JP2009090870A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】高速走行での耐久性および耐フラットスポット性を向上しつつタイヤ幅方向での剛性を調整すること。
【解決手段】トレッド部におけるカーカス層のタイヤ径外方向外周側に、ベルト層およびベルト補強層12(12A,12B)がタイヤ周方向に沿って延設された空気入りタイヤ1であって、前記ベルト補強層は、高弾性材のベルト補強コード121を複数平行に揃えてゴム122で被覆し、かつ各ベルト補強コードを切断して形成されてなり、ベルト補強コードのタイヤ周方向に対する角度を実質的に0°としてタイヤ幅方向に複数並べて配置され、かつタイヤ幅方向での配置に応じてベルト補強コードの切断長さを異ならせる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
一般的な空気入りタイヤは、トレッド部とショルダー部とサイドウォール部とビード部とからなり、これらの骨格を形成するカーカス層が配置されていると共に、トレッド部におけるカーカス層のタイヤ径方向外周側にベルト層が配置されている。このような空気入りタイヤでは、高速走行における耐久性を向上するために、ベルト層のタイヤ径方向外周側にベルト補強層が配置されている。ベルト補強層は、66ナイロンなどで構成された有機繊維のコードをゴムで被覆したもので、該コードのタイヤ周方向に対する角度が実質的に0°(タイヤ周方向に対する角度が10°以下)となるように配置されている。
上述した一般的な空気入りタイヤでは、例えば、この空気入りタイヤの装着車両の高速走行により空気入りタイヤが発熱した状態で車両が停車し、当該空気入りタイヤの特定の領域が長期間にわたって路面に接しているような場合などに、フラットスポットが発生することがある。すなわち、空気入りタイヤが高速走行などにより高温となった状態で所定時間停止すると、空気入りタイヤの温度が低下する際に、路面に接地する空気入りタイヤの領域(接地面)が、車両の重量などの垂直荷重の影響によって変形し、空気入りタイヤを構成するゴムや有機繊維が変形して接地面に残留歪が発生する。フラットスポットは、この残留歪によって形成される平坦部である。このフラットスポットが発生すると、走行が開始されてもしばらくの間は変形が維持されるため、空気入りタイヤの周方向に対して形状の不均一が生じ、走行時に振動が発生して操縦安定性が低下してしまうおそれがある。
そこで、ベルト補強層のコードとしてスチールや芳香族ポリアミドなどの高弾性材を用いることで高速走行での耐久性および耐フラットスポット性を向上することが考えられる。しかし、高弾性材のコードは、高温でも伸びが小さいことから、成型時に加硫する空気入りタイヤの拡張を妨げてしまう。従来の空気入りタイヤでは、高弾性材のコードにより成型時のタイヤの拡張を妨げる事態を防ぐため、コードのタイヤ周上における少なくとも一箇所が切断されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−306077号公報
ところで、空気入りタイヤでは、例えば、偏平率に応じて走行時のタイヤ幅方向での変形が異なる。具体的には、高偏平率の空気入りタイヤではトレッド部の側部での変形が大きく、低偏平率の空気入りタイヤではトレッド部の中央部の変形が大きい。したがって、タイヤ幅方向での剛性を調整することが望まれている。上述した従来の空気入りタイヤにおいては、成型時のタイヤの拡張を許容するももの、幅方向での剛性を調整することはない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高速走行での耐久性および耐フラットスポット性を向上しつつタイヤ幅方向での剛性を調整することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる空気入りタイヤでは、トレッド部におけるカーカス層のタイヤ径外方向外周側に、ベルト層およびベルト補強層がタイヤ周方向に沿って延設された空気入りタイヤであって、前記ベルト補強層は、高弾性材のコードを複数平行に揃えてゴムで被覆すると共に、前記各コードを切断して形成されてなり、前記コードのタイヤ周方向に対する角度を実質的に0°としてタイヤ幅方向に複数並べて配置され、かつタイヤ幅方向での配置に応じて前記コードの切断長さを異ならせたことを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、高弾性材のコードを用いたベルト補強層を適用し、タイヤ幅方向でのベルト補強層の配置に応じてコードの切断長さを異ならせたことにより、高速走行での耐久性、荷重耐久性および耐フラットスポット性を向上しつつ、タイヤ幅方向での剛性を調整できる。
上記目的を達成するため、本発明にかかる空気入りタイヤでは、トレッド部におけるカーカス層のタイヤ径外方向外周側に、ベルト層およびベルト補強層がタイヤ周方向に沿って延設された空気入りタイヤであって、前記ベルト補強層は、高弾性材のコードを複数平行に揃えてゴムで被覆すると共に、前記各コードを切断して形成されてなり、前記コードのタイヤ周方向に対する角度を実質的に0°としてタイヤ幅方向に複数並べて配置され、かつタイヤ幅方向での配置に応じて前記コードの対向する切断端部同士の間隔を異ならせたことを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、高弾性材のコードを用いたベルト補強層を適用し、タイヤ幅方向でのベルト補強層の配置に応じてコードの対向する切断端部同士の間隔を異ならせたことにより、高速走行での耐久性、荷重耐久性および耐フラットスポット性を向上しつつ、タイヤ幅方向での剛性を調整できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記ベルト補強層は、前記カーカス層と前記ベルト層との間に設けられ、かつ前記ベルト層のタイヤ幅方向の端部よりもタイヤ幅方向内側に配置されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、ベルト補強層が、カーカス層とベルト層との間に設けられているので、圧縮によるベルト補強層の座屈変形を抑制でき、さらにベルト補強層の長手方向端部においてコードが飛び出す事態を抑制できる。