JP2009105120A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 染み込みゲート構造を有し、ゲート電極下端の寸法を長くすることなく、実効ゲート長を短くすることが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】 半導体基板の上にチャネル層(22)及び電子供給層(28)が配置されている。電子供給層内に、第1及び第2のドープ層(24,27)が配置されている。第2のドープ層の方が第1のドープ層よりも上に配置されている。電子供給層の上に、ソース導電体(33)及びドレイン導電体(34)が配置されている。ソース導電体及びドレイン導電体の間の電子供給層の上に、ゲート電極(36)が配置されている。ゲート電極の直下の電子供給層内に、第1のゲート電極に連続するように、ゲート合金化領域(37)が配置されている。ゲート合金化領域は、電子供給層の構成元素と金属との合金で形成され、第2のドープ層よりも深い位置まで達し、第1のドープ層までは達していない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高速動作、及びエンハンスメント動作に適した半導体装置及びその製造方法に関する。
一般に、高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、高周波特性及び高速動作性が良好な素子として、高周波素子及び高速素子として用いられている。特に、In組成比が0.53よりも大きなInGaAsをチャネル層として持つInP系HEMTは、遮断周波数500GHz以上の高速特性が得られる超高速素子として、超高速動作集積回路素子やミリ波帯用モノリシックマイクロ波集積回路素子(MMIC)への応用が期待されている。
エンハンスメントモードHEMTは、負電源なしで動作可能なため、エンハンスメントモードHEMTを採用することによりシステムを簡略化することが可能である。また、エンハンスメントモードHEMTとディプレッションモードHEMTとを集積化することにより、回路方式を簡略化することが可能である。
下記の非特許文献1に、埋め込みゲート構造を用いたエンハンスメントモードHEMTが開示されている。埋め込みゲートは、半導体層に凹部を形成し、この凹部内にゲート下端を埋め込むことにより形成される。この方法では、凹部を形成するときに半導体層にダメージが加わるため、素子特性が劣化する。
下記の特許文献2に、染み込みゲート(シンキングゲート)構造を用いたエンハンスメントモードHEMTが開示されている。染み込みゲート構造では、ゲート直下の半導体層に金属を染み込ませて合金化することにより、ゲート電極を埋め込んだ構造と同一の効果を得ている。
特開平4−212427号公報 T. Suemitsu et al. "High-Performance 0.1-μm Gate Enhancement-Mode InAlAs/InGaAs HEMT's Using Two-step Recessed gate Technology", IEEE Trans. on Electron Devices, Vol.46, No.6, pp.1074-1080 (1999)
染み込みゲート構造では、金属が半導体層の厚さ方向に拡散すると同時に、横方向にも拡散する。金属が拡散して形成される合金化領域が横方向に広がると、実効ゲート長が長くなってしまう。ゲート電極下端のゲート長方向の寸法は、合金化領域の横方向の広がりを考慮して、実効ゲート長よりもさらに短くしなければならない。このため、ゲート電極の機械的強度が低下し、製品の歩留まり向上を図ることが困難である。
本発明の目的は、染み込みゲート構造を有し、ゲート電極下端の寸法を長くすることなく、実効ゲート長を短くすることが可能な半導体装置及びその製造方法を提供することである。
この半導体装置は、
半導体基板の上に配置された、半導体材料からなるチャネル層と、
前記チャネル層の上に配置され、該チャネル層よりも電子親和力の小さな半導体材料からなる電子供給層と、
