JP2009111916A - 画像読取装置およびそれを備える画像形成装置 - Google Patents

画像読取装置およびそれを備える画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009111916A
JP2009111916A JP2007284332A JP2007284332A JP2009111916A JP 2009111916 A JP2009111916 A JP 2009111916A JP 2007284332 A JP2007284332 A JP 2007284332A JP 2007284332 A JP2007284332 A JP 2007284332A JP 2009111916 A JP2009111916 A JP 2009111916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
image
unit
document
diffuse reflection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007284332A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Narukawa
志郎 成川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2007284332A priority Critical patent/JP2009111916A/ja
Publication of JP2009111916A publication Critical patent/JP2009111916A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Light Sources And Details Of Projection-Printing Devices (AREA)
  • Facsimile Heads (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Abstract


【課題】 読取対象物の金属光沢領域の画像情報を正確に読取り可能な画像読取装置およびそれを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像読取装置10に拡散反射部材22を設ける。拡散反射部材22は、光源20から照射されて原稿15で正反射された正反射光32が入射可能な位置に設けられ、正反射光32を拡散反射させて、原稿15に照射する。画像読取装置10は、光源20から照射されて原稿15で拡散反射された拡散反射光33を、第1ミラー21を介してCCDラインセンサに結像させて受光させ、受光した拡散反射光33に基づいて、原稿15を表す画像情報を生成するように構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原稿などの読取対象物の画像情報を読取る画像読取装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
画像読取装置は、光源から読取対象物たとえば原稿に光を照射し、原稿からの反射光を光電変換素子に導くことによって画像情報を生成するように構成される。画像読取装置は、原稿ごとの表面状態の違い、たとえば光沢性の違い、平面性の違い、表面粗さの違いなどによって画像情報の読取結果が大きく異ならないように、光電変換素子に導かれる反射光が、拡散反射成分のみの反射光(以下「拡散反射光」という)となるように構成される。
図10は、従来技術の画像読取装置1の構成を簡略化して示す側面図である。たとえば原稿読取装置1は、原稿2の原稿面2aに垂直な方向に対して約45°の方向から光が照射され、原稿面2aに略垂直な方向への反射光が光電変換素子3に導かれるよう構成される。
具体的に述べると、画像読取装置1では、蛍光灯等の光源4から所定の照射方向Aに照射される光によって、原稿台5に置かれた原稿2が照明される。照射方向Aは、原稿面2aの垂線方向に対し、角度γ傾斜した方向たとえば45°傾斜した方向(γ=45°)である。
原稿2の原稿面2aで反射された反射光のうち、所定の反射方向Bへの拡散反射光、たとえば原稿2の原稿面2aに対して垂直な方向への拡散反射光を、第1ミラー6、第2ミラー7および第3ミラー8で反射させて、光学レンズ9によってCCDラインセンサ3へ入力させる。CCDラインセンサ3からは、RGBの3ラインのカラーラインセンサにて色分解されたアナログ信号が出力され、その出力がA/D変換処理にてデジタル信号に変換され、画像情報として出力される。
このような構成では、CCDラインセンサ3に入力される拡散反射光は、矢符Cで示される正反射方向への反射光(以下「正反射光」という)をほとんど含まない。したがって、光沢のない原稿を読取る場合、原稿ごとの表面状態が異なっていても、画像の読取結果は大きく異なることがなく、原稿画像の色を正しく読取ることができる。
これに対し、金色および銀色などの金属色を有する画像のような、光沢性の非常に高い画像が原稿に含まれる場合には、その光沢性の高い画像部分(以下「金属光沢領域」という)については、照射光のほとんどが正反射光として反射、より詳細には鏡面反射するので、拡散反射光の光量が著しく低下する。
したがって従来技術の画像読取装置1によって、前述のような光沢性の非常に高い原稿を読取ると、光電変換素子3に入力される反射光の光量が低下するので、暗い、または黒っぽい画像が生成されるという現象が生じ、本来の正しい画像を得ることができないという問題がある。
このような問題を解決するための先行技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される撮像装置は、読取対象物に相当する被撮像物からの拡散反射光を撮像手段に導くか、被撮像物からの正反射光を撮像手段に導くかを、回動リフレクタを用いて切り換えて、被撮像物を読取る。つまり特許文献1に開示の撮像装置では、2回スキャンを行って、拡散反射光に応じた画像情報と、正反射光に応じた画像情報とをそれぞれ読取る。読取った正反射光に応じた画像情報から、光沢を有する領域を示すメタリック情報が生成され、このメタリック情報と、拡散反射光に応じた画像情報とに基づいて、金属光沢領域が再現される。
特開2006−261819号公報(第6−8頁,第3図)
特許文献1に開示の撮像装置では、金属光沢領域(以下「メタリック領域」ということがある)を含む読取対象物を読取るためには、2回スキャンを行う必要があり、読取りに長時間を要する。
また読取対象物に必ずしも「メタリック領域」が含まれているとは限らない。したがって、「メタリック領域」を含む読取対象物と、「メタリック領域」を含まない読取対象物とで、読取り回数を変更する必要があるので、たとえば「メタリック領域」が含まれる読取対象物を読取る場合には2回スキャンを行うように設定する画像モード等を設ける必要がある。
また特許文献1に開示の撮像装置では、被撮像物で反射された反射光のうち、撮像手段に導く光の種類を、回動リフレクタを用いて切り換えるので、切替えの前後で、撮像手段に導かれる光の光路がずれるおそれがある。光路がずれると、反射光が撮像手段に結像されず、画像情報を読取れなくなってしまうおそれがある。また反射光が撮像手段に結像されたとしても、回動リフレクタによる切替えの前後で、反射光の結像位置がずれて、正確な画像情報が読取れなくなってしまうおそれがある。
本発明の目的は、読取対象物の金属光沢領域の画像情報を正確に読取り可能な画像読取装置およびそれを備える画像形成装置を提供することである。
本発明は、読取対象物に光を照射する光照射手段と、
