JP2009104710A - 磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法 - Google Patents

磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気ディスク装置のシーク制御において、外力に対してロバストなシーク制御系を構成できる磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法を提供する。
【解決手段】磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、積分器と位相進み補償器とを有し、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記駆動部をフィードバック制御する位置誤差フィードバック制御系と、前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力する2自由度制御系と、を有し、前記制御手段は、前記磁気ヘッドの位置決め制御時と、シーク時と、の両時において、前記積分器の出力を前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新することを特徴とする磁気ディスク装置が提供される。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法に関し、具体的には、回転する磁気ディスク上で、磁気ヘッドを移動させる磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法のに関する。
磁気ディスク装置の磁気ヘッド位置決め制御系においては、マイクロコンピュータを用いたディジタル制御系が構成されることが一般的である。すなわち、離散的に得られた磁気ヘッドの位置情報からマイクロプロセッサ内部で制御指令を計算し、D/A(ディジタル・アナログ変換器)を通してアクチュエータの駆動ドライブに制御指令を与えている。一般的に、アクチュエータは高周波帯域に機械共振を有するので、磁気ヘッドを高速・低振動・低騒音で目標位置に移動させるには、機械共振を励起しないフィードフォワード制御入力を生成することが非常に重要である。
磁気ヘッドを短い距離だけ高速で移動させる方法として、機械共振を励起しないようなアクチュエータへのフィードフォワード制御入力と、フィードバック制御系への目標位置指令と、を最適化手法を用いて予め計算しておき、テーブルとして持っていることも考えられる。しかしながら、あらゆるシーク距離に対して、このような方法を取ることはマイクロプロセッサのメモリ容量から不可能である。そのため、長距離シークの場合、オンラインでアクチュエータへのフィードフォワード制御入力と目標位置指令とを生成しなければならない。
このための方法として、制御系内部にアクチュエータモデルを設け、モデル速度を目標速度曲線に追従させることにより、モデルへの制御指令とモデル位置とをアクチュエータへのフィードフォワード制御入力と目標位置指令としてフィードバック制御系にそれぞれ与える方法が考えられる(例えば、特許文献1)。しかし、特許文献1に記載されたヘッド位置決め制御系においては、モデルの位置と速度とが実際の磁気ヘッドの位置と速度とに近くなければ、セトリング時などに磁気ヘッドがオーバーシュートしてしまう。そこで、シーク中に何らかのモデル補正が必要となってくる。
このための方法として、シーク前半においては、フィードバック制御出力をモデルの入力に加えることによってモデルの更新を行い、磁気ヘッドの位置と速度とをモデルによって推定し、推定されたモデルの位置と速度とを用いて速度制御系を構成する方法がある(例えば、非特許文献1)。この方法はさらに、磁気ヘッドが目標位置に近づいたシーク後半においては、フィードバック制御出力をアクチュエータに加えるように切り替えて、通常の2自由度制御系を構成する方法である。
ところで、磁気ディスク装置のようにサーボ系を構成しなければならない場合、フィードバック制御器は積分器を有している。そのため、このようなシーク制御系を構成した場合、積分器の出力もモデルに加えられるため、マグネットラッチ力などの外力が大きい場合においては、積分器の出力が大きくなる。そのため、通常の2自由度制御系に切り替えた際に制御指令に過渡応答が出てしまう。
また、磁気ディスク装置の場合、磁気ヘッドが高速に移動するとサーボパターンを斜めに横切るようになり、位置検出ノイズが大きくなる。この位置検出ノイズはフィードバック制御出力を通してモデル側の速度フィードバック制御系に影響を与えるため、振動的なフィードフォワード制御指令が生成されてしまう。これは、騒音の原因にもなる。これらのことから、例えば特許文献1または非特許文献1に記載された制御系においては、大きな外力が働くような環境ではロバストなシーク制御を実現させることは難しい。さらに、位置検出ノイズの影響を低減することも難しい。
特開平9−73618号公報 日本機械学会第74期通常総会講演論文集 4 pp.410−411 (1997)図3
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、磁気ディスク装置のシーク制御において、外力に対してロバストなシーク制御系を構成できる磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法を提供する。
本発明の一態様によれば、磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、積分器と位相進み補償器とを有し、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記駆動部をフィードバック制御する位置誤差フィードバック制御系と、前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力する2自由度制御系と、を有し、前記制御手段は、前記磁気ヘッドの位置決め制御時と、シーク時と、の両時において、前記積分器の出力を前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新することを特徴とする磁気ディスク装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる磁気ヘッドの制御方法であって、積分器と位相進み補償器とを用い、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記磁気ヘッドの駆動部をフィードバック制御しつつ、前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力して制御し、前記磁気ヘッドの位置決め制御時と、シーク時と、の両時において、前記積分器の出力を前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新することを特徴とする磁気ヘッドの制御方法が提供される。
