JP2009109690A - アップライト型ピアノ - Google Patents

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哲也 岡野
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Abstract

【課題】 アコースティック演奏時にソフトペダル効果が得られ、第2演奏モード時には、ソフトペダルの踏込みの影響を受けることなく、ハンマーの回動位置を適切に検出しながら、演奏を良好に行えるアップライト型ピアノを提供する。
【解決手段】 第2演奏モード時にハンマー4の回動位置を検出するセンサ7,8と、離鍵状態でハンマー4が当接するハンマーレール15と、ソフトペダル23の踏込みに伴って揺動するペダル天秤26と、ハンマーレール15に連結された突上げ棒29と、突上げ棒29を支持する突上げ棒ストッパ30と、ペダル天秤26に設けられ、突上げ部63が突上げ棒29に下方から対向する許容位置と、突上げ部63が突上げ棒29から外れた阻止位置とに移動可能なスライダ62と、スライダ62を、第1演奏モード時に許容位置に駆動し、第2演奏モード時に阻止位置に駆動するスライダ駆動機構24,65,68と、を備える。
【選択図】 図8

Description

本発明は、ハンマーによる打弦によってアコースティック演奏を行う第1演奏モードと、ハンマーの回動位置を検出しながら演奏を行う第2演奏モードに、演奏モードを切り替えて演奏されるアップライト型ピアノに関する。
従来のこの種のアップライト型ピアノとして、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。このアップライト型ピアノは、アコースティック音による通常演奏モードと、電子音による消音演奏モードに切り替えて演奏される消音ピアノである。この消音ピアノは、鍵と、鍵の押鍵に連動して回動するハンマーと、鍵に設けられた第1シャッタと、第1シャッタの下方に設けられた第1光センサと、ハンマーに設けられた第2シャッタと、第2シャッタの回動経路付近に設けられた第2および第3光センサなどで構成されている。第1〜第3光センサは、楽音発生装置に接続されている。
消音演奏モードでは、鍵の押鍵に連動してハンマーが回動するのに伴い、第1シャッタが第1光センサの光路を遮断し、第2シャッタが第2および第3光センサの光路を遮断することによって、それに応じた検出信号が第1〜第3光センサから楽音発生装置に出力される。楽音発生装置は、第2および第3光センサの検出信号に基づいて発音タイミングおよび音量を設定し、第1光センサの検出信号に基づいて止音タイミングを設定するとともに、設定したこれらの制御パラメータに基づいて楽音を生成する。
また、特許文献1には記載されていないが、アップライト型の消音ピアノには一般に、通常演奏モード時にソフトペダル効果を付与するためのソフトペダルが設けられている。このソフトペダルは、ペダル天秤や突上げ棒を介して、回動自在のハンマーレールに連結されており、鍵の離鍵状態では、このハンマーレールにハンマーが当接している。ソフトペダルが踏み込まれると、ハンマーレールが突上げ棒で突き上げられ、弦側に回動することによって、離鍵状態におけるハンマーの位置(以下「ハンマーの離鍵位置」という)が弦側に近づく。これにより、ハンマーの離鍵位置から弦までの距離(以下「ハンマーストローク」という)が短くなることによって、通常演奏モード時にソフトペダル効果が得られる。
以上のような構成の従来の消音ピアノでは、消音演奏モード時にソフトペダルが踏み込まれると、それに伴うハンマーレールの作動によって、ハンマーの離鍵位置、すなわち押鍵に伴って回動するハンマーの初期位置が弦側に近づくため、ハンマーに設けられた第2シャッタによる第2および第3光センサの光路の遮断タイミングが、ソフトペダルの非踏込み状態における本来の遮断タイミングに対してずれてしまう。その結果、検出された遮断タイミングに基づく発音タイミングや音量の設定を適切に行えず、消音演奏を適切に行えなくなるおそれがある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、アコースティック演奏を行う第1演奏モード時に、ソフトペダルの踏込みに伴うソフトペダル効果を得ることができるとともに、第2演奏モード時には、ソフトペダルが踏み込まれても、その影響を受けることなく、ハンマーの回動位置を適切に検出しながら、演奏を良好に行うことができるアップライト型ピアノを提供することを目的とする。
