JP2009112187A - 回転装置及びそれを備えた泡発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定部の内周面と回転部の外周面にそれぞれ設けられた第1、第2の磁石のうち互いに対向しない磁石を1組以上設けることで、回転時に大きな駆動力を必要としない回転装置及びそれを備えた泡発生装置を提供する。
【解決手段】水中モータが設けられた固定部2と、固定部2の内部で回転可能に設けられ、水中モータからの回転力が伝達される回転部3と、固定部2の回転部3の外周面3bに対向する環状ブロック体8の内周面8aで該固定部2の軸方向に所定のピッチで配置された第1の磁石9と、回転部3の固定部2の内周面8aに対向する外周面3bで該回転部3の軸方向に所定のピッチで配置された第2の磁石10とを有し、前記第1、第2の磁石9,10同士は、互いに対向する側が斥力が作用する同極磁石、或いは互いに対向する側が引力が作用する異極磁石で構成され、該第1、第2の磁石9,10のうち互いに対向しない磁石が1組以上設け構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁場を利用した回転装置及びそれを備えた泡発生装置に関するものである。
従来、磁場を利用した回転装置としては、特許第3977860号公報(特許文献1)に記載されたように、固定部の内周面と回転部の外周面とにそれぞれ対向する磁石が複数対配置されたものが提案されている。また、特開平11−168873号公報(特許文献2)の図1には内側の磁石と外側の磁石の数を異なるように設けたものが提案され、更に図3には内側の磁石と外側の磁石の長手方向が回転軸に対して同じ方向に傾斜したものが提案されている。
一方、池、堀、運河、湖沼、河川、湾岸水等々に係る水質浄化処理、水槽、川、内海等々を利用した養殖漁場に係る水質浄化処理、または飲料水(例えば水道水やミネラルウォーター)に係る水質浄化処理に利用される種々の水質浄化処理装置が提案されている。
例えば、特許第3227567号公報(特許文献3)には、回転式散水板と導水板とにより遠心ポンプを構成し、外部筒に設けられた吸気孔から空気を、吸水口から処理対象水をそれぞれ吸引し、内部筒の高速回転により激しい渦流により空気を処理対象水に混合して無数の微小な気泡を発生させ、更に散水板の回転により分割、微小化させ、更に散水板や外部筒内面、内部筒外面等に設けた永久磁石によるポンピング作用と電磁作用との相乗作用によりサブミクロン(10,000分の1ミリメートル;10−7)オーダーの極微細気泡を処理対象水中に生成し、気泡中の酸素成分をより多く処理対象水中に溶け込ませることで水質浄化を図ることが記載されている。
また、特開2003−053373号公報(特許文献4)には、固定筒の内周面と回転筒の外周面とにそれぞれ断面略台形状の突条を該固定筒ないし回転筒の長さ方向に複数本形成することにより、これら各突条間を断面略逆台形状の溝とし、これら各溝内に永久磁石を配設したものが提案されている。
特許第3977860号公報 特開平11−168873号公報 特許第3227567号公報 特開2003−053373号公報
しかしながら、前述の特許文献1、3、4の技術では、固定部の内周面と回転部の外周面とにそれぞれ対向する磁石が複数対配置されるため磁石同士の吸引力或いは反発力に抗して回転させるための駆動力がその磁石対の数の分だけ余分に必要となり回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力が必要となっていた。これが回転装置の駆動部にとって大きな負荷となるため回転不良の原因となったり、或いは、過大な駆動容量が必要となり、特に起動トルクが大きくなり、停止時にも急激な停止を招き、機械的にも過大な負荷を与えるものとなっていた。
また、特許文献2の技術は、当該特許公開公報の国際特許分類(Int. Cl.)にも明示されたように「永久運動を行なう回転電機であると主張するもの」であり、内側の磁石と外側の磁石の数を異なるように設けたこと、内側の磁石と外側の磁石の長手方向が回転軸に対して同じ方向に傾斜したことの作用効果も不明確である。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、固定部の内周面と回転部の外周面にそれぞれ設けられた第1、第2の磁石のうち互いに対向しない磁石を1組以上設けることで、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない回転装置及びそれを備えた泡発生装置を提供せんとするものである。
前記目的を達成するための本発明に係る回転装置の第1の構成は、回転駆動力を付与する回転駆動源が設けられた固定部と、前記固定部の内部で回転可能に設けられ、前記回転駆動源からの回転力が伝達される回転部と、前記固定部の前記回転部の外周面に対向する内周面で該固定部の軸方向に1つ以上の所定のピッチで配置された第1の磁石と、前記回転部の前記固定部の内周面に対向する外周面で該回転部の軸方向に1つ以上の所定のピッチで配置された第2の磁石とを有し、前記第1、第2の磁石同士は、互いに対向する側が斥力が作用する同極磁石、或いは互いに対向する側が引力が作用する異極磁石で構成され、該第1、第2の磁石のうち互いに対向しない磁石が1組以上設けられたことを特徴とする。
また、本発明に係る回転装置の第2の構成は、前記第1の構成の回転装置において、前記固定部の前記回転部の外周面に対向する内周面に設けられた第1の磁石と、前記回転部の前記固定部の内周面に対向する外周面に設けられた第2の磁石との取り付け数が異なることを特徴とする。
また、本発明に係る回転装置の第3の構成は、前記第1の構成の回転装置において、前記固定部の前記回転部の外周面に対向する内周面に設けられた第1の磁石相互の離間ピッチ、或いは前記回転部の前記固定部の内周面に対向する外周面に設けられた第2の磁石相互の離間ピッチのうち少なくとも1つが異なることを特徴とする。
また、本発明に係る回転装置の第4の構成は、前記第1の構成の回転装置において、前記固定部の前記回転部の外周面に対向する内周面が該固定部の軸方向に複数に分割され、該分割されたそれぞれの内周面に設けられた前記第1の磁石が配置される位相を該固定部の軸方向に複数に分割されたそれぞれの内周面毎に該内周面の周方向にずらして配置したことを特徴とする。
また、本発明に係る回転装置の第5の構成は、前記第1の構成の回転装置において、前記回転部の前記固定部の内周面に対向する外周面が該回転部の軸方向に複数に分割され、該分割されたそれぞれの外周面に設けられた前記第2の磁石が配置される位相を該回転部の軸方向に複数に分割されたそれぞれの外周面毎に該外周面の周方向にずらして配置したことを特徴とする。
また、本発明に係る回転装置の第6の構成は、前記第1の構成の回転装置において、前記固定部は該固定部の軸方向に分割された複数の環状ブロック体を有して構成され、該環状ブロック体の内周面が前記回転部の外周面に対向すると共に、該環状ブロック体の内周面で前記固定部の軸方向に所定のピッチで前記第1の磁石が配置され、前記環状ブロック体を固定するための固定部材を前記固定部の軸方向に複数に分割されたそれぞれの環状ブロック体毎に前記固定部の周方向にずらして配置したことを特徴とする。
また、本発明に係る回転装置の第7の構成は、前記第1の構成の回転装置において、前記固定部の筒体ケース内に該固定部の軸方向に分割された複数の環状ブロック体が収容され、該環状ブロック体の内周面が前記回転部の外周面に対向すると共に、該環状ブロック体の内周面で前記固定部の軸方向に所定のピッチで前記第1の磁石が配置され、前記筒体ケース内に収容される前記環状ブロック体を固定するために該筒体ケースに設けられる固定穴を前記固定部の軸方向に複数に分割されたそれぞれの環状ブロック体毎に前記筒体ケースの周方向にずらして配置したことを特徴とする。
また、本発明に係る回転装置の第8の構成は、前記第1の構成の回転装置において、前記回転部は該回転部の軸方向に分割された複数の柱状ブロック体を有して構成され、該柱状ブロック体の外周面が前記固定部の内周面に対向すると共に、該柱状ブロック体の外周面で前記回転部の軸方向に所定のピッチで前記第2の磁石が配置され、前記柱状ブロック体を固定するための固定部材を前記回転部の軸方向に複数に分割されたそれぞれの柱状ブロック体毎に前記回転部の周方向にずらして配置したことを特徴とする。
