図1および図2に示す如く、被矯正材料Wを矯正する矯正機10は、本体11の内部に画成した矯正空間Sにおいて、被矯正材料WのパスラインPLを挟んで位置する上矯正ロール12および下矯正ロール13を備える。矯正機10における材料給送方向の上流側および下流側には、パスラインPLに沿って複数の搬送ローラ(図示せず)を所定間隔離間して配設した材料搬入送置14および材料搬出装置15(図6参照)が配置され、材料搬入装置14により矯正空間Sに搬入された被矯正材料Wは、両矯正ロール12,13により所要の矯正が施された後に材料搬出装置15によって下流側に搬出される。
(矯正機の本体について)
前記矯正機10の本体11は、図1および図2に示す如く、被矯正材料WのパスラインPLに沿う材料給送方向に離間する一対の枠状部材16,16と、該両枠状部材16,16を連結する複数の連結部材17と、両枠状部材16,16間に介挿されて間隔を保持する複数の保持部材18とから基本的に構成される。各枠状部材16は、断面角筒状に形成された一対の縦枠材19,19と、同じく断面角筒状に形成された一対の横枠材20,20を相互に連結することで矩形枠状に形成されたものであって、該枠状部材16には矩形状の開口部16aが開設される。そして、材料給送方向の上流側に位置する枠状部材16の開口部16aから、前記材料搬入装置14で搬送される被矯正材料Wが矯正空間Sに通入され、矯正後の被矯正材料Wが材料給送方向の下流側に位置する枠状部材16の開口部16aから前記材料搬出装置15へ通出される。
前記両枠状部材16,16の4隅部(具体的には縦枠材19,19における開口部16aの上下端部に臨む部位)の間に、矩形状の保持部材18が夫々介挿されている。各保持部材18には、上下に離間して2つの貫通孔18a,18aがパスラインPLに沿って形成されており、各貫通孔18aに連結部材17が挿通されてパスラインPLに沿って延在している。各連結部材17における保持部材18から延出する両端部は、図2に示す如く、対応する枠状部材16に形成した通孔に挿通され、該枠状部材16から突出する端部に形成したねじ部にナット21を螺挿することで、両枠状部材16,16は保持部材18を挟んだ状態で連結固定される。
前記本体11には、パスラインPLを挟んで上下方向に離間する上部フレーム22と下部フレーム23とが、両枠状部材16,16間に配設固定されている。下部フレーム23の上面には、下回転テーブル24が水平旋回自在に配設されると共に、該下回転テーブル24の上面に、軸受25,25(図1に一方のみ図示)を介して前記下矯正ロール13が回転自在に配設される。なお、下回転テーブル24は、下部フレーム23に配設された図示しない角度調整装置により旋回調整されて、下矯正ロール13の回転軸心をパスラインPLに対して所定角度で傾斜し得るよう構成される。また下矯正ロール13における回転軸の一端に設けられた接続部13aは、図2に示す如く、下流側に配置される枠状部材16の開口部16aを介して外方に延出し、該接続部13aが、図示しない外部駆動手段にユニバーサルジョイントを介して接続される。
前記上部フレーム22の下方には、本体11に対して上下動自在に配設された昇降部材26が臨み、該昇降部材26は、上部フレーム22に配設された複数の圧下ねじを備える圧下装置27に連結されている。また昇降部材26の下方には、該昇降部材26に対して上下動可能に配設された支持部材28が臨んでいる。支持部材28の下面には、上回転テーブル29が水平旋回自在に配設されると共に、該上回転テーブル29の下面に、軸受30,30(図1に一方のみ図示)を介して前記上矯正ロール12が回転自在に配設される。なお、上回転テーブル29は、支持部材28に配設された図示しない角度調整装置により旋回調整されて、上矯正ロール12の回転軸心をパスラインPLに対して所定角度で傾斜し得るよう構成される。また、上矯正ロール12における回転軸の一端に設けられた接続部12aは、図2に示す如く、上流側に配置される枠状部材16の開口部16aを介して外方に延出し、該接続部12aが、図示しない外部駆動手段にユニバーサルジョイントを介して接続される。なお、パスラインPLに対する両矯正ロール12,13の回転軸心の傾斜角度は、被矯正材料Wの径寸法や給送速度等に応じて5〜30°の範囲で設定される。
前記支持部材28と昇降部材26とは油圧シリンダ31で連結されて一体的に上下動し得るよう構成されており、前記圧下装置27により昇降部材26を上下動することで、該昇降部材26と一体的に上下動する支持部材28に配設されている上矯正ロール12と前記下矯正ロール13との隙間を、矯正する被矯正材料Wの径寸法に応じて調整し得るようになっている。具体的には、対象となる径寸法の被矯正材料Wに対して、両矯正ロール12,13を通過する際に矯正ロール12,13から所定の圧下力を付与し得る隙間に設定される。また、後述する調整装置34による被矯正材料Wの径寸法の変化に対応するため、矯正対象となる被矯正材料Wの正規の径寸法に対する変化量を考慮して、当該矯正機10で対応し得る最小の径寸法の部分においても所定の圧下力を付与し得る隙間に設定される。なお、支持部材28と昇降部材26とは、油圧シリンダ31のピストン(図示せず)の可動範囲内で相互に近接・離間可能に構成される。
