての貫通孔(25)が形成されている。これにより、上記ケーシング(10)内の貯留部(59)の潤滑油が、ケーシング(10)内の高い圧力によって貫通孔(25)を上昇し、圧縮機構(30)の各摺動部等へ供給されるようになっている。
上記電動機(20)は、ステータ(21)とロータ(22)とを備えている。このステータ(21)は円筒形状であり、ケーシング(10)の胴部(11)の内面に固定されている。一方、ロータ(22)には、上記駆動軸(33)の主軸部(33a)が貫通していて、ステータ(21)の内側に配置され、駆動軸(33)とともに回転するように構成されている。
上記圧縮機構(30)は、ピストン(40)と、リアヘッド(50)と、シリンダ(35)とを備えている。シリンダ(35)は有底円筒状に形成されていて、リアヘッド(50)の上側に、その底部が上方に位置付けられるように配設されている。
上記ピストン(40)は、図2及び図3にも示すように、駆動軸(33)の偏心部(33b)に嵌合する円筒状の軸受部(42)と、軸受部(42)の外周側に空間を空けて、軸受部(42)と同心状に設けられた環状ピストン本体部(43)とを備えている。また、ピストン(40)の基端には、内側ピストン側鏡板(41)と外側ピストン側鏡板(44)とが一体に形成されている。内側ピストン側鏡板(41)は、軸受部(42)及び環状ピストン本体部(43)の間を下端側で一体化するように設けられた円板状であり、また、外側ピストン側鏡板(44)は、環状ピストン本体部(43)の下端側から全周に亘って外側方に向かって張り出し、内側ピストン側鏡板(41)と連続するように設けられている。
上記環状ピストン本体部(43)は円環が分断されずに連続して形成されている。環状ピストン本体部(43)の円環の周方向の一部分には、シリンダ径方向に直交する直線状の直線部(46)が形成され、該直線部(46)に、後述するブレード(45)が摺動可能に嵌合するようになっている。
また、上記環状ピストン本体部(43)には、外側シリンダ室(60)の低圧室(62)と内側シリンダ室(65)の低圧室(67)とを連通する貫通孔(53)が形成されている。
図1に示すように、上記リアヘッド(50)は厚肉の円板状の部材で、その外周縁部でケーシング(10)の内周面に固定されているとともに、外周縁部が上側に突設し、その上端の外周面部(51)が、後述するシリンダ(35)の外側シリンダ部(38)の先端面(52)に対して密着するように固定されている。また、リアヘッド(50)の中央部分には上記駆動軸(33)の主軸部(33a)が貫通しており、その貫通孔(25)の内周面には主軸部(33a)を回転可能に支持する滑り軸受(50a)が設けられている。
上記シリンダ(35)は、図2及び図4に示すように、ともに円環状で同心状に配置された外側シリンダ部(38)と内側シリンダ部(36)とを備えている。外側シリンダ部(38)の内周面と内側シリンダ部(36)の外周面とは、互いに同心状に配置された円筒面であり、その間に環状のシリンダ室(60,65)が形成されている。外側シリンダ部(38)の下側の先端面(52)は、上記リアヘッド(50)の外周面部(51)に密着して固定されている。なお、内側シリンダ部(36)及び外側シリンダ部(38)の内周面における上記環状ピストン本体部(43)の直線部(46)に対応する部分は、シリンダ径方向に直交する直線状に形成されている。
上記シリンダ(35)は厚肉の円板状に形成された平板部(39)をさらに備え、この平板部(39)の外周側には下側に向かって上記外側シリンダ部(38)が突設されており、この外側シリンダ部(38)が溶接等によってケーシング(10)の胴部(11)の内面に固定されている。また、平板部(39)の下面には、外側シリンダ部(38)の内側に上記内側シリンダ部(36)が突設されていて、これにより、内側シリンダ部(36)と外側シリンダ部(38)との間に圧縮室としての上記シリンダ室(60,65)が形成されている。
そして、上記ピストン(40)の環状ピストン本体部(43)は、上記シリンダ室(60,65)内に位置付けられている。環状ピストン本体部(43)は、外周面が外側シリンダ部(38)の内周面よりも小径で、内周面が内側シリンダ部(36)の外周面よりも大径に形成されている。このことにより、環状ピストン本体部(43)の外周面と外側シリンダ部(38)の内周面との間に外側シリンダ室(60)が形成される一方、環状ピストン本体部(43)の内周面と内側シリンダ部(36)の外周面との間に内側シリンダ室(65)が形成されている。