また、本発明に係る回転装置の第9の構成は、前記第1の構成の回転装置において、前記固定部側、前記回転部側にそれぞれ設けられる前記第1、第2の磁石の長手方向の少なくとも一方を前記回転部の回転軸方向に対して傾斜させると共に、該回転部の回転に伴って該第1、第2の磁石が長手方向に互いに交差して対向することを特徴とする。
また、本発明に係る泡発生装置の第1の構成は、前記第1〜第9の構成の回転装置を備え、前記回転部と連結されて該回転部と一体的に回転する回転翼と、前記回転翼の回転により発生する負圧により前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙に処理液を吸入する吸液口と、前記回転翼の回転により発生する負圧により前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙に気体を吸入する吸気口と、前記吸液口から吸入された処理液と、前記吸気口から吸入された気体とが前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙内で混合され、その混合液を外部に排出する排出口とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る泡発生装置の第2の構成は、前記第1の構成の泡発生装置において、前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙に処理液を吸入する管が設けられ、前記管に交差して接続して連通された合流管から前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙に気体を吸入することを特徴とする。
また、本発明に係る泡発生装置の第3の構成は、前記第2の構成の泡発生装置において、前記管の前記合流管が交差する位置の近傍上流側に小径部が設けられ、該管の小径部から大径部に向けて流れ込む処理液の流速を大きくして前記合流管から吸入される気体の吸入力を大きくする負圧を発生させることを特徴とする。
また、本発明に係る泡発生装置の第4の構成は、前記第1の構成の泡発生装置において、前記吸液口から吸入された処理液と、前記吸気口から吸入された気体とが前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙の近傍上流側に該間隙に流れ込む処理液の流速を大きくして前記吸気口から吸入される気体の吸入力を大きくする負圧を発生させると共に気体の混合を促進させる挟隙流路が形成されたことを特徴とする。
本発明に係る回転装置の第1の構成によれば、固定部の内周面と回転部の外周面にそれぞれ設けられた第1、第2の磁石のうち同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることで、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、本発明に係る回転装置の第2の構成によれば、固定部の内周面と回転部の外周面にそれぞれ設けられた第1、第2の磁石の取り付け数が異なることで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、本発明に係る回転装置の第3の構成によれば、固定部の内周面と回転部の外周面にそれぞれ設けられた第1、第2の磁石のそれぞれの磁石相互の離間ピッチのうち少なくとも1つが異なることで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、本発明に係る回転装置の第4の構成によれば、固定部の内周面を該固定部の軸方向に複数に分割し、その分割された内周面毎に第1の磁石の配置位相を該内周面の周方向にずらして配置したことで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、本発明に係る回転装置の第5の構成によれば、回転部の外周面を該回転部の軸方向に複数に分割し、その分割された外周面毎に第2の磁石の配置位相を該外周面の周方向にずらして配置したことで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、本発明に係る回転装置の第6の構成によれば、固定部の軸方向に複数に分割して設けられた環状ブロック体を固定するための固定部材を該環状ブロック体毎に該固定部の周方向にずらして配置したことで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、本発明に係る回転装置の第7の構成によれば、固定部の筒体ケース内に収容され、該固定部の軸方向に複数に分割して設けられた環状ブロック体を固定するための固定穴を該環状ブロック体毎に該筒体ケースの周方向にずらして配置したことで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、本発明に係る回転装置の第8の構成によれば、回転部の軸方向に複数に分割して設けられた柱状ブロック体を固定するための固定部材を該柱状ブロック体毎に該回転部の周方向にずらして配置したことで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、本発明に係る回転装置の第9の構成によれば、固定部側、回転部側にそれぞれ設けられる第1、第2の磁石の長手方向の少なくとも一方を回転部の回転軸方向に対して傾斜させて配置し、該回転部の回転に伴って該第1、第2の磁石が長手方向に互いに交差して対向するように配置することで、第1、第2の磁石の互いに対向する側が斥力が作用する同極磁石による互いに近付く際の回転方向に対する抑止力、或いは第1、第2の磁石の互いに対向する側が引力が作用する異極磁石による互いに遠退く際の回転方向に対する抑止力における力の分散が出来、それらの回転抑止力を低減させることが出来る。
即ち、固定部側、回転部側にそれぞれ設けられる第1、第2の磁石の長手方向は、互いに異なった角度に傾斜しており、例えば、第1、第2の磁石の長手方向を線として考えると、N極−N極が対向する場合、或いはN極−S極が対向する場合にその瞬間が線接触ではなく点接触となり回転抑止力の低減が可能となるものである。
一方、回転部の回転により固定部と回転部との間に形成される間隙内を流れる処理液は斜行して流れるため、例えば、第1、第2の磁石の長手方向が回転部の回転軸方向に平行である場合、斜行して流れる処理液に対して第1、第2の磁石が向き合うのは瞬間的となるため磁力の作用も瞬間的であるが、本発明のように第1、第2の磁石の長手方向を傾斜させた場合には、長手方向を傾斜させた第1、第2の磁石との交点が連続移動し、斜行して流れる処理液に対して連続的に磁力が作用することとなる。このことにより、固定部と回転部との間に形成される間隙内の処理液は微小気泡の数と溶解気体の量とを増加させながら第1の磁石と第2の磁石による電磁作用との相乗作用を受けて該間隙内に流入した処理液中の微小気泡について分割と再分割とがより効果的になされ、極微細気泡がより多く生成されると共に、該各極微細気泡中の気体成分が処理液中に更に溶解される。
また、本発明に係る泡発生装置の第1の構成によれば、回転翼の回転により発生する負圧により吸液口から吸入された処理液と、吸気口から吸入された気体とを固定部と回転部との間に形成される間隙内で混合して処理液中に微細な気泡を発生させると共に包含させ、その混合液を排出口から外部に排出することが出来る。
また、本発明に係る泡発生装置の第2の構成によれば、固定部と回転部との間に形成される間隙に処理液を吸入する管に交差して接続して連通された合流管から固定部と回転部との間に形成される間隙に気体を吸入することができ、管を流れる処理液の流速により合流管に負圧を発生させて吸気口から気体を吸入することが出来る。
また、本発明に係る泡発生装置の第3の構成によれば、合流管が交差する位置の近傍上流側に設けられた管の小径部を流れる処理液の流速が大きくなり、該管の小径部を流れる処理液の流速により合流管に更に大きな負圧を発生させて吸気口から気体を吸入することが出来る。
また、本発明に係る泡発生装置の第4の構成によれば、固定部と回転部との間に形成される間隙の近傍上流側に形成された挟隙流路を流れる処理液の流速が大きくなり、該挟隙流路を流れる処理液の流速により大きな負圧を発生させて吸気口から気体を吸入することが出来、気体の混合を促進させることが出来る。