前記上下の矯正ロール12,13は、対応する軸受25,30に着脱自在に配設されており、後述するロール交換に際しては、軸受25,30から矯正ロール12,13を取外すと共に、下矯正ロール13に上矯正ロール12を載置した状態で、両矯正ロール12,13が一度に交換されるようになっている。
前記上部フレーム22には、前記支持部材28に連結されたバランス装置32が配設されている。このバランス装置32は、上部フレーム22に倒立姿勢で配設された複数のバランスシリンダ33を備え、各バランスシリンダ33のピストンロッド33aが支持部材28に連結されている。全てのバランスシリンダ33に供給される油圧圧力は、支持部材28を含んで該支持部材28に配設される部材の全重量と略平衡する値に設定され、前記油圧シリンダ31には、支持部材等の重量が負荷として加わらないよう構成される。なお、実施例では、後述するように油圧シリンダ31の油室31aに増圧前の油圧が加えられて、前記昇降部材26に対して支持部材28が所定高さだけ下降した時点で全てのバランスシリンダ33に加わる負荷と油圧圧力とが平衡するよう設定される。すなわち、油圧シリンダ31に油圧が加えられていない状態では、バランス装置32により支持部材28が昇降部材26に近接するように引き上げられるようになっている。なお、昇降部材26に対して支持部材28は、図示しない規制部材によって位置規制されて最大離間位置より下降するのは阻止されるよう構成される。
(調整装置について)
前記油圧シリンダ31には、該油圧シリンダ31に加わる負荷に応じて下矯正ロール13に対する上矯正ロール12の近接・離間移動(上下動)を許容する調整装置34が接続されている。この調整装置34は、図3に示す如く、油圧シリンダ31に接続される増圧シリンダ35を備える。増圧シリンダ35は、空圧用バレル36の内部に、ピストン37が摺動自在に配設され、該ピストン37によって空圧用バレル内が第1室36aと第2室36bとに分割されている。空圧用バレル36の第2室側に、第2室36bより内径の小さな油圧室38aが内部画成された油圧用バレル38が配設されると共に、該油圧室38aは第2室36bと連通している。前記ピストン37の第2室側には、該ピストン37と一体に移動する小径のピストンロッド37aが連結されており、該ピストンロッド37aの先端部が油圧室38aの内部を摺動するよう構成される。また油圧用バレル38の油圧室38aは、前記油圧シリンダ31の油室31aに連通され、後述するエア・オイルタンク39から油圧室38aに供給された作動油が、油圧シリンダ31の油室31aに充填されるよう構成される。
図3に示す如く、前記油圧用バレル38の油圧室38aには、油圧供給源としてのエア・オイルタンク39におけるオイル貯留部(タンク39の下側部分)39aが接続管路40を介して接続されている。このエア・オイルタンク39におけるエア貯留部(タンク39の上側部分)39bには、図示しない制御装置により制御されるソレノイドバルブ41を介して空圧供給源42が接続され、該空圧供給源42からエア貯留部39bに圧縮空気を供給することで、オイル貯留部39aに貯留されている作動油が前記油圧室38aを介して油室31aに供給されるよう構成される。なお、接続管路40と油圧室38aとの接続位置は、前記ピストン37が最も第1室36aを小さくした状態(上限位置)において油圧室内に臨む前記ピストンロッド37aで塞がれることがなく、かつ通常の矯正時においては常にピストンロッド37aで塞がれる位置に設定され、通常の矯正時には油圧室38aとエア・オイルタンク39との間で作動油が出入りしないようになっている。また前記ソレノイドバルブ41は、通常の矯正時にはON状態に保持されて空圧供給源42をエア貯留部39bに連通すると共に、後述する異常時には制御装置によりOFF状態に切替えられてエア貯留部39bを大気に開放するよう設定される。
前記空圧供給源42とソレノイドバルブ41とを連通接続する第1管路(供給回路)43には、ストップバルブ44、エアフィルタ45、第1レギュレータ46およびルプリケータ47が、空圧供給源側から順に配設されている。第1レギュレータ46は、空圧供給源42からソレノイドバルブ41を介してエア・オイルタンク39に供給されるエア圧力、および後述する第1シャットオフバルブ52を介して空圧用バレル36に供給されるエア圧力を、予め設定された規定圧力に維持するべく機能する。
前記第1管路43におけるルプリケータ47とソレノイドバルブ41との間から分岐する第2管路48(供給回路)が、第2レギュレータ(圧力調整手段)49、サージタンク50および前記制御装置により制御される第1シャットオフバルブ52を介して前記空圧用バレル36の各室36a,36bに接続されている。第2レギュレータ49は、後述する通常の矯正時において第1室内の圧力が規定圧力に対して変化した場合に、該第1室36aを規定圧力に維持するべく機能する。また第1シャットオフバルブ52は、通常の矯正時にはON状態に保持されて前記空圧供給源42を第1室36aに連通すると共に、後述する異常時には制御装置によりOFF状態に切替えられて空圧供給源42を第2室36bに連通するよう設定される。なお、第1シャットオフバルブ52は、調整装置34を起動してエア・オイルタンク39の作動油を油圧用バレル38の油圧室38aおよび油圧シリンダ31の油室31aに充填するまでの間はOFF状態に保持され、その後にON状態に切替えられるように制御装置で制御される。
