JP2009092674A - 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム - Google Patents

試料検査装置、試料検査方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2009092674A
JP2009092674A JP2008333252A JP2008333252A JP2009092674A JP 2009092674 A JP2009092674 A JP 2009092674A JP 2008333252 A JP2008333252 A JP 2008333252A JP 2008333252 A JP2008333252 A JP 2008333252A JP 2009092674 A JP2009092674 A JP 2009092674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image data
pattern
sample
region
optical image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008333252A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4977123B2 (ja
Inventor
Ikunao Isomura
育直 磯村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Advanced Mask Inspection Technology Inc
Original Assignee
Advanced Mask Inspection Technology Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Advanced Mask Inspection Technology Inc filed Critical Advanced Mask Inspection Technology Inc
Priority to JP2008333252A priority Critical patent/JP4977123B2/ja
Publication of JP2009092674A publication Critical patent/JP2009092674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4977123B2 publication Critical patent/JP4977123B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Abstract

【目的】 適正な精度で試料検査を行う装置、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【構成】 パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査装置において、前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得部150と、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較回路108とを備え、比較回路108において、所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう場合に、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、試料上の欠陥の有無を判定することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、試料検査装置、試料検査方法、或いは、かかる方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに係り、例えば、半導体製造に用いる物体のパターン欠陥を検査するパターン検査技術に関し、半導体素子や液晶ディスプレイ(LCD)を製作するときに使用されるフォトマスク、ウェハ、あるいは液晶基板などの極めて小さなパターンの欠陥を検査する装置に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。これらの半導体素子は、回路パターンが形成された原画パターン(マスク或いはレチクルともいう。以下、マスクと総称する)を用いて、いわゆるステッパと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写して回路形成することにより製造される。よって、かかる微細な回路パターンをウェハに転写するためのマスクの製造には、微細な回路パターンを描画することができるパターン描画装置を用いる。
そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、LSIを構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになろうとしている。歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
一方、マルチメディア化の進展に伴い、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)は、500mm×600mm、またはこれ以上への液晶基板サイズの大型化と、液晶基板上に形成されるTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等のパターンの微細化が進んでいる。従って、極めて小さいパターン欠陥を広範囲に検査することが要求されるようになってきている。このため、このような大面積LCDのパターン及び大面積LCDを製作する時に用いられるフォトマスクの欠陥を短時間で、効率的に検査する試料検査装置の開発も急務となってきている。
ここで、従来のパターン検査装置では、拡大光学系を用いてリソグラフィマスク等の試料上に形成されているパターンを所定の倍率で撮像した画像データと設計データ、あるいは試料上の同一パターンを撮像した画像データ同士と比較することにより検査を行うことが知られている。
例えば、パターン検査方法として、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを撮像した画像データ同士を比較する「die to die検査」や、マスクパターンを描画する時に使用したCADデータを検査装置入力フォーマットに変換した描画データをベースに設計画像データを生成して、それとパターンを撮像した画像データとを比較する「die to database検査」がある。かかる検査装置における検査方法では、試料はステージ上に載置され、ステージが動くことによって光束が試料上を走査し、検査が行われる。試料には、光源及び照明光学系によって光束が照射される。試料を透過あるいは反射した光は光学系を介して、センサ上に結像される。センサで撮像された画像は画像データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、撮像された画像データ同士、あるいは撮像された画像データと設計画像データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
パターン検査のアルゴリズムの一例について、「die to die検査」の場合に基づいて説明する。
