JP2009092674A - 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【構成】 パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査装置において、前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得部150と、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較回路108とを備え、比較回路108において、所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう場合に、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、試料上の欠陥の有無を判定することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
例えば、パターン検査方法として、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを撮像した画像データ同士を比較する「die to die検査」や、マスクパターンを描画する時に使用したCADデータを検査装置入力フォーマットに変換した描画データをベースに設計画像データを生成して、それとパターンを撮像した画像データとを比較する「die to database検査」がある。かかる検査装置における検査方法では、試料はステージ上に載置され、ステージが動くことによって光束が試料上を走査し、検査が行われる。試料には、光源及び照明光学系によって光束が照射される。試料を透過あるいは反射した光は光学系を介して、センサ上に結像される。センサで撮像された画像は画像データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、撮像された画像データ同士、あるいは撮像された画像データと設計画像データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
被検査試料を走査すると、試料を走査するセンサは、ある面積を有する領域のパターンを観測することになる。そして、その領域には、パターンが存在する部分とパターンの存在しない部分が存在し、その結果、センサからは、このパターンの存在部分と非存在部分の比(占有率)に相当する階調データが、装置の光学特性等を加味した状態で、出力される。2つの領域の比較は、これらの領域から出力される2つの画像データを比較することによって行われ、そのデータ(占有率または階調値)が同一であれば、パターンが同一であると判断し、画像データに差があれば、パターンは同一でないと判断する。ところで、通常この画像データは、8ビットの画素データとして記述されており、これは256階調に相当する。そのため、画像データが全く同一でない限り両パターンのいずれかにパターン欠陥があると認識することは、厳密ではあるものの実際のマスクの精度等から見て現実的ではない。そこで、両比較データの差異を考慮して、パターンの一致、不一致を判断することが一般的である。
このときの同一パターンであると判断される比較データの差異の程度を閾値といい、検査装置の各種パラメータに応じて適宜決定される。
パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査装置であって、
前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得部と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較部と、
を備えたことを特徴とする。
パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査装置であって、
前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得部と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なった結果、所定の判定条件を満たさなかった場合に、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を再度行なう比較部と、
を備えたことを特徴とする。
パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査方法であって、
前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得工程と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較工程と、
を備えたことを特徴とする。
パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士の比較をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記被検査試料の光学画像データを取得する光学画像データ取得処理と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
光学画像データとは、検査装置による検査によって得られる、被検査試料のパターンの測定画素データの総体をいう。
測定画素データとは、センサーの1画素を単位とするマス目である測定画素のもつデータであり、光学画像データの単位である。例えば8ビットの符号なしデータであり、各測定画素の明るさの階調(8ビットの場合は256階調)を表現している。
光学画像とは、光学画像データの一部または全部に対応する2次元図形パターンをいう。
部分光学画像データとは、die to die検査の場合において、同一マスク上の異なる場所の同一パターンゆえに、相互比較の対象となるパターンに対応する光学画像データの一部をいう。例えば、マスク上に複数の同一パターンダイが形成されている場合において、そのうちのひとつのダイの測定画素データの総体を、部分光学画像データと称する。また、部分光学画像データは、同一ダイ上の繰り返しパターンに対応する範囲の測定画素データの総体であってもよい。
設計パターンとは、マスクパターンをあらわす2次元図形パターンをいう。個々のパターンのみならず、マスク上のすべての2次元図形パターンを総体的に表す場合にも用いる。