本発明によれば、磁気ディスク装置のシーク制御において、外力に対してロバストなシーク制御系を構成できる磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法が提供される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる磁気ディスク装置の要部を表す概念図である。 本実施形態の磁気ディスク装置は、マイクロプロセッサー(MPU)18を主構成要素とするヘッド位置決め制御機構(制御手段)を備える。磁気ヘッド11はアーム12に支持されており、アーム12は駆動部(以下、「ボイスコイルモータ(VCM)」という)13の駆動力により磁気ヘッド11をディスク14の半径方向に移動させる。VCM13は、マグネット15と駆動コイル16とを有し、パワーアンプ17から供給される電流により駆動される。MPU18は制御指令を演算し、この制御指令がD/Aコンバータ19によりアナログ信号に変換され、パワーアンプ17に与えられる。パワーアンプ17は、MPU18からの制御指令を駆動電流に変換してVCM13に供給する。
ディスク14は1枚または複数枚設けられており、スピンドルモータにより高速回転する。ディスク14上には同心円状に複数のトラックが形成されており、一定間隔でサーボエリア20が設けられている。サーボエリア20にはトラックの位置情報が予め埋め込まれており、磁気ヘッド11がサーボエリア20を横切ることにより磁気ヘッド11からの信号をヘッドアンプ21で取り込み、このリード信号を増幅してサーボデータ処理回路22に信号を供給する。サーボデータ処理回路22は、増幅されたリード信号からサーボ情報を生成し、一定時間間隔でMPU18に出力する。MPU18はI/O23から取り込んだサーボ情報から磁気ヘッド11の位置を算出し、得られた磁気ヘッド位置からVCM13に流すべき制御指令を一定時間間隔で計算する。
図2は、本発明の実施の形態にかかる制御系を例示するブロック図である。
図2に表した制御系は、位置誤差フィードバック制御系100(図4参照)と、モデル側制御系200と、を備えている。本実施形態においては、位置誤差フィードバック制御系100は、積分器110と、位相進み補償器120と、に分解されている。積分器110の出力は、リミッタ400とゼロ次ホルダ420とを介して、常にアクチュエータ(VCM)13に入力されている。一方、位相進み補償器120の出力は、ゲインベクトル150を介してモデル側制御系200に入力されている。
モデル側制御系200では、アクチュエータ13の仮想的な数式モデルに対する速度制御系が構築されており、モデル速度を目標速度に追従させることにより、フィードフォワード制御入力が生成される。モデル側制御系200から出力されたフィードフォワード制御入力は、速度フィードバックコントローラ(速度フィードバック制御系)300に入力され、リミッタ400とゼロ次ホルダ420とを介して、ボイスコイルモータ13へのフィードフォワード制御入力として出力される。また、モデル側制御系200においては、状態方程式であるAマトリックス210、Bマトリックス220、Cマトリックス240と、1サンプル遅れ230と、が組み合わされている。
例えば、長距離のシーク時には、速度フィードバック制御系を構成する必要があるが、磁気ディスク装置の場合、磁気ヘッド11の位置しか観測することはできない。そのため、モデルを用いて磁気ヘッド11の速度を推定する必要がある。モデルが正確であればオーバーシュートなどの無いシーク制御を実現させることはできるが、実際には正確なモデルを得ることは不可能である。そのため、シーク中にはモデルの補正が必要となる。
このような場合、カルマンフィルタなどを用いて、推定した磁気ヘッド11の速度と位置とから速度フィードバック制御系を構成することが考えられる。シーク中に、このような制御系を構成した場合、目標位置の近傍では目標速度は略直線になっていることから、推定された位置と速度とによる状態フィードバックが構成されることになる。このことから、本実施形態のように、位置決め時もシーク時と同じ制御系を用いることができる。すなわち、推定されたモデルの位置と速度とをフィードバックすることにより位相進み補償器120が構成され、後に詳述する比較例などとは異なる制御構造の切り替え(スイッチの切り替え)の無い制御系を構成することができる。
このように、本実施形態にかかる制御系では、位相進み補償器120の出力は、シーク前半(シーク時)と、シーク後半(位置決め制御時)と、の両時においてモデル側制御系200に入力されているため、制御構造の切り替えは必要ない。また、ゲインベクトル150と、後に詳述する速度フィードバックゲインGと、の設定により、図2に表した制御系において点線で囲まれた部分が、位置決め制御時に負の位相進み補償器120(−C(z))に近づくようになる。さらに、目標位置までの残り距離が少ないところでは、目標速度曲線は略直線になっているため、位置決め制御時の速度フィードバックコントローラ300は、後に詳述する単なる定数ゲインの状態フィードバックゲインLとなっている。
これに対して、後に詳述する比較例は、シーク前半のモデル更新では、位置誤差フィードバック制御系100の出力をモデル側制御系200の入力端に加えて、モデルの状態(位置と速度)がアクチュエータ13の動きに近くなるようにしている。そして、シーク後半では位置誤差フィードバック制御系100の出力をアクチュエータ13に切り替え、通常の2自由度制御系にしている。このようにすることにより、シーク時の電流飽和の影響とモデル誤差の影響を小さくしている。しかしながら、本比較例のモデル更新の方法は、制御対象に大きな外力が働いている場合、スイッチを切り替えた時に制御指令に過渡応答が出てしまう。
図3は、本実施形態において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
図3に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19に与える制御指令数値を表している。なお、シーク終了時の制御指令数値の大きさAから、この実験で用いた磁気ディスク装置においては、最大制御指令数値の約10%程度の外力が働いていることがわかる。