図により本発明に係る回転装置及びそれを備えた泡発生装置の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る回転装置及びそれを備えた泡発生装置の第1実施形態の構成を示す断面説明図、図2は本発明に係る回転装置の第1実施形態の固定部の内周面に設けられる第1の磁石と、回転部の外周面に設けられる第2の磁石との配置構成を示す断面説明図、図3は固定部の筒体ケースの構成を示す断面説明図、図4は筒体ケース内に収容される環状ブロック体の構成を示す断面説明図、図5は筒体ケース内に複数の環状ブロック体が周方向に10度づつずらして配置された様子を示す図、図6は回転部の構成を示す断面説明図、図7〜図10は本発明に係る回転装置の作用効果を説明する図である。
図1〜図6において、1は回転駆動力を付与する回転駆動源となるモータであり、円筒状の固定部2に設けられている。固定部2の内部には回転部3が回転可能に設けられており該回転部3には回転駆動源となるモータ1からの回転力がモーターシャフト1a、連結部材4、回転部3の回転軸3aを介して該回転部3に伝達される。
尚、モーターシャフト1a及び回転軸3aは、該回転軸3aの図示しない一方の軸受部材及び他方の軸受部材6により回転可能に軸支されている。
本実施形態の固定部2は、図3に示す筒体ケース7と、図4に示すように、該筒体ケース7内に収容され、該固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に分割された複数の環状ブロック体8とを有して構成され、複数段の環状ブロック体8が軸方向に直線状に配列される。
各環状ブロック体8の内周面8aは回転部3の外周面3bに対向すると共に、該環状ブロック体8の内周面8aで固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に所定のピッチで第1の磁石9が配置されている。
図3に示すように、筒体ケース7内に収容される環状ブロック体8を固定するために該筒体ケース7に設けられる固定穴7aは固定部2の軸方向(図3(b)の左右方向)に複数に分割されたそれぞれの環状ブロック体8毎に筒体ケース7の周方向にずらして配置されている。
このように、第1の磁石9は、図4に示すように、固定部2の回転部3の外周面3bに対向する環状ブロック体8の内周面8aで該固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に所定のピッチで配置されている。
一方、第2の磁石10は、図5及び図6に示すように、回転部3の固定部2の環状ブロック体8の内周面8aに対向する外周面3bで該回転部3の軸方向(図1(a)の左右方向)に所定のピッチで配置されている。
ここで、第1、第2の磁石9,10同士は、互いに対向する側が斥力が作用する同極磁石(例えば、第1、第2の磁石9,10の互いに対向する側の双方がN極か、第1、第2の磁石9,10の互いに対向する側の双方がS極)、或いは互いに対向する側が引力が作用する異極磁石(例えば、第1の磁石9の対面する側がN極で第2の磁石10の対面する側がS極、或いは第1の磁石9の対面する側がS極で第2の磁石10の対面する側がN極)で構成され、該第1、第2の磁石9,10のうち互いに対向しない磁石が1組以上設けられている。
また、図4及び図6に示すように、固定部2の回転部3の外周面3bに対向する環状ブロック体8の内周面8aに設けられた第1の磁石9は6個配置されており、回転部3の固定部2の環状ブロック体8の内周面8aに対向する外周面3bに設けられた第2の磁石10は8個配置されており、第1、第2の磁石9,10の取り付け数が異なるように構成されている。
図1及び図5に示すように、固定部2の回転部3の外周面3bに対向する環状ブロック体8の内周面8aが該固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に複数に分割され、該分割されたそれぞれの環状ブロック体8の内周面8aに設けられた第1の磁石9が配置される位相を該固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に複数に分割されたそれぞれの環状ブロック体8の内周面8a毎に該内周面8aの周方向にずらして配置している。
即ち、本実施形態では、図1及び図5に示すように、固定部2は該固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に分割された複数の環状ブロック体8を有して構成され、該環状ブロック体8の内周面8aが回転部3の外周面3bに対向すると共に、該環状ブロック体8の内周面8aで固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に所定のピッチで第1の磁石9が配置され、環状ブロック体8を固定するための固定部材となる筒体ケース7の固定穴7aに挿通され、環状ブロック体8の径方向に所定ピッチで設けられた固定ネジ孔8bに螺合締結される固定ネジ11を固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に複数に分割されたそれぞれの環状ブロック体8毎に固定部2の周方向にずらして配置したものである。
図7〜図9は本発明に係る回転装置の作用効果を説明する図である。先ず、図7〜図9における前提条件として、第1、第2の磁石9,10が相対した時に「1」という力を発揮するものとする。中間点では磁力は「0(ゼロ)」とする。他の磁石の影響はないものとする。固定部2及び回転部3の円周方向及び径方向とも同じ考えとする。
図7では考え方を容易にするため、回転部3の外周面3b或いは固定部2の環状ブロック体8の内周面8aの円周長を「10」とし、固定部2の環状ブロック体8の内周面8a側に配置する第1の磁石9を5個とし、回転部3の外周面3b側に配置する第2の磁石10を4個とした場合の簡易計算例を示す。即ち、第1の磁石9はピッチ「2」で、第2の磁石10はピッチ「2.5」の配置とした例である。図7の最上段では第1の磁石9は「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の位置に配置され、第2の磁石10は「0」、「2.5」、「5」、「7.5」の位置に配置されている。また、磁力は距離に反比例するとして計算したものである。
21は回転部3の外周面3b或いは固定部2の環状ブロック体8の内周面8aの円周長を「10」とした時の回転角度を示しており、第2の磁石10が「0.25」、「0.5」、「0.75」、「1.0」、「1.25」、「1.5」、「1.75」回転した状態を示している。
図7(a)は、第1、第2の磁石9,10の向きは互いに対向する側が同極(斥力)とした場合の一例を示し、第1、第2の磁石9,10の向きは互いに対向する側が異極(引力)では23に示す回転力の方向(±)が逆になる。
図7(a)の回転角度21に示すように、「−α」は相対する第1、第2の磁石9,10が近づく時の方向を示し、「+α」は相対する第1、第2の磁石9,10が遠ざかる時の方向を示す。そして、回転力23は最大でも「−α」の時には「−1」(回転阻害力)、「+α」の時に「1」(反発力)でしかない。第1、第2の磁石9,10が5個の同数の場合には回転力は最大「5」となることは明らかである。尚、回転力23が「0(ゼロ)」となる位置は回転角度「0.25」、「0.75」、「1.25」、「1.75」である。
図7(b)に示す円図は、第1、第2の磁石9,10を固定部2及び回転部3の径方向断面で考えた時の力のバランスを示しており、バランスが崩れて「1」という力が働いている様子を示したものである。第1、第2の磁石9,10が均等配置されているような場合には同時に相対する第1、第2の磁石9,10の組数としては例えば1組を避けることで、回転軸3aにかかる合力のバランスを維持することができる。
本実施形態では、図4及び図6に示すように、固定部2の環状ブロック体8の内周面8a側に第1の磁石9が6個で各第1の磁石9相互は60度づつ均等配置され、回転部3の外周面3b側に第2の磁石10が8個で各第2の磁石10相互は45度づつ均等配置されており、図3及び図5に示すように、筒体ケース7の内部に8段の環状ブロック体8が各段10度づつの位相を設けて取り付け挿入されている。