特開2007−79312号公報
この目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、鍵の押鍵に伴って回動するハンマーで弦を打弦することによってアコースティック演奏を行う第1演奏モードと、前記ハンマーの回動位置を検出しながら演奏を行う第2演奏モードに、演奏モードを切り替えて演奏されるアップライト型ピアノであって、ハンマーの回動経路に沿って配置され、第2演奏モード時に前記ハンマーの回動位置を検出するセンサと、鍵の離鍵状態においてハンマーが当接する回動自在のハンマーレールと、ソフトペダル効果を付与するために踏み込まれるソフトペダルと、左右方向に延び、ソフトペダルの踏込みに伴って揺動するペダル天秤と、上端部がハンマーレールに連結され、下方に延びる突上げ棒と、突上げ棒を下方への移動を阻止した状態で支持する突上げ棒ストッパと、突上げ部を有し、ペダル天秤にスライド自在に設けられ、突上げ部が突上げ棒に下方から対向し、突上げ部による突上げ棒の突上げを許容する許容位置と、突上げ部が突上げ棒から外れ、突上げ部による突上げ棒の突上げを阻止する阻止位置とに移動可能なスライダと、スライダを、第1演奏モード時に許容位置に駆動するとともに、第2演奏モード時に阻止位置に駆動するスライダ駆動機構と、を備えることを特徴とする。
このアップライト型ピアノによれば、ハンマーは、鍵の離鍵状態ではハンマーレールに当接しており、鍵が押鍵されると、それに伴って回動し、弦を打弦する。また、ソフトペダルの踏込みに伴って揺動するペダル天秤には、突上げ部を有するスライダが左右方向にスライド自在に設けられている。このスライダは、アコースティック演奏を行う第1演奏モードでは、スライダ駆動機構による駆動によって、許容位置に位置しており、突上げ部が突上げ棒に下方から対向している。このため、この状態からソフトペダルが踏み込まれると、それに伴ってペダル天秤およびこれと一体のスライダが揺動し、スライダの突上げ部で突き上げられることにより、突上げ棒が上方に移動し、ハンマーレールを突き上げる。これにより、ハンマーレールが弦側に回動し、それに伴ってハンマーの離鍵位置が弦に近づくことにより、ソフトペダル効果が得られる。
一方、第2演奏モードでは、ハンマーの回動経路に沿って配置されたセンサによってハンマーの回動位置を検出しながら、演奏が行われる。また、この第2演奏モードでは、スライダは、スライダ駆動機構による駆動によって、阻止位置に位置しており、突上げ部は突上げ棒から外れている。このため、この状態からソフトペダルが踏み込まれることで、ペダル天秤およびスライダが揺動しても、突上げ部による突上げ棒の突上げは行われず、ハンマーレールは回動しない。これにより、ハンマーの離鍵位置が、ソフトペダルの非踏込み時と同じ位置に保持される結果、ソフトペダルの踏込み時における鍵の押鍵ストロークとハンマーの回動位置との関係が、ソフトペダルの非踏込み時と変わらずに保持される。したがって、第2演奏モード時に、ソフトペダルが踏み込まれた場合でも、その影響を受けることなく、押鍵ストロークに応じたハンマーの回動位置をセンサで適切に検出しながら、演奏を良好に行うことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のアップライト型ピアノにおいて、スライダ駆動機構は、演奏モードを第1演奏モードと第2演奏モードの間で切り替えるために操作される切替えペダルと、切替えペダルの操作に連動して、スライダを許容位置と阻止位置に駆動する駆動部材と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、切替えペダルを操作することによって、演奏モードが第1演奏モードと第2演奏モードに切り替えられるとともに、この切替えペダルの操作に連動して駆動部材が作動し、スライダを許容位置と阻止位置に駆動する。このように、演奏モードを切り替えるための切替えペダルの操作に機械的に連動して、スライダを許容位置と阻止位置に駆動するので、演奏モードの切替えに伴うスライダの駆動を、センサなどを用いることなく、確実かつ容易に行うことができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のアップライト型ピアノにおいて、第2演奏モードは、センサで検出されたハンマーの回動位置に応じて生成された楽音信号に基づく電子音によって消音演奏を行う消音演奏モードであることを特徴とする。