図3に示す如く、前記油圧用バレル38の油圧室38aに一端が連通接続される保護管路53の他端が、前記エア・オイルタンク39と油圧室38aとを接続する前記接続管路40に連通接続している。この保護管路53に、前記制御装置で制御される第2シャットオフバルブ54が配設されると共に、該第2シャットオフバルブ54の前後の保護管路53にはゲートバルブ55が夫々配設されている。第2シャットオフバルブ54は、通常の矯正時には保護管路53を閉成するOFF状態に保持されて油圧室38aからエア・オイルタンク39へ作動油が戻るのを阻止すると共に、異常時には制御装置でON状態に切替えられて保護管路53を開放して油圧室38aからエア・オイルタンク39へ作動油が戻るのを許容するよう設定される。なお、第2シャットオフバルブ54は、油圧室38aおよび油室31aへの作動油の供給時(後述)にはON状態に保持されて、作動油の供給後のエア圧力による増圧時にOFF状態に切替えられるようになっている。また、保護管路53と油圧室38aとの接続位置は、通常の矯正時において前記ピストンロッド37aで閉塞されない油室側の位置に設定されている。実施例では、前記ソレノイドバルブ41、第1シャットオフバルブ52および第2シャットオフバルブ54から保護装置が構成され、前記油圧シリンダ31に予め設定された異常負荷が加わったときに、これらバルブ41,52,54を切替えることで該異常負荷を解消して機械の保護を図るようになっている。
前記ピストン37の第1室側には、第1室36aから外方に延出する作動杆56が配設され、該作動杆56に検出片56aが設けられている。また作動杆56に近接する位置に、該作動杆56の移動方向に離間して前記制御装置に接続する3つの検出手段57,58,59が配置されて、各検出手段57,58,59は前記検出片56aを検出可能に構成されている。実施例では、図3において上側から下側に順に、第1検出手段57、第2検出手段58および第3検出手段59と指称する。
前記第1検出手段57は、前記油圧用バレル38の油圧室38aおよび油圧シリンダ31の油室31aに作動油が充填されておらず、前記支持部材28がバランス装置32により引き上げられている状態(前記上限位置)で検出片56aを検出するよう位置決めされている。また第3検出手段59は、前記油圧室38aや油室31aに充填されている作動油が、所定の油圧を油圧シリンダ31に付与し得なくなるまで漏れて減少した状態(下限位置)で検出片56aを検出するよう位置決めされ、該第3検出手段59が検出片56aを検出したときには、前記制御装置は矯正機10に異常が発生したことを報知するよう構成される。
前記第2検出手段58は、矯正時において予め設定された異常負荷が前記上矯正ロール12に加わった際に該上矯正ロール12の上昇に伴って移動する検出片56aを検出する位置に位置決めされ、該第2検出手段58が検出片56aを検出したときには、前記制御装置は前記ソレノイドバルブ41、第1シャットオフバルブ52および第2シャットオフバルブ54を切替え制御するよう構成される。なお、通常の矯正時においては、前記検出片56aが第2検出手段58および第3検出手段59の検出位置の間に臨む範囲で、前記上矯正ロール12に加わる負荷に応じて前記ピストン37および作動杆56が上下動するよう設定される。すなわち、前記調整装置34では、第2検出手段58と第3検出手段59との検出位置の離間距離の範囲で、負荷に応じた上矯正ロール12の上下動を許容するものであって、該離間距離を可変することで許容し得る範囲を任意に設定することができる。
(ガイドバーフェーシングについて)
前記本体11におけるパスラインPLとの交差方向の両側には、前記両枠状部材16,16と保持部材18,18とで画成される側部開口11a,11aが形成され、各側部開口11aに、被矯正材料Wを案内するガイドバーフェーシング60を備えるホルダ61が夫々回動自在に配設されている。すなわち、図5に示す如く、材料給送方向に対向する枠状部材16,16における縦枠材19,19間に、各縦枠材19に対してパスラインPLと平行な支持軸62を介してホルダ61が回動自在に配設される(図5では上流側の支持軸62のみ示す)。