しかも、ベルト補強層が、ベルト層のタイヤ幅方向端部よりもタイヤ幅方向内側に配置されているので、ベルト層のタイヤ幅方向端部での応力集中をベルト補強層が受ける事態を防ぎ、さらにベルト補強層のショルダー部7へのはみ出しを抑制できる。このため、空気入りタイヤの耐久性を向上でき、ハンドルや車両の振動および車室内騒音の発生原因となる空気入りタイヤの均一性(ユニフォーミティ)を向上できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記高弾性材は、スチールであることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、スチールコードにより高速走行での耐久性を向上でき、かつ荷重耐久性および耐フラットスポット性を向上できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、正規リムに組込んで正規内圧の5%を内圧充填した状態でのタイヤ子午線方向の断面視において、前記ベルト層のタイヤ径方向外周側に設けられるトレッド面が、少なくともタイヤ幅方向の中央に位置する中央部円弧と、タイヤ幅方向最外方に位置するショルダー側円弧とを含む複数の異なる曲率半径の円弧で形成され、前記ベルト層のタイヤ幅方向最外方位置からタイヤ径方向外周側へタイヤ径方向と平行に仮想される仮想線と、前記トレッド面のプロファイルとの交点を基準点とし、赤道面と、前記トレッド面のプロファイルとの交点をセンタークラウンとし、前記基準点と前記センタークラウンとを結んだ線と、タイヤ幅方向に平行な線とがなす角度をθとし、前記中央部円弧の曲率半径をRcとし、前記ショルダー側円弧の曲率半径をRsとし、前記赤道面から前記ショルダー側円弧のタイヤ幅方向内方端部位置までの円弧長である基準展開幅をLとし、タイヤ幅方向の前記トレッド面の円弧長であるトレッド展開幅をTDWとした場合に、前記トレッド面は、1°<θ<4.5°、5<Rc/Rs<10および0.4<L/(TDW/2)<0.7を満たすように形成されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、トレッド面のタイヤ幅方向に沿ったプロファイルの曲率を直線に近づけることで、空気入りタイヤにおける局所的な変形が抑制されるので、操縦安定性を維持しつつ耐フラットスポット性を向上できる。
本発明にかかる空気入りタイヤによれば、高弾性材のコードを用いたベルト補強層を適用し、タイヤ幅方向でのベルト補強層の配置に応じてコードの切断長さを異ならせる、あるいはタイヤ幅方向でのベルト補強層の配置に応じてコードの対向する切断端部同士の間隔を異ならせることにより、高速走行での耐久性、荷重耐久性および耐フラットスポット性を向上しつつ、タイヤ幅方向での剛性を調整できる。
以下に、本発明にかかる空気入りタイヤの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの赤道面を含む子午部分断面図、図2は、図1に示した空気入りタイヤのカーカス層、ベルト層およびベルト補強層を示す概略平面図、図3は、図1に示したベルト補強層の展開平面図、図4は、ベルト補強層の他の形態の展開平面図である。
空気入りタイヤ1は、図1に示すように、赤道面50を中心としてほぼ対称になるように構成されている。ここで、赤道面50とは、空気入りタイヤ1の回転の回転軸線に直交すると共に、空気入りタイヤ1の幅の中心を通る平面である。以下に説明する空気入りタイヤ1は、赤道面50を中心としてほぼ対称になるように構成されていることから、図1には赤道面50を中心として一方側のみを図示し、特に断りのない限り、当該一方側のみを説明し、他方側の説明はできるだけ省略する。
なお、以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤ1の回転の回転軸線と平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、前記回転軸線と直交する方向をいい、タイヤ周方向(図1参照)とは、前記回転軸線を中心として回転する方向をいう。また、タイヤ幅方向内方とは、タイヤ幅方向において赤道面50に接近する方向をいい、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面50から離れる方向をいう。
空気入りタイヤ1は、図1に示すように、トレッド面5を有するトレッド部6と、トレッド部6のタイヤ幅方向両側に連続する左右のショルダー部7と、ショルダー部7のタイヤ径方向内方に連続するサイドウォール部8と、サイドウォール部8のタイヤ径方向内方に連続するビード部9から構成されている。さらに、空気入りタイヤ1は、カーカス層10と、ベルト層11と、ベルト補強層12とを備える。
トレッド部6は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ径方向の最も外周側となる部分に設けられている。トレッド部6は、キャップトレッド4を有している。キャップトレッド4は、トレッド部6におけるタイヤ径方向外方に位置し、空気入りタイヤ1の外部に露出したものである。そして、キャップトレッド4の外部に露出している部分、つまり、キャップトレッド4の表面は、トレッド面5として形成されている。
トレッド面5は、トレッド溝5aと、このトレッド溝5aによって区画される陸部5bとで構成されている。図1に示すトレッド溝5aは、タイヤ周方向に連続して形成された主溝であり、その他、タイヤ幅方向に延在する複数のラグ溝(不図示)を有する。このようにトレッド面5は、トレッド溝5aと陸部5bとにより形成されたトレッドパターンを有している。