具体的には、上記平板部(39)と外側ピストン側鏡板(44)と外側シリンダ部(38)と環状ピストン本体部(43)とによって外側シリンダ室(60)が構成され、平板部(39)と内側ピストン側鏡板(41)と内側シリンダ部(36)と環状ピストン本体部(43)とによって内側シリンダ室(65)が構成されている。
上記シリンダ(35)の平板部(39)と内側シリンダ部(36)とピストン(40)の内側ピストン側鏡板(41)と軸受部(42)との間には、内側シリンダ部(36)の内周側で軸受部(42)の偏心回転動作を許容するための動作空間(68)が形成されている。この動作空間(68)は、上記駆動軸(33)の貫通孔(25)内を通って供給される高圧の潤滑油によって高圧空間となっている。
また、図2に示すように、上記ピストン(40)とシリンダ(35)とは、環状ピストン本体部(43)の外周面と外側シリンダ部(38)の内周面とが1点で実質的に接する状態(厳密にはミクロンオーダーの隙間があるが、その隙間での冷媒の漏れが問題にならない状態)において、その接点と位相が180°異なる位置で、環状ピストン本体部(43)の内周面と内側シリンダ部(36)の外周面とが1点で実質的に接するようになっている。
上記シリンダ(35)の平板部(39)の中央部分には、上方に向かって膨出する円筒状の軸受部(37)が形成されていて、この軸受部(37)には、該軸受部(37)を上下方向に貫通した状態で駆動軸(33)の主軸部(33a)を回転可能に支持する滑り軸受(37a)が設けられている。
また、外側シリンダ部(38)には、該外側シリンダ部(38)をシリンダ径方向に貫通する吸入ポート(34)が配置されている。この吸入ポート(34)は、一端側が外側シリンダ室(60)の低圧室(62)に開口している一方、他端側は吸入管(15)に接続されていて、これにより、上記低圧室(62)に冷媒を吸入するための吸入通路の一部を構成している。すなわち、この吸入ポート(34)は低圧空間(S1)の一部をなしている。
一方、上記シリンダ(35)には、外側吐出ポート(54)及び内側吐出ポート(55)が形成されている。これらの吐出ポート(54,55)は、それぞれ、シリンダ(35)の平板部(39)の厚み方向に貫通して形成されている。外側吐出ポート(54)の下端は外側シリンダ室(60)の高圧室(61)に臨むように開口し、内側吐出ポート(55)の下端は内側シリンダ室(65)の高圧室(66)に臨むように開口している。なお、これらの吐出ポート(54,55)には、該吐出ポート(54,55)を開閉するための吐出弁(図示せず)が設けられている。
そして、上記シリンダ(35)における上記ピストン(40)の直線部(46)に対応する位置には、略直方体形状のブレード(45)を摺動可能に嵌め込むためのブレード溝(7)がシリンダ径方向に沿って形成されている。具体的には、このブレード溝(7)は、内側シリンダ部(36)に形成された第1ブレード溝(7a)と、平板部(39)に形成された第2ブレード溝(7b)と、外側シリンダ部(38)に形成された第3ブレード溝(7c)とで構成され、これらの第1〜第3ブレード溝(7a,7b,7c)は、シリンダ径方向に沿って一直線状に連続して形成されている。
上記第1ブレード溝(7a)は、内側シリンダ部(36)の直線状の部分における周方向中心部分を厚み方向に貫通するように設けられている。一方、第3ブレード溝(7c)は、外側シリンダ部(38)の中心側端面から外周側の途中部分、すなわち、外側シリンダ部(38)の先端面(52)とリアヘッド(50)の外周面部(51)の密着部分にまで設けられている。このブレード溝(7)にブレード(45)が嵌合し、後述するように、上記シリンダ室(60,65)が高圧室(61,66)と低圧室(62,67)とに区画されるようになっている。
そして、外側ピストン側鏡板(44)の上端面に外側シリンダ部(38)の先端面が摺接し、内側ピストン側鏡板(41)の上端面に内側シリンダ部(36)の先端面が摺接している。
