JP2009088411A - 半導体レーザ素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ発振波長を変更可能であって、光学的損失を抑えつつ光処理素子を同一基板上に集積可能な半導体レーザ素子を提供する。
【解決手段】半導体レーザ素子1は、第1の反射手段3及び第2の反射手段5によってレーザキャビティが構成されている。第2の反射手段5は、利得導波路7及び第1の反射手段3と直列に半導体基板S上に配置されたチャープ型回折格子55であり、半導体レーザ素子1におけるレーザ光の出射面として機能する。このような構成により、溝をレーザ光の反射手段にする場合とは異なり、溝を挟んだ2つの半導体光導波路の光結合効率や、溝内での多重反射の影響を回避することが可能となっており、光学的損失を抑えつつ光処理素子を同一半導体基板S上に集積できる。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体レーザ素子1は、第1の反射手段3及び第2の反射手段5によってレーザキャビティが構成されている。第2の反射手段5は、利得導波路7及び第1の反射手段3と直列に半導体基板S上に配置されたチャープ型回折格子55であり、半導体レーザ素子1におけるレーザ光の出射面として機能する。このような構成により、溝をレーザ光の反射手段にする場合とは異なり、溝を挟んだ2つの半導体光導波路の光結合効率や、溝内での多重反射の影響を回避することが可能となっており、光学的損失を抑えつつ光処理素子を同一半導体基板S上に集積できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レーザ発振波長を変更可能な半導体レーザ素子に関するものである。
波長可変型の半導体レーザとして、例えば非特許文献1に記載のY分岐型波長可変レーザがある。このY分岐型波長可変レーザは、共振器のチップの一端面と周期の異なる2つの回折格子とを反射手段としてレーザキャビティを構成している。2つの回折格子は、互いに異なる反射特性を有しており、バーニア効果により、少ない電流注入でピーク反射波長を大幅に変化させることができる。
Optical Fiber Communication Conference 2-4, TuE2 "State-of-the-artperformance of widely tunable modulated grating Y-branch lasers" Jan-OlofWesstrom, et al. 2006年 電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会、C-2-34 SOA変調器集積外部共振器型波長可変レーザの2.5Gps-360Kmフルバンド伝送特性 水谷健二他
Optical Fiber Communication Conference 2-4, TuE2 "State-of-the-artperformance of widely tunable modulated grating Y-branch lasers" Jan-OlofWesstrom, et al. 2006年 電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会、C-2-34 SOA変調器集積外部共振器型波長可変レーザの2.5Gps-360Kmフルバンド伝送特性 水谷健二他
非特許文献1に記載の従来のY分岐型波長可変レーザでは、チップの一端面を一方の反射手段としてレーザキャビティを構成しており、当該一端面からレーザ光を出射する構成となっている。しかしながら、上述のようなY分岐型波長可変レーザでは、出射されるレーザ光の強度に変調を加えるための光変調器といった光処理素子を設ける場合がある。この場合、チップの一端面を反射手段にしていると、光処理素子とチップの一端面との間に光学レンズといった光学部品を別途に設ける必要があり、光処理素子を同一基板上に集積することが困難であった。
ここで、非特許文献2に記載の外部共振器型半導体レーザは、光変調器と光導波路との間に溝を形成し、溝を反射鏡とすることで光処理素子を同一の基板に集積している。しかしながら、このような溝を形成する場合、溝を挟んだ2つの半導体光導波路の光結合効率や、溝内での多重反射の影響を考慮して溝を形成しなければならないため、光学的な損失を考慮すれば、溝を反射手段として用いることが実用的であるとは言い難いものであった。その結果、光処理素子を同一基板上に集積することが困難であった。