被検査試料を走査すると、試料を走査するセンサは、ある面積を有する領域のパターンを観測することになる。そして、その領域には、パターンが存在する部分とパターンの存在しない部分が存在し、その結果、センサからは、このパターンの存在部分と非存在部分の比(占有率)に相当する階調データが、装置の光学特性等を加味した状態で、出力される。2つの領域の比較は、これらの領域から出力される2つの画像データを比較することによって行われ、そのデータ(占有率または階調値)が同一であれば、パターンが同一であると判断し、画像データに差があれば、パターンは同一でないと判断する。ところで、通常この画像データは、8ビットの画素データとして記述されており、これは256階調に相当する。そのため、画像データが全く同一でない限り両パターンのいずれかにパターン欠陥があると認識することは、厳密ではあるものの実際のマスクの精度等から見て現実的ではない。そこで、両比較データの差異を考慮して、パターンの一致、不一致を判断することが一般的である。
このときの同一パターンであると判断される比較データの差異の程度を閾値といい、検査装置の各種パラメータに応じて適宜決定される。
そして、近年、設計パターンの線幅が細くなり、また光近接効果補正(OPC)用の微細パターンの存在により、設計パターンと測定の出力データ、あるいは、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを撮像した測定の出力データ同士を一致させることが困難になり、本来欠陥と判定してほしくないものを欠陥と判定してしまう(擬似欠陥)ケースが散見されるようになってきた。しかし、判定閾値を緩くすると寸法精度が要求されるパターンでの欠陥を検出することができなくなってしまう。そのため、描画パターンを複数の検査精度に分けて比較検査することが求められてきている。
ここで、描画パターンを複数のランクに分類して比較検査するという技術が文献に開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、かかる特許文献1には、どのようにして描画パターンを複数のランクに分類して装置に具現化するのかその手法が具体的でなく、実用性の観点から不十分であり、その解決手法が望まれている。その他に、設計画像データ(イメージデータ)からOPCパターンを自動的に検出して擬似欠陥を減らす方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−191957号公報 特許第3413110号公報
欠陥が試料内に出現した場合、ユーザによって欠陥のレビューが行なわれることが一般的である。しかし、上述した光近接効果補正(OPC)用の微細パターン等は、かなり多く(例えば、数万箇所)配置されているため、これら全てが欠陥と判定されてしまうとユーザによって欠陥のレビューを行なうにも作業量的及び時間的に限界を超えてしまう。上述のように擬似欠陥が試料内に多く出現した場合には検査そのものがやり直しとなってしまうといった問題があった。或いは、高価な試料そのものを再製作することになってしまうといった問題があった。逆に判定閾値を緩くすると寸法精度が要求されるパターンでの欠陥を検出することができなくなってしまうといった問題があった。
本発明は、上述した問題点を克服し、適正な精度で試料検査を行う装置、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様の試料検査装置は、
パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査装置であって、
前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得部と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様の試料検査装置は、
パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査装置であって、
前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得部と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なった結果、所定の判定条件を満たさなかった場合に、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を再度行なう比較部と、
を備えたことを特徴とする。
そして、本発明の一態様の試料検査方法は、
パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査方法であって、
前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得工程と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較工程と、
を備えたことを特徴とする。
また、本発明の一態様のプログラムは、
パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士の比較をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記被検査試料の光学画像データを取得する光学画像データ取得処理と、
前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、これまで擬似欠陥となっていたものを低減させることが可能となり、検査のやり直しを防ぐなど装置の有効利用を可能にすることができる。また、精度が要求されるパターンでの欠陥検出精度を向上させることができる。
まず、以下、本発明に使用される用語について簡単に説明する。
光学画像データとは、検査装置による検査によって得られる、被検査試料のパターンの測定画素データの総体をいう。
測定画素データとは、センサーの1画素を単位とするマス目である測定画素のもつデータであり、光学画像データの単位である。例えば8ビットの符号なしデータであり、各測定画素の明るさの階調(8ビットの場合は256階調)を表現している。
光学画像とは、光学画像データの一部または全部に対応する2次元図形パターンをいう。
部分光学画像データとは、die to die検査の場合において、同一マスク上の異なる場所の同一パターンゆえに、相互比較の対象となるパターンに対応する光学画像データの一部をいう。例えば、マスク上に複数の同一パターンダイが形成されている場合において、そのうちのひとつのダイの測定画素データの総体を、部分光学画像データと称する。また、部分光学画像データは、同一ダイ上の繰り返しパターンに対応する範囲の測定画素データの総体であってもよい。
設計パターンとは、マスクパターンをあらわす2次元図形パターンをいう。個々のパターンのみならず、マスク上のすべての2次元図形パターンを総体的に表す場合にも用いる。
設計パターンの情報とは、設計パターンを画像データ以外の所定のフォーマットで記述したデータをいう。例えば、描画装置用の描画データフォーマットがこれにあたる。
領域パターンとは、部分光学画像データ比較の際に判定条件変更情報を与えるために、被検査試料の所定の領域を示す2次元図形パターンをいう。個々のパターンのみならず、マスク上のすべての2次元図形パターンを総体的に表す場合にも用いる。
領域パターンの情報とは、領域パターンを画像データ以外の所定のフォーマットで記述したデータをいう。
領域画像データとは、領域パターンの情報から生成される2値ないしは多値の領域画素データの総体をいう。
