JP2009109332A - 円形度校正用粒子懸濁液、及びこれを用いた分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非球体粒子の円形度を測定する際に、より正確な円形度の測定を可能とする円形度校正用粒子懸濁液、及びこれを用いた分析方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は第1の観点から、粒子を撮像し、撮像した粒子画像から円形度を算出する粒子画像分析装置の校正に用いられる円形度校正用粒子懸濁液であって、トナー粒子を測定する際の円形度の校正に用いられ、ツバキの花粉を含有することを特徴とする。ツバキの花粉は大きさ、形状がともに均質でバラつきが少ないため、安定的に円形度校正用粒子に用いることができる。また、ツバキの花粉の平均円形度が0.91付近に再現性よく測定されるため、トナー粒子の平均円形度0.90〜0.95に近似し、トナー粒子の円形度をより精度よく測定することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像された粒子画像から円形度を算出する粒子画像分析装置に用いられる円形度校正用粒子懸濁液に関するものである。
従来、粒子画像分析装置によって算出された円形度データの信頼性を確保するための粒子画像分析装置用標準液が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に開示された粒子画像分析装置用標準液は、その含有物質として円形度が限りなく1に近いラテックス粒子を採用している。この標準液はまず、円形度標準レティクルによって校正が行われた標準器の粒子画像分析装置により測定され、平均円形度、平均円形度の標準偏差及び変動係数が算出される。これらの値に基づいて平均円形度の表示値が付けられ、この表示値付けされたラテックス粒子を含む標準液を用いて、例えば製造直後の粒子分析システムや各施設に設置されている粒子分析システムで得られる粒子の円形度が表示値の許容範囲内にあることを確認する。このようにして、粒子分析システム(粒子画像分析装置)から得られる粒子の円形度が保証されるというものである。
特開2006−162524号公報
しかしながら、トナー粒子や研磨材粒子などの円形度が1から離れた非球体粒子の円形度を測定する場合に、正確な円形度の測定を可能とするよう粒子画像分析装置を校正するための校正用粒子について、特許文献1には全く記載されていない。
本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであり、非球体粒子の円形度を測定する際により正確な円形度の測定を可能とする粒子画像分析装置の校正に用いられる円形度校正用粒子懸濁液、及びこれを用いた分析方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明は、第1の観点から、粒子を撮像し、撮像した粒子画像から円形度を算出する粒子画像分析装置の校正に用いられる円形度校正用粒子懸濁液であって、トナー粒子を測定する際の円形度の校正に用いられ、ツバキ科植物の花粉を含有することを特徴とすることを特徴とする。
また本発明は、第2の観点から、粒子を撮像し、撮像した粒子画像から円形度を算出する粒子画像分析装置の校正に用いられる円形度校正用粒子懸濁液であって、研磨材粒子を測定する際の円形度の校正に用いられ、珪藻を含有することを特徴とする。
本発明によれば、円形度が1から離れた非球体粒子を測定する場合に、より正確な円形度の測定を可能とする円形度校正用粒子懸濁液、及びこれを用いた分析方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる円形度校正用粒子懸濁液が用いられる粒子画像分析システムの全体構成を示した斜視図である。まず図を参照して粒子画像分析システム100の全体構成について説明する。この粒子画像分析システム100は、トナー粒子、研磨材、ファインセラミックス粒子、顔料、化粧品パウダーなどの粉体の品質管理に用いられる。この粒子画像分析システム100は、粒子画像処理装置1と、粒子画像処理装置1に電気的に接続される画像データ分析装置2とにより構成されている。
粒子画像処理装置1は、液体中の粒子を撮像し、その粒子画像を処理して画像データ分析装置2に送信するために設けられている。この粒子画像処理装置1により分析される粒子としては、たとえば、トナー粒子や研磨材などが挙げられる。