本発明は、上記課題解決のためになされたものであり、レーザ発振波長を変更可能であって、光学的損失を抑えつつ光処理素子を同一半導体基板に集積可能な半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体レーザ素子は、レーザ発振波長を変更可能な半導体レーザ素子であって、半導体レーザ素子のレーザキャビティを構成する第1の反射手段及び第2の反射手段と、レーザキャビティ内に配置され、キャリア注入によって光学的利得を増幅させる利得導波路と、利得導波路、第1の反射手段、及び第2の反射手段が直列に配置された半導体基板と、を備え、第1の反射手段は、周期的な反射特性を有する第1の回折格子と、第1の回折格子とは異なる周期の反射特性を有する第2の回折格子と、第1の回折格子及び第2の回折格子の少なくとも一方に信号を印加するための電極と、第1の回折格子による反射光と、第2の回折格子による反射光を結合する結合手段とを有し、第2の反射手段は、利得導波路に光学的に結合され、第1の反射手段による反射光の波長可変帯域よりも広い反射帯域を持つチャープ型回折格子を有し、基板上に配置され記チャープ型回折格子に光学的に結合された光処理素子を備えたことを特徴とする。
この半導体レーザ素子では、第1の反射手段及び第2の反射手段によってレーザキャビティが構成されている。第1の反射手段は、互いに異なる反射特性を有する第1の回折格子及び第2の回折格子であり、この2つの回折格子の少なくとも1つに電極が設けられている。電極からの信号の印加量の調整により、第1の反射手段で反射する反射光が可変となり、これにより、レーザ発振波長が変更可能となる。一方、第2の反射手段は、利得導波路及び第1の反射手段と直列に半導体基板上に配置されたチャープ型回折格子であり、半導体レーザ素子におけるレーザ光の出射面として機能する。このような構成により、溝をレーザ光の反射手段にする場合とは異なり、溝を挟んだ2つの半導体光導波路の光結合効率や、溝内での多重反射の影響を回避することが可能となっており、光学的損失を抑えつつ光処理素子を同一半導体基板上に集積できる。
また、第2の反射手段は、チャープ型回折格子に対して設けられる電極を更に備えたことが好ましい。電極によるチャープ型回折格子への信号印加によって、チャープ型回折格子の反射波長帯域はシフトする。この場合、シフト前後の波長帯域において第2の反射手段の反射波長帯域を設定すればよく、チャープ型回折格子の長手方向の長さを短くすることが可能となる。その結果、半導体レーザ素子の小型化が図られる。
また、第2の反射手段は、反射波長帯域において、短波長から長波長に向かって徐々に反射率が低減する反射特性を有していることが好ましい。半導体レーザ素子における利得導波路の内部吸収は、短波長側に比べて長波長側で徐々に増加する傾向がある。そのため、第2の反射手段が短波長側から長波長側に向かって徐々に反射率が低減するような反射特性を有することで、半導体レーザ素子の内部吸収を補償することができる。その結果、波長の可変範囲において、半導体レーザ素子から出力されるレーザ光の強度をほぼ一定にすることができる。
本発明に係る半導体レーザ素子によれば、レーザ発振波長を変更可能であり、光学的損失を抑えつつ光処理素子を同一基板上に集積できる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る半導体レーザ素子の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体レーザ素子を概略的に示す図である。半導体レーザ素子1は、例えばWDM(Wavelength Division Multiplexing)伝送システムといった高速かつ大容量の光通信システムにおいて、波長可変型の光源として使用することができる。半導体レーザ素子1は、レーザキャビティを構成する第1の反射手段3と、第2の反射手段5と、利得導波路7と、位相調整器9と、光変調器(光処理素子)13とによって構成されている。これらの各要素は、半導体基板Sの一面側に直列に配置されている。
第1の反射手段3は、第1の光導波路15と、第1の光反射器17と、位相調整器19と、第2の光導波路21と、第2の光反射器23と、多モード干渉結合器(結合手段)24とによって構成されている。第1の光導波路15及び第2の光導波路21は、多モード干渉結合器24から端面25側に分岐し、並列に配置されている。
第1の光反射器17は、第1の不均一回折格子27と、第1の不均一回折格子27に対応して設けられる電極29とによって構成されている。第1の不均一回折格子27は、半導体光導波路31に屈折率変化による回折格子構造33が形成されて構成されている。第1の不均一回折格子27は、例えば図2(a)に示すように、一定の割合で周期が変化するチャープ型の周期構造が長手方向に複数形成された回折格子である。