カーカス層10は、タイヤの骨格を形成するものであり、カーカスコードをゴムで被覆したカーカスプライ10aからなる。カーカスプライ10aは、赤道面50を中心としてトレッド部6の両側から左右のショルダー部7およびサイドウォール部8を介してビード部9まで延設されている。カーカスプライ10aのカーカスコードは、タイヤ周方向に対して略90度の角度をもって配列されている。そして、このカーカスプライ10aは、この空気入りタイヤ1に空気を充填した際に圧力容器としての役目を果たす強度メンバーであり、その内圧によって荷重を支え、走行中の動的荷重に耐える構造を持っている。
カーカス層10にて、カーカスプライ10aのカーカスコードは、例えば、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、高弾性繊維の繊維コードなどを用いるとよい。ポリエステル繊維は、単量体相互の結合部分が主としてエステル結合(−CO・O−)による長鎖状合成高分子からなる繊維であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、PEN(ポリエチレンナフタレート繊維)を用いればよい。レーヨン繊維は、例えば、強力ビスコースレーヨンが好ましいが、これに限定されるものではない。高弾性繊維は、例えば、ナイロンよりも高弾性率を有する繊維であり、芳香族ポリアミド(アラミド)などの繊維を用いればよい。
上述したように、カーカス層10のカーカスプライ10aは、赤道面50を中心としてトレッド部6の両側から左右のショルダー部7およびサイドウォール部8を介してビード部9まで延設されている。このカーカスプライ10aは、左右のビード部9にて空気入りタイヤ1の赤道面50側から外方に折り返された折返部10bを有している。この折返部10bの内部には、ビードコア14およびビードフィラー15が設けられている。
ビードコア14は、ビード部9にて、空気入りタイヤ1の内圧によって発生するカーカス層10のコード張力を支えるものであり、ビードワイヤを有している。ビードワイヤは、スチールワイヤにより構成されている。ビードコア14は、ビードワイヤを連続して巻き付けてリング形状をなすことで形成されている。このビードコア14は、空気入りタイヤ1をホイールのリム(不図示)に固定させる役割を果たし、また、カーカス層10、ベルト層11、ベルト補強層12などと共に空気入りタイヤ1の強度部材として機能する。
ビードフィラー15は、ビードコア14のタイヤ径方向外周側にて、ビードコア14および折返部10bにより区画される空間に充填されることで、カーカスプライ10aをビードコア14に固定すると共に、この部分の形状を整え、ビード部9全体の剛性を高めるものである。また、このように構成されたカーカス層10のタイヤ径方向内周側には、インナーライナ13がカーカス層10に沿って形成されている。
ベルト層11は、カーカス層10のタイヤ径方向外周側にてタイヤ周方向に沿って設けられており、カーカス層10を補強するためのものである。本実施の形態におけるベルト層11は、ベルトコードをゴムで被覆したもので、タイヤ径方向内方から順に1番ベルト11aおよび2番ベルト11bを有している。1番ベルト11aと2番ベルト11bとは、相互のベルトコードが互いに交差するように形成され、いわゆるクロスプライベルトとなって形成されている。このベルト層11は、カーカス層10を締め付けてトレッド剛性を高めると共に、衝撃を緩和してトレッド部6に生じた外傷がカーカス層10に及ぶのを防止する。このようなベルト層11のタイヤ径方向外周側には、上述のトレッド部6のキャップトレッド4およびトレッド面5が形成されている。
ベルト層11にて、1番ベルト11aおよび2番ベルト11bのベルトコードは、例えば、高弾性繊維コードまたはスチールコードなどを用いるとよい。高弾性繊維は、例えば、ナイロンよりも高弾性率を有する繊維であり、芳香族ポリアミド(アラミド)などの繊維を用いればよい。スチールコードは、例えば、素線径0.1mm以上0.4mm以下のスチールフィラメントを撚り合わせたものを用いればよい。
ベルト補強層12は、カーカス層10(カーカスプライ10a)とベルト層11(1番ベルト11a)との間に設けられている。また、ベルト補強層12は、トレッド部6において、少なくともタイヤ幅方向の中央部(赤道面50位置)および左右両側部(トレッド部6近傍)に設けられている。さらに、左右両側部のベルト補強層12は、そのタイヤ幅方向外端部(タイヤ幅方向の端)が、ベルト層11のタイヤ幅方向の端部よりもタイヤ幅方向内側に設けられている。
このベルト補強層12は、図3に示すように、ベルト補強コード121をゴム122で被覆したものである。ベルト補強コード121は、ヤング率7GPa以上250GPa以下の高弾性材であって、高弾性繊維コードまたは金属製コードを用いるとよい。高弾性繊維は、例えば、ナイロンよりも高弾性率を有する繊維であって、芳香族ポリアミド(アラミド)などの繊維を用いればよい。金属製コードは、例えば、スチールコードであって、圧縮および曲げに対応して耐久性や耐疲労性を満足できるように、素線径0.08mm以上0.15mm以下のスチールフィラメントを撚り合わせてほぼ0.1mmとしたものを用いればよい。
ベルト補強層12は、上記ベルト補強コード121を、複数(少なくとも2本)平行に揃えてゴム122で被覆して長手帯状に形成し、各ベルト補強コード121を切断部123で切断してある。切断部123は、ベルト補強層12の長手方向に沿って等間隔で設けられていることが好ましい。この切断部123は、ベルト補強コード121をゴム122で被覆して長手帯状に形成した後、ゴム122と共にベルト補強コード121を切断して成る。また、平行に揃えられた各ベルト補強コード121での切断部123の位置は、ベルト補強層12の強度を得るため、ベルト補強層12の長手方向でズレて設けられていることが好ましい。なお、ベルト補強層12の強度を十分に得ることができれば、平行に揃えられた各ベルト補強コード121での切断部123の位置が揃えられていてもよい。なお、ベルト補強層12において、複数のベルト補強コード121は、平行と説明したが、この平行とは、空気入りタイヤ1を成型したときの公差やバラツキを含む。