設計パターンの情報とは、設計パターンを画像データ以外の所定のフォーマットで記述したデータをいう。例えば、描画装置用の描画データフォーマットがこれにあたる。
領域パターンとは、部分光学画像データ比較の際に判定条件変更情報を与えるために、被検査試料の所定の領域を示す2次元図形パターンをいう。個々のパターンのみならず、マスク上のすべての2次元図形パターンを総体的に表す場合にも用いる。
領域パターンの情報とは、領域パターンを画像データ以外の所定のフォーマットで記述したデータをいう。
領域画像データとは、領域パターンの情報から生成される2値ないしは多値の領域画素データの総体をいう。
領域画素データとは、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目である領域画素のもつデータであり、領域画像データの単位である。2値ないしは多値のビットデータで判定条件変更情報をあらわしている。
領域画像とは、所定の領域パターンから導出される、検査判定条件を変更する画素領域を示す2次元図形パターンをいう。
図1は、実施の形態1において被検査試料となるマスクを示す。マスク上には同一のパターンを有する2つのダイが描画されている。本実施の形態においては、マスク上の第1ダイと第2ダイという、本来差異なく形成されるべき対応するパターンの、部分光学画像データ同士を比較することにより、マスク上の欠陥の有無を検査する。
図2において、マスクやウェハ等の基板を試料として、かかる試料の欠陥を検査する試料検査装置100は、光学画像データ取得部150と制御系回路160を備えている。光学画像データ取得部150は、XYθテーブル102、光源103、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105、センサ回路106、レーザ測長システム122、オートローダ130、照明光学系170を備えている。制御系回路160では、コンピュータとなる制御計算機110が、データ伝送路となるバス120を介して、位置回路107、比較部の一例となる比較回路108、領域画像データ生成部の一例となる領域情報展開回路140、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、オートフォーカス制御回路142、記憶装置の一例となる磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、フロッピー(登録商標)ディスク116、CRT117、パターンモニタ118、プリンタ119に接続されている。また、XYθテーブル102は、X軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータにより駆動される。図2では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。試料検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
図3において、試料検査方法は、光学画像データ取得工程(S202)、と、領域パターン記憶工程(S222)と、領域画像データ生成工程の一例となる展開工程(S224)と、第1ダイに相当する部分光学画像データ1と、第2ダイに相当する部分光学画像データ2を比較する比較工程(S217)という一連の工程を実施する。
被検査試料となるフォトマスク101は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能に設けられたXYθテーブル102上に載置され、フォトマスク101に形成されたパターンには、XYθテーブル102の上方に配置されている適切な光源103によって光が照射される。光源103から照射される光束は、照明光学系170を介して試料となるフォトマスク101を照射する。フォトマスク101の下方には、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105及びセンサ回路106が配置されており、試料となるフォトマスク101を透過した光は拡大光学系104を介して、フォトダイオードアレイ105に光学像として結像し、入射する。拡大光学系104は、例えば、オートフォーカス制御回路142によって自動的に焦点調整がなされる。
被検査領域は、図4に示すように、Y方向に向かって、スキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプに仮想的に分割され、更にその分割された各検査ストライプが連続的に走査されるようにXYθテーブル102(図2)の動作が制御され、X方向に移動しながら光学画像が取得される。フォトダイオードアレイ105(図2)では、図4に示されるようなスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第1の検査ストライプにおける画像を取得した後、第2の検査ストライプにおける画像を今度は逆方向に移動しながら同様にスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第3の検査ストライプにおける画像を取得する場合には、第2の検査ストライプにおける画像を取得する方向とは逆方向、すなわち、第1の検査ストライプにおける画像を取得した方向に移動しながら画像を取得する。このように、連続的に画像を取得していくことで、無駄な処理時間を短縮することができる。
図6において、光学画像データから抽出され比較される、第1ダイに相当する部分画像データ1と、第2ダイに相当する部分画像データ2は、上述したように、比較回路108に送られる。そして、領域パターンの情報は、領域情報展開回路140により領域画像データに変換され、比較回路108に送られる。
図3のS222において、記憶工程として、領域パターンの情報が、記憶装置(記憶部)の一例である磁気ディスク装置109(図2)に記憶される。
図3のS224において、展開工程として、図2の領域情報展開回路140は、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通して領域パターンの情報を読み出し、読み出された領域パターンの情報を2値ないしは多値のイメージデータ(領域画像データ)に変換する。
図5において、領域情報展開回路140は、階層構造展開回路202、調停回路204、パターン発生回路206、パターンメモリ208、パターン読み出し回路210を有している。そして、パターン発生回路206とパターンメモリ208とで1つの組となって、複数段配置されている。