図8(b)は各段の磁石配置を示したものである。即ち、回転部3の外周面3の外周面3b側に設けられた第2の磁石10が「0度」、「45度」、「90度」、「135度」、「180度」、「225度」、「270度」、「315度」にそれぞれ配置され、環状ブロック体8の内周面8a側に設けられた第1の磁石9が、第1段目では#1「45度」、#2「105度」、#3「165度」、#4「225度」、#5「285度」、#6「345度」にそれぞれ配置され、第2段目では#1「55度」、#2「115度」、#3「175度」、#4「235度」、#5「295度」、#6「355度」にそれぞれ配置され、第3段目では#1「5度」、#2「65度」、#3「125度」、#4「185度」、#5「245度」、#6「305度」にそれぞれ配置され、第4段目では#1「15度」、#2「75度」、#3「135度」、#4「195度」、#5「255度」、#6「315度」にそれぞれ配置され、第5段目では#1「25度」、#2「85度」、#3「145度」、#4「205度」、#5「265度」、#6「325度」にそれぞれ配置され、第6段目では#1「35度」、#2「95度」、#3「155度」、#4「215度」、#5「275度」、#6「335度」にそれぞれ配置されていることを示す。
図9は、図7と同様に第1、第2の磁石9,10が相対したときに「1」という力を発揮するものとし、中間点では磁力は「0(ゼロ)」とし、他の磁石の影響は無いものとした。但し、距離との関係では図7では距離に反比例としたが、図9では磁力は距離の2乗に反比例するとして計算した結果である。αは図7と同様とし、「−α」の場合についてのみ計算した。また、固定部2にかかる力としての計算であるが、回転部3にはこの力の反作用の力がかかることとなる。「F」は合計した力で「+」は固定部2に回転方向の力が働くことを意味し、「−」は固定部2に回転方向とは逆の力即ち阻害力が働くことを意味する。従って、回転部3にはその反作用として、それぞれ回転方向と逆の力(阻害力)、回転方向の力が作用することとなる。
図10(a)は一段目の環状ブロック体8の第1の磁石9の磁石配置と、回転部3の第2の磁石10の磁石配置を示し、図9による計算結果をもとに第1の磁石9にかかる力を図示したものである。一段目環状ブロック体8の第1の磁石9には総合して「2」の力が発生し、回転部3にはこの反作用として「2」の回転阻害力が発生している。図10(b)は一段目の環状ブロック体8の第1の磁石9の磁石配置による固定部2及び回転部3の回転方向に作用する力関係を示し、A、−A、B、−Bは回転部3に作用する力、X、−X、Y、−Yは固定部2に作用する力であり、軸にかかる合力がバランスしていることを示している。即ち、本実施形態のような第1、第2の磁石9,10が均等配置されているような場合には同時に相対する第1、第2の磁石9,10の組数としては例えば1組を避けることで、回転軸3aにかかる合力のバランスを維持することが簡単にでき、特に段数の少ない構成では有効である。
図7では、固定部2の環状ブロック体8の内周面8a側に設けられる第1の磁石9が5個で、回転部3の外周面3b側に設けられる第2の磁石10が4個の場合で、回転部3の回転力として説明した。図8、図9では固定部2の受ける力として、磁力は距離の2乗に反比例するとして計算した結果で、回転部3に対しては固定部2にかかるこの力の反作用として回転力が生じる。このような条件で計算した最大回転力は前述の実施形態では固定部2に「4.00」の力が発生し、回転部3にはこの反作用として「−4.00」(回転阻害力)が発生することとなる。
例えば、比較例として、全ての磁石が対向する配置とする固定部2の環状ブロック体8の内周面8a側に設けられる第1の磁石9が8個、回転部3の外周面3b側に設けられる第2の磁石10が8個で筒体ケース7の内部に6段の環状ブロック体8が設けられた場合の最大回転力は「48」となる。また、第1、第2の磁石9,10のどちらかを2つずつ抜いて対向する第1、第2の磁石9,10をそれぞれ8個、6個の各6段とした場合には最大回転力は「36」となる(図8(a)参照)。
また、上記磁石配置で回転部3の外周面3b側に設けられる第2の磁石10の2個を外して6個とし、固定部2の環状ブロック体8の内周面8a側に設けられる第1の磁石9を8個、筒体ケース7の内部に6段の環状ブロック体8が設けられた場合の最大回転力は36となる(図8参照)。
図10(a)は図8(b)に示す磁石配置の環状ブロック体8の1段目の状態を表したものであるが、固定部2の第1の磁石9には回転力「2」の力が総合してかかっていることがわかる。回転体3の第2の磁石10にはこの反作用として「−2」の回転阻害力が作用することとなる。また、図10(b)に示すように、第1、第2の磁石9,10を固定部2及び回転部3の径方向断面で考えた時の力のバランスは円周上で相対する磁石が各2組ずつとなり、全体として(力が「0(ゼロ)」)となってバランスする。
また、環状ブロック体8が複数段に及ぶ磁石配置では、各段の環状ブロック体8の内周面8aに設ける第1の磁石9の配置に位相を設ける。位相は環状ブロック体8の内周面8aに設ける第1の磁石9の配置に位相を設けることでも良いし、回転部3の外周面3bに設ける第2の磁石10の配置に位相を設けることでも良いし、第1、第2の磁石9,10の両方の配置に位相を設けることでも良い。
各段の環状ブロック体8の内周面8aに設ける第1の磁石9の位相、或いは回転部3の外周面3bに設ける第2の磁石10の位相は、円周上の配置数と段数から全体が均等近くになる度数とする。円周上の配置数と段数の組合せを適宜選択すると、位相の効果を最大に出来る。尚、位相の方向は、目的により、進ませるか遅らせるかのどちらでも良い。
また、第1、第2の磁石9,10が同数配列の場合である場合には対向配置でなく、位置をずらすことが出来る。
これにより1段当たりの磁石の総数に関わらず、内外同時に相対し吸引力、反発力を高める磁石配置を、1対あるいは2対に抑制できる。
また、多段の軸方向でも、同時に相対する磁石配置を1段、或いは2段等に抑制できる。
本実施形態では、磁石配置は、回転部3の外周面3bに第2の磁石10を8列、固定部2の環状ブロック体8の内周面8aに第1の磁石9を6列、環状ブロック体8を固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に6段で、回転部3をモータ1により回転させている。各段の環状ブロック体8には順次10度の位相を設けて配置している。
このことにより、従来、特許文献1のような回転装置では停止時に回転部3がロック状態になり全く手で回すことができなかったが、本発明では回転部3を指先で容易に回せるようになった。
また、定常運転時の電流も特許文献1のような回転装置に比べて5%程度抑制されるようになり、停止操作をした時に、特許文献1のような回転装置では急ブレーキがかかったような急停止をするが、本発明では空転するようになり、機械的な無理な停止が抑制できた。
このように、目的に合わせて第1、第2の磁石9,10を多数配置しながら、固定部2の環状ブロック体8の内周面8a及び回転部3の外周面3bとも円周上の磁石配置は均等で滑らかな回転負荷を保ち、しかも磁石の回転負荷影響を極力抑制できることで、回転装置の円滑な回転駆動、或いは適正な駆動源容量の回転装置を提供できるものである。
上記構成によれば、固定部2の環状ブロック体8の内周面8aと回転部3の外周面3bにそれぞれ設けられた第1、第2の磁石9,10のうち同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることで、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、固定部2の内周面8aと回転部3の外周面3bにそれぞれ設けられた第1、第2の磁石9,10の取り付け数が異なることで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、固定部2の環状ブロック体8の内周面8aを該固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に複数に分割し、その分割された環状ブロック体8の内周面8a毎に第1の磁石9の配置位相を該内周面8aの周方向にずらして配置したことで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に複数に分割して設けられた環状ブロック体8を固定するための固定部2材を該環状ブロック体8毎に該固定部2の周方向にずらして配置したことで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、固定部2の筒体ケース7内に収容され、該固定部2の軸方向(図1(a)の左右方向)に複数に分割して設けられた環状ブロック体8を固定するための固定穴7aを該環状ブロック体8毎に該筒体ケース7の周方向にずらして配置したことで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