図3に表したように、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークにおいて、本実施形態の制御系は、制御構造の切り替えが必要ないため、過渡応答が出ていないことがわかる。さらに、後に詳述するように、外力が小さい方向へのシークにおいても、制御構造の切り替えが必要ないため、不連続な制御指令は発生していない。
このように、位相進み補償器120の出力は、ゲインベクトル150を介してモデル側制御系200に入力されており、積分器110の出力は、リミッタ400とゼロ次ホルダ420とを介して、アクチュエータ(VCM)13に入力されており、制御構造の切り替えは必要ないため、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークと、外力が小さい方向へのシークと、の両方のシークにおいて、過渡応答は出ていない。
図4は、比較例にかかるシーク制御系を例示するブロック図である。
図4に表したシーク制御系においては、図2に表した本実施形態にかかる制御系に対して、位置誤差フィードバック制御系100は積分器110と位相進み補償器120とに分解されていない。また、モデル側制御系200から出力されたフィードフォワード制御入力は、目標トラックの位置(Target Positon)の情報とともに、速度フィードバックコントローラ300に入力される。その他の構造については、図2に表した制御系と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
このような制御系においては、シーク制御から位置決め制御への移行を円滑に行う為に、シーク前半においては位置決め制御器を用いてモデル側制御系200の更新を行い、目標位置に近くなった時において通常の2自由度制御系に切り替えるようにしている。
つまり、シーク前半のモデル側制御系200の更新においては、位置誤差フィードバック制御系100の出力をモデル側制御系200の入力に加えて(スイッチsw1を端子2に接続)、モデルの状態(位置と速度)がアクチュエータ13の動きに近くなるようにしている。そして、シーク後半においては、位置誤差フィードバック制御系100の出力をアクチュエータ13に入れ(スイッチsw1を1に接続)、通常の2自由度制御系としている。このようにすることにより、シーク時の電流飽和の影響と位置検出ノイズの影響を小さくしている。
しかしながら、このようなシーク制御系においては、アクチュエータ13にマグネットラッチ力などの大きな外力が働いている場合、スイッチsw1を切り替えた時に制御指令に過渡応答が生ずる場合がある。さらに、アーム12を高速に移動させると、磁気ヘッド11はサーボエリア20を斜めに横切るため、シリンダーコードを誤って読み取るようになり、位置検出ノイズが大きくなる。そのため、位置誤差フィードバック制御系100を通してノイズが速度フィードバックコントローラ300に影響を与え、ノイズによる振動成分が制御指令に出てしまう。
アクチュエータ13のシーク性能を向上させるには、滑らかなフィードフォワード制御入力をアクチュエータ13に与えることが重要である。そのため、モデル側制御系200においては、位置誤差フィードバック制御系100の周期Tsのn倍のサンプリング周期Ts/nで演算が実行されている。
また、速度制御系の構成に関しては加速時の電流飽和があることから、速度誤差に対して定数ゲインフィードバックが施されている。アクチュエータ13の高性能なシークを実現するにためは正確なモデルが必要となるが、予め高精度なモデルを用意しておくことはバラツキなどから難しい。そこで、シーク中にモデル側制御系200の更新を行い、モデルの状態をアクチュエータ13の状態に近づけるようにする。
図5は、比較例において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
図5に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19に与える制御指令数値を表している。なお、シーク終了時の制御指令数値の大きさAから、この実験で用いた磁気ディスク装置においては、最大制御指令数値の約10%程度の外力が働いていることがわかる。
図5に表したように、本比較例にかかるシーク制御系は、シーク前半においては位置決め制御器を用いてモデル側制御系200の更新を行い、目標位置に近くなった時において通常の2自由度制御系に切り替えるため、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークにおいては、スイッチsw1を切り替えた時に不連続な制御指令数値が発生していることがわかる。なお、後に詳述するように、外力が小さい方向へのシークにおいては、不連続な制御指令は発生していない。
これらのことから、図4に表した比較例にかかるシーク制御系は、外力が小さい場合には、スイッチsw1の切り替えによる過渡応答は非常に小さく問題は無いが、アーム12にマグネットラッチ力などの大きな外力が作用しているような場合には、外力に対してロバスト性が低い。制御指令の急峻な過渡応答は、機械共振を励起してセトリング時のバラツキを引き起こしてしまう。そのため、書き込み禁止回数が多くなり、パフォーマンスを劣化させてしまう。
次に、本実施形態にかかる制御系のような制御構造の切り替えの無い制御系を構成するための具体例について、図面を参照しつつ説明する。
前述したように、目標位置の近傍では目標速度は略直線になっていることから、推定された位置と速度とによる状態フィードバックが構成され、制御構造の切り替えの無い制御系を構成することができる。
しかしながら、制御構造の切り替えを無くすために、このような制御系を用いてシーク制御から位置決め制御まで行うと、位置決め時の位相進み補償器120の次数は2次で固定されてしまう。また、周波数特性は、カルマンフィルタ係数、目標速度曲線の傾き、および速度フィードバックゲインにより決まってしまう。そのため、このような制御系の場合には、位置決め時に任意の周波数特性を持たせることが困難となる。
磁気ディスク装置の場合には、ディスクの振動によるフラッタ外乱等が高周波帯域の特定周波数帯に存在しているため、高精度な位置決め制御を達成するためには外乱の周波数帯に適した位置決め制御系の周波数特性を達成する必要がある。そこで、本具体例では、位置決め時の外乱特性を考慮して、要求される位置決め精度を達成することができる位置誤差フィードバック制御系100(C(z))が予め設計されているとし、次式に表すように積分器110(C(z))、と位相進み補償器120(C(z))と、に分解する。

