JP2009107319A - インクジェット記録材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上にシリカ微粒子と水溶性樹脂とを含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記インク受容層の支持体から最も遠い最表面における炭素/ケイ素質量比の算術平均値を2.5〜7.0とし、前記最表面から5μmまでの深さにおける炭素/ケイ素質量比の算術平均値を1.5〜4.0とする。
【選択図】なし
Description
特にインクジェット記録用の媒体に要求される特性としては、一般に、(1)速乾性があること(インク吸収速度が大きいこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(クスミのないこと)、(7)印画部の耐光性、耐ガス性、耐水性が良好なこと、(8)記録面の白色度が高いこと、(9)記録媒体の保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像が滲まないこと)、(10)変形し難く寸法安定性が良好であること(カールが十分小さいこと)、(11)ハード走行性が良好であること等が挙げられる。更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的で用いられるフォト光沢紙の用途としては、上記特性に加えて光沢性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
本発明は、高い光沢度と良好なインク吸収性を有するインクジェット記録材料を提供することを目的とする。
<1> 支持体上にシリカ微粒子と水溶性樹脂とを含有するインク受容層を有し、前記インク受容層の支持体から最も遠い最表面における炭素/ケイ素質量比の算術平均値が2.5〜7.0であって、前記最表面からインク受容層の厚み方向に5μmまでの深さにおける炭素/ケイ素質量比の算術平均値が1.5〜4.0であるインクジェット記録材料。
<2> 前記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコールであることを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録材料。
<3> 前記インク受容層は、架橋剤を更に含有することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録材料。
<4> 前記架橋剤は、ホウ素化合物であることを特徴とする前記<3>に記載のインクジェット記録材料。
一方、最表面からインク受容層の厚み方向に5μmまでの深さにおける炭素/ケイ素質量比の算術平均値が0.5未満ではインク受容層の強度が低下する。また、最表面から5μmまでの深さにおける炭素/ケイ素質量比の算術平均値が4.0を超えるとインク吸収性が低下する。
本発明において、インク受容層の支持体から最も遠い面(最表面)における炭素/ケイ素質量比の算術平均値は、X線光電子分光装置(ESCA、XPS)を用いて、常法により測定することができる。X線光電子分光装置としては通常用いられる装置を用いることができる。具体的には、クレイトス社製AXIS−HSiを用いて以下のように測定される。
X線源として単色化したAlKα線(加速電圧15kV、150W)を用い、直径約1mmの円形領域について、真空度1〜9×10−8torr、光電子の取り込み角度90°、パスエネルギー40eVで、C1sピークとSi2pピークを測定してC/Siの存在モル比として測定することができる。
断面試料に約3nmの白金をスパッタコーティングし、SEM観察(加速電圧20kV)後、最表面から深さ5μmまでの範囲を、電子ビーム電流量を一定値に調整して走査し、X線取り込みを100秒間行うことにより、得られたスペクトルからC/Si質量比の算術平均値を算出することができる。
本発明のインクジェット記録材料におけるインク受容層は、少なくとも1種のシリカ微粒子を含むことを特徴とするが、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で他の無機微粒子を含むことができる。他の無機微粒子として具体的には、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト等を挙げることができる。
また、シリカ微粒子のBET法による比表面積は200m2/g以上が好ましく、250m2/g以上がさらに好ましく、380m2/g以上が特に好ましい。シリカ微粒子の比表面積が200以上m2/gであると、インク受像層の透明性が高く、印画濃度を高く保つことが可能である。
本発明においては、上記乾式法で得られる気相法シリカ微粒子(無水シリカ)が好ましく、更に微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2であるシリカ微粒子が好ましい。
本発明に最も好ましく用いられるシリカ微粒子は、BET法による比表面積が200m2/g以上の気相法シリカである。
本発明のインクジェット記録材料におけるインク受容層は、少なくとも1種の水溶性樹脂を含むことを特徴とする。前記水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂である、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;親水性のエーテル結合を有する樹脂である、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE);親水性のアミド基又はアミド結合を有する樹脂である、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等を挙げることもできる。
インクジェット記録媒体において、上述のようにして得られた多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みのない真円性の良好なドットを形成することができる。
また、本発明におけるポリビニルアルコールの重合度には特に制限はなく、例えば300〜4500のものを用いることができる。中でもインク受容層のひび割れ防止とインク受容層の形成安定性の観点から、1500〜3600であることが好ましく、2000〜3500であることがより好ましい。