前記電子供給層内に配置された第1及び第2のドープ層であって、該第1及び第2のドープ層にはn型不純物がドープされており、該第2のドープ層の方が該第1のドープ層よりも上に配置されている前記第1及び第2のドープ層と、
前記電子供給層の上に、相互にある間隔を隔てて配置され、前記チャネル層にオーミック接続された第1のソース導電体及び第1のドレイン導電体と、
前記第1のソース導電体及び第1のドレイン導電体の間の前記電子供給層の上に、該第1のソース導電体及び該第1のドレイン導電体のいずれとも間隔を隔てて配置された第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極の直下の前記電子供給層内に、該第1のゲート電極に連続するように配置され、該電子供給層の構成元素と金属との合金で形成され、前記第2のドープ層よりも深い位置まで達し、前記第1のドープ層までは達していない合金化領域と
を有する。
この半導体装置の製造方法は、
半導体基板の上に、半導体材料からなるチャネル層を形成する工程と、
前記チャネル層の上に、該チャネル層よりも電子親和力の小さな半導体材料からなり、内部に第1及び第2のドープ層が配置された電子供給層を形成する工程であって、該第1及び第2のドープ層にはn型不純物がドープされ、該第2のドープ層の方が該第1のドープ層よりも上に配置されるように前記電子供給層を形成する工程と、
前記電子供給層の上に、相互にある間隔を隔てて配置され、前記チャネル層にオーミック接続される第1のソース導電体及び第1のドレイン導電体を形成する工程と、
前記第1のソース導電体及び第1のドレイン導電体の間の前記電子供給層の上に、該第1のソース導電体及び該第1のドレイン導電体のいずれとも間隔を隔てて第1のゲート電極を形成する工程と、
熱処理を行い、前記第1のゲート電極の下端の構成原子を前記電子供給層内に拡散させて、前記第2のドープ層よりも深い位置まで達し、前記第1のドープ層までは達しない合金化領域を形成する工程と
を有する。
ゲート合金化領域が第2のドープ層よりも深い位置まで達しているため、第1のドープ層が、ゲート電極の下方の不純物濃度に寄与し、第2のドープ層は寄与しない。この部分の不純物濃度が低くなるため、エンハンスメントモードにしやすくなる。ゲート電極とソース導電体との間、及びゲート電極とドレイン導電体との間の電子供給層の不純物濃度には、第1及び第2のドープ層の両方が寄与する。このため、ゲートリセス領域のチャネル抵抗の上昇を抑制することができる。
図1に、第1の実施例による半導体装置の断面図を示す。半絶縁性のInPからなる基板20の上に、バッファ層21、チャネル層22、及び電子供給層28がこの順番に積層されている。
バッファ層21は、例えばIn組成比0.52のアンドープのInAlAsで形成され、その厚さは300nmである、チャネル層3は、例えばIn組成比0.53のアンドープInGaAsで形成され、その厚さは15nmである。In組成比を0.53以上にすることにより、遮断周波数500GHz以上の超高速素子を実現することができる。
電子供給層28は、基板側からスペーサ層23、第1δドープ層24、バリア層25、及びストッパ層26がこの順番に積層された構造を有する。ストッパ層26内に第2δドープ層27が配置されている。
スペーサ層23及びバリア層25は、例えばIn組成比0.52のアンドープInAlAsで形成され、その厚さはそれぞれ3nm及び5nmである。第1δドープ層24は、1原子層分以下のSiを堆積させることにより形成される。Siのドーピング濃度は、4×1012cm−2である。
ストッパ層26は、例えばアンドープのInPで形成され、その厚さは5nmである。第2のδドープ層27は、ストッパ層26の上面から深さ2nmの位置に配置されており、ほぼ1原子層分以下のSiを堆積させることにより形成される。Siのドーピング濃度は、1×1012cm−2である。