第1の不均一回折格子27が有する複数の周期の一部をΛ1〜Λn(nは2以上の整数)とすると、Λ1〜Λnは次の関係を満たしている。
Λ1<Λ2<・・・<Λn−1<Λn
また、各周期Λ1〜Λnに対応したブラッグ反射波長をλB1、λB2、・・・、λBnとすると、任意のブラッグ波長λBh(h=1,2,・・・,n)は、次式で表される。
λBh=2nrΛh/m
ここで、nrは実効屈折率であり、mは回折次数である。nrは例えば3.3〜3.5であり、mは通常1である。
Λ1<Λ2<・・・<Λn−1<Λn
また、各周期Λ1〜Λnに対応したブラッグ反射波長をλB1、λB2、・・・、λBnとすると、任意のブラッグ波長λBh(h=1,2,・・・,n)は、次式で表される。
λBh=2nrΛh/m
ここで、nrは実効屈折率であり、mは回折次数である。nrは例えば3.3〜3.5であり、mは通常1である。
図3に、第1の不均一回折格子27の反射スペクトルを示す。図3に示すように、第1の不均一回折格子27は、回折格子の周期構造によって規定されるFSR(Free Spectral Range)の間隔でピーク反射波長が出現する周期的な反射スペクトルを有している。
電極29は、第1の不均一回折格子27上に設けられている。電極29は、電流又は電圧による信号印加によって第1の不均一回折格子27の屈折率を変化させることで、第1の不均一回折格子27のピーク反射波長(図3参照)をシフトさせる。
第2の光反射器23は、第2の不均一回折格子39と、第2の不均一回折格子39に対応して設けられる電極41とによって構成されている。第2の不均一回折格子39は、半導体光導波路43に屈折率変化による回折格子構造45が形成されて構成されている。第2の不均一回折格子39は、例えば図2(b)に示すように、一定の割合で周期が変化するチャープ型の周期構造が複数形成された回折格子である。
第2の不均一回折格子39が有する複数の周期の一部をΛ1〜ΛX(xは2以上の整数)とすると、Λ1〜ΛXは次の関係を満たしている。
Λ1<Λ2<・・・<ΛX−1<ΛX
また、各周期Λ1〜ΛXに対応したブラッグ反射波長をλB1、λB2、・・・、λBXとすると、任意のブラッグ波長λBi(i=1,2,・・・,x)は、次式で表される。
λBi=2nrΛi/m
ここで、nrは実効屈折率であり、mは回折次数である。nrは例えば3.3〜3.5であり、mは通常1である。また、Λn=Λxである。
Λ1<Λ2<・・・<ΛX−1<ΛX
また、各周期Λ1〜ΛXに対応したブラッグ反射波長をλB1、λB2、・・・、λBXとすると、任意のブラッグ波長λBi(i=1,2,・・・,x)は、次式で表される。
λBi=2nrΛi/m
ここで、nrは実効屈折率であり、mは回折次数である。nrは例えば3.3〜3.5であり、mは通常1である。また、Λn=Λxである。
第2の不均一回折格子39は、第1の不均一回折格子27の格子間隔と同様のチャープ型の周期構造を有しているが、周期構造の配置間隔が第1の不均一回折格子27よりも広くなっている点で第1の不均一回折格子27と相違する。
図4に、第2の不均一回折格子39の反射スペクトルを示す。図4に示すように、第2の不均一回折格子39は、周期的な反射スペクトルを有し、回折格子の周期構造によって規定されるFSRの間隔でピーク反射波長が配列されている。第2の不均一回折格子39のFSRの間隔は、第1の不均一回折格子27よりも狭くなっている。
電極41は、第2の不均一回折格子39上に設けられている。電極41は、電流又は電圧による信号印加によって第2の不均一回折格子39の屈折率を変化させることで、第2の不均一回折格子39のピーク反射波長(図4参照)をシフトさせる。
位相調整器19は、半導体導波路35と、半導体導波路35に対応して設けられる電極37とによって構成されている。半導体導波路35は、第1の光導波路15の一端15aと光学的に結合されている。位相調整器19は、電極37による半導体導波路35への信号印加によって、半導体導波路35を伝搬する光の位相を調整する。
多モード干渉結合器24は、第1の光導波路15及び第2の光導波路21を伝搬する反射光を結合する。多モード干渉結合器24には、第1の光導波路15及び第2の光導波路21が光学的に結合されている。