一方、上記ピストン(40)における環状ピストン本体部(43)の先端面(図1の上端面)は、シリンダ(35)の内側シリンダ部(36)と外側シリンダ部(38)との間の平板部(39)に摺接し、ピストン(40)の軸受部(42)の先端面は、シリンダ(35)の内側シリンダ部(36)よりも内側の平板部(39)に摺接している。
これにより、シリンダ(35)のシリンダ部(36,38)とピストン(40)とによって気密状態のシリンダ室(60,65)が形成されている。なお、詳しくは後述するが、各シリンダ室(60,65)の気密状対を保持するために、ピストン(40)には、その背面側から押し付け力が作用するように構成されている。
図1に示すように、上記リアヘッド(50)の上面には、ピストン(40)の内側ピストン側鏡板(41)の中央部に対応した位置にシールリング(70)が設けられている。このシールリング(70)は、リアヘッド(50)とピストン(40)との間の空間をシリンダ径方向に分割するように設けられている。
そして、上記シールリング(70)よりも内周側の空間は、ケーシング(10)内の高圧空間(S2)と連通していて、上記貯留部(59)から駆動軸(33)の貫通孔(25)内を通ってきた高圧の潤滑油が供給されるように構成されている。すなわち、シールリング(70)よりも内側の空間は高圧の状態になっているため、上記ピストン(40)に対してシリンダ(35)側に押し付ける背圧が作用する。
一方、上記シールリング(70)よりも外周側の空間は背圧空間(S3)であり、該シールリング(70)を越えて進入する潤滑油や、軸受からシリンダ室(60,65)を介して漏れ出た潤滑油によって、該背圧空間(S3)内の圧力が、上記吸入ポート(34)よりも高圧でかつ上記ケーシング(10)内の高圧空間(S2)よりも低圧の中間圧になっている。このことにより、この背圧空間(S3)内の圧力も上記ピストン(40)を背面側から押し付けるように作用する。
ここで、上記ピストン(40)には、上記シリンダ室(60,65)の内圧によって、上記シリンダ(35)から離反するような離反力が生じる。これに対して、上述のような押し付け力をピストン(40)に作用させることにより、該ピストン(40)がシリンダ(35)から離反するのを防止することができ、ピストン(40)とシリンダ(35)とによって形成される上記シリンダ室(60,65)の気密性が保たれるようになっている。
また、上記圧縮機構(30)には、ピストン(40)に作用する背圧(押し付け力)を高低圧力差の変化に応じて調整する背圧調整機構(80)が設けられていて、この背圧調整機構(80)によって背圧空間(S3)の背圧が調整されるようになっている。
具体的には、上記背圧調整機構(80)は、シリンダ(35)からリアヘッド(50)に亘って形成され、背圧空間(S3)と吸入ポート(34)とを連通させる連通路(81)を備えている。この連通路(81)の背圧空間(S3)側の端部には、連通路(81)の一部としての油溜まり部(82)が設けられている。そして、この油溜まり部(82)には、シールリング(70)よりも内周側の空間から背圧空間(S3)へ漏れ出た潤滑油が貯留されるようになっている。また、連通路(81)の途中には弁室(83)が形成され、この弁室(83)には、球状の開閉弁(84)及び開閉弁(84)を背圧空間(S3)側へ押し付ける付勢手段としてのバネ(85)が収納されている。
上記背圧調整機構(80)は、背圧空間(S3)と吸入ポート(34)との圧力差が所定値未満の場合には、開閉弁(84)が背圧空間(S3)側へ押されて連通路(81)が閉状態になる一方、背圧空間(S3)と吸入ポート(34)との圧力差が所定値以上になると、開閉弁(84)が吸入ポート(34)側へ押されて連通路(81)が開状態となるように構成されている。
そして、上記シリンダ室(60,65)は、シリンダ(35)とは別体のブレード(45)によって高圧室(61,66)と低圧室(62,67)とに区画されている。図5に示すように、このブレード(45)は、外側シリンダ室(60)を区画する外側ブレード部(72)と、内側シリンダ室(65)を区画する内側ブレード部(73)とが一体に形成された略直方体形状の部材である。両ブレード部(72,73)間には、上記ピストン(40)の直線部(46)に摺動可能に遊嵌合する凹部(74)が先端面から凹陥して形成されている。このブレード(45)のシリンダ径方向の長さは、上記ブレード溝(7)のシリンダ径方向の長さよりも短くなるように設定されていて、ブレード溝(7)に嵌め込まれたブレード(45)がブレード溝(7)内をシリンダ径方向に沿って摺動するようになっている。