この構成によれば、消音演奏モード時にソフトペダルが踏み込まれても、押鍵ストロークに応じたハンマーの回動位置をセンサで適切に検出できる。したがって、検出した回動位置に応じて、楽音の発音タイミングや止音タイミング、音量などを適切に設定しながら、消音演奏を良好に行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明を適用したアップライト型の消音ピアノ1を示している。なお、以下の説明では、消音ピアノ1を演奏者から見たときの手前側(図1の右側)を「前」、奥側(図1の左側)を「後」とし、さらに左側および右側をそれぞれ「左」および「右」として、説明を行うものとする。
図1に示すように、この消音ピアノ1は、棚板2に左右方向に並んだ状態で載置された複数(例えば88個)の鍵3(1つのみ図示)と、鍵3の後部上方に設けられたアクション40と、鍵3ごとに設けられた回動自在のハンマー4と、各ハンマー4の後方に張設された弦Sと、ペダル装置20(図2参照)などを備えている。この消音ピアノ1は、ハンマー4で弦Sを打弦することによって発生するアコースティック音によるアコースティック演奏(第1演奏モード)と、後述する楽音発生装置17で生成された楽音信号に基づく電子音による消音演奏(第2演奏モード)に、演奏モードを切り替えて演奏される。
鍵3は、その中央に形成されたバランスピン孔(図示せず)を介して、棚板2上のバランスレール2aに立設されたバランスピン5に、揺動自在に支持されている。
アクション40は、鍵3の押鍵に伴ってハンマー4を回動させるためのものであり、ウイッペン41、ジャック42およびバット43を鍵3ごとに有している。ウイッペン41およびバット43は、センターレール10に取り付けられたウイッペンフレンジ41aおよびバットフレンジ43aに、それぞれ回動自在に支持されている。ジャック42は、ウイッペン41に回動自在に取り付けられている。また、センターレール10の後端部には、ダンパー44が回動自在に取り付けられている。ダンパー44は、後述するラウドペダル25が操作されていない状態で、鍵3が押鍵後に離鍵されたときに、振動する弦Sに当接することによって止音動作を行う。
一方、ハンマー4は、バット43から上方に延びるハンマーシャンク4aと、ハンマーシャンク4aの上端部に取り付けられたハンマーヘッド4bなどで構成されている。図4に示すように、離鍵状態では、ハンマーシャンク4aは、ハンマーレール15の背面に斜めに当接しており、したがって、ハンマー4の離鍵位置は、ハンマーレール15の位置に応じて定められる。
ハンマーレール15は、例えばアルミニウム合金の押出し成形品で構成されており、棚板2の左右の端部に設けられたブラケット12(1つのみ図示)の間に、左右方向に延びるように設けられている(図2参照)。ハンマーレール15は、扇状の中空の断面を有し、その背面には、ハンマー4のハンマーシャンク4aが当接する、フェルトなどから成る緩衝材15aが貼り付けられている。
ハンマーレール15の左右の端部には、アーム16(1つのみ図示)の前端部がねじ止めされ、アーム16の後端部は、ブラケット12に形成された係合孔12cに係合している(図1参照)。これにより、ハンマーレール15は、アーム16を介して、ブラケット12に水平軸線回りに回動自在に支持されている。
また、ハンマーレール15の左端部には、突上げ棒29が連結されている。この突上げ棒29は、丸棒で構成され、上下方向に延びており、その上端部が、ハンマーレール15の底壁15bに形成された係合孔15cに係合している。また、突上げ棒29の上端部付近には、他の部分よりも径の大きな拡径部29aが設けられており、この拡径部29aはハンマーレール15の底壁15bに当接している。
以上の構成により、突上げ棒29が突き上げられていない状態では、ハンマーレール15は、停止位置(図4の実線位置)に位置し、ブラケット12のレール載置部12aに緩衝材12bを介して載置されている。また、離鍵状態では、ハンマー4のハンマーシャンク4aが、ハンマーレール15に緩衝材15aを介して斜めに当接している。
一方、突上げ棒29が突き上げられると、ハンマーレール15は、停止位置から後方に所定角度、回動することにより、作動位置(図4の2点鎖線位置)に移動し、それに伴い、ハンマー4の離鍵位置もまた、弦S側に移動する(同2点鎖線位置)。