前記ホルダ61は、後述する案内位置(図4(a)参照)において略鉛直に延在する板部材61aの矯正空間側(内側)に、水平に延出する取付部61bが形成されて、該取付部61bの上面に、図5に平面で示す如く、横長矩形状をなすガイドバーフェーシング60が着脱交換自在に配設されている。このガイドバーフェーシング60は、取付部61bに対してパスラインPLに対する近接・離間方向および上下方向に移動調整自在に配設され、オーダ変更等により被矯正材料Wの直径が変わっても、その直径に応じた適切な位置にガイドバーフェーシング60を位置決めし得るよう構成される。また前記板部材61aは、案内位置では前記側部開口11aにおけるガイドバーフェーシング60の配設領域を閉成し、矯正時において前記矯正ロール12,13に供給されるロール潤滑水等が外部に飛散するのを防止するよう構成される。
前記ホルダ61には、材料給送方向に離間して油圧や空圧等の流体圧を駆動源とする一対の開閉用シリンダ(回動手段)63,63のボトム側が、図4に示す如く、前記支持軸62の配設位置より外側方の位置に回動自在に枢支される。また各開閉用シリンダ63のピストンロッド63aは、下側に位置する前記保持部材18にブラケット64を介して回動自在に枢支されている。すなわち、一対の開閉用シリンダ63,63を同期して正逆付勢することによりホルダ61は、前記支持軸62,62を支点としてガイドバーフェーシング60が被矯正材料Wを案内する水平姿勢となる案内位置(図4(a)参照)と、該ガイドバーフェーシング60が上向きとなって前記矯正空間Sの外側に臨む取替え位置(図4(b)参照)との間を回動するよう構成される。
前記ホルダ61における各枠状部材16の両縦枠材19,19と対向する端部側に、対応する縦枠材側に開口する位置決め孔65aが形成された位置決め部材65が夫々設けられている。また各枠状部材16の両縦枠材19,19には、前記ホルダ61を案内位置に臨ませた際に対応する位置決め部材65と対応する位置の夫々に、材料給送方向に沿って進退移動可能にストッパ66が配設されている。このストッパ66は、縦枠材19に配設された油圧や空圧等の流体圧を駆動源とする位置決めシリンダ67に連結されており、該位置決めシリンダ67を正逆付勢することによりストッパ66は、前記位置決め孔65aに嵌挿される固定位置と位置決め孔65aから離脱する解放位置との間を往復移動するよう構成される。なお、図5では、下流側に位置する位置決め部材65、ストッパ66および位置決めシリンダ67のみを示している。
(ロール交換装置について)
前記矯正機10の材料給送方向の下流側に配置される前記材料搬出装置15は、図6に示す如く、矯正機10から下流側に所定間隔離間して配置され、該材料搬出装置15と矯正機10との間に、前記矯正ロール12,13を交換するロール交換装置68が配設されている。このロール交換装置68は、材料給送方向に離間してパスラインPLとの交差方向に所定長さで延在する一対のガイドレール69,69に沿って交差方向に移動自在な搬送台車70を備える。搬送台車70は、駆動源のモータおよび該モータで作動されるボールネジとナット等からなる作動手段を備える移動装置71によって、前記交差方向に離間する矯正位置(図6(a))と交換位置(図6(b))との間を移動されるようになっている。なお、実施例では矯正機10とロール交換装置68とから矯正装置が構成される。
前記搬送台車70の上面には、図6に示す如く、材料給送方向に所定間隔離間して複数のガイドローラ72が回転自在に配設され、各ガイドローラ72は図示しない駆動モータによって回転駆動されるようになっている。これらガイドローラ72は、図6(a)に示す如く、搬送台車70を矯正位置に位置決めした際に、前記パスラインPLに整列して、矯正機10から通出される被矯正材料WをパスラインPLに沿って送って材料搬出装置15に受渡し得るよう構成される。また搬送台車70の上面には、ガイドローラ群から交差方向に離間する位置に、矯正ロール12,13の搬出入手段としての搬出入シリンダ74が配設されている。この搬出入シリンダ74は、図6(b)に示す如く、該搬送台車70を交換位置に位置決めしたときにパスラインPLに整列するよう位置決めされ、該搬出入シリンダ74におけるピストンロッド74aの先端に、下矯正ロール13に設けられる図示しない連結部に着脱自在に連結する連結具75を備える。そして、連結具75を連結部に連結した状態で、搬出入シリンダ74を正逆付勢することで、矯正機10の矯正空間Sに対する下矯正ロール13の引き出しおよび送り込みを行ない得るよう構成される。
前記下矯正ロール13には、ロール交換に際しては上矯正ロール12が載置され、両矯正ロール12,13が一度に搬出入されるよう構成される。また、ロール交換に際して下矯正ロール13には4つの車輪76が取付けられ、該車輪76は、搬送台車70に配設されたレール77,77上を移動するよう構成される。なお、車輪76の取付け位置は、下矯正ロール13の回転軸を保持するハウジング等、下矯正ロール13の回転に支障を来さない適宜位置に設定される。
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係る矯正機の作用につき説明する。
