[0013]図1は、本発明の記載されている実施形態に係る洗濯機20の動作を制御するための制御システムの一実施形態を組み込む洗濯機20を示している。図1に示される実施形態において、洗濯機20は、洗濯されるべき衣類を洗濯機に入れるために開放することができるフロントドア22を有するフロントローディング方式の脱水洗濯機タイプのものである。洗濯機は、衣類が入れられる洗濯ドラム24を有している。ドラム24は、略水平な中心軸を中心に回転するように脱水洗濯機内に支持される。洗濯動作の洗浄段階および濯ぎ段階中、ドラム24の一部が水(または、洗濯のために使用される他の溶媒)で満たされるとともに、衣類を転がして洗浄効果を高めるためにドラム24が比較的低い速度で回転される。洗浄段階および濯ぎ段階が完了された後、濡れた衣類を内部に伴うドラム24が比較的高い角速度で回転され、濡れた衣類から残りの水が遠心力によって除去される(あるいは、「脱水される」)。衣類から効果的に脱水するため、多くの場合、ドラム24の回転速度は比較的高く、それにより、地球の重力場の力の300倍程度の遠心力が形成される。
[0014]図2に示されるように、ドラム24は、ベルト/プーリ装置30またはギアなどの適当な手段を介してドラム24に対して結合されるモータ28によって駆動される。モータ28は、例えば、濡れた衣類を内部に伴うドラム24を所望の回転速度まで駆動させるための十分なトルクを与えるACモータであってもよい。モータ28は、モータ28を起動させるために必要な電圧および電流を与える駆動コントローラ36によって給電される。1つの実施形態において、駆動コントローラ36は、モータ28の給電を制御するように適切にプログラムされるマイクロプロセッサ38と、マイクロプロセッサ38のためのプログラムおよび制御データを記憶するための不揮発性メモリ42とを含む。不揮発性メモリ42は読み出し専用であってもよく、また、そのような不揮発性メモリ42に記憶されるプログラムは一般に「ファームウェア」と称される。駆動コントローラ36は、マイクロプロセッサ38の制御下でモータ28に対して電流および電圧を供給する電力回路44を更に含む。以下で更に詳しく説明するように、電力回路は、モータ28に対して印加される電圧と電流との間の位相角差を検出するための検出回路46を含む。
[0015]洗濯機20は、その一般的な動作を制御するために、マシンコントローラ50を含んでいる。マシンコントローラ50は、複数の洗浄段階、濯ぎ段階、および、脱水段階を含んでもよい選択された洗濯動作を行なうために、駆動コントローラ36を含む洗濯機20の様々な構成要素に対して制御信号を送る。マシンコントローラ50は、動作命令およびパラメータを入力するためにユーザが使用できる制御パネル56を含む。マシンコントローラ50は、プログラムソフトウェアおよび動作データを記憶するための不揮発性メモリ54とマイクロプロセッサ52とを含む。好ましい実施形態において、マイクロプロセッサ38のためのソフトウェアプログラムを記憶するメモリ54は読み出し専用である。
[0016]洗濯機20の動作を制御するため、また、動作情報を受けるため、マシンコントローラ50は、適切な通信接続および電力接続によって、洗濯機20の動作中の構成要素とインタフェースをとる。図2に示されるように、マシンコントローラ50は、通信ライン60により、洗濯ドラム24を駆動するモータ28のための駆動コントローラ36に対して接続され、通信ライン60は、駆動コントローラ36に対して制御信号または命令を送るためにマシンコントローラ50により使用されてもよい。マシンコントローラ50は、駆動コントローラ36からデータを受けるため、信号ライン64によって駆動コントローラ36に更に接続される。信号ライン64は、マシンコントローラ50を駆動コントローラ36の回路内の信号装置に対して接続する。1つの実施形態では、信号装置がリレー66であり、このリレーは、機械的なリレーまたはトランジスタベースの固体素子であってもよい。以下で更に詳しく説明するように、リレー66は、ドラムに入れられる洗濯物の検出インピーダンスの大きさを示すデジタル信号を与えるために駆動コントローラ36によって作動される。
[0017]ここで、図3を参照すると、コントローラは、起動してドロップオフモード内で機能するため、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ実行可能命令並びに同じ或いは異なる媒体に記憶されたデータおよび情報にしたがって機能する。図3のプロセスステージは、前述した命令が実行される様態を示しているが、本発明の精神から逸脱することなく他の命令およびシーケンスが使用されてもよいことは言うまでもない。
[0018]ドロップオフモードに入るため、コントローラ50は、ステージ301において、ドロップオフモード起動シーケンスまたはコードを検出する。起動コードは、ユーザインタフェース56のユーザ操作によってコントローラ50へ与えられてもよく、または、ネットワークまたは他の通信リンクによってコントローラ50へ送られてもよい。例えば、公衆が利用できる商業用洗濯施設において、施設のオペレータは、中央の場所から洗濯機をプログラムすることを望む場合があり、また、ドロップオフモードに入るように1つ以上の洗濯機をプログラムする場合がある。