光照射手段から照射されて読取対象物で拡散反射された拡散反射光を受光し、受光した拡散反射光に基づいて、読取対象物を表す画像情報を生成する読取手段と、
光照射手段から照射されて読取対象物で正反射された正反射光を拡散反射させて、読取対象物に照射する拡散反射手段とを備えることを特徴とする画像読取装置である。
また本発明は、拡散反射手段は、入射する正反射光のうち、拡散反射させて読取対象物に照射する光の光量を調整可能に構成されることを特徴とする。
また本発明は、拡散反射手段は、
読取対象物で正反射された正反射光を透過させるとともに拡散する光拡散部と、
光拡散部を透過して入射する光を反射させる反射部と、
光拡散部と反射部との間に介在し、光拡散部を透過して反射部に入射する光の光量を調整する光量調整部とを含むことを特徴とする。
また本発明は、光量調整部は、
印加される電圧に応じて光の透過率が変化する透光部と、
透光部に電圧を印加する電極部とを含むことを特徴とする。
また本発明は、拡散反射手段は、読取対象物に照射する光の光量が互いに異なる複数の拡散反射部を有することを特徴とする。
また本発明は、前記本発明の画像読取装置と、
前記画像読取装置によって取得される画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、光照射手段によって読取対象物に光が照射され、この光照射手段から照射されて読取対象物で拡散反射された拡散反射光が、読取手段によって受光され、受光され拡散反射光に基づいて、読取対象物を表す画像情報が生成される。読取対象物で正反射された正反射光は、拡散反射手段によって拡散反射されて読取対象物に照射される。これによって、読取手段に受光される読取対象物からの拡散反射光に、読取対象物からの正反射光を含ませることができるので、読取対象物からの正反射光が含まれない場合に比べて、読取手段に受光される拡散反射光の光量を増加させることができる。したがって、金属光沢を有する金属光沢領域を含む読取対象物の場合、その読取対象物に対して、読取手段による受光および画像情報の生成の動作を複数回行なうことなく、金属光沢領域の画像情報を取得することが可能であるので、金属光沢領域の画像情報をより正確に、またより容易に取得することができる。
また本発明によれば、拡散反射手段によって、入射する正反射光のうち、拡散反射されて読取対象物に照射される光の光量が調整される。これによって、読取手段に受光される拡散反射光の光量を調整することができる。したがって、読取対象物が金属光沢領域を含む場合、読取手段で生成される金属光沢領域の画像情報における画像濃度の値を調整することができるので、金属光沢領域をより正確に再現可能な画像情報を取得することができる。
また本発明によれば、光拡散部と反射部と光量調整部とを含んで拡散反射手段が構成される。読取対象物で正反射された正反射光は、光拡散部を透過するとともに光拡散部によって拡散される。光拡散部を拡散されて透過した光は、光量調整部によって光量が調整されて反射部に入射し、反射部によって反射されて光量調整部を経て、光拡散部に再度入射し、光拡散部を透過するとともに拡散されて出射する。これによって、入射する正反射光のうち、拡散反射させて読取対象物に照射する光の光量を調整可能な拡散反射手段が実現される。
また本発明によれば、透光部と電極部とを含んで光量調整部が構成される。透光部は、電極部から印加される電圧に応じて光の透過率が変化するので、電極部から透光部に印加する電圧を調整することによって、透光部の光の透過率を調整して、光拡散部を透過して反射部に入射する光の光量を調整することができる。したがって、拡散反射手段に入射する正反射光のうち、拡散反射させて読取対象物に照射する光の光量を、光量調整部の透光部に印加する電圧によって調整することができる。これによって、読取対象物が金属光沢領域を含む場合、読取手段で生成される金属光沢領域の画像情報における画像濃度の値を細かく調整することができるので、金属光沢領域を一層正確に再現可能な画像情報を取得することができる。
また本発明によれば、拡散反射手段は、複数の拡散反射部を有する。これら複数の拡散反射部は、読取対象物に照射する光の光量が互いに異なるので、読取対象物からの正反射光が入射する拡散反射部を適宜に選択することによって、拡散反射手段で拡散反射されて読取対象物に照射される光の光量を調整することができる。これによって、読取手段に受光される拡散反射光の光量を調整することができる。したがって、読取対象物が金属光沢領域を含む場合、読取手段で生成される金属光沢領域の画像情報における画像濃度の値を調整することができるので、金属光沢領域をより正確に再現可能な画像情報を取得することができる。各拡散反射部は、入射する正反射光のうち、拡散反射させて読取対象物に照射する光の光量を調整可能に構成されてもよい。
また本発明によれば、本発明の画像読取装置によって読取対象物の画像情報が取得され、この取得された画像情報に基づいて、画像形成手段によって画像が形成される。本発明の画像読取装置は、前述のように読取対象物の金属光沢領域の画像情報を、読取手段による受光および画像情報の生成の動作を複数回行なうことなく取得することが可能である。したがって、本発明の画像読取装置を備えて画像形成装置を構成することによって、金属光沢領域を再現可能な画像形成装置を簡易な構成で実現することができる。
図1は本発明の第1の実施形態である画像読取装置10の一部を示す側面図であり、図2は画像読取装置10を示す概略構成図である。本実施の形態の原稿読取装置10は、読取対象物たとえば原稿、具体的には反射原稿を読取るために用いられる。
画像読取装置10は、スキャナ装置、より詳細にはフラットベッドスキャナ装置であり、原稿台11と、自動原稿送り装置(Automatic Document Feeder;略称ADF)12と、画像入力手段である画像入力装置13と、後述する画像処理装置14とを備える。本実施形態では、画像入力装置13は、光源20を含む照明系25と、第1〜第3ミラー21,23,24および光学レンズ18を含む結像系26と、光電変換素子19を含む撮像系27とを備えるスキャナの機構部であり、画像入力装置13から入力される入力画像データに処理を施す画像処理装置14とは区別される。
図2の紙面に向かって、原稿台11の上面には、原稿台11に対して開閉可能な状態で支持され、原稿台11の上面に対して所定の位置関係をもって自動原稿送り装置12が装着されている。自動原稿送り装置12は、まず、読取対象物である原稿15の原稿面15aが原稿台11の所定位置において画像入力装置13に対向するよう原稿15を搬送し、1枚の原稿15についての画像情報の読取りが終了した後に、この原稿15を排出し、次の原稿15についての搬送動作を実行する。
画像入力装置13は、自動原稿送り装置12によって原稿台11上に搬送されてきた原稿15、または使用者(以下「ユーザ」ということがある)が原稿台11に載置した原稿15の画像情報を読取るために、図2の紙面に向かって原稿台11の下方に配置される。画像入力装置13は、原稿台11の下面に沿って平行に往復移動する2つの原稿走査体16,17と、光学レンズ18と、光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ19とを有する。
2つの原稿走査体16,17は、第1の走査ユニット16と第2の走査ユニット17とから構成される。第1の走査ユニット16は、図1に示すように、原稿15の厚み方向一方側の表面である原稿面15aに光を照射して、原稿面15aを露光する光源である露光ランプ20と、原稿15で拡散反射された拡散反射光33で構成される反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラー21と、原稿15で正反射された正反射光32を拡散反射させて、原稿15に照射する拡散反射手段である拡散反射部材22とを含む。露光ランプ20は、光照射手段に相当する。第1の走査ユニット16は、原稿台11の下面に対して、一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動する。第1の走査ユニット16は、図2に示すCCDラインセンサ19の画素の配列方向である主走査方向Xに直交する副走査方向Yに往復移動する。