本発明において、インク受容層全体におけるシリカ微粒子(x)と水溶性樹脂(y)との含有比〔PB比(x/y)、水溶性樹脂1質量部に対するシリカ微粒子の質量〕は、インク受容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、PB比が大きくなると、空隙率や細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。具体的には、上記PB比(x/y)としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5/1〜10/1が好ましい。
本発明におけるインク受容層は、インク受容層の強度の観点から、架橋剤を含むことが好ましい。本発明に係るインク受容層は、該架橋剤による水溶性樹脂の架橋反応によって硬化された多孔質層である態様が好ましい。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N'−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
本発明におけるインク受容層は水溶性アルミニウム化合物を含むことが好ましい。水溶性アルミニウム化合物を用いることにより形成画像の耐水性及び耐経時にじみの向上を図ることができる。
水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物がある。これらの中でも、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
〔Al(OH)3〕nAlCl3 1<n<2 (式2)
Aln(OH)mCl(3n−m) 0<m<3n、 5<m<8 (式3)
本発明におけるインク受容層はジルコニウム化合物を含むことが好ましい。ジルコニウム化合物を用いることにより、より効果的に耐水性が向上する。
本発明に用いられるジルコニウム化合物としては、特に限定されず種々の化合物が使用できるが、例えば、酢酸ジルコニル、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が挙げられる。中でも特に酢酸ジルコニルが好ましい。
具体的には、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、リンタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリン酸n水和物、12タングストケイ酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドリン酸n水和物等が挙げられる。
本発明のインク受容層は、必要に応じて下記成分を含有させて構成される。
即ち、インク色材の劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
上記紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒンダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なくとも2位又は6位の内、1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
また、無機微粒子の分散性を高める目的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を含んでいてもよい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。インク受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。またCD−ROM、DVD−ROM等の読み出し専用光ディスク、CD−R、DVD−R等の追記型光ディスク、更には書き換え型光ディスクを支持体として用い、レーベル面側にインク受容層を付与することもできる。
上記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い易さの点で、50〜200μmが好ましい。
白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。更に、銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート紙も好適である。
また、上記支持体の表面には、濡れ特性及び接着性を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使用するのが好ましい。
上記原紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。前記木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、10質量%〜70質量%が好ましい。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
原紙のpHは、JIS P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
本発明においてインク受容層形成用塗布液は、例えば、シリカ微粒子とジルコニウム化合物とを高圧分散機を用いて、対向衝突させて、又は、オリフィスを通過させて分散することによりシリカ微粒子分散液を調製し、これに水溶性樹脂を添加して調製することができる。
前記高圧ホモジナイザーの代表例としては、ナノマイザー製の商品名;ナノマイザー、マイクロフルイディクス製の商品名;マイクロフルイダイザー、及びスギノマシン製のアルティマイザーなどを挙げることができる。
また、前記オリフィスを通過させる場合におけるオリフィスの入口側と出口側の差圧も、前記処理圧力と同様に、50MPa以上、好ましくは100MPa以上、さらに好ましくは130MPa以上が望ましい。
添加剤としては、例えば、ノニオン性またはカチオン性の各種の界面活性剤(アニオン性界面活性剤は凝集物を形成するために好ましくない)、消泡剤、ノニオン性の親水性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオン性またはカチオン性のラテックス分散液、水混和性有機溶媒(酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、アセトンなど)、無機塩類、pH調整剤などが挙げられ、これらは必要に応じて適宜使用することができる。
このようにして架橋硬化させたインク受容層を設けることは、インク吸収性や膜のヒビ割れ防止などの観点から好ましい。