[0019]本発明の特徴によると、ドロップオフ起動コードが受けられると、マシンコントローラ50は、ステージ302において、洗濯機がそのようなコードを受け入れるように構成されているかどうかを判定する。例えば、洗濯機は、ドロップオフモードの起動を有効にし或いは無効にするためにコンフィギュレーションファイルまたは設定によってプログラムされてもよい。洗濯機がドロップオフコードの起動を有効にするように構成されていないことがステージ302において判定されると、ステージ302の後にプロセス300が終了する。そうでない場合には、プロセスがステージ303へ移行する。ステージ303では、洗濯機がドロップオフモードに切り換わる。ドロップオフモードに入るのに従って、コントローラは、ステージ304において、適切なメッセージをユーザディスプレイパネルによって表示させる。例えば、ディスプレイは、洗濯機が現在使用できないことを潜在的ユーザに警告するために「ビジー」または他の適切なメッセージを示すように変えられてもよい。
[0020]また、ステージ305において、コントローラは、洗濯機の特定の制御入力を無効にする。例えば、本発明の一実施形態において、コントローラ50は、任意のコインデポジット、カード挿入、スタートボタン押し下げ、及び/又は、ドロップオフモード以外のモードで洗濯機を使用するために有効な他の制御入力を無効にし或いは無視されるようにする。しかしながら、後述するようにユーザコードを入力できるように、キーパッドが有効なままであることが好ましい。また、必要に応じて洗濯機20のための命令またはユーザコードを中央制御場所から与えることができるように、ネットワークまたは他の通信リンクに対する洗濯機の接続が維持されてもよい。
[0021]本発明の一実施形態において、ドロップオフ起動コードが受けられるときに洗濯機20が洗濯サイクルを実行している場合、洗濯機20はそのサイクルを引き続いて完了する。本発明の更なる実施形態では、ユーザインタフェース56またはネットワーク接続を介してオーバーライドコードが与えられ、それにより、ドロップオフ起動コードが受けられた後に洗濯機20の中間サイクルの動作を停止して、洗濯機20が直ちにドロップオフモードに入るようにしてもよい。オーバーライドコードは、入力ボタンキーストロークのシーケンスまたは組み合わせであってもよい。例えば、オーバーライドコードとして使用できる1つの想定し得るキーの組み合わせは、#5キーおよび#6キーの両方の同時押し下げである。他の組み合わせコード及び/又はシーケンスコードが望み通りに使用されてもよい。
[0022]ステージ306において、コントローラ50は、洗濯機を待ち状態に入らせる。待ち状態において、洗濯機20は、ユーザコードの入力以外によっては使用できない。ステージ307において、コントローラ50は、有効なユーザコードが入力されたかどうかを判定する。一般に、ユーザコードは、ユーザインタフェースキーパッド56を介してコードの数字を入力した後に「スタート」ボタンまたは同様のボタンを押すことにより入力されてもよい。ステージ307において有効なユーザコードの入力が検出されない場合、プロセスは、有効なユーザコードの入力が検出されるまでステージ307をループバックし続ける。検出時点で、プロセスがステージ308へと移行する。必要に応じて、製造メーカまたは施設オペレータにより、別個の異なる有効なユーザコードの入力以外によって待ち状態が終了されてもよいことは言うまでもない。例えば、ドロップオフモードを終了するために、ドロップオフモード起動シーケンスまたはコードの再入力が受けられてもよい。
[0023]プロセス300のステージ308において、コントローラ50は、ステージ305で無効にされた任意の入力要素を再び有効にする。例えば、本発明の一実施形態において、コントローラ50は、コインデポジット、カード挿入、スタートボタン、及び/又は、ドロップオフモード以外のモードで洗濯機20を使用するために用いることができる他の制御入力を再び有効にする。本発明の一実施形態では、コインデポジット装置及び/又はカード挿入装置が有効にされてもよいが、洗濯機20は、有効なユーザコードが洗濯機へ入力されると無料で動作するように構成される。
[0024]ステージ309において、洗濯機20は、実行されるべき洗濯サイクルを定める或いは選択するユーザ命令の組をユーザインタフェース56を介して受け、また、指示されたサイクルがステージ310で実行される。サイクルが終了された後、プロセスはステージ311へと移行する。このステージ311では、ドロップオフモードが再開され、プロセスがステージ306へ戻る。
[0025]前述したドロップオフプロセス300は、ランドリー施設のオペレータが洗濯機を使用して顧客によって受けられ或いは「ドロップオフされる」洗濯されるべき衣類を顧客のために処理することを望むときに役立つ。また、ドロップオフ機能を使用して、販売促進の一環として顧客が洗濯機20を使用できるようにしてもよく、あるいは、洗濯機20が返金義務を満たすことができるようにしてもよく、あるいは、支払いを必要とすることなく洗濯機がサービスを提供できるようにしてもよい。