そして、積分器110の出力は制御対象(VCM13)に常に入力するようにする。また、シーク時と位置決め制御時の両方において位相進み補償器120の出力でモデルを更新し、モデルの位置と速度とから構成される速度フィードバックコントローラ300の出力を制御対象に加えるようにする。このような制御系の一例が、図2に表した制御系である。
つまり、図2に表した制御系は、速度フィードバックコントローラ300の出力と、積分器110の出力と、によってシーク制御と位置決め制御とを行う。また、前述したように、ゲインベクトル150と、後に詳述する速度フィードバックゲインGと、の設定により、図2に表した制御系において点線で囲まれた部分が、位置決め制御時に負の位相進み補償器120(−C(z))に近づくようになる。さらに、目標位置までの残り距離が少ないところでは、目標速度曲線は略直線になっているため、位置決め制御時の速度フィードバックコントローラ300は、後に詳述する単なる定数ゲインの状態フィードバックゲインLとなっている。
位置決め時の状態フィードバックゲインLは、等価線形制御入力を用いると次式のようになる。bは目標位置までの残り距離が少ない時の目標速度曲線の傾きを表し、Gは速度フィードバックゲインを表す。また、B21は、モデルゲインを表す。

この制御系における設計パラメータは、位相進み補償器120の出力に掛けるゲインベクトル150(k)と位置決め時の状態フィードバックゲインLを決める速度フィードバックゲインGになる。
そこで、次に、ゲインベクトル150(k)と、速度フィードバックゲインGと、の設定方法について説明する。
モデルは、位置誤差が観測される周期Tsの例えば1/rで計算されるため、モデルを次式で表すことにする。