また、上記ブレード(45)には、その基端面[シリンダ(35)の平板部(39)に摺接する側の面]に、幅方向中央部にシリンダ径方向に沿って均圧溝(78)が形成されている。この均圧溝(78)は、図6に示すように、ブレード(45)とブレード溝(7)とで構成される空間のうち、外側ブレード部(72)の外周面が面する外側空間(76)と内側ブレード部(73)の内周面が面する内側空間(77)とを連通させている。そして、この均圧溝(78)は、外側空間(76)と内側空間(77)との圧力差が生じるのを抑制する差圧抑制手段として構成されている。
また、外側ブレード部(72)は、その先端面の外周側端部が、ブレード(45)の摺動に関わらず、常にリアヘッド(50)の外周面部(51)に密着するように外側に延設されており、上記外側空間(76)が背圧空間(S3)からシールされた状態になっている。
一方、上記内側空間(77)は、上記第1ブレード溝(7a)が内側シリンダ部(36)を貫通して形成されているため、該内側シリンダ部(36)の内周側に設けられた動作空間(68)と連通している。したがって、内側空間(77)は動作空間(68)とほぼ同じ高圧の空間になっている。
上述した構成において、上記駆動軸(33)に連結されたピストン(40)がシリンダ(35)に対して偏心した状態で回転すると、図7に示すように、ピストン(40)の環状ピストン本体部(43)がブレード(45)とともに、ブレード溝(7)内を該ブレード(45)の伸長方向(シリンダ径方向)に摺動しつつ、直線部(46)がブレード(45)の凹部(74)内を伸長方向と直交する方向に摺動することになり、環状ピストン本体部(43)がシリンダ(35)に対して公転することになる。このように、環状ピストン本体部(43)の回転方向の変位が規制されるので、このブレード(45)によってピストン(40)の自転が防止される。
上記環状ピストン本体部(43)の動作について詳しくは後述するが、環状ピストン本体部(43)が、ブレード(45)とともにシリンダ径方向に摺動するとともに、ブレード(45)の凹部(74)を直線部(46)で摺動してシリンダ(35)に対してシリンダ径方向に直交した方向に摺動することによって、環状ピストン本体部(43)とシリンダ(35)との接触点が上記図7(A)から(H)へ順に移動することになり、シリンダ室(60,65)内で冷媒が圧縮される。なお、この図7は本実施形態に係る圧縮機構(30)の動作状態を表す図であり、図7(A)から(H)まで45°間隔で環状ピストン本体部(43)が図の時計回り方向に移動している様子を表している。
(運転動作)
次に、上記回転式圧縮機(1)の運転動作について説明する。
まず、電動機(20)を起動すると、ロータ(22)の回転が駆動軸(33)を介して圧縮機構(30)のピストン(40)に伝達される。そうすると、該ピストン(40)の環状ピストン本体部(43)が、ブレード(45)のブレード溝(7)に沿った往復運動に伴って、該ブレード(45)と一体的になってシリンダ(35)に対してシリンダ径方向に往復運動し、かつ直線部(46)でブレード(45)の凹部(74)内をシリンダ径方向に直交する方向に往復運動する。この2つの動作の組み合わせにより、上記環状ピストン本体部(43)がシリンダ(35)の外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(36)に対して公転し、圧縮機構(30)が所定の圧縮動作を行う。
具体的に、上記圧縮機構(30)の外側シリンダ室(60)では、図7(B)の状態で低圧室(62)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(33)が図の右回りに回転して図7(C)〜図7(A)の状態へ変化するのに伴って低圧室(62)の容積が増大し、冷媒が吸入管(15)及び吸入ポート(34)を通って低圧室(62)に吸入される。