ここで、例えば、領域パターンの情報に含まれる図形は長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
かかる図形データとなる領域パターンの情報が領域情報展開回路140に入力されると、階層構造展開回路202は、図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、パターン発生回路206において、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目(領域画素)内に配置されるパターンとして2値ないしは多値のデータを展開する。そして、展開されたデータは、パターンメモリ208に一時的に蓄積される。言い換えれば、占有率演算部の一例となるパターン発生回路206では、領域パターンの情報を読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできた各マス目ごとに領域パターンの情報における図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データをパターンメモリ208に出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/28(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとしてパターンメモリ208に出力する。後述するように、この占有率データが、領域画素データ生成の基礎データとなる。
しかし、被検査試料となるマスクの描画データとして用いられる設計パターンの情報とフォーマットを共通化しておけば、設計パターンを出力するツールがそのまま使えるので効率がよい。
すなわち、例えば、規定の値以上の占有率を有する領域画素に対して、検査閾値を変更する情報を与えるというアルゴリズムの場合、この条件を充足する領域画素に対して、「1」をたて、条件を充足しない領域画素にたいしては「0」をたてるという方法で、2値(1ビット)で構成される検査閾値変更情報を与え、比較工程において使用される領域画像データの単位である領域画素データとする。
また、検査閾値(感度)情報となる領域画像データを、光学画像データと同一のフォーマット、すなわち、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとしての2値ないしは多値のデータフォーマット、からなる情報とすることにより、既存の装置の比較回路や比較プロセスをそのまま流用できることになり、効率が良く、かつ、検査精度の高い検査装置を実現することができる。
図8では、設計パターンとして、基本パターンとして2つの隣接するラインパターンが形成されている。一方の基本パターン(1)は、直線のラインパターンが形成され、他方の基本パターン(2)は、途中で、線幅を変えずに一端外側に膨らんで、また元に戻る軌跡を描いた形状に形成されている。そして、局所的なスペース変動のあるこのままのマスクパターンでウェハ上にパターンを転写すると、転写されるスペースやラインが所定の設計値から局所的に乖離することが、近接効果の影響で生じることになる。そこで、このようなパターンにおいても所定の設計値でウェハ上にパターンを転写すべく、ラインパターン間のスペース(距離)が広がった空間部分に基本パターンより細い線幅のアシストパターンとなるOPCパターンが配置されている。
図9に示すように、図8に示すOPCパターンが配置された設計パターンにおける図形パターンが、描画装置により試料となるマスクに描画されると図9に示すOPCパターン光学画像のようにOPCパターンが小さく、かつ、ダイごと(または、場所ごとに)大きさが異なってしまう。よって、第1ダイと第2ダイの光学画像を比較すると欠陥(NG)と判定されてしまうことがある。
しかし、このパターンは寸法が正確にできているかどうかはそれほど大きな意味をもたないことが多く、これを欠陥と判定してしまうと試料全面で多くの擬似欠陥を生じさせてしまい、装置の有効利用が困難となってしまう。そこで、以下のような領域を設定する。
図10に示すように、OPCパターン近傍で検査感度を厳しくしなくてもよい領域を示す領域パターンを用意する。そして、この領域パターンの情報を領域情報展開回路140により、領域画像データに変換して図2、図6に示す比較回路108に入力する。その結果、比較回路108は、図11に示す領域画像(所定の領域パターンから導出される、検査判定条件を変更する画素領域を示す2次元図形パターン)に相当する領域の比較閾値を自動的に緩めることができるので、従来は擬似欠陥となってしまっていたものをそうならないようにすることが可能となる。
この、領域パターンは、位置ずれ誤差を考慮して指定したい部分(ここでは、OPCパターン部分)より若干大きな寸法の領域とすることが望ましい。例えば、全体に1画素分程度ずつ大きくした領域にすると良い。
この領域パターンは、例えば、設計パターンの描かれたCAD上で、直接描かれてもよいし、CADデータの有するOPCパターンを大きくするような一定の変換差をつけたパターンを、プログラム処理により自動発生させることによっても準備することできる。あるいは、領域パターンの情報から生成された領域画像データにリサイズ処理をかけて、パターンを膨らませることによって準備しても構わない。
実施の形態1では、OPCパターンの場合について説明したが、擬似欠陥が発生し得るのはこれに限るものではない。他の例として、実施の形態2では、デザインルール(パターン幅やパターン間隔の規定)の異なるパターンが同一ダイ内に形成されている試料を検査する場合について説明する。本実施の形態において、装置構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、試料検査方法の各工程は、以下に説明する箇所を除いて実施の形態1と同様であるため、同様な箇所の説明を省略する。
図12に、デザインルールの異なるパターンが同一ダイ内に形成されている試料の一例である半導体メモリーの配置図と、その設計パターンを示す。
図12に示すように、半導体メモリーは、データを記憶するメモリーセルアレイと、そのメモリーセルアレイの周辺に配置され、データ等の論理処理を行う周辺回路から形成されている。この際、記憶容量を増やすために、特にメモリーセルアレイ部では、集積度を上げるために、密なパターンが要求される。したがって、通常、周辺回路よりデザインルールが厳しくなっている。