また、画像データ分析装置2は、粒子画像処理装置1により撮像され、画像処理された粒子画像を記憶および分析することにより、粒子の大きさや形状などを自動的に算出して表示するために設けられている。この画像データ分析装置2は、図1および図2に示すように、粒子画像を表示するための画像表示部(ディスプレイ)2aとキーボード2bと、画像解析部2cを構成するパーソナルコンピュータ(PC)からなる。
図2は粒子画像分析システム100の構成を示すブロック図である。粒子画像処理装置1は、流体機構部3と、照明光学系4と、撮像光学系5と、画像処理部6と、これら各機構部を制御するためのCPU110と、CPU110によって実行される各プログラム及び撮像されたデータを一時的に記憶するためのメモリ120とを備えている。
画像データ分析装置2は、粒子画像処理装置1の画像処理部6から送信された撮像画像を画像分析処理する画像解析部2cと、画像解析部2cから出力された粒子画像や分析データなどを表示するための画面表示部2aと、粒子画像処理装置1及び画像解析部2cに対するデータの入力や操作を行うためのキーボード2bと、接続されている。
画像解析部2cは、画像処理部6から送信された粒子画像に対して画素を補間して補間画像を生成する画像補間手段、つまり高解像度化部25と、高解像度化部25から得られる補間画像の画像信号を2値化データに変換する2値化部21と、2値化された粒子画像データをエッジトレースするエッジトレース部22と、エッジトレースして得られたデータを解析処理する解析部23と、画像データや処理データなどを格納するデータ記憶部24とを備える。
図3は、粒子画像分析システム100の全体構成を示した概略構成図である。
粒子画像処理装置1は、図3に示すように、粒子懸濁液の流れを形成する流体機構部3と、粒子懸濁液の流れに対して光を照射する照明光学系4と、粒子懸濁液の流れを撮像する撮像光学系5と、粒子画像の切り出し処理などを行う画像処理部6とを備えている。照明光学系4と撮像光学系5とは、流体機構部3を挟んで対向する位置に配置されている。流体機構部3は、透明な石英製のフローセル7と、フローセル7に対して粒子懸濁液およびシース液の供給を行う供給機構部8と、フローセル7を支持する支持機構部9とを含んでいる。
フローセル7は、粒子懸濁液の流れを、粒子懸濁液の両側を流れるシース液の流れで挟み込むことにより、偏平な流れに変換する機能を有している。このフローセル7は、図2に示すように、フローセル7の撮像光学系5側の外面の中央位置近傍に縦長形状の凹部7aを有している。フローセル7内を流れる粒子懸濁液は、フローセル7の凹部7aを介して撮像されるように構成されている。
供給機構部8は、フローセル7に粒子懸濁液を供給するためのサンプルノズル8aを有する供給部8bと、供給部8bに粒子懸濁液を送り込む供給口8cと、シース液を収容するシース液容器8dと、シース液を一時的に貯留するシース液チャンバ8eと、フローセル7内を通過したシース液を貯留する廃液チャンバ8fとを有している。
図4は支持機構部の構造を示した平面図である。支持機構部9は、図4に示すように、フローセル7を設置するための設置部10と、フローセルが設置された設置部10を直動ガイド11に沿ってX方向及びY方向に移動させる駆動機構部12と、直動ガイド11を支持する支持台13とを備えている。駆動機構部12は、駆動源としてのモータ12aに接続される駆動軸12bと、駆動軸12bの回転駆動力を直線的な駆動力に変換した後、設置部10に伝達する駆動伝達部12cとにより構成されている。フローセル7が設置された設置部10を駆動機構部12によりX方向及びY方向に移動可能に構成することにより、容易にフローセル7内を流れる粒子懸濁液中の粒子に撮像部70の焦点距離を合わせることが可能となっている。
照明光学系4は、パルス光をフローセル7に向かって照射するためのストロボランプからなる照射部20と、照射部20からの光を減光することにより光の強度を調節するための減光部30と、減光部30によって減光された光をフローセル7に向かって集光するための集光部40とからなる。
撮像光学系5は、照明光学系4からの光により照明されたフローセル7内部を流れる粒子懸濁液中の粒子の光像を拡大するための対物レンズ50と、対物レンズ50で拡大された粒子の光像を結像するための結像レンズ60と、結像された粒子像を撮像するための撮像部70とからなる。