電子供給層28の上にキャップ層29が配置されている。キャップ層29は、例えばIn組成比0.53のSiドープInGaAsで形成され、その厚さは50nmである。キャップ層29のドーピング濃度は1×1019cm−3である。素子分離領域のキャップ層29からバッファ層21の途中までの各層を除去することにより、素子分離が行われている。キャップ層29に、電子供給層28の上面まで達するゲートリセス35が形成されている。これにより、キャップ層29は、面内方向にある間隔を隔てて配置された2つの部分に分離される。
キャップ層29の2つの部分の上に、それぞれソース電極31及びドレイン電極32が配置されている。ソース電極31及びドレイン電極32は、例えばMo、Ti、Pt、及びAuがこの順番に積層された積層構造を有する。ソース電極31と、その下のキャップ層29とを、ソース導電体33と呼び、ドレイン電極32と、その下のキャップ層29とを、ドレイン導電体34と呼ぶこととする。ソース導電体33及びドレイン導電体34の各々は、チャネル層22とオーミックに接続される。
ゲートリセス35の底面に露出している電子供給層28の上に、断面がT字型のゲート電極36が形成されている。ゲート電極36は、ソース導電体33及びドレイン導電体34のいずれからも、ある間隔を隔てて配置されている。ゲート電極36は、例えばTi、Pt、及びAuがこの順番に積層された積層構造を有する。
ゲート電極36の直下の電子供給層28に、ゲート合金化領域37が配置されている。ゲート合金化領域37は、電子供給層28内にPtを拡散させて合金化させることにより形成され、ゲート電極36に連続している。ゲート合金化領域37は、第2δドープ層27よりも深い位置まで達し、第1δドープ層24までは達していない。また、ゲート合金化領域37は、ゲート電極36の下端の側面よりも外側まで、横方向に張り出している。横方向への張り出しの長さは、ゲート合金化領域37の深さとほぼ等しい。ゲート合金化領域37と電子供給層28との界面は、ショットキ接触とされている。
次に、図2A〜図2Eを参照して、第1の実施例による半導体装置の製造方法について説明する。
図2Aに示すように、半絶縁性のInPからなる基板20の上に、有機金属気相成長(MOVPE)により、バッファ層21からキャップ層29までの各層をエピタキシャル成長させる。第1δドープ層24及び第2δドープ層27は、As原料とSi原料とを同時に供給することにより形成する。As原料を供給するのは、III族元素に比べて蒸気圧の高いAsの蒸発を防止するためである。
第1δドープ層24の形成時には、表面内におけるSi面密度が、4×1012cm−2になるように、原料ガスの供給量及び成長時間を制御する。第2δドープ層27の形成時には、表面内におけるSi面密度が、1×1012cm−2になるように、原料ガスの供給量及び成長時間を制御する。
図2Bに示すように、素子形成予定領域以外の領域を、バッファ層21に到達するまでエッチングすることにより、素子分離を行う。InGaAs層及びInAlAs層のエッチングには、リン酸系をエッチャントを用い、InP層のエッチングには、塩酸系のエッチャントを用いる。
図2Cに示すように、リソグラフィ、蒸着、及びリフトオフ技術を用いて、キャップ層29の上に、相互に間隔を隔てて、ソース電極31及びドレイン電極32を形成する。ソース電極31及びドレイン電極32は、キャップ層29側から、Mo、Ti、Pt、及びAuが順番に積層された積層構造を有する。
図2Dに示すように、ソース電極31とドレイン電極32との間のキャップ層29をリソグラフィ及びウェットエッチング技術を用いて除去することにより、ゲートリセス35を形成する。ゲートリセス35の底面に、ストッパ層26の表面が露出する。ソース電極31は、その下のキャップ層29にオーミック接触し、キャップ層29とチャネル層22とは、トンネル電流が流れることによってオーミック接続される。同様に、ドレイン電極32とキャップ層29とからなるドレイン導電体34と、チャネル層22との間のオーミック接続が確保される。
図2Eに示すように、ゲートリセス35の底面に露出しているストッパ層27の上に、断面がT型のゲート電極36を、三層レジスト法を用いて形成する。ゲート電極36は、Pt、Ti、Pt、及びAuを順番に蒸着することにより形成される。最も下のPt層の厚さは、例えば3nmとする。