前記調整装置34を起動する前の状態では、図3に示す如く、前記増圧シリンダ35のピストン37は上限位置に臨んで、前記作動杆56の検出片56aが第1検出手段57に検出される位置に臨んでいる。また、前記油圧シリンダ31の油室31aおよび油圧用バレル38の油圧室38aには作動油は充填されておらず、前記上矯正ロール12は、前記バランス装置32によって前記支持部材28が昇降部材26に近接するように引き上げられることで上限位置に臨んでいる。更に、前記ソレノイドバルブ41および第2シャットオフバルブ54はON状態で、第1シャットオフバルブ52はOFF状態となっている。この状態から調整装置34を起動すると、前記空圧供給源42から吐出されて前記第1レギュレータ46を介して一定圧に維持された圧縮空気が、前記エア・オイルタンク39におけるエア貯留部39bにソレノイドバルブ41を介して供給される。これにより、エア・オイルタンク39に貯留されている作動油が、前記増圧シリンダ35における油圧室38aに供給されると共に、該油圧室38aから油圧シリンダ31の油室31aに供給されて、油圧室38aから油室31aまでの全体に作動油が充填される。油圧室38aおよび油室31aに充填された作動油には、エア・オイルタンク39に供給されるエア圧が加わっているから、該エア圧によって油圧シリンダ31のピストンが作動されて、前記支持部材28は昇降部材26に対して所定高さだけ下降する。このとき、第1シャットオフバルブ52はOFF状態に保持されており、第2レギュレータ49およびサージタンク50を介して第1シャットオフバルブ52に供給される圧縮空気は増圧シリンダ35の第2室36bに供給され、前記ピストンロッド37aは、前記接続管路40と油圧室38aとの接続位置を塞がない上限位置に保持されている。
前記調整装置34の起動から所定時間(油圧室38aおよび油室31aに作動油が充填される時間)の経過後、前記制御装置により第1シャットオフバルブ52はON状態に切替えられ、前記空圧供給源42から供給される圧縮空気は増圧シリンダ35の第1室36aに供給されるようになる。これにより前記ピストン37が押されてピストンロッド37aが油圧室38aを下降(前進)し、油室31a内の油圧が増圧される。そして、ピストン37の移動に伴って移動する前記検出片56aを第2検出手段58が検出した後に更に下降し、検出片56aが第2検出手段58および第3検出手段59の検出位置の間に臨んで、前記第2シャットオフバルブ54をOFF状態に切替えることにより前記第1室36aが予め設定された規定圧力に達し、調整装置34の準備が完了する。
前記調整装置34の準備が完了した後に、前記圧下装置27により昇降部材26を下降し、上下の矯正ロール12,13の隙間を、対象となる被矯正材料Wの径寸法に応じて調整する。このときの両矯正ロール12,13の隙間は、前述したように被矯正材料Wの径寸法の変化量を考慮して、当該矯正機10で対応し得る最小の径寸法の部分においても所定の圧下力を付与し得る隙間に設定される。また外部駆動手段を駆動し、上下の矯正ロール12,13を相互に反対方向に回転する。この状態で、前記材料搬入装置14を介して前記本体11の矯正空間Sに通入された被矯正材料Wは、両矯正ロール12,13の間を通過することにより真直に矯正された後に本体11から外部に通出され、該被矯正材料Wは矯正位置に位置決めされている前記搬送台車70上のガイドローラ72を介して下流側に送られ、前記材料搬出装置15に受渡される(図6(a)参照)。
また、前記ホルダ61,61に配設したガイドバーフェーシング60,60が、図4(a)および図5に示す如く、被矯正材料WのパスラインPLを挟んで対向的に臨んでおり、両矯正ロール12,13間を通過する被矯正材料Wの横振れを規制しながらその移送を案内している。なお、前記各ホルダ61は、図4(a)に示す案内位置において、前記ストッパ66,66が位置決め部材65,65の位置決め孔65a,65aに嵌挿されて強固に固定保持されているから、ガイドバーフェーシング60,60による被矯正材料Wの安定した案内が達成される。
前記矯正機10の本体11は、図1および図2に示す如く、一対の前記枠状部材16,16を連結部材17で連結して構成されているから、本体自体の剛性は高く、被矯正材料Wの矯正時に矯正ロール12,13やガイドバーフェーシング60,60を介して作用する反力による振動の発生を抑制することができ、精度の高い矯正を行ない得る。また、本体11を構成する部材の寸法を大きくすることなく剛性を高めることができるから、矯正機10の小型化を図り、設置スペースを小さくすることも可能となる。更に、一対の枠状部材16,16をパスラインPLに沿う方向に離間して配置することで、被矯正材料Wの矯正時に矯正ロール12,13やガイドバーフェーシング60,60を介して本体11に作用する特にねじれ反力に対する剛性を高めることができ、より精度の高い矯正を行ない得る。また、実施例の枠状部材16は矩形枠状に形成されているから、該枠状部材16の開口部16aを通過する被矯正材料Wの矯正時に発生するねじれ反力に対する剛性をより高めることができる。