図5は粒子画像処理装置1の動作を示すフローチャートである。
以下、粒子画像処理装置1及び画像データ分析装置2の動作についてフローチャートを参照して説明する。
ユーザによって粒子画像処理装置1の電源がオンされると処理が開始する。まずCPU110は各部の動作チェックを行なうとともに、ソフトウェアの初期化を行なう(ステップS11)。
次に、CPU110は、オペレータによって自動焦点調整が指示されたか否か、すなわち画像データ分析装置2から自動焦点調整指示の信号を受信したか否かを判定する(ステップS12)。CPU110は、自動焦点調整指示の信号を受信したと判断した場合(ステップS12においてYES)にはステップS13へ処理に進め、自動焦点調整指示の信号を受信していないと判断した場合(ステップS12においてNO)にはステップS14へ処理を進める。
ついでステップS13において、CPU110は、メモリ120に記憶された自動焦点シーケンスを読み出し、実行する。自動焦点調整の処理については後述する。
自動焦点調整が終了すると、ステップS14の処理に進み、CPU110は粒子懸濁液が供給口8cに供給されたか否かを判定するとともに、画像データ分析装置2から測定指示の信号を受信したか否かを判定する。CPU110は、測定指示の信号を受信したと判断した場合(ステップS14においてYES)には、ステップS15へ処理を進め、測定指示の信号を受信していないと判断した場合(ステップS14においてNO)には、ステップS18へ処理を進める。
ついでステップS15において、CPU110は、供給された粒子懸濁液中の粒子の撮像を行なう処理を実行する。まず、測定対象粒子を含有した粒子懸濁液が供給部8bを介してフローセル7に供給されるとともに、シース液容器8dに収容されたシース液がシース液チャンバ8eを介してフローセル7に流入する。そして、粒子懸濁液はシース液に両側を挟みこまれることによって流体力学的に偏平に絞られた状態で、フローセル7内を上方から下方に向かって流れる。このとき、フローセル7内で偏平に絞られた粒子懸濁液の流れに対して、ストロボランプからなる照射部20がパルス光を1/60秒毎に周期的に照射する。パルス光の照射は60秒間行なわれ、これにより合計3600枚の静止画像が対物レンズ50を介して撮像部70により撮像される。
次に、CPU110は、撮像部70によって撮像された粒子画像を画像処理部6に出力し、画像処理部6において画像処理を行う(ステップS16)。すなわち、CPU110は、画像処理部6において、撮像部70からのビデオ信号をA/D変換することによりデジタル化された画像データを生成し、生成された画像データから部分画像(粒子画像)の切り出し処理を実行させる。
次に、CPU110は、画像処理部6において画像処理された画像データを、画像データ分析装置2に送信する処理を実行する(ステップS17)。
次に、CPU110は、画像データ分析装置2からシャットダウン指示信号を受信したか否かを判定する(ステップS18)。ここで、CPU110によってシャットダウン指示信号が受信されたと判断されると(ステップS18においてYES)ステップS19の処理へ進み、シャットダウン指示信号が受信されていないと判断されると(ステップS18においてNO)ステップS12へ処理を戻す。
そして、ステップS19において、CPU110はシャットダウン処理を実行して、処理が終了する。
次に、ステップS13のサブルーチンについて、図6を参照して説明する。
図6は、自動焦点シーケンスが実行されたときの粒子画像処理装置1の動作を示すフローチャートである。まず、CPU110は駆動機構部12を駆動させてフローセル7をY方向の最奥位置まで移動させる処理を実行するとともに、カウントNを初期値(N=0)に設定する(ステップS131)。
次に、CPU110は、駆動機構部12によってフローセル7をX方向に所定フレーム分移動させるとともに、撮像部70によってフローセル7内を流れる粒子懸濁液中の粒子を撮像する処理を実行する(ステップS132)。
次に、CPU110は撮像された画像から鮮明度を適確に表す評価パラメータPを算出する(ステップS133)。このとき、CPU110はカウントNを1だけインクリメントするとともに、算出された評価パラメータPをカウントNの値と対応付けてメモリ120に記憶させる。