このようなベルト補強層12は、カーカス層10のタイヤ径方向外周側で、かつベルト層11のタイヤ径方向内周側において、その長手方向をタイヤ径方向に沿って配設されている。具体的に、ベルト補強層12は、ベルト補強コード121のタイヤ周方向に対する角度を実質的に0°(タイヤ周方向に対する角度が10°以下)として、カーカス層10のタイヤ径方向外周側に複数回巻き付けられている。
また、ベルト補強層12は、上述したようにトレッド部6のタイヤ幅方向の中央部および左右両側部に設けられている。図2では、上述したベルト補強層12がタイヤ径方向に複数回巻き付けられた状態を示し、図3では、ベルト補強層12単体を示している。さらに、図2および図3では、左右両側部に設けられたベルト補強層12を符号12Aで示し、中央部に設けられたベルト補強層12を符号12Bで示している。そして、タイヤ幅方向両側部に設けられたベルト補強層12Aのベルト補強コード121は、切断部123によって所定長さT1で切断され、タイヤ幅方向中央部に設けられたベルト補強層12Bのベルト補強コード121は、切断部123によって所定長さT2で切断されている。このベルト補強層12Aおよびベルト補強層12Bのベルト補強コード121の長さT1,T2は、切断されたベルト補強コード121のタイヤ周方向での総長さとして、空気入りタイヤ1の1周長において1/10以上1/2以下の範囲で設定される。また、ベルト補強層12Aのベルト補強コード121の長さT1と、ベルト補強層12Bのベルト補強コード121の長さT2との関係は、T1/T2>1.2の関係を有している。すなわち、ベルト補強層12Aのベルト補強コード121は、ベルト補強層12Bのベルト補強コード121よりも長くなるように切断されている。このように、ベルト補強層12(12A,12B)は、タイヤ幅方向での配置に応じてベルト補強コード121の切断長さを異ならせてある。
上記のように構成される空気入りタイヤ1では、タイヤ周方向に沿うベルト補強層12のベルト補強コード121として、スチールや芳香族ポリアミドなどの高弾性材が用いられている。このため、高速走行でのタイヤ径方向への拡張が抑えられるので高速走行時の耐久性を向上できる。さらに、高速走行により高温となった状態でもベルト補強コード121が変形し難いので耐フラットスポット性を向上できる。さらにまた、ベルト補強コード121は、切断部123にて切断されているため、成型時に加硫した空気入りタイヤ1の拡張に追従できる。
しかも、上記構成の空気入りタイヤ1では、タイヤ幅方向での配置に応じてベルト補強層12(12A,12B)におけるベルト補強コード121の切断長さを異ならせてある。このため、タイヤ幅方向での剛性を調整できる。具体的に空気入りタイヤ1は、偏平率に応じて走行時のタイヤ幅方向での変形が異なり、高偏平率の空気入りタイヤ1ではトレッド部6の側部(ショルダー部7近傍)の変形が大きい。したがって、高偏平率の空気入りタイヤ1では、図3に示すように、トレッド部6の左右両側部に設けられたベルト補強層12Aのベルト補強コード121の切断長さT1を、トレッド部6の中央部に設けられたベルト補強層12Bのベルト補強コード121の切断長さT2よりも長く設定することで、トレッド部6の中央部の剛性よりもトレッド部6の側部の剛性を高くする。一方、低偏平率の空気入りタイヤ1ではトレッド部の中央部の変形が大きい。したがって、図には明示しないが、低偏平率の空気入りタイヤ1では、トレッド部6の中央部に設けられたベルト補強層12Bのベルト補強コード121の切断長さT2を、トレッド部6の左右両側部に設けられたベルト補強層12Aのベルト補強コード121の切断長さT1よりも長く設定することで、トレッド部6の側部の剛性よりもトレッド部6の中央部の剛性を高くする。このように、偏平率に応じてタイヤ幅方向での剛性を調整することで、トレッド部6の変形を抑えて、当該偏平率における操縦安定性を向上できる。
ここで、偏平率とは、図1に示すように、タイヤ幅Wに対するタイヤ高さSHを比率で表したものである。空気入りタイヤ1は、トレッド面5の幅が一定で、偏平率が高くなると、空気入りタイヤ1を横から見たときの厚さが大きくなり、偏平率が低くなると、空気入りタイヤ1を横から見たときの厚さが薄くなる。一般に空気入りタイヤ1は、偏平率が低くなると、トレッド曲げ剛性が大きくなって、コーナリングフォースが向上し、操縦安定性が向上する。なお、タイヤ高さSHは、図1に示すようにビード部9のタイヤ径方向内周側端部(すなわち、リムベース位置)から赤道面50とトレッド面5との交点であるセンタークラウンCLまでのタイヤ径方向に沿ったタイヤ断面高さである。タイヤ幅Wは、タイヤ幅方向の両端に位置して対向するサイドウォール部8のうちタイヤ幅方向の最も外方に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり一対のサイドウォール部8のうちタイヤ幅方向において最も赤道面50から離れている部分同士のタイヤ幅方向における距離である。
さらに、上記構成の空気入りタイヤ1では、図3に示すように、トレッド部6の左右両側部に設けられたベルト補強層12Aのベルト補強コード121の切断長さT1を、トレッド部6の中央部に設けられたベルト補強層12Bのベルト補強コード121の切断長さT2よりも長く設定することで、トレッド部6の中央部の剛性よりもトレッド部6の側部の剛性を高くし、タイヤ転動時における振動の発生を抑制してロードノイズを低減する利点もある。
また、上記構成の空気入りタイヤ1では、ベルト補強層12が、カーカス層10とベルト層11との間に設けられているので、圧縮によるベルト補強層12の座屈変形を抑制でき、さらにベルト補強層12の長手方向端部においてベルト補強コード121が飛び出す事態を抑制できる。しかも、ベルト補強層12が、ベルト層11のタイヤ幅方向端部よりもタイヤ幅方向内側に配置されているので、ベルト層11のタイヤ幅方向端部での応力集中をベルト補強層12が受ける事態を防ぎ、さらにベルト補強層12のショルダー部7へのはみ出しを抑制できる。このため、空気入りタイヤ1の耐久性を向上でき、かつハンドルや車両の振動、および車室内騒音の発生原因となる空気入りタイヤ1の均一性(ユニフォーミティ)を向上できる。