図13に示すように、マスク上の変異のサイズが、メモリーセルアレイ部と、周辺回路部で同一であっても、デザインルールが異なるため、セルアレイ部ではショートのおそれが高くなるが、周辺回路ではショートにつながるおそれが非常に小さい場合がある。
このような場合、メモリーセルアレイ部では、パターンのショートを回避するために、検査閾値を厳しくすることが求められる。
もっとも、周辺回路部にセルアレイ部と同様の閾値を適用すると、本来、まったくショートにつながるおそれのない変異までも、欠陥と判定することにより試料全面で多くの擬似欠陥を生じさせてしまい、装置の有効利用が困難となってしまう。
そこで、図14に示すように、メモリーセルアレイ部には、その領域であることを示す領域画像データが生成されるように、領域パターンを予め作成して用意しておくことで、その部分の検査閾値を比較回路108内で厳しくする側に変更することができる。その結果、擬似欠陥を低減することが可能となる。
例えば、マスク上に検査不要な微細パターンを伴うテストパターンがある場合には、検査不要な領域を囲む領域パターンを作成し、その領域パターン情報に基づいた領域画像データを参照することで、その領域の検査を省略し、微細パターン起因の擬似欠陥の発生を抑制することが出来る。
あるいは、欠陥の有無の判定に、検査対象画素の周囲の画素情報を参照するアルゴリズムを特定領域に適用したい場合、かかる領域を領域パターンで囲むことにより、欠陥判定アルゴリズムという判定条件の変更を実現することができる。
実施の形態3において、装置構成及び試料検査方法の各工程は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
領域パターンの情報は被検査領域全面に対して存在していることが望ましいが、検査感度を一定にしておきたい領域に対してむやみに領域パターンの情報を展開処理して領域画像データに変換するのは装置の利用効率が良いとは言えない。そこで、上述した実施の形態1におけるOPCパターンが多く存在する領域に対して領域パターンの情報を展開処理して領域画像データに変換するというのもの実用的である。
実施の形態4において、装置構成及び試料検査方法の各工程は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
これまで上述した各実施の形態では、欠陥の判定に際し、1つの領域パターンの情報から変換される1つの領域画像データのみを判定条件を変更する参照データとして取り扱ってきたが、検査感度を複数の種類で切り替えたい場合などには、第2の参照データとなる第2の領域パターンの情報やそれ以上の種類の領域パターンの情報から変換される第2以降の領域画像データをも使って検査することも十分に考えられ、また好適である。その場合、比較回路108(図2、図6)では、複数の領域画像データをそれぞれ検索することで、比較検査する測定画素データについて、検査閾値を変更するかどうかの情報源となる領域画素データが存在するかどうかを判断することができる。また、装置構成としては、図2において、第2以降の領域画像データを生成する分だけ、領域情報展開回路140及びをさらに増設すればよい。
図15は、第1の領域パターンの一例を示す図である。
図16は、第2の領域パターンの一例を示す図である。
図17は、領域画像データの一例を示す図である。
設計パターンとして、基本パターン(1)と基本パターン(2)とが配置されている場合に、図15では第1の領域パターンとして、基本パターン(1)近傍の領域をある検査閾値で検査すべく設定され、図16では第2の領域パターンとして、基本パターン(2)近傍の領域を別のある検査閾値で検査すべく設定されている。このような場合、領域情報展開回路140で各領域画素ごとにビット展開する場合に、図17に示すように、領域画像データは、各領域画素ごとにnビットの画素データ(ここでは、一例として8ビットデータ)として示され、第1の領域パターンを示す領域画素においては、1ビット目に「1」が立つように、第2の領域パターンを示す領域の領域画素においては、2ビット目に「1」が立つように、変換するように構成する。このように構成することで、複数の領域パターンを利用する場合でも、複数の領域画像データを持たずに1つの領域画像データに纏めることができる。その結果、比較回路108が、1つの領域画像データを検索することで、比較検査する画素について複数の検査閾値のうち、どの閾値に変更するのかを判断することができる。
実施の形態5において、装置構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、試料検査方法の各工程は、以下に説明する箇所を除いて実施の形態1と同様であるため、同様な箇所の説明を省略する。
領域画像データの生成過程であるが、常に領域画像データを生成して比較回路108に入力しておくと検査時間の安定化を図ることができるが、試料全面に渡り、領域画像データが必要であることはまれである。そこで、装置の肥大化を防ぐため、図7のフローチャート図において、部分光学画像データ同士の比較で欠陥候補が出現した部分に対して、領域画像データを生成するというのも実用的である。言い換えれば、領域画像データは、S218の比較工程(1)において、比較回路108にて部分光学画像データ同士の測定画素データの比較を行なった結果、差異が所定の閾値を超えた場合に生成されるようにしても好適である。そして、S228の比較工程(2)において比較回路108にて、領域画像データに示す閾値に変更して、測定画素データ同士の比較を再度行なえばよい。
実施の形態6において、装置構成及び試料検査方法の各工程は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
領域画像データの1画素(領域画素)の大きさは光学画像データの1画素(測定画素)の大きさに合わせるのが基本となる。ただし、検査閾値を変更する領域の大きさがある程度以上であることが分かっている場合などには、光学画像データにおける1画素の大きさと領域画像データの1画素の大きさとを一致させずに、領域画像データの1画素の大きさを光学画像データにおける1画素の大きさより大きくすることも好適である。
図19は、領域画像データにおける画素領域の一例を示す図である。