また、突上げ棒29は、その下端部付近において、突上げ棒ストッパ30によって支持されている。図5に示すように、この突上げ棒ストッパ30は、ストッパ本体31およびガイド32で構成されている。ストッパ本体31は、中央に孔31aを有する円錐台形状のものであり、突上げ棒29の下端部に、孔31aを介して通され、ねじ31bで固定されている。また、ガイド32は、平面形状がT字状の金属製のものであり、2つの取付部32a,32aに通した前後2つのねじ32b,32bによって、親板(図示せず)に固定されている。また、ガイド32の中央から側方に突出するガイド支持部32cには、ガイド孔32dが形成されており、このガイド孔32dに突上げ棒29の下端部が通されるとともに、ストッパ本体31がガイド支持部32cに載置されている。
以上の構成により、突上げ棒29は、ストッパ本体31およびガイド支持部32cによって下方への移動を阻止された状態で、ガイド32に支持されている。また、突上げ棒29はガイド32の下方に突出しており、通常、その下端面に、後述する突上げ部63が、所定の若干の間隙をもって対向している(図6参照)。また、ストッパ本体31の取付高さを変更することによって、ガイド32からの突上げ棒29の突出長さ、すなわち突上げ部63との間隙の大きさを調整することが可能である。
図2に示すように、ペダル装置20は、左側から順に配置され、それぞれ前後方向に延びるソフトペダル23、消音ペダル24およびラウドペダル25(図3参照)と、左右方向に延びるソフトペダル23用のペダル天秤26およびラウドペダル25用のペダル天秤(図示せず)と、消音ペダルワイヤ27などを備えている。
上記の3つのペダル23〜25は、後端部において、底板9に取付金具9aを介して上下方向に回動自在に取り付けられており、消音ペダル24はさらに、左右方向にスライド自在に取り付けられている。図3に示すように、ペダル23〜25は、前土台13に形成されたペダル孔14を通って前方に突出している。また、ソフトペダル23およびラウドペダル25用のペダル孔14が矩形状であるのに対し、消音ペダル24用のペダル孔14は、下半部から左方に延びる係止部14aを有している。この構成により、消音ペダル24は、これを踏み込んだ後、左方にスライドさせ、係止部14aに係止させることによって、踏込み状態に保持される。
ソフトペダル23用のペダル天秤26は、その中央において、天秤台28に揺動自在に支持され、右端部はソフトペダル23に連結されている。したがって、ソフトペダル23が踏み込まれると、ペダル天秤26の天秤台28よりも右側の部分が押し下げられるとともに、左側の部分が上方に回動する。
また、図2、図6および図7に示すように、ペダル天秤26の天秤台28付近よりも左側の部分には、レール取付板60が載置され、一体に設けられている。このレール取付板60の上面には、これに沿ってレール61およびスライダ62が設けられている。レール61は、例えば金属製のものであり、U字状の断面を有し、レール取付板60に固定されている。スライダ62は、同じ金属製のものであり、逆U字状の断面を有し、レール61の内側に嵌め込まれるとともに、ころ軸受(図示せず)を介して、レール61に、これに沿って左右方向にスライド自在に取り付けられている。スライダ62の左端部には、ピン状の突上げ部63が一体に設けられ、上方に突出しており、前述したように、この突上げ部63は通常、突上げ棒29の下端面に対向している。
また、レール取付板60は、その右側のほぼ半部が後方に突出し、奥行が大きくなっており、この突出した部分に、レバー取付板64が載置され、ねじ止めされている。このレバー取付板64には、駆動レバー65が設けられている。駆動レバー65は、L字状の断面を有し、その後端部において、レバー取付板64にピン状の支点65aを介して回動自在に取り付けられるとともに、中央よりも若干前側の部分で、スライダ62に連結部62aを介して回動自在に連結されている。
また、レバー取付板64に設けられたフック66と駆動レバー65の中央付近との間には、コイルばね67が設けられており、このコイルばね67は、駆動レバー65を図7の時計方向に常時、付勢している。
また、駆動レバー65には、支点65aとコイルばね67の間の位置に、スライダワイヤ68が連結されている。図2に示すように、このスライダワイヤ68は、消音ペダル24に連結された消音ペダルワイヤ27から分岐し、底板9およびレバー取付板64にそれぞれ設けられたワイヤホルダ69,70などを介して、駆動レバー65に導かれている。