その後、窒素雰囲気中において、温度250℃で30分間の熱処理を行い、ゲート電極36の最も下に配置されていたPt層内のPt原子を電子供給層28内に拡散させ、合金化させる。これにより、図1に示したゲート合金化領域37が形成される。
ゲート電極36の最も下のPt層の上に配置されていたTi層内のTi原子は、この熱処理条件では、ほとんど電子供給層28内に拡散しない。例えば、Tiは、350℃以上の温度で熱処理すると、合金化するが、上記250℃の熱処理では、合金化しない。電子供給層28内に拡散したPtと、電子供給層28の構成元素とが反応して合金化されると、Ptの拡散は停止する。このため、ゲート合金化領域37の深さは、ゲート電極36の最も下に配置されていたPt層の膜厚に依存する。
本願発明者の実験によると、ゲート合金化領域37の深さは、Pt層の厚さとほぼ等しくなることがわかった。ゲート電極37の最も下に配置するPt層の厚さを制御することにより、ゲート合金化領域37の深さを制御することができる。ゲート電極36の下端にはTi層が現れ、このTi層がゲート合金化領域37に電気的に接続される。ゲート合金化領域37の深さを高精度に制御するために、ゲート合金化領域37を形成するための熱処理の温度を350℃よりも低くすることが好ましい。
図1に示すように、基板全面の上に、層間絶縁膜50を形成する。層間絶縁膜50には、例えばベンゾシクロブテン(BCB)等を用いることができる。層間絶縁膜50にビアホールを形成し、層間絶縁膜50の上に、複数の配線51を形成する。配線51は、それぞれビアホール内を経由して、ソース導電体33及びドレイン導電体34に接続される。なお、図1に示された断面以外の領域において、他の配線51がゲート電極36に接続される。配線51には、例えばAuを用いることができる。
第1の実施例においては、ゲート電極36の成膜直後における最も下のPt層の厚さが3nmであるため、ゲート合金化領域37の深さも約3nmになる。第2のδドープ層27が、ストッパ層26の表面から2nmの位置に配置されているため、ゲート合金化領域37は、第2δドープ層27よりも深い位置まで達する。ただし、第1δドープ層24までは達しない。また、Ptが横方向にも拡散するため、ゲート合金化領域37は、ゲート電極36の下端の側面から外側に約3nmだけ張り出す。
電子供給層28の各層を形成する半導体材料は、チャネル層22を形成する半導体材料よりも電子親和力が小さい。このため、電子供給層28は、チャネル層22に電子を供給する機能の他に、電子に対するポテンシャル障壁として機能する。これにより、チャネル層22内の、電子供給層28と接する領域に電子が蓄積される。
スペーサ層23は、電子供給層28内の不純物(実施例においてはSi)が、チャネル層22まで拡散することを防止する。バリア層25は、ゲートリセス35が形成された領域の下方にチャネルを形成するとともに、ゲートリーク電流を低減させる機能を持つ。ストッパ層26は、内部に第2δドープ層27を含むことによってチャネル層22に電子を供給する機能を持つとともに、キャップ層29をエッチングするときのエッチング停止層としての機能を持つ。
図3を参照して、上記第1の実施例による半導体装置の効果について説明する。ゲート合金化領域37の底面からチャネル層22までの電子供給層28の厚さをd、ゲート電極36の下端の幅(ゲート電極長)をLg、ゲート合金化領域37の幅(ゲート長)をLa、ソース導電体33からゲート合金化領域37までの距離をLs、ドレイン導電体34からゲート合金化領域37までの距離をLdとする。ゲート合金化領域37の下方の電子供給層28内の不純物濃度をNgとし、ソース導電体33とゲート合金化領域37の間、及びドレイン導電体34とゲート合金化領域37の間の電子供給層28内の不純物濃度をNrとする。
閾値電圧Vthは、
Vth=Φm−ΔEc−q・Ngd/(2ε)・・・(1)