なお、空気入りタイヤ1の他の形態として、ベルト補強層12のベルト補強コード121は、図4に示すように構成されていてもよい。図4は、図3と同様にベルト補強層12単体を示している。ここでは、タイヤ幅方向両側部に設けられたベルト補強層12Aのベルト補強コード121は、切断部123によって所定長さで切断され、切断部123にて対向する切断端部同士の間に間隔H1が設けられている。また、タイヤ幅方向中央部に設けられたベルト補強層12Bのベルト補強コード121は、切断部123によってベルト補強層12Aのベルト補強コード121と同じ所定長さで切断され、切断部123にて対向する切断端部同士の間に間隔H2が設けられている。このベルト補強層12Aおよびベルト補強層12Bのベルト補強コード121の対向する切断端部同士の間隔H1,H2は、切断されたベルト補強コード121のタイヤ周方向での総間隔として、空気入りタイヤ1の1周長において1/1000以上1/100以下の範囲で設定され、切断部123を設けた数でタイヤ周方向に均等配置される。また、ベルト補強層12Aのベルト補強コード121の間隔H1と、ベルト補強層12Bのベルト補強コード121の間隔H2との関係は、H2/H1>1.5の関係を有している。すなわち、ベルト補強層12Aのベルト補強コード121は、ベルト補強層12Bのベルト補強コード121よりも切断端部同士の間の距離が長くなるように切断されている。このように、ベルト補強層12(12A,12B)は、タイヤ幅方向での配置に応じてベルト補強コード121の対向する切断端部同士の間隔を異ならせてある。
このような他の形態の空気入りタイヤ1では、タイヤ幅方向での配置に応じてベルト補強層12(12A,12B)におけるベルト補強コード121の対向する切断端部同士の間隔を異ならせてあるため、タイヤ幅方向での剛性を調整できる。具体的に、高偏平率の空気入りタイヤ1ではトレッド部6の側部(ショルダー部7近傍)の変形が大きいため、図4に示すように、トレッド部6の左右両側部に設けられたベルト補強層12Aのベルト補強コード121の切断端部同士の間隔H1を、トレッド部6の中央部に設けられたベルト補強層12Bのベルト補強コード121の切断端部同士の間隔H2よりも狭くすることで、トレッド部6の中央部の剛性よりもトレッド部6の側部の剛性を高くする。一方、低偏平率の空気入りタイヤ1ではトレッド部の中央部の変形が大きいため、図には明示しないが、トレッド部6の中央部に設けられたベルト補強層12Bのベルト補強コード121の切断端部同士の間隔H2を、トレッド部6の左右両側部に設けられたベルト補強層12Aのベルト補強コード121の切断端部同士の間隔H1よりも狭く設定することで、トレッド部6の側部の剛性よりもトレッド部6の中央部の剛性を高くする。このように、偏平率に応じてタイヤ幅方向での剛性を調整することで、トレッド部6の変形を抑えて、当該偏平率における操縦安定性を向上できる。
さらに、図4に示すように、トレッド部6の左右両側部に設けられたベルト補強層12Aのベルト補強コード121の切断端部同士の間隔H1を、トレッド部6の中央部に設けられたベルト補強層12Bのベルト補強コード121の切断端部同士の間隔H2よりも狭く設定することで、トレッド部6の中央部の剛性よりもトレッド部6の側部の剛性を高くし、タイヤ転動時における振動の発生を抑制してロードノイズを低減する利点もある。
ところで、本実施の形態の空気入りタイヤ1では、以下に説明するように、トレッド面5のプロファイル(輪郭)形状を適正に設定することで、操縦安定性を維持しつつ耐フラットスポット性の向上を図っている。
なお、以下の説明では、特に断りのない限り、各部の位置関係は、タイヤ子午線方向の断面視にて、空気入りタイヤ1を正規リムに組込んで正規荷重に対応した正規内圧の5%を充填した状態で定義されるものとして説明する。なお、ここでいう正規リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、正規内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、正規荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
図1に示すように、空気入りタイヤ1のトレッド面5は、複数の異なる曲率半径の円弧で形成されている。具体的に、トレッド面5は、少なくともタイヤ幅方向の中央に位置する中央部円弧21と、タイヤ幅方向最外方に位置するショルダー側円弧22とを含む複数の異なる曲率半径の円弧により形成される。つまり、トレッド面5を形成する複数の円弧のうち、中央部円弧21は、トレッド面5におけるタイヤ幅方向の中央に位置しており、赤道面50を含み、赤道面50を中心として赤道面50のタイヤ幅方向の両側に形成されている。その形状は、タイヤ径方向外方に凸で、赤道面50付近のタイヤ径方向における径が最も大きくなる円弧となっている。
また、ショルダー側円弧22は、中央部円弧21のタイヤ幅方向外方に位置しており、タイヤ径方向外方に凸となっている。また、ショルダー側円弧22のさらにタイヤ幅方向外方には、ショルダー部7を形成する円弧としてショルダー部円弧23が位置している。このショルダー部円弧23は、前記ショルダー部7を形成し、タイヤ径方向外方に凸な円弧となっている。つまり、タイヤ幅方向における中央部に位置する中央部円弧21のタイヤ幅方向車両外側(または両側)にショルダー側円弧22が位置し、ショルダー側円弧22のタイヤ幅方向外方側の車両外側(または両側)にショルダー部円弧23が位置している。また、中央部円弧21とショルダー側円弧22とは、互いに接続されて連続的に形成され、さらにショルダー側円弧22とショルダー部円弧23とは、互いに接続されて連続的に形成されている。
本実施の形態の空気入りタイヤ1において、中央部円弧21の曲率半径(ラジアス)Rcと、ショルダー側円弧22の曲率半径Rsとは、異なる値に設定されている。そして、この空気入りタイヤ1は、複数の異なる曲率半径の円弧で形成されるトレッド面5のプロファイルを以下のようにして設定し、トレッド面5の曲率を直線に近づけてそのプロファイルを最適化している。