以上の構成によれば、消音ペダル24が踏み込まれていない状態では、スライダ62は、コイルばね67の付勢によって、図6および図7に示す許容位置に位置している。この許容位置では、スライダ62と一体の突上げ部63は、突上げ棒29との間に所定の若干の間隙を隔てて対向している。したがって、この状態からソフトペダル23が踏み込まれると、ペダル天秤26が揺動するのに伴って突上げ部63が突上げ棒29を突き上げ、突上げ棒29がさらにハンマーレールを突き上げることによって、ハンマーレール15は、前述した停止位置(図4の実線位置)から作動位置(2点鎖線位置)に移動する。
一方、消音ペダル24が踏込み操作されると、これに連結されたスライダワイヤ68により、駆動レバー65が図7の右方に引っ張られ、コイルばね67の付勢力に抗して、反時計方向に所定角度、回動する。これに伴い、スライダ62は所定距離、右方にスライドし、上記の許容位置から、図8および図9に示す阻止位置に移動する。この阻止位置では、突上げ部63は突上げ棒29から右方に外れている。このため、ソフトペダル23が踏み込まれても、突上げ棒29が突上げ部63によって突き上げられることはなく、ハンマーレール15は、停止位置に保持される。
以上のように、消音ペダル24の踏込み操作に伴い、スライダ62は、スライダワイヤ68および駆動レバー65によって駆動される。すなわち、本実施形態では、これらの消音ペダル24、スライダワイヤ68および駆動レバー65によって、スライダ駆動機構が構成されている。
消音ペダル24は、演奏モードをアコースティック演奏と消音演奏に切り替える際に踏込み操作されるものであり、図2に示すように、底板9に設けられたワイヤホルダ71などで保持された消音ペダルワイヤ27を介して、消音装置50に連結されている。消音装置50は、駆動ロッド51と、ハンマー4の回動を阻止するためのストップレール52と、駆動ロッド51とストップレール52を連結する4つの連結部材53と、駆動ロッド51を駆動するための駆動レバー54などで構成されている。
駆動ロッド51は、丸棒で構成され、ブラケット12の後方においてアクション40の左右方向の全体にわたって延びており、ブラケット12に、支持金具(図示せず)を介して回動自在に支持されている。また、駆動レバー54は、駆動ロッド51に固定されるとともに、消音ペダルワイヤ27に連結されている。
各連結部材53は、上下方向に延びており、下端部が駆動ロッド51に固定されるとともに、上端部にはストップレール52が固定されている。このストップレール52は、すべてのハンマー4にわたるよう左右方向に延びている。
以上の構成により、消音ペダル24が踏み込まれていない状態では、ストップレール52は、ハンマー4のハンマーシャンク4aの回動範囲内から退避した退避位置(図10の実線位置)に位置する。また、消音ペダル24が踏み込まれると、消音ペダルワイヤ27が引き下げられるのに伴い、駆動レバー54およびこれと一体の駆動ロッド51が、図10の時計方向に所定角度、回動することによって、ストップレール52は、ハンマーシャンク4aの回動範囲内に進入した進入位置(2点鎖線位置)に回動する。
また、ペダル天秤26の付近にはソフトペダルスイッチ33が設けられ、消音ペダル24の付近には消音ペダルスイッチ34が設けられている(図11参照)。これらのスイッチ33,34は、例えばマイクロスイッチで構成され、ソフトペダル23および消音ペダル24の踏込みの有無に応じたON/OFF信号を楽音発生装置17に出力する。また、ラウドペダル25にはラウドペダルセンサ35が設けられており(図11参照)、このラウドペダルセンサ35は、ラウドペダル25の踏込み量を表す検出信号を楽音発生装置17に出力する。
楽音発生装置17は、消音演奏時に電子的な楽音を発生させるものであり、鍵3の押鍵情報を検出するためのシャッタ6、第1および第2光センサ7,8や、楽音生成部17a、スピーカ17bおよびヘッドホン17cなどで構成されている。
図10に示すように、シャッタ6は、矩形の板状に形成され、ハンマー4のハンマーシャンク4aの背面に固定され、後方に延びている。第1および第2光センサ7,8は、シャッタ6の後方の所定位置に設けられている。
第1および第2光センサ7,8は、一対の発光ダイオードおよびフォトトランジスタ(いずれも図示せず)でそれぞれ構成されており、プリント基板11に電気的に接続されている。第1および第2光センサ7,8は、シャッタ6の回動経路に沿い、前後方向に並んで配置されており、それらの光路がシャッタ6で遮断されているときにLレベルの信号を、開放されているときにHレベルの信号を、検出信号として楽音生成部17aに出力する。また、プリント基板11は、取付レール(図示せず)に取り付けられており、この取付レールは、左右のブラケット12,12の間に渡されている。