ここで、前記矯正機10に供給される被矯正材料Wの径寸法は、その長手方向で一様であることは少なく、長手方向で径寸法が異なっている。そして、前記矯正ロール12,13に予め設定されている隙間寸法に対して被矯正材料Wの径寸法が変化する場合は、両矯正ロール12,13を通過する被矯正材料Wに所定の圧下力を付与できなかったり過大な圧下力を付与してしまい、精度のよい矯正できなくなるおそれがある。例えば、被矯正材料Wの径寸法が小さい場合は、矯正ロール12,13から付与される圧下力が小さくなることで被矯正材料Wがスリップしてしまう。また、逆に被矯正材料Wの径寸法が大きい場合は、矯正ロール12,13から付与される圧下力が大きくなり過ぎ、大きな機械振動を発生する原因となったり、被矯正材料Wを必要以上に減径させるおそれがある。なお、被矯正材料Wが断面円形でなく、オーバル形である場合もあり、このようにオーバル形の被矯正材料Wを矯正する際においても、両矯正ロール12,13の間を回転しつつ通過する被矯正材料Wの長軸部と短軸部とでは両矯正ロール12,13から付与される圧下力が異なることから、前述した問題を招くおそれがある。
しかるに、実施例の矯正機10では、前記調整装置34により上矯正ロール12に加わる負荷の変化に応じて該上矯正ロール12が上下動するのを許容し、被矯正材料Wを常に最適な条件で矯正することができ、精度のよい矯正が達成される。具体的には、被矯正材料Wの径寸法が大きくなる方向に変化すると、該被矯正材料Wから上矯正ロール12に加わる負荷が大きくなり、この負荷に応じて前記油圧シリンダ31を介して増圧シリンダ35に加わる油圧が大きくなって前記ピストン37が押上げられる。これにより、前記空圧用バレル36の第1室36aの容積が小さくなることで、第1室36aの内部圧力(エア圧力)が大きくなるが、このときには前記第2レギュレータ49により第1室36a内の圧力が一定となるように第2管路48内の圧縮空気が排出され、前記上矯正ロール12の上動を許容しつつ、上矯正ロール12から被矯正材料Wに付与される圧下力は一定に維持される。また、被矯正材料Wの径寸法が小さくなる方向に変化すると、該被矯正材料Wから上矯正ロール12に加わる負荷が小さくなり、この負荷に応じて前記油圧シリンダ31を介して増圧シリンダ35に加わる油圧が小さくなって前記ピストン37がエア圧によって押下げられる。これにより、前記空圧用バレル36の第1室36aの容積が大きくなり、第1室36aの内部圧力(エア圧力)が小さくなるが、第1室36aには一定のエア圧が供給されるようになっているから第1室36a内の圧力は元の圧力(予め設定した規定圧力)に戻り、前記上矯正ロール12は一定圧で被矯正材料Wに圧接するまで下動し、上矯正ロール12から被矯正材料Wに付与される圧下力は一定に維持される。すなわち、上矯正ロール12から被矯正材料Wに付与する圧下力を一定に維持したもとで、被矯正材料Wの径寸法の変化に応じた上矯正ロール12の上下動を許容することで、常に精度の高い矯正を行なうことができる。
また、前記調整装置34に、圧縮空気を用いた増圧シリンダ35を用いているから、被矯正材料Wの径寸法の変化に対する応答性が高く、より精度の高い矯正を行なうことができる。
前記被矯正材料Wの径寸法の変化が大きく、前記上矯正ロール12に加わる負荷によって油圧シリンダ31を介して増圧シリンダ35のピストン37が大きく押上げられ、前記検出片56aが第2検出手段58で検出されると、前記制御装置は上矯正ロール12(油圧シリンダ31)に異常負荷が加わったと判断し、保護装置を作動する。すなわち、前記第2シャットオフバルブ54がON状態に切替えられて、前記油圧用バレル38の油圧室38aと前記接続管路40とが保護管路53を介して連通し、被矯正材料Wから上矯正ロール12を介して加わる負荷によって油圧シリンダ31の油室31aから油圧用バレル38の油圧室38aに押し戻される作動油は、保護管路53および第2シャットオフバルブ54を介してエア・オイルタンク39に戻される。前記ソレノイドバルブ41はOFF状態に切替えられており、エア・オイルタンク39に戻される作動油による圧力上昇に応じてエア・オイルタンク39内の圧縮空気がソレノイドバルブ41を介して外部に排出されることで、油圧室38aからエア・オイルタンク39への作動油の戻りは円滑に行なわれる。また、前記第1シャットオフバルブ52がOFF状態に切替えられ、前記空圧供給源42からの圧縮空気が、該第1シャットオフバルブ52を介して空圧用バレル36の第2室36bに供給されることで、ピストン37が速やかに上昇(ピストンロッド37aが油圧室38aを後退)し、増圧シリンダ35に過負荷が加わるのは防止される。
そして、前記ピストン37が、前記第1検出手段57で検出片56aが検出される上限位置まで上昇すると、前記油圧シリンダ31には増圧シリンダ35からのエア圧力が加わらないようになり、前記支持部材28、すなわち上矯正ロール12は、前記バランス装置32の作用によって引き上げられて前記下矯正ロール13から離間移動する。すなわち、上下の矯正ロール12,13の隙間が広がり、両矯正ロール12,13やその他の機構部に過大な負荷が加わるのを防ぎ、装置の保護を図り得る。