次に、CPU110はフローセル7がX方向の最奥位置に達したか、又はカウントNが25以上になったか否かを判定する(ステップS134)。CPU110は、これらいずれかの条件を満たすと判断した場合(ステップS134においてYES)にはステップS135の処理に進む。一方、いずれの条件も満たさないと判断した場合(ステップS134においてNO)には、CPU110はステップS132に処理を戻して、再びフローセル7の移動及び撮像の処理を実行し(ステップS132)、評価パラメータPを算出してカウントNをさらに1だけインクリメントする(ステップS133)。CPU110は、これらの処理をフローセル7がX方向の最奥位置に達するか、またはカウントNが25以上になるまで繰り返して、順次評価パラメータPをカウントNの値と対応付けてメモリ120に記憶していく。
次に、CPU110は、メモリ120に記憶された複数の評価パラメータPの値を比較し、評価パラメータPが最大となるNを決定する(ステップS135)。
そして、CPU110は、ステップS135において決定されたカウントNの焦点位置にフローセル7を移動させる処理を実行し(ステップS136)、主ルーチンに戻る。
次に、画像データ分析装置2における画像解析処理の手順を図7のフローチャートを参照して説明する。図7は画像データ分析装置2による画像解析処理の手順を示したフローチャートである。
まず、粒子画像処理装置1の画像処理部6から送信された画像データが画像データ分析装置2に取り込まれ、データ記憶部24に記憶される(ステップS201)。ステップS201において取り込まれた画像データは、まず画像解析部2cにおいて、懸濁液流に対する照射光の強度むら(シューディング)を補正するためのバックグラウンド補正が行われる(ステップS202)。
このバックグラウンド補正は、具体的には、粒子フローセル7を通過していない時に光照射して得られる画像データを、測定前にあらかじめデータ記憶部24に取り込んでおき、その画像データと実際の粒子撮像画面の画像データとを比較演算することであり、画像処理として一般的によく知られた処理である。
次に、高解像度化部25によって高解像度化処理、つまり画素補間処理が行われる(ステップS203)。具体的には、粒子画像の全画素につき、隣接する2つの画素間に補間用画素が挿入される。補間用画素としては、隣接する画素における階調、ここでは輝度の平均値を有するように形成され、ここでは、いわゆる線形補間が行われる。
次に、粒子画像の輪郭を的確に抽出するための前処理として輪郭強調処理を行う(ステップS203a)。具体的には、一般的によく知られたラプラシアン強調処理を行う。
次に、2値化部21によって画像データをある適当なスレシホールドレベルで2値化すると、各粒子画像は図8に示すような2値化画像となる(ステップS204)。次に、エッジトレース部22によって2値化された各粒子画像に対してエッジ点が(輪郭を表す輪郭画素)かどうかを判定するとともに、着目しているエッジ点に対して隣合うエッジ点がどの方向にあるかの情報、すなわちチェインコードを生成する(ステップS205)。次に、このチェインコードを参照しながら粒子画像のエッジトレースを行い、粒子画像の解析パラメータとして、各粒子画像の面積(総画素数)St、直行カウント数Et、斜行カウント数Esおよびコーナーカウント数Cnを求める(ステップS206)。
粒子画像処理装置1において撮像された全ての粒子画像について解析パラメータが求められると(ステップS207)、各粒子画像に対して求められた解析パラメータに基づいて、まず、周囲長Lが次式で算出される(ステップS208)。
L=0.980×Et+1.406×Es−0.091×Cn・・・(1)
(但し、2画素間の距離を1とする。)
式(1)はVossepoelの式として知られている。
次に、面積Sが次式で算出される(ステップS209)。
S=St−0.5L・・・(2)
(但し、2画素間の距離を1とする)
次に、円相当径Rsが次式で算出される(ステップS210)。
Rs=a×S1/2×k+b・・・(3)
ここで、kは1画素の寸法、a、bは補正係数である。
次に、円形度Xが次式で算出される(ステップS211)。
X=(粒子画像と同じ面積をもつ円の周囲長)/(粒子画像の周囲長)
=πRs/L・・・(4)
ステップS211において円形度Xが算出されると、画像解析処理が終了する。
以下、第1の実施形態として、トナー粒子を測定する際の円形度の校正に用いられる円形度校正用粒子懸濁液について説明する。