尚、前記実施形態では、筒体ケース7の内部に複数の環状ブロック体8を挿入して構成した場合の一例について説明したが、筒体ケース7を省略して複数の環状ブロック体8をそれぞれピンやビス等により締結する種々の固定方法により連結することで、前述と同様に分割されたそれぞれの環状ブロック体8の内周面8a毎に第1の磁石9が配置される位相を該内周面8aの周方向にずらして配置することも出来る。
前記実施形態では、第1、第2の磁石9,10のそれぞれの離間ピッチを同ピッチとしたが、他の構成として、固定部2の回転部3の外周面3bに対向する環状ブロック体8の内周面8aに設けられた第1の磁石9相互の離間ピッチ、或いは回転部3の固定部2の環状ブロック体8の内周面8aに対向する外周面3bに設けられた第2の磁石10相互の離間ピッチのうち少なくとも1つが異なるような構成にすることも出来る。
このような構成によれば、固定部2の環状ブロック体8の内周面8aと回転部3の外周面3bにそれぞれ設けられた第1、第2の磁石9,10のそれぞれの磁石相互の離間ピッチのうち少なくとも1つが異なることで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、前記実施形態では、固定部2の回転部3の外周面3bに対向する環状ブロック体8の内周面8aが固定部2の軸方向に複数に分割された場合の一例について説明したが、他の構成として、回転部3の固定部2の環状ブロック体8の内周面8aに対向する外周面3bが該回転部3の軸方向(図1(a)の左右方向)に複数に分割され、該分割されたそれぞれの回転部3の外周面3bに設けられた第2の磁石10が配置される位相を該回転部3の軸方向(図1(a)の左右方向)に複数に分割されたそれぞれの外周面3b毎に該外周面3bの周方向にずらして配置した構成とすることも出来る。
このような構成によれば、回転部3の外周面3bを該回転部3の軸方向に複数に分割し、その分割された外周面3b毎に第2の磁石10の配置位相を該外周面3bの周方向にずらして配置したことで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
また、前記実施形態では固定部2の軸方向に分割された複数の環状ブロック体8を有する構成としたが、他の構成として、回転部3は該回転部3の軸方向(図1(a)の左右方向)に分割された図示しない複数の柱状ブロック体を有して構成され、該柱状ブロック体の外周面3bが固定部2の内周面8aに対向すると共に、該柱状ブロック体の外周面3bで回転部3の軸方向に所定のピッチで第2の磁石10が配置され、該柱状ブロック体を固定するための固定部2材を回転部3の軸方向(図1(a)の左右方向)に複数に分割されたそれぞれの柱状ブロック体毎に回転部3の周方向にずらして配置した構成とすることも出来る。
このような構成によれば、回転部3の軸方向(図1(a)の左右方向)に複数に分割して設けられた図示しない柱状ブロック体を固定するための固定部材を該柱状ブロック体毎に該回転部3の周方向にずらして配置したことで、同時に互いに対向しない磁石を1組以上設けることができ、磁石同士の吸引力或いは反発力を緩和して回転起動時及び連続回転時に大きな駆動力を必要としない。
尚、図1に示すモータ1は水中モータ1で構成され、該水中モータ1が取り付けられた側と反対側には吸液口となる吸液管12と吸気口となる吸気管13が設けられており、本発明に係る回転装置が泡発生装置として構成された一例である。
水中モータ1のモーターシャフト1aには連結部材4が取り付けられており、該連結部材4には回転翼となるポンプ羽根14が取り付けられている。また、連結部材4には固定部2の他端部に設けられた軸受部材6により回転自在に軸支された回転軸3aが取り付けられている。また、回転軸3aの軸方向(図1(a)の左右方向)において、連結部材4から回転部3の軸方向(図1(a)の左右方向)の全長に対応する位置には拘束部材15が取り付けられており、これにより水中モータ1のモーターシャフト1a、連結部材4、ポンプ羽根14、回転軸3a及び拘束部材15が一体的に回転するように構成されている。
前述した構成を有する泡発生装置は、例えば、処理対象水内に設置して水質浄化装置として作用させることが出来る。吸気管13は外気に連通されて固定部2内に気体の一例として空気を取り入れ、吸液管12は泡発生装置が設置される処理液となる処理対象水を取り入れる。吸気管13としては長尺且つ可撓性の管体(ホース)を用いて構成することが出来、外気に連通する剛性の管体を用いて構成することも出来る。吸気管13の数は1個或いは複数設けることが出来る。
吸気管13は固定部2への接続口の吸入口径を大きくし、泡発生装置が水没して設置される場合に吸気管13の口径を液面以上まで大きく構成されている。また、図1(b)に示すように、吸気管13は固定部2への接続口の吸入口を固定部2内における液の流れ方向に対して接線方向になるように設けられている。
これにより、泡発生装置が水没して設置される水中の縣濁物質が吸気管13に逆流しても大きな吸引力が作用して縣濁物質を吸気管13から排除することが出来、該吸気管13の詰まりを防止することが出来る。特許文献1の吸込圧は数十cmAq(水柱圧)程度であったが、本実施形態の吸込圧は1.5mAq(水柱圧)程度まで向上することが出来た。
固定部2のポンプ羽根14に対応する部位には図示しない排出口が設けられており、ポンプ羽根14により送り出された極微細気泡を含有する処理対象水が外部に送出される。
吸液管12の先端12aは水中モータ1側に配置され、水中モータ1と吸液管12の先端12aは、不測のゴミ流入防止のために、フィルターとしての金網等のゴミ除(よ)け16が設けられている。
回転部3の外周面3bに設けられた第2の磁石10は、図6に示すように、該回転部3の円周方向に所定のピッチで設けられた断面台形状の突起部3cの傾斜面に取り付けられており、この突起部3cが遠心ポンプにおける回転羽根の役割も兼ねる。
回転部3の外周面3bと固定部2の環状ブロック体8の内周面8aとの間に形成された間隙17において吸気管13から吸入した空気を吸液管12から吸入した処理対象水に混合させて無数の微小な気泡を生成させると共に、該各気泡中の酸素成分を該処理対象水中に溶解させる。
水中モータ1を回転させると、モーターシャフト1aに接続された連結部材4、ポンプ羽根14、回転軸3a及び拘束部材15に回転駆動力が伝達され、水中モータ1と回転部3とが一体的に回転する。
一方、水中モータ1と一体的に回転するポンプ羽根14により遠心ポンプと同様な役割を果たす。即ち、ポンプ羽根14が回転すると、間隙17に連通された隙間18内の処理対象水がポンプ羽根14により図1(a)の上下方向に掻き出されて図示しない排出口から外部に放出され、隙間18内の水圧が低下して大気圧以下(負圧)となる。
そのため、隙間18に連通する間隙17内も負圧となって固定部2内の水面が降下し、吸気管13から空気が流入すると共に、吸液管12から処理対象水が流入する。
間隙17内に流入した処理対象水は回転部3の高速回転に引き摺られて高速で回転する。それによって、固定部2内における降下した水面は激しく波立つと同時に泡立ち、当該水面下では2次流れとしての無数の小渦が発生する。この時の渦発生現象はテイラー渦流れ(Taylor Couette Flow或いはTaylor Vortex)と呼ばれている現象である。
ここで、テイラー渦とは、大きな円筒からなる固定部2とその中に小さな円筒或いは円柱からなる回転部3があり、その2つに挟まれた空間である間隙17には処理対象水が満たされており、回転部3の回転により、その付近の処理対象水は遠心力を受けて固定部2方向へ押し出される。そして、状態平衡を保つように処理対象水には作用・反作用力が働き、外側へ押し出される一方で、回転部3側へ戻ってくる作用が起きる。これにより無数の小渦が発生する。