読取対象物である原稿15に入射した入射光31は、読取面である原稿15の原稿面15aを反射面として反射する。このとき、反射の法則に従えば、反射角θ2の大きさは、入射角θ1の大きさと等しくなる。反射面15aを光の波長と同程度のオーダーで捉えたとき、反射面15aは必ずしも平滑ではなく、多少の凹凸を有していることが多い。反射面15aに凹凸がある場合、入射光31は、反射面15aの凹凸に応じて、さまざまな角度に反射する。つまり反射面15aに凹凸がある場合、入射光31は、入射角θ1と等しい大きさの反射角θ2で反射するだけではなく、あらゆる角度に反射する。
ここでは、反射面15aを巨視的に捉えたときに、反射面15aから入射角θ1とほぼ同じ角度で反射する反射のことを「正反射」といい、このときの反射光32のことを「正反射光」という。また正反射以外の反射、すなわち入射光31の入射角θ1によらず、反射面15aからあらゆる角度に反射する反射のことを「拡散反射」といい、このときの反射光33のことを「拡散反射光」という。
拡散反射部材22は、原稿15、より詳細には原稿15の金属光沢領域によって正反射(以下「鏡面反射」ということがある)された正反射光成分(以下「鏡面反射光成分」ということがある)の光路中に配置される。換言すると、拡散反射部材22は、原稿15で正反射される正反射光(以下「鏡面反射光」ということがある)32が入射可能に設けられる。拡散反射部材22は、正反射光32を拡散反射させて、原稿15に戻す、すなわち原稿15に照射する。
「金属光沢領域」とは、読取対象物の読取面である原稿15の原稿面15aのうち、入射光のほとんどが正反射光として反射し、光輝感を有する領域のことをいう。金属光沢領域は、たとえば金属塗装が施された領域、または金属粉などによって金色または銀色といった金属色に着色された塗料で印刷された領域であり、金属のような光沢を有する。読取対象物が金属で形成される金属部分を含む場合、金属部分の表面全体が金属光沢領域となる。
拡散反射部材22は、本実施形態では板状、より詳細には長方形板状であり、その長手方向が主走査方向Xに平行に配置される。拡散反射部材22は、たとえば硫酸バリウムをコーティングした白板によって実現される。拡散反射部材22は、これに限定されず、入射する光を拡散反射することのできるものであればよく、たとえば四フッ化エチレン樹脂(略称PTFE)の粉末を押し固めてベーキングしたものであってもよい。
拡散反射部材22は、原稿15で正反射された正反射光32が入射する表面(以下、拡散反射部材の厚み方向両側の表面のうち、正反射光が入射する側の表面を「入射面」という)22aに対して、正反射光32が垂直に入射するように配置される。正反射光32が拡散反射部材22の入射面22aと成す角度βは、約90°、例えば90±5°に設定される。前記角度βは、金属光沢領域が正しく再現されるように、すなわち金属光沢領域の光量が低下して黒っぽくならないように設定すれば良い。
図2に戻って、第2の走査ユニット17は、第1の走査ユニット16の第1ミラー21によって偏向された原稿15からの拡散反射光33で構成される反射光像をさらに所定の方向に向かって順に偏向する第2および第3ミラー23,24を含む。第2の走査ユニット17は、第1の走査ユニット16と一定の速度関係を保って、原稿台11の下面に対して平行に副走査方向Yに往復移動する。
光学レンズ18は、第2の走査ユニット17の第3ミラー24によって偏向された原稿15からの反射光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ19の所定位置に結像させる。
CCDラインセンサ19は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力する。本実施形態においてCCDラインセンサ19は、白黒画像またはカラー画像を読取り、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。このCCDラインセンサ19によって電気信号に変換された原稿の画像情報は、さらに画像処理装置14に転送されて所定の画像データ処理が施される。第1〜第3ミラー21,23,24、光学レンズ18およびCCDラインセンサ19は、読取手段として機能する。
図3は、第1の実施形態の画像読取装置10の機能的構成を示すブロック図である。画像読取装置10は、前述の画像入力装置13と、画像処理装置14と、操作パネル40とを備える。本実施形態では、画像入力装置13は、白黒画像またはカラー画像の画像データを入力するカラー画像入力装置であり、画像処理装置14は、カラー画像入力装置13から入力される白黒画像またはカラー画像の画像データを処理するカラー画像処理装置である。
カラー画像入力装置13は、前述の図1,2に示すようにCCDラインセンサ19を備えたスキャナの機構部であり、原稿15からの反射光像を、R(赤)、G(緑)、B(青)の各アナログ信号としてCCDラインセンサ19にて読取って、画像処理装置14に入力する。以下、R成分のアナログ信号、G成分のアナログ信号およびB成分のアナログ信号を総称してRGBのアナログ信号と記載する場合がある。
画像処理装置14は、A/D(アナログ/デジタル)変換部41と、シェーディング補正部42とを含んで構成される。画像処理装置14には、カラー画像入力装置13が接続され、カラー画像入力装置13にて読み取られたアナログ信号が入力される。カラー画像入力装置13にて読み取られたアナログ信号は、画像処理装置14内を、A/D変換部41、シェーディング補正部42の順で送られる。
A/D変換部41は、カラー画像入力装置13から与えられるRGBのアナログ信号を、R、G、Bの各デジタル信号にそれぞれ変換し、シェーディング補正部42に与える。以下、R成分のデジタル信号、G成分のデジタル信号およびB成分のデジタル信号を総称してRGBのデジタル信号と記載する場合がある。
シェーディング補正部42は、A/D変換部41から送られてきたデジタルのRGB信号に対して、カラー画像入力装置13の照明系25、結像系26および撮像系27で生じる各種の歪みを取り除くシェーディング補正処理を施す。またシェーディング補正部42は、シェーディング補正処理によって各種の歪みが取除かれたRGBのデジタル信号のカラーバランスを整える。またシェーディング補正部42は、RGBの反射率信号を濃度信号に変換する。A/D変換部41から与えられるRGBのデジタル信号は、読取対象物である原稿15からの反射光の反射率を表す反射率信号である。したがってシェーディング補正部42は、RGBの反射率信号を、画像処理装置14または画像処理装置14から画像データが入力される装置において扱い易い信号、ここでは濃度を表す濃度信号に変換する。シェーディング補正部42は、濃度信号に変換されたRGBのデジタル信号を画像データとして出力する。
画像読取装置10から出力された画像データは、ネットワークを介して、プリンタもしくは複合機などの画像出力装置、またはコンピュータに送信される。出力されたRGB信号は、これらのプリンタや複合機、あるいは、コンピュータを介してプリンタで出力する際は、プリンタドライバに備えられる色補正テーブルにて、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)などの既存の色剤を用いて金属光沢に近い色を表現できるように色補正処理がなされる。