ここでトナー粒子とは、複写機やプリンタにおいて画像形成のために用いられる微小粒子である。本実施形態に係る円形度校正用粒子懸濁液は、非球形のトナー粒子、特に円形度が0.90〜0.95の範囲内に属するものを測定する際の円形度の校正に好適に使用することができる。このようなトナー粒子としては、樹脂と着色剤を溶融・混練したものを粉砕して得られるいわゆる粉砕トナー粒子や、重合性単量体と定着性向上剤とを含む単量体組成物を重合して得られる重合粒子からなるいわゆる重合トナー粒子であって、非球形化されたものなどが相当する。
トナー粒子を測定する際の円形度の校正には、ツバキ花粉を含有する円形度校正用粒子懸濁液を用いる。なお、円形度校正用粒子としてツバキの花粉を採用したのは、(1)粒子の形状及び粒径が均一でバラつきが少なく、平均円形度が0.91付近に再現性よく測定される、(2)ツバキの花粉は大量に採取することができ安定供給が可能である、との理由による。ここで、上記理由(1)に関して表1を参照して説明する。
Figure 2009109332
表1は、ツバキの花粉をイソプロピルアルコールに分散させたものを粒子画像分析装置(シスメックス株式会社製、FPIA−2100)を用いて粒子径及び円形度を5回測定し、それらの平均値及び変動係数を求めた結果を示したものである。表1に示されるように、ツバキの花粉は、粒子径の平均値が42.28μm、変動係数が0.74%であり、円形度の平均値が0.909、変動係数は0.05%であった。この数値からも明らかなとおり、ツバキの花粉は大きさ、形状がともに均質でバラつきが少ないため、安定的に円形度の校正に使用することができる。またツバキの花粉の平均円形度が0.91付近に再現性よく測定されるため、トナー粒子の平均円形度0.90〜0.95に近似し、ツバキの花粉を用いて円形度の校正を行うことによりトナー粒子の円形度をより精度よく測定することが可能となる。
円形度校正用粒子懸濁液は、生花から採取されたツバキの花粉をイソプロピルアルコールに分散させることにより調製したものを用いた。ツバキの花粉は水やエタノールに接触すると膨化するため、イソプロピルアルコールを用いることにより膨化を防ぐことができる。
以下、ツバキの花粉を含有する円形度校正用粒子懸濁液を用いた円形度の校正の一例として、焦点調整による円形度の校正、及び円形度の校正がなされた粒子画像処理装置を用いたトナー粒子の測定について説明する。
なお、ここでは粉砕トナー粒子を測定対象粒子とした。
オペレータは、まず第1の実施形態に係るツバキの花粉を含有する円形度校正用粒子懸濁液を粒子画像処理装置1の供給口8cに流し込み、キーボード2bによって粒子画像処理装置1に対して自動焦点調整の実行を指示する。オペレータによって自動焦点調整の実行が指示されると、粒子画像処理装置1は、上記において詳細に説明したように自動焦点シーケンスを実行してフローセル7内を流れる粒子を撮像し、撮像された粒子画像に基づいて焦点位置を調整する。
次に、ツバキの花粉に対して最適焦点位置に焦点調整が行なわれた粒子画像処理装置1を用いて、測定対象物である粉砕トナー粒子の測定を行う。まず、粉砕トナー粒子をパーティクルシース(シスメックス株式会社製)に分散させたものを供給口8cに流し込み、キーボード2bによって測定の実行を指示する。なお、パーティクルシースは緩衝剤、浸透圧調整用添加剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤及び水を含有している。
測定の実行が指示された粒子画像処理装置1は、フローセル7内を流れる粉砕トナー粒子を撮像し、画像データ分析装置2は撮像された粉砕トナー粒子の粒子画像から円形度を算出する。
ツバキ花粉を含む円形度校正用粒子懸濁液を用いて円形度の校正を行った粒子画像分析システム100により粉砕トナー粒子の円形度の測定を行った結果、粉砕トナー粒子の平均円形度は0.933であった。一方、ツバキの花粉に代えて、ポリスチレンラテックス粒子を含有する懸濁液を用いて円形度の校正を行なった粒子画像分析システム100により粉砕トナー粒子の円形度の測定を行った結果、粉砕トナー粒子の平均円形度は0.940であった。
次に、第2の実施形態として、研磨材粒子を測定する際に用いられる円形度校正用粒子懸濁液について説明する。研磨材粒子を測定する場合の円形度の校正に際しては、珪藻を含有する円形度校正用粒子懸濁液を用いる。なお、円形度校正用粒子として珪藻を採用したのは、(1)珪藻の平均円形度が0.75付近に再現性よく測定されるため円形度校正用粒子として好適である、(2)珪藻の外殻はガラス質であるため、長期保存が可能である、(3)珪藻は培養することによって大量に得ることができるため安定供給が可能である、との理由による。上記理由(1)について、表2を参照して説明する。