そのため、吸気管13から流入した空気は吸液管12から流入した処理対象水に効率的に混合され、無数の微小な気泡となる。また、発生した各微小気泡中の酸素成分は酸素不足の当該処理対象水中に効率的に溶け込む。
間隙17内の処理対象水は微小気泡の数と溶解酸素の量とを増加させながら第1の磁石9と第2の磁石10による電磁作用との相乗作用を受けて該間隙17内に流入した処理対象水中の全ての微小気泡について分割と再分割とがなされ、極微細気泡が生成されると共に、該各極微細気泡中の酸素成分が処理対象水中に更に溶解される。
極微細気泡と溶解酸素を含んだ処理対象水は、ポンプ羽根14の回転によるポンピング作用によって、図示しない排出口から図1(a)の上下方向に放出され、泡発生装置が設置された処理対象水域に拡散される。このようにして成る極微細気泡と溶解酸素とは、処理対象水域内から短時間で浮上してしまうことがなく、同水域中に極めて長時間留まっていることが出来、同水域全般に拡散することが出来る。
各個の水分子は、良く知られているように、水素−酸素−水素の結合状態が、直線的でなく、且つ、電子の確率分布が対称でなく、電気双極子を成している。それ故、それらの水分子は、液相では単体では存在せず、水素結合により幾つかが寄り集まってクラスターを形成している。クラスターの大きさや形は、溶存する不純物の種類や量、それに温度によって、様々に変化する。
電気双極子を成す水分子(イオン水)は、固定部2の環状ブロック体8の内周面8aと回転部3の外周面3bとにそれぞれ設けられた第1の磁石9及び第2の磁石10による磁界との相対運動、更にはその相対運動が与えられると、それによってエネルギー(主に分子の回転運動のエネルギー、それに伸縮運動や並進運動のエネルギー)が与えられ、エネルギー準位が引き上げられる。
即ち、水分子が活性化された結果、当該水分子のクラスターはより小さくなり、従って、極微細気泡中の酸素がクラスター間に溶け込み易くなり、また、極微細気泡が分割され易くなる。更に、導電性流体である処理対象水と磁場とが相対運動をすると、処理対象水中に電流が誘起する。同時に、B2/2μの等方的な圧力(磁気圧)と、B2/μの磁力線の方向(ここでは垂直方向)への張力とが発生する。尚、Bは磁力の強さ、μは磁束の透磁率である。これらの現象もまた、水分子のクラスターをより小さくする。
一方、酸素分子は磁気双極子を成す常磁性であるから第1の磁石9と第2の磁石10とにより形成される磁界との相対運動が与えられると、それによってエネルギー(主に分子の回転運動のエネルギー、それに並進運動のエネルギー)が与えられエネルギー準位が引き上げられる。その結果、磁界内の酸素分子は活性化され、気泡表面の酸素分子は水の境界面を突破してその中に溶け込み易くなる。
処理対象水中に放出された極微細気泡の直径が微細化すればするほど全ての極微細気泡が短時間で水面に浮上してしまうことがなく、従ってその滞水時間が限りなく長くなり極微細気泡全体の表面積、即ち極微細気泡全体と処理対象水との接触面積が限りなく大きくなる。
このように、処理対象水中域に拡散されたイオン水は、種々の対象物を効率的に酸化(N極反発)または、アルカリ化(S極反発)する。酸化によって生じたイオン水は、病原菌や微生物だけを殺菌する。アルカリ化によって生じたイオン水は、タンパク質や油脂分の分解をし優れた洗浄力を発揮する。
また、太陽光が存在するときは浮遊性の藻類(例えばアオコ等)を死滅・凝集させることが出来る。浮遊性藻類の死滅・凝集によって生じた微小浮遊物質は気泡と付着して水面に浮上し、浮上スカム(かす)と成る。更に、この極微細気泡は水底のヘドロ(微生物層)に無数に結合してそれらに浮力を与え、大きな単位で浮上させることも出来る。
尚、浮上スカムは定期的に捕集され、且つ廃棄されることによって対象水域についての水質浄化処理が達成される。
また、固定部2の環状ブロック体8の内周面8a及び回転部3の外周面3bに設けられた第1の磁石9及び第2の磁石10の働きによって間隙17内の各点において回転部3の半径方向の磁界が発生しており、前述した磁界と水分子との相互作用、誘起電流と水分子との相互作用、並びに磁界と酸素分子との相互作用、そしてそれらの相乗効果によって、より微細な気泡を間隙17内の処理対象水中に生成させ、また、該極微細気泡中の酸素成分をより多く該処理対象水中に溶解させることが出来る。
上記泡発生装置に各種気体発生装置を適宜併用することが出来る。例えば、オゾン発生装置または活性空気発生装置は地上に設置され、長尺且つ可撓性の吸気管を介して固定部2の吸気管13に気密且つ水密に接続される。
吸気管は処理対象水域景観が損われることがないようにするために、運転時には同水域の水面下に敷設される。それらの装置で発生したオゾン或いは活性空気は可撓性の吸気管から吸気管13を介して固定部2の内部に送り込まれる。
外気の代りに、オゾン入りの空気または活性空気を吸気管13に送り込むことにより、それらと極微細気泡化との相乗作用によって、水質浄化作用を更に増進させることが出来る。
処理対象水域に雨水等が流入してその水面が変動すると、吸気管13の水深と水圧が変動して処理対象水と空気との最適な混合比が崩れる場合があるため処理対象水域の水面変動に対応して泡発生装置本体を適宜の浮子に結合して水底から浮上させ、水面が変動したときでも同泡発生装置本体の水深位置が変動しないように、また、吸気管13の水深と水圧が変動しないようにすることが出来る。
処理対象水の汚れや酸性化が酷い時は、即時の改善を計るために、初めの期間のみであるが、中和剤及び/または凝集剤等の薬剤を散水または散布することが出来る。これによって有機物が強制浮上され、pH度が改善される。薬剤による改善後は泡発生装置によって水質浄化を続行することが出来る。水質浄化がある程度進んだ段階でバクテリア(好気性バクテリア或いはアンモニア分解バクテリア)を投入する。以上の相乗効果によって処理対象水を十分に水質浄化することが出来る。
次に図11及び図12を用いて本発明に係る回転装置及びそれを備えた泡発生装置の第2実施形態について説明する。図11は本発明に係る回転装置及びそれを備えた泡発生装置の第2実施形態の構成を示す断面説明図、図12は第2実施形態の磁石配置を説明する図である。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、図11及び図12に示すように、回転装置の固定部2側及び回転部3側にそれぞれ設けられる第1、第2の磁石9,10の長手方向(図11の上下方向)の少なくとも一方を回転部3の回転軸3a方向(図11の上下方向)に対して所定角度傾斜させると共に、該回転部3の回転に伴って該第1、第2の磁石9,10が長手方向(図11の上下方向)に互いに交差して対向するように構成されたものである。
本実施形態の回転部3は、回転駆動源となるモータ1のモーターシャフト1aに連結部材4により回転軸3aが片持ち支持されて回転される。本実施形態の回転軸3aは、図12に示すように、断面正方形状に形成されており、その4つの側面3a1にそれぞれ第2の磁石10の長手方向(図12(a)の上下方向)が回転軸3a方向(図12(a)の上下方向)に対して所定角度傾斜してビス35により止め付けられている。本実施形態では第2の磁石10の傾斜角度αを回転軸3a方向に対して4.3度程度に設定したものである。尚、本実施形態の固定部2に取り付けられる第1の磁石9の長手方向(図11の上下方向)は回転軸3a方向(図11の上下方向)と同じ方向に設定して固定されている。
回転翼となるポンプ羽根14はモーターシャフト1aに固定され、回転部3と連結されて該回転部3と一体的に回転する。吸液口となる吸液管31は直管で構成され、回転翼となるポンプ羽根14の回転により発生する負圧により固定部2と回転部3との間に形成される間隙17に処理液となる処理対象水を吸入する。吸気口となる吸気管13は、直管で構成される吸液管31に交差(直交)して接続して連通された合流管からなり、回転翼となるポンプ羽根14の回転により発生する負圧により固定部2と回転部3との間に形成される間隙17に気体の一例として空気を吸入する。吸液口となる吸液管31から吸入された処理液と、吸気口となる吸気管13から吸入された空気とが固定部2と回転部3との間に形成される間隙17内で混合され、第1実施形態で前述したように極微細気泡と溶解酸素を含んだ処理対象水からなるその混合液をポンプ羽根14の回転によるポンピング作用によって、排出口36から図11の左右方向に外部に排出する。