領域画素データとは、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目である領域画素のもつデータであり、領域画像データの単位である。2値ないしは多値のビットデータで判定条件変更情報をあらわしている。
領域画像とは、所定の領域パターンから導出される、検査判定条件を変更する画素領域を示す2次元図形パターンをいう。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1において被検査試料となるマスクを示す。マスク上には同一のパターンを有する2つのダイが描画されている。本実施の形態においては、マスク上の第1ダイと第2ダイという、本来差異なく形成されるべき対応するパターンの、部分光学画像データ同士を比較することにより、マスク上の欠陥の有無を検査する。
図2は、実施の形態1における試料検査装置の構成を示す概念図である。
図2において、マスクやウェハ等の基板を試料として、かかる試料の欠陥を検査する試料検査装置100は、光学画像データ取得部150と制御系回路160を備えている。光学画像データ取得部150は、XYθテーブル102、光源103、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105、センサ回路106、レーザ測長システム122、オートローダ130、照明光学系170を備えている。制御系回路160では、コンピュータとなる制御計算機110が、データ伝送路となるバス120を介して、位置回路107、比較部の一例となる比較回路108、領域画像データ生成部の一例となる領域情報展開回路140、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、オートフォーカス制御回路142、記憶装置の一例となる磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、フロッピー(登録商標)ディスク116、CRT117、パターンモニタ118、プリンタ119に接続されている。また、XYθテーブル102は、X軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータにより駆動される。図2では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。試料検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
図3は、実施の形態1における試料検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。
図3において、試料検査方法は、光学画像データ取得工程(S202)、と、領域パターン記憶工程(S222)と、領域画像データ生成工程の一例となる展開工程(S224)と、第1ダイに相当する部分光学画像データ1と、第2ダイに相当する部分光学画像データ2を比較する比較工程(S217)という一連の工程を実施する。
S(ステップ)202において、光学画像データ取得工程として、図2に示す光学画像データ取得部150は、試料となるフォトマスク101における光学画像データを取得する。具体的には、光学画像データは、以下のように取得される。
被検査試料となるフォトマスク101は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能に設けられたXYθテーブル102上に載置され、フォトマスク101に形成されたパターンには、XYθテーブル102の上方に配置されている適切な光源103によって光が照射される。光源103から照射される光束は、照明光学系170を介して試料となるフォトマスク101を照射する。フォトマスク101の下方には、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105及びセンサ回路106が配置されており、試料となるフォトマスク101を透過した光は拡大光学系104を介して、フォトダイオードアレイ105に光学像として結像し、入射する。拡大光学系104は、例えば、オートフォーカス制御回路142によって自動的に焦点調整がなされる。
図4は、光学画像データの取得手順を説明するための図である。
被検査領域は、図4に示すように、Y方向に向かって、スキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプに仮想的に分割され、更にその分割された各検査ストライプが連続的に走査されるようにXYθテーブル102(図2)の動作が制御され、X方向に移動しながら光学画像が取得される。フォトダイオードアレイ105(図2)では、図4に示されるようなスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第1の検査ストライプにおける画像を取得した後、第2の検査ストライプにおける画像を今度は逆方向に移動しながら同様にスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第3の検査ストライプにおける画像を取得する場合には、第2の検査ストライプにおける画像を取得する方向とは逆方向、すなわち、第1の検査ストライプにおける画像を取得した方向に移動しながら画像を取得する。このように、連続的に画像を取得していくことで、無駄な処理時間を短縮することができる。
図2において、フォトダイオードアレイ105上に結像されたパターンの像は、フォトダイオードアレイ105によって光電変換され、更にセンサ回路106によってA/D(アナログデジタル)変換される。フォトダイオードアレイ105には、TDI(タイムディレイインテグレータ)センサのようなセンサが設置されている。ステージとなるXYθテーブル102をX軸方向に連続的に移動させることにより、TDIセンサは試料となるフォトマスク101のパターンを撮像する。これらの光源103、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105、センサ回路106により高倍率の検査光学系が構成されている。
XYθテーブル102は、制御計算機110の制御の下にテーブル制御回路114により駆動される。X方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X−Y−θ)モータの様な駆動系によって移動可能となっている。これらの、Xモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。そして、XYθテーブル102の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。また、XYθテーブル102上のフォトマスク101はオートローダ制御回路113により駆動されるオートローダ130から自動的に搬送され、検査終了後に自動的に排出されるものとなっている。
センサ回路106から出力された測定画素データは、位置回路107から出力されたXYθテーブル102上におけるフォトマスク101の位置を示すデータとともに比較回路108に送られる。測定画素データは例えば8ビットの符号なしデータであり、各画素の明るさの階調(8ビットの場合は256階調)を表現している。
図3のS217において、比較工程として、図2、図6における比較回路108は、試料となるフォトマスク101から得られる透過画像や反射画像等に基づいてセンサ回路106で生成された測定画素データのうち、被検査パターンの第1ダイに相当する部分光学画像データ1に属する測定画素データと、第2ダイに相当する部分光学画像データ2に属する測定画素データを、所定のアルゴリズムに従って比較し、欠陥の有無を判定する。