以上のような第1の反射手段3は、電極29,41からの信号印加によって、第1の不均一回折格子27及び第2の不均一回折格子39におけるピーク反射波長をそれぞれシフトさせることにより、第1の不均一回折格子27の反射波長ピーク及び第2の不均一回折格子39の反射波長ピークが一致する単一の波長の反射光を、多モード干渉結合器24によって結合することによって、レーザキャビティを構成する共振器鏡として機能する。図5は、第1の不均一回折格子27及び第2の不均一回折格子39の反射スペクトルが一致する一例を示す図である。図5に示すように、第1の不均一回折格子27及び第2の不均一回折格子39に電極29,41による信号印加が実施されると、図5の中央部分に示すように、第1の不均一回折格子27及び第2の不均一回折格子39が有する複数のピーク反射波長の一つが一致する。このとき、第1の反射手段3は、80%以上の反射率を得ることができる。
また、第1の反射手段3は、バーニア効果によって、少ない電流又は電圧の信号印加で反射波長を大幅に変更することができる。第1の反射手段3の反射波長の変更範囲は、波長可変範囲をλS〜λl(λS>λl)とすると、λSは例えば1.57μmであり、λlは例えば1.65μmである。
一方、第2の反射手段5は、チャープ型回折格子55と、チャープ型回折格子55に対応して設けられる電極57とによって構成されている。チャープ型回折格子55は、利得導波路7に光学的に結合されている。チャープ型回折格子55は、半導体光導波路59に屈折率変化による回折格子構造61が形成されて構成されている。チャープ型回折格子55は、例えば図6に示すように、長手方向に沿って一定の割合で周期が変化している。
チャープ型回折格子55が有する複数の周期Λ1、Λ2、・・・、Λk(nは、2以上の整数)は、次の関係を満たしている。
Λ1<Λ2<・・・<Λk
また、各周期Λ1〜Λkに対応したブラッグ反射波長をλB1、λB2、・・・、λBkとすると、任意のブラッグ波長λBj(j=1,2,・・・,k)は、次式で表される。
λBj=2nrΛj/m
ここで、nrは実効屈折率であり、mは回折次数である。nrは例えば3.3〜3.5であり、mは通常1である。
Λ1<Λ2<・・・<Λk
また、各周期Λ1〜Λkに対応したブラッグ反射波長をλB1、λB2、・・・、λBkとすると、任意のブラッグ波長λBj(j=1,2,・・・,k)は、次式で表される。
λBj=2nrΛj/m
ここで、nrは実効屈折率であり、mは回折次数である。nrは例えば3.3〜3.5であり、mは通常1である。
図7は、チャープ型回折格子55の反射特性を示す図である。同図に示すように、チャープ型回折格子55は、第1の反射手段3による反射光の波長可変帯域(λS〜λl)よりも広い反射帯域を有する。反射率Rcは、例えば1〜30%である。チャープ型回折格子55の反射帯域(λB1〜λBk)においては、短波長側から長波長側に向かって緩やかな傾きをもって略直線的に反射率が徐々に低減するようになっている。
電極57は、チャープ型回折格子55上に設けられている。電極57は、電流又は電圧による信号印加によってチャープ型回折格子55の屈折率を変化させることで、チャープ型回折格子55の反射波長をシフトさせる。
図8に、チャープ型回折格子55の反射波長範囲がシフトする一例を示す。図8に示すように、電極55による信号印加前のチャープ型回折格子55の周期Λ1、Λkに対応するブラッグ反射波長をλ1B1,λ1Bkとし、信号印加後の周期Λ1、Λkに対応するブラッグ反射波長をλ2B1,λ2Bkとする。この場合、チャープ型回折格子55反射波長範囲は、電極57による信号印加により実線で示した信号印加前の反射波長範囲λ1B1〜λ1Bkから、破線で示した反射波長範囲λ2B1〜λ2Bkにシフトしている。
利得導波路7は、第2の反射手段5及び半導体導波路51に光学的に結合されている。利得導波路7は、利得導波路7に対応して設けられる電極49によってキャリアが注入され、光学的利得を増幅させる。半導体レーザ素子1のような半導体素子では、利得導波路7において光の内部吸収が生じる。図9に、波長と利得導波路7の吸収係数との関係の一例を示す。図9に示すように、利得導波路7の吸収係数は、短波長側から長波長側に向かって緩やかな傾きをもって略直線的に増加している。
位相調整器9は、利得導波路7の一端47aに光学的に結合された半導体導波路51と、半導体導波路51に対応して設けられた電極53とによって構成されている。位相調整器9は、電極53による信号印加により半導体導波路51を伝搬する光の位相を調整する。