なお、シーク時のモデルは2重積分で表されるため、次式のようになる。

また、位相進み補償器120の出力は周期Tsで出力されるため、モデルには周期Tsのゼロ次ホルダ420を通して与えることにする。このとき、図2の点線で囲まれた部分は図6の如く表され、ヘッドの位置から速度フィードバックコントローラ300の出力までは次式で表される。

ここで、Hは次式で表される。

式(5)から、以下の式が成り立てば、ヘッド位置y(k,0)からu(k,0)...u(k,r−1)は、負の位相進み補償器120(−C(z))と同じになる。ここで、λは行列(A+BL)の固有値を表す。


式(7)が成り立てば、Hは次式のようになる。


また、式(8)が式(7)と同時に成り立てば、式(5)は次式のようになる。

これらのことから、式(7)が成り立てば、目標速度曲線の傾きがbになると、モデルの状態x(k,0)は、状態フィードバックゲイン310(L)によって「0」に近づくことになる。そして、位置決め状態ではx(k,0)=0となるため、y(k,0)からu(k,0)...u(k,r−1)の特性は、負の位相進み補償器120(−C(z))と同じになる。以上のことから、(A+BL)が固有値「0」を持つように速度フィードバックゲインGを設定し、固有値「0」に対する固有ベクトルをkとし、Lk=−1となるようにkのゲインを決定する。
式(2)と式(4)とから、(A+BL)は次式のようになる。

これから、(A+BL)が固有値「0」となるためには、速度フィードバックゲインGは式(12)を満たさなければならない。したがって、速度フィードバックゲインGは、式(13)のようになる。つまり、速度フィードバックゲインGは、モデルゲインB21の逆数となる。



なお、式(13)のように表されるGをGv_optとする。
また、(A+BL)は安定である必要があるため、もう一つの固有値の絶対値は「1」未満である必要がある。したがって、式(14)が成り立つ必要がある。Gに式(13)の関係を代入すると、位置決め時の目標速度曲線の傾きbは式(15)の条件を満たす必要がある。


式(14)を満たす目標速度曲線の傾きが設定されていれば、(A+BL)を安定にして、固有値の一つを「0」にすることができるGv_optを求めることができる。これにより、固有値「0」に対する固有ベクトルをゲインベクトルkとして選べば、式(7)が成り立つ。そして、Lk=−1となるようにゲインベクトルkのゲインを設定すれば、y(k,0)からu(k,0)...u(k,r−1)を負の位相進み補償器120(−C(z))にすることができる。これにより、位置決め時は、例えば図4に表した比較例と同じフィードバック周波数特性を持つことができ、位置決め精度は位置誤差フィードバック制御系100(C(z))を用いた時と同じ精度を達成することができる。
一方、シーク中は2つに分けて考える。1つは、加速時において制御指令が飽和している区間である。もう1つは、目標速度曲線の傾きがbになるまでの減速区間である。 制御指令が飽和している加速時においては、図6は図7のようになる。図7に表したように、飽和時は観測器が構成され、モデルの状態をVCM13の状態に近づけていることが分かる。これにより、制御指令の飽和による追従性能の劣化を避けている。この時、観測器の誤差方程式は次式のようになる。

また、図7に表したモデル側制御系は、図8の如く変換することができる。ゲインベクトルkは、式(7)と式(8)とが成り立つように選ばれているため、次式の関係が成り立つ。

これにより、図8に表したモデル側制御系は、図9の如く変換することができる。また、式(16)は、次式のようになる。

次に、制御指令が飽和しているときのフィードバック制御系を考える。
図10は、飽和時のモデル側制御系の等価変換を表すブロック図である。
(k,0)からy(k,0)までの伝達関数を計算すると、次式のようになる。

これにより、図10に表したフィードバック制御系が安定になるように位相進み補償器120が設計されていれば、制御指令が飽和している加速時において、観測器は安定であることがわかる。モデルは制御対象の特性に近いため、制御対象を安定にするように位相進み補償器120が設計されていれば、図10に表したフィードバック制御系も安定になる。
飽和状態が終わり、減速状態に入った時から、通常の2自由度制御系と同じになる。これは、位置決め時の周波数特性が元の位置決め制御系の周波数特性と同じになるように計算されたGv_optとkとを用いているためである。目標位置までの残り距離が多い時には、シーク速度が速いため、2自由度制御系の構成になっていると、位置検出誤差により制御指令が振動的になってしまい、アクチュエータ13の機械共振励起により制御性能を劣化させてしまう。そこで、Gを次式のようにして、次式中のαを図11に表すように階段的に切り替えて用いるようにする。