ここで、このままでは、上述したように擬似欠陥が生じてしまう場合がある。そこで、本実施の形態1では、図2に示す領域情報展開回路140を用いて領域画像データを生成する。上述したように、近年パターンの微細化に伴い、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを撮像した部分光学画像データ同士を擬似欠陥がでない程度に一致させることが難しくなってきている。これは試料全面でパターンを均一に描画することの困難さや、局部的に複雑なパターンが形成されていることによることが大きい。そこで、本実施の形態1では、同一マスク上の異なるダイを撮像した部分光学画像データ同士を比較する「die to die検査」において、領域画像データを用いて検査閾値を可変にすることで擬似欠陥を抑制することを可能にする比較処理システムを構築した。
図6は、試料検査方法における要部工程のフローチャートに従った回路構成のブロック図である。
図6において、光学画像データから抽出され比較される、第1ダイに相当する部分画像データ1と、第2ダイに相当する部分画像データ2は、上述したように、比較回路108に送られる。そして、領域パターンの情報は、領域情報展開回路140により領域画像データに変換され、比較回路108に送られる。
以下、領域画像データの生成について図2、図3および図5を用いて説明する。
図3のS222において、記憶工程として、領域パターンの情報が、記憶装置(記憶部)の一例である磁気ディスク装置109(図2)に記憶される。
図3のS224において、展開工程として、図2の領域情報展開回路140は、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通して領域パターンの情報を読み出し、読み出された領域パターンの情報を2値ないしは多値のイメージデータ(領域画像データ)に変換する。
図5は、領域情報展開回路の構成の一例を示す図である。
図5において、領域情報展開回路140は、階層構造展開回路202、調停回路204、パターン発生回路206、パターンメモリ208、パターン読み出し回路210を有している。そして、パターン発生回路206とパターンメモリ208とで1つの組となって、複数段配置されている。
ここで、例えば、領域パターンの情報に含まれる図形は長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
かかる図形データとなる領域パターンの情報が領域情報展開回路140に入力されると、階層構造展開回路202は、図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、パターン発生回路206において、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目(領域画素)内に配置されるパターンとして2値ないしは多値のデータを展開する。そして、展開されたデータは、パターンメモリ208に一時的に蓄積される。言い換えれば、占有率演算部の一例となるパターン発生回路206では、領域パターンの情報を読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできた各マス目ごとに領域パターンの情報における図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データをパターンメモリ208に出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/2(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとしてパターンメモリ208に出力する。後述するように、この占有率データが、領域画素データ生成の基礎データとなる。
領域情報展開回路140に入力される領域パターンの情報のフォーマットについては、特に制約はない。
しかし、被検査試料となるマスクの描画データとして用いられる設計パターンの情報とフォーマットを共通化しておけば、設計パターンを出力するツールがそのまま使えるので効率がよい。
ここで、効率よく複数のパターン発生回路206で並列処理動作を行なわせるため、調停回路204が、各パターン発生回路206への入力データを配分する。そして、パターン読み出し回路210がパターンメモリ208に記憶された占有率データを読み出す。パターン読み出し回路210では、同一画素内の占有率データが存在すれば、かかる占有率データを加算して読み出す。これにより各画素内の図形占有率(階調値)がわかる。
そして、読み出された各画素内の図形占有率データは、所定のアルゴリズムに従って、検査閾値感度情報を持った領域画像データへと変換される。
すなわち、例えば、規定の値以上の占有率を有する領域画素に対して、検査閾値を変更する情報を与えるというアルゴリズムの場合、この条件を充足する領域画素に対して、「1」をたて、条件を充足しない領域画素にたいしては「0」をたてるという方法で、2値(1ビット)で構成される検査閾値変更情報を与え、比較工程において使用される領域画像データの単位である領域画素データとする。
図3のS217において、比較工程として、定常的に領域画像データを取り込んで、第1ダイに相当する部分光学画像データ1と、第2ダイに相当する部分光学画像データを比較し、所定のアルゴリズムに従って欠陥の有無を判定する。すなわち、例えば、第1ダイの測定画素データの占有率(階調値)と、対応する第2ダイの測定画素データの占有率(階調値)を比較し、2つの測定画素データの占有率(階調値)の差異から欠陥の有無を判定する際に、対応する領域画像データの領域画素の有する検査閾値情報を参照して、適用する閾値を決定し、その閾値と2つの測定画素データの占有率の差異を比較することにより、欠陥の有無を判定する。
ここで、異なるダイの部分光学画像データ同士の位置合わせのためには、試料上に存在する特定ないしは任意のパターン画像を用いて、両者の相対距離の位置合わせが行われているが、本実施の形態では、それとは別に領域画像データの原点と試料上の原点をあわせることが必須となる。これには、従来、設計画像データと光学画像データとを比較する「die to database検査」装置で行われていたように、試料上の原点を特定できるようなパターンを使っての位置あわせを実行すればよい。
比較工程においては、図3に示すように、定常的に領域画像データに基づいて検査閾値(検査感度)を変更しながら部分光学画像データ1と部分光学画像データ2を比較してもよい。また、図7に示すように、比較工程(1)であるS218において部分光学画像データ同士の比較で検出した欠陥部分(NG)が生じた場合に領域画像データに基づいて判定条件となる検査閾値(検査感度)を変更して再度、比較工程(2)であるS228において部分光学画像データ同士の比較をするというのも比較処理にかかる時間を考慮するとより好適である。
以上のように構成することで、比較回路108(図2、図6)は領域画像データにより比較対象領域の比較判定閾値を変更させながら欠陥判定を行うことになる。よって、欠陥判定を厳しく行わなければならない領域は厳しい判定閾値で検査され、それほど重要ではない領域に対しては不必要に厳しい判定閾値で検査しないようにすることができる。その結果、擬似欠陥を多発させないようにすることができる。
また、検査閾値(感度)情報となる領域画像データを、光学画像データと同一のフォーマット、すなわち、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとしての2値ないしは多値のデータフォーマット、からなる情報とすることにより、既存の装置の比較回路や比較プロセスをそのまま流用できることになり、効率が良く、かつ、検査精度の高い検査装置を実現することができる。