色補正処理は、たとえば以下のようにして行われる。本実施形態では、色補正処理において、画像読取装置10で読取られた画像データ中の金属光沢領域を特定する必要はない。金属光沢領域の金属光沢を示す色(以下「金属色」ということがある)が読取られる場合、金属色以外の色が読取られる場合と同様に、画像読取装置10から出力されるRGB信号の値が特定の値になるので、RGB信号の値によって、その金属色を特定することができる。たとえばRGB信号が(R,G,B)=(95〜105,95〜105,55〜65)の場合、金色系特定色であると判断される。このRGB信号の値の変動幅は一例であり、種々の画像サンプルを用いて、どの範囲のものまでを金色系特定色として判断するかを決めて、RGB信号の値の変動幅を設定すればよい。銀色系特定色の場合も同様に設定することができ、たとえば画像サンプルを用いた実験から、銀色のRGB信号の値として(R,G,B)=(100,90,90)が求められた場合、この値を基準として、どの範囲までを銀色系特定色として判断するかを決めて、設定すればよい。
色補正処理では、例えば、前述の金色系特定色を表す(R,G,B)=(95〜105,95〜105,55〜65)の範囲の画像データを、CMYKを用いて金色に近い色で出力できるように色補正テーブルを構成しておく。他の金属光沢を示す色についても同様に、その色に近い色で出力できるように色補正テーブルを構成しておく。
色補正テーブルは、たとえば以下の(i)〜(iii)の手順に従った方法を用いて作成することができる。
(i)カラー画像形成装置のカラー画像出力装置によって、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各パッチを出力する。
(ii)出力された各色パッチをカラー画像入力装置によって読み取り、RGBデータを得る。
(iii)出力したCMY値と、読み取ったRGB値とを対応付け、ニューラルネットワークやマスキング演算係数決定法により、画像形成装置の入出力特性、すなわちCMY値とRGB値との関係を規定し、この関係を表す色補正テーブルを作成する。
上記方法で求められた関係を用いて、具体的には色補正テーブルを用いて、色補正処理を行う。この色補正処理は、たとえば後述する図4に示す画像形成装置100では、色補正部46によって実行される。
操作パネル40は、たとえば液晶ディスプレイによって実現される表示部と、設定ボタンなどによって実現される操作部とを含んで構成される。操作パネル40から入力された入力情報に基づいて、図示しない制御部が、カラー画像入力装置13および画像処理装置14の動作を制御する。
本実施形態の画像読取装置10によれば、カラー画像入力装置13の光源20によって原稿15に光を照射し、光源20から照射されて原稿15で拡散反射された拡散反射光33を、第1〜第3ミラー21,23,24および光学レンズ18によってCCDラインセンサ19に結像させて受光させる。CCDラインセンサ19によって、受光した拡散反射光33に基づいて、原稿15の画像情報を生成し、画像処理装置14に出力する。
本実施形態の画像読取装置10は、拡散反射部材22を備えるので、拡散反射部材22によって、原稿15で正反射された正反射光32を拡散反射させて原稿15の原稿面15aに戻し、原稿15に照射する。これによってCCDラインセンサ19に受光される原稿15からの拡散反射光33に、原稿15からの正反射光32を含ませることができるので、原稿15からの正反射光32が含まれない場合に比べて、CCDラインセンサ19に受光される拡散反射光33の光量を増加させることができる。したがって、金属光沢領域を含む原稿15の場合、その原稿15に対して、カラー画像入力装置13による読取動作、具体的には光学系25、結像系26および撮像系27による受光および画像情報の生成の動作を複数回行なうことなく、金属光沢領域の画像情報を取得することが可能であるので、金属光沢領域の画像情報をより正確に、また、より容易に取得することができる。このような画像情報に基づいて画像を形成することによって、金属光沢領域をより正確に再現することができる。
図4は、第1の実施形態の画像読取装置10を備える画像形成装置100の機能的構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、デジタル複写機、より詳細にはデジタルカラー複写機である。画像形成装置100は、カラー画像形成装置であり、カラー画像入力装置13と、カラー画像処理装置52と、カラー画像出力装置53とを備える。カラー画像入力装置13と、カラー画像処理装置52の一部とを含んで、前述の図1〜図3に示す第1の実施形態の画像読取装置10が構成される。操作パネル40Aから入力された入力情報に基づいて、図示しない制御部が、カラー画像入力装置13、カラー画像処理装置52およびカラー画像出力装置53の動作を制御する。
カラー画像処理装置52は、A/D(アナログ/デジタル)変換部41、シェーディング補正部42、入力階調補正部44、領域分離処理部45、色補正部46、黒生成下色除去部47、空間フィルタ処理部48、出力階調補正部49および階調再現処理部50を含んで構成される。A/D変換部41およびシェーディング補正部42は、カラー画像入力装置13とともに、前述の図1〜図3に示す第1の実施形態の画像読取装置10を構成し、具体的には、第1の実施形態の画像読取装置10における画像処理装置14を構成する。カラー画像処理装置52には、カラー画像入力装置13とカラー画像出力装置53とが接続され、全体としてデジタルカラー複写機である画像形成装置100を構成する。
カラー画像入力装置13は、前述のようにして原稿からの反射光像をRGBのアナログ信号としてCCDラインセンサ19にて読取って、カラー画像処理装置52に入力する。
カラー画像入力装置13にて読取られたアナログ信号は、A/D変換部41、シェーディング補正部42、入力階調補正部44、領域分離処理部45、色補正部46、黒生成下色除去部47、空間フィルタ処理部48、出力階調補正部49、階調再現処理部50の順で送られ、CMYKのデジタルカラー信号として、カラー画像出力装置53へ出力される。
入力階調補正部44は、シェーディング補正部42から与えられるRGBのデジタル信号に対して、下地の濃度を除去する下地濃度除去処理、およびコントラストなどの画質を調整する画質調整処理を行い、領域分離処理部45に与える。
領域分離処理部45は、入力階調補正部44から与えられるRGBのデジタル信号に基づいて、入力画像中の各画素を、例えば、文字領域、網点領域および写真領域(以下「連続階調領域」ともいう)の何れかに分類して、入力画像を文字領域、網点領域および写真領域に分離する。領域分離処理部45は、分離結果に基づき、各画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を、色補正部46、黒生成下色除去部47、空間フィルタ処理部48および階調再現処理部50へと出力すると共に、入力階調補正部44から入力された入力信号をそのまま後段の色補正部46に出力する。
色補正部46は、領域分離処理部45から与えられるRGBのデジタル信号を、CMY(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー)のデジタル信号にそれぞれ変換して黒生成下色除去部47に与える。このとき、色補正部46は、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行う。