楽音生成部17aは、消音ペダルスイッチ34からON信号が出力されているとき、すなわち消音ペダル24が踏込み状態にあるときに、第1および第2光センサ7,8の検出信号に応じて楽音信号を生成する。具体的には、第1および第2光センサ7,8の検出信号に応じて発音タイミングや止音タイミング、音量を決定するとともに、その結果に応じて楽音信号を生成し、スピーカ17bまたはヘッドホン17cに出力する。なお、ヘッドホン17cへの楽音信号の出力は、ヘッドホン17cのジャック(図示せず)が差し込まれているときに行われる。
また、楽音生成部17aは、ソフトペダルスイッチ33からON信号が出力されているときに、楽音信号のレベルを小さくすることによって、電子音にソフトペダル効果を付与する。さらに、ラウドペダルセンサ35からの検出信号に応じて楽音信号に所定の残響効果を付加することにより、電子音にラウドペダル効果を付与する。
次に、以上の構成の消音ピアノ1の動作を説明する。アコースティック演奏を行う場合には、消音ペダル24は非踏込み状態に保持される。前述したように、この消音ペダル24の非踏込み状態では、ストップレール52は退避位置(図10の実線位置)に位置し、スライダ62は許容位置(図6の位置)に位置している。この状態で鍵3が押鍵されると、それに伴って回動するウイッペン41とともにジャック42が上方に移動し、バット43を突き上げることにより、ハンマー4は図1の反時計方向に回動する。この場合、ストップレール52は退避位置に位置しているので、ハンマー4は、ストップレール52に邪魔されることなく回動を続け、ハンマーヘッド4bが弦Sを打弦することによって、アコースティック演奏が行われる。
このアコースティック演奏中、ソフトペダル23が踏み込まれると、ペダル天秤26の揺動に伴って、スライダ62の突上げ部63が突上げ棒29を突き上げることにより、突上げ棒29が上方に移動し、ハンマーレール15を突き上げる。これにより、ハンマーレール15は、図4の停止位置(実線位置)から作動位置(2点鎖線位置)に移動する。これに伴い、ハンマー4もまた、弦S側に回動し、ハンマー4の離鍵位置が弦Sに近づくことによって、ソフトペダル効果が得られる。
一方、消音演奏を行う場合には、消音ペダル24が踏み込まれ、ペダル孔14の係止部14aに係止される。このように消音ペダル24が踏み込まれると、前述した動作により、ストップレール52は進入位置(図10の2点鎖線位置)に移動し、スライダ62は阻止位置(図8の位置)に移動する。この状態で鍵3が押鍵されると、回動するハンマー4のハンマーシャンク4aが、進入位置に位置するストップレール52に当接し、ハンマー4のそれ以上の回動が阻止されることによって、弦Sの打弦が阻止される。また、第1および第2光センサ7,8で検出されたハンマー4の回動位置に応じた電子音が楽音生成部17aで生成され、スピーカ17bまたはヘッドホン17cから放音される。
この消音演奏中、ソフトペダル23が踏み込まれた場合には、図8に示すように、スライダ62が阻止位置に位置し、突上げ部63が突上げ棒29から外れているため、ペダル天秤26が揺動しても、突上げ棒29は突上げ部63によっては突き上げられず、ハンマーレール15は、停止位置(図4の実線位置)に保持される。これにより、ハンマー4の離鍵位置もまた、ソフトペダル23の非踏込み時と同じ位置に保持される結果、ソフトペダル23の踏込み時における鍵3の押鍵ストロークとハンマー4の回動位置との関係が、ソフトペダル23の非踏込み時と変わらずに保持される。したがって、消音演奏中にソフトペダル23が踏み込まれた場合でも、その影響を受けることなく、押鍵ストロークに応じたハンマー4の回動位置を第1および第2光センサ7,8で適切に検出しながら、消音演奏を良好に行うことができる。
また、演奏モードを切り替えるための消音ペダル24の操作に伴い、これに機械的に連結されたスライダワイヤ68および駆動レバー65によって、スライダ62を駆動するので、演奏モードの切替えに伴うスライダ62の駆動を、センサなどを用いることなく、確実かつ容易に行うことができる。
また、部品の製造誤差や組立誤差などによって、突上げ棒29と突上げ部63との間に所望の大きさの間隙が得られない場合には、ストッパ本体31の取付位置を上下方向に調整することによって、この間隙のずれを容易に解消することができる。