ここでいう強乾燥条件、緩和された乾燥条件については、インク受容層塗布液の組成、塗布量等に応じて、乾燥温度、乾燥風量、乾燥空気の露点等をそれぞれ適宜設定することができる。
(支持体の作製)
アカシアからなるLBKP50部及びアスペンからなるLBKP50部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解し、パルプスラリーを調製した。
次いで、前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当たり、カチオン性デンプン(日本NSC製 CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光化学製 ポリアクロンST−13)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製 サイズパインK)0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学製 アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6Kg/cmに設定して乾燥を行った後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニルアルコール((株)クラレ製 KL−118)を1g/m2塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は157g/m2で抄造し、厚さ157μmの原紙(基紙)を得た。
下記「シリカ分散液A」の組成に従って、シリカ微粒子とイオン交換水とジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体(第一工業製薬製、シャロールDC902P)と酢酸ジルコニルとを混合し、液液衝突型分散機(スギノマシン社製、アルティマイザー)で分散した後、分散液を45℃に加熱して、20時間保持してシリカ分散液Aを作製した。
得られたシリカ分散液Aに、下記組成からなるポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液Aの31.2部を30℃にて添加し、インク受容層形成用塗布液Aを調製した。
インク受容層形成用塗布液Aにおける水溶性樹脂に対するシリカ微粒子の質量比(P/B比=シリカ微粒子/水溶性樹脂)は4.0/1であり、pHは3.4であった。
(1)シリカ微粒子 8.9部
(日本アエロジル(株)製、AEROSIL300SF75)
(2)イオン交換水 1.0部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%溶液) 0.78部
(第一工業製薬(株)製、分散剤)
(4)酢酸ジルコニル(50%溶液) 0.48部
(第一稀元素化学工業(株)製、ジルコゾールZA−30)
(1)ポリビニルアルコール 2.2部
(日本酢ビ・ポバール製、「JM−33」、鹸化度94.3mol%、重合度3300)
(2)イオン交換水 28.2部
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.7部
(協和発酵ケミカル(株)製、ブチセノール20P)
(4)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.1部
(花王(株)製、エマルゲン109P)
下記「シリカ分散液B」の組成に従って、シリカ微粒子とイオン交換水とジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体(第一工業製薬製、シャロールDC902P)と酢酸ジルコニルとメチオニンスルホキシドとホウ酸とを混合し、液液衝突型分散機(スギノマシン社製、アルティマイザー)で分散した後、分散液を45℃に加熱して、20時間保持してシリカ分散液Bを作製した。
次いでシリカ分散液Bに下記組成からなるポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液Bの31.2部とカチオン変性ポリウレタン(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650(25%液))3.1部とを30℃にて添加し、インク受容層形成用塗布液Bを調製した。
インク受容層形成用塗布液Bにおける水溶性樹脂に対するシリカ微粒子の質量比(P/B比=シリカ微粒子/水溶性樹脂)は4.0/1であり、pHは3.8であった。
(1)シリカ微粒子 8.9部
(日本アエロジル(株)製、AEROSIL300SF75)
(2)イオン交換水 1.0部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%溶液) 0.78部
(第一工業製薬(株)製、分散剤)
(4)酢酸ジルコニル(50%溶液) 0.24部
(第一稀元素化学工業(株)製、ジルコゾールZA−30)
(5)30%メチオニンスルホキシド 1.76部
(6)ホウ酸(架橋剤) 0.4部
(1)ポリビニルアルコール 2.2部
(日本酢ビ・ポバール製、「JM−33」、鹸化度94.3mol%、重合度3300)
(2)イオン交換水 28.2部
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.7部
(協和発酵ケミカル(株)製、ブチセノール20P)
(4)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.1部
(花王(株)製、エマルゲン109P)
支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、インク受容層形成用塗布液Bの97ml/m2に対して、下記組成からなるインライン液を6.4ml/m2の速度でインライン混合した下層用塗布液と、インク受容層形成用塗布液Aの88ml/m2に対して、下記組成からなるインライン液を19.2ml/m2の速度でインライン混合した上層用塗布液とをエクストルージョンダイコーターで塗布を行い、塗布層を形成した。
(1)ポリ塩化アルミニウム水溶液 2.0部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83、塩基度83%)
(2)イオン交換水 7.8部
(3)SC−505(ハイモ(株)製) 0.2部
(1)ホウ酸 1.3部
(2)炭酸アンモニウム(1級) 5.0部
(関東化学(株))
(3)炭酸ジルコニウムアンモニウム(28%水溶液) 2.5部