ここで、部分光学画像データ同士を比較検査する場合に、擬似欠陥を生じやすいパターンについて以下に説明する。
図8は、OPCパターンが配置された設計パターンの一例を示す図である。
図8では、設計パターンとして、基本パターンとして2つの隣接するラインパターンが形成されている。一方の基本パターン(1)は、直線のラインパターンが形成され、他方の基本パターン(2)は、途中で、線幅を変えずに一端外側に膨らんで、また元に戻る軌跡を描いた形状に形成されている。そして、局所的なスペース変動のあるこのままのマスクパターンでウェハ上にパターンを転写すると、転写されるスペースやラインが所定の設計値から局所的に乖離することが、近接効果の影響で生じることになる。そこで、このようなパターンにおいても所定の設計値でウェハ上にパターンを転写すべく、ラインパターン間のスペース(距離)が広がった空間部分に基本パターンより細い線幅のアシストパターンとなるOPCパターンが配置されている。
図9は、図8に示すOPCパターンが配置された設計パターンに基づく光学画像の形状を示す図である。
図9に示すように、図8に示すOPCパターンが配置された設計パターンにおける図形パターンが、描画装置により試料となるマスクに描画されると図9に示すOPCパターン光学画像のようにOPCパターンが小さく、かつ、ダイごと(または、場所ごとに)大きさが異なってしまう。よって、第1ダイと第2ダイの光学画像を比較すると欠陥(NG)と判定されてしまうことがある。
以上のように、OPCパターンは、図8に示すようにその試料で主として使われているパターンよりもパターン線幅がかなり狭かったり短かったりする。しかも実際にこの設計パターンから描画されている試料上のパターンは図9に示すように、正確にできていないことも多い。これを他のパターンと同様の比較閾値で検査してしまうと、検査装置はこれを欠陥と認識してしまうことがある。
しかし、このパターンは寸法が正確にできているかどうかはそれほど大きな意味をもたないことが多く、これを欠陥と判定してしまうと試料全面で多くの擬似欠陥を生じさせてしまい、装置の有効利用が困難となってしまう。そこで、以下のような領域を設定する。
図10は、領域パターンにより示される領域を説明するための図面である。
図10に示すように、OPCパターン近傍で検査感度を厳しくしなくてもよい領域を示す領域パターンを用意する。そして、この領域パターンの情報を領域情報展開回路140により、領域画像データに変換して図2、図6に示す比較回路108に入力する。その結果、比較回路108は、図11に示す領域画像(所定の領域パターンから導出される、検査判定条件を変更する画素領域を示す2次元図形パターン)に相当する領域の比較閾値を自動的に緩めることができるので、従来は擬似欠陥となってしまっていたものをそうならないようにすることが可能となる。
この、領域パターンは、位置ずれ誤差を考慮して指定したい部分(ここでは、OPCパターン部分)より若干大きな寸法の領域とすることが望ましい。例えば、全体に1画素分程度ずつ大きくした領域にすると良い。
この領域パターンは、例えば、設計パターンの描かれたCAD上で、直接描かれてもよいし、CADデータの有するOPCパターンを大きくするような一定の変換差をつけたパターンを、プログラム処理により自動発生させることによっても準備することできる。あるいは、領域パターンの情報から生成された領域画像データにリサイズ処理をかけて、パターンを膨らませることによって準備しても構わない。
以上のように、領域パターンから作成される領域パターンの情報を用意し、領域パターンの情報から生成される領域画像データを用いて、部分光学画像データ同士を比較することにより擬似欠陥を低減することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、OPCパターンの場合について説明したが、擬似欠陥が発生し得るのはこれに限るものではない。他の例として、実施の形態2では、デザインルール(パターン幅やパターン間隔の規定)の異なるパターンが同一ダイ内に形成されている試料を検査する場合について説明する。本実施の形態において、装置構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、試料検査方法の各工程は、以下に説明する箇所を除いて実施の形態1と同様であるため、同様な箇所の説明を省略する。
図12に、デザインルールの異なるパターンが同一ダイ内に形成されている試料の一例である半導体メモリーの配置図と、その設計パターンを示す。
図12に示すように、半導体メモリーは、データを記憶するメモリーセルアレイと、そのメモリーセルアレイの周辺に配置され、データ等の論理処理を行う周辺回路から形成されている。この際、記憶容量を増やすために、特にメモリーセルアレイ部では、集積度を上げるために、密なパターンが要求される。したがって、通常、周辺回路よりデザインルールが厳しくなっている。
図13は、図12の設計パターンの光学画像の一例を示す図である。
図13に示すように、マスク上の変異のサイズが、メモリーセルアレイ部と、周辺回路部で同一であっても、デザインルールが異なるため、セルアレイ部ではショートのおそれが高くなるが、周辺回路ではショートにつながるおそれが非常に小さい場合がある。
このような場合、メモリーセルアレイ部では、パターンのショートを回避するために、検査閾値を厳しくすることが求められる。
もっとも、周辺回路部にセルアレイ部と同様の閾値を適用すると、本来、まったくショートにつながるおそれのない変異までも、欠陥と判定することにより試料全面で多くの擬似欠陥を生じさせてしまい、装置の有効利用が困難となってしまう。
そこで、図14に示すように、メモリーセルアレイ部には、その領域であることを示す領域画像データが生成されるように、領域パターンを予め作成して用意しておくことで、その部分の検査閾値を比較回路108内で厳しくする側に変更することができる。その結果、擬似欠陥を低減することが可能となる。
或いは、周辺回路部に、その領域であることを示す領域画像データが生成されるように、領域パターンの情報を予め作成して用意しておくことで、その部分の検査閾値を比較回路108内で緩くする側に変更しても好適である。
以上、領域画像データを参照して、検査閾値を変更する例について述べてきたが、領域画像データの利用は、検査閾値の変更に限らず、広く欠陥の有無の判定条件の変更に利用できる。
例えば、マスク上に検査不要な微細パターンを伴うテストパターンがある場合には、検査不要な領域を囲む領域パターンを作成し、その領域パターン情報に基づいた領域画像データを参照することで、その領域の検査を省略し、微細パターン起因の擬似欠陥の発生を抑制することが出来る。
あるいは、欠陥の有無の判定に、検査対象画素の周囲の画素情報を参照するアルゴリズムを特定領域に適用したい場合、かかる領域を領域パターンで囲むことにより、欠陥判定アルゴリズムという判定条件の変更を実現することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3において、装置構成及び試料検査方法の各工程は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
領域パターンの情報は被検査領域全面に対して存在していることが望ましいが、検査感度を一定にしておきたい領域に対してむやみに領域パターンの情報を展開処理して領域画像データに変換するのは装置の利用効率が良いとは言えない。そこで、上述した実施の形態1におけるOPCパターンが多く存在する領域に対して領域パターンの情報を展開処理して領域画像データに変換するというのもの実用的である。