と表される。ここで、Φmは、ゲート合金化領域37と電子供給層28との界面のショットキ障壁の高さ、ΔEcは、チャネル層22と電子供給層28との界面における伝導帯下端の不連続量、qは素電荷、εは電子供給層28の誘電率である。
図3に示した半導体装置(HEMT)をエンハンスメントモード(閾値電圧を正)にするためには、不純物濃度Ng及び厚さdを小さくする必要がある。このためには、ゲート合金化領域37を深くすることが望ましい。ところが、ゲート合金化領域37を深くすると、Ptが横方向に拡散する距離も長くなってしまう。このため、ゲート長Laとゲート電極長Lgとの差が大きくなってしまう。ゲート長Laを短くするためには、ゲート電極長Lgをより短く(ゲート電極36の下端を細く)しなければならない。ゲート電極長Lgが短くなると、ゲート電極36の機械的強度が低下し、歩留まりの低下に繋がる。
第1の実施例においては、ゲート合金化領域37が第2δドープ層27よりも深い領域まで達しているため、その下方の不純物濃度Ngは、第1δドープ層24にドープされた不純物のみに起因することになる。第2δドープ層27にドープされた不純物が、不純物濃度Ngに寄与しないため、不純物濃度Ngを低減させることができる。このため、エンハンスメントモードにするための厚さdへの要求が緩和され、ゲート合金化領域37を浅くすることが可能になる。
これにより、Ptの横方向の拡散を抑制し、ゲート電極36の機械的強度を維持したまま、ゲート長Laを短くすることが可能になる。例えば、ゲート合金化領域37の深さを3nmとし、ゲート張Laを50nmに設定したい場合、ゲート電極長Lgを44nmまで広くすることができる。ゲート電極長Lgが44nmであれば、ゲート電極36の十分な機械的強度が保たれる。
また、ゲート合金化領域37が配置されていない領域の電子供給層28内の不純物濃度Nrには、第1δドープ層24のみならず、第2δドープ層27にドープされた不純物も寄与する。このため、不純物濃度Nrが、ゲート合金化領域37の直下の不純物濃度Ngよりも高くなる。これにより、ゲート合金化領域37の直下の不純物濃度Ngを低くしてエンハンスメントモードにするとともに、チャネル抵抗が増大することを防止することができる。
比較のために、電子供給層28内に、第1δドープ層24を配置し、第2δドープ層27は配置しない構造を採用した場合について考察する。第1の実施例の場合と同程度のチャネル抵抗にするためには、第1δドープ層24のドープ量を、第1の実施例の第1δドープ層24のドープ量と第2δドープ層27のドープ量との和、すなわち5×1012cm−2程度まで多くしなければなら内ない。このドープ量で、かつエンハンスメントモードにするためには、厚さdを薄くするためにゲート合金化領域37の深さを約10nmにしなければならない。
このとき、Ptがゲート電極36の両側に10nmずつ拡散して、ゲート長Laがゲート電極長Lgよりも20nm長くなる。ゲート長Laを50nmにするためには、ゲート電極長Lgを30nmまで縮小しなければならない。このように、ゲート電極長Lgを縮小すると、ゲート電極36の十分な機械的強度を維持することができなくなり、歩留まりが低下してしまう。
第1の実施例では、ゲート電極36の機械的強度の維持、及びチャネル抵抗の増大防止といった相反する2つの要請を満足することが可能になる。
上記第1の実施例では、ゲート電極36を、Pt、Ti、Pt、及びAuを順番に蒸着することにより形成したが、最下層のPt層とTi層との間に、高融点金属層、例えばMo層を挿入してもよい。
上記第1の実施例では、ストッパ層26にInPを用いたが、キャップ層29のエッチング時にエッチング停止層として作用するその他の材料、例えばV族元素としてPを含む化合物半導体、具体的にはInGaP、InAlP等を用いてもよい。また、V族元素としてAsを含むInAlAsとInGaAsとの間で、ある程度のエッチング選択比を確保することが可能である。すなわち、ストッパ層26にInAlAsを用いることも可能である。この場合には、電子供給層28のうち、第1δドープ層24及び第2δドープ層27以外の部分が、すべてInAlAsで形成されることになる。