(第一稀元素化学工業(株)製、ジルコソールAC−7)
(4)イオン交換水 85.2部
(5)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 6.0部
(花王(株)製、エマルゲン109P、10%水溶液、HLB値13.6)
実施例1において塗布層の乾燥を、塗布層の固形分濃度が17%になるまでを、90℃の代わりに105℃(露点23℃)で乾燥させ、塗布層の固形分濃度が24%になるまでを55℃の代わりに、50℃(露点23℃)で乾燥させた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
<インク受容層形成用塗布液Cの調製>
下記「シリカ分散液C」の組成に従って、シリカ微粒子とイオン交換水とジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P)と酢酸ジルコニルとを混合し、液液衝突型分散機(スギノマシン社製、アルティマイザー)で分散した後、分散液を45℃に加熱して、20時間保持してシリカ分散液Cを作製した。
次いでシリカ分散液Cに下記組成からなるポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液C31.2部とホウ酸0.4部とカチオン変性ポリウレタン(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650(25%液))2.2部とSC−505(ハイモ(株)製)0.23部とを30℃にて添加し、インク受容層形成用塗布液Cを調製した。
(1)シリカ微粒子 8.9部
(日本アエロジル(株)製、AEROSIL300SF75)
(2)イオン交換水 50部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%溶液) 0.78部
(第一工業製薬(株)製、分散剤)
(4)酢酸ジルコニル(50%溶液) 0.48部
(第一稀元素化学工業(株)製、ジルコゾールZA−30)
(1)ポリビニルアルコール 2.2部
((株)クラレ製、「PVA235」、鹸化度88mol%、重合度3500)
(2)イオン交換水 28部
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.7部
(協和発酵ケミカル(株)製、ブチセノール20P)
(4)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.1部
(花王(株)製、エマルゲン109P)
実施例1と同様にして作製した支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、インク受容層形成用塗布液Cの206ml/m2に対して、上記組成からなるインライン液を12ml/m2の速度でインライン混合した塗布液を用いて塗布を行い、塗布層を形成した。
実施例1と同様にして作製した支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行った後、下記組成からなる下引き層をゼラチン含量が50mg/m2となるように形成した後、下引き層上に実施例1と同様にしてインク受容層形成用塗布液の塗布層を形成した。塗布層の乾燥を5℃で30秒間冷却後、45℃(露点5℃)で行い、塩基性溶液の付着を行わずにインクジェット記録材料を作製した。
(1)石灰処理ゼラチン 100部
(2)スルホコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
(3)クロムミョウバン 10部
実施例1において塗布層の乾燥を、塗布層の固形分濃度が17%になるまでを、90℃の代わりに100℃(露点23℃)で乾燥させ、塗布層の固形分濃度が24%になるまでを55℃の代わりに、65℃(露点23℃)で乾燥させた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
<インク受容層形成用塗布液Dの調製>
下記組成からなるインク受容層形成用塗布液Dを気相法シリカの固形分濃度が9%となるようにホモジナイザーで分散して調製した。
「インク受容層形成用塗布液D」
(1)気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g、分散度0.4)
(2)ジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマー 4部
(3)ホウ酸 8部
(4)ポリビニルアルコール 40部
(鹸化度88mol%、重合度3500)
(5)界面活性剤 0.3部
下記組成からなるインク受容層形成用塗布液Eを気相法シリカの固形分濃度が9%となるようにホモジナイザーで分散して調製した。
「インク受容層形成用塗布液E」
(1)気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g、分散度0.4)
(2)ジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマー 4部
(3)ホウ酸 4部
(4)ポリビニルアルコール 20部
(鹸化度88mol%、重合度3500)
(5)界面活性剤 0.3部
実施例1と同様にして作製した支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行った後、上記組成からなる下引き層をゼラチン含量が50mg/m2となるように形成した。下引き層上に、下層用塗布液としてインク受容層形成用塗布液Eを用い、上層用塗布液としてインク受容層形成用塗布液Dを用い、上層に対する下層の気相法シリカの含有量比が90/10(下層/上層)であって、気相法シリカの全塗布量が15g/m2となるようにスライドビート塗布装置で同時重層塗布を行い、塗布層を形成した。
形成した塗布層を5℃で30秒間冷却後、塗布層の固形分濃度が90%になるまで45℃(10%RH)で乾燥を行い、次いで35℃(10%RH)で乾燥を行い、インクジェット記録材料を作製した。
<シリカ分散液Fの調製>
一次粒子の平均粒径が12nmの気相法シリカ(トクヤマ社製:QS−20)46kgを、三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキサーD−TDSを用いて、硝酸でpHを3.0に調整した純水中に室温で吸引分散した後、純水で全量を200Lに仕上げて、シリカ分散液−1を調製した。