黒生成下色除去部47は、色補正部46から与えられる色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成処理と、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理とを含む黒生成下色除去処理を行う。これによって、色補正部46から与えられるCMYの3色信号が、CMYKの4色信号に変換される。変換されたCMYKの4色信号は、空間フィルタ処理部48に与えられる。
黒生成下色除去処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)とし、入力される画像データをC,M,Yとし、出力される画像データをC',M',Y',K'とし、UCR(
Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理後の画像データは、以下の式(1)で表わされる。
Figure 2009111916
空間フィルタ処理部48は、黒生成下色除去部47から入力されるCMYKのデジタル信号によって表わされる入力画像データに対して、出力画像データに基づいてカラー画像出力装置30で画像を出力したときに、出力された出力画像のぼやけ、および粒状性の劣化を防ぐように処理する。空間フィルタ処理部48は、より詳細には、黒生成下色除去部47から入力されるCMYKのデジタル信号によって表わされる入力画像データに対して、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正する。
たとえば、領域分離処理部45にて文字領域に分離された領域は、特に黒文字または色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部48における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きくされる。また領域分離処理部45にて網点領域に分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部48において、入力網点成分を除去するためのローパスフィルタ処理が施される。また領域分離処理部44において写真領域として分離された領域には、空間フィルタ処理部47において、何も処理を行わない、あるいは、弱い鮮鋭強調処理が施される。
出力階調補正部49は、濃度信号によって表されるCMYKのデジタル信号を、カラー画像出力装置53の特性値である網点面積率を表すデジタル信号に変換する出力階調補正処理を行なう。
階調再現処理部50は、出力階調補正部49から与えられるCMYKのデジタル信号に対して、最終的に画像データを画素に分離して、各画素の階調をそれぞれ再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)を施す。階調再現処理部50は、より詳細には、空間フィルタ処理部49と同様に、CMYKのデジタル信号によって表わされる画像データに対して、領域識別信号を基に所定の処理を施す。
たとえば領域分離処理部45において文字領域に分離された領域については、階調再現処理部50において、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。また領域分離処理部48にて網点領域に分離された領域および写真領域に分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。
カラー画像処理装置52のA/D変換部41、シェーディング補正部42、入力階調補正部44、領域分離処理部45、色補正部46、黒生成下色除去部47、空間フィルタ処理部48、出力階調補正部49および階調再現処理部50の各処理部は、前述の図示しない制御部によって制御される。各処理部によって所定の処理が施された出力画像データは、図示しない記憶部に一旦記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置53に入力される。前記制御部は、たとえばマイクロコンピュータによって実現され、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)を含んで構成される。
カラー画像出力装置53は、画像形成手段であり、出力画像データを、たとえば紙などによって実現される記録媒体に画像として出力する。カラー画像出力装置53は、たとえば電子写真方式、インクジェット方式または熱転写方式のプリンタ装置によって実現される。たとえば電子写真方式およびインクジェット方式のプリンタ装置では、金色および銀色などの金属光沢領域は、C,M,Y,Kのトナーまたはインクを用いることによって、金属色に近い色を再現する。また熱転写方式のプリンタ装置では、電子写真方式およびインクジェット方式のプリンタ装置と同様にC,M,Y,Kのサーマルリボンを用いて金属光沢領域を表しても良く、あるいは、金色および銀色などの金属色のサーマルリボンを備えておき、サーマルリボンを交換して使用することによって、金属光沢領域を再現するようにしても良い。
本実施形態の画像形成装置100によれば、前述の画像読取装置10によって原稿15の画像情報が取得され、この取得された画像情報に基づいて、カラー画像出力装置53によって画像が形成される。本実施形態の画像読取装置10は、前述のように原稿15の金属光沢領域の画像情報を、カラー画像入力装置13による読取動作を複数回行なうことなく取得することが可能である。このような画像読取装置10を備えて画像形成装置100を構成することによって、金属光沢領域を再現可能な画像形成装置100を簡易な構成で実現することができる。
以上に述べた本実施形態では、画像読取装置10として、自動原稿送り装置12を備える形態を示したが、これに限定されるものではなく、両面自動原稿送り装置(RADF: Reversing Automatic Document Feeder)を備える形態、これらの何れも備えず原稿台カバーのみが装着された形態、または2つの原稿読取系たとえば上記2つの原稿走査体16,17と光学レンズ18とCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ18とを含む縮小読取系と密着イメージセンサによって読取る等倍読取系とを備えた両面原稿同時読取り装置の形態であっても構わない。
また本実施形態の画像形成装置100は、デジタル複写機であるが、画像形成装置は複写機に限定されるものではなく、たとえば複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ送信機能および、原稿から読取った画像を電子メールで送信する、いわゆるscan to e-mail機能などから選ばれる複数の機能を備えるデジタルカラー複合機であってもよい。このようなデジタルカラー複合機は、さらに、たとえばモデムおよびネットワークカードなどの通信装置を備える。
デジタルカラー複合機では、画像読取装置10で読取られた画像データは、たとえば所定の形式で圧縮されてメモリに記憶される。ファクシミリの送信を行うときは、モデムにて、相手先との送信手続きを行い、送信可能な状態が確保されると、前述の所定の形式で圧縮された画像データをメモリから読み出し、圧縮形式の変更などの必要な処理を施して、相手先に通信回線を介して順次送信する。
ファクシミリを受信する場合、前述のCPUなどを含んで構成される制御部は、通信手続きを行い、相手先から送信されてくる画像データを受信してカラー画像処理装置52に入力させる。カラー画像処理装置52は、受信した画像データに対して、不図示の圧縮/伸張処理部にて伸張処理を施す。伸張された画像データは、必要に応じて、回転処理または解像度変換処理が行なわれ、出力階調補正および階調再現処理が施され、カラー画像出力装置53から画像として出力される。
またデジタルカラー複合機は、ネットワークカードまたはLANケーブルを介して、ネットワークに接続されたコンピュータまたは他のデジタル複合機とデータ通信を行なう。