目標位置までの残り距離が大きい時はGをGv_optよりも小さく設定し、目標速度曲線の傾きがbになる距離よりも残り距離が小さくなった時にGv_optになるように設定する。このようにすることにより、減速時の制御指令の形状整形と、位置検出誤差の影響と、を低減する。このとき、(A+BL)の固有値を計算すると、以下のようになる。


ここで、LとLとは、式(22)のようになる。したがって、固有値は式(23)のように計算される。なお、式中の「b」は、目標速度曲線の傾きを表す。


シーク中も安定でなければならないため、λとλとの絶対値が「1」よりも小さくなる必要がある。これにより、次式の条件が成り立たなければならないことが分かる。

シーク中は、1以下の数をαとして選択するため、αは0〜1の間の数を選択すれば良いことが分かる。ただし、αをあまり小さい値にするとシークしなくなるため、シーク時間と、目標速度へモデル速度が追従する具合と、を見ながら0〜1の範囲で設定することになる。また、目標位置までの残り距離が大きい時の目標速度曲線の傾きは、残り距離が0近傍の傾きbよりも一般的に小さく、次式の関係にある。

そのため、bが式(14)の関係を満たしていれば、固有値は必ず単位円内にあることになる。ただし、この条件は(A+BL)を安定にするものであって、図2に表した制御系を安定にするとは限らない。最終的には、αを変える残り距離から求まる目標速度曲線の傾きbとαとの値から式(5)を計算し、図2に表した制御系が安定になることを確認する必要がある。
以下に、r=2としてサンプル周期Tsの間にモデルが2回計算される2倍マルチレートの場合の一例を示す。位相進み補償器120(C(z))と、VCM13モデルと、状態フィードバックゲイン310(L)と、を式(26)と、式(27)と、式(28)と、にそれぞれ示す。