[0026]同じ或いは異なる状況で役立つ同様の洗濯機モードが、本明細書では、ロックアウトモードと称される。このモードは、所定のアンロックコードを入力できる公衆の一員だけが洗濯機20を使用できるようにする。これは、例えば、ユーザが洗濯機を局所的に或いは遠隔的に予約できるようにし、それにより、ユーザが予約された時間に使用するために洗濯機を利用できることを知ることができるようにする際に有益である。図4のフローチャートに示されるプロセス400は、洗濯機20をロックし且つアンロックするための例示的なプロセスを示しているが、本発明の範囲から逸脱することなく他の同様のプロセスが使用されてもよいことは言うまでもない。
[0027]ステップ401において、洗濯機20(すなわち、洗濯機内のプロセッサを介して)は、ロックアウト起動シーケンスまたはコードおよび一連のロックアウトパラメータを検出する。本発明の好ましい実施形態において、ロックアウトコードは、特定の時間に洗濯機を予約するために1つ以上のサーバを介してリモートソース、例えば洗濯機と通信する遠隔ユーザから受けられる。一連のロックアウトパラメータは、洗濯機が予約されるべき期間を特定することが好ましい。一般に、例えば、一連のロックアウトパラメータは、開始時間(例えば、時間および分)および継続時間(例えば、指定された時間及び/又は分)を含む。
[0028]本発明の特徴によれば、ロックアウト起動コードおよびロックアウトパラメータが受けられると、マシンコントローラ50は、ステージ402において、洗濯機20が例えばコンフィギュレーションファイルや設定などを介してロックアウト要求を受け入れるように構成されているかどうかを判定する。ステージ402において洗濯機20がロックアウト要求を受け入れるように構成されていないことが判定される場合には、ステージ402の後にプロセス400が終了する。そうでない場合には、プロセス400がステージ403へ移行する。ステージ403において、洗濯機20は、指定された開始時間に達したかどうかを判定する。ステージ403において指定された開始時間に達していないことが判定される場合、プロセス400は、指定された開始時間に達するまでステージ403をループし続ける。
[0029]指定された開始時に達したら、プロセス400は、洗濯機20がロックアウトモードに入るステージ404へ移行する。ロックアウトモードに入るのに従って、コントローラ50は、ステージ405において、適切なメッセージをユーザディスプレイ56のパネルによって表示させる。例えば、ディスプレイは、洗濯機20が他のユーザによって予約されていることを潜在的ユーザに警告するために“res”、“reserved”または他の適切なメッセージを示すように変えられてもよい。また、コントローラ50は、任意のコインデポジット、カード挿入、スタートボタン押し下げ、及び/又は、予約コードを入力するために必要とされる制御入力以外の他の制御入力を無効にし或いは無視する。また、洗濯機20がロックアウトモードに入ると、洗濯機は、ステップ406において、タイマーも始動させる。洗濯機20は、ロックアウト期間の継続中に適切な予約コードが入力されると、あるいは、ロックアウト期間が満了すると、ロックアウトモードを終了する。
[0030]つまり、ステージ407において、洗濯機20は、例えば任意の入力された予約コードと既知の有効予約コードとを比較することにより、有効予約コードが入力されたかどうかを判定する。ステージ407において、有効予約コードが入力されたことが判定される場合、プロセス400はステージ409へ移行する。そうでない場合には、プロセスがステージ408へ移行する。ステージ408において、洗濯機20は、ロックアウト継続期間が満了したかどうか、例えばタイマーが指定された継続期間と一致するかどうかを判定する。ステップ408においてロックアウト継続期間が満了したことが判定される場合、プロセスは、洗濯機20がロックアウトモードを終了するステージ410へ移行し、そして、プロセスが終了する。あるいは、ロックアウト継続期間が満了しなかったことがステージ408において判定される場合、プロセスはステージ407へ戻る。
[0031]更に図4を参照すると、ステージ407において有効予約コードが入力されたことが判定された場合には、プロセス400がステージ409へと続き、洗濯機20は、ステージ405でロックされたユーザインタフェース56の要素をアンロックして終了する。この時点で、ユーザは、使用の代金を洗濯機20に支払い或いはそうでなければ洗濯機を作動させ使用することができるとともに、適切な命令を入力して所望の洗濯サイクルを洗濯機20に実行させることができる。