上記駆動軸(33)が一回転して再び図7(B)の状態になると、上記低圧室(62)への冷媒の吸入が完了する。そして、この低圧室(62)は今度は冷媒が圧縮される高圧室(61)となり、ブレード(45)を隔てて新たな低圧室(62)が形成される。駆動軸(33)がさらに回転すると、上記低圧室(62)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(61)の容積が減少し、該高圧室(61)で冷媒が圧縮される。高圧室(61)の圧力が所定値となって吐出空間との差圧が設定値に達すると、該高圧室(61)の高圧冷媒によって吐出弁が開き、高圧冷媒が吐出空間からケーシング(10)内の高圧空間(S2)へ流出する。
一方、内側シリンダ室(65)では、図7(F)の状態で低圧室(67)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(33)が図の右回りに回転して図7(G)〜図7(E)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(67)の容積が増大し、冷媒が、吸入管(15)、吸入ポート(34)及び貫通孔(53)を通って内側シリンダ室(65)の低圧室(67)へ吸入される。
上記駆動軸(33)が一回転して再び図7(F)の状態になると、上記低圧室(67)への冷媒の吸入が完了する。そして、この低圧室(67)は今度は冷媒が圧縮される高圧室(66)となり、ブレード(45)を隔てて新たな低圧室(67)が形成される。駆動軸(33)がさらに回転すると、上記低圧室(67)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(66)の容積が減少し、該高圧室(66)で冷媒が圧縮される。高圧室(66)の圧力が所定値となって吐出空間との差圧が設定値に達すると、該高圧室(66)の高圧冷媒によって吐出弁が開き、高圧冷媒が吐出空間からケーシング(10)内の高圧空間(S2)へ流出する。
上記外側シリンダ室(60)では、ほぼ図7(E)のタイミングで冷媒の吐出が開始され、内側シリンダ室(65)では、ほぼ図7(A)のタイミングで吐出が開始される。つまり、外側シリンダ室(60)と内側シリンダ室(65)とでは、吐出のタイミングがほぼ180°異なっている。外側シリンダ室(60)と内側シリンダ室(65)で圧縮されてケーシング(10)内の高圧空間(S2)へ流出した高圧の冷媒は吐出管(14)から吐出され、冷媒回路で凝縮行程、膨張行程及び蒸発行程を経た後、再び回転式圧縮機(1)に吸入される。
ここで、上記ピストン(40)とリアヘッド(50)との間の空間のうち、シールリング(70)によって区画された内側の空間内は、上記高圧空間(S2)に連通しているため高圧状態であり、該ピストン(40)は、その背面側からシリンダ(35)側に押し付けられている。
一方、上記貯留部(59)の潤滑油は、駆動軸(33)下端の遠心ポンプ作用により、該駆動軸(33)の貫通孔(25)内を上方へ押し上げられて、圧縮機構(30)の各滑り軸受(37a,50a)や、上記ピストン(40)とリアヘッド(50)との間で上記シールリング(70)よりも内周側の空間に供給される。
なお、上記背圧空間(S3)内の圧力と吸入圧力との差が大きい場合には、上記吐出弁が開状態になって、排出油路から潤滑油は吸入ポート(34)へ排出される。このように上記吸入ポート(34)へ排出された潤滑油は、冷媒とともに圧縮機構(30)内に吸入されて、シリンダ室(60,65)で圧縮された後、ケーシング(10)内の高圧空間(S2)に吐出されて、貯留部(59)に戻る。
(実施形態1の効果)
したがって、本実施形態1の回転式圧縮機(1)においては、ブレード溝(7)及びブレード(45)の間の内側空間(77)を高圧の動作空間(68)と連通させることで高圧空間としている。一方、外側ブレード部(72)の少なくとも一部がリアヘッド(50)の外周面部(51)に接することで、外側空間(76)を背圧空間(S3)との間がシールされた閉空間としている。
そして、ブレード(45)に差圧抑制手段としての均圧溝(78)を設け、外側空間(76)と内側空間(77)とを連通させているので、外側空間(76)の圧力が、内側空間(77)と同じ高圧となり、両空間(76,77)の圧力差が生じず、摩擦損失を減少させ、かつ流体漏れによる性能低下を抑制することができる。