また、第1の実施例では、電子供給層28内に、ほぼ単原子層程度の厚さの第1δドープ層24及び第2δドープ層27を配置したが、第1δドープ層24及び第2δドープ層27の各々の変わりに、もっと厚いn型ドープ層を配置してもよい。
また、第1の実施例では、第1δドープ層24及び第2δドープ層27以外の電子供給層28をアンドープとしたが、第1δドープ層24及び第2δドープ層27よりも不純物濃度が低くなる条件でn型にドープしてもよい。また、n型不純物としてSiに代えて、S等のドーパントを用いてもよい。また、基板20に、InPに代えて、Si、GaAs等を用いてもよい。
次に、図4A〜図4Cを参照して、第2の実施例による半導体装置の製造方法について説明する。第2の実施例では、エンハンスメントモードのHEMTとディプレッションモードのHEMTとを、1枚の基板上に形成する。第1の実施例の図2Dに示した工程までは、エンハンスメントモードのHEMTとディプレッションモードのHEMTとで共通である。
図4Aに示すように、エンハンスメントモードHEMTのソース導電体33及びドレイン導電体34が形成されるとともに、ディプレッションモードHEMTのソース導電体43及びドレイン導電体44が形成される。エンハンスメントモードHEMTのゲート電極を配置すべき領域にゲートリセス35が形成されており、ディプレッションモードHEMTのゲート電極を配置すべき領域にゲートリセス45が形成されている。
図4Bに示すように、エンハンスメントモードHEMTのゲート電極36及びゲート合金化領域37を、第1の実施例の場合と同じ方法で形成する。
図4Cに示すように、ディプレッションモードHEMTのゲートリセス45の底面上に三層レジスト法を用いて、断面がT型のゲート電極46を形成する。ゲート電極46は、Ti、Pt、Auをこの順番に蒸着することにより形成される。ゲート電極長は、例えば45nmとする。ディプレッションモードHEMTのゲート電極形成時には、最下層に、電子供給層28との合金化温度が、Ptと電子供給層28との合金化温度よりも高いTiが配置されている。このため、仮にディプレッションモードHEMTをエンハンスメントモードHEMTより先に作製しても、ディプレッションモードHEMTのゲート電極46の直下には、ゲート合金化領域37に相当する領域が形成されない。ゲート電極46は、第2δドープ層27よりも浅い位置において、電子供給層28にショットキ接触する。
上記式(1)において、膜厚d及び不純物濃度Ngが、エンハンスメントモードHEMTのそれに比べて大きくなるため、閾値が負になる。すなわち、ディプレッションモードHEMTが得られる。
第2の実施例のように、1枚の基板上に形成されたHEMTを、ゲート電極直下のゲート合金化領域の有無により、エンハンスメントモードとディプレッションモードとのいずれかのモードにすることができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
第1の実施例による半導体装置の断面図である。 第1の実施例による半導体装置の製造途中段階における断面図(その1)である。 第1の実施例による半導体装置の製造途中段階における断面図(その2)である。 第1の実施例による半導体装置の動作を説明するための模式図である。 第2の実施例による半導体装置の製造途中段階における断面図(その1)である。 第2の実施例による半導体装置の製造途中段階における断面図(その2)である。 第2の実施例による半導体装置の製造途中段階における断面図(その3)である。
符号の説明
20 半導体基板
21 バッファ層
22 チャネル層
23 スペーサ層
24 第1δドープ層
25 バリア層
26 ストッパ層
27 第2δドープ層
28 電子供給層
29 キャップ層
31、41 ソース電極
32、42 ドレイン電極
33、43 ソース導電体
34、44 ドレイン導電体
35、45 ゲートリセス
36、46 ゲート電極
37 ゲート合金化領域
50 層間絶縁膜
51 配線

Claims (6)