また、上述した各実施の形態において、領域パターンは、通常パターン領域に対してより厳しい検査閾値で検査すべき領域に対してのパターンデータであるか、より緩い検査閾値で検査すべき領域に対してのパターンデータであるかはどちらでもかまわない。
(実施の形態4)
実施の形態4において、装置構成及び試料検査方法の各工程は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
これまで上述した各実施の形態では、欠陥の判定に際し、1つの領域パターンの情報から変換される1つの領域画像データのみを判定条件を変更する参照データとして取り扱ってきたが、検査感度を複数の種類で切り替えたい場合などには、第2の参照データとなる第2の領域パターンの情報やそれ以上の種類の領域パターンの情報から変換される第2以降の領域画像データをも使って検査することも十分に考えられ、また好適である。その場合、比較回路108(図2、図6)では、複数の領域画像データをそれぞれ検索することで、比較検査する測定画素データについて、検査閾値を変更するかどうかの情報源となる領域画素データが存在するかどうかを判断することができる。また、装置構成としては、図2において、第2以降の領域画像データを生成する分だけ、領域情報展開回路140及びをさらに増設すればよい。
ここで、比較検査する測定画素データについて、比較回路108が、複数の領域画像データをそれぞれ検索する場合より処理時間を短縮することができる手法を以下に説明する。
図15は、第1の領域パターンの一例を示す図である。
図16は、第2の領域パターンの一例を示す図である。
図17は、領域画像データの一例を示す図である。
設計パターンとして、基本パターン(1)と基本パターン(2)とが配置されている場合に、図15では第1の領域パターンとして、基本パターン(1)近傍の領域をある検査閾値で検査すべく設定され、図16では第2の領域パターンとして、基本パターン(2)近傍の領域を別のある検査閾値で検査すべく設定されている。このような場合、領域情報展開回路140で各領域画素ごとにビット展開する場合に、図17に示すように、領域画像データは、各領域画素ごとにnビットの画素データ(ここでは、一例として8ビットデータ)として示され、第1の領域パターンを示す領域画素においては、1ビット目に「1」が立つように、第2の領域パターンを示す領域の領域画素においては、2ビット目に「1」が立つように、変換するように構成する。このように構成することで、複数の領域パターンを利用する場合でも、複数の領域画像データを持たずに1つの領域画像データに纏めることができる。その結果、比較回路108が、1つの領域画像データを検索することで、比較検査する画素について複数の検査閾値のうち、どの閾値に変更するのかを判断することができる。
ただこれを扱う際に装置が肥大化してしまったり検査時間が制約を受けたりすることも考慮するとより好ましい。
(実施の形態5)
実施の形態5において、装置構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、試料検査方法の各工程は、以下に説明する箇所を除いて実施の形態1と同様であるため、同様な箇所の説明を省略する。
領域画像データの生成過程であるが、常に領域画像データを生成して比較回路108に入力しておくと検査時間の安定化を図ることができるが、試料全面に渡り、領域画像データが必要であることはまれである。そこで、装置の肥大化を防ぐため、図7のフローチャート図において、部分光学画像データ同士の比較で欠陥候補が出現した部分に対して、領域画像データを生成するというのも実用的である。言い換えれば、領域画像データは、S218の比較工程(1)において、比較回路108にて部分光学画像データ同士の測定画素データの比較を行なった結果、差異が所定の閾値を超えた場合に生成されるようにしても好適である。そして、S228の比較工程(2)において比較回路108にて、領域画像データに示す閾値に変更して、測定画素データ同士の比較を再度行なえばよい。
以上のように、領域画像データを欠陥候補が出現した部分に対して生成することで、処理時間の短縮を図りながらこれまで擬似欠陥となっていたものを低減させることが可能となり、検査のやり直しを防ぐなど装置の有効利用が可能になる。
(実施の形態6)
実施の形態6において、装置構成及び試料検査方法の各工程は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
領域画像データの1画素(領域画素)の大きさは光学画像データの1画素(測定画素)の大きさに合わせるのが基本となる。ただし、検査閾値を変更する領域の大きさがある程度以上であることが分かっている場合などには、光学画像データにおける1画素の大きさと領域画像データの1画素の大きさとを一致させずに、領域画像データの1画素の大きさを光学画像データにおける1画素の大きさより大きくすることも好適である。
図18は、光学画像データにおける画素領域の一例を示す図である。
図19は、領域画像データにおける画素領域の一例を示す図である。
光学画像データにおける画素領域が図18のような所定の量子化寸法を単位とするマス目に分割されている場合に、領域画像データにおける画素領域が図19に示すような測定画素データにおける量子化寸法より大きな寸法を単位とするマス目に仮想分割する。そして、領域画像データは、光学画像データの寸法より大きな寸法を単位とするマス目のデータとして生成される。例えば、図19では、光学画像データの2×2画素分を領域画像データの1画素の大きさにする等の処置を施すことにより、被検査領域における領域画像データの画素数を減らすことができる。よって、領域パターンの情報のデータ量も小さくすることができ、領域画像データへの変換する場合の処理時間を短縮することができ、実用的である。
以上のように、被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報から変換される領域画像データを使うことでこれまで擬似欠陥となっていたものを低減させることが可能となり、検査のやり直しを防ぐなど装置の有効利用が可能になる。
図20は、別の光学画像取得手法を説明するための図である。
図2の構成では、スキャン幅Wの画素数(例えば2048画素)を同時に入射するフォトダイオードアレイ105を用いているが、これに限るものではなく、図20に示すように、XYθテーブル102をX方向に定速度で送りながら、レーザ干渉計で一定ピッチの移動を検出した毎にY方向に図示していないレーザスキャン光学装置でレーザビームをY方向に走査し、透過光を検出して所定の大きさのエリア毎に二次元画像を取得する手法を用いても構わない。
以上の説明において、「〜回路」或いは「〜工程」と記載したものは、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができる。或いは、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、ファームウェアとの組合せでも構わない。また、プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録される。例えば、演算制御部を構成するテーブル制御回路114、領域情報展開回路140、比較回路108等は、電気的回路で構成されていても良いし、制御計算機110によって処理することのできるソフトウェアとして実現してもよい。また電気的回路とソフトウェアの組み合わせで実現しても良い。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