ここで、矯正運転中に前記油圧室38aや油室31aに充填されている作動油が漏れることがあり、この場合は作動油の減少量に応じて前記ピストン37が下降し、増圧シリンダ35から油圧シリンダ31へ付与する圧力は一定(規制圧力)に維持される。そして、作動油の減少に伴って下降するピストン37が下限位置に至ると、前記第3検出手段59が検出片56aを検出し、このときには前記制御装置は矯正機10に異常が発生したことを報知する。従って、増圧シリンダ35から油圧シリンダ31へ一定の圧力(規制圧力)を付与し得なくなった状態で矯正が継続されるのを防ぐことが可能となる。
前述した矯正作業により、前記ガイドバーフェーシング60の案内面が摩耗し、その案内機能が損なわれた場合は、新たなガイドバーフェーシング60に交換する必要がある。この場合は、先ず前記ホルダ61の上流側および下流側に位置する各位置決めシリンダ67を作動し、ホルダ61の対応する位置決め部材65の位置決め孔65aに嵌挿されているストッパ66を夫々解放位置に移動する。これにより、ホルダ61は固定が解除されて開放可能な状態となる。
次に、前記一対の開閉用シリンダ63,63を付勢し、前記支持軸62,62を支点としてホルダ61を、ガイドバーフェーシング60を矯正空間Sから離間する方向に回動する。これにより、図4(b)に示す如く、ホルダ61に配設されているガイドバーフェーシング60が矯正機10の本体外側に露出する取替え位置に至る。この取替え位置においてガイドバーフェーシング60は、ホルダ61の上側において上向き姿勢となっているから、該ホルダ61に対するガイドバーフェーシング60の交換作業を容易に行ない得る。
ここで、前記矯正機10による矯正時には、矯正ロール12,13にロール潤滑水が供給され、該潤滑水と被矯正材料Wから生ずるスケールが混合したヘドロ状の汚れがガイドバーフェーシング60や、前記ホルダ61の板部材61aの内面に付着する。実施例のホルダ61は、前述したようにパスラインPLと平行な支持軸62,62を支点として回動するよう構成してあり、該ホルダ61を取替え位置に回動した状態では、図4(b)に示す如く、前記板部材61aは支持軸側から離間するにつれて上方傾斜する姿勢となるから、該板部材61aの内面や前記ガイドバーフェーシング60に付着したヘドロ状の汚れが、該ホルダ61の開放時に矯正機10の外部に滴下して汚すのは防止される。
また、前記ホルダ61を垂直面内で回動するよう構成してあるから、材料給送方向に離間する前記枠状部材16,16の離間距離(側部開口11aの幅寸法)は、ホルダ61の幅寸法より僅かに大きければよく、両枠状部材16,16を近づけて本体11の剛性を高めることができる。すなわち、従来のように鉛直に延在する軸にホルダの幅方向(上流側または下流側)の一方の端部を枢支して、該ホルダを水平面内で回動してガイドバーフェーシングを矯正空間に対して出し入れする構成では、ガイドバーフェーシングが干渉しない距離だけ両枠状部材を離間させなければならないが、その場合より実施例のようにホルダ61を垂直面内で回動する構成によれば両枠状部材16,16の離間間隔を短かくし得る。従って、本体11の剛性が高くなって、矯正時の振動等の発生を抑制して精度の高い矯正を行なうことができると共に、矯正機10の小型化を図り、設置スペースを小さくすることが可能となる。
更に、前記ホルダ61を取替え位置まで回動した状態で、該ホルダ61が矯正機10の本体11から外方に延出する部分は小さく、前記ガイドバーフェーシング60の交換作業時に作業者が移動する範囲は少なくて済み、作業性が向上する。しかも、取替え位置まで回動したホルダ61によって生ずる死角は少なく、作業の安全性も向上する。
前記ガイドバーフェーシング60を交換したホルダ61を案内位置に戻す場合は、前記開閉用シリンダ63,63を逆付勢することで、該ホルダ61が前記支持軸62,62を支点として回動し、ガイドバーフェーシング60が水平姿勢となる。また、前記各位置決めシリンダ67を逆付勢してストッパ66を解放位置から固定位置に移動することで、該ストッパ66が対応する位置決め部材65の位置決め孔65aに嵌挿されて(図5参照)、ホルダ61は案内位置で強固に固定保持される。
前記矯正機10が長時間に亘って運転されることにより、前記両矯正ロール12,13の表面に傷が付いたり、焼付けによりスケール等が付着したり、または局部的な摩耗が発生すると、被矯正材料Wの精度のよい矯正がなし得なくなる。この場合は、矯正ロール12,13に研磨や改削等の改修を施したり、あるいは新しいロールに交換する必要がある。このように矯正ロール12,13の改修または交換の際には、前記ロール交換装置68を用いて両矯正ロール12,13を本体11から取出すよう構成される。
すなわち、前記矯正ロール12,13を交換する際には、図6(a)に示すように、前記角度調整装置により対応する矯正ロール12,13を旋回して夫々の回転軸心をパスラインPLと平行に位置決めする。そして、前記圧下装置27を用いて上矯正ロール12を下降し、下矯正ロール13に載置すると共に、上下の前記回転テーブル24,29の軸受25,30から各矯正ロール12,13を取外す。また、下矯正ロール13の4箇所に車輪76を取付ける。