また本実施形態の画像形成装置100は、カラー複写機であるが、これに限定されず、モノクロの画像形成装置たとえばモノクロの複合機であっても構わない。
図5は、本発明の第2の実施形態の画像読取装置に備わる拡散反射手段60を示す断面図である。本実施形態の画像読取装置は、実施の第1形態の画像読取装置10における拡散反射手段である拡散反射部材22を除くその他の構成は、実施の第1形態の画像読取装置10と同様であるので、同様の構成には同一の参照符号を付し、説明は省略する。
本実施形態において拡散反射手段60は、光拡散部61と光量調整部62と反射部63とを含む。拡散反射手段60は、長方形板状に形成され、その長手方向が主走査方向Xに平行に配置される。図5は、拡散反射手段60の長手方向に垂直な仮想平面における断面構成を示す。拡散反射手段60は、光拡散部61、光量調整部62および反射部63の順に、図1に示す原稿台11から離隔するように設けられる。光拡散部61、光量調整部62および反射部63は、層状に形成され、厚み方向に積層される。拡散反射手段60は、光拡散部61の入射面61aに対して、原稿15で正反射された正反射光32が垂直に入射するように配置される。
光拡散部61は、たとえば、ノングレア処理すなわち反射防止処理されたガラス、具体的には、表面が粗面化処理されたガラスによって実現される。
光量調整部62は、たとえば、ND(Neutral Density)フィルタ(以下「減光フィルタ」ということがある)によって実現される。NDフィルタは、光の透過率の波長依存性が小さく、光量のみを調整することができる。本実施形態では、NDフィルタとして、反射型NDフィルタを用いるが、吸収型NDフィルタを用いてもよい。本実施形態では、NDフィルタ62の光透過率は固定されている。NDフィルタ62の光透過率は、種々の金属光沢を有する画像サンプルを用いて、適切な画像が得られるように事前に設定される。
光拡散部61において、理想的に拡散反射されれば、問題ない、すなわち光量を調整する必要はないが、光拡散部61にラフに表面処理されたガラス、すなわち粗く表面処理されたガラスを用いた場合、いくらか鏡面反射光成分が生じることもあり得る。このような場合、原稿15に反射される鏡面反射光32の光量を少なくしないと、金属光沢領域が黒っぽくなるので、金属光沢領域が正しく再現できるように、前述のようにしてNDフィルタ62の光透過率を調整する。
反射部63は、反射部材によって実現される。反射部である反射部材63は、たとえば、透光性を有する基板64のNDフィルタ62と対向する面に反射膜65を形成した反射部材によって実現される。反射部材63は、反射膜65がNDフィルタ62に接するように配置される。基板64は、たとえばガラス基板によって実現される。反射膜65は、たとえば基板64の表面にアルミニウムを蒸着してなるアルミニウム蒸着膜によって実現される。
本実施形態の拡散反射手段60によれば、読取対象物である原稿15で正反射された正反射光32は、光拡散部61を透過するとともに光拡散部61によって拡散される。光拡散部61を拡散されて透過した光は、光量調整部62によって光量が調整されて反射部63に入射し、反射部63によって反射されて光量調整部62を経て、光拡散部61に再度入射し、光拡散部61を透過するとともに拡散されて出射する。したがって、本実施形態の拡散反射手段60では、入射する正反射光32のうち、拡散反射させて原稿15を照射する光の光量を調整することができる。
原稿15で正反射された正反射光成分である鏡面反射光成分は、原稿15で拡散反射された拡散反射光33に比べて、光の強度が高いので、本実施形態のように拡散反射手段60によって、拡散反射させて原稿15に戻す光の光量を調整できるようにしておいてもよい。つまり正反射光32は、光の強度が高いので、原稿15に戻る正反射光32の光量が多くなると、金属光沢領域における画像濃度を読取ることが困難になる。したがって本実施形態のように原稿15で反射された正反射光32の光量を調整して拡散反射させることが好ましい。
拡散反射手段60によって、入射する正反射光32のうち、拡散反射させて原稿15に照射する光の光量を調整することによって、前述の図2に示すCCDラインセンサ19に受光される拡散反射光33の光量を調整することができる。したがって、読取対象物が金属光沢領域を含む場合、読取手段を構成するCCDラインセンサ19で生成される金属光沢領域の画像情報における画像濃度の値を調整することができるので、金属光沢領域に対して、再現可能な画像情報を取得することができる。
図6は、本発明の第3の実施形態の画像読取装置に備わる拡散反射手段70を示す断面図である。本実施形態の画像読取装置は、実施の第1形態の画像読取装置10における拡散反射手段である拡散反射部材22を除くその他の構成は、実施の第1形態の画像読取装置10と同様であるので、同様の構成には同一の参照符号を付し、説明は省略する。
本実施形態において拡散反射手段70は、複数、本実施形態では4つの拡散反射部、すなわち第1〜第4拡散反射部71〜74を有する。拡散反射手段70は、角筒状、本実施形態では四角筒状、より詳細には正四角筒状に形成され、その軸線方向が主走査方向Xに平行に配置される。拡散反射手段70の4つの側面部が、それぞれ第1〜第4拡散反射部71〜74を構成する。図6は、拡散反射手段70の軸線に垂直な仮想平面における断面構成を示す。
各拡散反射部71〜74は、前述の第2実施形態における拡散反射手段60と同様に構成され、光拡散部81、光量調整部82および反射部83を含む。光量調整部82は、基体75と光透過性膜76とを含む。第1〜第4拡散反射部71〜74の光拡散部81、光量調整部82および反射部83は、アルファベットA〜Dを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
光拡散部81は、たとえば、ノングレア処理すなわち反射防止処理されたガラス、具体的には、表面が粗面化処理されたガラスによって実現される。
光量調整部82は、たとえば反射型NDフィルタによって実現される。反射型NDフィルタ82は、たとえば、透光性を有する基板75と、基板75が光拡散部81と対向する面に形成される光透過性膜76とを含んで構成される。基板75は、たとえばガラス基板によって実現される。光透過性膜76は、たとえば基板75にクロムを蒸着してなるクロム蒸着膜によって実現される。
光量調整部82の光透過率は、光透過性膜76の膜厚によって調整することができる。光透過性膜76の膜厚が薄いほど、光量調整部82の光透過率が大きくなるので、反射部83に入射する光の光量が多くなる。したがって反射部83で反射される光の光量が多くなるので、光量調整部82を経て光拡散部81から出射する光の光量が多くなる。つまり、光透過性膜76の膜厚を薄くするほど、拡散反射部71〜74により反射される反射光の反射率(以下、「拡散反射部の光反射率」という)が高くなり、拡散反射部71〜74で拡散反射されて原稿に照射される光の光量が多くなる。
反射部83は、たとえば、光量調整部である反射型NDフィルタ82を構成する基板75において、光透過性膜76が形成されている面の裏面に形成される反射膜83によって実現される。反射膜83は、たとえば基板75にアルミニウムを蒸着してなるアルミニウム蒸着膜によって実現される。
本実施形態では、第1〜第4拡散反射部71〜74の光量調整部82A〜82Dは、光透過率が互いに異なるように形成される。このように光量調整部82A〜82Dを光透過率が互いに異なるように形成することによって、原稿15で正反射されて第1〜第4拡散反射部71〜74に入射する正反射光32に対する第1〜第4拡散反射部71〜74の光反射率を互いに異ならせ、第1〜第4拡散反射部71〜74を、原稿に照射する光の光量が互いに異なるように形成することができる。