例えば、各実施の形態では、透過光を用いているが、試料検査装置は、試料の透過光を検知して測定する透過型の検査装置に限らず、測定画素データを光学画像とする装置であれば、試料の反射光を検知して測定する反射型の欠陥検査装置であっても、透過光と反射光を同時に用いる欠陥検査装置でも構わない。
また、各実施の形態では、異なるダイ内のパターン同士を比較しているが、比較する部分光学画像データについては、必ずしも、異なるダイ内のパターン同士でなくとも、同一ダイ上の異なる場所の同一パターン同士であっても構わない。例えば、半導体メモリーのダイ内で、繰り返し配置される同一パターンのメモリーセルアレイ同士であっても良いし、あるいは、メモリーセルアレイごとに配置されるセンスアンプやデコーダーなどのコア回路同士であっても構わない。
そして、試料検査装置は必ずしもマスクの欠陥検査装置でなくとも、ウェハ上の欠陥検査装置であっても構わない。
さらに、領域パターンの情報の領域情報展開回路140は、検査装置に必ずしも備わっている必要はなく、装置外で、領域パターンの情報から領域画像データに変換されたものを、検査装置に入力しても構わない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての試料検査装置、試料検査方法、或いはプログラムは、本発明の範囲に包含される。
実施の形態1における被検査試料となるマスクを示す図である。 実施の形態1における試料検査装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における試料検査方法の1例の要部工程を示すフローチャート図である。 光学画像の取得手順を説明するための図である。 領域情報展開回路の構成の一例を示す図である。 試料検査方法における要部工程のフローチャートに従った回路構成のブロック図である。 実施の形態1における試料検査方法の1例の要部工程を示すフローチャート図である。 OPCパターンが配置された設計パターンの一例を示す図である。 図7に示すOPCパターンが配置された設計パターンに基づく光学画像の形状を示す図である。 領域パターンの一例を示す図である。 領域画像データにより示される領域を説明するための図である。 設計パターンの一例を示す図である。 図12のパターンの光学画像の一例を示す図である。 領域パターンの一例を示す図である。 第1の領域パターンの一例を示す図である。 第2の領域パターンの一例を示す図である。 領域画像データの一例を示す図である。 光学画像データにおける画素領域の一例を示す図である。 領域画像データにおける画素領域の一例を示す図である。 別の光学画像取得手法を説明するための図である。
符号の説明
100 試料検査装置
101 フォトマスク
102 XYθテーブル
103 光源
104 拡大光学系
105 フォトダイオードアレイ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
113 オートローダー制御回路
114 テーブル制御回路
115 磁気テープ装置
116 フロッピー(登録商標)ディスク
117 CRT
118 パターンモニタ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザー測長システム
130 オートローダー
140 領域情報展開回路
142 オートフォーカス制御回路
150 光学画像データ取得部
160 制御系回路
170 照明光学系

Claims (9)

  1. パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査装置であって、
    前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得部と、
    前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較部と、
    を備えたことを特徴とする試料検査装置。
  2. パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査装置であって、
    前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得部と、
    前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なった結果、所定の判定条件を満たさなかった場合に、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を再度行なう比較部と、
    を備えたことを特徴とする試料検査装置。
  3. 前記領域パターンが、検査閾値を厳しくする領域を示すパターンであることを特徴とする請求項1又は2記載の試料検査装置。
  4. 前記領域パターンが、検査閾値を緩くする領域を示すパターンであることを特徴とする請求項1又は2記載の試料検査装置。
  5. 前記試料検査装置は、さらに、前記領域パターンの情報に基づいて領域画像データを生成する領域画像データ生成部を備えたことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の試料検査装置。
  6. 前記領域画像データは、前記比較部において、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なった結果、所定の判定条件を満たさなかった場合に生成されることを特徴とする請求項2〜5いずれか記載の試料検査装置。
  7. 前記光学画像データは、所定の寸法を単位とするマス目のデータとして生成され、
    前記領域画像データは、前記所定の寸法より大きな寸法を単位とするマス目のデータとして生成されることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の試料検査装置。
  8. パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士を比較する試料検査方法であって、
    前記被検査試料の、光学画像データを取得する光学画像データ取得工程と、
    前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較工程と、
    を備えたことを特徴とする試料検査方法。
  9. パターン形成された同一被検査試料の、複数の部分光学画像データ同士の比較をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記被検査試料の光学画像データを取得する光学画像データ取得処理と、
    前記被検査試料の所定の領域を示す領域パターンの情報に基づいて生成される領域画像データを入力し、前記領域画像データを参照して判定条件を変更し、前記複数の部分光学画像データ同士の比較を行なう比較処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2008333252A 2008-12-26 2008-12-26 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム Active JP4977123B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008333252A JP4977123B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008333252A JP4977123B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005278209A Division JP4336672B2 (ja) 2005-09-26 2005-09-26 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009092674A true JP2009092674A (ja) 2009-04-30