これにより、速度フィードバックゲインGは「1.12」となり、状態フィードバックゲインLは次式のようになる。

これにより、(A+BL)の固有値は次式のようになる。


λに対する固有ベクトルは、次式のようになる。

このとき、LVの値は「−5.02」となるため、Vを5.02で割った値を次式のようにkとする。


このように、行列(A+BL)の固有値「0」に対する固有ベクトルに定数を掛けたゲインベクトル150(k)を介して、位相進み補償器120の出力をモデル側制御系200の状態に与えることにより、位置決め時のフィードバック特性は、例えば図4に表した比較例と同じフィードバック周波数特性を示し、位置決め精度を劣化することはない。
次に、図4に表した比較例にかかるシーク制御系における実験結果とシミュレーション結果とについて、図面を参照しつつ説明する。
図12は、比較例において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。なお、グラフ図の横軸および縦軸の項目は、図5に表したグラフ図と同様である。
本比較例にかかるシーク制御系は、図12に表したように、外力が小さい方向へのシークにおいては、不連続な制御指令は発生していない。すなわち、本比較例にかかるシーク制御系は、外力が小さい場合には、スイッチsw1の切り替えによる過渡応答は非常に小さく問題は無い。一方、前述したように、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークにおいては、スイッチsw1を切り替えた時に不連続な制御指令数値が発生している(図5参照)。
さらに、外力に対する応答を詳細に調べるために、VCM13に作用する外力を変化させた時の制御指令について、シミュレーションを行う。
図13は、比較例において、外力が働いていないときのシミュレーション結果である。 また、図14は、比較例において、最大制御指令数値の5%の外力が働いているときのシミュレーション結果である。
また、図15は、比較例において、最大制御指令数値の10%の外力が働いているときのシミュレーション結果である。
また、図16は、比較例において、最大制御指令数値の15%の外力が働いているときのシミュレーション結果である。
図13〜図16に表したように、VCM13に作用する外力が大きくなると、スイッチの切り替え時の過渡応答は大きくなってくることが分かる。これらのことから、本比較例にかかるシーク制御系のように、位置誤差フィードバック制御系100の出力をモデルの入力側に加える方法は、外力が小さい場合はスイッチ切り替えによる過渡応答は非常に小さく問題は無い。一方、例えばアームに大きな外力が作用しているような環境下でのシークは、制御指令に過渡応答が現れてしまい、外力に対してロバスト性が低いことが分かる。
制御指令の急峻な過渡応答は、機械共振を励起してセトリング時のバラツキを引き起こしてしまうため、書き込み禁止回数が多くなりパフォーマンスを劣化させてしまう。本比較例にかかるシーク制御系において、このような問題を解決する方法としては、予め測定しておいた外力をテーブルとして持っておき、制御時にVCM13に加える制御指令に加算する方法が考えられる。しかしながら、予め外力をトラック方向に細かい間隔で測定して、テーブルとして持たせておくことは製造コストの面から困難である。そこで、本比較例にかかるシーク制御系の前述した問題を解決するためには、本実施形態にかかる制御系のように、シーク制御と位置決め制御において同じ制御構造の制御系を構成することが好ましい。
そこで、次に、本実施形態にかかる制御系の有効性を確認するために、計算された最適なゲインベクトルkを用いたときにおけるシーク時のシミュレーション結果と、実験結果と、を図面を参照しつつ説明する。
図17は、シミュレーションに用いるVCMモデルの特性を表すグラフ図である。
また、図18は、速度フィードバックゲインの切り替え条件を表すグラフ図である。
このような、VCMモデルおよび速度フィードバックゲインの切り替え条件に対して、本実施形態にかかる制御系と、比較例にかかる制御系と、を用いて同じ距離だけシークさせた時の制御指令と、ヘッド位置と、のシミュレーションを行う。なお、外乱は実機における測定外乱をモデル化して加えている。また、速度フィードバック系は、本実施形態にかかる制御系と、比較例にかかる制御系と、において同じものを用いている。
図19は、本実施形態にかかる制御系の制御指令のシミュレーション結果である。
また、図20は、本実施形態にかかる制御系のヘッド位置のシミュレーション結果である。
なお、図19に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19に与える制御指令数値を表している。また、図20に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸は目標位置に対するヘッド位置(トラック)を表している。
図19に表したように、本実施形態にかかる制御系は、制御構造の切り替えが必要ないため、過渡応答が出ていないことがわかる。また、図20に表したように、本実施形態にかかる制御系は、過渡応答のない滑らかな制御指令が生成されるため、VCM13の機械共振が励起されない。そのため、セトリング時におけるヘッド位置の振動は小さい。すなわち、低振動で目標位置に到達している。
図21は、比較例にかかる制御系の制御指令のシミュレーション結果である。
また、図22は、比較例にかかる制御系のヘッド位置のシミュレーション結果である。 なお、図21および図22に表したグラフ図の横軸および縦軸の項目は、図19および図20に表したグラフ図の横軸および縦軸の項目とそれぞれ同じである。
図21に表したように、比較例にかかる制御系は、シーク前半においては位置決め制御器を用いてモデル側制御系200の更新を行い、目標位置に近くなった時において通常の2自由度制御系に切り替えるため、この切り替え時に不連続な制御指令数値が発生している。また、図22に表したように、比較例にかかる制御系は、不連続な制御指令数値が発生しているため、VCM13の機械振動が励起される。そのため、セトリング時にヘッド位置が振動している。このように、セトリング時にヘッド位置が振動すると、書き込み許可の出るタイミングが遅くなり、パフォーマンスを劣化させてしまう。
図23は、本実施形態にかかる制御系のヘッド位置の実験結果である。
また、本実施形態にかかる制御系の制御指令の実験結果は、前述した図3に表した如くである。
図23および図3に表したように、本実施形態にかかる制御系は、シミュレーション結果(図19および図20参照)と同様に、制御構造の切り替えが必要ないため、過渡応答が出ていない。また、過渡応答のない滑らかな制御指令が生成されるため、VCM13の機械共振が励起されない。そのため、セトリング時におけるヘッド位置の振動は小さい。すなわち、低振動で目標位置に到達している。
図24は、比較例にかかる制御系のヘッド位置の実験結果である。
また、比較例にかかる制御系の制御指令の実験結果は、前述した図5に表した如くである。
図24および図5に表したように、比較例にかかる制御系は、シミュレーション結果(図21および図22参照)と同様に、スイッチの切り替え時に不連続な制御指令数値が発生している。また、不連続な制御指令数値が発生しているため、VCM13の機械振動が励起される。そのため、セトリング時にヘッド位置が振動している。
なお、実験における各パラメータは、シミュレーションとそれぞれ同じパラメータを使用している。また、図22および図23は、相違を明確にするために、ゼロ次ホルダ420の後に設けられているノッチフィルタ(図示せず)を外して行った実験結果を表している。さらに、位置決め時の制御においても、クロス周波数近傍での通常制御による位置決め制御と同じ周波数特性を実現できることが分かっている。この位置決め時のオープンルーフ特性を測定した結果は、図25に表した如くである。
以上説明したように、本実施形態によれば、シーク制御と位置決め制御とにおいて、積分器110の出力を制御対象(VCM13)に入力している。また同様に、シーク制御と位置決め制御とにおいて、位相進み補償器120の出力をモデル側制御系200に入力して、モデルの更新を行っている。このようにすることで、シーク制御と位置決め制御とにおいて、同じ構造の制御系を構成することができるため、制御構造の切り替えによる制御指令の過渡応答を減らすことができる。すなわち、外力に対してロバストなシーク制御系を構成することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、本実施形態にかかる制御系などが備える各要素およびその配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
本発明の実施の形態にかかる磁気ディスク装置の要部を表す概念図である。 本発明の実施の形態にかかる制御系を例示するブロック図である。 本実施形態において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。 比較例にかかるシーク制御系を例示するブロック図である。 比較例において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。 ヘッド位置から速度フィードバック出力までを表すブロック図である。 飽和時のモデル側制御系を表すブロック図である。 飽和時のモデル側制御系を表すブロック図である。 飽和時のモデル側制御系を表すブロック図である。 飽和時のモデル側制御系の等価変換を表すブロック図である。 速度フィードバックゲインの切り替えを表すグラフ図である。 比較例において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。 比較例において、外力が働いていないときのシミュレーション結果である。 比較例において、最大制御指令数値の5%の外力が働いているときのシミュレーション結果である。 比較例において、最大制御指令数値の10%の外力が働いているときのシミュレーション結果である。 比較例において、最大制御指令数値の15%の外力が働いているときのシミュレーション結果である。 シミュレーションに用いるVCMモデルの特性を表すグラフ図である。 速度フィードバックゲインの切り替え条件を表すグラフ図である。 本実施形態にかかる制御系の制御指令のシミュレーション結果である。 本実施形態にかかる制御系のヘッド位置のシミュレーション結果である。 比較例にかかる制御系の制御指令のシミュレーション結果である。 比較例にかかる制御系のヘッド位置のシミュレーション結果である。 本実施形態にかかる制御系のヘッド位置の実験結果である。 比較例にかかる制御系のヘッド位置の実験結果である。 位置決め時のオープンルーフ特性を測定した結果である。
符号の説明
11 磁気ヘッド、 12 アーム、 13 アクチュエータ(ボイスコイルモータ)、 14 ディスク、 15 マグネット、 16 駆動コイル、 17 パワーアンプ、 18 マイクロプロセッサー(MPU)、 19 D/Aコンバータ、 20 サーボエリア、 21 ヘッドアンプ、 22 サーボデータ処理回路、 23 I/O、 100 位置誤差フィードバック制御系、 110 積分器、 120 位相進み補償器、 150 ゲインベクトル、 200 モデル側制御系、 210、220 マトリックス、 230 サンプル遅れ、 240 マトリックス、 300 速度フィードバックコントローラ、 310 状態フィードバックゲイン、 400 リミッタ、 420 ゼロ次ホルダ