直管からなる吸液管31の合流管からなる吸気管13が交差する位置の近傍上流側(図11の右側)には吸液管31内に小径管32が挿入されて小径部が設けられており、該直管からなる吸液管31内に設けられた小径管32の内径からなる小径部において吸入される処理液の流速が大きくなって合流管により構成される吸気管13から吸入される空気の吸入力を大きくする負圧を発生させることが出来る。
固定部2と回転部3との間に形成される間隙17と吸液管31の出口との間の流路には、挟隙ブロック33a,33bが固定部2に対してビス37により着脱可能に取り付けられており、該挟隙ブロック33a,33bにより間隙17の近傍上流側に挟隙流路34が形成されている。尚、挟隙ブロック33bは固定部2の内径に対応する外径を有する環状部材により構成され、ビス37により固定部2に対して着脱可能に取り付けられる。また、固定部2の底板の中央部に取り付けられる挟隙ブロック33aは回転部3の大きさに合わせて上方に向かって小径となる略円錐台形状で構成されているが、狭隙間34との関係で形状が決められることとなる。
このような挟隙流路34を通過する処理液の流速は大きくなるため吸気口となる吸気管13から吸入される空気の吸入力を大きくする負圧を発生させると共に空気の混合を促進させることが出来る。即ち、吸液口となる吸液管31から吸入された処理液と、吸気口となる吸気管13から吸入された空気とが固定部2と回転部3との間に形成される間隙17の近傍上流側に該間隙17に流れ込む処理液の流速を大きくして吸気口となる吸気管13から吸入される空気の吸入力を大きくする負圧を発生させ、空気の混合を促進させることが出来る。
上記構成によれば、固定部2側、回転部3側にそれぞれ設けられる第1、第2の磁石9,10の長手方向(図11の上下方向)の少なくとも一方を回転部3の回転軸3a方向に対して所定角度傾斜させて配置し、該回転部3の回転に伴って該第1、第2の磁石9,10が長手方向(図11の上下方向)に互いに交差して対向するように配置することで、第1、第2の磁石9,10の互いに対向する側が斥力が作用する同極磁石による互いに近付く際の回転方向に対する抑止力、或いは第1、第2の磁石9,10の互いに対向する側が引力が作用する異極磁石による互いに遠退く際の回転方向に対する抑止力における力の分散が出来、それらの回転抑止力を低減させることが出来る。
即ち、固定部2側、回転部3側にそれぞれ設けられる第1、第2の磁石9,10の長手方向(図11の上下方向)は、互いに異なった角度に傾斜しており(本実施形態の第1の磁石9の回転部3の回転軸3a方向に対する傾斜角度は0°である。)、例えば、第1、第2の磁石9,10の長手方向(図11の上下方向)を線として考えると、N極−N極が対向する場合、或いはN極−S極が対向する場合にその瞬間が線接触ではなく点接触となり回転抑止力の低減が可能となる。
一方、固定部2と回転部3との間に形成される間隙17内を流れる処理対象水は回転部3の回転により見かけ上、斜行して流れるため、例えば、第1、第2の磁石9,10の長手方向が回転部3の回転軸3a方向に平行である場合、見かけ上、斜行して流れる処理対象水に対して第1、第2の磁石9,10が向き合うのは瞬間的となるため磁力の作用も瞬間的であるが、上記のように第1、第2の磁石9,10の長手方向を所定角度傾斜させた場合には、長手方向を傾斜させた第1、第2の磁石9,10との交点が連続移動し、見かけ上、斜行して流れる処理対象水に対して連続的に磁力が作用することとなる。このことにより、固定部2と回転部3との間に形成される間隙17内の処理対象水は微小気泡の数と溶解気体の量とを増加させながら第1の磁石9と第2の磁石10による電磁作用との相乗作用を受けて該間隙17内に流入した処理対象水中の微小気泡について分割と再分割とがより効果的になされ、極微細気泡がより多く生成されると共に、該各極微細気泡中の気体成分が処理液中に更に溶解させることが出来る。
また、回転翼となるポンプ羽根14の回転により発生する負圧により吸液口となる吸液管31から吸入された処理液と、吸気口となる吸気管13から吸入された空気とを固定部2と回転部3との間に形成される間隙17内で混合して処理液中に微細な気泡を発生させると共に包含させ、その混合液を排出口36から外部に排出することが出来る。
また、固定部2と回転部3との間に形成される間隙17に処理液を吸入する直管からなる吸液管31に交差して接続して連通された合流管からなる吸気管13から固定部2と回転部3との間に形成される間隙17に空気を吸入することができ、直管からなる吸液管31を流れる処理液の流速により合流管からなる吸気管13に負圧を発生させて吸気口となる吸気管13から空気を吸入することが出来る。
また、合流管からなる吸気管13が交差する位置の近傍上流側に設けられた直管からなる吸液管31内に設けられた小径管32の内壁からなる小径部を流れる処理液の流速が大きくなり、該直管からなる吸液管31の小径管32からなる小径部を流れる処理液の流速により合流管からなる吸気管13に更に大きな負圧を発生させて吸気口となる吸気管13から空気を吸入することが出来る。
また、固定部2と回転部3との間に形成される間隙17の近傍上流側に形成された挟隙流路34を流れる処理液の流速が大きくなり、該挟隙流路34を流れる処理液の流速により大きな負圧を発生させて吸気口となる吸気管13から空気を吸入することが出来る。
このような構成により、空気の吸入力を大きくすることが出来、泡発生装置が水深深くに設置された場合であっても空気の吸い込みが容易に出来る。
また、循環水量を維持確保しながら、処理液が隙間17へ流入する前に気泡の予備混合を促進させる。更に空気の吸入力を大きくして、泡発生装置が水深深くに設置された場合であっても空気の吸い込みを容易にし、あるいは処理液によっては極めて重要となる詰まり対策で太い吸気管13を使用しながらも、広い吸気量範囲で安定して気泡を発生することが出来る。さらには、負圧の調整や液流量の調整のために固定部2に液流路としての小孔を設けることができる。
本実施形態では、処理液を吸入する吸液管31として直管としたが、液流の抵抗を大きく妨げないものであれば曲管とすることも可能である。また吸液管31に交差する合流管を直交させたが、傾斜して取り付けることも可能である。
以下に具体的な実施例A〜Cと比較例の吸気圧の実測結果について説明する。図11に示す定格出力400Wの水中モータ1を有し、固定部2内に挟隙ブロック33a,33bを設けた泡発生装置を水深1mの位置に設置し、吸気管13の水上部に図示しない開閉コック、流量計、圧力計を接続して吸気圧を実測した。以下の表1に示す比較例は、固定部2のハウジングの2箇所に直径16mmの孔を設け、内径直径19mmの吸気管13を固定部2のハウジングに直接連結したものである。また、以下の表1に示す実施例Aは固定部2のハウジングの1箇所に直径16mmの孔を設け、他の1箇所の孔の代わりに固定部2のハウジングに吸液管31が接続され該吸液管31の内部に設けられた小径管32の内径直径を16mmとし、内径直径19mmの吸気管13を合流させたものである。
各比較例及び実施例Aにおいて、吸気管13の水上部に設けた図示しない開閉コックを開閉して吸気量をそれぞれ0(リットル/min)、5(リットル/min)、7(リットル/min)、12(リットル/min)に設定した場合で、開閉コックを閉じて吸気量が0(リットル/min)のときの比較例の吸気圧を100としたときの各比較例及び実施例Aの各吸気量における相対的な吸気圧を%で表示したものが以下の表1である。
Figure 2009112187
上記表1に示したように、比較例と比べて実施例Aでは吸気量が大きくなっても長い間大きな負圧が維持できることで安定した吸気量が得られるものである。
以下の表2は前記実施例Aと同様な構成で、挟隙ブロック33a,33bが有る場合を実施例Bとし、挟隙ブロック33a,33bを除去した場合を実施例Cとして吸気圧を実測したものである。尚、実施例B,Cでは小径管32の内径直径を18mmとした他は、前記実施例Aと同じ構成であり、開閉コックを閉じて吸気量が0(リットル/min)のときの実施例Cの吸気圧を100としたときの実施例Bの吸気量が0(リットル/min)における相対的な吸気圧を%で表示したものが以下の表2である。
Figure 2009112187
上記表2に示したように、挟隙ブロック33a,33bを除去した実施例Cと比較して挟隙ブロック33a,33bを設けた実施例Bでは更に大きな負圧が発生し安定した吸気量が得られることが分かる。