図7は、第1〜第4拡散反射部71〜74の光反射率を模式的に示す図である。図7は、第1〜第4拡散反射部71〜74を光が入射する側(以下「光入射側」ということがある)から見た図である。図7では、光拡散部81は記載を省略し、光透過性膜76を光入射側の部材として示す。また図7では、理解を容易にするために、ハッチングの間隔によって光反射率の違いを示す。具体的には、光反射率が低い拡散反射部71〜74ほど、ハッチングの間隔を狭くして示している。
本実施形態では、第1拡散反射部71の光透過性膜76A、第2拡散反射部72の光透過性膜76B、第3拡散反射部73の光透過性膜76C、第4拡散反射部74の光透過性膜76Dの順に膜厚が厚く形成される。したがって光量調整部82A〜82Dの光透過率は、第1拡散反射部71、第2拡散反射部72、第3拡散反射部73、第4拡散反射部74の順に小さくなるので、拡散反射部71〜74の光反射率は、第1拡散反射部71、第2拡散反射部72、第3拡散反射部73、第4拡散反射部74の順に低くなる。
このように本実施形態の拡散反射手段70は、原稿に照射する光の光量が互いに異なる4つの拡散反射部71〜74を有するので、これらの4つの拡散反射部71〜74の中から、原稿15からの正反射光32が入射する拡散反射部を適宜に選択することによって、拡散反射手段70で拡散反射されて原稿に照射される光の光量を調整することができる。これによって、前述の図2に示すCCDラインセンサ19に受光される拡散反射光33の光量を調整することができる。したがって、原稿15が金属光沢領域を含む場合、CCDラインセンサ19で生成される金属光沢領域の画像情報における画像濃度の値を調整することができるので、金属光沢領域をより正確に再現可能な画像情報を取得することができる。
本実施形態では、拡散反射手段70は、四角筒状に形成され、その4つの側面部が、それぞれ第1〜第4拡散反射部71〜74を構成するので、たとえば拡散反射手段70を主走査方向Xに平行な軸線まわりに角変位させて、いずれかの拡散反射部71〜74を原稿15からの正反射光32が入射可能な位置に配置することによって、拡散反射手段70で拡散反射されて原稿15に照射される光の光量を調整することができる。この場合、画像読取装置は、拡散反射手段70を主走査方向Xに平行な軸線まわりに角変位させる角変位手段を備える。
本実施形態のように拡散反射手段70が、拡散反射させて原稿15に照射する光の光量を調整可能に構成される場合、画像読取装置に、たとえば金属光沢領域の画像濃度を調整する濃度調整モードを設けて濃度調整を行う。操作者は、操作パネル40のボタンを押下する、またはスライドバーで指示するなどの方法によって濃度を調整することが可能である。濃度調整モードでは、操作パネル40から入力された入力情報に基づいて、制御部が拡散反射手段70を角変位させるように角変位手段を制御する。これによって拡散反射手段70で拡散反射されて原稿に照射される光の光量を調整し、金属光沢領域の画像濃度を調整することができる。
以上の本実施形態では、拡散反射手段70は、角筒状に形成されるが、これに限定されず、たとえば円筒状に形成されてもよい。この場合、拡散反射手段は、たとえば光量調整部として、反射型可変式NDフィルタを備える。具体的には、透光性を有する円筒状基体の外周面部に周方向に沿って膜厚が変化する光透過性膜を形成し、その光透過性膜の外周面部に光拡散部を形成し、円筒状基体の内周面部に反射部を形成することによって、拡散反射手段が構成される。このような拡散反射手段を備える場合、拡散反射手段を軸線が主走査方向Xに平行になるように設け、軸線まわりに回転させることによって、正反射光に対する光反射率を変化させることができる。この場合、画像読取装置は、拡散反射手段70を主走査方向Xに平行な軸線まわりに回転させる回転手段を備える。
図8は、本発明の第4の実施形態の画像読取装置に備わる拡散反射手段80を示す断面図である。本実施形態の画像読取装置は、実施の第1形態の画像読取装置10における拡散反射手段である拡散反射部材22を除くその他の構成は、実施の第1形態の画像読取装置10と同様であるので、同様の構成には同一の参照符号を付し、説明は省略する。
本実施形態において拡散反射手段80は、前述の図5に示す第2の実施形態における拡散反射手段60の光量調整部62を除くその他の構成は、第2の実施形態における拡散反射手段60と同様であるので、同様の構成には同一の参照符号を付し、説明は省略する。本実施形態において光量調整部81は、液晶シャッタによって実現される。
図9は、液晶シャッタ81を示す断面図である。液晶シャッタ81は、透光性を有する一対の基板82,83と、一対の基板82,83に挟持される液晶層84とを含んで構成される。各基板82,83の液晶層84を臨む表面部には、透光性を有する透明電極85,86が形成される。この2つの透明電極85,86は、電極部に相当する。各基板82,83の透明電極85,86が形成される表面部とは反対側の表面部には、偏光子87,88が形成される。2つの透明電極85,86間には、電源部89によって電圧が印加され、これによって液晶層84に電圧が印加される。液晶層84は、透光部に相当し、印加される電圧に応じて光の透過率(以下「光透過率」という)が変化する。液晶層84を構成する液晶としては、ネマティック液晶、強誘電性液晶などを用いることができる。また高分子分散型液晶を用いてもよい。
2つの透明電極85,85で液晶層84に印加する電圧を変えることによって、液晶層84の光透過率を調整することができる。これによって、光拡散部81を透過して反射部63に入射する光の光量を調整することができる。つまり、本実施形態では、拡散反射手段80に入射する正反射光32のうち、拡散反射させて原稿15に照射する光の光量を、液晶シャッタ81の液晶層84に印加する電圧によって調整することができる。これによって、原稿15が金属光沢領域を含む場合、前述の図2に示すCCDラインセンサ19で生成される金属光沢領域の画像情報における画像濃度の値を細かく調整することができるので、金属光沢領域を一層正確に再現可能な画像情報を取得することができる。
以上の本実施形態では、光量調整部81は液晶シャッタによって実現されるが、これに限定されず、電圧などを印加して透過率を制御できる材料であれば他のものを用いてもよく、たとえばチタン酸ジルコン酸鉛にLa23を添加したPLZTなどの電気光電セラミックスを用いてもよい。
本発明の第1の実施形態である画像読取装置10の一部を示す側面図である。 画像読取装置10を示す概略構成図である。 第1の実施形態の画像読取装置10の機能的構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の画像読取装置10を備える画像形成装置100の機能的構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態の画像読取装置に備わる拡散反射手段60を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の画像読取装置に備わる拡散反射手段70を示す断面図である。 第1〜第4拡散反射部71〜74の光反射率を模式的に示す図である。 本発明の第4の実施形態の画像読取装置に備わる拡散反射手段80を示す断面図である。 液晶シャッタ81を示す断面図である。 従来技術の画像読取装置1の構成を簡略化して示す側面図である。
符号の説明
10 画像読取装置
11 原稿台
12 自動原稿送り装置
13 画像入力装置
14 画像処理装置
20 光源
21 第1ミラー
22 拡散反射部材
31 入射光
32 正反射光
33 拡散反射光

Claims (6)

  1. 読取対象物に光を照射する光照射手段と、