JP4977123B2 JP4977123B2 (ja) 2012-07-18

Family

ID=40664777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008333252A Active JP4977123B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4977123B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111192836A (zh) * 2018-11-15 2020-05-22 纽富来科技股份有限公司 图案检查装置以及图案检查方法
JP2021043127A (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 株式会社ニューフレアテクノロジー パターン検査装置およびパターン検査方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002323458A (ja) * 2001-02-21 2002-11-08 Hitachi Ltd 電子回路パターンの欠陥検査管理システム,電子回路パターンの欠陥検査システム及び装置
JP2003035680A (ja) * 2001-07-24 2003-02-07 Hitachi Ltd 半導体デバイスの検査方法
JP2005116768A (ja) * 2003-10-08 2005-04-28 Hitachi High-Technologies Corp 回路パターンの検査方法および検査装置
JP2005209715A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Renesas Technology Corp 検査方法および半導体装置の製造方法
JP2006098163A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 欠陥検出装置および欠陥検出方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002323458A (ja) * 2001-02-21 2002-11-08 Hitachi Ltd 電子回路パターンの欠陥検査管理システム,電子回路パターンの欠陥検査システム及び装置
JP2003035680A (ja) * 2001-07-24 2003-02-07 Hitachi Ltd 半導体デバイスの検査方法
JP2005116768A (ja) * 2003-10-08 2005-04-28 Hitachi High-Technologies Corp 回路パターンの検査方法および検査装置
JP2005209715A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Renesas Technology Corp 検査方法および半導体装置の製造方法
JP2006098163A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 欠陥検出装置および欠陥検出方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111192836A (zh) * 2018-11-15 2020-05-22 纽富来科技股份有限公司 图案检查装置以及图案检查方法
CN111192836B (zh) * 2018-11-15 2023-11-10 纽富来科技股份有限公司 图案检查装置以及图案检查方法
JP2021043127A (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 株式会社ニューフレアテクノロジー パターン検査装置およびパターン検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4977123B2 (ja) 2012-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4336672B2 (ja) 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム
JP4185516B2 (ja) 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム
JP4174504B2 (ja) 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム
JP4323475B2 (ja) 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム
JP4918598B2 (ja) 検査装置および検査方法
JP4143084B2 (ja) 試料検査装置、画像位置合わせ方法及びプログラム
US20170316557A1 (en) Pattern inspection method and pattern inspection apparatus
JP2013040873A (ja) パターン検査装置及びパターン検査方法
JP2007071629A (ja) 試料検査装置の支援装置、試料検査方法及びプログラム
JP5514754B2 (ja) 検査装置および検査方法
JP4970569B2 (ja) パターン検査装置およびパターン検査方法
JP4870704B2 (ja) パターン検査装置及びパターン検査方法
JP6368081B2 (ja) 計測装置
JP4977123B2 (ja) 試料検査装置、試料検査方法及びプログラム
KR101604013B1 (ko) 패턴 검사 장치 및 패턴 검사 방법
JP6259642B2 (ja) 計測装置
JP2011196728A (ja) 検査装置および検査方法
JP2014089215A (ja) 検査装置
JP4185515B2 (ja) 試料検査方法、プログラム及び試料検査装置
JP4199759B2 (ja) インデックス情報作成装置、試料検査装置、レビュー装置、インデックス情報作成方法及びプログラム
JP4960404B2 (ja) パターン検査装置及びパターン検査方法
JP4131728B2 (ja) 画像作成方法、画像作成装置及びパターン検査装置
JP2014232071A (ja) パターン検査方法及びパターン検査装置
JP4554663B2 (ja) パターン検査装置及びパターン検査方法
JP2016133613A (ja) パターン検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120321

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4977123

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150420

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350