なお、本実施形態は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、スライダ62を駆動するスライダ駆動機構を、消音ペダル24、スライダワイヤ68および駆動レバー65で構成しているが、その構成は、演奏モードの切替えに応じてスライダ62を適切に駆動できるものであれば、任意である。また、実施形態では、突上げ棒29を下方への移動を阻止した状態で支持する突上げ棒ストッパ30を、ストッパ本体31とガイド32で構成しているが、その構成もまた任意である。
さらに、実施形態は、本発明を消音ピアノに適用した例であるが、本発明はこれに限らず、自動演奏ピアノに適用することが可能である。その場合、演奏データの記録時にソフトペダルが踏み込まれても、ハンマーの離鍵位置をソフトペダルの非踏込み時と同じに保持できるので、検出されたハンマーの回動位置に応じて適切な演奏データを得ることができる。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部を適宜、変更することが可能である。
本発明の実施形態によるアップライト型の消音ピアノの概略構成を示す側面図である。 ペダル装置の斜視図である。 ペダル装置の部分拡大斜視図である。 突上げ棒の突上げによるハンマーレールの動作を示す側面図である。 突上げ棒ストッパを示す分解斜視図である。 スライダが許容位置にあるときの、ペダル天秤およびスライダなどの部分側面図である。 図6と同様の状態を示す部分平面図である。 スライダが阻止位置にあるときの、ペダル天秤およびスライダなどの部分側面図である。 図8と同様の状態を示す部分平面図である。 ストップレールの動作を示す側面図である。 楽音発生装置のブロック図である。
符号の説明
1 消音ピアノ(アップライト型ピアノ)
3 鍵
4 ハンマー
7 第1光センサ(センサ)
8 第2光センサ(センサ)
15 ハンマーレール
23 ソフトペダル
24 消音ペダル(切替えペダル、スライダ駆動機構)
26 ペダル天秤
29 突上げ棒
30 突上げ棒ストッパ
31 ストッパ本体
32 ガイド
62 スライダ
63 突上げ部
65 駆動レバー(スライダ駆動機構、駆動部材)
68 スライダワイヤ(スライダ駆動機構)
S 弦

Claims (3)

  1. 鍵の押鍵に伴って回動するハンマーで弦を打弦することによってアコースティック演奏を行う第1演奏モードと、前記ハンマーの回動位置を検出しながら演奏を行う第2演奏モードに、演奏モードを切り替えて演奏されるアップライト型ピアノであって、
    前記ハンマーの回動経路に沿って配置され、前記第2演奏モード時に前記ハンマーの回動位置を検出するセンサと、
    前記鍵の離鍵状態において前記ハンマーが当接する回動自在のハンマーレールと、
    ソフトペダル効果を付与するために踏み込まれるソフトペダルと、
    左右方向に延び、前記ソフトペダルの踏込みに伴って揺動するペダル天秤と、
    上端部が前記ハンマーレールに連結され、下方に延びる突上げ棒と、
    当該突上げ棒を下方への移動を阻止した状態で支持する突上げ棒ストッパと、
    突上げ部を有し、前記ペダル天秤にスライド自在に設けられ、前記突上げ部が前記突上げ棒に下方から対向し、前記突上げ部による前記突上げ棒の突上げを許容する許容位置と、前記突上げ部が前記突上げ棒から外れ、前記突上げ部による前記突上げ棒の突上げを阻止する阻止位置とに移動可能なスライダと、
    当該スライダを、前記第1演奏モード時に前記許容位置に駆動するとともに、前記第2演奏モード時に前記阻止位置に駆動するスライダ駆動機構と、
    を備えることを特徴とするアップライト型ピアノ。
  2. 前記スライダ駆動機構は、
    前記演奏モードを前記第1演奏モードと前記第2演奏モードの間で切り替えるために操作される切替えペダルと、
    当該切替えペダルの操作に連動して、前記スライダを前記許容位置と前記阻止位置に駆動する駆動部材と、
    を有することを特徴とする、請求項1に記載のアップライト型ピアノ。
  3. 前記第2演奏モードは、前記センサで検出された前記ハンマーの回動位置に応じて生成された楽音信号に基づく電子音によって消音演奏を行う消音演奏モードであることを特徴とする、請求項1または2に記載のアップライト型ピアノ。
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