まず、ベルト層11の1番ベルト11aのタイヤ幅方向最外方位置Aからタイヤ径方向外周側へタイヤ径方向と平行に仮想される仮想線Bを設定する。そして、この仮想線Bとトレッド面5のプロファイル(輪郭)との交点を基準点Pとし、この基準点PとセンタークラウンCLとを結んだ線をショルダー片落線Cとする。そして、このショルダー片落線Cとタイヤ幅方向に平行な平行線Eとがなす角度をθとする。角度θは、ショルダー片落線Cと平行線Eとがなす鋭角側の角度である。さらに、中央部円弧21の曲率半径をRc、ショルダー側円弧22の曲率半径をRsとすると共に、赤道面50からショルダー側円弧22のタイヤ幅方向内方端部位置D(中央部円弧21とショルダー側円弧22とが連続する位置)までの円弧長である基準展開幅をL、タイヤ幅方向のトレッド面5の円弧長であるトレッド展開幅をTDWとする。
なお、上記角度θは、トレッド部6の両端部に連続するショルダー部7のセンタークラウンCLに対する落ち込み量に相当する。また、トレッド展開幅TDWは、曲率半径Rcの中央部円弧21におけるタイヤ幅方向の円弧長をLc、曲率半径Rsのショルダー側円弧22におけるタイヤ幅方向の円弧長をLsとすると、TDW=(Lc+Ls)×2に相当する。そして、本実施形態では、トレッド面5において中央部円弧21とショルダー側円弧22との間には異なる曲率半径の円弧は設定されていないので、曲率半径Rcの中央部円弧21におけるタイヤ幅方向の円弧長Lcが基準展開幅Lに相当することになる。なお、トレッド面5において中央部円弧21とショルダー側円弧22との間に異なる曲率半径の円弧が設定されている場合、基準展開幅Lは、赤道面50からショルダー側円弧22のタイヤ幅方向内方端部位置Dまでの間にある円弧の円弧長の和となる。言い換えれば、L=TDW/2−Lsとなる。
空気入りタイヤ1の各部を上記のように規定した場合、トレッド面5は、角度θが[1°<θ<4.5°]の範囲に設定される。そして、曲率半径Rcと前記曲率半径Rsとの関係を下記の式(11)で求め、式(11)よって求められたF1が、[5<F1<10]の範囲に設定される。さらに、基準展開幅Lとトレッド展開幅TDWとの関係を下記の式(12)で求め、式(12)よって求められたF2が、[0.4<F2<0.7]の範囲に設定される。

F1=Rc/Rs・・・(11)
F2=L/(TDW/2)・・・(12)
この空気入りタイヤ1は、角度θ、中央部円弧21の曲率半径をRc、ショルダー側円弧22の曲率半径をRs、基準展開幅L(言い換えれば、円弧長Lc、円弧長Ls、トレッド展開幅TDW)のプロファイル変量因子が上記のように設定されることで、トレッド面5のタイヤ幅方向に沿ったプロファイルの曲率が直線に近づくことから、操縦安定性と耐フラットスポット性の両立に対して最適化することできる。
すなわち、角度θが[1°<θ<4.5°]の範囲に設定されることにより、角度θが4.5°よりも小さいので、トレッド面5にて、トレッド部6からサイドウォール部8にかけてのショルダー部7付近での角度変化を小さくする、すなわち、トレッド部6の両端部に連続するショルダー部7のセンタークラウンCLに対する落ち込み量を少なくすることができ、トレッド面5の曲率を平坦に近づけることができる。一方、角度θが1°よりも大きいので、この角度θが小さすぎて空気入りタイヤ1としての適正な形状が崩れてしまうことを防止できる。さらに、曲率半径Rcと曲率半径Rsとの関係式(11)によって求められたF1を、[5<F1=Rc/Rs<10]の範囲に設定し、基準展開幅Lとトレッド展開幅TDWとの関係を式(12)によって求められたF2を、[0.4<F2=L/(TDW/2)<0.7]の範囲に設定することにより、トレッド面5のプロファイルをより平坦な形状に近付けることができ、トレッド面5における接地圧の均一化を図れる。このため、トレッド面5やショルダー部7、ビード部9における局所的な変形、特に、トレッド面5が表面に形成されたキャップトレッド4のタイヤ径方向内周側に隣接して配置されるベルト補強層12や荷重が作用した際に耐フラットスポット性に対して影響が大きいビードフィラー15の局所的な変形が抑制される。この結果、空気入りタイヤ1の熱冷却の間にセットされる永久歪を低減でき、フラットスポットの発生を抑制できる。
図5は、本発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。この図5を参照して本発明の実施例を説明する。以上で説明した実施形態に係る空気入りタイヤ1を試作し、該空気入りタイヤ1と従来の空気入りタイヤとの性能の評価試験を実施した。性能評価試験は、高速耐久性、荷重耐久性および耐フラットスポット性の3項目について行なった。この性能試験では、タイヤサイズ225/45ZR17の空気入りタイヤをJATMA規定の正規リムに装着して実施した。
各試験項目の評価方法は、高速耐久性については、ドラム径1707mmのドラムで、JIS D−4230,JIS高速耐久性試験終了後、30分ごとに10km/hr加速して空気入りタイヤが破壊するまで試験を行ない、破損した速度によって評価した。ここでの評価結果は、後述する比較例1の評価結果を100%とする指数で示し、指数が大きいほど、高速耐久性が優れていることを示している。
荷重耐久性については、ドラム径1707mmのドラムで、JIS D−4230,JATMA Y/B 2006年版規定荷重耐久性試験終了後、荷重を20%/1hrごと加速して空気入りタイヤが破壊するまで試験を行ない、破損した速度によって評価した。ここでの評価結果は、後述する比較例1の評価結果を100%とする指数で示し、指数が大きいほど、荷重耐久性が優れていることを示している。
耐フラットスポット性については、最初に、タイヤユニフォーミティを、JASO C607「自動車用タイヤのユニフォーミティ試験方法」に準拠して測定し、時速150km/hで30分予備走行後に、荷重を負荷した状態で1時間ドラム停止する。その後、再び、タイヤユニフォーミティを測定し、ラジアルフォースバリエーションの予備走行前後の差ΔRFVを評価指標とする。この差ΔRFVが小さいほど、耐フラットスポット性に優れる。ここでの評価結果は、後述する比較例1の評価結果を100%とする指数で示し、指数が大きいほど、耐フラットスポット性が優れていることを示している。