光学画像データにおける画素領域が図18のような所定の量子化寸法を単位とするマス目に分割されている場合に、領域画像データにおける画素領域が図19に示すような測定画素データにおける量子化寸法より大きな寸法を単位とするマス目に仮想分割する。そして、領域画像データは、光学画像データの寸法より大きな寸法を単位とするマス目のデータとして生成される。例えば、図19では、光学画像データの2×2画素分を領域画像データの1画素の大きさにする等の処置を施すことにより、被検査領域における領域画像データの画素数を減らすことができる。よって、領域パターンの情報のデータ量も小さくすることができ、領域画像データへの変換する場合の処理時間を短縮することができ、実用的である。
図2の構成では、スキャン幅Wの画素数(例えば2048画素)を同時に入射するフォトダイオードアレイ105を用いているが、これに限るものではなく、図20に示すように、XYθテーブル102をX方向に定速度で送りながら、レーザ干渉計で一定ピッチの移動を検出した毎にY方向に図示していないレーザスキャン光学装置でレーザビームをY方向に走査し、透過光を検出して所定の大きさのエリア毎に二次元画像を取得する手法を用いても構わない。
例えば、各実施の形態では、透過光を用いているが、試料検査装置は、試料の透過光を検知して測定する透過型の検査装置に限らず、測定画素データを光学画像とする装置であれば、試料の反射光を検知して測定する反射型の欠陥検査装置であっても、透過光と反射光を同時に用いる欠陥検査装置でも構わない。
また、各実施の形態では、異なるダイ内のパターン同士を比較しているが、比較する部分光学画像データについては、必ずしも、異なるダイ内のパターン同士でなくとも、同一ダイ上の異なる場所の同一パターン同士であっても構わない。例えば、半導体メモリーのダイ内で、繰り返し配置される同一パターンのメモリーセルアレイ同士であっても良いし、あるいは、メモリーセルアレイごとに配置されるセンスアンプやデコーダーなどのコア回路同士であっても構わない。
そして、試料検査装置は必ずしもマスクの欠陥検査装置でなくとも、ウェハ上の欠陥検査装置であっても構わない。
さらに、領域パターンの情報の領域情報展開回路140は、検査装置に必ずしも備わっている必要はなく、装置外で、領域パターンの情報から領域画像データに変換されたものを、検査装置に入力しても構わない。
101 フォトマスク
102 XYθテーブル
103 光源
104 拡大光学系
105 フォトダイオードアレイ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
113 オートローダー制御回路
114 テーブル制御回路
115 磁気テープ装置
116 フロッピー(登録商標)ディスク
117 CRT
118 パターンモニタ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザー測長システム
130 オートローダー
140 領域情報展開回路
142 オートフォーカス制御回路
150 光学画像データ取得部
160 制御系回路
170 照明光学系
Claims (9)
- パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査装置であって、
前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得部と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較部と、
を備えたことを特徴とする試料検査装置。 - パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査装置であって、
前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得部と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なった結果、所定の判定条件を満たさなかった場合に、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を再度行なう比較部と、
を備えたことを特徴とする試料検査装置。 - 前記領域パターンが、検査閾値を厳しくする領域を示すパターンであることを特徴とする請求項1又は2記載の試料検査装置。
- 前記領域パターンが、検査閾値を緩くする領域を示すパターンであることを特徴とする請求項1又は2記載の試料検査装置。
- 前記試料検査装置は、さらに、前記領域パターンの情報に基づいて領域画像データを生成する領域画像データ生成部を備えたことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の試料検査装置。
- 前記領域画像データは、前記比較部において、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なった結果、所定の判定条件を満たさなかった場合に生成されることを特徴とする請求項2〜5いずれか記載の試料検査装置。
- 前記光学画像データは、所定の寸法を単位とするマス目のデータとして生成され、
前記領域画像データは、前記所定の寸法より大きな寸法を単位とするマス目のデータとして生成されることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の試料検査装置。 - パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査方法であって、
前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得工程と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較工程と、
を備えたことを特徴とする試料検査方法。 - パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士の比較をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記被検査試料の光学画像データを取得する光学画像データ取得処理と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
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