[0032]アイドル期間中あるいは従来から利用頻度が低い期間中に電力を節約するため、洗濯機20は、低電力モードまたは停止モード(本明細書では、一般に、アイドルモードとも称される)を入力するための要求を受け入れるように構成されてもよい。これらのモードにより、施設は電力を節約できるが、使用前に洗濯機20を低電力/停止モードから抜け出させなければならないという点で洗濯機20を直ちに使用することができない。図5のフローチャートは、そのようなモードへのマシン入力およびそのようなモード中の動作に関するプロセス500を示している。
[0033]ステージ501において、洗濯機20は、そのコントローラ50において、ネットワーク接続を介して或いは現在の日付、日及び/又は時間と予めプログラムされた日付、日及び/又は時間とを比較することにより或いは他のオペレータインタフェース56により、停止/低電力モードに入るための要求および停止/低電力パラメータの組を受ける。停止/低電力パラメータは、開始・終了時間、または、開始時間および継続期間を含むことが好ましい。本発明の特徴によれば、停止/低電力モード要求およびパラメータが受けられると、マシンコントローラ50は、ステージ502において、洗濯機20が停止/低電力要求を例えばコンフィギュレーションファイルや設定などによって受け入れるように構成されているかどうかを判定する。一般に、異なるモードは異なる動作を示すため、コンフィギュレーション情報は、アイドルモードのうちのどれが有効にされるのかを指定する。
[0034]洗濯機20がアイドル要求を受け入れるように構成されていない場合、プロセス500は終了する。そうでない場合には、プロセス500がステージ503へ移行する。ステージ503において、洗濯機20は、指定された開始日時に達したかどうかを判定する。ステージ503において指定された開始日時に達していないことが判定される場合、プロセス500は、指定された開始日時に達するまでステージ503をループし続ける。
[0035]指定された開始日時において、プロセスは、洗濯機20が設定されたアイドルモードに入るステージ504へと移行する。前述したように、洗濯機20は、2つのアイドルモード、すなわち、停止モードおよび停電力モードをサポートする。停止モードにおいて、洗濯機20は、それが動作中のときよりも少ない電気エネルギを使用しているが、依然として、洗濯機20の電力回路と関連する変圧器へ電力が供給され且つ当該変圧器から電力が得られる。このモードでは、洗濯機20を顧客が使用できないが、ディスプレイが動作しており、ディスプレイは“off”などのメッセージを表示してもよい。
[0036]低電力モードでは、スクリーンが空白であってもよい。しかしながら、いずれのモードにおいても、洗濯機20の通信設備は、必要に応じて洗濯機の遠隔起動を可能にするために動作したままである。
[0037]洗濯機20がアイドルモードに入ると、ステージ505において、コントローラ50は、所望のアイドル期間の終了を確認できるようにアイドルタイマーをセットする。ステージ506において、コントローラは、アイドル期間が満了したかどうかを判定するためにアイドルタイマーを連続的にチェックする。アイドル期間が満了したことが判定されると、コントローラ50がアイドルモードを終了し、プロセス500が終了する。
[0038]保証満了および点検予想の目的のため、タイミングも重要である。特に、洗濯機が設置された時期を概ね知ることは有益であるが、洗濯機が設置される瞬間に保証満了カウントダウンを開始することは顧客にとって不都合である。特に、洗濯機の最初の幾つかの稼動中に、調整および点検を行なうこと、さもなければ、商業目的または他の利益目的ではなくセットアップのために洗濯機を使用することが典型的である。
[0039]したがって、本発明の更なる実施形態では、洗濯機の所定数のサイクル後に設置日付が定められる。本発明の前述した実施形態において、所定の数は10であるが、これよりも多い或いは少ない任意の他の数が代わりに使用されてもよい。
[0040]図6の例には、洗濯機設置日付を記録するためのプロセスが示されている。プロセス600のステージ601において、コントローラは、洗濯サイクルの終了を待つ。サイクルの終了が検出されると、プロセス600がステージ602へ移行する。ステージ602において、コントローラは、完了されたサイクル数が10であるかどうかを判定する。ステージ602において完了されたサイクル数が未だ10でないことが判定される場合、プロセスはステージ601へ戻る。そうでない場合には、プロセスがステージ603へ移行する。ステージ603では、現在の日付(例えば、月/日/年)が読み取られて設置日付として記録される。その後、プロセスが終了する。
[0041]本発明の原理が適用され得る多くの想定し得る実施形態を考慮して、図面に関して本明細書で説明した実施形態が単なる例示であり本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことが認識されなければならない。当業者であれば分かるように、本発明の精神から逸脱することなく、図示の実施形態の要素の配置および詳細を変更することができる。したがって、本明細書で説明された発明は、以下の請求項およびその等価物の範囲内に入り得るような実施形態の全てを意図している。