次に、前記搬送台車70を移動装置71によって交差方向に移動し、図6(b)に示すように、前記搬出入シリンダ74がパスラインPLに整列する交換位置に搬送台車70を位置決めする。この搬出入シリンダ74のピストンロッド74aを延出し、先端に配設された連結具75を、上矯正ロール12が載置されている下矯正ロール13の連結部に連結する。この状態で、搬出入シリンダ74を付勢してピストンロッド74aをバレル内に引き込むことで、両矯正ロール12,13は、前記矯正空間Sから搬送台車70上に引き出される。このとき、前記車輪76,76が搬送台車70に設けたレール77,77上を移動することで、該両矯正ロール12,13は安定して引き出される。
前記搬送台車70に引き出した矯正ロール12,13を、別の場所に移送して改修した後の矯正ロール12,13、または新しい矯正ロール12,13を矯正機10の本体11に取付ける場合は、前述した取出し時とは逆の工程で行なう。すなわち、交換位置に位置決めされている搬送台車70のレール77,77上に、回転軸心をパスラインPLに整列して上矯正ロール12が載置されている下矯正ロール13の車輪76,76を載置する。前記連結具75を下矯正ロール13の連結部に連結した後、前記搬出入シリンダ74のピストンロッド74aを延出することで、レール77,77に案内されて両矯正ロール12,13は矯正機10の矯正空間Sに送り込まれる。
前記矯正空間Sに送り込まれた上下の矯正ロール12,13を、前記対応する回転テーブル24,29の軸受25,30に取付け、前記連結部から連結具75を取外すと共に、下矯正ロール13から車輪76を取外すことで、矯正ロール12,13の交換作業が完了する。また前記搬送台車70を、移動装置71によって交換位置から矯正位置に移動することで、前記ガイドローラ72がパスラインPLに整列して、矯正作業を行ない得る状態となる。
実施例では、矯正機10の本体11に対して矯正ロール12,13を、パスラインPLに沿って引き出したり送り込むよう構成してあるから、矯正運転時には本体11における上流側または下流側の開口部16a,16aから延出している矯正ロール12,13の接続部12a,13aを、交換時にはパスラインPLに沿う位置まで旋回すればよい。すなわち、本体11を構成する前記枠状部材16が矯正ロール12,13の旋回の邪魔となることはなく、枠状部材16を矯正ロール12,13に近接して配置することができる。よって、本体11の剛性を高くして、矯正時の振動等の発生を抑制して精度の高い矯正を行なうことができる。また、本体11の小型化を図ることができるから、矯正機10の設置スペースを小さくすることも可能となる。
〔変更例〕
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1.実施例では、一対の枠状部材を連結部材で連結した場合で説明したが、枠状部材の数は3つ以上であってもよい。また、隣り合う枠状部材に隙間を設けることなく複数の枠状部材を並べて配置して連結部材で相互に連結する構成を採用し得る。
2.実施例では、一対の枠状部材の間に保持部材を介挿して間隔を保持するようにしたが、連結部材の長手方向の両端部を段付き形状としたりフランジを設け、該連結部材により枠状部材の間隔を保持する構成を採用することができ、この場合は保持部材を省略し得る。
3.実施例では、枠状部材の4隅部を連結部材で連結したが、該連結部材の配設位置は、複数の枠状部材を強固に固定し得る位置であればよい。また、実施例では各部に2本の連結部材を配設したが、1本あるいは3本以上の連結部材を配設してもよい。
4.実施例では、枠状部材を中空(断面角筒状)としたが中実なものであってもよい。
5.実施例では、矩形枠状の枠状部材を用いたが、該枠状部材の形状はこれに限定されるものでなく、多角形や上下端部が弧状に形成されたもの等、その他の形状を適宜に採用可能である。
6.実施例では、圧縮空気と油圧とを併用した増圧シリンダを採用した調整装置の場合で説明したが、圧縮空気を用いることなく油圧のみを用いた増圧シリンダを採用することができる。
7.実施例では、ロール交換装置を矯正機の下流側に配置した場合で説明したが、矯正機の上流側にロール交換装置を配置する構成を採用し得る。
8.実施例では、搬出入手段として搬出入シリンダを用いた場合で説明したが、モータとラック−ピニオン等の機構を用いた装置等、矯正機の本体と搬送台車との間で矯正ロールを進退し得る手段であればよい。
9.実施例では、矯正ロールの交換等に際して本体に対して矯正ロールをパスラインに沿う方向に引き出したり送り込む場合で説明したが、本体に対して矯正ロールをパスラインとの交差方向へ引き出したり送り込む構成を採用し得る。
10.実施例では、ホルダの回動手段として開閉用シリンダを用いた場合で説明したが、モータとラック−ピニオン等の機構を用いた装置等、ホルダを案内位置と取替え位置との間を回動させ得る手段であればよい。
11.実施例では、ホルダをパスラインに沿う支持軸を支点として垂直面内で回動する場合で説明したが、鉛直に延在する軸にホルダの幅方向(上流側または下流側)の一方の端部を枢支して、該ホルダを水平面内で回動する構成を採用し得る。