≪発明の実施形態2≫
次に、本発明の実施形態2について詳細に説明する。なお、図1〜図7と同じ構成要素については同じ符号を付し、上記実施形態1と同じ部分については、その詳細な説明は省略する。また、実施形態2の回転式圧縮機(1)の動作も実施形態1の回転式圧縮機(1)の動作と同じであるため省略する。
実施形態2の回転式圧縮機(1)は、図8に示すように、ブレード(45)周辺の構造において上記実施形態1と異なり、その他の構成は実施形態1と同じである。
図9及び図10にも示すように、シリンダ(35)の第1ブレード溝(7a)は、内側シリンダ部(36)外周側から内周側の途中部分まで設けられていて、内側シリンダ部(36)は、その内周側が分断されずに連続するように形成されている。そのため、ブレード溝(7)と内側ブレード部(73)との間の内側空間(77)は、内側シリンダ部(36)の内周側の高圧の動作空間(68)とは連通していない。
そして、第3ブレード溝(7c)は、外側シリンダ部(38)の先端面(52)とリアヘッド(50)の外周面部(51)の密着部分にまでは設けられていない。また、外側ブレード部(72)の先端面は、リアヘッド(50)の外周面部(51)に接する位置まで延設されておらず、上記外側空間(76)と背圧空間(S3)とが連通するように構成されていて、外側空間(76)の圧力は背圧空間(S3)と同じ背圧となっている。
なお、ブレード(45)には、上記実施形態1と同様に、差圧抑制手段としての均圧溝(78)が形成されている。
(実施形態2の効果)
本実施形態2の回転式圧縮機(1)においては、外側空間(76)を背圧空間(S3)と連通させることで、その圧力が背圧となる一方、内側空間(77)を高圧の動作空間(68)との間がシールされた閉空間としている。
そして、ブレード(45)に差圧抑制手段としての均圧溝(78)を設け、外側空間(76)と内側空間(77)とを連通させて、内側空間(77)の圧力が、外側空間(76)と同じ背圧となり、両空間(76,77)の圧力差が生じず、摩擦損失を減少させ、かつ流体漏れによる性能低下を抑制することができる。
≪その他の実施形態≫
なお、上述の実施形態は、本発明の例示であって、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、ピストン(40)に駆動軸(33)を連結することで、環状ピストン本体部(43)を回転させるようにしているが、この限りではなく、該環状ピストン本体部(43)を固定側の上記シリンダ(35)に設けるとともに、外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(36)を回転側の上記ピストン(40)に設けて、該外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(36)を回転させるようにしてもよい。この場合でも、上記ブレード(45)は、上記外側シリンダ部(38)と内側シリンダ部(36)との間で伸長方向及びそれに直交する方向の二方向に摺動可能に構成されているものとする。
また、上記実施形態では、本発明の流体機械として回転式圧縮機(1)について説明したが、本発明は、高圧冷媒などのガスをシリンダ室に導入し、該ガスが膨張することによって回転軸の駆動力を発生させる膨張機にも適用できるし、ポンプにも適用できる。
さらに、上記実施形態では、電動機(20)をケーシング(10)内に収納するようにしているが、この限りではなく、該ケーシング(10)の外部から圧縮機構(30)を駆動するように構成してもよい。
以上説明したように、本発明は、環状のシリンダ室において環状のピストンの内側と外側とがそれぞれ流体室になる回転式流体機械について有用である。
本発明の実施形態1に係る回転式圧縮機の縦断面図である。 圧縮機構を示す横断面図である。 ピストンを示し、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。 シリンダを示し、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。 ブレードを示す斜視図である。 図1のブレード部分を拡大して示す横断面図である。 圧縮機構の動作を示す横断面図である。 本発明の実施形態2に係る図6相当図である。 実施形態2に係る図2相当図である。 実施形態2に係る図4相当図である。