図13は挟隙流路34の他の構成を示す図である。本実施形態では、固定部2側に設けられた複数の挟隙ブロック33によりジグザグ形状の挟隙流路34が形成された一例であり、挟隙ブロック33bは固定部2の内径に対応する外径を有する環状部材により構成され、図示しないビスにより固定部2に対して着脱可能に取り付けられる。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。
本発明の活用例として、モータ等の回転駆動源に取り付けた磁場を利用した回転装置及びそれを備えた泡発生装置に適用出来、水処理装置や液体処理装置において磁場を与えて改質する装置への応用が可能である。
本発明に係る回転装置及びそれを備えた泡発生装置の第1実施形態の構成を示す断面説明図である。 本発明に係る回転装置の第1実施形態の固定部の内周面に設けられる第1の磁石と、回転部の外周面に設けられる第2の磁石との配置構成を示す断面説明図である。 固定部の筒体ケースの構成を示す断面説明図である。 筒体ケース内に収容される環状ブロック体の構成を示す断面説明図である。 筒体ケース内に複数の環状ブロック体が周方向に10度づつずらして配置された様子を示す図である。 回転部の構成を示す断面説明図である。 本発明に係る回転装置の作用効果を説明する図である。 本発明に係る回転装置の作用効果を説明する図である。 本発明に係る回転装置の作用効果を説明する図である。 本発明に係る回転装置の作用効果を説明する図である。 本発明に係る回転装置及びそれを備えた泡発生装置の第2実施形態の構成を示す断面説明図である。 第2実施形態の磁石配置を説明する図である。 挟隙流路の他の構成を示す図である。
符号の説明
1…(水中)モータ
1a…モーターシャフト
2…固定部
3…回転部
3a…回転軸
3a1…側面
3b…外周面
3c…突起部
4…連結部材
6…軸受部材
7…筒体ケース
7a…固定穴
8…環状ブロック体
8a…内周面
8b…固定ネジ孔
9…第1の磁石
10…第2の磁石
11…固定ネジ
12…吸液管
12a…先端
13…吸気管
14…ポンプ羽根
15…拘束部材
16…ゴミ除け
17…間隙
18…隙間
21…回転角度
22…円周方向に10等分した値
23…回転力
31…吸液管
32…小径管
33a,33b…挟隙ブロック
34…挟隙流路
35…ビス
36…排出口
37…ビス

Claims (13)

  1. 回転駆動力を付与する回転駆動源が設けられた固定部と、
    前記固定部の内部で回転可能に設けられ、前記回転駆動源からの回転力が伝達される回転部と、
    前記固定部の前記回転部の外周面に対向する内周面で該固定部の軸方向に1つ以上の所定のピッチで配置された第1の磁石と、
    前記回転部の前記固定部の内周面に対向する外周面で該回転部の軸方向に1つ以上の所定のピッチで配置された第2の磁石と、
    を有し、
    前記第1、第2の磁石同士は、互いに対向する側が斥力が作用する同極磁石、或いは互いに対向する側が引力が作用する異極磁石で構成され、該第1、第2の磁石のうち互いに対向しない磁石が1組以上設けられたことを特徴とする回転装置。
  2. 前記固定部の前記回転部の外周面に対向する内周面に設けられた第1の磁石と、前記回転部の前記固定部の内周面に対向する外周面に設けられた第2の磁石との取り付け数が異なることを特徴とする請求項1に記載の回転装置。
  3. 前記固定部の前記回転部の外周面に対向する内周面に設けられた第1の磁石相互の離間ピッチ、或いは前記回転部の前記固定部の内周面に対向する外周面に設けられた第2の磁石相互の離間ピッチのうち少なくとも1つが異なることを特徴とする請求項1に記載の回転装置。
  4. 前記固定部の前記回転部の外周面に対向する内周面が該固定部の軸方向に複数に分割され、該分割されたそれぞれの内周面に設けられた前記第1の磁石が配置される位相を該固定部の軸方向に複数に分割されたそれぞれの内周面毎に該内周面の周方向にずらして配置したことを特徴とする請求項1に記載の回転装置。
  5. 前記回転部の前記固定部の内周面に対向する外周面が該回転部の軸方向に複数に分割され、該分割されたそれぞれの外周面に設けられた前記第2の磁石が配置される位相を該回転部の軸方向に複数に分割されたそれぞれの外周面毎に該外周面の周方向にずらして配置したことを特徴とする請求項1に記載の回転装置。
  6. 前記固定部は該固定部の軸方向に分割された複数の環状ブロック体を有して構成され、該環状ブロック体の内周面が前記回転部の外周面に対向すると共に、該環状ブロック体の内周面で前記固定部の軸方向に所定のピッチで前記第1の磁石が配置され、前記環状ブロック体を固定するための固定部材を前記固定部の軸方向に複数に分割されたそれぞれの環状ブロック体毎に前記固定部の周方向にずらして配置したことを特徴とする請求項1に記載の回転装置。
  7. 前記固定部の筒体ケース内に該固定部の軸方向に分割された複数の環状ブロック体が収容され、該環状ブロック体の内周面が前記回転部の外周面に対向すると共に、該環状ブロック体の内周面で前記固定部の軸方向に所定のピッチで前記第1の磁石が配置され、前記筒体ケース内に収容される前記環状ブロック体を固定するために該筒体ケースに設けられる固定穴を前記固定部の軸方向に複数に分割されたそれぞれの環状ブロック体毎に前記筒体ケースの周方向にずらして配置したことを特徴とする請求項1に記載の回転装置。
  8. 前記回転部は該回転部の軸方向に分割された複数の柱状ブロック体を有して構成され、該柱状ブロック体の外周面が前記固定部の内周面に対向すると共に、該柱状ブロック体の外周面で前記回転部の軸方向に所定のピッチで前記第2の磁石が配置され、前記柱状ブロック体を固定するための固定部材を前記回転部の軸方向に複数に分割されたそれぞれの柱状ブロック体毎に前記回転部の周方向にずらして配置したことを特徴とする請求項1に記載の回転装置。
  9. 前記固定部側、前記回転部側にそれぞれ設けられる前記第1、第2の磁石の長手方向の少なくとも一方を前記回転部の回転軸方向に対して傾斜させると共に、該回転部の回転に伴って該第1、第2の磁石が長手方向に互いに交差して対向することを特徴とする請求項1に記載の回転装置。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の回転装置を備え、
    前記回転部と連結されて該回転部と一体的に回転する回転翼と、
    前記回転翼の回転により発生する負圧により前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙に処理液を吸入する吸液口と、
    前記回転翼の回転により発生する負圧により前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙に気体を吸入する吸気口と、
    前記吸液口から吸入された処理液と、前記吸気口から吸入された気体とが前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙内で混合され、その混合液を外部に排出する排出口と、
    を有することを特徴とする泡発生装置。
  11. 前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙に処理液を吸入する管が設けられ、前記管に交差して接続して連通された合流管から前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙に気体を吸入することを特徴とする請求項10に記載の泡発生装置。
  12. 前記管の前記合流管が交差する位置の近傍上流側に小径部が設けられ、該管の小径部から大径部に向けて流れ込む処理液の流速を大きくして前記合流管から吸入される気体の吸入力を大きくする負圧を発生させることを特徴とする請求項11に記載の泡発生装置。
  13. 前記吸液口から吸入された処理液と、前記吸気口から吸入された気体とが前記固定部と前記回転部との間に形成される間隙の近傍上流側に該間隙に流れ込む処理液の流速を大きくして前記吸気口から吸入される気体の吸入力を大きくする負圧を発生させると共に気体の混合を促進させる挟隙流路が形成されたことを特徴とする請求項10に記載の泡発生装置。
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