本実施例では、図5に示すように、本発明と比較する比較例として1種類、本発明の実施例として5種類を、上記の方法で試験する。「実施例1」、「実施例3」、「実施例4」および「実施例5」に示す空気入りタイヤは、ベルト補強層12において、タイヤ幅方向での配置に応じてベルト補強コード121の切断長さを異ならせてあり、トレッド部6の中央部のベルト補強コード121の切断長さ比(コード長さ/タイヤ周長)を1/7とし、トレッド部6の両側部のベルト補強コード121の切断長さ比(コード長さ/タイヤ周長)を1/5に設定し、かつ中央部のベルト補強コード121の切断長さと、左右両側部のベルト補強コード121の切断長さとの比を1.4に設定している。「実施例2」に示す空気入りタイヤは、ベルト補強層12において、タイヤ幅方向での配置に応じてベルト補強コード121の対向する切断端部同士の間隔を異ならせてあり、トレッド部6の中央部のベルト補強コード121の不連続比(コード間隔/タイヤ周長)を1/100以内とし、トレッド部6の両側部のベルト補強コード121の不連続比(コード間隔/タイヤ周長)を1/400以内に設定している。
また、「実施例3」の空気入りタイヤは、ベルト補強層12を、ベルト層11とカーカス層10の間に配置し、かつベルト層11のタイヤ幅方向外端部(タイヤ幅方向外側の端)に対し、左右両側部に設けたベルト補強層12(12A)のタイヤ幅方向外端部の位置を、タイヤ幅方向内側3mmの位置としている。「実施例1」、「実施例2」、「実施例4」および「実施例5」の空気入りタイヤは、ベルト補強層12を、ベルト層11とカーカス層10の間に配置し、かつベルト層11のタイヤ幅方向外端部に対し、左右両側部に設けたベルト補強層12(12A)のタイヤ幅方向外端部の位置を、タイヤ幅方向外側5mmの位置としている。
また、「実施例1」から「実施例3」の空気入りタイヤは、ベルト補強層12のベルト補強コード121を、1670[dtex]のアラミド繊維2本を撚り合わせて構成している。「実施例4」および「実施例5」の空気入りタイヤは、ベルト補強層12のベルト補強コード121を、素線径0.15mmのスチールコードの3本撚り合わせ構造としている。
また、「実施例5」の空気入りタイヤは、角度θ、中央部円弧21の曲率半径をRc、ショルダー側円弧22の曲率半径をRs、基準展開幅Lのプロファイル変量因子を上記のように設定することでトレッド面5のタイヤ幅方向に沿ったプロファイルの曲率を直線に近づけることで、トレッド面5のプロファイル(輪郭)形状と、ビードフィラー15の材料とが相互に適正な組み合わせとなるように設定している。「実施例1」から「実施例4」の空気入りタイヤは、角度θ、中央部円弧21の曲率半径をRc、ショルダー側円弧22の曲率半径をRs、基準展開幅Lのプロファイル変量因子のうちのいずれかが適正な関係からずらされている。
これに対し、「比較例1」に示す空気入りタイヤは、ベルト補強層12において、タイヤ幅方向での配置に応じてベルト補強コード121の切断長さを異ならせておらず、中央部のベルト補強コード121の切断長さと、左右両側部のベルト補強コード121の切断長さとの比を1に設定し、かつトレッド部6の中央部、およびトレッド部6の両側部のベルト補強コード121の切断長さ比(コード長さ/タイヤ周長)を1.5/1に設定している。また、「比較例1」に示す空気入りタイヤは、ベルト補強層12において、タイヤ幅方向での配置に応じてベルト補強コード121の対向する切断端部同士の間隔を異ならせておらず、トレッド部6の中央部、およびトレッド部6の両側部のベルト補強コード121の不連続比(コード間隔/タイヤ周長)を1/400以内に設定している。さらに、「比較例1」に示す空気入りタイヤは、ベルト補強層12を、ベルト層11のタイヤ径方向外周側に配置している。さらに、「比較例1」に示す空気入りタイヤは、ベルト補強層12を、ベルト層11とカーカス層10の間に配置し、かつベルト層11のタイヤ幅方向外端部に対し、左右両側部に設けたベルト補強層12(12A)のタイヤ幅方向外端部の位置を、タイヤ幅方向外側5mmの位置としている。さらに、「比較例1」に示す空気入りタイヤは、ベルト補強層12のベルト補強コード121を、1670[dtex]のアラミド繊維2本を撚り合わせて構成している。さらにまた、「比較例1」に示す空気入りタイヤは、角度θ、中央部円弧21の曲率半径をRc、ショルダー側円弧22の曲率半径をRs、基準展開幅Lのプロファイル変量因子のうちのいずれかが適正な関係からずらされている。
この図5から明らかなように、「実施例1」、「実施例3」、「実施例4」および「実施例5」に示す空気入りタイヤは、高弾性材からなるベルト補強コード121を用い、トレッド部6の中央部のベルト補強コード121の切断長さ比を1/7とし、トレッド部6の両側部のベルト補強コード121の切断長さ比を1/5に設定していることから、「比較例1」と比べて、空気入りタイヤのタイヤ周方向の剛性が向上し、かつトレッド部6の側部の剛性よりもトレッド部6の中央部の剛性が高くなるので、タイヤサイズ225/45ZR17の偏平率に応じたタイヤ幅方向での剛性を調整でき、荷重耐久性および耐フラットスポット性を向上できている。さらに、「実施例3」から「実施例5」の空気入りタイヤでは、ベルト補強層12のベルト補強コード121を、素線径0.15mmのスチールコードの3本撚り合わせ構造としていることから、「比較例1」と比べて、耐久性が向上するので、高速走行での耐久性を向上でき、かつ荷重耐久性および耐フラットスポット性を向上できている。
また、「実施例2」に示す空気入りタイヤは、高弾性材からなるベルト補強コード121を用い、トレッド部6の中央部のベルト補強コード121の不連続比を1/100以内とし、トレッド部6の両側部のベルト補強コード121の不連続比を1/400以内に設定していることから、「比較例1」と比べて、空気入りタイヤのタイヤ周方向の剛性が向上し、かつトレッド部6の側部の剛性よりもトレッド部6の中央部の剛性が高くなるので、タイヤサイズ225/45ZR17の偏平率に応じたタイヤ幅方向での剛性を調整でき、荷重耐久性および耐フラットスポット性を向上できている。