  1. 半導体基板の上に配置された、半導体材料からなるチャネル層と、
    前記チャネル層の上に配置され、該チャネル層よりも電子親和力の小さな半導体材料からなる電子供給層と、
    前記電子供給層内に配置された第1及び第2のドープ層であって、該第1及び第2のドープ層にはn型不純物がドープされており、該第2のドープ層の方が該第1のドープ層よりも上に配置されている前記第1及び第2のドープ層と、
    前記電子供給層の上に、相互にある間隔を隔てて配置され、前記チャネル層にオーミック接続された第1のソース導電体及び第1のドレイン導電体と、
    前記第1のソース導電体及び第1のドレイン導電体の間の前記電子供給層の上に、該第1のソース導電体及び該第1のドレイン導電体のいずれとも間隔を隔てて配置された第1のゲート電極と、
    前記第1のゲート電極の直下の前記電子供給層内に、該第1のゲート電極に連続するように配置され、該電子供給層の構成元素と金属との合金で形成され、前記第2のドープ層よりも深い位置まで達し、前記第1のドープ層までは達していない合金化領域と
    を有する半導体装置。
  2. 前記電子供給層の厚さ、前記合金化領域の厚さ、前記第1のドープ層の不純物ドープ量は、前記第1のゲート電極に電圧を印加していない状態で、前記チャネル層と前記電子供給層との界面にチャネルが形成されないように選択されている請求項1に記載の半導体装置。
  3. さらに、
    前記電子供給層の上に、相互にある間隔を隔てて配置され、前記チャネル層にオーミック接続された第2のソース導電体及び第2のドレイン導電体と、
    前記第2のソース導電体及び第2のドレイン導電体の間の前記電子供給層の上に、該第2のソース導電体及び該第2のドレイン導電体のいずれとも間隔を隔てて配置され、前記第2のドープ層よりも浅い位置において、前記電子供給層にショットキ接触している第2のゲート電極と
    を有する請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 半導体基板の上に、半導体材料からなるチャネル層を形成する工程と、
    前記チャネル層の上に、該チャネル層よりも電子親和力の小さな半導体材料からなり、内部に第1及び第2のドープ層が配置された電子供給層を形成する工程であって、該第1及び第2のドープ層にはn型不純物がドープされ、該第2のドープ層の方が該第1のドープ層よりも上に配置されるように前記電子供給層を形成する工程と、
    前記電子供給層の上に、相互にある間隔を隔てて配置され、前記チャネル層にオーミック接続される第1のソース導電体及び第1のドレイン導電体を形成する工程と、
    前記第1のソース導電体及び第1のドレイン導電体の間の前記電子供給層の上に、該第1のソース導電体及び該第1のドレイン導電体のいずれとも間隔を隔てて第1のゲート電極を形成する工程と、
    熱処理を行い、前記第1のゲート電極の下端の構成原子を前記電子供給層内に拡散させて、前記第2のドープ層よりも深い位置まで達し、前記第1のドープ層までは達しない合金化領域を形成する工程と
    を有する半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1のゲート電極を形成する工程が、
    前記電子供給層と合金化する金属からなる第1の金属膜を堆積させる工程と、
    前記第1の金属膜の上に、前記第1の金属膜に比べて、前記電子供給層との合金化温度が高い金属からなる第2の金属膜を堆積させる工程と
    を含み、
    前記合金化領域を形成する工程において、前記第2の金属膜が前記電子供給層に接するまで、前記第1の金属膜中の金属原子を前記電子供給層内に拡散させる請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記熱処理は、350℃より低い温度で行うことを特徴とする請求項4または5に記載の半導体装置の製造方法。
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