    光照射手段から照射されて読取対象物で拡散反射された拡散反射光を受光し、受光した拡散反射光に基づいて、読取対象物を表す画像情報を生成する読取手段と、
    光照射手段から照射されて読取対象物で正反射された正反射光を拡散反射させて、読取対象物に照射する拡散反射手段とを備えることを特徴とする画像読取装置。
  2. 拡散反射手段は、入射する正反射光のうち、拡散反射させて読取対象物に照射する光の光量を調整可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 拡散反射手段は、
    読取対象物で正反射された正反射光を透過させるとともに拡散する光拡散部と、
    光拡散部を透過して入射する光を反射させる反射部と、
    光拡散部と反射部との間に介在し、光拡散部を透過して反射部に入射する光の光量を調整する光量調整部とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
  4. 光量調整部は、
    印加される電圧に応じて光の透過率が変化する透光部と、
    透光部に電圧を印加する電極部とを含むことを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
  5. 拡散反射手段は、読取対象物に照射する光の光量が互いに異なる複数の拡散反射部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像読取装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像読取装置と、
    前記画像読取装置によって取得される画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
JP2007284332A 2007-10-31 2007-10-31 画像読取装置およびそれを備える画像形成装置 Pending JP2009111916A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007284332A JP2009111916A (ja) 2007-10-31 2007-10-31 画像読取装置およびそれを備える画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007284332A JP2009111916A (ja) 2007-10-31 2007-10-31 画像読取装置およびそれを備える画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009111916A true JP2009111916A (ja) 2009-05-21

Family

ID=40779875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007284332A Pending JP2009111916A (ja) 2007-10-31 2007-10-31 画像読取装置およびそれを備える画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009111916A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112543258A (zh) * 2019-09-20 2021-03-23 富士施乐株式会社 图像处理装置、图像处理方法以及计算机可读介质

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112543258A (zh) * 2019-09-20 2021-03-23 富士施乐株式会社 图像处理装置、图像处理方法以及计算机可读介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7724402B2 (en) Image reader
US7626735B2 (en) Image reading apparatus for correcting images on both sides of a document sheet
JP4851580B2 (ja) 画像読取装置、及びそれを備えた画像データ出力処理装置、並びに画像読取方法
JP4810450B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
FR2626093A1 (fr) Appareil de formation d'images en couleurs et interface a utiliser dans cet appareil
JP2007060149A (ja) 画像処理装置およびその方法
US11611681B2 (en) Multi-mode scanning device
JP4197276B2 (ja) 画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、および画像処理方法
JP2019118031A (ja) 画像処理方法、画像処理装置および画像処理システム
US6650438B1 (en) Construction of a color transform to reduce effects of scanner metamerism
JP2003032504A (ja) 画像形成装置
JP2002247394A (ja) 色変換規則作成方法、色変換方法、カラー画像形成装置
JP2002185796A (ja) 画像読取処理システムおよび画像読取処理方法、並びに記録媒体
US7324243B2 (en) Fluorescent color scanning method for use in a scanner
JP2009111916A (ja) 画像読取装置およびそれを備える画像形成装置
EP0460187A1 (en) ASSOCIATED METHODS AND APPARATUSES FOR ESTABLISHING METRIC VALUES OF MULTIPLE MEDIA COMPATIBLE IMAGE DATA FOR FURTHER IMAGING APPLICATIONS.
JP4024737B2 (ja) 画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、画像処理方法、およびプログラム
JP2007127790A (ja) 画像形成装置
JP6551792B2 (ja) 画像読取装置、画像読取方法及び画像形成装置
JP7537136B2 (ja) 画像読取装置、画像処理装置および画像処理システム
JPH08279919A (ja) 画像処理装置およびその方法
JP6919460B2 (ja) 画像読取装置、画像形成装置および画像読取方法
JP2005027110A (ja) 画像処理装置及びそれを備えた画像読取装置、画像形成装置、並びに画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体
WO2023209471A1 (en) Image processing apparatus, reading device, image forming apparatus, image processing method, and recording medium
JP2004357010A (ja) 画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置、画像読取装置、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体