Claims (6)

  1. 磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる駆動部と、
    前記駆動部を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    積分器と位相進み補償器とを有し、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記駆動部をフィードバック制御する位置誤差フィードバック制御系と、
    前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力する2自由度制御系と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記磁気ヘッドの位置決め制御時と、シーク時と、の両時において、前記積分器の出力を前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新することを特徴とする磁気ディスク装置。
  2. 前記制御手段は、前記数式モデルの速度と、位置と、を用いた速度フィードバック制御系をさらに有し、
    前記位置決め制御時に、前記速度フィードバック制御系の出力と、前記積分器の出力と、を前記駆動部に与えることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置。
  3. 前記位置決め制御時の状態を決める速度フィードバックゲインが、前記数式モデルのモデルゲインの逆数であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
  4. 前記制御手段は、前記位相進み補償器の出力を前記数式モデルに与える際に、ゲインベクトルを介することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気ディスク装置。
  5. 前記ゲインベクトルは、行列の零の固有値に対する固有ベクトルに定数を掛けたゲインベクトルであることを特徴とする請求項4記載の磁気ディスク装置。
  6. 磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる磁気ヘッドの制御方法であって、
    積分器と位相進み補償器とを用い、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記磁気ヘッドの駆動部をフィードバック制御しつつ、
    前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力して制御し、
    前記磁気ヘッドの位置決め制御時と、シーク時と、の両時において、前記積分器の出力を前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新することを特徴とする磁気ヘッドの制御方法。
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