光変調器13は、半導体光導波路63と、半導体光導波路63に対応して設けられる電極65によって構成されている。半導体光導波路63は、半導体光導波路59の一端59bに光学的に結合されており、半導体導波路63の端面67は、半導体レーザ素子1のレーザ光の出射面となっている。光変調器13は、電極65によってチャープ型回折格子55から出射されるレーザ光に所望の変調を加え、端面67からレーザ光を出射する。光変調器13は、例えば電界吸収型光変調器やマッハツェンダー型の光変調器である。
続いて、半導体レーザ素子1の断面構成について説明する。図10は、図1におけるX−X線断面図である。
図12に示すように、半導体レーザ素子1は、半導体基板Sと、半導体基板Sの一面側において、第1の反射手段3と、第2の反射手段5と、利得導波路部7と、位相調整器9と、光変調器13とが設けられている。半導体基板Sの他面側には、全面に電極68が設けられている。
第1の反射手段3を構成する第1の不均一回折格子27は、半導体基板Sから順にn型クラッド層69、光ガイド層71a、コア導波路層73a、光ガイド層75a、回折格子構造33、p型クラッド層77、コンタクト層79aが積層され、コンタクト層79aの上面に電極29が設けられている。回折格子構造29は、光ガイド層75aの表面に設けられた周期構造から構成されている。また、第2の不均一回折格子39は、図示しないが第1の不均一回折格子27と同様に形成されている。
光結合器7は、半導体基板Sから順にn型クラッド層69、光ガイド層71a、コア導波路層73b、光ガイド層75b、p型クラッド層77が積層されている。
第2の反射手段5は、半導体基盤Sから順にn型クラッド層69、光ガイド層71a、コア導波路層73d、光ガイド層75d、回折格子構造61、p型クラッド層77、コンタクト層79eが積層され、コンタクト層79eの上面に電極57が設けられている。回折格子構造61は、光ガイド層75dの表面に設けられた周期構造から構成されている。
利得導波路7は、半導体基板Sから順にn型クラッド層69、光ガイド層71a、活性層73c、光ガイド層75c、p型クラッド層77、コンタクト層79cが積層され、コンタクト層79の上面に電極49が設けられている。活性層73cは、例えば1.25μm〜1.65μm帯に利得を持つ4元混晶GaInAsP/GaInAsP量子井戸(QW)構造を有している。
位相調整器9は、半導体基板Sから順にn型クラッド層69、光ガイド層71a、コア導波路層73b、光ガイド層75b、p型クラッド層77、コンタクト層79dが積層され、コンタクト層79dの上面に電極53が設けられている。
光変調器13は、半導体基板Sから順にn型クラッド層69、光ガイド層71、吸収層73e、光ガイド層75e、p型クラッド層77、コンタクト層79fが積層され、コンタクト層79fの上面に電極65が設けられている。吸収層73eは、例えばGaInAsP/GaInAsP量子井戸(QW)構造を有している。
ここで、コア導波路層73a〜73eは、例えばGaInAsP層である。n型クラッド層77及びp型クラッド層69は、例えばInP層である。コンタクト層79a〜79fは、例えば高濃度ドープされたGaInAs層である。また、縦方向の光閉じ込めはクラッド層69,77によってなされており、横方向の光閉じ込めはストライプ状の導波路構造と、導波路構造を埋め込む埋め込み層85とによってなされている。
また、半導体レーザ素子1は、光変調器13が設けられた端面側に反射防止膜87が形成されている。反射防止膜87は、ARコート等からなる反射率が0.1%以下の低反射膜である。
以上説明したように、この半導体レーザ素子1では、第1の反射手段3及び第2の反射手段5によってレーザキャビティが構成されている。第1の反射手段3は、互いに異なる反射特性を有する第1の不均一回折格子27及び第2の不均一回折格子39であり、この2つの不均一回折格子27,39に電極29,41が設けられている。電極29,41からの信号の印加量の調整により、第1の反射手段3で反射する反射光の波長が可変となり、これにより、レーザ発振波長が変更可能となる。
一方、第2の反射手段5は、利得導波路7及び第1の反射手段3と直列に半導体基板S上に配置されたチャープ型回折格子55であり、半導体レーザ素子1におけるレーザ光の出射面として機能する。このような構成により、溝をレーザ光の反射手段にする場合とは異なり、溝を挟んだ2つの半導体光導波路の光結合効率や、溝内での多重反射の影響を回避することが可能となっており、光学的損失を抑えつつ光処理素子を同一半導体基板S上に集積できる。
また、第2の反射手段5は、チャープ型回折格子55に対して電極57が設けられているので、電極57による信号印加によって、チャープ型回折格子55の反射波長帯域をシフトさせることができる。この場合、シフト前後の波長帯域において第2の反射手段5の反射波長帯域を設定すればよいので、チャープ型回折格子55の長手方向の長さを短くすることが可能となる。その結果、半導体レーザ素子1の小型化が図られる。