符号の説明
7 ブレード溝
35 シリンダ
36 内側シリンダ部
38 外側シリンダ部
40 ピストン
45 ブレード
46 直線部
50 リアヘッド
60 外側シリンダ室
61 高圧室
62 低圧室
65 内側シリンダ室
66 高圧室
67 低圧室
68 動作空間(空間)
72 外側ブレード部
73 内側ブレード部
74 凹部
76 外側空間
77 内側空間
78 均圧溝(差圧抑制手段)

Claims (7)

  1. 互いに同心状に配置された外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(36)の間に環状のシリンダ室(60,65)を有するシリンダ(35)と、上記シリンダ(35)に対して偏心してシリンダ室(60,65)に収納され、該シリンダ室(60,65)を外側シリンダ室(60)と内側シリンダ室(65)とに区画する環状ピストン(40)と、上記シリンダ室(60,65)に配置され、各シリンダ室(60,65)を高圧室(61,66)と低圧室(62,67)とに区画するブレード(45)とを備え、上記シリンダ(35)とピストン(40)とが相対的に偏心回転運動する回転式流体機械であって、
    上記ピストン(40)は、周方向の一部に他の部分と連続する直線部(46)を有し、
    上記シリンダ(35)には、上記ブレード(45)がシリンダ径方向に摺動可能に嵌合するブレード溝(7)が形成され、
    上記ブレード(45)の先端面には、上記外側シリンダ室(60)を区画する外側ブレード部(72)と内側シリンダ室(65)を区画する内側ブレード部(73)との間に上記ピストン(40)の直線部(46)を摺動可能に嵌合させた凹部(74)が形成され、
    上記外側ブレード部(72)及びブレード溝(7)の間の外側空間(76)と、上記内側ブレード部(73)及びブレード溝(7)の間の内側空間(77)との間に圧力差が生じるのを抑制する差圧抑制手段(78)を有することを特徴とする回転式流体機械。
  2. 請求項1の回転式流体機械において、
    上記差圧抑制手段(78)は、上記外側空間(76)及び内側空間(77)の圧力を上記内側シリンダ部の内周側に形成された空間(68)の圧力にすることを特徴とする回転式流体機械。
  3. 請求項1の回転式流体機械において、
    上記差圧抑制手段(78)は、上記外側空間(76)及び内側空間(77)の圧力を上記ピストン(40)の背面側に形成された背圧空間(S3)の背圧にすることを特徴とする回転式流体機械。
  4. 請求項1の回転式流体機械において、
    上記差圧抑制手段は、上記ブレード(45)の基端側面に設けられかつ上記外側空間(76)と内側空間(77)とを連通させる均圧溝(78)であることを特徴とする回転式流体機械。
  5. 請求項1の回転式流体機械において、
    上記シリンダ(35)に対して外周面部(51)で外側シリンダ部(38)の先端面(52)と接するように対向配置されたリアヘッド(50)をさらに備えていて、該リアヘッド(50)とシリンダ(35)との間に上記ピストン(40)が配設され、
    上記ブレード溝(7)の外側(7c)は上記外側シリンダ部(38)まで延設されており、
    上記外側ブレード部(72)の先端面の少なくとも一部がリアヘッド(50)の外周面部(51)に接していて、上記外側空間(76)が閉空間となっていることを特徴とする回転式流体機械。
  6. 請求項1の回転式流体機械において、
    上記内側シリンダ部(36)には、上記ブレード溝(7)が外周側から厚さ方向の途中まで形成されていることを特徴とする回転式流体機械。
  7. 請求項6の回転式流体機械において、
    上記外側空間(76)は上記ピストン(40)の背面側に形成された背圧空間(S3)と連通していることを特徴とする回転式流体機械。
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