また、「実施例3」の空気入りタイヤは、ベルト層11のタイヤ幅方向外端部に対し、左右両側部に設けたベルト補強層12(12A)のタイヤ幅方向外端部の位置を、タイヤ幅方向内側3mmの位置としていることから、ベルト層11のタイヤ幅方向端部での応力集中をベルト補強層12(12A)が受ける事態を防ぎ、さらにベルト補強層11のショルダー部7へのはみ出しを抑制できるので、空気入りタイヤの耐久性を向上でき、ハンドルや車両の振動および車室内騒音の発生原因となる空気入りタイヤの均一性(ユニフォーミティ)を向上できる。なお、ベルト補強層12を、ベルト層11とカーカス層10の間に配置することで、圧縮によるベルト補強層12の座屈変形が抑制され、かつベルト補強層12の長手方向端部においてベルト補強コード121が飛び出す事態が抑制されるので、高速走行での耐久性を向上でき、かつ荷重耐久性および耐フラットスポット性をさらに向上できる。
また、「実施例5」に示す空気入りタイヤは、角度θ、中央部円弧21の曲率半径をRc、ショルダー側円弧22の曲率半径をRs、基準展開幅Lのプロファイル変量因子が、[1°<θ<4.5°]、[5<F1=Rc/Rs<10]、[0.4<F2=L/(TDW/2)<0.7]を満たすように設定されていることから、「比較例1」と比べて、耐フラットスポット性を向上できている。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤは、高速走行での耐久性および耐フラットスポット性を向上しつつタイヤ幅方向での剛性を調整できることに適している。
本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの赤道面を含む子午部分断面図である。 図1に示した空気入りタイヤのカーカス層、ベルト層およびベルト補強層を示す概略平面図である。 図1に示したベルト補強層の展開平面図である。 ベルト補強層の他の形態の展開平面図である。 本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
6 トレッド部
7 ショルダー部
8 サイドウォール部
9 ビード部
10 カーカス層
11 ベルト層
12(12A,12B) ベルト補強層
121 ベルト補強コード
122 ゴム
123 切断部
21 中央部円弧
22 ショルダー側円弧
23 ショルダー部円弧
50 赤道面
A タイヤ幅方向最外方位置
B 仮想線
C ショルダー片落線
CL センタークラウン
D タイヤ幅方向内方端部位置
E 平行線
H1 間隔
H2 間隔
L 基準展開幅
Lc 円弧長
Ls 円弧長
P 基準点
Rc 曲率半径
Rs 曲率半径
TDW トレッド展開幅
W タイヤ幅
θ ショルダー片落線Cと平行線Eとがなす鋭角側の角度

Claims (5)

  1. トレッド部におけるカーカス層のタイヤ径外方向外周側に、ベルト層およびベルト補強層がタイヤ周方向に沿って延設された空気入りタイヤであって、
    前記ベルト補強層は、高弾性材のコードを複数平行に揃えてゴムで被覆すると共に、前記各コードを切断して形成されてなり、前記コードのタイヤ周方向に対する角度を実質的に0°としてタイヤ幅方向に複数並べて配置され、かつタイヤ幅方向での配置に応じて前記コードの切断長さを異ならせたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. トレッド部におけるカーカス層のタイヤ径外方向外周側に、ベルト層およびベルト補強層がタイヤ周方向に沿って延設された空気入りタイヤであって、
    前記ベルト補強層は、高弾性材のコードを複数平行に揃えてゴムで被覆すると共に、前記各コードを切断して形成されてなり、前記コードのタイヤ周方向に対する角度を実質的に0°としてタイヤ幅方向に複数並べて配置され、かつタイヤ幅方向での配置に応じて前記コードの対向する切断端部同士の間隔を異ならせたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト補強層は、前記カーカス層と前記ベルト層との間に設けられ、かつ前記ベルト層のタイヤ幅方向の端部よりもタイヤ幅方向内側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記高弾性材は、スチールであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 正規リムに組込んで正規内圧の5%を内圧充填した状態でのタイヤ子午線方向の断面視において、
    前記ベルト層のタイヤ径方向外周側に設けられるトレッド面が、少なくともタイヤ幅方向の中央に位置する中央部円弧と、タイヤ幅方向最外方に位置するショルダー側円弧とを含む複数の異なる曲率半径の円弧で形成され、
    前記ベルト層のタイヤ幅方向最外方位置からタイヤ径方向外周側へタイヤ径方向と平行に仮想される仮想線と、前記トレッド面のプロファイルとの交点を基準点とし、
    赤道面と、前記トレッド面のプロファイルとの交点をセンタークラウンとし、
    前記基準点と前記センタークラウンとを結んだ線と、タイヤ幅方向に平行な線とがなす角度をθとし、
    前記中央部円弧の曲率半径をRcとし、
    前記ショルダー側円弧の曲率半径をRsとし、
    前記赤道面から前記ショルダー側円弧のタイヤ幅方向内方端部位置までの円弧長である基準展開幅をLとし、
    タイヤ幅方向の前記トレッド面の円弧長であるトレッド展開幅をTDWとした場合に、
    前記トレッド面は、1°<θ<4.5°、5<Rc/Rs<10および0.4<L/(TDW/2)<0.7を満たすように形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
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