Figure 2009109332
表2は、珪藻を酸性液によって固定したのち、パーティクルシース(シスメックス株式会社製)に分散させたものを粒子画像分析装置(シスメックス株式会社製、FPIA−3000)を用いて粒子径及び円形度の測定を行い、平均値及び変動係数を求めた結果を示したものである。表2に示されるように、珪藻は、粒子径の平均値が4.48μm、変動係数が1.22%、円形度の平均値が0.747、変動係数が0.88%であった。この数値からも明らかなとおり、珪藻はツバキの花粉に比べて円形度が低く測定されるため、研磨材粒子のように円形度が1から離れた非球体粒子を測定する際の円形度の校正に好適に使用することができる。
円形度校正用粒子懸濁液は、珪藻として直方体に近い粒子形状を有する羽状目アクナンテス属のミヌテシマを用い、これを酸性液によって固定したのちパーティクルシース(シスメックス株式会社製)に分散させることにより調製したものを使用した。
以下、珪藻を含有する円形度校正用粒子懸濁液を用いた円形度の校正の一例として、焦点調整による円形度の校正、及び円形度の校正がなされた粒子画像処理装置を用いた研磨材粒子の測定について説明する。
なお、ここでは炭化ケイ素(SiC)からなる研磨材粒子を測定対象粒子とした。
まず粒子画像処理装置1によってフローセル7を流れる懸濁液流が最も鮮明に撮像できるよう自動焦点調整を行なう。
上記において説明した手順と同様にして、オペレータは、珪藻を含む円形度校正用粒子懸濁液を粒子画像処理装置1の供給口8cに流し込み、キーボード2bによって自動焦点調整の実行を指示する。粒子画像処理装置1は、上記において詳細に説明したように、自動焦点シーケンスを実行してフローセル7内を流れる粒子を撮像し、撮像された粒子画像に基づいて焦点位置を調整する。
次に、珪藻に対して最適焦点位置に焦点調整が行われた粒子画像処理装置1を用いて、研磨材粒子の測定を行う。上記の例と同様に、オペレータは、研磨材粒子をパーティクルシース(シスメックス株式会社製)に分散させたものを粒子画像処理装置1の供給口8cに流し込み、キーボード2bから測定の実行を指示する。測定の実行が指示された粒子画像処理装置1はフローセル7内を流れる粉砕トナー粒子を撮像し、画像データ分析装置2は撮像された粉砕トナー粒子の粒子画像から円形度を算出する。
珪藻を含む円形度校正用粒子懸濁液を用いて円形度の校正を行った粒子画像分析システム100により測定を行った結果、研磨材粒子の平均円形度は0.899であった。一方、珪藻に代えて、ポリスチレンラテックス粒子を用いて円形度の校正を行なった粒子画像分析システム100により研磨材粒子を測定した結果、研磨材粒子の平均円形度は0.907であった。
以上詳細に説明したように、測定対象粒子の平均円形度と近似する、あるいは測定対象粒子より低い円形度を有する粒子を用いて円形度の校正を行うことにより、非球体粒子の円形度の測定値が現実の値に近く、より精度よい測定を行うことができる。
なお第1の実施形態においては、ツバキの花粉を用いた円形度校正用粒子懸濁液について説明したが、これに限らず、ツバキ科植物の花粉であればその他の植物の花粉であってもよい。他の一例として、サザンカの花粉をツバキの花粉と同様にイソプロピルアルコールに分散させ、これを粒子画像分析装置を用いて粒子径及び円形度を測定し、それらの平均値及び変動係数を求めた結果を表3に示す。
Figure 2009109332
表3に示されるように、サザンカの花粉は、粒子径の平均値が40.85μm、変動係数が1.06%、円形度の平均値は0.909、変動係数は0.35%であった。この数値からも明らかなとおり、サザンカの花粉もツバキの花粉と同様に、大きさ、形状がともに均質でバラつきが少なく、また平均円形度が0.91付近に再現性よく測定されるため、例えばトナー粒子を測定する際の円形度校正用粒子懸濁液に好適に用いることができる。
また、第1の実施形態における円形度校正用粒子懸濁液では、イソプロピルアルコールを分散媒に用いているが、これに限らず、イソプロピルアルコールより疎水性の高いアルコール、例えばブタノールやペンタノールなど、炭素数が3以上のアルコールであれば分散媒として好適に使用することができる。