40℃で攪拌しながら、得られたシリカ分散液Fの610mlに、以下の添加剤を順次混合した後、純水を加えて1000mlとして、インク受容層形成用塗布液Fを調製した。
((株)クラレ製、PVA203)
・ポリビニルアルコール(6.5%水溶液) 240ml
((株)クラレ製、PVA245)
・サポニン(35%水溶液) 3.0ml
40℃で攪拌しながら、得られたシリカ分散液Fの300mlに、以下の添加剤を順次混合した後、純水を加えて1000mlとして、インク受容層形成用塗布液Gを調製した。
((株)クラレ製、PVA203)
・ポリビニルアルコール(6.5%水溶液) 240ml
((株)クラレ製、PVA245)
・シリコーンオイル分散液 4ml
(東レダウコーニング・シリコーン社製、BY22−839)
・サポニン(35%水溶液) 1.5ml
・下記フッ素系界面活性剤F−2 5ml
(水:イソプロピルアルコール=1:1の 4%溶液)
C8F17CONH(CH2)3−N+(CH3)2CH2COO−
実施例1と同様にして作製した支持体上に、下層用塗布液としてインク受容層形成用塗布液Fを用いて下層の塗布膜厚が150μmとなるように、また、上層用塗布液としてインク受容層形成用塗布液Gを用いて上層の乾燥膜厚が2.2μmとなるように、それぞれの塗布液を40℃で2層スライドホッパーコーターを用いて塗布を行い、塗布層を形成した。
形成した塗布層を8℃で20秒間冷却後、20〜30℃の風で60秒間、45℃の風で60秒間、50℃の風で60秒間順次乾燥し、23℃、相対湿度40〜60%で調湿し、インクジェット記録材料を作製した。
実施例3のインク受容層形成用塗布液Cの調製において、ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液Cの添加量を624部に変更した以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインク受容層形成用塗布液Aの調製において、ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液Aの添加量を15.6部に変更し、インク受容層形成用塗布液Bの調製において、ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液Bの添加量を15.6部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を作製した。
実施例1において塗布層の乾燥を、塗布層の固形分濃度が17%になるまでを、90℃の代わりに100℃(露点23℃)で乾燥させ、塗布層の固形分濃度が24%になるまでを55℃の代わりに、60℃(露点23℃)で乾燥させた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
作製したインクジェット記録材料について、下記評価を行った。評価結果を表1に示した。尚、比較例6で作製したインクジェット記録材料では、インク受容層に割れが発生したため、光沢度及びインク吸収性の評価はできなかった。
<光沢度>
光沢度は、デジタル変角光沢度計(UGV-50DP、スガ試験機(株)製)を用いて、60°、75°の鏡面光沢として測定した。
純正インクセットを装填したインクジェットプリンター(エプソン(株)製の「PMA−820」)を用いて、23℃、50%RHにて1日調湿したインクジェット記録材料上に、黒のベタ画像を印画した。インクのあふれの有無を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
○:インクのあふれは認められなかった。
△:インクのあふれがやや認められ、実用上問題があるレベルであった。
×:インクのあふれが大きく認められた。
最表面における炭素/ケイ素比(C/Si(表面))の算術平均値は、X線光電子分光装置(XPSまたはESCA)を用いて測定した。
X線光電子分光装置は、クレイトス社製AXIS−HSiを用いた。得られたインクジェット記録材料を適当な大きさに裁断して試料台に固定し、予備排気後装置内に導入した。X線源は加速電圧15kv、150Wで発生したAlKα線を単色化したものを用い、磁気レンズ使用時の測定面積は直径約1mmの円形であった。真空度1〜9×10−8torr、試料から発生する光電子の取り込み角度90°、パスエネルギー40eVでC1sピークとSi2pピークの測定を行った。得られたピークの面積(カウント・eV/sec)に対し、各元素の相対感度係数としてC1sについては0.278を、Si2pについては0.328を考慮してC/Siの存在モル比を求めた。
最表面から5μmまでの深さにおける炭素/ケイ素質量比(C/Si(5μm))の算術平均値は、SEM-EDX装置を用いて測定した。
得られたインクジェット記録材料をライカ社製ウルトラカットUCTでダイヤモンドナイフを用いて切断して、インク受容層の断面試料を作製した。これを適当な大きさに裁断して試料台に固定し、約3nmの厚みの白金をスパッタコーティングした。
SEM-EDX装置は日本電子(株)製JSM−6700とエダックス社製Genesisを用いた。
試料を装置内に導入し、加速電圧20kV、倍率1500倍で断面をSEM観察し、SEM画像上で最表面からインク受容層の厚み方向に5μmまでの深さと、支持体に平行な方向に70μmの長さとからなる長方形の領域(5μm×70μm)に電子ビームを照射し、そこから発生するX線を取り込み測定した。測定は電子ビーム電流量を一定値に調整し、100秒間取り込みを行い、得られたスペクトルから装置付属の解析ソフトを用い、C/Si質量比の算術平均値を求めた。
Claims (4)
- 支持体上にシリカ微粒子と水溶性樹脂とを含有するインク受容層を有し、前記インク受容層の支持体から最も遠い最表面における炭素/ケイ素質量比の算術平均値が2.5〜7.0であって、前記最表面から前記インク受容層の厚み方向に5μmまでの深さにおける炭素/ケイ素質量比の算術平均値が1.5〜4.0であるインクジェット記録材料。
- 前記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録材料。
- 前記インク受容層は、架橋剤を更に含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録材料。
- 前記架橋剤は、ホウ素化合物であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録材料。
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