また、第2の反射手段5は、反射波長帯域において、短波長から長波長に向かって徐々に反射率が低減する反射特性を有しているので、短波長側に比べて長波長側で徐々に増加する傾向がある利得導波路7の内部吸収を補償することができる。その結果、図11の実線に示すように、チャープ型回折格子55から出射されるレーザ光は、波長範囲λB1〜λBkに対してほぼ一定の光の出力を得ることができる。このような波長依存性は、チャープ型回折格子55における単位長さ当たりの回折波長変化を短波長側(λB1)ほど小さくし、長波長側に比べて短波長側の反射率を大きくすることで実現できる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、第2の反射手段5に用いる回折格子は、図12に示すチャープ型回折格子89でもよい。チャープ型回折格子89は、チャープ型回折格子55とは回折格子構造が異なる。チャープ型回折格子89は、n個(nは2以上の整数)の領域1011〜101nを有しており、それぞれの領域は格子間隔が同じであり、n個の領域が長手方向に沿って一定の周期で変化している。この場合も、チャープ型回折格子55と同様に、電極による信号印加によって反射波長帯域をシフトさせることができる。また、チャープ型回折格子89には、チャープ型回折格子55と同様に、反射率が短波長側から長波長側に向かって緩やかな傾きをもって略直線的に低減する波長依存性をもたせることができる。
1…半導体レーザ素子、3…第1の反射手段、5…第2の反射手段、7…利得導波路、13…光変調器、24…多モード干渉器(結合手段)、27…第1の不均一回折格子(第1の回折格子)、29,41,57…電極、39…第2の不均一回折格子(第2の回折格子)、55…チャープ型回折格子、S…半導体基板。
Claims (3)
- レーザ発振波長を変更可能な半導体レーザ素子であって、
前記半導体レーザ素子のレーザキャビティを構成する第1の反射手段及び第2の反射手段と、
前記レーザキャビティ内に配置され、キャリア注入によって光学的利得を増幅させる利得導波路と、
前記利得導波路、前記第1の反射手段、及び前記第2の反射手段が直列に配置された半導体基板と、を備え、
前記第1の反射手段は、
周期的な反射特性を有する第1の回折格子と、
前記第1の回折格子とは異なる周期の反射特性を有する第2の回折格子と、
前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の少なくとも一方に信号を印加するための電極と、
前記第1の回折格子による反射光と、前記第2の回折格子による反射光を結合する結合手段とを有し、
第2の反射手段は、
前記利得導波路に光学的に結合され、前記第1の反射手段による反射光の波長可変帯域よりも広い反射帯域を持つチャープ型回折格子を有し、
前記半導体基板上には、前記チャープ型回折格子に光学的に結合された光処理素子が設けられていること特徴とする半導体レーザ素子。 - 前記第2の反射手段は、前記チャープ型回折格子に対応して設けられる電極を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ素子。
- 前記第2の反射手段は、前記反射帯域において、短波長側から長波長側に向かって徐々に反射率が低減する反射特性を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体レーザ素子。
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JP2007259095A JP2009088411A (ja) | 2007-10-02 | 2007-10-02 | 半導体レーザ素子 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013179266A (ja) * | 2012-01-30 | 2013-09-09 | Agilent Technologies Inc | 位相連続波長可変レーザ |
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- 2007-10-02 JP JP2007259095A patent/JP2009088411A/ja active Pending
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