また、第2の実施形態における円形度校正用粒子懸濁液はシスメックス株式会社製のパーティクルシースを分散媒としているが、これに限らず、例えば水のみを分散媒としてもよいし、あるいは水に緩衝剤、浸透圧調整用添加剤、界面活性剤のうちの何れかを選択的に添加したものを分散媒としてもよい。
また、第2の実施形態における円形度校正用粒子懸濁液は炭化ケイ素からなる研磨材粒子を測定する際の円形度の校正に用いた例を示したが、これに限らず、例えばダイヤモンド、アルミナ、炭化ホウ素、酸化ジルコニア、酸化ケイ素、ガーネットなどからなる研磨材粒子を測定する際の円形度の校正にも好適に用いることができる。
また、本実施の形態において、ツバキの花粉又は珪藻を含有する円形度校正用粒子懸濁液を自動分析装置に供給したのち、自動焦点シーケンスを実行することにより焦点位置を調整する例を説明したが、オペレータが手動で焦点調整を行なっても構わない。
なお、本実施形態においては、円形度校正用粒子懸濁液に含有される校正用粒子を撮像し、撮像された画像に基づいて焦点調整を行なうことにより円形度の校正を行う例を示したが、本発明はこれに限られず、種々の変更を伴い得るものである。例えば、予め円形度の値づけがされた円形度校正用粒子懸濁液をキャリブレータとして使用し、撮像された画像に基づいて算出される円形度の測定値が値づけされた円形度の値と一致するよう粒子画像分析装置の設定を調整することにより円形度の校正を行うように用いることも可能である。
粒子画像分析システムの全体構成を示した斜視図である。 粒子画像分析システムの構成を示すブロック図である。 粒子画像分析システムの全体構成を示した概略図である。 支持機構部の構造を示した平面図である。 粒子画像処理装置の動作を示すフローチャートである。 自動焦点シーケンスが実行されたときの粒子画像処理装置の動作を示すフローチャートである。 画像データ分析装置による画像解析処理の手順を示したフローチャートである。 2値化画像の説明図である。
符号の説明
100 粒子画像分析システム
1 粒子画像処理装置
2 画像データ分析装置
2a 画像表示部
2b キーボード
2c 画像解析部
3 流体機構部
4 照明光学系
5 撮像光学系
6 画像処理部
7 フローセル
8 供給機構部
9 支持機構部

Claims (8)

  1. 粒子を撮像し、撮像した粒子画像から円形度を算出する粒子画像分析装置の校正に用いられる円形度校正用粒子懸濁液であって、
    トナー粒子を測定する際の円形度の校正に用いられ、ツバキ科植物の花粉を含有することを特徴とする円形度校正用粒子懸濁液。
  2. 前記トナー粒子は、非球形トナー粒子であることを特徴とする請求項1に記載の円形度校正用粒子懸濁液。
  3. 前記花粉はツバキの花粉であることを特徴とする請求項1又は2に記載の円形度校正用粒子懸濁液。
  4. 前記花粉はサザンカの花粉であることを特徴とする請求項1又は2に記載の円形度校正用粒子懸濁液。
  5. 粒子を撮像し、撮像した粒子画像から円形度を算出する粒子画像分析装置の校正に用いられる円形度校正用粒子懸濁液であって、
    研磨材粒子を測定する際の円形度の校正に用いられ、珪藻を含有することを特徴とする円形度校正用粒子懸濁液。
  6. 前記珪藻は羽状珪藻であることを特徴とする請求項5に記載の円形度校正用粒子懸濁液。
  7. フローセルに請求項1乃至4のいずれか一項に記載の円形度校正用粒子懸濁液を供給するステップと、
    フローセル中の校正用粒子を撮像し、撮像された画像に基づいて円形度の校正を行うステップと、
    フローセルにトナー粒子を含有する懸濁液を供給するステップと、
    前記焦点位置においてフローセル中のトナー粒子を撮像するステップと、
    撮像されたトナー粒子画像から円形度を算出するステップと、からなることを特徴とする粒子画像分析装置を用いた分析方法。
  8. フローセルに請求項5又は6に記載の円形度校正用粒子懸濁液を供給するステップと、
    フローセル中の校正用粒子を撮像し、撮像された画像に基づいて円形度の校正を行うステップと、
    フローセルに研磨材粒子を含有する懸濁液を供給するステップと、
    前記焦点位置においてフローセル中の研磨材粒子を撮像するステップと、
    撮像された研磨材粒子画像から円形度を算出するステップと、からなることを特徴とする粒子画像分析装置を用いた分析方法。
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